JPH0590012A - 高電圧用バリスタ及びその製造方法 - Google Patents

高電圧用バリスタ及びその製造方法

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JPH0590012A
JPH0590012A JP3278649A JP27864991A JPH0590012A JP H0590012 A JPH0590012 A JP H0590012A JP 3278649 A JP3278649 A JP 3278649A JP 27864991 A JP27864991 A JP 27864991A JP H0590012 A JPH0590012 A JP H0590012A
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正明 豊田
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    • H01C7/10Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material voltage responsive, i.e. varistors
    • H01C7/105Varistor cores
    • H01C7/108Metal oxide
    • H01C7/112ZnO type

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚さ1mm当りのバリスタ電圧が800V以
上という高電圧用バリスタ及びその製造方法。 【構成】 実質的に、酸化亜鉛(ZnO)とマンガン酸
化物(MnO)のみから構成され、IIIb族元素化合物の
含有率が20wtppm以下で、かつ平均粒径が5μm
以下の粒子の焼結体からなり、MnOがZnO+MnO
に対し3〜15モル%の範囲にあり、バリスタ電圧が8
00V/mm以上、非直線指数(α)が30以上、比抵
抗が1×109Ωcm以上であるバリスタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化亜鉛バリスタ及び
その製造方法に関する。更に具体的に言えば、1mm当
たりのバリスタ電圧が800V以上の酸化亜鉛バリスタ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】電圧と電流の関係が次式
(1)で示されるような若干の材料が知られている。こ
のような非直線性抵抗素子をバリスタと呼ぶ。
【化1】 ここで、Vはバリスタに印加された電圧、Iはバリスタ
を流れる電流、Cは定数、αは非直線性を表わす指数
で、1より大きい数である。Cおよびαは原料組成及び
プロセス・パラメータの関数である。αは次式(2)に
よって計算される。 α=log10(I2/I1)log10(V2/V1) (2) ここで、V1およびV2は、それぞれ電流I1およびI2
おける電圧である。通常、I1=1mA、I2=10mA
と決め、V1をバリスタ電圧と呼ぶ。αが大きいほど電
圧−電流の関係が急峻になりバリスタ特性が優れる。バ
リスタは、電子電気工業、通信および電力輸送などのさ
まざまな分野で、過電圧保護素子や電圧安定化素子とし
て用いられており、目的、用途に応じてさまざまな種類
や材質のものがある。現在、酸化亜鉛、炭ケイ素、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化鉄及びセレンなどを主成分と
するものが知られている。中でも、酸化亜鉛を主成分と
する、いわゆる酸化亜鉛バリスタは非直線性が大きく、
サージ耐量や安定性に優れているため最も広く用いられ
ている。酸化亜鉛バリスタは、酸化亜鉛にBiをはじめ
として、Co,Mn,Sbやその他の金属酸化物を混
合、成形、焼結することにより作製される。酸化亜鉛バ
リスタの製造工程は標準的なファインセラミックスのそ
れと同じである。一般的な酸化亜鉛バリスタの1mm当
たりのバリスタ電圧は200V程度である。高いバリス
タ電圧を所望する場合は素子の厚みを大きくすることに
より作製される。しかし、避雷器のように非常に高いバ
リスタ電圧が要求される場合、素子の厚みは非常に大き
なものになる。例えば、バリスタ電圧を700KVに設
定する場合、1mm当たりのバリスタ電圧が200Vな
らば、素子の厚みは3.5mにもなる。素子が大きくな
るほど絶縁が難しくなり、コストも高いものになる。ま
た、取り付け場所に対する制限も大きくなる。このよう
な場合、単位厚み当たりのバリスタ電圧が高ければ素子
を小形化出来るので有利である。単位厚み当たりのバリ
スタ電圧を高めた、高電圧用のバリスタが求められてい
る。酸化亜鉛バリスタの粒界当たりの電圧降下は、材料
組成やプロセス・パラメータに関係なくほぼ一定(2〜
4V)であることが経験的に知られている。従って、焼
結時の粒成長を抑制することが出来れば、単位厚み当り
のバリスタ電圧が高くなり、高電圧用バリスタが得られ
る筈である。しかし、一般的に、酸化亜鉛バリスタは酸
化ビスマスを始め、酸化バリウム、酸化ストロンチウム
のように、焼結時に粒界に液相を生成し、粒成長を強く
促進する成分を含んでいる。このような、従来組成の酸
化亜鉛バリスタに対して、粒成長を抑制する方法とし
て、次の2つの方法が提案されている。その第1は、焼
結温度を低くすることにより液相の生成量を少なくして
粒成長を抑制しようとする方法である。1100〜数百
℃の範囲で焼結する方法が提案されている。普通、11
00℃以下では酸化亜鉛バリスタの焼結は進行しないの
で、これらの方法で用いる原料は特別な方法で合成され
る。このため製造工程が複雑になり、品質管理を難しく
するばかりでなく、コストが高くなる欠点がある。第2
は、粒成長を抑制する添加物を用いる方法である。粒成
長を抑制する添加物としてはSb23やSiO2が知ら
れているが、効果を発揮するためにはかなり大量に添加
する必要がある。これらの添加物は焼結体中に大量の第
2相や空孔を発生させて、バリスタを電気的に不均一に
し、サージ耐量を大巾に低下させるなどの欠点がある。
ZnOとマンガン化合物のみからなるバリスタ材料が公
開特許公報平1−212264号、同平1−31715
8号、同平3−53501号に開示されている。これら
の公報には、ZnO+MnOに対するMnOの比率が3
〜7モル%の範囲を逸脱すると高められたαを得ること
が困難になると記載されている。また、これらの公報に
は、1mm厚み当たりのバリスタ電圧が800Vを超え
るものの例は記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、厚さ1mm
当りのバリスタ電圧が800V以上という高電圧用バリ
スタ及びその製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、実質的に、酸化亜鉛
(ZnO)とマンガン酸化物(MnO)のみから構成さ
れ、IIIb族元素化合物の含有率が20wtppm以下
で、かつ平均粒径が5μm以下の粒子の焼結体からな
り、MnOがZnO+MnOに対し3〜15モル%の範
囲にあり、バリスタ電圧が800V/mm以上、非直線
指数(α)が30以上、比抵抗が1×109Ωcm以上
であるバリスタが提供される。但し、ここで言う焼結体
の平均粒径はJeffriesのプラニメトリック法に
よる円相当径である。(Z.Jeffries,Met
allurgical and Chemical E
ngineering,18,185(1918))ま
た、本発明によれば、平均粒径が1μm以下の酸化亜鉛
とマンガン化合物を、MnOがZnO+MnOに対し3
〜15モル%になる割合で混合物と接する内表面が樹脂
面に形成された混合機を用いて混合し、得られた混合物
を600〜900℃の大気中で仮焼し、得られた仮焼物
を内表面が樹脂面に形成された粉砕機中で粉砕してIIIb
族元素化合物の含有率が20wtppm以下の仮焼粉を
得、これを成形した後、1100〜1300℃の大気中
で焼結して平均粒径が5μm以下の粒子の焼結体を得る
ことを特徴とするバリスタの製造方法が提供される。
【0005】本発明においては、バリスタを構成する焼
結粒子の平均粒径を、5μm以下、好ましくは5〜1μ
mの範囲に規定する。この規定によって、単位厚み当り
のバリスタ電圧の高い高電圧用バリスタを得ることがで
きる。本発明のバリスタにおいて、MnOの含有率は、
ZnOとMnOの合計量(ZnO+MnO)に対して、
3〜15モル%、好ましくは8〜15モル%である。M
nOの含有率が3モル%以上に増加するに従って、非直
線指数αは増大し、8モル%以上になると、その値は急
激に大きくなる。MnOの含有率の上限値は、バリスタ
の比抵抗によって制約を受け、MnOの含有率が15モ
ル%を超えるようになると、バリスタの比抵抗が低下す
る。バリスタの比抵抗が低下すると漏れ電流が増大し、
バリスタの熱暴走寿命が短くなるので好ましくない。実
用的には、バリスタの比抵抗が1×109Ωcm以上で
あることが好ましいが、MnOの比率が15モル%を超
えると1×109Ωcmより低くなる。比抵抗が低下す
るおもな原因は、粒界に析出する低抵抗のZnMn24
によると思われる。因みに、ZnMn24を単独で焼結
したものの比抵抗は1×106Ωcm程度であった。
【0006】本発明のバリスタは、平均粒径が1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の酸化亜鉛とマンガン化
合物を混合し、600〜900℃の大気中で仮焼し、成
形し、1100〜1300℃の大気中で焼結することに
よって製造される。本発明で用いるZnOの平均粒径は
1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。ZnO
は工業的に種々の方法で製造されているが、JISK−
1410(亜鉛華)にフランス法特号として規定されて
いるものは高純度であり、本発明のバリスタの原料とし
て好適である。このようなものは市販品として容易に入
手出来る。例えば、正同化学工業株式会社社製の亜鉛華
特号(平均粒径0.5μm、純度99.8%以上)をこ
のようなものの例として挙げることが出来る。本発明で
用いるマンガン化合物は酸化マンガンの外に、焼成によ
って酸化マンガンに変換できるものであればよい。この
ようなものの例として、例えば、硝酸マンガン、酢酸マ
ンガン、炭酸マンガンなどが挙げられる。マンガン化合
物は粉末の状態あるいは溶剤に溶かした状態で酸化亜鉛
と混合される。この場合の溶剤は、水、メタノール、エ
タノール、メチルエチルケトン等が用いられる。溶剤
は、酸化亜鉛を溶解することなく、混合後、蒸発除去の
容易なものであればよい。粉末状のマンガン化合物を用
いる場合、その平均粒径は1μm以下、好ましくは0.
5μm以下である。
【0007】ZnOとマンガン化合物の混合物の仮焼は
大気中、600〜900℃、好ましくは600〜800
℃で行う。600℃未満では、ZnOとマンガン化合物
の反応が不十分であり、900℃を超えると粒子間の融
着が起こるので好ましくない。前記のようにして得られ
た仮焼粉末は、これを粉砕し、必要があれば顆粒化し、
成形し、焼結する。この際の混合、粉砕、顆粒化、成形
の操作は一般的なセラミック・プロセスに従って行うこ
とができる。但し、工程中に混入する不純物のうち、A
23,B23のごときIIIb族元素化合物は仮焼粉末
に対して20wtppm以下でなければならない。20
wtppmを超えると、単位厚み当たりのバリスタ電
圧、α値、比抵抗が著しく低下し、本発明のバリスタ材
料を得ることが難しくなる。これらの不純物は主に混合
及び粉砕工程で混入するので、それら不純物が混入しな
いように注意を要する。混合及び粉砕工程において、ア
ルミナ製ポットミルを用いる場合が多いが、このような
場合、仮焼粉中のAl23の濃度は数百wtppmにも
なり、本発明のバリスタは得られない。これに対し、樹
脂製又は樹脂ライニングしたポットミル等の内表面が樹
脂面に形成された混合機を用いて混合及び粉砕を行う場
合は、仮焼粉中のAl23の濃度は10wtppm以下
であり、本発明の条件を満足する。従って、樹脂製又は
樹脂ライニングしたポットミルを用いて混合及び粉砕を
行うのは本発明の好ましい態様である。顆粒化する場合
その平均粒径は、300μm以下、好ましくは200μ
m以下である。焼結は、1100〜1300℃、好まし
くは1100〜1250℃で大気中にて行う。1100
℃未満では焼結速度が遅く実用的でない。また、130
0℃を超えると焼結体が変形する場合があるので好まし
くない。焼結時間は0.5〜3時間の範囲が適当であ
る。この範囲で、十分緻密な焼結体が得られる。バリス
タは電気的均一性を保つため出来るだけ緻密である方が
よいが、本発明で用いる材料は、Bi23やSiO2
ようなガラス相を形成する成分を含まないので、焼結時
の気孔の発生が少なく、緻密なバリスタが容易に得られ
る。本発明のバリスタを製造する場合、焼結温度を下げ
れば焼結体粒子の平均粒径が減少し、単位厚み当たりの
バリスタ電圧が上昇する。ZnOの平均粒径及び不純物
濃度が本発明の範囲であれば、MnOの比率が7モル%
以下でも、V1≧800V/mm、α≧30,比抵抗≧
1×109Ωcmのバリスタを作製することが可能であ
る。この場合の焼結温度は少なくとも、1100〜12
50℃の範囲であり、MnOの比率は3〜7モル%の範
囲である。
【0008】
【発明の効果】本発明に従えば、粒成長を抑制するため
の添加物を多量に加えたり、特別に合成した原料を用い
る必要がないので、バリスタ特性を損なうことなく、か
つ、簡便な方法で、単位厚み当たりのバリスタ電圧が高
く、高電圧用に適したバリスタを作製することが出来
る。
【0009】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、以下において示す%は重量%である。
【0010】実施例1 平均粒径0.5μm、純度99.85%のZnOと所定
量のMn(NO32・6H2Oをナイロンまたはポリウ
レタンでライニングしたポットミルに採り、メチルエチ
ルケトンを媒体にして24時間湿式混合した。溶剤を蒸
発させてから、120℃で15時間乾燥し、アルミナる
つぼに移し、700℃で1時間仮焼した。次いで、仮焼
粉末を、混合の場合と同じ条件で湿式粉砕し、溶剤を蒸
発させて乾燥した。こうして得た仮焼粉末中のAl23
は5wtppm以下、B23は1wtppm以下であっ
た。焼結体の平均粒径は、焼結体の破断面を鏡面研磨
し、1100℃1分間熱エッチングしたもののSEM写
真像からJeffriesのプラニメトリック法で算出
した。この仮焼粉末をベークライトで内張りした金型を
用い、300kg/cm2で圧縮成形し、直径10m
m、厚さ約1mmの円盤状成形体を得た。これを、11
00〜1300℃の大気中で1時間焼結した後、焼結体
の両面を研磨してからインジウム水銀アマルガムを塗布
して電極とし、電圧〜電流の関係を測定した。焼結体の
密度はアルキメデス法で測定し、ZnO単結晶に対する
比率で示した。MnOの比率及び焼結温度と、単位厚み
当たりのバリスタ電圧、α値、比抵抗、焼結体密度及び
焼結体粒子の平均粒径との関係を表1、表2に示した。
表1は、MnOの比率8〜15モル%、焼結温度110
0〜1300℃の範囲で本発明のバリスタが得られるこ
とを示している。表2は、本発明の方法に従えば、Mn
Oの比率が7モル%以下でも、V1:800V/mm以
上、α:30以上、比抵抗:1×109Ωcm以上のバ
リスタを得ることが可能であることを示している。
【0011】
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【表2−(1)】
【表2−(1)】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来技術及びその問題点】電圧と電流の関係が次式
(1)で示されるような若干の材料が知られている。こ
のような非直線性抵抗素子をバリスタと呼ぶ。
【化1】 ここで、Vはバリスタに印加された電圧、Iはバリスタ
を流れる電流、Cは定数、αは非直線性を表わす指数
で、1より大きい数である。Cおよびαは原料組成及び
プロセス・パラメータの関数である。αは次式(2)に
よって計算される。 α=log10(I2/I1)/log10(V2/V1) (2) ここで、V1およびV2は、それぞれ電流I1およびI2
おける電圧である。通常、I1=1mA、I2=10mA
と決め、V1をバリスタ電圧と呼ぶ。αが大きいほど電
圧−電流の関係が急峻になりバリスタ特性が優れる。バ
リスタは、電子電気工業、通信および電力輸送などのさ
まざまな分野で、過電圧保護素子や電圧安定化素子とし
て用いられており、目的、用途に応じてさまざまな種類
や材質のものがある。現在、酸化亜鉛、炭ケイ素、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化鉄及びセレンなどを主成分と
するものが知られている。中でも、酸化亜鉛を主成分と
する、いわゆる酸化亜鉛バリスタは非直線性が大きく、
サージ耐量や安定性に優れているため最も広く用いられ
ている。酸化亜鉛バリスタは、酸化亜鉛にBiをはじめ
として、Co,Mn,Sbやその他の金属酸化物を混
合、成形、焼結することにより作製される。酸化亜鉛バ
リスタの製造工程は標準的なファインセラミックスのそ
れと同じである。一般的な酸化亜鉛バリスタの1mm当
たりのバリスタ電圧は200V程度である。高いバリス
タ電圧を所望する場合は素子の厚みを大きくすることに
より作製される。しかし、避雷器のように非常に高いバ
リスタ電圧が要求される場合、素子の厚みは非常に大き
なものになる。例えば、バリスタ電圧を700kVに設
定する場合、1mm当たりのバリスタ電圧が200Vな
らば、素子の厚みは3.5mにもなる。素子が大きくな
るほど絶縁が難しくなり、コストも高いものになる。ま
た、取り付け場所に対する制限も大きくなる。このよう
な場合、単位厚み当たりのバリスタ電圧が高ければ素子
を小形化出来るので有利である。単位厚み当たりのバリ
スタ電圧を高めた、高電圧用のバリスタが求められてい
る。酸化亜鉛バリスタの粒界当たりの電圧降下は、材料
組成やプロセス・パラメータに関係なくほぼ一定(2〜
4V)であることが経験的に知られている。従って、焼
結時の粒成長を抑制することが出来れば、単位厚み当り
のバリスタ電圧が高くなり、高電圧用バリスタが得られ
る筈である。しかし、一般的に、酸化亜鉛バリスタは酸
化ビスマスを始め、酸化バリウム、酸化ストロンチウム
のように、焼結時に粒界に液相を生成し、粒成長を強く
促進する成分を含んでいる。このような、従来組成の酸
化亜鉛バリスタに対して、粒成長を抑制する方法とし
て、次の2つの方法が提案されている。その第1は、焼
結温度を低くすることにより液相の生成量を少なくして
粒成長を抑制しようとする方法である。1100〜数百
℃の範囲で焼結する方法が提案されている。普通、11
00℃以下では酸化亜鉛バリスタの焼結は進行しないの
で、これらの方法で用いる原料は特別な方法で合成され
る。このため製造工程が複雑になり、品質管理を難しく
するばかりでなく、コストが高くなる欠点がある。第2
は、粒成長を抑制する添加物を用いる方法である。粒成
長を抑制する添加物としてはSb23やSiO2が知ら
れているが、効果を発揮するためにはかなり大量に添加
する必要がある。これらの添加物は焼結体中に大量の第
2相や空孔を発生させて、バリスタを電気的に不均一に
し、サージ耐量を大巾に低下させるなどの欠点がある。
ZnOとマンガン化合物のみからなるバリスタ材料が公
開特許公報平1−212264号、同平1−31715
8号、同平3−53501号に開示されている。これら
の公報には、ZnO+MnOに対するMnOの比率が3
〜7モル%の範囲を逸脱すると高められたαを得ること
が困難になると記載されている。また、これらの公報に
は、1mm厚み当たりのバリスタ電圧が800Vを超え
るものの例は記載されていない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明のバリスタは、平均粒径が1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の酸化亜鉛とマンガン化
合物を混合し、600〜900℃の大気中で仮焼し、成
形し、1100〜1300℃の大気中で焼結することに
よって製造される。本発明で用いるZnOの平均粒径は
1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。ZnO
は工業的に種々の方法で製造されているが、JISK−
1410(亜鉛華)にフランス法特号として規定されて
いるものは高純度であり、本発明のバリスタの原料とし
て好適である。このようなものは市販品として容易に入
手出来る。例えば、正同化学工業株式会社製の亜鉛華特
号(平均粒径0.5μm、純度99.8%以上)をこの
ようなものの例として挙げることが出来る。本発明で用
いるマンガン化合物は酸化マンガンの外に、焼成によっ
て酸化マンガンに変換できるものであればよい。このよ
うなものの例として、例えば、硝酸マンガン、酢酸マン
ガン、炭酸マンガンなどが挙げられる。マンガン化合物
は粉末の状態あるいは溶剤に溶かした状態で酸化亜鉛と
混合される。この場合の溶剤は、水、メタノール、エタ
ノール、メチルエチルケトン等が用いられる。溶剤は、
酸化亜鉛を溶解することなく、混合後、蒸発除去の容易
なものであればよい。粉末状のマンガン化合物を用いる
場合、その平均粒径は1μm以下、好ましくは0.5μ
m以下である。
フロントページの続き (72)発明者 中川 善兵衛 神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷町2000の10 南小菅ケ谷住宅2の411

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に、酸化亜鉛(ZnO)とマンガ
    ン酸化物(MnO)のみから構成され、IIIb族元素化合
    物の含有率が20wtppm以下で、かつ平均粒径が5
    μm以下の粒子の焼結体からなり、MnOがZnO+M
    nOに対し3〜15モル%の範囲にあり、バリスタ電圧
    が800V/mm以上、非直線指数(α)が30以上、
    比抵抗が1×109Ωcm以上であるバリスタ。
  2. 【請求項2】 MnOがZnO+MnOに対し8〜15
    モル%である請求項1のバリスタ。
  3. 【請求項3】 平均粒径が1μm以下の酸化亜鉛とマン
    ガン化合物を、MnOがZnO+MnOに対し3〜15
    モル%になる割合で、内表面が樹脂面に形成された混合
    機を用いて混合し、得られた混合物を600〜900℃
    の大気中で仮焼し、得られた仮焼物を内表面が樹脂面に
    形成された粉砕機中で粉砕してIIIb族元素化合物の含有
    率が20wtppm以下の仮焼粉を得、これを成形した
    後、1100〜1300℃の大気中で焼結して平均粒径
    が5μm以下の粒子の焼結体を得ることを特徴とするバ
    リスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 マンガン化合物として、硝酸マンガンを
    用い、媒体としてメチルエチルケトンを用いて酸化亜鉛
    と湿式混合する請求項3の方法。
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