JP2519254Y2 - フィルタープレスにおけるろ布の吊設装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、汚泥の脱水等に用い
られるフィルタープレスのろ布の吊設装置の改良に関
し、特に、この考案では、ケーキを剥離する際にろ板間
に設けたろ布が上下に走行する形式の装置において、製
作および組立てが容易な装置を提案するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のろ布の吊設装置として、
例えば、特公昭５５−３８１６７号発明の第４図および
第６図に示すようなものがある。この図示の装置は、ろ
板間に設けた一対のろ布を上部支持バーを介して合着
し、上部支持バーを駆動輪に巻掛けたチェーンで支持さ
せるとともに、上記一対のろ布のそれぞれの下部を左右
のろ板の下部に設けたロールを巻回わした上で、下部支
持バーを介して隣接するろ板間に上記と同様に設けたろ
布の下端と合着し、下部支持バーを前記チェーンの他端
で支持したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】然しながら、上述の従
来装置では、ろ板間にろ布を吊設するに当って、ろ布を
支持するのに、その上端部を予め支持バーを介して接続
しておき、これを機体に装着して、垂下したろ布の下端
を互に接続して支持しなければならない。この接続作業
はろ板列の下方でしかも、狭いろ板間であるので難渋す
る。そして、この作業は、組立時はもとより、メンテナ
ンスのとき等、この種フィルタープレスの運転上、しば
しば必要とし、解決しなければならない課題となってい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、上述のよう
なフィルタープレス使用上の課題を次のような手段を講
ずることによって解決したものである。

【０００５】すなわち、各ろ板間に設けた一対のろ布を
上下に走行させて、一対のろ布間に生じたケーキを剥離
除去するようにしたフィルタープレスにおいて、各ろ板
間に設けられて左右のろ板のろ過床をそれぞれ覆うろ布
の上端縁部および下端縁部に支持バーを装着し、一方、
ろ板の肩部にはマストを立設し、このマストに設けたろ
布の駆動輪に巻掛けた駆動チェーンの両端にそれぞれ吊
金具を接続し、その一方の吊金具に、前記ろ布の上端縁
部の支持バーを係止するとともに、その他方の吊金具に
は、ろ板の下部に設けたリターンロールに掛回わした前
記ろ布の下端縁部の支持バーを係止した。

【０００６】また、上記のようにろ板間に吊設するろ布
を長方形状に構成し、その長手方向の両端縁をそれぞれ
折り反してその折り反し部を縫合し、両端縁部にそれぞ
れ支持バー挿入用の袋部を設けた。

【０００７】また、上記のろ布の上縁部および下縁部に
設ける支持バー挿入用の袋部を形成するのに、長方形の
ろ布を二つ折りにしてその二つ折り部を縫合した袋部
と、二つ折りのろ布の各端縁部をそれぞれ折り反して縫
合した袋部とした。

【０００８】

【作用】この考案に係る装置は、上述のように構成して
あり、ろ板間にろ布を吊設するには、ろ布駆動用のチェ
ーンの両端にそれぞれ吊金具を接続し、このチェーンを
ろ板のマストに設けた駆動輪に巻き掛けておき、一方、
ろ布の上下の袋部にそれぞれ上部支持バーおよび下部支
持バーを前述吊金具に係合させることによって吊設する
ことができる。

【０００９】この操作は、従来の上部支持バーを駆動用
のチェーンで支持したのち、下部支持バーを挿通してろ
布の下端部を隣接するろ板間のろ布に接続支持するのに
比較すれば、ろ布に挿通した上部支持バーおよび下部支
持バーを吊金具に係合させる簡単な操作で足り簡単であ
る。このようにして吊設したろ布は、チェーンを介して
ろ板の回わりにループ状に配設されるもので、ろ板の上
部に立設したマストの駆動プロケットによって上下に走
行させることができる。以下、図面に基づいてこの考案
を具体的に説明する。

【００１０】

【実施例】図１は、この考案に係るフィルタープレスの
概略の側面図であり、左右のフレーム１、１間にガイド
レール２を橋架し、このガイドレール２に、多数のろ板
３を移動自在に並列している。各ろ板３はリンクチェー
ン４によってルーズに連結され、開閉用のチェーン５に
よってその中央部を境にして、アコーディオン状に開閉
するようにしてある。符号６は、可動ヘッドに設けたろ
板締付用の油圧シリンダーである。

【００１１】この考案は、上述のようなフィルタープレ
スの各ろ板間に設けるろ布の吊設装置に係るものであ
り、その具体的構成を図２〜図５に基づいて説明する。
上記ろ板間に設けるろ布８は、図４に示すように長方形
状に裁断したろ布の上縁および下縁を折り反して縫合
し、袋部９を形成している。そして、上部の袋部９に挿
通した支持バー１０の両端は図３に示すようにろ板３の
上部に設けた駆動スプロケット１１に巻掛けたチェーン
１２の一端に接続した吊設具１３に係合させ、下部の袋
部９に挿通した支持バー１０はろ布８をろ板３の下部の
一対のロールの一方に巻回わした上で前記チエーン１２
の他端の吊設具１３に係合させている。

【００１２】すなわち、ろ布８とチェーン１３はろ板の
回わりでループ状に接続されているものであり、このよ
うな吊設機構が各ろ板間毎に設けられてチェーン１２の
昇降にしたがって一対のろ布８、８も上下に走行するよ
うにしてある。また、図４では、ろ過面を覆う一対のろ
布を別体に構成しているが（図４参照）、図５に示すよ
うに一枚のろ布を二つ折りにして構成してもよく、この
場合上部に挿入する支持バー１０は一本でよく、吊設具
１３に設ける係止部も一個所でよい。

【００１３】この考案は上述のように構成してあるの
で、機体にろ布を吊設するには、ろ布８に挿入した支持
バー１０を吊設具１３に係脱するのみで足りる。この操
作は、従来の上部の支持バーを支持してろ板間に垂下し
たろ布の下部を下部支持バーを介して接続するのに比較
すれば簡単である。特に、上下の支持バー１０、１０
は、単に袋部９に挿通するのみでこの操作は、機体外で
行なうので極めて容易である。また、吊設具１３も予め
チェーン１２に取付けておくものであって、このチェー
ン１２を機体に装着するのも、単に駆動スプロケット１
１に巻掛ける操作で足りるものである。

【００１４】なお、ろ布８の構造を図４に示すような構
造とすると破損等した場合、破損したろ布のみを取り替
えればよく、また、図５のような一枚のろ布を二つ折り
にした場合には、支持バー１０が一本で足り、上部の吊
設具１３の構成も簡単なものとすることができる。

【００１５】

【考案の効果】このように、この考案は、この種ろ布走
行式のフィルタープレスのろ布吊設上の課題を解消し
て、その組立ておよびメンテナンスを容易にしたもので
あって、フィルタープレス使用上、得られる利益は、著
大なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るフィルタープレスの概略の側面
図である。

【図２】そのろ布の吊設状態を示す一部の縦断側面図で
ある。

【図３】ろ布の吊設状態を解説的に示す側面図である。

【図４】この考案に係るろ布の正面図である。

【図５】この考案に係るろ布の他の実施例の斜面図であ
る。

【符号の説明】

３ ろ板 ８ ろ布 ９ 袋部 １０ 支持バー １１ 駆動スプロケット １２ チェーン １３ 吊設具 １４ ロール

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各ろ板間に設けた一対のろ布を上下に走
   行させて、一対のろ布間に生じたケーキを剥離除去する
   ようにしたフィルタープレスにおいて、各ろ板間に設け
   られて左右のろ板３．３のろ過床をそれぞれ覆うろ布８
   の上端縁部および下端縁部に支持バー１０を装着し、一
   方、ろ板３の肩部にはマストを立設し、このマストに設
   けたろ布８の駆動輪１１に巻掛けた駆動チェーン１２の
   両端にそれぞれ吊設具１３を接続し、その一方の吊設具
   １３に、前記ろ布８の上端縁部の支持バー１０を係止す
   るとともに、その他方の吊設具１３には、ろ板３の下部
   に設けたリターンロール１４に掛回わした前記ろ布８の
   下端縁部の支持バー１０を係止してなるフィルタープレ
   スにおけるろ布の吊設装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、ろ板間に吊設される
   ろ布８．８を、長方形状に構成し、その長手方向の両端
   縁をそれぞれ折り反してその折り反し部を縫合し、両端
   縁部にそれぞれ支持バー挿入用の袋部９．９を設けてな
   るフィルタープレスにおけるろ布の吊設装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、ろ布８の上縁部およ
   び下縁部に設ける支持バー１０取付用の袋部９が長方形
   状のろ布８を二つ折りにしてその二つ折り部を縫合した
   袋部９と、二つ折りしたろ布８の各端縁部をそれぞれ折
   り反して縫合した袋部９としてなるフィルタープレスに
   おけるろ布の吊設装置。