JPH0137686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はフイルタプレスの濾布吊持装置に関す
る。

（従来の技術） 第６図の濾布吊持装置は、隣接する濾板３１，
３１の両側にそれぞれ枢着された支持アーム３
２，３２の先端部を枢結してリンク３３を形成
し、該先端部のピン３４に連結されたばね３５に
よつて支持アーム３２，３２間に濾布吊横棒３６
が懸架され、又、各支持アーム３２の適宜位置に
設けられた突出部３２ａ，３２ａによつてそれぞ
れ補助横棒３７，３７を横架し、濾板３１，３１
の下端部表面にそれぞれ取付けた濾布３８の途中
部分を前記補助横棒３７，３７にそれぞれ掛け、
中間部を前記濾布吊横棒３６に懸吊している。

濾板３１の両側に設けられた把手部３１ａを介
して上記各濾板３１が側板３９上を摺動し得るよ
うに構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来装置においては、隣接する濾板３１，
３１の対向表面に掛け止められた濾布３８は中央
部が濾布吊横棒３６に懸吊され、途中部分の２個
所が補助吊横棒３７，３７に掛けられた状態であ
るから、濾布３８に付着した濾滓を剥離するため
に濾板３１，３１間を開板し、濾布振動装置によ
つて濾布吊横棒３６に振動を与える場合、上記濾
布振動装置のヘツドから濾布吊横棒３６に作用す
る振動はそのまま濾布３８に伝達されず、補助吊
横棒３７，３７の存在によつて減衰されるので濾
布全体に十分な振動効果を得られない難点があつ
た。

しかも、濾布３８を濾板３１の下端に止めてい
るので、濾布の下部が振動し難く、振動だけでは
ケーキが落ち難かつた。

又、同じく開板状態において、隣接する濾板３
１，３１間の上方を濾布３８が覆うように張られ
た状態となるので、濾布洗浄用ノズルの導入方向
が限定され、洗浄装置を濾板３１の下方や側方に
装置しなければならず、フイルタプレス全体の装
置が大きくなつてしまう不都合があり、さらに濾
布３８を濾板３１，３１の下部に一部固定し、補
助吊横棒３７，３７に掛け、濾布吊横棒３６に懸
架する等、濾布掛け作業にかなり人手を必要とす
る欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、隣接する濾板の両側に枢着された支
持アームの先端部を連結し、隣接する濾板間には
上記支持アームに連結されたばねを介して濾板の
両側部間に濾布吊横棒を懸架するとともに、濾板
の両面に沿わすべき濾布の両端部をそれぞれ該濾
板前後の濾布吊横棒に止着し、かつ、濾布の中間
部付近を濾板の下端面に接触せしめた構成よりな
るフイルタプレスの濾布吊持装置を要旨とするも
のである。

（作用） 濾過処理が終了すると濾板１，１は第１図のよ
うに開板され、隣接する濾板１，１に枢着された
支持アーム２，２は開脚し、濾布吊横棒６に端部
を止着された濾布３，３はばね４，４に引かれて
各濾板１，１表面から引き離され、それぞれ展張
された状態に保持される。

次に第２図の仮想線で示すように濾布振動装置
のヘツド部８を濾布吊横棒６に当接し、振動を加
えることにより、濾布３表面には弛緩と展張が交
互に生じ、表面に付着していた濾滓が剥離され
る。

支持アーム２，２が開かれた開板状態において
は、対向している濾板１，１表面に沿つた濾布
３，３はそれぞれ別の濾布吊横棒６，６に止着さ
れ、それぞれ各濾板１，１の下端面と接触して上
方に折り返され各濾板１，１の反対面側の濾布吊
横棒６に止着されている。

そのため、隣接する濾板１，１間に対向してい
る濾布３，３間、およびその上方に不可欠の作業
用空間部が形成される。

しかも、一端を濾板の前面側の濾布吊横棒に止
着された濾布が、濾板の前面から下端を介して後
面にまでＵ字形に掛け回された後、該濾布の他端
が、濾板の後面側の濾布吊横棒に止着されている
ことにより、濾布吊横棒に加えられる振動が下端
にまで伝わり、下端部も、前面側から後面側に、
あるいは後面側から前面側へと細かく振動する。

（実施例） 第１図、第２図において、１は濾板でありフイ
ルタプレスの前、後の機枠（図示せず）間に並設
された２枚の側板７の間に、摺動自在に複数配設
されている。

濾板１の両側面上部に設けられた原液孔形成部
１ａには、支持アーム２が同一軸上において回動
自在に２本ずつ取付けられている。

隣接する濾板１，１の支持アーム２，２は先端
部同士が連結されることによつてリンクを形成し
ている。

各支持アーム２の後述する適当位置に取付けら
れたアームピン５にはコイルバネ４が連結され、
対向する濾板１，１面間には上記コイルバネ４に
両端部をそれぞれ懸吊された濾布吊横棒６が各濾
板１に懸架されている。

各支持アーム２に既述のように原液孔形成部１
ａに取付けられた１本のピン１ｃに対して同軸上
に一対が重ね合わせて取付けられており、支持ア
ーム２が垂直姿勢となる閉板状態において、各支
持アーム２間には所定の間隙があるため隣接濾板
１，１に懸架される長短２本の上記一対の濾布吊
横棒６のうち長い横棒６は上記間隙部から外方に
臨む。

支持アーム２に固着された前記アームピン５の
うち長い濾布吊横棒６用のものは短い横棒６用の
ものより支持アーム２の低位置に設けられてい
る。取付高さに高低差を設けたのは閉板時等にお
いて濾布吊横棒６同士が全く接触しないようにし
ているためであるが、これを同一高さに取付けて
も格別の支障もない。

７は濾板１の両側に縦通された側板であり、濾
板１の両側に設けられた把手部１ｂが上記側板７
の上端部の上に載置され、濾板１は前後方向に移
動し得る。

濾布３の両端の袋状部３ａは袋縫いされるのが
一般的であるが、第５図のように布製係着テープ
９を貼つて袋状部３ａを形成してもよく、又、中
間部付近に布製係着テープ９を貼り付け該部分で
濾布３を接合、分離し得る構成とすれば濾布掛け
作業は極めて簡単となる。

（考案の効果） 本考案によれば、開板時において対向する濾板
間に張られた２枚の濾布同士の間隔、およびその
上方空間を十分確保することが可能であるから、
各種作業が容易に行なえると共に、濾布洗浄ノズ
ル等を濾板上方から導入する場合も何らの支障も
ない。

又、支持アームからばねを介して吊持するので
濾布の不使用部分が少なくなり、濾布吊横棒を濾
板上端面近くまで低位置にすることにより対向し
て支持支持される濾布同士の間隔、或いは濾布吊
横棒間の距離を一層大きくすることができる。

濾布はＵ字形にして、一端を濾板の前面側の濾
布吊横棒に止着し、他端を濾板の後面側の濾布吊
横棒に止着するので、濾布の吊り掛けが容易とな
り、しかも、濾布は、濾板の下端をＵ字形に掛け
回すだけで、両端は、濾板の前面側及び後面側の
濾布吊横棒に止着されるので、濾布吊横棒に加え
られる振動が、濾布下端まで伝わり、濾布下端部
も、濾板の前後面へ細かく振動するので、濾滓を
確実に落すことができた。つまり、濾布に付着し
た濾滓を剥離する場合、振動装置の振動をそのま
ま濾布に伝達し得るので濾滓を効率的に払い落す
ことができるなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図
は第１図の−線における一部の正面図、第３
図は濾布の平面図、第４図は濾布の拡大断面図、
第５図は別の濾布を示す拡大断面図、第６図は従
来例を示す側面図である。 １……濾板、２……支持アーム、３……濾布、
３ａ……袋状部、３ｂ……孔、４……コイルバ
ネ、５……アームピン、６……濾布吊横棒、９…
…布製係着テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数個の濾板が前後方向に重ね合わされ、 濾板の左右両側面にはそれぞれ、基端同士を枢
   結した２本１組の支持アームの各先端を、前後に
   隣接する各濾板の側面に枢着して濾板が開閉可能
   に連結され、 左右一対の支持アームの各中央部に、左右方向
   に配した濾布吊横棒が、それぞればねを介して懸
   架され、 一端を、濾板の前面側の濾布吊横棒に止着した
   濾布が、濾板の前面から下端を介して後面にまで
   Ｕ字形に掛け回された後、該濾布の他端が、濾板
   の後面側の濾布吊横棒に止着されてなることを特
   徴とする フイルタプレスの濾布吊持装置。