JPH0589573A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH0589573A
JPH0589573A JP3274754A JP27475491A JPH0589573A JP H0589573 A JPH0589573 A JP H0589573A JP 3274754 A JP3274754 A JP 3274754A JP 27475491 A JP27475491 A JP 27475491A JP H0589573 A JPH0589573 A JP H0589573A
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JP
Japan
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cylinder
magnetic tape
guide
magnetic
reference edge
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JP3274754A
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Toshio Kaneshiro
寿雄 金城
Akira Nishima
亮 西間
Junichi Ura
純一 浦
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダに巻付く磁気テープの案内が案内溝
で行なわれるようにした構成の簡単な磁気記録再生装置
を得る。 【構成】 磁気テープの基準縁が位置する位置と対応す
る部分がシリンダの表面から垂直に所定の深さに切込ま
れた状態の案内面にされているとともに、前記した案内
面によって基準縁の位置が規制される磁気テープの磁性
面側におけるシリンダ面が、前記した案内面の奥側の端
部から前記した案内面に対して直角に近い所定の角度の
鋭角の斜面として形成されている溝をシリンダに設け
る。また前記した案内溝における案内面寄りのシリンダ
面に磁気テープの係止部材を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図13はシリンダの周面の少なくとも一
部に斜に巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置
が、シリンダに設けられた案内部によって規制されるよ
うになされているとともに、前記した磁気テープに対す
る記録再生動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうる
ようになされている磁気記録再生装置(ヘリカル走査型
の磁気記録再生装置)におけるテープ走行系の一例のも
のの概略構成を示す斜視図であり、また、図16は回転
シリンダ11と固定シリンダ12との分解斜視図であ
る。図13において1は供給リール台、2は巻取りリー
ル台であり、カセットケース3内に設けてある供給リー
ル4及び巻取りリール19に巻回させて磁気テープTを
収納してあるカセットケース3を磁気記録再生装置に装
着すると、カセットケース3内の供給リール4は機台2
0に設けられている供給リール台1と連結され、またカ
セットケース3内の巻取りリール19は機台20に設け
られている巻取りリール台2と連結される。
【0003】磁気テープTがパラレルローディング方式
のローディング機構に設けられているローディングポー
ル(垂直ガイドローラ)9,14によってカセットケース
3内から引出されると、前記の磁気テープTはテンショ
ンポール5,ガイドポール6,全幅消去ヘッド7,インピ
ーダンスローラ8,ローディングポール(垂直ガイドロ
ーラ)9,傾斜ガイド(スラントポール)10等を経て
所定の回転数で駆動回転されている回転シリンダ(回転
ドラム)11及び静止の状態の固定シリンダ(固定ドラ
ム)12の周面の一部に巻回された後に、傾斜ガイド
(スラントポール)13,ローディングポール(垂直ガ
イドローラ)14,オーディオ・コントロールヘッド1
5,ガイドポール16,キヤプスタン18とピンチロー
ラ17等を経て巻取りリール19に至る磁気テープの走
行路を走行できるように張設される。前記した回転シリ
ンダ11に設けられている回転磁気ヘッドが所定の回転
数で駆動回転された状態で、磁気テープの走行速度が各
種の動作モードに対応して設定されることにより、磁気
記録再生装置では希望する動作モードでの記録再生動作
を行なうことができる。
【0004】前記のようにローディング機構の動作によ
ってカセットケース3中から引出された後に、回転シリ
ンダ11及び固定シリンダ12の周面の少なくとも一部
に斜に巻付けられた磁気テープTは、固定シリンダ12
における磁気テープTの摺接面から突出した状態で設け
られている案内部Gの案内面に磁気テープTの基準縁T
eが押圧されることにより、前記した案内部Gの案内面
によって磁気テープTの基準縁Teの位置が規制され
る。ところで、ローディング機構によるローディング動
作が行なわれた後に、供給リール4から巻取りリール1
9までの間に設定された磁気テープの走行路を走行する
磁気テープTは、テンションポール5→ガイドポール6
→全幅消去ヘッド7→インピーダンスローラ8→ローデ
ィングポール(垂直ガイドローラ)9の区間の走行路中で
は水平な状態で走行し、次いで、傾斜ガイド(スラント
ポール)10によって磁気テープTの走行方向が変更さ
れることにより、前記の磁気テープTは所定の回転数で
駆動回転されている回転シリンダ(回転ドラム)11と固
定の状態に置かれている固定シリンダ12との両者に対
して中心角で180度強の範囲にわたり固定シリンダ1
2に設けられている案内部Gに沿うような状態で巻付け
られるのである。
【0005】前記のように回転シリンダ11及び固定シ
リンダ12に対して180度強の範囲にわたり巻付けら
れた磁気テープTは、次いで傾斜ガイド(スラントポー
ル)13によって磁気テープTの走行方向が再び水平の
状態の走行方向に戻された後に、ローディングポール
(垂直ガイドローラ)14→オーディオ・コントロールヘ
ッド15→ガイドポール16→キヤプスタン18とピン
チローラ17等の区間の磁気テープの走行路を走行して
巻取りリール19に巻回される。前記した傾斜ガイド
(スラントポール)10,13の傾斜角度の調整作業によ
って行なわれる磁気テープTの走行方向の変更は、傾斜
ガイド(スラントポール)10,13に対して非常に微妙
な調整動作が行なわれることによってなされるのであっ
て、磁気テープTを実際に走行させながら傾斜角度を調
節して磁気テープの所望な走行状態が得られるようにさ
れる。ところで、磁気テープは塑性によってわかめ状の
縮れ変形を起こし易い性質を持っているから、磁気テー
プの走行系としてはテープに無理な力が加わらないよう
な機構として構成されることが必要である。また、磁気
テープは長手方向の応力に対しては割合に強いが幅方向
の外力に対しては弱く、殊に、幅の広い磁気テープが使
用されている場合には、幅方向の外力が加わり易いにも
拘らずに高い精度が求められているいるから、供給リー
ル4から回転シリンダ11及び固定シリンダ12を経て
巻取りリール19に至るまでの磁気テープTの走行路の
どの部分においても、磁気テープTの幅方向の仮想断面
の各点には均一なテンションが掛かるような走行系の構
成となされていることが望ましいことは周知のとおりで
ある。
【0006】しかし、一般に磁気テープの幅には偏差が
あるために、固定シリンダ12に設けた案内部Gの部分
については前記した案内部Gに磁気テープTの基準縁T
eが常に当接されている状態になされるように、磁気テ
ープTの幅方向のひねりをわずかに掛けるようにされて
いるが、そのようにするためにも前記した傾斜ガイド
(スラントポール)10,13の調節が必要とされる。そ
して、前記した傾斜ガイド(スラントポール)10,13
の調節によって設定された固定シリンダ12の案内部G
への磁気テープTの基準縁Teの当接の圧力が強すぎた
場合には磁気テープTが変形し、また前記の固定シリン
ダ12の案内部Gへの磁気テープTの基準縁Teの当接
の圧力が弱すぎた場合には固定シリンダ12に設けた案
内部Gから磁気テープTが浮上がり易くなるために、磁
気テープの基準縁Teが固定シリンダ12に設けた磁気
テープTの基準縁Teの案内部Gに対して適切な圧力で
当接できるように、前記した傾斜ガイド(スラントポー
ル)10,13の調節を行なって、磁気テープTの基準
縁Teが常に固定シリンダ12の案内部Gにより良好に
案内される状態にして、磁気テープTに対する記録再生
の状態が常に正しく行なわれ、また、異なる磁気記録再
生装置間の互換性も保たれるようにしている。
【0007】図14及び図15は磁気テープTの基準縁
Teの位置を規制するための案内面を有する案内部Gを
備えている固定シリンダ12の従来例を説明するための
図であり、各図において12は固定シリンダ、Gは固定
シリンダ12に設けた案内部である。図14に例示した
固定シリンダの従来例は、固定シリンダ12で本来必要
としている直径よりも大きな直径を有するシリンダを用
意し、それの外周面に切削加工を施して固定シリンダに
おける磁気テープTの磁性面が摺接する面を形成させる
ことにより、結果として前記した磁気テープTの磁性面
の摺接面よりも突設している状態で所定の案内面が形成
されている案内部Gを備えている固定シリンダ12を構
成させたものであり、また、図15に示されている固定
シリンダの従来例は、固定シリンダ12として本来必要
とされている直径と同一の直径を有するシリンダを用意
し、そのシリンダの外周面に対して磁気テープTの基準
縁Teの位置を規制する案内面を備えた案内部Gとして
機能させるための帯状の薄板21を多数の止めねじ2
2,22…を用いて固着させることにより、磁気テープ
Tの磁性面の摺接面よりも突設している状態で所定の案
内面が形成されている案内部Gを備えている固定シリン
ダ12を構成させたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】磁気テープTの基準縁
Teの位置を規制するための案内面を有する案内部Gを
備えた固定シリンダ12に関する何れの従来例の構成の
場合においても、固定シリンダ12において必要とされ
る直径を有するシリンダの外周面上に、磁気テープTの
基準縁Teの位置を規制するための案内面を有する案内
部Gが突設されているような構成態様のものであり、例
えば図14に示されている従来例のように、もともと固
定シリンダに必要にされている直径よりも大きい直径の
シリンダから切削加工によって所定の直径の固定シリン
ダを構成させると同時に、前記した所定の直径を有する
シリンダ面として加工されずに残された大径の部分に案
内部Gを構成させるようにした場合には、切削加工に長
い時間を要し、また、例えば図15に示されている従来
例のように、もともと固定シリンダに必要にされている
直径を有するシリンダの外周面に対して磁気テープTの
基準縁Teの位置を規制する案内面を備えた案内部Gと
して機能させるための帯状の薄板21を多数の止めねじ
22,22…を用いて固着させて、磁気テープTの磁性
面の摺接面よりも突設している状態で所定の案内面が形
成されている案内部Gを構成させるようにした場合に
は、シリンダの外周面の所定の位置に磁気テープTの基
準縁Teの位置を規制する案内面を備えた案内部Gとし
て機能させるための帯状の薄板21を極めて正確に取付
けるようにすることは非常に困難である。
【0009】また、磁気テープ速度を異にする2種類の
記録再生動作モード時においても回転磁気ヘッドが磁気
テープ上に同一の回転軌跡を描かせることができるよう
に、固定シリンダ(下ドラム)の周方向における約半周ず
つの部分に、それぞれ所定の傾斜角を有する2種類の案
内面を設けておいて、磁気テープの走行速度の切換え変
更と対応してシリンダを半回転させることにより、シリ
ンダの周面に巻付けられている磁気テープの進行方向を
それぞれ所定のように選択的に変更できるようにした本
出願人会社による複数の既提案の磁気記録再生装置の内
で、本出願人会社が平成3年8月27日に特許出願を行
なった「磁気記録再生装置」において使用されている下
ドラムのように、磁気テープの走行時における磁気テー
プTの基準縁Teを当接させた状態で案内する面を有す
る第1の案内部と、磁気テープの停止時における磁気テ
ープの基準縁を当接させた状態で案内する面を有する第
2の案内部とが、前記した2つの案内部における片方の
案内部の始端部付近の領域と他方の案内部の終端部付近
の領域とが下ドラム(または下ドラムの表面位置に表面
位置を有する環状体)の母線方向については互に離隔
し、下ドラム(または下ドラムの表面位置に表面位置を
有する環状体)の周方向については互に重なり合ってい
る状態とし、また前記した各案内部における終端部付近
の領域における磁気テープの基準縁を当接させた状態で
案内する面の幅を前記以外の領域の部分における磁気テ
ープの基準縁を当接させた状態で案内する面の幅よりも
所定の態様で次第に小にした状態となるように構成させ
た下ドラムの製作に当っては、3次元的な切削加工が必
要とされるために切削加工に多くの時間を費やすことに
なるから生産性が低いということが問題になった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はシリンダの周面
の少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テープにおけ
る基準縁の位置が、シリンダに設けられた案内部によっ
て規制されるようになされており、また、前記した磁気
テープに対する記録再生動作が回転磁気ヘッドによって
行なわれうるようになされている磁気記録再生装置にお
いて、シリンダにおける前記した磁気テープの基準縁が
位置されるべく予め定められた位置と対応する部分がシ
リンダの表面から垂直に所定の深さに切込まれている状
態の案内面になされているとともに、前記した案内面に
よって基準縁の位置が規制される磁気テープの磁性面側
におけるシリンダ面が、前記した案内面の奥側の端部か
ら前記した案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角
の斜面として形成されている案内溝をシリンダに構成さ
せてなる磁気記録再生装置、及びシリンダの周面の少な
くとも一部に斜に巻付けられる磁気テープにおける基準
縁の位置が、シリンダに設けられた案内部によって規制
されるようになされており、また、前記した磁気テープ
に対する記録再生動作が回転磁気ヘッドによって行なわ
れうるようになされている磁気記録再生装置において、
シリンダにおける前記した磁気テープの基準縁が位置さ
れるべく予め定められた位置と対応する部分がシリンダ
の表面から垂直に所定の深さに切込まれている状態の案
内面になされており、かつ、前記した案内面によって基
準縁の位置が規制される磁気テープの磁性面側における
シリンダ面が、前記した案内面の奥側の端部から前記し
た案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の斜面と
して形成されている案内溝をシリンダに構成させるとと
もに、前記した案内溝における案内面寄りのシリンダ面
に磁気テープの係止部材を設けてなる磁気記録再生装
置、ならびにシリンダの周面の少なくとも一部に斜に巻
付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シリン
ダに設けられた案内部によって規制されるようになされ
ており、また、前記した磁気テープに対する記録再生動
作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになされ
ている磁気記録再生装置において、シリンダにおける前
記した磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定めら
れた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に所
定の深さに切込まれている状態の案内面になされてお
り、かつ、前記した案内面によって基準縁の位置が規制
される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、前
記した案内面におけるシリンダの内側の端部から前記し
た案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の斜面と
して形成されている案内溝をシリンダに構成させるとと
もに、中心角で180度強でのシリンダに対する磁気テ
ープの巻付範囲の中央部からシリンダに対する磁気テー
プの供給端までの間の中間付近の領域について、前記し
た案内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気テープ
の係止部材を設けてなる磁気記録再生装置、及びシリン
ダの周面の少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テー
プにおける基準縁の位置が、シリンダに設けられた案内
部によって規制されるようになされており、また、前記
した磁気テープに対する記録再生動作が回転磁気ヘッド
によって行なわれうるようになされている磁気記録再生
装置において、前記した磁気テープの基準縁が位置され
るべく予め定められた複数の位置とそれぞれ対応する部
分がシリンダの表面から垂直に所定の深さに切込まれて
いる状態の案内面になされているとともに、前記した案
内面によって基準縁の位置が規制される磁気テープの磁
性面側におけるシリンダ面が、前記した案内面における
シリンダの内側の端部から前記した案内面に対して直角
に近い所定の角度の鋭角の斜面として形成されている複
数の案内溝を同一のシリンダに構成させてなる磁気記録
再生装置を提供する。
【0011】
【作用】磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定め
られた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に
所定の深さに切込まれている状態の案内面になされてい
るとともに、前記した案内面によって基準縁の位置が規
制される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、
前記した案内面の奥側の端部から前記した案内面に対し
て直角に近い所定の角度の鋭角の斜面として形成されて
いる溝を、シリンダの周面の少なくとも一部に対して斜
に巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置を規制
するための案内部として機能させるようにするために、
シリンダに対する案内部の加工が従来よりも極めて簡単
化される。また、前記した案内溝における案内面寄りの
シリンダ面に磁気テープの係止部材を設けた場合には、
磁気テープの走行速度の変更動作があった場合でも案内
溝から磁気テープが外れないようにできる。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1及び図
2はそれぞれ本発明の磁気記録再生装置に使用されるシ
リンダに形成される案内溝の構成の説明に用いられる図
であり、また、図3及び図5は案内溝における案内面寄
りのシリンダ面に磁気テープの係止部材を取付ける際の
取付け領域の一例を示す図、図4は案内溝の説明に用い
られる図、図6乃至図11は複数の案内溝をシリンダ面
に設けるようにして本発明を実施する場合の説明図、図
12はシリンダ近傍における磁気テープの走行路の説明
に用いられる図である。図1は本発明の磁気記録再生装
置において、シリンダの周面の一部に斜に巻付けられる
磁気テープの基準縁の位置を規制するための案内部とし
て用いられる磁気テープの基準縁の位置規制用の溝Gg
を備えている固定シリンダ12の側面図{図1の(a)}
と、図1の(a)に示されている固定シリンダ12の一
部の縦断面図{図1の(b)}と、磁気テープの基準縁の
位置規制用の溝Ggによる磁気テープの基準縁Teの位
置規制動作の説明図{図1の(c)}であり、また、図2
は本発明の磁気記録再生装置において、シリンダの周面
の一部に斜に巻付けられる磁気テープの基準縁の位置を
規制するための案内部として用いられる磁気テープの基
準縁の位置規制用の溝Ggを備えている固定シリンダ1
2における案内溝Ggの案内面Gb寄りのシリンダ面に
磁気テープの係止部材DPを設けた実施例の斜視図{図
2の(a)}と、図2の(a)に示されている固定シリン
ダ12における磁気テープの係止部材DPの取付部分の
一部の縦断面図{図2の(b)}と、磁気テープの基準縁
の位置規制用の溝Ggによる磁気テープの基準縁Teの
位置規制動作の説明図{図2の(c)}である。
【0013】図1及び図2における各(a),(b)図に
示されているところから明らかなように、本発明の磁気
記録再生装置においてシリンダの周面の一部に斜に巻付
けられる磁気テープの基準縁の位置を規制するための案
内部は、シリンダにおける前記した磁気テープの基準縁
が位置されるべく予め定められた位置と対応する部分が
シリンダ(固定シリンダ12)の表面Sから垂直に所定
の深さWgbに切込まれている状態の案内面Gbになさ
れているとともに、前記した案内面Gbによって基準縁
の位置が規制される磁気テープの磁性面側におけるシリ
ンダ面が、前記した案内面Gbの奥側の端部dから前記
した案内面Gbに対して直角に近い所定の角度αの鋭角
の斜面Gwとして形成されている案内溝Ggとして構成
されているのである。
【0014】本発明の磁気記録再生装置において、回転
シリンダ11と固定シリンダ12とからなるドラム構体
のシリンダの周面の一部に斜に巻付けられる磁気テープ
Tの基準縁Teの位置を規制するための案内部として固
定シリンダ12に対して設けられる前記した案内溝Gg
は、回転シリンダと同一の直径を有する固定シリンダ1
2における周面に対して、例えば2軸制御の倣い旋盤を
用いて加工を行なうことにより極めて容易に形成させる
ことができる。
【0015】
【表1】
【0016】表1は直径が62mmのアルミニウム合金
のシリンダに、2軸制御の倣い旋盤を用いて案内面Gb
の幅Wgbの異なる四種類の案内溝Ggを形成させた4
種類の固定シリンダの試作品における案内溝Ggの諸元
を示した表である。表1に示す4種類の試作品は、磁気
テープの基準縁が位置されるべく予め定められた位置と
対応する部分におけるシリンダ(固定シリンダ12)の表
面Sから垂直な方向に所定の深さWgbだけ切込んで形
成した案内面Gbと前記の案内面Gbの奥側の端部dか
ら案内面Gbに対して直角に近い所定の角度αの鋭角の
斜面Gw(uは斜面の上端)とによって構成された案内
溝Ggにおける斜面の角度αが、一例としてすべて96
度として作られた案内溝Ggを備えている場合のもので
ある。
【0017】本発明者等は、前記の表1にそれぞれ例示
されているような諸元を有する案内溝Ggが形成されて
いる4種類の固定シリンダ12と、直径が62mmの回
転シリンダとを組合わせて構成させた4種類のドラム構
体を、それぞれVHS(登録商標)方式の磁気記録再生
装置のドラム構体として用い、膜厚が20ミクロン程度
のベースフィルム(例えばポリエステルフィルム)に酸
化鉄系強磁性粒子による磁性膜を塗布形成させてなる磁
気テープを各種の走行速度の状態として、前記した各ド
ラム構体毎に記録再生実験を行なって、前記したそれぞ
れのドラム構体に用いられている固定シリンダ12にお
ける案内溝Ggの案内性能の検討を行なった。
【0018】ところで、固定シリンダ12における周面
の位置よりも円筒内部の位置に存在するように形成され
る案内溝Ggの案内面Gbで磁気テープTの基準縁Te
が案内されている状態にされるためには、シリンダの周
面に摺接している磁気テープTがそれの幅方向でシリン
ダの面側に彎曲させて、磁気テープTの基準縁Teをシ
リンダの内方に向かわせるような力を磁気テープTに発
生させることが必要とされる。そして、前記のようにシ
リンダの周面に摺接している磁気テープTをそれの幅方
向でシリンダの面側に彎曲させて磁気テープTの基準縁
Teをシリンダの内方に向かわせるようにする力は、磁
気テープTにわかめ状の縮れ変形を生じさせることがな
い範囲内で、シリンダに巻付かせる磁気テープTの幅方
向に加えるひねりの量を調節することによって発生させ
ることができる。図12はシリンダの周面の少なくとも
一部に斜に巻付けられる磁気テープTにおける基準縁T
eの位置が、シリンダに設けられた案内部によって規制
されるようにされているとともに、前記した磁気テープ
Tに対する記録再生動作が回転磁気ヘッドによって行な
われうるようにされている磁気記録再生装置におけるシ
リンダ付近における磁気テープTの走行系を示す側面図
であり、図示されていない供給リールからローディング
ポール(垂直ガイドローラ)9までの水平な走行路中で走
行していた磁気テープTは、傾斜ガイド(スラントポー
ル)10によって走行方向が変更され、所定の回転数で
駆動回転されている回転シリンダ(回転ドラム)11と固
定の状態に置かれている固定シリンダ12との両者に対
して、シリンダの中心角で180度強の範囲にわたり固
定シリンダ12に設けられている案内部に沿うような状
態で巻付けられ、次いで、磁気テープTは傾斜ガイド
(スラントポール)13によって磁気テープTの走行方
向が再び水平の状態の走行方向に戻された後に、ローデ
ィングポール(垂直ガイドローラ)14を経て水平走行の
状態で走行して図示されていない巻取りリールに巻回さ
れる。
【0019】前記した図12において、回転シリンダ1
1と固定シリンダ12との両シリンダの円筒軸C−C
は、水平走行している状態の磁気テープの基準縁Teの
延長方向と直交する方向V−Vに対して角度β(例えば
12度41分)だけ傾斜した状態で機台に取付けられて
いる。水平方向に走行している状態の磁気テープTを延
長する部分に示されている図12中の点線Tes,Tu
sは、カセットケースからパラレル・ローディング機構
によって引出された状態の磁気テープTの基準縁Teの
位置Tesと、磁気テープTの上縁Tuの位置Tusと
を示している。さて、パラレル・ローディング機構によ
って水平な状態に引出された磁気テープTは傾斜ガイド
(スラントポール)10によって走行方向が変更されて、
回転シリンダ(回転ドラム)11と固定シリンダ12との
両者に対して中心角で180度強の範囲にわたって巻付
けられる際には、磁気テープTの基準縁Te(磁気テー
プTの上縁Tuでも同じ)は、図12中におけるローデ
ィングポール(垂直ガイドローラ)9の位置から点線図示
のTesの部分を経てローディングポール(垂直ガイド
ローラ)13の位置に至る直線L→Co→Rで示される
空間位置の状態から、回転シリンダ11と固定シリンダ
12との両シリンダの周面上に実線で示されている曲線
L→Te→G→Co→Te→Rの位置まで変位する。
【0020】前記のように磁気テープTの基準縁Te
が、図12中の直線L→Co→Rで示される空間位置の
状態から、回転シリンダ11と固定シリンダ12との両
シリンダの周面上に実線で示されている曲線L→Te→
G→Co→Te→Rの位置まで変位するまでの過程にお
いて、直線L→Coの区間における磁気テープTの基準
縁Teは図中で下方に変位して曲線L→Te→G→Co
の位置に達し、また、直線Co→Rの区間における磁気
テープTの基準縁Teは図中で上方に変位して曲線Co
→Te→Rの位置に達する、というような変位の態様で
磁気テープTは回転シリンダ11と固定シリンダ12と
の両シリンダの周面上に摺動する。前記のように磁気テ
ープTが回転シリンダ11と固定シリンダ12との両シ
リンダの周面上で摺動して変位する際に、前記の磁気テ
ープTがそれの幅方向でシリンダの面側に彎曲する傾向
を示すように、磁気テープTの基準縁Teをシリンダの
内方に向かわせるようにする力が磁気テープTに発生さ
れていた場合に、曲線L→Te→G→Co→Te→Rの
位置に前記した案内溝Ggが構成されていると、前記し
た直線L→Coの区間における磁気テープTの基準縁T
eが図中で下方に変位して曲線L→Te→G→Coの位
置に達したときに、磁気テープTにおける基準縁Teが
固定シリンダ12の周面に形成されている案内溝Ggに
おける案内面Gbに所定の接触圧で接触した状態で案内
された状態になされ、それに応じて直線Co→Rの区間
における磁気テープTの基準縁Teも図中で上方に変位
して曲線Co→Te→Rの位置に設けられている案内溝
Ggにおける案内面Gbに所定の接触圧で接触した状態
で案内された状態になされるのである。
【0021】まず、図1に示されている実施例、すなわ
ち、磁気テープの基準縁の位置を規制するための案内部
として、単に、固定シリンダ12の周面に形成させた磁
気テープの基準縁の位置規制用の溝Ggを使用する実施
例の場合には、磁気テープTの基準縁Teが位置される
べく予め定められた位置と対応する部分におけるシリン
ダ(固定シリンダ12)の表面Sから垂直な方向に所定の
深さWgbだけ切込んで形成した案内面Gbと、前記の
案内面Gbの奥側の端部dから案内面Gbに対して直角
に近い所定の角度αの鋭角の斜面Gw(uは斜面の上
端)とによって構成させた案内溝Ggが案内部として用
いられるが、この図1の実施例の場合には、シリンダに
巻付かせる磁気テープTの幅方向に加えるひねりの量を
磁気テープにわかめ状の縮れ変形を生じさせることがな
い範囲内で調節して、磁気テープTの基準縁Teが固定
シリンダ12における周面の位置よりも円筒内部に存在
するように形成されている図1の(b)に示されている案
内溝Ggの案内面Gbにより、図1の(c)に示されてい
るような状態で案内されるようにするためには、案内溝
Ggの案内面の幅が70ミクロン以上でなければならな
いことが判明した。ところが、図1に示されている実施
例の場合には、固定シリンダ12に設けられている案内
溝Ggにおける案内面Gbによって基準縁Teが案内さ
れ難かったり、あるいは固定シリンダ12に設けられて
いる案内溝Ggにおける案内面Gbによって基準縁Te
が案内されている磁気テープTが、磁気記録再生装置に
おける動作モードの変更時における磁気テープTの停
止、速度の変更等によって案内溝Ggにおける案内面G
bから外れてしまうことがあって、常に、安定な案内動
作が行なわれるとは限らないという不安定さが問題にな
ることがある。図4の(a)〜(c)は前記の問題点を
図示説明するための図である。
【0022】既述のように、図12中の直線L→Co→
Rで示される空間位置の状態から、回転シリンダ11と
固定シリンダ12との両シリンダの周面上に実線で示さ
れている曲線L→Te→G→Co→Te→Rの位置にま
で変位する過程において、直線L→Coの区間における
磁気テープTの基準縁Teが図中で下方に変位して曲線
L→Te→G→Coの位置に達し、また直線Co→Rの
区間における磁気テープTの基準縁Teは図中で上方に
変位して曲線Co→Te→Rの位置に達する、というよ
うな変位の態様で磁気テープTが回転シリンダ11と固
定シリンダ12との両シリンダの周面上に摺動する際
に、磁気テープTがそれの幅方向でシリンダの面側に彎
曲させる傾向が小であるような状態で、磁気テープTの
基準縁Teをシリンダの内方に向かわせる力が発生され
るように磁気テープTの幅方向に加えるひねりの量が調
節されていた場合には、磁気テープTが回転シリンダ1
1と固定シリンダ12との両シリンダの周面上に実線で
示されている曲線L→Te→G→Co→Te→Rの位置
まで変位するまでの過程において、直線L→Coの区間
における磁気テープTの基準縁Teは、図4の(a)→
(b)→(c)のような状態に変位するために、磁気テ
ープTの基準縁Teが案内溝Ggによって案内されるよ
うな状態にはならない。
【0023】また、前記した磁気テープTの幅方向に加
えるひねりの量の調節によって、磁気テープTがそれの
幅方向でシリンダの面側に彎曲させる傾向が大となるよ
うにして磁気テープTの基準縁Teをシリンダの内方に
向かわせる力が磁気テープTに発生されていて、磁気テ
ープTの基準縁Teが案内溝Ggの案内面Gbによって
案内されている状態になっていても、磁気記録再生装置
の動作モードの変更時における磁気テープ速度の変更等
が行なわれた場合には、磁気テープ速度の変更時に磁気
テープTに生じる磁気テープのテンションの変化によっ
て磁気テープTの幅方向に加わるひねりの量が変化する
ことにより磁気テープTの基準縁Teをシリンダの内方
に向かわせる力が変化し、また、それと同時に速度の変
更時に磁気テープTに与えられる機械的な衝激によっ
て、磁気テープTの基準縁Teが案内溝Ggの案内面G
bから脱落することが生じる。
【0024】図1に示されている実施例において生じる
ことがあった案内動作の不安定性は図2に示されている
実施例では全く生じない。図2に示されている実施例、
すなわち、磁気テープの基準縁の位置を規制するための
案内部として、磁気テープTの基準縁Teが位置される
べく予め定められた位置と対応する部分におけるシリン
ダ(固定シリンダ12)の表面Sから垂直な方向に所定の
深さWgbだけ切込んで形成した案内面Gbと、前記の
案内面Gbの奥側の端部dから案内面Gbに対して直角
に近い所定の角度αの鋭角の斜面Gw(uは斜面の上
端)とによって構成させた案内溝Ggを設けるととも
に、前記した案内溝Ggの案内面Gb寄りのシリンダ面
に磁気テープの係止部材DPを取付けた構成態様の案内
部が構成されている固定シリンダ12を用い、シリンダ
に巻付かせる磁気テープTの幅方向に加えるひねりの量
を磁気テープにわかめ状の縮れ変形を生じさせることが
ない範囲内で調節して、磁気テープTの基準縁Teが固
定シリンダ12における周面の位置よりも円筒内部に存
在するように形成されている図2の(b)に示されている
案内溝Ggの案内面Gbによって案内されるようにし、
また、磁気テープの係止部材DPは図4の(e)に示さ
れているように磁気テープTの基準縁Teを案内溝Gg
における案内面Gbに良好に誘導でき、かつ、磁気テー
プTに衝撃が印加された場合にも磁気テープTの基準縁
Teを案内溝Ggにおける案内面Gbから脱落させない
ように動作する。この点は図2の(c),図4の(f)
を参照すれば容易に理解できるであろう。図4の(d)
〜(f)は図2に示されている実施例における動作の説
明のための図である。
【0025】図2に示されている実施例において磁気テ
ープTの基準縁Teが図2の(c),図4の(f)に示さ
れているような状態で案内されるようにするためには、
案内溝Ggの案内面の幅を70ミクロン以上とする。前
記のように案内溝Ggの案内面Gb寄りのシリンダ面に
設けられる磁気テープの係止部材DPは、それの機能を
最も良く発揮できる設置位置が存在している。図3は回
転シリンダ11及び固定シリンダ12よりなるシリンダ
に対する磁気テープTの巻付けが、シリンダの中心角で
190度の範囲で行なわれている固定シリンダ12にお
ける案内溝Ggの案内面Gb寄りの固定シリンダ12の
面に、1個だけの磁気テープの係止部材DPを取付ける
ようにした場合の実施例について、前記した磁気テープ
の係止部材DPが、最も良くそれの機能を発揮できる設
置位置を説明するための図であって、この図3において
磁気テープTは、傾斜ガイド(スラントポール)10によ
って走行方向が変更されて回転シリンダ(図示せず)と固
定シリンダ12との両者に対して、シリンダの中心角で
180度強の範囲にわたり固定シリンダ12に設けられ
ている案内部に沿うような状態で巻付けられた後に、傾
斜ガイド(スラントポール)13によって磁気テープT
の走行方向が再び水平の状態の走行方向に戻されている
が、この図3のようにシリンダの中心角で180度強で
シリンダに磁気テープTが巻付けられているな磁気テー
プの走行系においては、シリンダに対する磁気テープの
巻付範囲の中央部からシリンダに対する磁気テープの供
給端までの間の中間付近の領域について、前記した案内
溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気テープの係止
部材DPを設けるようにするとよい。
【0026】シリンダに対する磁気テープTの巻付けの
範囲における中央の部分を90度としたときに、図3中
で40度から70度として示してある領域に磁気テープ
の係止部材DPを設置するようにした場合には良い結果
が得られるが、特に、図3中における55度の付近に1
個の小さな磁気テープの係止部材DPを設置することは
望ましい実施の態様であるといえる。前記した磁気テー
プの係止部材DPとしては、大きさが例えば一辺が数ミ
リメートルの任意形状の非磁性材料の薄板によって構成
させて、案内溝Ggとの間に間隙が形成されるようにし
たものであってもよく、そのような磁気テープの係止部
材DPの複数個のものを、固定シリンダ12における案
内溝Ggの案内面Gb寄りの固定シリンダ12の周面に
案内溝Ggに沿って適宜の間隔をおいて設けるようにし
てもよい。前記した磁気テープの係止部材DPにおける
固定シリンダ12に設けた斜面に面する側へ、図2の
(b),(c)に示す断面図中に明示してあるような傾斜面
を設けると、磁気テープTの基準縁Teを案内溝Ggの
案内面Gbに導く動作が容易に行なわれるようにするこ
とができる。また、磁気テープの係止部材DPの大きさ
が前記のように小さなものに限定されるものでないこと
は勿論であり、固定シリンダ12における案内溝Ggの
案内面Gb寄りの固定シリンダ12の周面に案内溝Gg
に沿って設けるようにしてもよい。また、前記した磁気
テープの係止部材DPの取付け位置は厳密に定められる
ものでもないから、固定シリンダ12における案内溝G
gの案内面Gb寄りの固定シリンダ12の周面に、磁気
テープの係止部材DPを取付けることは極めて容易にで
きる。なお、固定シリンダ12の周面に磁気テープの係
止部材DPを取付ける手段としては、ねじ止め、接着剤
による接着、その他任意の固着手段を用いることができ
る。
【0027】図2を参照して説明した実施例において
は、磁気テープの係止部材DPが固定シリンダ12に設
けられている案内軸Ggにおける案内面Gbよりもシリ
ンダの母線の方向に突出しているような形状のものであ
ったが、図5に示す実施例においては磁気テープの基準
縁の位置を規制するための案内部として、磁気テープT
の基準縁Teが位置されるべく予め定められた位置と対
応する部分におけるシリンダ(固定シリンダ12)の表面
Sから垂直な方向に所定の深さWgbだけ切込んで形成
した案内面Gbと、前記の案内面Gbの奥側の端部dか
ら案内面Gbに対して直角に近い所定の角度αの鋭角の
斜面Gw(uは斜面の上端)とによって構成させた案内
溝Ggを設けるとともに、前記した案内溝Ggの案内面
Gb寄りのシリンダ面に、前記した案内溝Ggの案内面
Gbの面と同一面の部分を有するような構成態様となさ
れる磁気テープの係止部材DPを取付けた案内部を構成
させている固定シリンダ12を用い、シリンダに巻付か
せる磁気テープTの幅方向に加えるひねりの量を磁気テ
ープにわかめ状の縮れ変形を生じさせることがない範囲
内で調節して、磁気テープTの基準縁Teが固定シリン
ダ12における周面の位置よりも円筒内部に存在するよ
うに形成されている図5の(b)〜(d)に示されている
案内溝Ggの案内面Gbによって案内されるようにした
ものである。
【0028】この図5の(b)〜(d)に示されている
ような磁気テープの係止部材DPを固定シリンダ12に
設けた案内溝Ggとともに用いて案内部を構成させた場
合には、前記した磁気テープの係止部材DPは図5の
(a)に例示してあるように固定シリンダ12における
30度の付近の領域と90度の付近の領域と150度の
付近の領域とのような複数の領域にそれぞれ設けるよう
にすると、案内溝Ggによる磁気テープTの基準縁Te
の案内動作を安定に行なうことができる。なお、この図
5の実施例においても、磁気テープの係止部材DPの大
きさは任意であり、磁気テープの係止部材DPが固定シ
リンダ12における案内溝Ggの案内面Gb寄りの固定
シリンダ12の周面に案内溝Ggに沿って長く設けられ
るようにしてもよい。固定シリンダ12の周面に磁気テ
ープの係止部材DPを取付ける手段としては、ねじ止
め、接着剤による接着、その他任意の固着手段を用いる
ことができる。
【0029】これまでの実施例の場合には、磁気テープ
の基準縁Teを案内するために固定シリンダ12に設け
る案内溝Ggは1個であったが、図6図乃至図11を参
照して説明する実施例は、固定シリンダ12の周方向に
順次に2つの案内溝Ggs,Ggoを設けて、固定シリ
ンダ12を180度だけ回動させることにより、2種類
の案内溝Ggs,Ggoの一方を選択的に使用できるよ
うに構成させたものである。図6乃至図10においてD
Aはドラム構体であるが、図6中に示されているドラム
構体DAとして、図8の縦断面図によって具体的な構
成が示されているように、ドラムベースDBと、回転シ
リンダ(回転ドラム)11と、固定シリンダ(下ドラ
ム)12と、モータMなどによって組立てられている構
成態様のドラム構体が使用されていても、あるいは図
10の縦断面図によって具体的な構成が示されているド
ラム構体DAのように、ドラムベースDBと、回転シリ
ンダ11と、下ドラム基体12a及び環状体12bから
なる下ドラムの部分と、モータMなどによって組立てら
れている構成態様のものが使用されていても、磁気記録
再生装置の機構部の外観は図6及び図7に示されている
ようなものとなるから、図6及び図7においてはドラム
構体DAにおける固定シリンダまたは固定シリンダの部
分の図面符号として12(12b)を使用している。
【0030】図6及び図7中に示されているドラム構体
DAにおける固定シリンダまたは固定シリンダの部分1
2(12b)に、図面符号Ggs,Ggoとして示して
ある部分は、磁気テープの基準縁を当接させた状態で案
内する面を有する第1,第2の案内溝であって、前記し
た第1,第2の案内溝Ggs,Ggoは、シリンダの周
面の一部に摺接しながら予め定められた速度Vsで走行
している状態の磁気テープと、走行を停止させた状態で
シリンダの周面の一部に摺接させてある磁気テープとの
何れの場合の磁気テープについても、シリンダに対する
磁気テープの巻付角の中央部における磁気テープの基準
縁の位置が実質的に同一に保持されている状態におい
て、予め定められた回転数Nsで回転している回転磁気
ヘッドによって磁気テープに形成される記録跡が、磁気
テープの基準縁と記録跡の延長方向とが予め定められた
θsの角度となされる状態で前記した磁気テープの走行
速度の切換え変更と対応して磁気テープ上に形成されう
るように、ドラム構体DAにおける固定シリンダまたは
固定シリンダの部分12(12b)の周方向に構成され
ている。
【0031】すなわち、前記した磁気テープの走行時に
おける磁気テープの基準縁を当接させた状態で案内する
面を有する第1の案内溝Ggsと、磁気テープの停止時
における磁気テープの基準縁を当接させた状態で案内す
る面を有する第2の案内溝Ggoとは、前記した第1,
第2の案内溝Ggs,Ggoにおける片方の案内溝の始
端部付近の領域と他方の案内溝の終端部付近の領域と
が、ドラム構体DAにおける固定シリンダまたは固定シ
リンダの部分12(12b)の母線方向については互に
離隔し、固定シリンダまたは固定シリンダの部分12
(12b)の周方向については互に重なり合っている状
態のものとして構成されている。前記した固定シリンダ
または固定シリンダの部分12(12b)における各案
内溝Ggs,Ggoの案内面寄りの固定シリンダまたは
固定シリンダの部分12(12b)の周面には、それぞ
れ図2及び図5を参照して既述したような磁気テープの
係止部材DPが設けられることは望まして実施例であ
る。図11は固定シリンダまたは固定シリンダの部分1
2(12b)の展開図であり、各案内溝Ggs,Ggo
や磁気テープの係止部材DPが設けられていることが示
されている。
【0032】図6及び図7においてMは回転シリンダ1
1を駆動回転させるモータである。図8及び図10中に
縦断面図によって示されているモータMはアウターロー
タ型の構造のものとして示されている。図8及び図10
において29は環状の永久磁石であり、前記した環状の
永久磁石29は永久磁石の支持板30に固着されてい
る。前記した永久磁石の支持板30はねじ31,32に
よって軸固着部材33に固着されている。前記の軸固着
部材33はそれの中心孔に回転軸69を嵌合させた後に
止めねじ34によって回転軸69と固着される。固定子
のコイル38〜41が設けられている固定子の取付部材
37は、ねじ35,36によってドラムベースDBに固
着されている。軸受42,43によって回転自在に支持
されている回転軸69は、回転シリンダ固着部材44に
嵌合固着されており、回転シリンダ固着部材44には回
転シリンダ11がねじ45,46によって固着されてい
て、モータMは回転軸69によって回転シリンダ11が
回転される。
【0033】また、図6においてMxは磁気テープの基
準縁を案内するための第1の案内溝Ggsと第2の案内
溝Ggoとを切換える際に使用される駆動機構の動力源
のモータであり、このモータMxは図示されていない駆
動制御回路によって動作が制御されて、前記したモータ
Mxの回転力がモータMxの回転軸24に設けたプーリ
溝26との間に張設されているベルト23によって固定
シリンダ12(または環状体12b)に伝達される。2
7,28は固定シリンダ12(または環状体12b)の
回動位置の検出装置であり、この固定シリンダ12(ま
たは環状体12b)の回動位置の検出装置27,28
は、固定シリンダ12(または環状体12b)における
特定な位置に設けられた位置検出用のマークBMと対応
して信号を発生し、その信号は駆動制御回路の動作の制
御に用いられる。
【0034】固定シリンダ12(または環状体12b)
に設けられる前記した位置検出用のマークBMとして
は、使用される固定シリンダ12(または環状体12
b)の回動位置の検出装置27,28が光学的な検出原
理を用いて構成されているものであれば、位置検出用の
マークBM以外の部分に比べて、光の吸収率が異なる状
態の部分として構成させ、また使用される固定シリンダ
12(または環状体12b)の回動位置の検出装置2
7,28が電磁気的な検出原理を用いて構成されている
ものであれば、位置検出用のマークBMの部分を特定な
着磁状態の部分として構成させる、というように、使用
される回動位置の検出装置の検出原理と対応してそれぞ
れの場合に適した構成の位置検出用のマークBMが使用
される。図8に示されている構成態様のドラム構体DA
における固定シリンダ12の外周面と、図10に示され
ている構成態様のドラム構体DAの固定シリンダ基体1
2a及び環状体12bからなる固定シリンダの部分にお
ける環状体12bの外周面とにそれぞれ構成されている
第1,第2の案内溝Ggs,Ggo、すなわち、磁気テー
プTの基準縁Teを案内するための2種類の案内溝Gg
s,Ggoは、それのどちらの案内溝が選択されて磁気
テープTの基準縁Teに対する案内作用のために用いら
れるようにされるのかは、磁気記録再生装置における操
作部に対して操作者が設定した動作モードによって決定
される。
【0035】前記した操作部に対して操作者が設定した
動作モードが通常の記録再生モード(ノーマル記録再生
モード)であった場合には、磁気記録再生装置が通常の
記録再生モードで動作している状態において、磁気テー
プTの基準縁Teを位置させることが必要な位置に磁気
テープTの基準縁Teを位置させうるような案内溝Gg
sの面によって磁気テープTの基準縁Teが案内される
状態となるように、図示されていない駆動制御回路の動
作によってモータMxを駆動回転させて、前記したモー
タMxの回転力はモータMxの回転軸24に固着されて
いるプーリ25と固定シリンダ12(または環状体12
b)に設けられているプーリ溝26との間に張設されて
いるベルト23によって固定シリンダ12(または環状
体12b)を正方向に180度回動させる。
【0036】また、前記の操作部に操作者が設定した動
作モードが、磁気テープの走行を停止させた状態での記
録再生モード(スチル記録再生モード)であった場合に
は、磁気記録再生装置がスチル記録再生モードで動作し
ている状態において、磁気テープTの基準縁Teを位置
させることが必要な位置に磁気テープTの基準縁Teを
位置させうるような案内溝Ggoの面によって磁気テー
プTの基準縁Teが案内される状態となるように、図示
されていないいる駆動制御回路の動作によってモータM
xを駆動回転させて、前記したモータMxの回転力はモ
ータMxの回転軸24に固着されているプーリ25と固
定シリンダ12(または環状体12b)に設けられている
プーリ溝26との間に張設されているベルト23によっ
て固定シリンダ12(または環状体12b)を逆方向に1
80度回動させる。このように、モータMxによって駆
動されて回動々作を行なうことができるようになされて
いる固定シリンダ12(または環状体12b)は、操作部
で操作者が設定した動作モードに応じて行なわれる駆動
制御回路の制御動作によってモータMxが正逆の両方向
に駆動回転されることにより180度だけ正逆の両方向
に選択的に回動されて、固定シリンダ12(または環状
体12b)の周方向にそれぞれ構成されている磁気テー
プTの基準縁Teを案内するための案内溝Ggs,Gg
oの内の一方のものによって磁気テープTの基準縁Te
に対する案内作用が選択的に行なわれる状態に切換変更
されるようになされるのである。
【0037】走行状態の磁気テープTに回転磁気ヘッド
によって形成される記録跡と、停止状態の磁気テープT
に回転磁気ヘッドによって形成される記録跡とにおける
記録跡の延長する方向と磁気テープTの基準縁Teとの
なす角度とを同じにするのには、走行状態の磁気テープ
Tの基準縁Teの位置と停止状態の磁気テープTの基準
縁Teの位置とが、走行状態の磁気テープTについては
磁気テープTの基準縁Teと基準面とのなす角度がθo
となるように、また、停止状態の磁気テープTについて
は磁気テープTの基準縁Teと基準面とのなす角度がθ
sとなるように変更させることが必要である。そして既
述したVHS(登録商標)方式の場合のように、前記し
た2つの角度θsとθoとの角度の差が僅かな場合に
は、シリンダに対する磁気テープTの巻付角の中央部の
位置における磁気テープTの基準縁Teの基準面からの
高さが変化しないようにするだけで、前記の如く磁気テ
ープTの基準縁Teの位置が2つの態様に切換変更され
た場合でもシリンダに摺接している磁気テープTの各部
に伸縮が生じるような力が加わらないようにすることが
できる。
【0038】固定シリンダ12(または環状体12b)
を回動させることにより、固定シリンダ12(または環
状体12b)の周方向に構成されている第1,第2の案
内溝Ggs,Ggoを選択的に切換えて、それぞれの動
作モード時に磁気テープTの基準縁Teの位置が正しく
規制されるようにするためには、固定シリンダ12(ま
たは環状体12b)の回動位置が正しく規制されること
が必要とされるが、操作部で操作者が設定した動作モー
ドに応じて行なわれる固定シリンダ12(または環状体
12b)の回動位置の切換え変更は、固定シリンダ12
(または環状体12b)における特定な位置に設けられた
位置検出用のマークBMと対応して固定シリンダ12
(または環状体12b)の回動位置の検出装置27,2
8から発生した信号によって駆動制御回路の動作を制御
して、正逆の両方向に駆動回転できるモータMxを所定
の回転方向に回転させて固定シリンダ12(または環状
体12b)を180度だけ回動させるようにし、機械的
な位置決め機構によって所定の正確な回動位置で固定シ
リンダ12(または環状体12b)が固定されるようにし
ている。
【0039】例えば、図示されていない押釦スイッチを
押して、固定シリンダ12(または環状体12b)を時計
まわりに半周だけ回動させ、その状態でさらに押釦スイ
ッチを押すと、固定シリンダ12(または環状体12b)
が反時計まわりに半周だけ回動するようになされるとい
うように、押釦スイッチを押す毎に固定シリンダ12
(または環状体12b)の半周ずつの回動方向が反対にな
るように、操作部で操作者が設定した動作モードに応じ
て行なわれる固定シリンダ12(または環状体12b)
の回動位置の切換え変更を、固定シリンダ12(または
環状体12b)における特定な位置に設けられた位置検
出用のマークBMと対応して固定シリンダ12(または
環状体12b)の回動位置の検出装置27,28から発
生した信号による図示されていない駆動制御回路の動作
によって、正逆の両方向に駆動回転できるモータMxを
所定の回転方向に回転させて固定シリンダ12(または
環状体12b)を180度だけ回動させ、その後の慣性
による回動を機械的な位置決め機構によって所定の正確
な回動位置で固定シリンダ12(または環状体12b)が
固定されるようにすると、電気回路による回動位置の制
御は粗制御であっても良く、そのために既述した固定シ
リンダ12(または環状体12b)における特定な位置に
設けられる位置検出用のマークBMの位置にも精密さは
要求されないようにできる。
【0040】図8の縦断面図によって示されているドラ
ム構体DAの構成は、図8中のA−A線位置の平断面図
を示している図9を参照すれば良好に理解できると思わ
れるが、固定シリンダ12の外周54側の下端はドラム
ベースDBに設けた円環状の溝55と係合しており、し
たがって、固定シリンダ12はそれの外周54側の位置
がドラムベースDBに設けた円環状の溝55によって位
置が規制された状態でドラムベースDBに対して回動自
在になされている。ドラムベースDBには前記した固定
シリンダ12の外周54の内側に構成された円環状の切
欠部57に突出して設けられる円環状の突起体56を備
えている。前記の円環状の突起体56の直径上の外周面
の2個所には、例えばばね52bで押圧された球体52
cを備えた部材52における球体52cと係合する係合
部53を構成する窪み53が設けられている。そして前
記した円環状の突起体56における2個所の窪み53の
平断面形状は図9に示されているようにばね52bで押
圧された球体52cを備えた部材52における球体52
cの出入が自在な状態の傾斜の緩やかなカム面と、前記
した部材52の移動を阻止する急傾斜の壁面とを備えて
いるものとして形成されており、また前記した2つの窪
み53の間は円環状の突起体56の外周面に形成された
浅い溝58によって連結されている。
【0041】前記したドラムベースDBに設けられた円
環状の突起体56における窪み53に係合される球体5
2cを備えている部材52は、それの外周面にねじ山5
2aが切られており、固定シリンダ12の外周54に設
けられたプーリ溝26の特定な位置に構成されたねじ孔
64に螺入されたときに部材52の先端から突出してい
る球体52cが、前記した円環状の突起体56における
2個所の窪み53と、前記した2つの窪み53の間の浅
い溝58とに当接できるようになされている。それで、
前記のように固定シリンダ12のプーリ溝26中に設け
られたねじ孔64に螺入されている部材52の先端から
突出している球体52cは、固定シリンダ12が既述の
ように回動されたときに、前記の円環状の突起体56に
おける2個所の窪み53の間の浅い溝58の部分ではそ
れに摺接して、固定シリンダ12の回動を妨げることな
く、また前記した円環状の突起体56における2個所の
窪み53においてはそれに係合されて固定シリンダ12
の位置決めを行なうという動作を行なう機構、すなわ
ち、クリックストップ機構として機能するが、前記した
窪み53は図9に示されているような平断面形状のもの
となされているから、固定シリンダ12は半周だけの往
復回動々作だけが可能な状態となされているのである。
【0042】59は回転シリンダ11側の回転トラン
ス、60は固定シリンダ12側の回転トランスであり、
61は固定シリンダ側の回転トランス60への接続線で
ある。前記のように図8及び図9に示されているドラム
構体DAにおける固定シリンダ12は、固定された状態
のドラムベースDBに対して半周にわたって往復回動々
作を行なうような構成のものとなされているから、前記
した固定シリンダ側の回転トランス60への接続線61
も、前記した固定シリンダ12の半周にわたる往復回動
々作に従って動くことが必要であるから可撓性の接続線
61が用いられることは望ましい実施の態様である。そ
して図8及び図9における図面符号62,63は前記し
た固定シリンダ12の半周にわたる往復回動々作に従っ
て固定シリンダ側の回転トランス60への接続線61が
移動できる空間部を示している。
【0043】次に図10の縦断面図によって示されてい
るドラム構体DAは、ドラム構体DAにおける固定シリ
ンダの部分が固定シリンダ基体12aと環状体12bと
の2つの部分から構成されていて、前記した固定シリン
ダの部分における環状体12bの外周面に第1,第2の
案内溝Ggs,Ggoが構成されている。図10に示す
ドラム構体DAにおいて、図8及び図9を参照して既述
したドラム構体DAと同様な構成態様の各構成部分に
は、図8及び図9に示すドラム構体DAで使用した図面
符号と同一の図面符号を使用し、その部分についての具
体的な説明の省略が行なわれることがある。この図10
に示されているドラム構体DAは、それの固定シリンダ
の部分の固定シリンダ基体12aの外周に設けられてい
る環状体12bだけが回動できるように構成されてい
て、回転シリンダ11側の回転トランス59に対向して
配置されている固定シリンダ12側の回転トランス60
が、固定シリンダの部分における常に固定状態になされ
ている固定シリンダ基体12aに設けられているから、
固定シリンダ側の回転トランス60への接続線61は、
固定シリンダ基体12aの外周に設けられている環状体
12bの半周にわたる往復回動々作とは無関係である。
それで、図8について既述したドラム構体DAでは、固
定状態のドラムベースDBに対して半周にわたって往復
回動々作を行なう固定シリンダ側の回転トランス60へ
の接続線61が固定シリンダ12の半周にわたる往復回
動々作に従って動けるような構造にする必要があったの
に、この図10に示すような構成のドラム構体DAでは
そのような問題がないという構造上の利点が得られる他
に、可動部分の質量が小さいので回動させるための駆動
力が小さくても良く、また停止時の制動力も小さくでき
る。
【0044】図10に示されているドラム構体DAにお
いて、ドラム構体DAにおける固定シリンダの部分は既
述のように、固定シリンダ基体12aと環状体12bと
の2つの部分から構成されていて、前記した固定シリン
ダ基体12aは、それの底部がねじ65,66によって
ドラムベースDBに固着されている。また前記した固定
シリンダの部分における環状体12bには、それの外周
面に第1,第2の案内溝Ggs,Ggoが構成されてお
り、さらにそれの内周面の一部が前記した固定シリンダ
基体12aの外周面の一部に当接しているとともに、そ
れの内周側の下端部67は固定シリンダ基体12aの係
合部68と回動自在に係合している。前記した固定シリ
ンダ基体12aの直径上の外周面の2個所には、例えば
ばね52bで押圧された球体52cを備えた部材52に
おける球体52cと係合する係合部53を構成する窪み
53が設けられている。そして、前記した固定シリンダ
基体12aにおける2個所の窪み53の平断面形状は、
ばね52bで押圧された球体52cを備えた部材52に
おける球体52cの出入が自在な状態の傾斜の緩やかな
カム面と、前記した部材52の移動を阻止する急傾斜の
壁面とを備えているものとして形成されており、また前
記した2つの窪み53の間は固定シリンダ基体12aの
外周面に形成された浅い溝58によって連結されてい
る。
【0045】前記した固定シリンダ基体12aの外周に
設けられた窪み53に係合される球体52cを備えてい
る部材52は、それの外周面にねじ山52aが切られて
おり、固定シリンダの部分における環状体12bに設け
られたプーリ溝26の特定な位置に構成されたねじ孔6
4に螺入されたときに、部材52の先端から突出してい
る球体52cが、前記した固定シリンダ基体12aの外
周に設けられた2個所の窪み53と前記した2つの窪み
53の間の浅い溝58とに当接できるようになされてい
る。それで、前記のように固定シリンダの部分における
環状体12bのプーリ溝26中に設けられたねじ孔64
に螺入されている部材52の先端から突出している球体
52cは、固定シリンダの部分における環状体12bが
既述のように回動されたときに、前記した固定シリンダ
基体12aの外周に設けられた2個所の窪み53の間の
浅い溝58の部分では摺接して、固定シリンダの部分に
おける環状体12bの回動を妨げることなく、また、前
記した固定シリンダ基体12aの外周に設けられた2個
所の窪み53においてはそれに係合されて固定シリンダ
12の位置決めを行なうという動作を行なう機構、すな
わち、クリックストップ機構として機能する。前記した
窪み53は既述した図9に示されているような平断面形
状のものとなされているから、固定シリンダの部分にお
ける環状体12bは半周だけの往復回動々作だけが可能
な状態となされているのである。
【0046】次に、図6及び図7中に示されているドラ
ム構体DAにおける固定シリンダ12(または環状体1
2b)、すなわち、図8に示されている構成態様のドラ
ム構体DAにおける固定シリンダ12の外周面に構成さ
れる第1,第2の案内溝Ggs,Ggoの具体的な構成態
様と、図10に示されている構成態様のドラム構体DA
の固定シリンダ基体12a及び環状体12bからなる固
定シリンダの部分における環状体12bの外周面に構成
される第1,第2の案内溝Ggs,Ggoの具体的な構成
態様とについて、既述のように、前記した第1,第2の
案内溝Ggs,Ggoは、ドラムの周面の一部に摺接し
ながら予め定められた速度Vsで走行している状態の磁
気テープと、走行を停止させた状態でシリンダの周面の
一部に摺接させてある磁気テープとの何れの場合の磁気
テープについても、シリンダに対する磁気テープの巻付
角の中央部における磁気テープの基準縁の位置が実質的
に同一に保持されている状態において、予め定められた
回転数Nsで回転している回転磁気ヘッドによって磁気
テープに形成される記録跡が、磁気テープの基準縁と記
録跡の延長方向とが予め定められたθsの角度となされ
る状態で前記した磁気テープの走行速度の切換え変更と
対応して磁気テープ上に形成されうるように、ドラム構
体DAにおける固定シリンダ12(または環状体12
b)の周方向に構成させているものであり、前記した磁
気テープの走行時における磁気テープの基準縁を当接さ
せた状態で案内する面を有する第1の案内溝Ggsと、
磁気テープの停止時における磁気テープの基準縁を当接
させた状態で案内する面を有する第2の案内溝Ggoと
は、前記した第1,第2の案内溝Ggs,Ggoにおけ
る片方の案内溝の始端部付近の領域と他方の案内溝の終
端部付近の領域とが、ドラム構体DAにおける固定シリ
ンダ12(または環状体12b)の母線方向については
互に離隔し、固定シリンダ12(または環状体12b)
の周方向については互に重なり合っている状態のものと
して構成させてある。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置は磁気テープの基準
縁が位置されるべく予め定められた位置と対応する部分
がシリンダの表面から垂直に所定の深さに切込まれてい
る状態の案内面になされているとともに、前記した案内
面によって基準縁の位置が規制される磁気テープの磁性
面側におけるシリンダ面が、前記した案内面の奥側の端
部から前記した案内面に対して直角に近い所定の角度の
鋭角の斜面として形成されている溝を、シリンダの周面
の少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テープにおけ
る基準縁の位置を規制するための案内部として機能させ
るために、シリンダに対する案内部の加工が従来よりも
極めて簡単化され、また、前記した案内溝における案内
面寄りのシリンダ面に磁気テープの係止部材を設けた場
合には、磁気テープの走行速度の変更動作があった場合
でも案内溝から磁気テープが外れないようにできる、さ
らに固定シリンダの周方向に順次に複数の案内溝を構成
させることも容易であり、本発明によれば既述した従来
の問題点はすべて良好に解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気記録再生装置に使用される
シリンダに形成される案内溝の構成の説明に用いられる
図である。
【図2】図2は本発明の磁気記録再生装置に使用される
シリンダに形成される案内溝の構成の説明に用いられる
図である。
【図3】案内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気
テープの係止部材を取付ける際の取付け領域の一例を示
す図である。
【図4】案内溝の説明に用いられる図である。
【図5】案内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気
テープの係止部材を取付ける際の取付け領域の一例を示
す図である。
【図6】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにして
本発明を実施する場合の説明図である。
【図7】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにして
本発明を実施する場合の説明図である。
【図8】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにして
本発明を実施する場合の説明図である。
【図9】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにして
本発明を実施する場合の説明図である。
【図10】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにし
て本発明を実施する場合の説明図である。
【図11】複数の案内溝をシリンダ面に設けるようにし
て本発明を実施する場合の説明図である。
【図12】シリンダ近傍における磁気テープの走行路の
説明に用いられる図である。
【図13】磁気記録再生装置に使用されるシリンダに形
成される案内部の構成の説明に用いる図である。
【図14】従来の磁気記録再生装置に使用されるシリン
ダに形成される案内部の構成の説明に用いる図である。
【図15】従来の磁気記録再生装置に使用されるシリン
ダに形成される案内部の構成の説明に用いる図である。
【図16図】磁気記録再生装置に使用されるシリンダの
部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
1…供給リール台、2…巻取りリール台、3…カセット
ケース、4…供給リール、5…テンションポール、6…
ガイドポール、7…全幅消去ヘッド、8…インピーダン
スローラ、9,14…ローデングポール(垂直ガイドロ
ーラ),10,13…傾斜ガイド(スラントポール)、
11…回転シリンダ、12…固定シリンダ、19…巻取
りリール、15…オーディオ・コントロールヘッド、1
6…ガイドポール、17…ピンチローラ、18…キヤプ
スタン、19…巻取りリール、21…帯状の薄板、22
…止めねじ、23…ベルト、27,28…固定シリンダ
12(または環状体12b)の回動位置の検出装置、6
9…回転軸、T…磁気テープ、Te…磁気テープTの基
準縁、G…固定シリンダ12の案内部、Gg,Ggs,
Ggo…案内溝、Gb…案内面、Wgb…案内面の幅、
Gw…斜面、DP…磁気テープの係止部材、DA…ドラ
ム構体、DB…ドラムベース、12a…ドラム基体、1
2b…環状体、M,Mx…モータ、BM…位置検出用の
マーク、
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】前記のように回転シリンダ11及び固定シ
リンダ12に対して180度強の範囲にわたり巻付けら
れた磁気テープTは、次いで傾斜ガイド(スラントポー
ル)13によって磁気テープTの走行方向が再び水平の
状態の走行方向に戻された後に、ローデイングポール
(垂直ガイドローラ)14→オーデイオ・コントロール
ヘッド15→ガイドポール16→キヤプスタン18とピ
ンチローラ17等の区間の磁気テープの走行路を走行し
て巻取りリール19に巻回される。前記した傾斜ガイド
(スラントポール)10,13の傾斜角度の調整作業に
よって行なわれる磁気テープTの走行方向の変更は、傾
斜ガイド(スラントポール)10,13に対しす非常に
微妙な調整動作が行なわれることによってなされるので
あって、磁気テープTを実際に走行させながら傾斜角度
を調節して磁気テープの所望な走行状態が得られるよう
にされる。ところで、磁気テープは塑性によってわかめ
状の縮れ変形を起こし易い性質を持っているから、磁気
テープの走行系としてはテープに無理な力が加わらない
ような機構として構成されることが必要である。また磁
気テープは長手方向の応力に対しては割合に強いが幅方
向の外力に対しては弱く、殊に、幅の広い磁気テープが
使用されている場合には、幅方向の外力が加わり易いに
も拘らずに高い精度が求められているから、供給リール
4から回転シリンダ11及び固定シリンダ12を経て巻
取りリール19に至るまでの磁気テープTの走行路のど
の部分においても、磁気テープTの幅方向の仮想断面の
各点には均一なテンションが掛かるような走行系の構成
となされていることが望ましいことは周知のとおりであ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はシリンダの周面
の少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テープにおけ
る基準縁の位置が、シリンダに設けられた案内部によっ
て規制されるようになされており、また、前記した磁気
テープに対する記録再生動作が回転磁気ヘッドによって
行なわれうるようになされている磁気記録再生装置にお
いて、シリンダにおける前記した磁気テープの基準縁が
位置されるベく予め定められた位置と対応する部分がシ
リンダの表面から垂直に所定の深さに切込まれている状
態の案内面になされており、かつ、前記した案内面によ
って基準縁の位置が規制される磁気テープの磁性面側に
おけるシリンダ面が、前記した案内面の奥側の端部から
前記した案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の
斜面として形成されている案内溝をシリンダに構成させ
るとともに、前記した案内溝における案内面寄りのシリ
ンダ面に磁気テープの係止部材を設けてなる磁気記録再
生装置、ならびにシリンダの周面の少なくとも一部に斜
に巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シ
リンダに設けられた案内部によって規制されるようにな
されており、また、前記した磁気テープに対する記録再
生動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようにな
されている磁気記録再生装置において、シリンダにおけ
る前記した磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定
められた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直
に所定の深さに切込まれている状態の案内面になされて
おり、かつ、前記した案内面によって基準縁の位置が規
制される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、
前記した案内面におけるシリンダの内側の端部から前記
した案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の斜面
として形成されている案内溝をシリンダに構成させると
ともに、中心角で180度強でのシリンダに対する磁気
テープの巻付範囲の中央部からシリンダに対する磁気テ
ープの供給端までの間の中間付近の領域について、前記
した案内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気テー
プの係止部材を設けてなる磁気記録再生装置を提供す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定め
られた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に
所定の深さに切込まれている状態の案内面になされてい
るとともに、前記した案内面によって基準縁の位置が規
制される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、
前記した案内面の奥側の端部から前記した案内面に対し
て直角に近い所定の角度の鋭角の斜面として形成されて
いる溝を、シリンダの周面の少なくとも一部に対して斜
に巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置を規制
するための案内部として機能させるようにするために、
前記した案内溝における案内面寄りのシリンダ面に設け
た磁気テープの係止部材は、磁気テープの基準縁を安定
に案内溝で案内させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1はシリ
ンダ溝を設けたシリンダの構成を説明するための図、図
2は本発明の磁気記録再生装置に使用されるシリンダに
形成される案内溝の構成の説明に用いられる図であり、
また、図3及び図5は案内溝における案内面寄りのシリ
ンダ面に磁気テープの係止部材を取付ける際の取付け領
域の一例を示す図、図4は案内溝の説明に用いられる
図、図6乃至図11は複数の案内溝をシリンダ面に設け
るようにして本発明を実施する場合の説明図、図12は
シリンダ近傍における磁気テープの走行路の説明に用い
られる図である。図1は磁気記録再生装置において、シ
リンダの周面の一部に斜に巻付けられる磁気テープの基
準縁の位置を規制するための案内部として用いられる磁
気テープの基準縁の位置規制用の溝Ggを備えている固
定シリンダ12の側面図{図1の(a)}と、図1の
(a)に示されている固定シリンダ12の一部の縦断面
図{図1の(b)}と、磁気テープの基準縁の位置規制
用の溝Ggによる磁気テープの基準縁Teの位置規制動
作の説明図{図1の(c)}であり、また、図2は本発
明の磁気記録再生装置において、シリンダの周面の一部
に斜に巻付けられる磁気テープの基準縁の位置を規制す
るための案内部として用いられる磁気テープの基準縁の
位置規制用の溝Ggを備えている固定シリンダ12にお
ける案内溝Ggの案内面Gb寄りのシリンダ面に磁気テ
ープの係止部材DPを設けた実施例の斜視図{図2の
(a)}と、図2の(a)に示されている固定シリンダ
12における磁気テープの係止部材DPの取付部分の一
部の縦断面図{図2の(b)}と、磁気テープの基準縁
の位置規制用の溝Ggによる磁気テープの基準縁Teの
位置規制動作の説明図{図2の(c)}である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】図1及び図2における各(a),(b)図
に示されているところから明らかなように、磁気記録再
生装置においてシリンダの周面の一部に斜に巻付けられ
る磁気テープの基準縁の位置を規制するための案内部
は、シリンダにおける前記した磁気テープの基準縁が位
置されるべく予め定められた位置と対応する部分がシリ
ンダ(固定シリンダ12)の表面Sから垂直に所定の深
さWgbに切込まれている状態の案内面Gbになされて
いるとともに、前記した案内面Gbによって基準縁の位
置が規制される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ
面が、前記した案内面Gbの奥側の端部dから前記した
案内面Gbに対して直角に近い所定の角度αの鋭角の斜
面Gwとして形成されている案内溝Ggとして構成され
ているのである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】回転シリンダ11と固定シリンダ12とか
らなるドラム構体のシリンダの周面の一部に斜に巻付け
られる磁気テープTの基準縁Teの位置を規制するため
の案内部として固定シリンダ12に対して設けられる前
記した案内溝Ggは、回転シリンダと同一の直径を有す
る固定シリンダ12における周面に対して、例えば2軸
制御の倣い旋盤を用いて加工を行なうことにより極めて
容易に形成させることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】まず、磁気テープの基準縁の位置を規制す
るための案内部として、単に、固定シリンダ12の周面
に形成させた磁気テープの基準縁の位置規制用の溝Gg
を使用する図1に示されている例の場合には、磁気テー
プTの基準縁Teが位置されるべく予め定められた位置
と対応する部分におけるシリンダ(固定シリンダ12)
の表面Sから垂直な方向に所定の深さWgbだけ切込ん
で形成した案内面Gbと、前記の案内面Gbの奥側の端
部dから案内面Gbに対して直角に近い所定の角度αの
鋭角の斜面Gw(uは斜面の上端)とによって構成させ
た案内溝Ggが案内部として用いられるが、この図1に
示されている例の場合には、シリンダに巻付かせる磁気
テープTの幅方向に加えるひねりの量を磁気テープにわ
かめ状の縮れ変形を生じさせることがない範囲内で調節
して、磁気テープTの基準縁Teが固定シリンダ12に
おける周面の位置よりも円筒内部に存在するように形成
されている図1の(b)に示されている案内溝Ggの案
内面Gbにより、図1の(c)に示されているような状
態で案内されるようにするためには、案内溝Ggの案内
面の幅が70ミクロン以上でなければならないことが判
明した。ところが、図1に示されている例の場合には、
固定シリンダ12に設けられている案内溝Ggにおける
案内面Gbによって基準縁Teが案内され難かったり、
あるいは固定シリンダ12に設けられている案内溝Gg
における案内面Gbによって基準縁Teが案内されてい
る磁気テープTが、磁気記録再生装置における動作モー
ドの変更時における磁気テープTの停止、速度の変更等
によって案内溝Ggにおける案内面Gbから外れてしま
うことがあって、常に、安定な案内動作が行なわれると
は限らないという不安定さが問題になることがある。図
4の(a)〜(c)は前記の問題点を図示説明するため
の図である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】図1に示されている例において生じること
があった案内動作の不安定性は、図2に示されている本
発明の実施例においては生じない。すなわち、磁気テー
プの基準縁の位置を規制するための案内部として、磁気
テープTの基準縁Teが位置されるべく予め定められた
位置と対応する部分におけるシリンダ(固定シリンダ
2)の表面Sから垂直な方向に所定の深さWgbだけ切
込んで形成した案内面Gbと、前記の案内面Gbの奥側
の端部dから案内面Gbに対して直角に近い所定の角度
αの鋭角の斜面GW(uは斜面の上端)とによって構成
させた案内溝Ggを設けるとともに、前記した案内溝G
gの案内面Gb寄りのシリンダ面に磁気テープの係止部
材DPを取付けた構成態様の案内部が構成されている固
定シリンダ12を用い、シリンダに巻付かせる磁気テー
プTの幅方向に加えるひねりの量を磁気テープにわかめ
状の縮れ変形を生じさせることがない範囲内で調節し
て、磁気テープTの基準縁Teが固定シリンダ12にお
ける周面の位置よりも円筒内部に存在するように形成さ
れている図2の(b)に示されている案内溝Ggの案内
面Gbによって案内されるようにし、また、磁気テープ
の係止部材DPは図4の(e)に示されているように磁
気テープTの基準縁Teを案内溝Ggにおける案内面G
bに良好に誘導でき、かつ、磁気テープTに衝撃が印加
された場合にも磁気テープTの基準縁Teを案内溝Gg
における案内面Gbから脱落させないように動作する。
この点は図2の(c),図4の(f)を参照すれば容易
に理解できるであろう。図4の(d)〜(f)は図2に
示されている実施例における動作の説明のための図であ
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】図6及び図7においてMは回転シリンダ1
1を駆動回転させるモータである。図8及び図10中に
縦断面図によって示されているモータMはアウターロー
タ型の構造のものとして示されている。図8及び図10
において30は環状の永久磁石であり、前記した環状の
永久磁石30は永久磁石の支持板29に固着されてい
る。前記した永久磁石の支持板29はねじ31,32に
よって軸固着部材33に固着されている。前記の軸固着
部材33はそれの中心孔に回転軸69を嵌合させた後に
止めねじ34によって回転軸69と固着される。固定子
のコイル38〜41が設けられている固定子の取付部材
37は、ねじ35,36によってドラムベースDBに固
着されている。軸受42,43によって回転自在に支持
されている回転軸69は、回転シリンダ固着部材44に
嵌合固着されており、回転シリンダ固着部材44には回
転シリンダ11がねじ45,46によって固着されてい
て、モータMは回転軸69によって回転シリンダ11が
回転される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、図6においてMxは磁気テープの基
準縁を案内するための第1の案内溝Ggsと第2の案内
溝Ggoとを切換える際に使用される駆動機構の動力源
のモータであり、このモータMxは図示されていない駆
動制御回路によって動作が制御されて、前記したモータ
Mxの回転軸24に固着されているプーリ25と固定シ
リンダ12(または環状体12b)に設けられているプ
ーリ溝26との間に張設されているベルト23によって
固定シリンダ12(または環状体12b)に伝達され
る。27,28は固定シリンダ12(または環状体12
b)の回動位置の検出装置であり、この固定シリンダ1
2(または環状体12b)の回動位置の検出装置27,
28は、固定シリンダ12(または環状体12b)にお
ける特定な位置に設けられた位置検出用のマークBMと
対応して信号を発生し、その信号は駆動制御回路の動作
の制御に用いられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】固定シリンダ12(または環状体12b)
に設けられる前記した位置検出用のマークBMとして
は、使用される固定シリンダ12(または環状体12
b)の回動位置の検出装置27,28が光学的な検出原
理を用いて構成されているものであれば、位置検出用の
マークBM以外の部分に比べて、光の吸収率が異なる状
態の部分として構成させ、また使用される固定シリンダ
12(または環状体12b)の回動位置の検出装置2
7,28が電磁気的な検出原理を用いて構成されている
ものであれば、位置検出用のマークBMの部分を特定な
着磁状態の部分として構成させる、というように、使用
される回動位置の検出装置の検出原理と対応してそれぞ
れの場合に適した構成の位置検出用のマークBMが使用
される。図8に示されている構成態様のドラム構体DA
における固定シリンダ12の外周面と、図10に示され
ている構成態様のドラム構体DAの固定シリンダ基体1
2a及び環状体12bからなる固定シリンダの部分にお
ける環状体12bの外周面とにそれぞれ構成されている
第1,第2の案内溝Ggs,Ggo(図8及び図10で
は、案内溝の符号としてGgが使用されている。これは
図示の状態が第1,第2の案内溝Ggs,Ggoの何れ
かが特定できないからである)、すなわち、磁気テープ
Tの基準縁Teを案内するための2種類の案内溝Gg
s,Ggoは、それのどちらの案内溝が選択されて磁気
テープTの基準縁Teに対する案内作用のために用いら
れるようにされるのかは、磁気記録再生装置における操
作部に対して操作者が設定した動作モードによって決定
される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】次に図10の縦断面図によって示されてい
るドラム構体DAは、ドラム構体DAにおける固定シリ
ンダの部分が固定シリンダ基体12aと環状体12bと
の2つの部分から構成されていて、前記した固定シリン
ダの部分における環状体12bの外周面に第1,第2の
案内溝Ggs,Ggo(図10では既述のような理由に
より符号Ggで示してある)が構成されている。図10
に示すドラム構体DAにおいて、図8及び図9を参照し
て既述したドラム構体DAと同様な構成態様の各構成部
分には、図8及び図9に示すドラム構体DAで使用した
図面符号と同一の図面符号を使用し、その部分について
の具体的な説明の省略が行なわれることがある。この図
10に示されているドラム構体DAは、それの固定シリ
ンダの部分の固定シリンダ基体12aの外周に設けられ
ている環状体12bだけが回動できるように構成されて
いて、回転シリンダ11側の回転トランス59に対向し
て配置されている固定シリンダ12側の回転トランス6
0が、固定シリンダの部分における常に固定状態になさ
れている固定シリンダ基体12aに設けられているか
ら、固定シリンダ側の回転トランス60への接続線61
は、固定シリンダ基体12aの外周に設けられている環
状体12bの半周にわたる往復回動々作とは無関係であ
る。それで、図8について既述したドラム構体DAで
は、固定状態のドラムベースDBに対して半周にわたっ
て往復回動々作を行なう固定シリンダ側の回転トランス
60への接続線61が固定シリンダ12の半周にわたる
往復回動々作に従って動けるような構造にする必要があ
ったのに、この図10に示すような構成のドラム構体D
Aではそのような問題がないという構造上の利点が得ら
れる他に、可動部分の質量が小さいので回動させるため
の駆動力が小さくても良く、また停止時の制動力も小さ
くできる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置は磁気テープの基準
縁が位置されるべく予め定められた位置と対応する部分
がシリンダの表面から垂直に所定の深さに切込まれてい
る状態の案内面になされているとともに、前記した案内
面によって基準縁の位置が規制される磁気テープの磁性
面側におけるシリンダ面が、前記した案内面の奥側の端
部から前記した案内面に対して直角に近い所定の角度の
鋭角の斜面として形成されている溝を、シリンダの周面
の少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テープにおけ
る基準縁の位置を規制するための案内部として機能させ
るために設けた磁気テープの係止部材は、磁気テープの
走行速度の変更動作があった場合でも案内溝から磁気テ
ープが外れないようにでき、本発る。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】磁気記録再生装置に使用されるシリンダに形成
される案内溝の構成の説明に用いられる図である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】本発明の磁気記録再生装置に使用されるシリン
ダに形成される案内溝の構成の説明に用いられる図であ
る。
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの周面の少なくとも一部に斜に
    巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シリ
    ンダに設けられた案内部によって規制されるようになさ
    れており、また、前記した磁気テープに対する記録再生
    動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになさ
    れている磁気記録再生装置において、シリンダにおける
    前記した磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定め
    られた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に
    所定の深さに切込まれている状態の案内面になされてい
    るとともに、前記した案内面によって基準縁の位置が規
    制される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、
    前記した案内面の奥側の端部から前記した案内面に対し
    て直角に近い所定の角度の鋭角の斜面として形成されて
    いる案内溝をシリンダに構成させてなる磁気記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】 シリンダの周面の少なくとも一部に斜に
    巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シリ
    ンダに設けられた案内部によって規制されるようになさ
    れており、また、前記した磁気テープに対する記録再生
    動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになさ
    れている磁気記録再生装置において、シリンダにおける
    前記した磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定め
    られた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に
    所定の深さに切込まれている状態の案内面になされてお
    り、かつ、前記した案内面によって基準縁の位置が規制
    される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、前
    記した案内面の奥側の端部から前記した案内面に対して
    直角に近い所定の角度の鋭角の斜面として形成されてい
    る案内溝をシリンダに構成させるとともに、前記した案
    内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気テープの係
    止部材を設けてなる磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 シリンダの周面の少なくとも一部に斜に
    巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シリ
    ンダに設けられた案内部によって規制されるようになさ
    れており、また、前記した磁気テープに対する記録再生
    動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになさ
    れている磁気記録再生装置において、シリンダにおける
    前記した磁気テープの基準縁が位置されるべく予め定め
    られた位置と対応する部分がシリンダの表面から垂直に
    所定の深さに切込まれている状態の案内面になされてお
    り、かつ、前記した案内面によって基準縁の位置が規制
    される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、前
    記した案内面におけるシリンダの内側の端部から前記し
    た案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の斜面と
    して形成されている案内溝をシリンダに構成させるとと
    もに、中心角で180度強でのシリンダに対する磁気テ
    ープの巻付範囲の中央部からシリンダに対する磁気テー
    プの供給端までの間の中間付近の領域について、前記し
    た案内溝における案内面寄りのシリンダ面に磁気テープ
    の係止部材を設けてなる磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 シリンダの周面の少なくとも一部に斜に
    巻付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、シリ
    ンダに設けられた案内部によって規制されるようになさ
    れており、また、前記した磁気テープに対する記録再生
    動作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになさ
    れている磁気記録再生装置において、前記した磁気テー
    プの基準縁が位置されるべく予め定められた複数の位置
    とそれぞれ対応する部分がシリンダの表面から垂直に所
    定の深さに切込まれている状態の案内面になされている
    とともに、前記した案内面によって基準縁の位置が規制
    される磁気テープの磁性面側におけるシリンダ面が、前
    記した案内面におけるシリンダの内側の端部から前記し
    た案内面に対して直角に近い所定の角度の鋭角の斜面と
    して形成されている複数の案内溝を同一のシリンダに構
    成させてなる磁気記録再生装置。
JP3274754A 1991-09-26 1991-09-26 磁気記録再生装置 Pending JPH0589573A (ja)

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