JP2541932Y2 - フィルタープレスにおけるケーキの除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、フィルタープレスの
ケーキの除去装置の改良に関し、ケーキの剥離性のよい
金属ろ材と剥離シートを用いることによって、簡単な機
構でケーキの剥離が完全なフィルタープレスを提供せん
とするものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のケーキの除去装置として、例え
ば、特公昭５２−６９０３号、実公昭６０−２２９７１
号がある。特公昭５２−６９０３号発明では、一対のろ
布を下降させて付着したケーキをろ板列外で除去するよ
うにしたものであり、実公昭６０−２２９７１号は、ろ
布を振動させてケーキを剥離するようにしたものであ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】特公昭５２−６９０３
号発明では、ケーキの付着したろ布をろ板列の外にまで
走行させて、そこでスクレーパで機械的に剥離するの
で、付着したケーキを略完全に除去することができる
が、それでもろ材がろ布であるだけにその目に詰ったケ
ーキ迄も除去することは困難であり、また、装置として
各ろ板間のろ布に走行装置が必要であり、高価となる難
点がある。

【０００４】また、実公昭６０−２２９７１号考案は、
ろ布を振動させて付着したケーキを剥離するようにした
ものであるが、これにしてもろ材がろ布であるため、そ
の目に詰ったケーキまでも完全に除去することとはでき
ない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、この考案では、
ろ材としてケーキの付着しにくいメタルメッシュを用
い、このメタルメッシュをろ板のろ過床に敷設し、その
メタルメッシュをケーキが直接推積しないように剥離シ
ートで覆い、この剥離シートの加振装置を設けたもので
ある。

【０００６】すなわち、その要旨とするところは、多数
のろ板を水平状のガイドレール上に移動自在に配列し、
これらろ板を閉板したとき、これらろ板間にろ過室を形
成し、これらろ板を開板してろ過室に生じたケーキを除
去するようにしたフィルタープレスにおいて、上記各ろ
板のろ過床にメタルメッシュよりなるろ材を固定し、各
ろ板間に上記のろ板のろ過床を覆うことができる合成樹
脂材等よりなる一対の剥離シートを設け、これら剥離シ
ートの上端部をろ板の上方に設けた支持バーに止着して
垂下させ、その垂下下端部に重錘を付設するとともに、
上記支持バーの下方に、ろ板列に沿って加振モーターを
設けた加振シャフトを配設し、この加振シャフトを前後
のフレームの上部に配設した昇降シリンダに連結したも
のである。

【０００７】

【作用】すなわち、この考案に係る装置では、ろ材とし
てケーキが付着しにくいメタルメッシュがろ過床上に張
設してあり、その上に、ケーキが付着しにくく且つ剥離
性のよい合成樹脂材等よりなる剥離シートが張設してあ
るので、ろ過室に打ち込れた原液は、これら剥離シート
およびパンチングメタルによってろ過され、ろ液はろ過
床を経て機外に取出され、ろ過室には、ケーキが堆積す
る。

【０００８】このろ過室のケーキは、剥離シート上に推
積するもので、メタルメツシュ上には、推積したケーキ
中および剥離シートを通過したろ液が到るもので目詰り
することがないものである。

【０００９】次に、剥離シート上に推積したケーキは、
ろ板を開板することによって、剥離シートがろ板から引
き剥され、剥離シートが重錘によって緊張することで剥
離する。そして 、 剥離性の悪いケーキも加振シャフトで
剥離シートを振動させれば剥離シートから取り除くこと
ができるものである。以下、図面に基づいてこの考案を
具体的に説明する。

【００１０】

【実施例】図１は、この考案を施したフィルタープレス
の概略の側面図であり。図中、符号１は、フレーム、２
は左右のフレーム１、１間に橋架したガイドレール、３
はガイドレール３上に並列したろ板で、チェーン４によ
って互いに連結してあって、同時に開閉するようにして
あり、閉板したときには各ろ板間にろ過室を形成するよ
うにしてある。

【００１１】次に、図２および図３に基づいてろ板部分
の構成を説明する。図２において、前述のろ板３は、中
央部に中凹状のろ過床３ａが設けてあり、その左右の支
持腕３ｂをガイドレール２に懸架してガイドレール２＿
に沿って移動できるようにしてある。そして、上記中凹
状のろ過床３ａには、図３に示すようにメタルメッシュ
３ｃよりなるろ材が張設してあり、さらに、このろ過床
３ａのメタルメッシュ３ｃを覆うように合成樹脂材等よ
りなる剥離シート５が設けてある。

【００１２】この剥離シート５の上端部は、ろ板３の上
方に横架した支持バー６に止着してあり、この支持バー
６には、ろ板３の両端部にそれぞれ立設した支柱７を貫
挿し、その貫挿下面側にスプリング８に装入している。
すなわち、剥離シート５の上端部は上下に弾圧的に支持
されている。一方、上述のようにしてろ板３の両面にそ
れぞれ垂下した剥離シート５の下端縁部には重錘９が装
着されていて、常態において垂下した剥離シート５を緊
張させるようにしている。符号１０は、原液の供給口、
１１は剥離シート５を振動させるための加振シャフトで
あって、図１に示すようにその両端部が前後のフレーム
１．１の上部に垂下させたシリンダー１４．１４のピス
トン１５．１５に連結されて、ピストン１５．１５を伸
縮して加振シャフト１１を昇降させるようにしてある。
１１ａは加振モータであって、加振シャフト１１の両側
に配設してあり、加振シャフト１１を昇降させながら加
振モーター１１ａで振動させ、支持バー６を加振させて
剥離シート５からケーキを剥離するようにしてある。
尚、符号１０は原液供給口、１２は剥離シートを洗浄す
るための上部洗浄管、１３は下部洗浄管である。

【００１３】この考案に係る装置は上述のように構成し
てあり、ろ過室の剥離シート５上に発生したケーキは、
ろ板３を開板することによって、ろ過室の下部が開板す
るのでその重量で落下する。すなわち、剥離シート５が
合成樹脂材等の剥離性の良好な材料で構成してある上、
ろ板を開板することによって重錘９の重みでろ過床３ａ
から引出されて緊張し、ケーキの重みと相候って剥離す
るものである。

【００１４】このとき、剥離シート５をくぐってメタル
メッシュ３ｃ上に位置するケーキもろ過床３ａに張設し
たろ材がメタルメッシュ３ｃで剥離性がよいので、剥離
シート５上のケーキと一体となって剥離して除去され
る。

【００１５】剥離シート５上に残存する剥離性の悪いケ
ーキは、図示の加振シャフト１１で剥離シート５を振動
させて剥離シートからケーキを除去することができる。
そし て、上部洗浄管１２や下部洗浄管１３を用いてメタ
ルメッシュ３ｃや剥離シート５に付着する目詰り物を洗
い流すことができる。

【００１６】

【考案の効果】このように、この考案は、加振シャフト
を昇降させながら加振モーターで振動させ、剥離シート
の上端部を止着した支持バーを加振するので剥離シート
からケーキを完全に剥離することができる。そして、ケ
ーキの剥離性のよい合成樹脂製の剥離シートや金属ろ材
を用いることによって剥離性を倍加することができるも
のであり、剥離シートや金属ろ材は従来のろ布と比較し
て、耐熱性、耐蝕性にもすぐれるもので、フィルタープ
レスの汎用性を格段に高め得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係るフィルタープレスの概略の側
面図である。

【図２】 そのろ板部分の正面図である。

【図３】 ろ板を開板した状態の側面図である。

【符号の説明】

２ ガイドレール ３ ろ板 ３ａ ろ過床 ３ｃ メタルメッシュ ５ 剥離シート ６ 支持バー ９ 重錘１１ _加振シャフト １２ _加振モーター １４ _昇降シリンダー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数のろ板３を水平状のガイドレール２
   上に移動自在に配列し、これらろ板３を閉板したとき、
   これらろ板間にろ過室を形成し、これらろ板３を開板し
   てろ過室に生じたケーキを除去するようにしたフィルタ
   ープレスにおいて、上記各ろ板３のろ過床３ａにメタル
   メッシュよりなるろ材３ｃを固定し、各ろ板間に上記ろ
   板３のろ材３ｃを覆うことができる合成樹脂材等よりな
   る一対の剥離シート５を設け、これら剥離シート５の上
   端部をろ板３の上方に設けた支持バー６に止着して垂下
   させ、その垂下下端部に重錘９を付設するとともに上記
   支持バー６の下方に、ろ板３・・・列に沿って加振モー
   ター１１ａを設けた加振シャフト１１を配設し、この加
   振シャフト１１を前後のフレーム１．１の上部に配設し
   た昇降シリンダー１４．１４に連結してなるフィルター
   プレスにおけるケーキの除去装置。