JPH0588606U - フイルタプレスのろ布の懸架装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろ滓を除去するに当って、ろ布を昇降するよ
うにしたフイルタプレスにおいて、狭いろ板の間隙内で
円滑にろ布を走行させることができる装置を提案する。 【構成】 ろ板間に設けられて左右のろ板のろ過床を覆
うように設けた一対のろ布の上端部を合着して該部に上
部支持バーを設け、一対のろ布の下部をろ板の下部に設
けたＵターンローラーに掛け回した上で、その掛回部を
正面よりみてＶ字状に切り欠き、一方、ろ板の上方には
一対の駆動輪を設けこの駆動輪に掛け回したチェーンの
一端を前記上部支持バーに、他端を前記ろ布の下端の隅
部に連結した。ろ布を走行させる際、一対のろ布の上端
縁と下端縁とはシーソー状に交叉するが下部支持バーが
ないので、端縁部が引っ掛かることなく円滑に走行させ
ることができる。また、ろ布の下端縁は両隅部が吊られ
ているので、しわが生ずることもない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、フイルタプレスのろ布の懸架装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種、ろ布走行式のフイルタプレスにおけるろ布の懸架装置としては、特公 昭５２−６９０３号、特公昭５６−４５６４２号、特開平２−２６１５０８号、 等がある。特公昭５２−６９０３号は、ろ板間に設けた一対のろ布の上端縁を合 着して合着部に上部支持バーを設け、一対のろ布の下端部に下部支持バーをそれ ぞれ設け、上部支持バーと下部支持バーとを駆動チェーンで連結して上下の支持 バーをシーソー状に上下動させてろ布を昇降させるものであり、特公昭５６−４ ５６４２号は、ろ板間に設けた一対のろ布の上端部をろ布吊棒に止着し、このろ 布吊棒を駆動輪に連結し、ろ布の下端部は巻き取りロールに止着して、この巻き 取りロールによってろ布を下降させ、駆動輪によってろ布を引き揚げるようにし ている。また、特開平２−２６１５０８号では、ろ板間に設けた一対のろ布の上 下の支持バーを駆動チェーンに連結して昇降するようにしている。この特開平２ −２６１５０８号では、駆動チェーンをろ板列に沿って設けた一対の駆動軸のス プロケットに掛け回して駆動機構を簡略にしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、これら従来技術のうち、特公昭５２−６９０３号および特開平２ −２６１５０８号では、ろ布を昇降（走行）させる際、ろ布の上端縁部に設けた 支持バーと下端縁部に設けた支持バーとがシーソー状に上下して交叉し、これら が互いに干渉するおそれがある。この上下の支持バーの干渉を避けるためには、 ろ板の開板ピッチを広くする必要があり、ろ板の開板ピッチを広くすると単位面 積当りのろ板の設置枚数が少なくなり、また、機体も自然大型化を余儀なくされ る。また、特公昭５６−４５６４２号のようにろ布を巻き取るものでは、ろ布の 巻き取り直径はろ板の厚み内に収めなければならず、従って、ろ布の大きさ、す なわち、ろ板の大きさが制限されるとともに、常に、ろ布に張力が作用している ので支持部材に強度を必要とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上述のような課題を解決し得るものであって、その要旨とすると ころは、水平状に設けたガイドレール上に、多数のろ板を移動自在に並列し、こ れらろ板間に設けた一対のろ布を上下に走行するようにしたフイルタプレスのろ 布の懸架装置において、上記ろ板間に設けた一対のろ布の上端部を合着し、その それぞれのろ布の下端部を、左右のろ板の下部に設けたＵターンロールに掛け回 し、その掛け回したろ布の端部を正面からＶ字に切り欠くとともに、一方、上記 ろ板列の上方には、このろ板列に沿ってろ板と直交する方向に一対の駆動軸を設 け、この駆動軸にその軸方向に移動自在に駆動輪を設け、この駆動輪に掛け回し た駆動帯の一端を前記一対のろ布の合着部に設けた支持バーに連結し、その他端 を前記Ｕターンロールに掛け回したろ布の下端縁の隅部にそれぞれ連結したもの である。

【０００５】

【作用】

この考案に係る装置は上述のように構成してあり、ろ過が終わってろ滓を除去 するに当って、ろ布を下降させてろ滓をろ板列の下方にまで搬送して除去する際 、ろ布の下端縁部に支持バーがないので、上部支持バーと交錯するとき干渉する ことがない。すなわち、極論すれば、開板時のろ板の間隙は上部支持バーの厚み と上昇するろ布の厚みとを加えただけの間隙があればよいわけであり、単位面積 当りに設置するろ板の枚数を増加し、ろ過能力を高めることができるものである 。また、ろ布を走行させるときに、干渉することがないので自動運転が可能であ る。以下、図面に基づいてこの考案を具体的に説明する。

【０００６】

【実施例】

図１は、この考案を施したフイルタプレスの概略の側面図であり、図中、符号 １はフレーム、２はフレーム１，１間に橋架したガイドレール、３はガイドレー ル２上に移動自在に並列したろ板、４はこれらろ板を互いに連結するチェーン、 ５はろ板３を開閉するための駆動チェーン、６はろ板締付用の油圧シリンダー、 ７はろ板間に設けたろ布を昇降駆動するための駆動軸、８はその駆動用のモータ ー、９は駆動軸８に摺動のみ自在に設けたスプロケットである。

【０００７】 次に、上述ろ板間に設けたろ布１０の吊設機構および駆動機構について図２〜 図４に基づいて詳述する。図２において、符号１０はろ布であって、左右のろ板 ３のろ過床３ａを覆うように一対に構成されていて、その対をなす上端部には支 持バー１１が取り付けてあり、そのそれぞれの下端部はろ板３の下部に設けたＵ ターンロール１２に巻き回し、その巻き回した部分に正面よりみてＶ字状の切欠 １０ａが設けてあり、その切欠１０ａの左右の上端部には、連結具１３が取り付 けられている。

【０００８】 一方、ろ板３の左右の肩部には左右対をなすようにマスト１４が設けてあり、 このマスト１４にはベアリング１５が設けてあり、前述の駆動軸７を支持してい る。そして、このベアリング１５と一体に一対のスプロケット９を設け、このス プロケット９に掛け回した駆動チェーン９ａの一端に前述の上部支持バー１１を 連結し、駆動チェーン９ａの他端に前述連結具１３を連結している。

【０００９】 図例では、マスト１４は一枚置きのろ板３に設けられており、このマスト１４ に設けたスプロケット９の駆動チェーン９ａによって二枚のろ板間に設けたろ布 １０を支持するようにしている。すなわち、各ろ板を閉板したときには、スプロ ケット９が各ろ板の左右中心部に位置するようにし、各ろ板を開板したときには 、左右のろ布の一方が中心部位置から若干偏移してろ布１０の下端部が開かれる ようにしてある。その下部の様子を図４および図５に示し、図４は各ろ板を閉板 したとき、図５は各ろ板を開板したときの状態を示している。

【００１０】 この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、ろ滓を排出するためにろ 布１０を下降させると、その上端縁部の支持バー１１が下降し、下端隅部の連結 具１３が上昇してこれら両者がろ板間で交叉する。然しながら、この交叉時に連 結具１３がろ板３の外側にあり、（図２参照）上部支持バー１１と交叉するのは 薄いろ布１０であるので、両者が干渉することがない。然も、ろ布１０は、中凹 みのＶ字状に切り欠かれているので、たるむ部分がなく、円滑にすれ違って下降 する。また、この切欠１０ａは、吊設した状態でも最もたるみ易いろ布の中央部 を切除したことになり、しわ等が生ずるのを防止することができる。また、連結 具１３は、ろ板列の外側近傍に設けてあるので、機体にろ布１０を張設するにも その張設具合を調整するにも従来品に比較してその作業性が良好である。

【００１１】

【考案の効果】

このようにこの考案によれば、ろ板の間隙を短縮してろ過装置としての設置効 率が良好であり乍ら、操作性がよく、さらに、機体へのろ布の取り付けやメンテ ナンスが容易である等、従来のこの種ろ布走行式のフイルタプレスの難点を悉く 解決し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るフイルタプレスの概略の側面図
である。

【図２】図１のろ板部分を取り出して示す正面図であ
る。

【図３】ろ布の吊設状態を示す側面図である。

【図４】ろ板を閉板した状態のろ板の下部の側面図であ
る。

【図５】ろ板を開板した状態のろ板の下部の側面図であ
る。

【符号の説明】

２ ガイドレール ３ ろ板 ７ 駆動軸 ９ スプロケット ９ａ 駆動チェーン １０ ろ布 １１ 上部支持バー １２ Ｕターンロール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平状に設けたガイドレール２上に多数
   のろ板３を移動自在に並列し、これらのろ板間に設けた
   一対のろ布１０を上下に走行するようにしたフイルタプ
   レスのろ布の懸架装置において、上記ろ板間に設けた一
   対のろ布１０の上端部を合着し、そのそれぞれのろ布１
   ０の下端部を、左右のろ板３の下部に設けたＵターンロ
   ール１２に掛け回し、その掛け回したろ布１０の端部を
   正面からみてＶ字状に切り欠くとともに、一方、上記ろ
   板列の上方には、このろ板列に沿ってろ板３と直交する
   方向に一対の駆動軸７を設け、この駆動軸７にその軸方
   向に移動自在に駆動輪９を設け、この駆動輪９に掛け回
   した駆動帯９ａの一端を前記一対のろ布１０の合着部に
   設けた支持バー１１に連結し、その他端を前記Ｕターン
   ロール１２に掛け回したろ布１０の下端縁の隅部に連結
   してなるフイルタプレスのろ布の懸架装置。