JPH0586463B2 - - Google Patents

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JPH0586463B2
JPH0586463B2 JP4906087A JP4906087A JPH0586463B2 JP H0586463 B2 JPH0586463 B2 JP H0586463B2 JP 4906087 A JP4906087 A JP 4906087A JP 4906087 A JP4906087 A JP 4906087A JP H0586463 B2 JPH0586463 B2 JP H0586463B2
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JP
Japan
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shape memory
alloys
memory effect
alloy
effect
Prior art date
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JP4906087A
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English (en)
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JPS63216946A (ja
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Hideji Okaguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) この発明は、良好な形状記憶効果を安定して発
揮する鉄系の形状記憶合金に関するものである。 (従来の技術とその問題点) 現在、形状記憶特性を有する合金、いわゆる
“形状記憶合金”として、Ti−Ni合金、Cu合金
を始めとする非鉄系合金の他に、Fe−Ni系、Fe
−Mn系合金等の鉄系の形状記憶合金も確認され
ている。そのような鉄系合金の中でも、Fe−Mn
系合金が最も安価であるため、この系に属する形
状記憶合金の報告が目立つようになつてきた。 例えば、Mn含有量を15.9〜30.0wt%に規制し
たFe−Mn合金(特開昭55−73846号)、Mn含有
量を他の合金元素との兼ね合いで12.2〜20.5wt%
に規制したFe−Mn−Si、Ni、Cr合金(特開昭55
−76043号)、更に形状記憶効果を高めるためにSi
を4〜7wt%と高め、Mn量を26〜34wt%に規制
したFe−高Mn、高Si合金(特開昭61−201724
号)等が報告されている。 しかし、前二報告における合金では形状記憶効
果は極めて小さく(加熱、冷却による膨張、収縮
量が通常鋼の2倍程度)、形状記憶合金としての
用途には極めて不満足なものであつた。また、
Fe−高Mn−高Si合金に関しては形状記憶効果が
改善されはいるものの、Si量が高いために熱間加
工性に劣り、また、構造材としての強度も十分な
ものではない。 ここに、前述したようなFe−Mn系合金におけ
る形状記憶効果のメカニズムは必ずしも明確なも
のではないが、一般には次のように解釈されてい
る。 すなわち、冷間において加工を及び行うと歪誘
起変態によつてε−マルテンサイトが生成し、加
工歪がε−マルテンサイトとして蓄えられる。次
いで、こうした状態の合金をAc1点以上に加熱す
ると、ε−マルテンサイトからオーステナイトへ
の逆変態時に先きの冷間加工時の塑性歪、つまり
加工歪を可逆的に解放することとなり、その結
果、加工前の状態が復元され、形状記憶効果を示
すと言うものである。従つて、冷間加工の際にε
−マルテンサイトが生成し易くて加工による格子
歪(転位の発生)が抑えられる合金ほど、より優
れた形状記憶効果が得られると予想される。しか
し、従来の合金ではこの加工時のε−マルテンサ
イトの生成、導入が十分でなく、大部分の塑性歪
が転位として導入されるため良好な形状記憶効果
が得られなかつたと考えられる。 (問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上述のような視点から検討を行
い、従来知られていた鉄系の形状記憶合金にみら
れる上記のような問題点を解消し、より一層優れ
た形状記憶効果を備えたコストの安い合金を実現
すべく研究を重ねたところ、Mn量を調整したFe
−Mn合金に微量のNを添加すると加工時のε−
マルテンサイトの生成が極めて容易となり、室温
での形状記憶効果が従来の鉄系合金に比べて大幅
に改善される、との知見を得るに至つたのであ
る。 すなわち、Mn:15〜30%の鉄系合金に0.03〜
0.3%のNを含有せしめることによりオーステナ
イト相の強化がはかられ、強度上昇そして転位発
生の抑制が実現されるとともに加工時にε−マル
テンサイトの生成が促進されるのである。通常、
鉄系合金にはNは0.02%以下程度不可避的に含有
されている。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、その要旨とするところは、重量%にて、
Mn:15〜30%、N:0.03〜0.3%を含有し、残部
Feおよび不可避不純物から成る鉄基合金の形状
記憶合金であり、または該成分にさらに15%以下
のCr、Ni、6%以下のSi、Co、0.5%以下のC、
Alから成る群から選んだ1種または2種以上含
有し、残部Feおよび不可避不純物から成る組成
に構成することで、優れた形状記憶効果を安定し
て発揮せしめ得るようにした鉄基合金の形状記憶
合金である。 (作用) 次いで、この発明において合金の組成成分割合
を上記の如くに数値限定した理由を説明する。 Mn: Mnは成分は、形状記憶効果を発現するのに有
効であるε−マルテンサイトの生成に極めて大き
な影響を与える元素であるが、その含有量が15%
未満であつたり、あるいは30%を越えたりすると
室温におけるε−マルテンサイト生成が不十分と
なり、良好な形状記憶効果が得られなくなること
から、Mn含有量は15〜30%と限定した。 N: Nはオーステナイト相それ自体を著しく強化す
ると同時にγ−ε変態を促進し、形状記憶効果を
大きく向上させる効果を有するが、その効果は
0.03%以上の添加によつて得られる。また、0.3
%を越えて含有すると、熱間加工性や成形性を劣
化させるため、N含有量を0.03〜0.3%と限定し
た。好ましくは、0.08〜0.2程度である。 Cr: Crは耐食性を向上させると同時に、加工歪導
入時にε−マルテンサイトの生成を促進し、形状
記憶効果を向上させる効果があるが、15%を越え
て含有すると、加工性および形状記憶効果を劣化
させるため上限を15%とした。 Ni: Niは形状記憶効果を劣化させることなく、耐
食性および靭性を向上させる効果があるが、15%
を越えて含有すると形状記憶効果を劣化させるよ
うになるので15%を上限とした。 Si: Siはε−マルテンサイトの生成を促進し、形状
記憶効果を向上させる効果をもつが、6%を越え
て添加すると時間加工性が著しく劣化するため6
%を上限とした。 Co: Coは形状記憶効果を向上させるが、極めて高
価であり、多量に添加すると返つて形状記憶効果
を損なうので上限を6%とした。 C: Cはオーステナイトを強化し、γ→ε変態を促
進して形状記憶効果を改善する作用があるが、
0.5%を越えて添加すると、加工性、形状記憶効
果が著しく劣化するため上限を0.5%とした。 Al: Alには脱酸の作用があり、この脱酸作用を通
じて形状記憶効果を向上させる効果も有するが、
0.5%を越えて添加しても効果に変化はなく、熱
間加工性が劣化するので0.5%を上限とした。な
お、Cr,Ni,Si,Co,CおよびAlは、いずれも
結果的には本発明にかかるMn−N−Fe合金の形
状記憶効果を向上させるものであり、その意味に
おいて均等物であり、それらは、必要に応じ少な
くとも1種が前述Mn−N−Fe合金の形状記憶効
果を一層向上させるために添加されるものであ
る。 次に、この発明を実施例によつて比較例と対比
しながら説明する。 (実施例) 高周波溶解にて、第1表に示される如き化学成
分の14種の鉄合金を溶製した。 次いで、それらの合金の鋳塊を1200℃に加熱し
てから厚さ5mmの板にまで圧延し、常温にまで空
冷した後、再び1100℃に加熱して水冷すると言う
焼入れ処理を施した。このときの組織はオーステ
ナイト+微量のεマルテンサイト又はオーステナ
イト1相(比較鋼で一部α′マルテンサイト)であ
つた。 このようにして得た板材から、厚さ1mm×幅5
mm×長さ100mmの短冊状試験片を切り出し、各試
験片に対して室温での曲げ加工、Ac1点以上の加
熱、および室温までの空冷を行い、その復元率
(α値)を測定した。 ここで、復元率(α値)の測定は、次のように
実施した。 まず、種々の組成の鉄合金から、第1図aで示
されるような厚さ1mmの短冊状試験片を作成し、
次いで、室温下において第1図bで示される如く
曲率半径10mmにて90〔度〕の角度をなすまでの曲
げ加工を行い、更にその曲げ加工後の各試験片を
加熱炉中でAc1点以上の温度に加熱保持してから
室温にまで冷却し、加熱−冷却による試験片の曲
がり角度の変化〔第1図c参照〕を調査する。続
いて、この調査で得られた値から、 式:α=θ1−θ0/θ0 但し、 θ0:曲げ加工直後の試験片の曲がり角度(90度に
設定される)、 θ1:曲げ加工後、Ac1点以上の温度への加熱と室
温までの冷却とを施したときの試験片の曲がり
角度 を用いて復元率(α値)を算出するのである。 ここで、復元率(α値)が0より大きいと言う
ことは形状記憶効果が発現されていることを意味
し、前記α値が大きければ大きいほど形状記憶効
果に優れていると判断される。 これらの結果を第1表に併せて示す。 ここに、第1表に示される結果からも明らかな
ように、本発明の条件を満たす鉄合金はいずれも
復元率が0.5以上と大きな値を示している。 一方、これに対して、Mn成分やN成分の含有
量が本発明で規定する範囲から外れている比較合
金は、十分に満足できる形状記憶効果を有してい
ないことが明白である。
【表】
【表】 (注) *:本発明の範囲外
(発明の効果) 以上の説明した如く、この発明によれば、復元
率が0.5以上と、従来知られていたFe−Mn合金よ
りも著しく優れた形状記憶効果を有する低コスト
の鉄合金を得ることができ、それらを継手材料と
して利用することにより、各種構造部材の締結・
固定等における信頼性向上が達成されるのみなら
ず、より新規な産業技術開発の可能性を一層身近
かなものとすることができるなど、産業上極めて
有効な効果がもたらされるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、形状記憶効果(復元率)の測定方法
の説明図であり、第1図aは試験前の試験片を、
第1図bは曲げ加工後の試験片を、そして第1図
cはAc1点以上への加熱と冷却とを施した後の試
験片の状態とをそれぞれ示す略式説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%にて、Mn:15.0〜30.0%、N:0.03〜
    0.30%を含有し、残部Feおよび不可避不純物から
    成ることを特徴とする形状記憶合金。 2 重量%にて、Mn:15.0〜30.0%、N:0.03〜
    0.30%に加えて、それぞれ15%以下のCrおよび
    Ni、それぞれ6%以下のSiおよびCo、それぞれ
    0.5%以下のCおよびAlから成る群から選んだ1
    種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可
    避不純物から成ることを特徴とする形状記憶合
    金。
JP4906087A 1987-03-04 1987-03-04 形状記憶合金 Granted JPS63216946A (ja)

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JP4906087A JPS63216946A (ja) 1987-03-04 1987-03-04 形状記憶合金

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JPS63216946A JPS63216946A (ja) 1988-09-09
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