JPH058717A - 車両のスリツプ制御装置 - Google Patents

車両のスリツプ制御装置

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JPH058717A
JPH058717A JP15916691A JP15916691A JPH058717A JP H058717 A JPH058717 A JP H058717A JP 15916691 A JP15916691 A JP 15916691A JP 15916691 A JP15916691 A JP 15916691A JP H058717 A JPH058717 A JP H058717A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 不必要にアンチスキッドブレーキ制御が行わ
れることを防止するとともに、制御開始後は、早めにブ
レーキ圧の減圧を行い、車輪のロックが深めになるのを
防止する。 【構成】 路面の摩擦係数の増加に応じて小さくなるよ
うな減速度の閾値と車体速の低下に応じて低下するとと
もに、この車体速に対する低下率が路面の摩擦係数の増
加に応じて増大するようなスリップ率の閾値とが予め設
定された記憶手段35と、車輪速の減速度の高μ路にお
ける閾値を読み出すとともに、スリップ率の低μ路にお
ける閾値読出手段34とを備え、制動開始直後の車輪速
の減速度を高μ路における減速度の閾値と比較し、車輪
速の減速度が該閾値以下に低下すると、増圧されたブレ
ーキ圧を保持し、このブレーキ圧の保持制御中の車輪の
スリップ率を低μ路におけるスリップ率の閾値と比較
し、該閾値以下に低下すると、上記ブレーキ圧を減圧す
るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪速のスリップ率に
基づきブレーキ圧を増減制御し、制動時における過大な
制動力を抑制する車両のスリップ制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭62−218257
号公報に示されるように制動時における車輪のロック又
はスキッド状態の発生を防止することを目的としたアン
チスキッドブレーキ制御を行う車両のスリップ制御装置
が知られている。
【0003】上記車両のスリップ制御装置は、車輪の減
速度が予め設定された閾値以下に低下すると、アンチス
キッドブレーキ制御を開始し、まず、増圧されたブレー
キ圧が上昇しないように保持する。続いて、ブレーキ圧
の保持制御中に車輪の車体速に対するスリップ率が予め
設定された閾値以下に低下すると、ブレーキ圧の減圧制
御を行い、車輪速を回復させる一方、ブレーキ圧の減圧
制御中のスリップ率が予め設定された閾値以上に復帰す
ると、再度ブレーキ圧の増圧制御を行い、車輪速を低下
させる。そして、上記ブレーキ圧の増圧制御を数サイク
ル繰り返すことにより車体速を所定の勾配に従って低下
させる。
【0004】ところで、車輪のロックやスリップの発生
は路面の摩擦係数により異なるため、上記アンチスキッ
ドブレーキ制御における減速度の閾値やスリップ率の閾
値は、路面の摩擦係数を加味して車体速に応じた閾値を
設定するのが望ましい。
【0005】しかし、従来の車両のスリップ制御装置
は、前サイクルにおける車輪速の加速度及び減速度から
路面の摩擦係数を推定しており、アンチスキッドブレー
キ制御の開始直後の第1サイクル目では、路面の摩擦係
数を推定することは困難になっている。このため、第1
サイクル目では、実際の路面状態に拘らず路面状態を適
当な摩擦係数に設定し、この設定された摩擦係数に対す
る減速度の閾値やスリップ率の閾値によりブレーキ圧の
増減制御がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の車両のスリ
ップ制御装置においては、アンチスキッドブレーキ制御
の第1サイクル目の路面状態を適当に設定し、同一の路
面状態に対する減速度の閾値やスリップ率の閾値を設定
するようにしているため、ブレーキ圧の増圧制御又は減
圧制御において以下のような不都合が生じる。例えば、
路面状態を低μ路に設定している場合は、減速度の閾値
は比較的大きい値に設定され、車輪の減速度のわずかの
低下で閾値以下に低下し、不必要にアンチスキッドブレ
ーキ制御が行われることとなる。
【0007】一方、路面状態を高μ路に設定している場
合は、上記問題は低減される反面、スリップ率の閾値は
比較的小さい値が設定され、ブレーキ圧の減圧制御のタ
イミングか遅れるため、実際の路面状態が低μ路の場合
には車輪のロック状態が深くなり、ブレーキ圧の減圧制
御が開始されても車輪速の回復が迅速に行われない不都
合がある。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、第1サイクル目における車両の減速度の閾値及びス
リップ率の閾値をそれぞれ異なる路面の摩擦係数を加味
して設定することによりより好適なアンチスキッドブレ
ーキ制御を行うことのできる車両のスリップ制御装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、ブレーキ
圧を調節するブレーキ圧調節手段と、検出された車輪速
に基づいて当該車両の車体速を算出する車体速算出手段
と、検出された車輪速と算出された車体速とから車輪の
スリップ率を算出するスリップ率算出手段と、上記車輪
速検出手段の検出信号に応じて車輪速の加速度及び減速
度を算出する加減速度算出手段と、制動開始直後の車輪
速の減速度を予め設定された閾値と比較し、車輪速の減
速度が閾値以下に低下すると、増圧されたブレーキ圧を
保持するように上記ブレーキ圧調節手段を制御するとと
もに、このブレーキ圧の保持制御中の車輪のスリップ率
を予め設定された閾値と比較し、スリップ率が閾値以下
に低下すると、上記ブレーキ圧を減圧するように上記ブ
レーキ圧調節手段を制御する制御手段とを備えた車両の
スリップ制御装置であって、路面の摩擦係数の増加に応
じて小さくなるように減速度の閾値が予め記憶された第
1の記憶手段と、上記車体速の低下に応じて低下すると
ともに、この車体速に対する低下率が路面の摩擦係数の
増加に応じて増大するように車体速と路面の摩擦係数と
をパラメータとしたスリップ率の閾値が予め設定された
第2の記憶手段と、上記車輪速の減速度の閾値として上
記第1の記憶手段から高μ路における閾値を読み出す第
1の閾値読出手段と、上記スリップ率の閾値として上記
第2の記憶手段から低μ路における閾値を読み出す第2
の閾値読出手段とを備えたものである。
【0010】また、請求項2記載の発明は、上記車両の
スリップ制御装置において、制動開始後に路面の摩擦係
数を推定する路面状態推定手段と、上記路面状態推定手
段で推定された路面の摩擦係数と上記車体速算出手段で
算出された車体速とに基づき上記第2の記憶手段からス
リップ率の閾値を読み出す閾値読出手段とを備えたもの
である。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、制動開始直後の
車輪の減速度が予め設定された減速度閾値以下に低下す
ると、アンチスキッドブレーキ制御が開始され、まず、
ブレーキ圧の保持制御が行われる。前記減速度の閾値
は、路面の摩擦係数に応じて予め記憶された閾値のう
ち、高μ路における閾値が読み出され、小さい閾値が設
定される。これにより制動開始後のアンチスキッドブレ
ーキ制御の開始タイミングが遅くなる。
【0012】また、アンチスキッドブレーキ制御の開始
直後の上記ブレーキ圧の保持制御中の車輪速のスリップ
率が予め設定されたスリップ率の閾値以下に低下する
と、ブレーキ圧の減圧制御が行われる。上記スリップ率
の閾値は、路面の摩擦係数パラメータとして予め記憶さ
れた閾値のうち、低μ路における閾値が読み出され、比
較的大きい値が設定される。これにより増圧・保持後の
ブレーキ圧を減圧するタイミングが早くなり、車輪のロ
ック解除が早くなる。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、制動
開始後は、路面の摩擦係数が推定され、この推定された
路面の摩擦係数に応じたスリップ率の閾値が読み出さ
れ、スリップ率の閾値として設定される。すなわち、路
面の摩擦係数が増大するほど、スリップ率の閾値は小さ
く設定される。そして、ブレーキ圧の保持制御中の車輪
速のスリップ率がこのスリップ率の閾値以下に低下する
と、ブレーキ圧の減圧制御が行われる。これにより路面
の摩擦係数が小さくなると、増圧・保持後のブレーキ圧
を減圧するタイミングが早くなり、車輪のロック解除が
早くなる。
【0014】
【実施例】図2は、本発明に係るスリップ制御装置を備
えた車両を示している。この車両は、従動輪となる左右
の前輪1,2と、駆動輪となる左右の後輪3,4とを備
え、エンジン5の駆動力が自動変速機6、プロペラシャ
フト7、ディファレンシャル8及び左右の車軸9,10
を介して後輪3,4に伝達されるように構成されてい
る。
【0015】上記各車輪1〜4には、車輪と一体的に回
転するディスク11a〜14a及び制動圧の供給を受け
て該ディスク11a〜14aの回転を制御するキャリパ
11からなるブレーキ装置11〜14が設けられ、これ
らブレーキ装置11〜14は、後述するブレーキ制御シ
ステム15により駆動制御されるようになっている。
【0016】ブレーキ制御システム15は、ブレーキペ
ダル16の踏込力を増大する倍力装置17と該倍力装置
17により増大された踏込力に応じてブレーキ油圧を発
生させるマスタシリンダ18とを有する。そして、この
マスタシリンダ18から導かれた前輪用制動圧供給ライ
ン19が2経路に分岐されて、これらの前輪用分岐制動
圧ライン19a,19bが左右の前輪1,2におけるブ
レーキ装置11,12のキャリパ11a,12aにそれ
ぞれ接続されているとともに、左前輪1のブレーキ11
に通じる一方の前輪用分岐制動圧ライン19aには、電
磁式の開閉弁20aと、電磁式のリリーフ弁20bとか
らなる第1のバルブユニット20が配置され、また、右
前輪2のブレーキ装置12に通じる他方の前輪用分岐制
動圧ライン19bにも、上記第1バルブユニット20と
同様に電磁式の開閉弁21と、同じく電磁式のリリーフ
弁21bとからなる第2バルブユニット21が設置され
ている。
【0017】一方、上記マスタシリンダ18から導かれ
た後輪用制動圧供給ライン22には、上記第1、第2バ
ルブユニット20,21と同様に電磁式の開閉弁23a
と、同じく電磁式のリリーフ弁23bとからなる第3バ
ルブユニット23が設置されているとともに、この後輪
用制動圧供給ライン22は、上記第3バルブユニット2
3の下流側で2経路に分岐されて、これらの後輪用分岐
制動圧ライン22a,22bが左右の後輪2,3におけ
るブレーキ装置13,14のキャリパ13b,14bに
それぞれ接続されている。
【0018】なお、上記リリーフ弁20b,21b,2
3bから排出されるブレーキオイルは、不図示のドレイ
ンラインを介して上記マスタシリンダ18のリザーバタ
ンク18aに戻されるようになっている。
【0019】そして、上記第1〜第3バルブユニット
は、コントロールユニットUTRによりそれぞれ独立に
駆動制御され、第1及び第2バルブユニット20,21
の作動により左前輪1のブレーキ装置11と右前輪2の
ブレーキ装置12の制動力がそれぞれ可変制御され、第
3バルブユニット23の作動により左右の後輪3,4の
ブレーキ装置13,14の制動力が可変制御されるよう
になっている。
【0020】上記コントロールユニットUTRには、ブ
レーキペダル16の踏込みの有無を検出するブレーキス
イッチ25の検出信号と各車輪の回転速度をそれぞれ検
出する車輪速センサ26〜29の検出信号とが入力さ
れ、コントロールユニットUTRは、これらの検出信号
に基づいてアンチスキッドブレーキ制御の制御信号を生
成し、該制御信号を上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23にそれぞれ出力して左右の前輪1,2及
び後輪3,4のスリップに対する制動制御を第1〜第3
バルブユニット毎に並行して行う。
【0021】図1は、コントロールユニットUTR内の
ブロック構成を示す図である。
【0022】同図において、30は、制動中の車体速を
算出する車体速算出手段である。車輪1〜4がスリップ
しているときの車体速は正確に検出できないことから車
体速算出手段30は、上記車輪速センサ26〜29の検
出信号から得られる車輪速Vwに基づき擬似的な車体速
Vrを算出する。31は、車輪1〜4のスリップ率を算
出するスリップ率算出手段であり、上記車輪速Vwと上
記擬似車体速vrとから次式によりスリップ率Sを算出
する。
【0023】スリップ率(S1)=(車輪速Vw/擬似
車体Vr)×100 〔%〕 また、32は、車輪速Vwの加速度及び減速度を算出す
る加減速度算出手段である。加減速度算出手段32は、
車輪速Vwの前回値と今回値との差分をサンプリング周
期Δt(例えば7ms)で除算した結果を重力加速度に
換算して車輪速Vwの加速度AW及び減速度DWを算出
する。33は、路面の摩擦係数を推定する路面状態推定
手段である。路面状態推定手段33は、車輪速Vwの加
速度AW及び減速度DWから図3に示すフローチャート
に従って路面の摩擦係数を推定する。
【0024】すなわち、上記摩擦係数を推定する制御動
作がスタートすると、まず、各種データを読み込んだ
後、アンチスキッドブレーキ制御中であることを表示す
るフラグFabsに応じ、現在アンチスキッドブレーキ
制御中か否かを判別する(#10,#11)。この判別
結果がNOであり、現在アンチスキッドブレーキ制御中
でないことが確認された場には、摩擦係数値MUに高μ
路を示す「3」がセットされる(#12)。
【0025】一方、上記ステップ#11において、現在
アンチスキッドブレーキ制御中であることが確認された
場合には、ステップ#13,#14,#16において、
前回の制御時の車輪速Vwのの減速度DW若しくは加速
度AWに基づいて路面状態にが高μ路、中μ路及び低μ
路に分類され、各路面状態に応じた摩擦係数値MUがセ
ットされる。
【0026】すなわち、上記減速度DWが予め設定され
た基準減速度「−20G」よりも小さいか否かを判別す
るとともに、加速度AWが予め設定された第1基準加速
度「10G」及び第2基準加速度「20G」よりも大き
いか否かを判定する。そして、上記判定の結果、減速度
DWが基準減速度「−20G」以下であることが確認さ
れた場合には、摩擦係数値MUに低μ路を示す「1」が
セットされ(#15)、加速度AWが基準加速度「20
G」よりも大きいことが確認された場合には、摩擦係数
値MUに高μ路を示す「3」がセットされ(#17)、
加速度AWが「10〜20G」の範囲内にあることが確
認された場合には、摩擦係数値MUに中μ路を示す
「2」がセットされる(#18)。
【0027】図1の戻り、34は、後述の閾値記憶手段
に記憶されたマップからスリップ率の閾値及び減速度の
閾値を読み出す閾値読出手段である。閾値読出手段34
は、後述する制御サイクル判別手段36からの判別結
果、上記路面状態推定手段33からの推定結果及び擬似
車体速Vrに基づきスリップ率の閾値及び減速度の閾値
を後述する制御手段37に読み出す。35は、後述する
アンチスキッドブレーキ制御の開始タイミングを判別す
るための車輪速の減速度の閾値のマップとブレーキ圧の
減圧制御の開始タイミングを判別するためのスリップ率
の閾値のマップとが記憶された閾値記憶手段である。
【0028】上記車輪速の減速度の閾値のマップは、高
μ路、中μ路及び低μ路の各路面状態において車輪1〜
4がロックを生じる値として予め実験等により求められ
たものであり、本実施例では、例えば(高μ路閾値,中
μ路閾値,低μ路閾値)=(−3.0G,−2.0G,
−1.5G)に設定されている。
【0029】また、上記スリップ率の閾値のマップは、
第1サイクル目のブレーキ圧の減圧制御に適用される第
1のマップと第2サイクル目以降のブレーキ圧の減圧制
御に適用される第2のマップの2種類のマップから構成
されている。スリップ率の閾値は、図4に示すように車
体速の低下に応じて低下するように設定され、第1のマ
ップにおける車体速に対する閾値の低下率は第2のマッ
プよりも小さく設定されている。また、上記第2のマッ
プは、図5に示すように路面の摩擦係数をパラメータと
した複数の車体速に対する閾値を有し、車体速に対する
閾値の低下率は路面の摩擦係数が低下するのに応じて小
さくなっている。
【0030】なお、第1のマップのスリップ率の閾値
は、アンチスキッドブレーキ制御の開始直後の第1サイ
クル目では、路面の摩擦状態が推定できないことから、
路面の摩擦係数をパラメータとして設定されていない。
しかし、第1サイクル目のスリップ率の閾値としては、
低μ路を考慮した閾値が予め実験的に求められており、
その車体速に対する閾値の低下率は、第2のマップの低
μ路における閾値の低下率と略同一若しくはそれ以下に
なっている。なお、第1のマップとして第2のマップの
低μ路における閾値を用いるようにしてもよい。
【0031】図1に戻り、36は、アンチスキッドブレ
ーキ制御が第1サイクル目のものか否かを判別する制御
サイクル判別手段である。この判別結果は、上記閾値読
出手段34に入力され、閾値読出手段34は、この判別
結果に基づき上記閾値記憶手段35から上記第1又は第
2のスリップ率の閾値のマップを読み出す。
【0032】また、37は、ブレーキ圧の増減制御を行
う制御手段である。制御手段37は、ブレーキペダル6
が踏み込まれ、制動開始直後の車輪の減速度と閾値読出
手段34で読み出された減速度の閾値とを比較し、車輪
の減速度が閾値以下に低下すると、増圧後のブレーキ圧
を保持させる制御信号を生成する。また、ブレーキ圧を
増圧・保持した後の車輪のスリップ率と閾値読出手段3
4で読み出されたスリップ率の閾値とを比較し、車輪の
スリップ率が閾値以下に低下すると、ブレーキ圧の減圧
させる制御信号を生成する。
【0033】上記制御信号は、ブレーキ圧算出手段38
に入力され、ブレーキ圧算出手段38は、これらの制御
信号を受けて制動圧制御信号を生成し、この制動圧制御
信号を上記第1〜第3バルブユニット20,21,23
にそれぞれ出力する。
【0034】上記第1〜第3バルブユニット20,2
1,23は、制動圧制御信号に基づき開閉弁20a,2
1a,23aとリリーフ弁20b,21b,23bとを
それぞれデューティ制御により開閉制御し、これにより
スリップ状態に応じた制動力を前輪1,2及び後輪3,
4に発生させる。
【0035】なお、アンチスキッドブレーキ制御が行わ
れてないときは、上記第1〜第3バルブユニット20,
21,23には上記制動圧制御信号が出力されず、上記
開閉弁20a,21a,23aは開状態に保持さる一
方、上記リリーフ弁20b,21b,23bは閉状態に
保持される。これによりブレーキペダル16の踏込力に
応じてマスタシリンダ18で発生したブレーキ圧が制動
圧供給ライン19,22を介して左右の前輪1,2及び
後輪3,4のブレーキ装置11〜14に供給され、ブレ
ーキペダル16の踏込力に応じた制動圧が車輪1〜4に
直接付加される。
【0036】次に、図6を用いて本発明に係るスリップ
制御装置のブレーキ圧の制御動作について説明する。な
お、ブレーキ圧の増減制御は、第1〜第3バルブユニッ
トの各バルブユニットについて行われるが、ここでは第
1バルブユニットを例に説明する。
【0037】時刻Toでブレーキペダル16が踏み込ま
れると、マスタシリンダ18で発生したブレーキ圧が除
々に増大し、この制動力により左前輪1の車輪速Vw1
は減少する。この車輪速Vw1の減速度DW1は上記加
減速度算出手段32により算出され、閾値読出手段34
で読み出された高μ路における減速度の閾値−3Gと比
較される。そして、車輪速Vw1の減速度DW1が閾値
−3G以下に低下すると、アンチスキッドブレーキ制御
の非制御状態であるフェーズ0からフェーズ2に移行
し、アンチスキッドブレーキ制御が開始される。
【0038】アンチスキッドブレーキ制御は、増圧後の
ブレーキ圧を保持するフェーズ2から開始され、以後、
増圧・保持後のブレーキ圧を減圧するフェーズ3及び減
圧後のブレーキ圧を保持するフェーズ4を経て第1サイ
クル目が終了する。続いて、時刻Tdから再度ブレーキ
圧を増圧するフェーズ1から第2サイクル目が開始さ
れ、以後、上記フェーズ2〜フェーズ4を経て第2サイ
クル目が終了すると、時刻Teから第2サイクル目と同
様のブレーキ圧の増減制御が数サイクル繰り返される。
【0039】上記のようにアンチスキッドブレーキ制御
の第1サイクル目では、車輪の減速度の閾値として高μ
路の閾値が読み出されるようになっている。これは、第
1サイクル目では路面の摩擦係数を推定することができ
ないので、低μ路における閾値(−1.5G)を用いる
と、車輪の減速度がわずかに低下した場合にも閾値以下
に低下し、不必要にアンチスキッド制御が開始されるこ
とを回避するためのものである。
【0040】続いて、フェーズ2の間に車輪速Vw1か
らスリップ率算出手段31でスリップ率S1が算出さ
れ、閾値読出手段34により第1のマップから読み出さ
れた車体速に応じたスリップ率の閾値と比較される。例
えばスリップ率の閾値として高速時の閾値90%が設定
された場合、時刻Tbで上記スリップ率S1が90%以
下に低下すると、フェーズ2からフェーズ3に移行し、
ブレーキ圧の減圧制御が開始される。第1バルブユニッ
ト20のリリーフ弁20bは所定のデューティ率に従っ
てオン・オフされ、これによりブレーキ圧が所定の勾配
で減少し、制動力が除々に低下して左前輪1の回転力は
回復する。
【0041】続いて、時刻Tcで左前輪1の車輪速Vw
1の減速度DW1及び加速度AW1がそれぞれ0になる
と、フェーズ3からフェーズ4に移行し、ブレーキ圧は
減速後のレベルに保持され、このフェーズ4の間に車輪
速Vw1は、再び上昇する。
【0042】そして、時刻Tdで回復した車輪速Vw1
のスリップ率S1が再び上記スリップ率の閾値90%を
越えると、フェーズ4からフェーズ1に移行し、第2サ
イクル目のアンチスキッドブレーキ制御が開始される。
【0043】第2サイクル目のフェーズ1への移行直後
は、第1サイクルにおけるフェーズ5の持続時間に基づ
いて設定された初期急増圧時間Tp2の間、第1バルブ
ユニット20の開閉弁20bが100%のデューティ率
で開閉され、ブレーキ圧は急勾配で増圧され、その後は
上記開閉弁20bが所定のデューティ率で開閉され、ブ
レーキ圧は上記勾配よりも緩やかな勾配で増圧される。
【0044】一方、第2サイクル目以降においては、路
面状態推定手段33で前サイクルにおける車輪速Vw1
の減速度DW1及び加速度AW1から路面の摩擦係数μ
が推定され、この路面の摩擦係数μと車体速Vrとに基
づいて減速度及びスリップ率の閾値が設定される。すな
わち、減速度の閾値は、閾値記憶手段35に記憶された
マップから路面の摩擦係数に応じた閾値が読みだされ、
スリップ率の閾値は、閾値記憶手段35に記憶された第
2のマップから路面の摩擦係数と車体速とをパラメータ
として所定の閾値が読み出される。
【0045】そして、上記第1サイクルと同様に左前輪
1の減速度DW1が減速度の閾値以下に低下すると、フ
ェーズ1からフェーズ2に移行して増圧後のブレーキ圧
の保持制御が行われ、スリップ率S1が設定されたスリ
ップ率の閾値以下に低下すると、フェーズ2からフェー
ズ3に移行して増圧・保持後のブレーキ圧の減圧制御が
行われる。
【0046】上記のように減速度の閾値を路面の摩擦係
数をパラメータとして予め求めておき、アンチスキッド
ブレーキ制御の開始閾値としてこの減速度の閾値のう
ち、高μ路における比較的小さい閾値を設定するように
したので、制動開始直後の車輪速の減速度は閾値以下に
低下しにくく、不必要にアンチスキッドブレーキ制御を
行うようなことがない。
【0047】また、アンチスキッドブレーキ制御開始後
の第1サイクル目におけるスリップ率の閾値を低μ路に
おける比較的大きい閾値に設定し、増圧・保持制御後の
ブレーキ圧を早く減圧させるようにしたので、車輪のロ
ック状態が早く解除され、実際の路面状態が低μ路の場
合にも車輪のロックが深くなるのを防止することでき
る。
【0048】また、制動開始後は、路面の摩擦係数を推
定し、この推定された摩擦係数と車体速とに基づいてス
リップ率の閾値を設定するようにしたので、路面状態に
応じた好適なアンチスキッドブレーキ制御を行うことが
できる。例えば車体が低速のときは、高μ路になるほ
ど、スリップ率の閾値が小さくなり、ブレーキ圧の減圧
タイミングか遅れるので、車輪のロック状態が長くな
り、車体は、路面の摩擦力により短期間に停止されるよ
うになる。
【0049】なお、上記実施例では、スリップ率の閾値
を車体速に対して連続的に変化させていたが、車体速を
領域に分割し、各分割領域で段階的に閾値を変化させる
ようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、路
面の摩擦係数に応じて予め設定された車輪速の減速度の
閾値のうち、高μ路における小さい閾値をアンチスキッ
ド不レーキ制御の開始閾値として設定するようにしたの
で、制動開始後に不必要にアンチスキッドブレーキ制御
が行われるようなことがなくなる。
【0051】また、アンチスキッドブレーキ制御開始直
後のブレーキ圧の減圧制御の制御閾値を、路面の摩擦係
数に応じて予め設定されたスリップ率の閾値のうち、低
μ路における比較的大きい閾値を、アンチスキッドブレ
ーキ制御開始直後のブレーキ圧の減圧開始閾値として設
定するようにしたので、車輪のロック状態が早く解除さ
れ、車輪のロックが深くなるのを防止することができ
る。
【0052】また、アンチスキッドブレーキ制御の制御
開始後は、路面の摩擦係数に応じたスリップ率の閾値を
設定するようにしたので、路面の摩擦係数に応じて好適
なブレーキ圧の減圧制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリップ制御装置のブロック構成
を示す図である。
【図2】本発明に係るスリップ制御装置を備えた車両の
構成を示す図である。
【図3】路面の摩擦係数を推定するフローチャートであ
る。
【図4】車体速に対するスリップ率の閾値を示す図であ
る。
【図5】路面の摩擦係数をパラメータとした車体速に対
するスリップ率の閾値を示す図である。
【図6】本発明に係るスリップ制御装置によるアンチス
キッドブレーキ制御の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 11〜14 ブレーキ装置 15 ブレーキ制御システム 16 ブレーキペダル 17 倍力装置 18 マスタシリンダ 19,22 制動圧供給ライン 20,21,23 バルブユニット 26〜29 車輪速センサ 30 車体速算出手段 31 スリップ率算出手段 32 加減速度算出手段 33 路面状態推定手段 34 閾値読出手段 35 閾値記憶手段 36 制御サイクル判別手段 37 制御手段 38 ブレーキ圧算出手段 UTR コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 景山 文雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、ブレーキ圧を調節するブレーキ圧調節手段と、検
    出された車輪速に基づいて当該車両の車体速を算出する
    車体速算出手段と、検出された車輪速と算出された車体
    速とから車輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手
    段と、上記車輪速検出手段の検出信号に応じて車輪速の
    加速度及び減速度を算出する加減速度算出手段と、制動
    開始直後の車輪速の減速度を予め設定された閾値と比較
    し、車輪速の減速度が閾値以下に低下すると、増圧され
    たブレーキ圧を保持するように上記ブレーキ圧調節手段
    を制御するとともに、このブレーキ圧の保持制御中の車
    輪のスリップ率を予め設定された閾値と比較し、スリッ
    プ率が閾値以下に低下すると、上記ブレーキ圧を減圧す
    るように上記ブレーキ圧調節手段を制御する制御手段と
    を備えた車両のスリップ制御装置であって、路面の摩擦
    係数の増加に応じて小さくなるように減速度の閾値が予
    め記憶された第1の記憶手段と、上記車体速の低下に応
    じて低下するとともに、この車体速に対する低下率が路
    面の摩擦係数の増加に応じて増大するように車体速と路
    面の摩擦係数とをパラメータとしたスリップ率の閾値が
    予め設定された第2の記憶手段と、上記車輪速の減速度
    の閾値として上記第1の記憶手段から高μ路における閾
    値を読み出す第1の閾値読出手段と、上記スリップ率の
    閾値として上記第2の記憶手段から低μ路における閾値
    を読み出す第2の閾値読出手段とを備えたことを特徴と
    する車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両のスリップ制御装置
    において、制動開始後に路面の摩擦係数を推定する路面
    状態推定手段と、上記路面状態推定手段で推定された路
    面の摩擦係数と上記車体速算出手段で算出された車体速
    とに基づき上記第2の記憶手段からスリップ率の閾値を
    読み出す閾値読出手段とを備えたことを特徴とする車両
    のスリップ制御装置。
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