JPH08126805A - 複式濾過機における濾過排水構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾板内に穿設する集水孔及び排水孔を不要に
して薄肉で安価な濾板を用いることのできる濾過排水構
造を提供する。 【構成】 中央部に原液通過孔５０を透設して両面を面
一の平面状とした厚み約５mmの薄肉とした濾板５を用
い、その両面全体に通水網板６を掛けて配置し、さらに
その上から濾布７を被着して、その連通した中央部の原
液通過孔５０に取り付けた固着筒盤５１で両面の濾布７
を固着する。この濾布７と通水網板６とを有する濾板５
に濾枠８を介在してレールに多数支持整列させ、端部の
濾板を押圧して加圧することで夫々濾板５と濾枠８の弾
性材８３とで囲まれる濾過室９が順列形成される。夫々
の濾過室９に供給された原液は、濾布７で濾過されてそ
のまま通水網板６の下端から落下排水される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、濾板間に濾枠を介在さ
せた複式濾過機における濾過排水構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の濾板間に濾枠を介在させた複式濾
過機においては、図３のように、原液通過孔１０を透設
すると共に、両面に円形の通水網板２を配置する収容凹
部１１を欠設し、該収容凹部１１の下端に集水孔１２を
設けて下端面に開口する排水孔１３と連通させた構成の
濾板１を用いる。そして図４のように、収容凹部１１に
通水網板２を収容すると共に、その上から濾布３を被着
し、内周に弾性材４１を設けた濾枠４を介在させて端部
の濾板から押圧して加圧し原液を供給して濾過させてい
たのである。これにより、各濾過室に供給された原液
は、濾布３で濾過され通水網板２、集水孔１２を通って
排水孔１３から排水されるのである。

【０００３】しかしながら、収容凹部１１の形成、集水
孔１２及び排水孔１３の穿設が面倒でコスト高な濾板と
なり、また排水孔１３の内部穿設のため濾板を約１２〜
１６mmの厚肉にする必要があって一層コスト高となって
いたのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、収容
凹部の形成、集水孔及び排水孔の穿設を不要にして約４
〜６mmの薄肉で安価な濾板を用いることのできる濾過排
水構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、原液
通過孔を透設した濾板と、該濾板間に介在すると共に形
成する濾過室の外周端部に弾性材が配置するよう弾性材
を周設した濾枠とから成る複式濾過機において、原液通
過孔の開口部を除いて両面を面一に形成した薄肉の濾板
を用い、原液通過孔の開口部を除いて濾板の両面全体に
通水網板を介して濾布を被着して取り付け、濾板の加圧
濾過により濾枠の弾性材で押圧された通水網板の下端部
から濾過排水する構成の濾過排水構造である。

【０００６】

【作用】原液通過孔の開口部を除いて濾板の両面全体に
通水網板を配置し、さらに濾布を被着して取り付け、濾
枠を介在して端部の濾板を押圧して加圧することで夫々
濾板と濾枠とで囲まれる濾過室が順列形成される。この
加圧状態を保持して原液通過孔に原液を圧入することに
より、夫々の濾過室で原液が濾布で濾過され、そのまま
濾板と濾布との間の通水網板を通って下から落下排水さ
れるのである。従来のように、濾板内の排水孔を通過さ
せないため、集水孔及び排水孔の穿設が不要であり、且
つ通水網板の収容凹部も不要なことから濾板の加工が簡
単で、しかも薄肉とすることができるため安価な濾板と
なるのである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の詳細を図示実施例について説
明する。図１及び図２に示す本例において、５は厚み約
５mmの薄肉とした濾板であり、その中央部に原液通過孔
５０を透設して両面を面一の平面状としている。また、
６は原液通過孔を有する通水網板であり、濾板５の両面
のほぼ下端まで被着できる大きさである。

【０００８】７は原液通過孔を有する濾布であり、濾板
５の両面の下端まで被着できる大きさである。さらに、
濾枠８は、外周の枠体部８１に内設した内リング８２に
弾性材８３を取り付けたものである。

【０００９】そして、図１のように、濾板５の両面全体
に通水網板６を掛けて配置し、さらにその上から濾布７
を被着して、その連通した中央部の原液通過孔５０に取
り付けた固着筒盤５１で両面の濾布７を固着する。この
濾布７と通水網板６とを有する濾板５に濾枠８を介在し
てレールに多数支持整列させ、端部の濾板を押圧して加
圧することで夫々濾板５と濾枠８の弾性材８３とで囲ま
れる濾過室９が順列形成される。

【００１０】この加圧状態を保持して夫々原液通過孔５
０に原液をポンプ圧入することにより、夫々の濾過室９
で原液が濾布７で濾過され、そのまま濾板５と濾布７と
の間の通水網板６を通って下から落下排水されるのであ
る。濾過終了後は、濾板５及び濾枠８を開いて固まった
濾滓を除去すればよい。

【００１１】本例によると、濾布７を通過した濾過水を
そのまま通水網板６の下から落下排水するため、従来の
ように、濾板への集水孔及び排水孔の穿設が不要であ
り、且つ通水網板の収容凹部も不要なことから濾板の加
工が簡単である。即ち、平板に原液通過孔を透設するだ
けでよい。また、このため薄肉とすることができるため
安価な濾板５となるのである。

【００１２】本例は前記のような構成としたが、本発明
においてはこれに限定されない。例えば、濾板自体の形
状は問わず、透設する原液通過孔の位置及び数も限定さ
れない。また、通水網板及び濾布の形状や材質も適宜で
ある。さらに、濾枠の形状や構成も任意であり、その内
周に設ける弾性材の形状や材質も適宜である。

【００１３】

【発明の効果】本発明によると、濾布を通過した濾過水
をそのまま通水網板の下から落下排水するため、従来の
ような濾板への集水孔及び排水孔の穿設が不要なことか
ら濾板の加工が簡単な効果が大きく、このため薄肉とす
ることができて安価な濾板となるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の濾過状態を示す一部の縦断側面図であ
る。

【図２】その要部の拡大縦断側面図である。

【図３】従来の濾板と通水網板の斜視図である。

【図４】従来の濾過状態を示す要部の拡大縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

５ 濾板 ５０ 原液通過孔 ５１ 固着筒盤 ６ 通水網板 ７ 濾布 ８ 濾枠 ８３ 弾性材 ９ 濾過室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原液通過孔を透設した濾板と、該濾板間
   に介在すると共に形成する濾過室の外周端部に弾性材が
   配置するよう弾性材を周設した濾枠とから成る複式濾過
   機において、原液通過孔の開口部を除いて両面を面一に
   形成した薄肉の濾板を用い、原液通過孔の開口部を除い
   て濾板の両面全体に通水網板を介して濾布を被着して取
   り付け、濾板の加圧濾過により濾枠の弾性材で押圧され
   た通水網板の下端部から濾過排水することを特徴とする
   複式濾過機における濾過排水構造。