JPH0587242B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、床部を起伏あるいは移動させてベツ
ドから椅子状態にする機能を有する椅子状態変換
機構を備えたベツドに関するものである。

（従来の技術） 例えば、長期にわたり、ベツド生活を余儀なく
されている患者にとつて、体位を変え、ベツドの
床部上を移動して他へ移らんとする動作は大きな
負担であるし、苦痛を伴うものである。また、長
期にわたるベツド生活により、肉体的にも精神的
にも様々な弊害があり、しばしば仰臥状態から起
座状態にしたり、その他の姿勢を患者にとらせる
ことがなされている。そのために、介護者の手を
借りて前記した動作を行つているが、介護者にと
つても大変な労力であることは否めない。

そこで、従来から、介護者の手を借りずに、患
者自ら操作することで、前記した動作をすること
が可能な床部起伏機構や床部移動機構を備えたベ
ツドが案出されている。

（発明が解決しようと課題） ところで、前記したベツドにおいて、患者が起
伏状態で、病室の床に足を付いた状態、すなわ
ち、椅子に座つている姿勢をとることができる機
能を有していることが望しい。何となれば、患者
にとつてそのような姿勢は苦痛ではないし、安定
性があり、また、随時、立位訓練を行つたり、車
椅子等に移乗したりすることが容易である等、
種々の利点があるからである。

しかしながら、前記したことを達成するには、
脚床の処理が課題となる。その処理の仕方の１つ
として、脚床を切り離したりすることが行われて
いる。このため、その操作がめんどうであり、狭
い病室においては、その脚床の置場所が問題とな
る。さらに、ベツドを通常の状態に戻すときは、
いちいち、脚床をつながなければならず、煩雑さ
は免れない。本発明はかかる点に鑑みてなされた
ものである。

（課題を解決するための手段） 前記した課題を解決するために、本発明は、背
上げ機構を有する背床と腰床を支持する本体側フ
レームに脚床を支持する脚側フレームを進退自在
に構成すると共に、前記脚床を腰床に進退自在に
構成し、前記背床、腰床および脚床に載置すべき
マツトレスによつて前記脚側フレームを巻き込む
ように、マツトレスのフツトボード側の端部をば
ね部材により、本体側フレーム側に引張するよう
にしたものである。

また、本発明において、前記本体側フレームは
断面方形状の中空枠であり、脚側フレームには、
前記本体側フレーム内を進退動作をなすための転
動部材を設け、前記本体側フレームには、脚側フ
レームを進退駆動するための駆動機構を設けたも
のである。

また、本発明において、背上げ機構は、ガスス
プリングからなるものである。

（作用） 先ず、介護者は、フツトボードをとり外す。な
お、ベツドはフツトボードが設けられていないも
のでもよい。

次に、患者は背上げ機構、例えば、ガススプリ
ングおよび駆動機構を操作する。背床は起伏し、
これに伴つて前記脚側フレームは本体側フレーム
に退動する一方、脚床は腰床側に退動する。

ところで、マツトレスは、フツトボード側の端
部が、ばね部材によつて、本体側フレーム側に引
張されているので、前記脚側フレームが本体側フ
レームに退動すると共に、マツトレスは、たるむ
ことなく脚床を巻き込みつつ本体側フレーム側に
折れ曲がる。これによつて、患者が起伏状態で足
を付くべき床が確保され、患者は安定した起座状
態をとることが可能となる。

（実施例） 次に、本発明にかかる椅子状態変換機構を備え
たベツドについて、添付の図面を参照しながら以
下説明する。

第１図において、参照符号１はベツド本体を示
し、このベツド本体１は、断面方形状の中空枠で
ある本体側フレーム２とこの本体側フレーム２に
進退自在に脚側フレーム３が設けられる。

前記本体側フレーム２には、背上げ機構、すな
わち、ガススプリング４を有する背床５とベツド
の長手方向に所定間隔ごとに設けられたパイプか
らなる腰床６が支持される。

前記脚側フレーム３には、前記腰床６に進退自
在な複数のパイプからなる脚床７が固定される。

前記脚側フレーム３は前記本体側フレーム２内
において、ローラ８を介して支持される。また、
脚側フレーム３には、本体側フレーム２に取付け
られた進退駆動機構９を構成するモータ１０、こ
のモータ１０に取付けられたねじシヤフト１１上
を移動するめねじ１２が取付けられる。さらに、
脚側フレーム３には車論１３のついた可動脚１４
が設けられている。１５，１６は取外し可能なヘ
ツドボード、フツトボードを示す。

かかるベツド本体１の背床５、腰床６および腰
床７上には、第２図に示すようなマツトレス１７
が載置される。このマツトレス１７は、両側部に
腰床６を構成するパイプに巻きつけて固定するた
めの面フアスナー１８が設けられ、さらに、フツ
トボード１６側に対応する端部には、一端部が本
体側フレーム２の下部に取付けられたばね部材１
９の他端部を取付けるための穴２０が設けられ、
前記脚床７を巻き込むように、前記マツトレス１
７のフツトボード１６側の端部が引張支持され
る。前記脚床７とマツトレス１７の巻き込み部位
との当接部には、回動自在なローラ２１が設けら
れる。

本発明にかかる椅子状態変換機構を備えたベツ
ドは以上のように構成されるものであり、次にそ
の作用を説明する。

先ず、第３図に示すように、フツトボード１６
が介護者によつてとり外された後、患者は、ガス
スプリング４および進退駆動機構９を操作する。
背床５は起伏する一方、進退駆動機構９のねじシ
ヤフト１１上をめねじ１２はヘツドボード１５側
に移動し、これに伴つて前記脚側フレーム３はロ
ーラ８が本体側フレーム２内を転動することで、
脚側フレーム３は本体側フレーム２内に退動する
一方、脚床７は腰床６側に退動する。

ところで、マツトレス１７は、フツトボード１
６側の端部が、ばね部材１９によつて、本体側フ
レーム２側に引張されているので、前記脚側フレ
ーム３が本体側フレーム２に退動すると共に、マ
ツトレス１７は、たるむことなくローラ２１の作
用によつて円滑に脚側フレーム３を巻き込みつつ
本体側フレーム側２に引き込まれる。これによつ
て、患者が起伏状態で足を付くべき床が確保さ
れ、患者は安定した起座状態となる（第４図およ
び第５図参照）。

以上本発明の１実施例を挙げて説明したが、背
上げ機構であるガススプリング４をモータに代替
してもよい。また、本体側フレーム２内を脚側フ
レーム３が退動するためのローラ８の代わりに他
の転動部材、滑動部材を用いてもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、患者は自ら背上げ機構、およ
び駆動機構を操作することで、背床は起伏し、こ
れに伴つて前記脚側フレームは本体側フレームに
退動する一方、脚床は腰床側に退動する。これに
よつて、ベツドは即座に椅子状態に変動し、患者
が起伏状態で足を付くべき床が確保され、患者は
安定した起伏姿勢をとることができる。再び、通
常の状態にするには背上げ機構、および駆動機構
を操作すればよい。

このように、介護者の手を借りず、患者は自ら
の操作によつて、随時、起伏姿勢をとることがで
き、しかも、脚床の処理等、他の操作もないた
め、特に、長期にわたるベツド生活者に適したベ
ツドとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる椅子状態変換機構を備
えたベツドの１実施例を示す全体斜視図、第２図
は第１図に示すベツドのマツトレスおよびマツト
レスの取り付けを説明する図、第３図、第４図お
よび第５図は、本発明にかかる椅子状態変換機構
を備えたベツドの作用説明図である。 １……ベツド本体、２……本体側フレーム、３
……脚側フレーム、４……ガススプリング、５…
…背床、６……腰床、７……脚床、８……ロー
ラ、９……進退駆動機構、１０……モータ、１１
……ねじシヤフト、１２……めねじ、１３……車
論、１４……可動脚、１５……ヘツドボード、１
６……フツトボード、１７……マツトレス、１８
……面フアスナー、１９……ばね部材、２０……
穴、２１……ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 背上げ機構を有する背床と腰床を支持する本
   体側フレームに脚床を支持する脚側フレームを進
   退自在に構成すると共に、前記脚床を腰床に進退
   自在に構成し、前記背床、腰床および脚床に載置
   すべきマツトレスによつて前記脚側フレームを巻
   き込むように、マツトレスのフツトボード側の端
   部をばね部材により、本体側フレーム側に引張し
   てなることを特徴とする椅子状態変換機構を備え
   たベツド。 ２ 請求項１記載の本体側フレームは断面方形状
   の中空枠であり、脚側フレームには、前記本体側
   フレーム内を進退動作をなすための転動部材を設
   け、前記本体側フレームには、脚側フレームを進
   退駆動するための駆動機構を設けたことを特徴と
   する椅子状態変換機構を備えたベツド。 ３ 請求項１記載の背上げ機構は、ガススプリン
   グからなることを特徴とする椅子状態変換機構を
   備えたベツド。