JP2575658Y2 - フイルタプレスにおけるろ材の配設装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、フイルタプレスにお
けるろ材の配設装置に関するもので、特に、土砂排水の
如く無機質で然もセメント等を含んで急速に固化する原
液に用いて卓効を奏する装置を提案するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建設現場等で発生する土砂排水を
固液分離するには、フイルタプレスが用いられており、
この場合用いられるろ材としてはろ布を用いている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】建設現場で発生する土
砂排水にはセメントが含まれており、従来のろ布では、
固形分が目に詰り易く、特に、セメントを含む土砂排水
では、目に詰った固形物が急速に固化して洗浄しても除
去できず、脱水不能となっている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、ろ材として
金網を用いることによって上述のような問題を解決した
ものであって、その要旨とするところは、水平状に設け
たガイドレール上に、移動自在に多数のろ板３を並列
し、これらろ板３の表裏のろ過床３ａを覆うようにろ布
５を配設したフイルタプレスおいて、ろ板３の上部に揺
動自在に設けた上部支持バー６にろ布５の上端部を止着
し、そのろ布５をろ板３の下方まで垂下させて、その下
端部に芯金８を挿通し、上記上部支持バー６の加振装置
９．９ａを設けると共に、ろ板３のろ過床３ａに対向す
る部分のろ布５を切り抜いて、その切抜部分に金網５ｂ
を張設したものである。

【０００５】

【作用】この考案に係る装置は、上述のようにろ過床に
対向する部分のろ材が金網で構成してあるので、固液分
離すなわち、脱水の際に固形物が付着しにくく、仮に付
着しても振動させることによって剥離除去することがで
きる。また、金網は、ろ過床に対向する部分のみに配設
してあり、ろ過室の周囲は、ろ板のシール面でろ布を挟
持するので強固にシールされ、高圧に耐え得るろ過室を
形成することができる。以下、図面に基づいてこの考案
を具体的に説明する。

【０００６】

【実施例】図１は、この考案を施したフイルタプレスの
概略の側面を示し、図中、符号１はフレーム、２はフレ
ーム１，１間に橋架したガイドレール、３はガイドレー
ル２上に移動自在に並列したろ板であり、リンクチェー
ン４で互いに連結してあって全ろ板が同時に開閉するよ
うにしてある。５はろ板３の表裏に張設したろ布であ
り、その上端部は上部支持バー６に止着し、その下端は
ろ板３の下方まで垂下させてその垂下下端には芯金８を
挿通し、緊張するようにしてある。また、符号９は加振
シャフトであり、前述上部支持バー６の下方において、
エヤシリンダー１０のピストン１１に連結してあり、上
下動できるようにしてある。この加振シャフト９にはバ
イブレーター９ａが設けてある。

【０００７】次に、ろ板３の表裏に設けるろ布５につい
て、図２〜図４に基づいて詳述する。図において、符号
３ａはろ板３に中凹状に設けたろ過床、３ｂはろ過床３
ａに連通するように設けた原液の供給孔、３ｃはろ過床
３ａの周囲に形成したシール面である。このろ板３に対
してろ布５には、図３に示すように、供給孔３ｂに対応
させて給液板５ａが止着してあり、また、ろ過床３ａに
対向する部分には、該部を切り抜いてその切抜部分に微
細なメッシュの金網５ｂが張設してある。尚、前述の加
振シャフトは、常態においては、上部支持バー６におい
てこれに接触しない位置にある。図２では上動した状態
を示している。

【０００８】この考案に係るフイルタプレスは、ろ板３
のろ過床３ａに対応する部分のろ布５が金網５ｂで構成
してあるので、目詰りしにくく、また、付着した固形物
が剥離し易く洗浄等することによって簡単に再生するこ
とができ、然も、強固である。すなわち、従来用いられ
ていたろ布５では、その目に無機の固形物が詰るとろ布
５のフィラメントに挟まれた状態となり、洗浄等しても
剥離せず、特に、セメントを含む排水の場合には、固形
物が早期に固化して使用不能となったのであるが、この
考案によれば、かかる難点を解決できたものである。

【０００９】また、従来のろ布５の場合は、固形物が目
に詰ることによってフィラメントが屈曲し、ろ布５が全
体的に収縮してしわの原因ともなったのであるが、この
考案における金網５ｂには固形物が付着しにくく、仮に
付着して目詰りしてもろ布５のように変形して収縮する
こともないものである。付着した場合、ろ布５に比較し
て洗浄等によって剥離し易く、原液の性状によっては図
例のように振動させるのみで剥離することができる。
尚、図例の加振シャフト９は、ろ板３を開板後、振動さ
せながら上動させるもので、このとき、固形物が剥離し
ていないろ布５は、固形物の重みによって下動した状態
で留まっており、加振シャフト９はこの下動したろ布の
上部支持バー６を振動させて固形物を剥離することがで
きるものである。

【００１０】

【考案の効果】このように、この考案は、フイルタプレ
スにおいてろ板のろ過床に対向する部位のろ布に、ろ材
として金網を用いるとともに、ろ布の支持部材を振動さ
せる装置を設けたので、土砂排水の如く無機質のセメン
ト等を含むスラリーを目詰りさせることなく、完全に剥
離することができたものである。しかも、ろ板のろ過床
の周囲は、ろ板のシール面でろ布を挾持するので強固に
シールされ、高圧に耐え得るろ過室を形成することがで
きものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を施したフイルタプレスの概略の側面
図である。

【図２】図１のろ板部分を取り出して示す正面図であ
る。

【図３】図１のろ布を取り出して示す正面図である。

【図４】図３の左側面図である。

【符号の説明】

２ ガイドレール ３ ろ板 ３ａ ろ過床 ５ ろ布 ５ｂ 金網６ 上部支持バー ８ 芯金 ９ 加振シャフト ９ａ バイブレーター

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平状に設けたガイドレール２上に移動
   自在に多数のろ板３を並列し、これらろ板３の表裏のろ
   過床３ａを覆うようにろ布５を配設したフイルタプレス
   において、ろ板３の上部に揺動自在に設けた上部支持バ
   ー６にろ布５の上端部を止着し、そのろ布５をろ板３の
   下方まで垂下させて、その下端部に芯金８を挿通し、上
   記上部支持バー６の加振装置９．９ａを設けると共に、
   ろ板３のろ過床３ａに対向する部分のろ布５を切り抜い
   て、その切抜部分に金網５ｂを張設したことを特長とす
   るフイルタプレスにおけるろ材の配設装置。