JPS5838713Y2 - スピ−カ用永久磁石の磁気回路構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスピーカのボイスコイルに磁束を与えるスピー
カボイスコイル用の永久磁石の磁気回路に関する。

スピーカに使用する永久磁石として焼結合金形（フェラ
イト）のものと、鋳造形（アルニコ）のものが知られて
いる。

前者は保持力が後者に比較して小さいのでエアギャップ
に同一の磁束密度を得るために、後者に比較して体積の
大きい磁石を使用する必要がある。

第１図は焼結合金形の永久磁石を使用した代表的な磁気
回道構造を示す図、第２図は鋳造形の磁石を使用した代
表的な磁気回路構造を示す図である。

第１図において８はポール、９は円環状と永久磁石、１
０はプレートであり、プレート１０とポール８間にエア
ギャップＧが形成されている。

第２図は鋳造磁石４を用いたものであって、ヨーク１と
ポール２間にエアギヤツブＧが形成されている。

３は非磁性体の押え皿であって、ポール２の基部を磁石
４に押し付ける働きをしている。

第１図に示した永久磁石構造はいわゆる外磁形であるた
めに、エアギャップＧだけではなく、外部に磁束がもれ
るという欠点がある。

そのため磁束の影響を受けては都合の悪いセット、例え
はカラーテレビ受像機には使用できない。

第３図に示す構造は磁束のもれを防止するために比較的
大きな永久磁石をヨーク１内に設けたものである。

基部が円錐表面形状であるポール２を非磁性体の押え皿
で焼結磁石５に押しつけである。

このような構造でもある程度のエアギャップ磁束が得ら
れる。

しかし、焼結合金磁石はもろいので組立中に破損しやす
いという問題がある。

また磁石自体の保磁力が小であるから、エアギャップの
磁束が不足気味となる問題がある。

本考案の目的は、前記諸問題を解決した永久磁石構造を
提供することにある。

前記目的を達成するために本考案によるスピーカ用永久
磁石の磁気回路構造は、ボイスコイル用の空隙の外周孔
を有するヨークと、前記孔の中心に位置させられ下側に
フランジを有するポールと、前記ヨークの内側の前記孔
の外周部と前記ポールのフランジ間に位置させられる非
磁性体支持構造と、前記ヨークの底面に接し前記ポール
の下側に位置させられる永久磁石と、前記ポールのフラ
ンジと前記永久磁石間に圧入される前記永久磁石のポー
ル側端面よりもわずかに小さい面積の磁石板とから構成
しである。

上記構成によれば、本考案の目的は完全に達成できる。

以下図面を参照しながら本考案による磁気回路の構造を
さらに詳しく説明する。

第４図は本考案による構造の実施例を示す図、第５図は
第４図に示した磁石の組立を説明する説明図である。

ヨーク１にはボイスコイル用空隙の孔が設けられており
、この孔の中心に下端部にフランジを有する軟鉄のポー
ル２が配置される。

フランジとヨーク１間には黄銅の支持皿３が配置されて
いる。

ポール２のフランジと永久磁石５の間には軟鉄板６が機
械で圧入されている。

この圧入の過程で、押え皿は上下方向に圧縮されるが自
体の弾性で、ポールと軟鉄板６と磁石５を圧接させる働
きをする。

軟鉄板６は第５図に示すように両辺の一部に斜面が設け
られており、圧入を容易にしている。

またこの軟鉄板６の形状は磁石５の形状に合せてそれよ
りも、わずかに小さくなるようにして、永久磁石の磁束
を有効にエアギャップに誘導するようにしである。

このような構造にすれば磁石５、軟鉄板６、ポール２、
エアギャップＧ、ヨーク１の磁気回路が良好に形式され
て、第３図に示したようにヨーク内で磁石５とヨーク内
面間を結ぶ磁束を減少させることができる。

その結果第３図に示した構造と、第４図に示した構造を
、同一の形状のヨークと磁石を用いて形成した場合第３
図に示したものよりも第４図に示したものの方がエアギ
ャップの磁束密度が１０％以上大きくなった。

以上詳しく説明したように、本考案による構造では、焼
結合金の永久磁石を用いて内磁形の構造を合理的に作る
ことができる。

そのため外部のもれの問題は解決できる。

次に、焼結磁石自体を圧入しようとしたり、歪力が極端
に加えられると、もろく破損しやすいが、軟鉄板を圧入
するという簡単な作業工程で一体化でき磁石を破損する
ことはない。

なお組立の場合は第５図に示すようなポール、ヨーク、
永久磁石の位置関係を治具を用いて出しておいて、プレ
ス機械により、軟鉄板をゆっくりと押し込めば良い。

治具からはずせば、組立は完了する。

次に軟鉄板の存在によりヨーク内部の磁気回路が合理的
になり、磁束が有効にギャップに集められる。

その結果第３図に示されたような内部の漏洩磁束は減少
させられ、エアギャップＧの磁束密度を上げることがで
きる。

以上焼結磁石を用いる例につき詳しく説明したが、異な
った形式の磁石を用いても本考案による構造を適用する
ことが可能である。

ヨークの形状等も同様に変形可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の外磁形磁気回路構造を示す図、第２図は
内磁耐磁気回路構造を示す図、第３図はさらに他の内磁
耐磁気回路構造を示す図である。 第４図は本考案による磁気回路構造の実施例を示す図、
第５図は第４図に示した構造の組立を説明するための略
図である。 １・・・・・・ヨーク、２・・・・・・ポール、３・・
・・・・押え皿（支持構造）、４・・・・・・鋳造磁石
、５・・・・・・焼結磁石、６・・・・・・中間鉄板、
８・・・・・・ポール、９・・・・・・焼結磁石、１０
・・・・・・プレート、Ｇ・・・・・・ボイスコイル用
エアギャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボイスコイル用空隙の外周孔を有するヨークと、前記孔
   の中心に位置させられ下側にフランジを有するポールと
   、前記ヨークの内側の前記孔の外周部と前記ポールのフ
   ランジ間に位置させられる非磁性体支持構造と、前記ヨ
   ークの底面に接し前記ポールの下側に位置させられる永
   久磁石と、前記ポールのフランジと前記永久磁石間に圧
   入される前記永久磁石のポール側端面よりもわずかに小
   さい面積の磁性板とから構成したスピーカ用永久磁石の
   磁気回路構造。