JP3753768B2 - 防磁型スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種AV機器等に使用される防磁型スピーカ関し、特にリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の防磁型スピーカとしては、図2に示すようなリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカが知られている。図において、1はセンターポール、1aはセンターポールのプレート部、2は上部プレート、3はプレート部1aと上部プレート2の間に設置されるメインマグネット、4はメインマグネット3とは互いに同極が対向するように配置されるリパルジョンマグネット、15は上部プレート2上に設置されるフレーム、16はセンターポール,上部プレート2,メインマグネット3,リパルジョンマグネット4を構成要素とするリパルジョン型磁気回路の外周部と底部を形成しているアウターヨークである。
【0003】
メインマグネット3からの磁束は→上部プレート2→センターポール1→プレート部1aを経てメインマグネット3に戻る。リパルジョンマグネット4からの磁束は→アウターヨーク16→上部プレート2→センターポール1→プレート部1aを経てリパルジョンマグネット4に戻る。図示されていないが、上部プレート2とセンターポール1で形成される磁気空隙にボイスコイルは設置され、このボイスコイルに音声電流を流すことによって連結されているスピーカの振動板を振動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例におけるリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカでは、アウターヨーク16を使用している。このアウターヨーク16は絞り加工により必要な形状に形成するために多くの工程を必要とし、リパルジョンマグネット4とこのアウターヨーク16をスピーカ本体に接着する工数も含めると非常なコスト高となる。
【0005】
更に、図において、アウターヨーク16の直径をD,板厚みをtとすると、外周部の断面積はπDtとなり、底部の断面積は中心からの距離によって異なり、π(0〜D)tとなる。
本来、アウターヨーク16の断面積は一定であることが望ましく、外周部は底部に対して薄くても良い。ところが、アウターヨーク16は板材を絞るため厚さが一定となり、外周部の断面積が大きくなり非効率的である。
また、メインマグネット3の磁束が上部プレート2を経てフレーム15に伝わり漏洩磁束の発生につながることが課題となっている。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、多くの課題のあるアウターヨークを廃止し、かつ、フレームからの漏洩磁束の発生を無くしたリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の防磁型スピーカでは、従来使用していたアウターヨークを廃止し、フレームの一端をリパルジョンマグネット側に伸ばし、前記上部プレートの外周下部を前記フレームに形成した段部に当接し、センターポール,上部プレート,メインマグネット,リパルジョンマグネットを構成要素とするリパルジョン型磁気回路の外周部を形成するようにしている。
更に、鉄板の裏板をリパルジョンマグネットの背面に被せてフレームの開口部の内側に接合し、リパルジョン型磁気回路の底部を形成するようにしている。
従って、リパルジョン型磁気回路を構成する外周側全体を覆っているフレームの板厚とリパルジョン型磁気回路を構成する底側全体を覆っている鉄板の板厚との割合を効率的に設計することができる。また、工数の低減により優れた機能を持つリパルジョン型磁気回路を備えた防磁型スピーカの製造コストのダウンを図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の防磁型スピーカは、メインマグネットを上部プレートとセンターポールのプレート部との間に設置し、かつ、リパルジョンマグネットをセンターポールのプレート部の背面に設置して構成するリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカにおいて、
前記リパルジョン型磁気回路の外周部をフレームの一端を前記上部プレートの外周部から直線的に前記リパルジョンマグネットの外周側へ伸ばすことによって形成し、かつ、前記リパルジョン型磁気回路の底部を鉄板の裏板を被せることによって形成したことに特徴を有している。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例である防磁型スピーカにおけるリパルジョン型磁気回路の半断面図である。なお、図1と同一符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示しており、説明を省略する。
図において、1はセンターポール、1aはセンターポールのプレート部、2は上部プレート、3はメインマグネット、4はリパルジョンマグネット、5はフレーム、6は裏板である。フレーム5と裏板6はリパルジョン型磁気回路の外周部と底部を形成している。
【0010】
メインマグネット3からの磁束は→上部プレート2→センターポール1→プレート部1aを経てメインマグネット3に戻る。リパルジョンマグネット4からの磁束は→裏板6→フレーム1→上部プレート2→センターポール1→プレート部1aを経てリパルジョンマグネット4に戻る。
【0011】
従来例で示した上部プレート2に接着するフレーム15の形状を本発明の実施例で示したフレーム5のように、一端をリパルジョンマグネット4の外周側へ伸ばし、上部プレートの外周下部をフレームの対応位置に形成した段部に当接させ、フレームのリパルジョンマグネット側の開口部に被せた裏板6と併用することにより、従来のアウターヨーク16を無くすことができる。アウターヨーク16は材料費,加工費とも高価であるためこれを無くすことにより、大幅なコストダウンが図られる。また、リパルジョン型磁気回路の外周部を形成しているフレームの板厚とリパルジョン型磁気回路の底部を形成している鉄板の板厚の割合を効率的に設計することができる。これは、外周がフレーム5となり、通常裏板6より薄くなるが、断面積においては殆ど同一のため、同等の性能を得ることができ、合理的な設計である。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明による防磁型スピーカは、リパルジョン型磁気回路の外周部をフレームの一端を前記上部プレートの外周部から直線的にリパルジョンマグネットの外周側へ伸ばすことによって形成し、かつ、リパルジョン型磁気回路の底部を鉄板の裏板を被せることによって形成したので、
リパルジョン型磁気回路の外周部を形成している部分のフレームの形状は単純で加工が容易であり、裏板の使用と相まって、アウターヨークに比べて材料費,加工費とも安価でコストダウンとなる。また、外周部がフレームとなり、通常裏板より薄くなるが、断面積においては殆ど同一のため、同等の性能を得ることができ、合理的な設計である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である防磁型スピーカにおけるリパルジョン型磁気回路の半断面図である。
【図2】従来例の防磁型スピーカにおけるリパルジョン型磁気回路の半断面図である。
【符号の説明】
1 センターポール
1a センターポールのプレート部
2 上部プレート
3 メインマグネット
4 リパルジョンマグネット
5,15 フレーム
6 裏板
16 アウターヨーク
Claims (1)
- メインマグネットを上部プレートとセンターポールのプレート部との間に設置し、かつ、リパルジョンマグネットをセンターポールのプレート部の背面に設置して構成するリパルジョン型磁気回路を有する防磁型スピーカにおいて、
前記リパルジョン型磁気回路の外周部をフレームの一端を前記上部プレートの外周部から直線的に前記リパルジョンマグネットの外周側へ伸ばし、前記上部プレートの外周下部を前記フレームに形成した段部に当接し、
かつ、前記リパルジョン型磁気回路の底部を鉄板の裏板を前記フレーム開口部の内側に被せることによって形成したことを特徴とする防磁型スピーカ。
Priority Applications (1)
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JP33406095A JP3753768B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 防磁型スピーカ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33406095A JP3753768B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 防磁型スピーカ |
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JPH09154193A JPH09154193A (ja) | 1997-06-10 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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1995
- 1995-11-28 JP JP33406095A patent/JP3753768B2/ja not_active Expired - Fee Related
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