JPH0587568U - カバーによって閉ざされた容器から液体の一部分を抽出する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】鋭利な抽出カニューレを必要としない、液体の
一部分抽出装置を提供する。 【構成】抽出カニューレ９と、これに隣接して隔置され
た十字形状横断面を有する穴あけ用具１０と、これらを
保持する保持器８と、容器３と保持器８との間の相対運
動を制御する制御装置と備えている。抽出装置は、カバ
ー６によって閉ざされた容器３から内部の液体５を抽出
する。穴あけ用具１０により容器３のカバー６に穴があ
けられる。抽出カニューレ９が容器３内に入り込む際に
穴を形成するカバーの切り込み縁同士は互いに遠ざけら
れるように押し拡げられ、容器３内に負圧が生じないよ
うになっている。更に抽出カニューレ９が取り除かれる
とこれら切り込み縁同士はカバーを密閉し、容器内の液
体の蒸発を防ぐようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カバーによって閉ざされた容器から液体に一部分を抽出する装置に かかわる。

【０００２】

【従来技術】

無菌を確実にし、そして溶剤の蒸発に関連する困難を減らすために、自動分析 装置用の試薬および試料は、弾力ある隔壁またはプラスチックカバーによって閉 ざされた容器の中でしばしば供給される。抽出は、たわみ管を通ってポンプに連 続され、そして流体の中に浸るためにカバーを貫通する、抽出カニューレによっ て行なわれる。

【０００３】 汚染の危険を減らすために、分析試料はしばしばこの種の容器で送達され、そ の場合、標本も適当なカニューレの使用について述べた種類の抽出装置によって 抽出される。

【０００４】 しばしば、ゴムのダイアフラムの形の弾力あるカバーがきちんと確実に穴をあ けられるようにするために、カニューレは特別の高精度に研がれねばならず、し たがって比較的費用がかかる。それでもカニューレがダイアフラムの破片によっ てふさがれることを防ぐことはしばしば不可能である。

【０００５】 カニューレの先端を特別に研ぐにもかかわらず、ダイアフラムに穴をあけるに 要する力は比較的大きく、したがって回動腕と軸受には大きな力がかかる。もう 一つの欠点は、ダイアフラムは、液体が抽出されるとき容器の中に負圧が生じる ように、カニューレと密封係合していることであり、それは不利な結果となる。 例えば、負圧は試料の量が少ないとき試料採取の正確さを損なう。

【０００６】

【考案が解決しようとする問題点】 これらの欠点を除くことのできるようなカニューレの鋭利な形はまだ見いださ れていない。したがってこれらの欠点を除くことのできる解決法を開示するのが 、本考案の目的である。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

したがって、この目的を達成するため、本考案によれば、抽出カニューレと、 抽出カニューレに隣接しかつ間隔をおいて配置され十字形状横断面を有する穴あ け用具と、抽出カニューレと穴あけ用具とを保持する保持器と、カニューレ保持 器と容器との間の相対的近接運動により穴あけ用具が容器のカバーに穴をあけ、 カニューレ保持器と容器とを相対的に遠ざけ抽出カニューレと穴あけ用具との間 の間隔に相当する距離だけ相対的に横方向に動かし、その後、再びカニューレ保 持器と容器とを相対的に近接させカバーに形成された穴を通って抽出カニューレ が容器内に入り込むように、カニューレ保持器と容器との間の相対運動を制御す る制御装置とを備えた装置が提供される。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を添付図面について以下に説明する。 図１に示すように、ピペッティング装置は、台のような底の部分すなわち基部 ２を有するケーシング１を含んでいる。液体に一部分をピペッティングする必要 のある液体容器３は、基部２の上に置かれている。ただ一例だけを示す容器３は 、基部２の上の決められた位置に置かれるか、またはコンベヤー（図示せず）に よって抽出位置の下方に基部２の上を通って運ばれる、わく４の中に置かれる。

【０００９】 容器３は、試薬または標本などのような液体５を含む、そして例えばゴムまた はプラスチックなどで作られた弾力あるダイアフラム６によって閉ざされている 。

【００１０】 ピペッティング頭部８はケーシング１の上部の腕７に取り付けられており、ま た下方へ延びるピペッティング針すなわちカニューレ９を有し、そしてそれと平 行にそてしてそれからある距離離して、穴あけ用具１０が置かれている。駆動装 置（図示せず）は、矢で示すように、すなわち水平と垂直に、腕７を動かすよう にされている。ピペッティング装置にこの種の運動をさせる機構はこの技術に既 知であり、したがってここに詳しく説明する必要はない。 カニューレ９は、頭部８を貫いて延び、そして頂部で、ポンプに延びるホース １１に通じている。

【００１１】 穴あけ用具１０は頭部８の下側に固く取り付けられている。それは横断面でほ ぼ十字形であり、そして鋭く研がれた先端を有している。図２は、用具１０のさ かさにした平面図である。

【００１２】 一つの容器だけでなく、マトリックス形の行列に配置されたある数の容器が装 置に提供される実際の装置では、適当な数のカニューレと穴あけ用具がピペッテ ィング頭部と協働する。

【００１３】 腕７の駆動装置（図示せず）は、新たに到着した各容器のために、次の機械的 サイクルを行なう。

【００１４】 I. 穴あけ用具１０は、適当な横の運動によって、それが容器３とほぼ同中心 になる位置に動かされる。

【００１５】 II．腕７と、したがって用具１０は、ダイアフラムに穴をあけるために垂直に 下げられ、できた穴はほぼ正確な十字形を有している。

【００１６】 III.腕７は、用具１０をダイアフラムから抜くために上げられる。十字形の穴 は単純な弁のように閉じる。

【００１７】 IV．腕７は、カニューレ９を容器３の上方に同中心に持って来るために、用具 １０とカニューレ９の間の距離に相当する量だけ容器３について左に動く。

【００１８】 V. 腕７は、カニューレ９を前にあけた穴を通して容器３の中に、そして液体 を取り入れるために液体５の中に差し入れるために下降する。

【００１９】 ダイアフラムに穴をあけ、そしてカニューレを容器の中に差し入れる両段階を 切り離すことからいくつかの利益が生じる。穴あけ用具は、ダイアフラムに穴を あけるためにわずかの力ですむような材料と形にすることができる。

【００２０】 できた穴は、穴あけ用具もカニューレも差し入れられない場合には、弁のよう にほぼ密閉するように直ちに再び閉じる、正確な十字形を有している。

【００２１】 穴あけ用具は、カニューレが差し入れられたとき容器の内部と圧力を等しくす ることのできる追加の開口が生じるような穴をあけることができる。

【００２２】 またカニューレ９は、いまは念入りに研がれた先端を必要としない。実に、カ ニューレは鈍くさえなければならない。というのは、これはカニューレがむだな 容積を減らすために弁の回転子に対して実際なんの距離もなく、円筒形の試料注 入路の中により正確にはまるという追加の利点を有するからである。

【００２３】 駆動装置には特別の必要条件はなく、そして在来のピペッティング装置から知 られているように当業者によって容易に考案されることができる。

【００２４】 注意を要するただ一つの点は、用具１０が穴をあけているときカニューレのた めに十分な場所が利用でき、そしてピペッティング中用具１０のために十分な場 所が利用できるように、隣接する容器３が、確実に互いに間隔を置いた関係に置 かれることである。

【００２５】

【考案の効果】

もちろん、図面について説明した実施例は、本考案の一つのありうる実施例を 示すだけのものである。いかなる改変もじゅうぶん考えられる。例えば、本考案 はいかなる種類の回動腕をも有するピペッティング装置に使用されることができ る。また、一方で容器３と、他方でカニューレと穴あけ用具の間の相対横運動は 、腕７による代わりに容器のコンベヤーによって行なわれることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】試料採取装置の路図。

【図２】図１の装置のさかさにした平面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ 基部 ３ 容器 ４ わく ５ 液体 ６ カバー ７ 腕 ８ ピペッティング頭部 ９ 抽出カニューレ １０ 穴あけ用具 １１ ホース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カバーによって閉ざされた容器から液体
   の一部分を抽出する装置にして、抽出カニューレ（９）
   と、該抽出カニューレ（９）に隣接しかつ間隔をおいて
   配置され十字形状横断面を有する穴あけ用具（１０）
   と、前記抽出カニューレ（９）と前記穴あけ用具（１
   ０）とを保持する保持器（８）と、該保持器（８）と前
   記容器との間の相対的近接運動により前記穴あけ用具
   （１０）が前記容器（３）のカバー（６）に穴をあけ、
   前記保持器と前記容器とを相対的に遠ざけ前記抽出カニ
   ューレ（９）と前記穴あけ用具（１０）との間の前記間
   隔に相当する距離だけ相対的に横方向に動かし、その
   後、再び前記保持器と前記容器とを相対的に近接させ前
   記カバー（６）に形成された前記穴を通って前記抽出カ
   ニューレ（９）が前記容器（３）内に入り込むように、
   前記保持器（８）と前記容器（３）との間の相対運動を
   制御する制御装置（１，７）とを備え、前記抽出カニュ
   ーレ（９）が前記容器（３）内に入り込む際に前記穴を
   形成する前記カバー（６）の切り込み縁同士は互いに遠
   ざけられるように押し拡げられ、前記容器（３）内に負
   圧が生じないようになっており、更に前記抽出カニュー
   レ（９）が取り除かれるとこれら切り込み縁同士は前記
   カバー（６）を密閉し、前記容器（３）内の液体の蒸発
   を防ぐようになっていることを特徴とする抽出装置。