JP2565955Y2 - フイルタプレスにおける原液の供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、フイルタプレスの原
液の供給装置に関し、特にろ布走行式のフイルタプレス
に用いてろ布から取外しが容易な原液の供給装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種フイルタプレスにおける原液の供
給装置としては、例えば、実公昭５２−８１３５号考案
がある。この考案では、一対のろ布で挟持した給液板を
ビスで固定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記実公昭５２−８１
３５号考案のように、ろ布に給液板をビスで固定するも
のでは、使用中に汚泥等の被圧搾物が付着するとビスが
とれなくなり、ろ布の交換時等にろ布とともに給液板を
廃棄しなければならない。すなわち、フイルタプレスで
は、ろ布は目詰りや破損等で短期間の使用で交換しなけ
ればならないが、給液板は長期間使用できるもので不経
済となっている。また、ろ布に給液板を取りつけるにも
従来の構造（実公昭５２−８１３５号考案等）では、ろ
布を機体から取りはずして付けねばならず、破損等した
給液板を交換するのにろ布込み機体から取りはずさなけ
ればならない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、上述のよう
な課題を解決し得るものであって、その要旨とするとこ
ろは、水平杆上に多数のろ板を移動自在に並列し、これ
らのろ板間に一対のろ布を吊設するとともに、上記一対
のろ布間に、ろ板の供給孔およびろ布の通孔に連通する
供給路と、この供給路から分岐してその先端が一対のろ
布間に開口する給液路とを有する給液板を設けた原液の
供給装置において、その両端部が供給版の供給路の左右
の端部に設けた切欠部に沿ってそれぞれ折り曲げられ、
その折り曲げ部をろ布の一部に係合させた取付バンドを
給液路の内面に沿って配設したものである。

【０００５】

【作用】この考案は上述のように構成してあるので、止
着具を操作するのみで、ろ布に給液板を簡単に着脱する
ことができる。すなわち、給液板を止着するのにバンド
状のものを用いているものでは、ろ板を開板してろ布と
ろ板とを離反させ、ろ布の切目に通した止着具の端部の
係止を解けばよい。この操作は簡単であり、吊設したろ
布からでも給液板を取りはずすことができる。従って、
ろ布の交換時等において従来のように給液板をろ布とと
もに廃棄することがなく、また、給液板が破損等したと
きには、ろ布を吊設した状態で給液板を交換することが
できる。以下、図面に基づいてこの考案を具体的に説明
する。

【０００６】

【実施例】図１は、この考案に係るフイルタプレスの概
略の側面図で、図中符号１はフレーム、２はフレーム
１，１間に橋架したガイドレール、３はガイドレール２
上に移動自在に並列したろ板、４は各ろ板を連結するチ
ェーン、５はろ板３を開閉するためのループ状の駆動チ
ェーン、６はろ板締付用の油圧シリンダーである。図１
のものでは、駆動チェーン５がろ板列の左右の端部の可
動ヘッド７，７に止着してあって、ろ板３がろ板列の中
央部を境にして左右に開閉するようにしてある。

【０００７】このフイルタプレスのろ過室は、上記各ろ
板間に形成されるが、図２はその詳細を示し、符号８は
左右のろ過床３ｂを覆う一対のろ布、９は合着したろ布
８の上端縁部に設けた上部支持バー、１０は合着したろ
布８の下端縁部に設けた下部支持バー、１１はろ板３の
上部に立設したマストに設けた駆動スプロケット、１２
はろ布３の下部に垂下したブーツメタルに設けたリター
ンロールである。１３は、駆動スプロケット１１に掛け
回したろ布８の駆動用チェーンで、その一端が上部支持
バー９に、その他端が下部支持バー１０に連結されてい
てろ布８がろ板間において昇降するように構成してあ
る。

【０００８】次に、図２において、符号１４は給液板で
一対のろ布間に挟持されて左右のろ布８，８に着脱自在
にしてある。図３は、その詳細を示すもので、ろ板３の
原液の供給孔３ａに対応する供給路１４ａとこの供給路
１４ａから分岐して左右のろ布８，８間に開口する給液
路１４ｂとが設けてあり、取付バンド１５で左右のろ布
８，８に取り付けてある。この取付バンド１５は、供給
路１４ａの上内面にその母線に沿わせて設けてあり、そ
の両端を給液板１４の切欠１４ｃに沿って折り曲げた上
でろ布８，８に設けた切目８ｂ，８ｂにそれぞれ挿通
し、その端部を曲げ戻してろ布８，８に係合させてい
る。図４〜図６にその詳細を示す。尚、図３および図４
において、符号１６はパッキンである。

【０００９】この考案に係る装置は、上述のように構成
してあり、ろ布８から給液板１４を取りはずすには、ろ
板３を開板してろ布８をろ板３から離反させ、取付バン
ド１５を抜き取ればよい。この操作は、ろ布８，８を下
降させて給液板１４をろ板列の下方に位置させておけば
容易であり、ろ布８を吊設した状態で着脱することがで
きる。

【００１０】

【考案の効果】以上のことから、この考案によれば、ろ
布を吊設した状態で給液板をろ布に簡単に着脱できるこ
とが明らかであり、従来、この種フイルタプレスでろ布
を交換する際、機体からこれを取りはずし、ろ布から取
りはずし不能で廃棄した給液板を活用するとともに、給
液板自体の故障の際もろ布を機体に吊設した状態で迅速
に交換できるもので、従来のこの種フイルタプレスの課
題を完全に解決したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係るフイルタプレスの概略の側面
図である。

【図２】 図１のフイルタプレスのろ布の吊設状態を説
明するためのその一部の縦断側面図である。

【図３】 この考案に係るフイルタプレスの給液部を説
明するための一部の拡大縦断面図である。

【図４】 図３の指示Ａ部分の拡大図であり、取付けバ
ンドの止着 状態を示す縦断面図である。

【図５】 この考案に係る給液板の正面図である。

【図６】 この考案に係るフイルタプレスのろ布の正面
図である。

【符号の説明】

３ ろ板 ３ａ 供給孔 ８ ろ布 ８ａ 通孔 １４ 給液板 １４ａ 供給路 １４ｂ 給液路 １４ｃ 切欠部 １５ 取付バンド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平杆上に多数のろ板３を移動自在に並
   列し、これらのろ板３．３間に一対のろ布８．８を吊設
   するとともに、上記一対のろ布８．８間に、ろ板３の供
   給孔３ａおよびろ布８の通孔８ａに連通する供給路１４
   ａと、この供給路１４ａから分岐してその先端が一対の
   ろ布間に開口する給液路１４ｂを有する給液板１４を設
   けた原液の供給装置において、その両端部が給液板１４
   の供給路１４ａの左右の端部に設けた切欠部１４ｃに沿
   ってそれぞれ折り曲げられ、その折り曲げ部をろ布８の
   一部に係合させた取付バンド１５を給液路１４ａの内面
   に沿って配設したことを特長とするフイルプレスにおけ
   る原液の供給装置。