JPH058696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は情報処理装置等に実装されるプリント
基板に関し、特に搭載したLSIに同軸ケーブルか
ら高速で信号を伝搬するのに使用して有用なプリ
ント基板に関する。

（従来技術） 従来、この種のプリント基板は、第５図に示す
ように、LSI２の搭載されたピン立て基板１のリ
ードピン３を通すための複数個のスルーホール５
を有し、またその中央に同軸ケーブル１１と接続
するピン立て基板１の同軸ケーブル接続用リード
ピンを通す１個のスルーホール６および一対のグ
ランド用スルーホール７が形成され、ピン立て基
板１が半田付けによりこのプリント基板４に接続
されていた。同軸ケーブル１１をピン立て基板１
に接続するには、グランド接続用キヤツプ９をプ
リント基板４のグランド用スルーホール７に半田
付けし、同軸ケーブル１１先端の金属シエル１０
をグランドと接続し、ピン立て基板１の前記同軸
ケーブル接続用リードピンをスルーホール６から
同軸ケーブル１１の接続孔１５に挿入して接続す
る。第６図は上述した従来のプリント基板４の内
層パターン１３とスルーホール６に挿入される前
記ピン立て基板の同軸ケーブル接続用リードピン
３′との関係を示したものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した構造のプリント基板においては、伝搬
する信号は第６図で示されるようにプリント基板
４のスルーホール６を通過する際、プリント基板
４の内層パターン１３との間の結合により、波形
に歪みが生じてしまう欠点がある。これは信号が
高速になればなる程無視できない問題となる。し
たがつて高速でLSIに信号を伝搬する場合には、
プリント基板へLSIの搭載されたピン立て基板を
取り付け、プリント基板へのパターンによる伝搬
は行わず、直接同軸ケーブルからピン立て基板を
通し、LSIへ信号を伝えるようにしているが、そ
の中の高速信号用のピンはプリント基板のパター
ン配線の必要がなく、そのために前述の如くプリ
ント基板４の内層パターン１３との間の結合によ
る波形歪みが生ずることになる。

本考案は上述の問題を解決し、基板内を信号が
通過する際の波形歪みをなくして高速信号の伝搬
を可能としたプリント基板を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案によるプリント基板は、LSI搭載基板を
実装しかつ該基板のリードピンに同軸ケーブルを
接続するのに適したプリント基板において、同軸
ケーブル接続用リードピンを挿入するためのスル
ーホールを有し、該スルーホール内を絶縁体で充
填し、さらに該絶縁体に前記リードピンを通すた
めのリードピン通過孔を設けたものである。

（実施例） 次に、本考案を図面を参照して実施例につき説
明する。

第１図は本考案の実施例に係るプリント基板４
にピン立て基板１および同軸ケーブル１１を実装
する状態を示した分解斜視図である。また、第２
図はピン立て基板の実装状態における本考案のプ
リント基板の縦断面図、第３図は第２図を拡大し
た詳細な縦断面図である。第５図の従来例でも述
べたようにLSI２の搭載されたピン立て基板１に
は複数本のリードピン３が設けられており、プリ
ント基板４の複数個のリードピン用スルーホール
５に挿入され、半田付け接続される。本考案のプ
リント基板４の中心部には前記のリードピン用ス
ルーホール５とは異なる大径のスルーホール８が
設けられ、この大径スルーホール８に例えばエポ
キシ樹脂のような絶縁体１４が充填される。絶縁
体１４の中心には、ピン立て基板１に形成された
同軸ケーブル接続用のリードピン３′を挿入する
ためのリードピン通過孔１２が貫通して設けられ
ている。またプリント基板４のグランド用スルー
ホール７には該基板４の裏側からグランド接続用
キヤツプ９が挿入され、該グランド接続用キヤツ
プ９に同軸ケーブル１１の金属シエル１０の部分
が挿入される。またグランドはシールド線が同軸
ケーブル１１の金属シエル１０と接続されてい
る。同軸ケーブル１１の先端には信号接続のため
のリードピン接続孔１５が形成されている。

ピン立て基板１の同軸ケーブル接続用リードピ
ン３′はプリント基板４の絶縁体１４の通過孔１
２を通つて基板裏側へ突出し、該ピン３′がグラ
ンド接続用キヤツプ９内に嵌合される同軸ケーブ
ル１１の接続孔１５に挿入され、該接続孔内のば
ねを介して同軸ケーブル１１と接続される。なお
プリント基板中心の大径スルーホール８の大きさ
は、信号を伝搬する上で波形歪みの最も小さな内
径となるように選定される。

第４図は本考案の他の実施例を示した縦断面図
である。上述の如くピン立て基板１のリードピン
３および同軸ケーブル接続用リードピン３′をプ
リント基板のスルーホールに挿通して該リードピ
ン３′を直接同軸ケーブルに接続する代りに、第
４図の如くリード１６をもつソケツト１７を用
い、このソケツト１７にLSI搭載基板を接続する
とともに該ソケツト１７のリード１６をプリント
基板４の通過孔を通して同軸ケーブル１１のリー
ドピン接続孔１５に挿入、接続してもよい。な
お、LSI搭載基板としては必ずしも上述のような
ピン立て基板には限定されない。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、プリント
基板に設けたスルーホールに絶縁体を充填し該絶
縁体に高速信号用リードピンを挿通するようにし
たので、プリント基板の内層パターンと前記高速
信号用リードピンとの間の結合がなくなり、プリ
ント基板内を信号が通過する際の波形歪みをなく
すことができ、高速信号の伝搬が可能となる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るプリント基板に
LSI搭載基板および同軸ケーブルを実装する状態
を示した分解斜視図、第２図はピン立て基板実装
状態における本考案の実施例の縦断面図、第３図
は第２図を拡大した詳細な縦断面図、第４図は本
考案の他の実施例の縦断面図、第５図は従来のプ
リント基板とピン立て基板および同軸ケーブルの
組み付け状態を示す分解斜視図、第６図は従来の
プリント基板に対するLSI搭載基板のリードピン
の挿通接続状態を示す縦断面図である。 １……ピン立て基板、２……LSI、３……リー
ドピン、３′……同軸ケーブル接続用リードピン、
４……プリント基板、５……リードピン用スルー
ホール、７……グランド用スルーホール、８……
大径スルーホール、９……グランド接続用キヤツ
プ、１０……金属シエル、１１……同軸ケーブ
ル、１２……リードピン通過孔、１３……内層パ
ターン、１４……絶縁体、１５……リードピン接
続孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. LSI搭載基板を実装しかつ該基板のリードピン
   に同軸ケーブルを接続するのに適したプリント基
   板において、同軸ケーブル接続用リードピンを挿
   入するためのスルーホールを有し、該スルーホー
   ル内を絶縁体で充填し、さらに該絶縁体に前記リ
   ードピンを通すためのリードピン通過孔を設ける
   ことを特徴とするプリント基板。