JPH0413909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は音響機器類の全面駆動型ツイータに関
する。

（従来技術） 全面駆動型ツイータとしては、振動板に耐熱フ
イルムを使用し、その表面にプリントパターンを
形成して構成したものがある。

しかるに、従来この種のプリンテツドフイルム
振動板ツイータの磁気回路は、例えば第４図に示
すように、上下に間隔を介し多数の棒状のマグネ
ツト３Ａ，３Ｂを対向配置し、かつその間にプリ
ントパターン４ａを有する振動板４を設けたタイ
プがある。

また、第５図に示すように、リング状のマグネ
ツト３の上方にプレート２を配し、かつこのプレ
ート２の内周部に対向して設けられたポール１ａ
間の磁気ギヤツプに振動板４を設けた外磁型磁気
回路のタイプのものがある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前者においては希土類のマグネ
ツト３Ａ，３Ｂを多量に使い、また、その着磁方
向が同一方向ではないため、部品コストおよび製
造コストがかかるという問題点があつた。

また、後者ではマグネツト３としてフエライト
を使用しているため、前者に比べコストを安くす
ることができる反面、ポール部１ａ・プレート２
間に流れる磁束のうち最大磁束密度部にプリント
パターン４ａが位置しないので、出力音圧レベル
が低いという問題点があつた。

本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、後者のタイプにおいて、
プリントパターンに作用する有効磁束を増大さ
せ、能率アツプ、周波数特性の平坦化を図つた全
面駆動型ツイータを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） すなわち、本考案は上記目的を達成するため
に、振動板に耐熱フイルムを使用しその表面にプ
リントパターンを作成し、このプリントパターン
はポール部、プレート間の磁気ギヤツプ部分に配
設された全面駆動型ツイータにおいて、フレーム
８側から突出させた複数本のアーム７によつてス
ピーカ本体の中央部にイコライザ６を支持させ、
このイコライザ６の底部に形成された凹所６ａ
に、ポール部１ａとの対向部が同極となつている
希土類マグネツト５を設けたことを要旨としてい
る。

（作用） 本考案では磁気回路を構成するポール部上部に
新たに別の希土類マグネツトをを設け、ポール部
からの磁束、振動板のプリントパターン部分に有
効に流れるようにして出力音圧レベルを向上させ
ている。

また、この場合、マグネツトを、フレームから
突設された数本のアームによつて支持されたイコ
ライザの裏面に形成した凹所内に配設するように
し、マグネツトの取付構造にも工夫をこらすとと
もに、上記に加えイコライズ効果を得ている。

（実施例） 以下、図面に沿つて本考案を説明する。

第１図は本考案の基本原理を示すもので、図中
１は断面が略逆Ｔ字状を呈するポールピースで、
この中央先端部のポール部１ａの外周部には磁気
ギヤツプを介しリング状のプレート２が対向配置
され、このプレート２の下部にはフエライトから
なるマグネツト３が設けられ、いわゆるフエライ
ト外磁型の磁気回路が形成されている。また、４
は、耐熱フイルムの表面にボイスコイルとしての
プリントパターン４ａが作成されたプリントテツ
ドフイルム型の振動板であり、プリントシパター
ン４ａは磁気ギヤツプ部分に位置され、かつこの
振動板４はフレーム２の内周部上面に周知の如く
適宜の支持手段を介して振動可能に配設されてい
る。

しかして、ポール部１ａの上方には離間対向し
て希土類マグネツト５が設けられている。この場
合、ポール部１ａがＮ極であるとすると、それと
対向するマグネツト５の下面が同極のＮ極に、ま
た、その上面はＳ極に着磁されている。

したがつて、ポール部１ａに漏洩磁束はマグネ
ツト５の磁極によつて磁気ギヤツプ側に偏向され
るため、その部分に設けられた振動板４のプリン
トパターン４ａへ作用する磁束が増大し、能率が
向上するものである。換言すると、マグネツト５
の磁極によりポール部１ａからの磁束を磁気ギヤ
ツプに配設されたプリントパターン４ａ側に集中
して流れるように押しやりその部分の磁束密度の
増大を図つている。

第２図は本考案の具体的一実施例であり、マグ
ネツト５はイコライザ６の裏面に形成された凹所
６ａ内に接着剤等により収納・固定されている。
このイコライザ６はポール部１ａの上方に離間し
て配設されている。すなわち、フレーム８の内周
部からスピーカ本体の中央部に向かつて放射状に
延びる複数本のアーム７が突設され、この細棒状
のアーム７の先端部にイコライザ６の外周部が連
結され、このようにして支持されたイコライザ６
の裏面の凹所６ａ内にポール部１ａ上面と離間・
対向してマグネツト５が設けられている。このた
め、磁気ギヤツプを流れる有効磁束の増大とイコ
ライザ６によるイコライズ効果の相乗作用により
周波数特性を改善することができる。

第３図イは希土類マグネツトなしの場合の周波
数特性、ロ図は本考案のもので、この特性図から
明らかなように本考案においては出力音圧レベル
が向上し、かつ周波数特性も平坦化してい音質が
良好となつている。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、フレーム側から
突設したアームによりスピーカ本体中央部にイコ
ライザを支持させ、かつこのイコライザの底部の
凹所にポール部と対向し、かつ対向面が同極の希
土類マグネツトを収納して構成したから、有効磁
束の増大、イコライザ効果等により、出力音圧レ
ベルが向上し、かつ周波数特性が平坦化しその改
善を図ることができる。

また、希土類マグネツトの支持手段としてイコ
ライザを用い簡易構成としたため、製造が容易で
ある利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の基本原理を示す説明図、第２
図は本考案の一実施例の概略判断面図、第３図は
スピーカの周波数特性図で、イは従来例、ロは本
考案、第４図は一従来例、第５図は他の従来例で
ある。 １……ポールピース、１ａ……ポール部、２…
…プレート、３……マグネツト、４……振動板、
４ａ……プリントパターン、５……マグネツト、
６……イコライザ、６ａ……凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が略逆Ｔ字状のポールピース１のポール部
   １ａの先端外周部に磁気ギヤツプを介しリング状
   のプレート２が対向配置され、このプレート２の
   下部にフエライトからなるマグネツト３が設けら
   れた磁気回路の前記磁気ギヤツプ部分に、耐熱フ
   イルムからなる振動板４の表面に形成されたプリ
   ントパターン４ａを配設した全面駆動型ツイータ
   において、フレーム８側から突出させた複数本の
   アーム７によつてスピーカ本体の中央部にイコラ
   イザ６を支持させ、このイコライザ６は前記ポー
   ル部１ａと離間対向配置され、その底部に形成さ
   れた凹所６ａに、ポール部１ａとの対向部が同極
   となつている希土類マグネツト５を設けたことを
   特徴とする全面駆動型ツイータ。