JPH0586213A - 成形用材料およびその成形物 - Google Patents
成形用材料およびその成形物Info
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- JPH0586213A JPH0586213A JP4026988A JP2698892A JPH0586213A JP H0586213 A JPH0586213 A JP H0586213A JP 4026988 A JP4026988 A JP 4026988A JP 2698892 A JP2698892 A JP 2698892A JP H0586213 A JPH0586213 A JP H0586213A
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】軽量で、かつ機械的強度に優れた成形物を与え
る成形用材料およびその成形物を得る。 【構成】中空状充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を
塗布したフィルム(A)の塗被面と、樹脂組成物を塗布
していないフィルム(B)との間に繊維強化材を挟み込
み、フィルム(A)に塗布された樹脂組成物中の液状成
分を該繊維強化材に含浸させてなる成形用材料、予めフ
ィルム(A)が取り除かれた前記成形用材料の2枚を、
それぞれのフィルム(A)側を内側に重ね合わせてなる
積層された成形用材料および予めフィルム(B)が取り
除かれた前記積層された成形用材料を加熱圧縮下に硬化
させた成形物。
る成形用材料およびその成形物を得る。 【構成】中空状充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を
塗布したフィルム(A)の塗被面と、樹脂組成物を塗布
していないフィルム(B)との間に繊維強化材を挟み込
み、フィルム(A)に塗布された樹脂組成物中の液状成
分を該繊維強化材に含浸させてなる成形用材料、予めフ
ィルム(A)が取り除かれた前記成形用材料の2枚を、
それぞれのフィルム(A)側を内側に重ね合わせてなる
積層された成形用材料および予めフィルム(B)が取り
除かれた前記積層された成形用材料を加熱圧縮下に硬化
させた成形物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造部品として有用な
軽量の樹脂組成物を繊維強化材に含浸させてなる成形用
材料およびその成形物に関する。
軽量の樹脂組成物を繊維強化材に含浸させてなる成形用
材料およびその成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエ
ステル樹脂などの熱硬化性樹脂を用いた繊維強化プラス
チックス(FRP)は、優れた機械的強度,耐熱性,耐
水性,耐薬品性等を有する上に生産性が高く、例えば浴
槽,水タンクパネル,洗面ボウル,自動車,車両部品等
に広く使用されている。不飽和ポリエステル樹脂または
ビニルエステル樹脂を用いたシートモールディングコン
パウンド(以下SMCと略する)は、機械的強度の高さ
のみならず、取り扱いおよび成形の容易さから従来から
多用されているが、最近これらの特性に加えて軽量化の
要求が強まってきた。軽量化の方法としては、成形用材
料に含有される充填材あるいはガラス繊維の含有量を低
減させる等の方法が挙げられるが、これらの方法による
と、一般に得られる成形物の機械的強度(例えば強度、
弾性率等)が大幅に低下してしまう。一方、シラスバル
ーンやガラスマイクロバルーン(以下GMBと略する)
に代表される中空状の軽量充填材を用いて低比重化を図
ることはよく知られているが、このような中空状の軽量
充填材の成形用材料への添加は成形物の機械的強度を著
しく低下させるため、そのような成形用材料を構造部品
用として用いることは困難であった。
ステル樹脂などの熱硬化性樹脂を用いた繊維強化プラス
チックス(FRP)は、優れた機械的強度,耐熱性,耐
水性,耐薬品性等を有する上に生産性が高く、例えば浴
槽,水タンクパネル,洗面ボウル,自動車,車両部品等
に広く使用されている。不飽和ポリエステル樹脂または
ビニルエステル樹脂を用いたシートモールディングコン
パウンド(以下SMCと略する)は、機械的強度の高さ
のみならず、取り扱いおよび成形の容易さから従来から
多用されているが、最近これらの特性に加えて軽量化の
要求が強まってきた。軽量化の方法としては、成形用材
料に含有される充填材あるいはガラス繊維の含有量を低
減させる等の方法が挙げられるが、これらの方法による
と、一般に得られる成形物の機械的強度(例えば強度、
弾性率等)が大幅に低下してしまう。一方、シラスバル
ーンやガラスマイクロバルーン(以下GMBと略する)
に代表される中空状の軽量充填材を用いて低比重化を図
ることはよく知られているが、このような中空状の軽量
充填材の成形用材料への添加は成形物の機械的強度を著
しく低下させるため、そのような成形用材料を構造部品
用として用いることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】本発明者らは、すぐれ
た軽量性と機械的物性を具備した成形物を与える成形用
材料について鋭意検討した結果、次の知見を得た。すな
わち、 (1)成形用材料に有用な中空状の軽量充填材は、それ
自身の強度が低いため、高せん弾力を受けた場合に破損
し易い。 (2)成形物表面近傍に中空状の軽量充填材が存在する
ため、成形物に外力が加わった際に表面層近傍に非常に
大きな歪みが生じ、成形物の機械的特性が著しく低下す
る。 このような現象を防ぐ方法として、中空状充填材を含ま
ない高強度のスキン層と該充填材を含む軽量のコア層を
有するいわゆるサンドイッチ構造(3層構造)の成形物
を得ることが提案されている(特開平1−225533
号公報)。しかしながら、このような方法は、一般に2
種以上の成形用材料が必要であるため、生産性の低下を
引き起こす。また、樹脂と中空状充填材からなる軽量層
と、樹脂と繊維強化材からなる強化材層とを一体化して
SMCを得ることが提案されている(特開平1−226
311号公報)。しかしながら、このような方法では、
各層に供給するための2種以上の樹脂組成物を製造する
など、製造工程が多いために生産性に劣るのみならず、
上記2層のそれぞれに樹脂が存在するため、得られるS
MCの強化材層のフィルム近傍(成形物表面部分)の樹
脂含量は高く、繊維の含有率は不充分となり、得られる
成形物はその機械的強度等に劣る、などの欠点があっ
た。
た軽量性と機械的物性を具備した成形物を与える成形用
材料について鋭意検討した結果、次の知見を得た。すな
わち、 (1)成形用材料に有用な中空状の軽量充填材は、それ
自身の強度が低いため、高せん弾力を受けた場合に破損
し易い。 (2)成形物表面近傍に中空状の軽量充填材が存在する
ため、成形物に外力が加わった際に表面層近傍に非常に
大きな歪みが生じ、成形物の機械的特性が著しく低下す
る。 このような現象を防ぐ方法として、中空状充填材を含ま
ない高強度のスキン層と該充填材を含む軽量のコア層を
有するいわゆるサンドイッチ構造(3層構造)の成形物
を得ることが提案されている(特開平1−225533
号公報)。しかしながら、このような方法は、一般に2
種以上の成形用材料が必要であるため、生産性の低下を
引き起こす。また、樹脂と中空状充填材からなる軽量層
と、樹脂と繊維強化材からなる強化材層とを一体化して
SMCを得ることが提案されている(特開平1−226
311号公報)。しかしながら、このような方法では、
各層に供給するための2種以上の樹脂組成物を製造する
など、製造工程が多いために生産性に劣るのみならず、
上記2層のそれぞれに樹脂が存在するため、得られるS
MCの強化材層のフィルム近傍(成形物表面部分)の樹
脂含量は高く、繊維の含有率は不充分となり、得られる
成形物はその機械的強度等に劣る、などの欠点があっ
た。
【0004】本発明者らは、上記の知見にもとづき、さ
らに鋭意検討した結果、中空状充填材を含有する熱硬化
性樹脂組成物を塗布したフィルム(A)の塗被面と、樹
脂組成物を塗布していないフィルム(B)との間に、上
記樹脂組成物中の液状成分で含浸させてなる繊維強化材
層を形成させて成形用材料を得、フィルム(A)を予め
取り除いた該成形用材料の2枚をそれぞれのフィルム
(A)側を内側に重ね合わせ、フィルム(B)を取り除
いて加熱圧縮下に硬化することにより、成形物表面近傍
には、十分な量の繊維強化材を含有するが中空状充填材
はほとんど含有せず、かつ成形物の内部には十分な量の
中空状充填材を含有する軽量でかつ機械的強度に優れた
成形物が得られることを見いだし、さらに検討した結果
本発明を完成するに至った。
らに鋭意検討した結果、中空状充填材を含有する熱硬化
性樹脂組成物を塗布したフィルム(A)の塗被面と、樹
脂組成物を塗布していないフィルム(B)との間に、上
記樹脂組成物中の液状成分で含浸させてなる繊維強化材
層を形成させて成形用材料を得、フィルム(A)を予め
取り除いた該成形用材料の2枚をそれぞれのフィルム
(A)側を内側に重ね合わせ、フィルム(B)を取り除
いて加熱圧縮下に硬化することにより、成形物表面近傍
には、十分な量の繊維強化材を含有するが中空状充填材
はほとんど含有せず、かつ成形物の内部には十分な量の
中空状充填材を含有する軽量でかつ機械的強度に優れた
成形物が得られることを見いだし、さらに検討した結果
本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための方法】すなわち、本発明は、中
空状充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を塗布したフ
ィルム(A)の塗被面と、樹脂組成物を塗布していない
フィルム(B)との間に繊維強化材を挟み込み、フィル
ム(A)に塗布された樹脂組成物中の液状成分を該繊維
強化材に含浸させてなる成形用材料、予めフィルム
(A)が取り除かれた前記成形用材料の2枚を、それぞ
れのフィルム(A)側を内側に重ね合わせてなる積層成
形用材料および予めフィルム(B)が取り除かれた前記
の積層成形用材料を加熱圧縮下に硬化させた成形物に関
する。
空状充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を塗布したフ
ィルム(A)の塗被面と、樹脂組成物を塗布していない
フィルム(B)との間に繊維強化材を挟み込み、フィル
ム(A)に塗布された樹脂組成物中の液状成分を該繊維
強化材に含浸させてなる成形用材料、予めフィルム
(A)が取り除かれた前記成形用材料の2枚を、それぞ
れのフィルム(A)側を内側に重ね合わせてなる積層成
形用材料および予めフィルム(B)が取り除かれた前記
の積層成形用材料を加熱圧縮下に硬化させた成形物に関
する。
【0006】本発明に用いる中空状充填材は、数平均粒
子径が100μ以下、好ましくは20〜65μ、更に好
ましくは35〜50μでの中空状充填材であれば良く、
真比重が約0.2〜1.2程度、好ましくは約0.3〜0.
8程度のものが通常用いられる。特に独立気泡を有する
ものが好ましく、例えばGMB、シラスバルーン、セラ
ミック中空体等を用いることができるが、中でもGMB
を用いるのが好ましい。中空状充填材の使用量は、後述
の樹脂成分とビニル単量体との混合物100重量部に対
して10〜200重量部程度、特に好ましくは10〜1
00重量部程度である。中空状充填材と樹脂との濡れ性
を改善し、さらに中空状充填材に含まれるアルカリ金属
の溶出を抑えるために、例えばシランカップリング剤
や、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂などで表面処理された中空状充填材も本
発明に使用することができる。
子径が100μ以下、好ましくは20〜65μ、更に好
ましくは35〜50μでの中空状充填材であれば良く、
真比重が約0.2〜1.2程度、好ましくは約0.3〜0.
8程度のものが通常用いられる。特に独立気泡を有する
ものが好ましく、例えばGMB、シラスバルーン、セラ
ミック中空体等を用いることができるが、中でもGMB
を用いるのが好ましい。中空状充填材の使用量は、後述
の樹脂成分とビニル単量体との混合物100重量部に対
して10〜200重量部程度、特に好ましくは10〜1
00重量部程度である。中空状充填材と樹脂との濡れ性
を改善し、さらに中空状充填材に含まれるアルカリ金属
の溶出を抑えるために、例えばシランカップリング剤
や、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂などで表面処理された中空状充填材も本
発明に使用することができる。
【0007】本発明で用いられる中空状充填材を含有す
る樹脂組成物を構成する樹脂成分としては、例えば不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂およびエポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは単独ま
たは2種以上の混合物として用いられるが、中でも不飽
和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂が好まし
く用いられる。通常、該樹脂成分は、後述のビニル単量
体に溶解した形で用いられ、該樹脂成分中の含有量は2
0〜60重量%程度、好ましくは30〜50重量%程度
である。
る樹脂組成物を構成する樹脂成分としては、例えば不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂およびエポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは単独ま
たは2種以上の混合物として用いられるが、中でも不飽
和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂が好まし
く用いられる。通常、該樹脂成分は、後述のビニル単量
体に溶解した形で用いられ、該樹脂成分中の含有量は2
0〜60重量%程度、好ましくは30〜50重量%程度
である。
【0008】本発明で用いられる不飽和ポリエステル
は、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸とグリコ
ールとの縮合で合成されるもので、従来から汎用されて
いるものである。該ポリエステルの合成には、これら2
成分の他に飽和ジカルボン酸や、芳香族ジカルボン酸あ
るいはジカルボン酸と反応するジシクロペンタジエンな
ども併用することができる。α,β−オレフィン系不飽
和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらジカルボン
酸の無水物が挙げられる。α,β−オレフィン系不飽和
ジカルボン酸と併用されるジカルボン酸としては、例え
ばアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フ
タル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、テトラクロロフタル酸無水物等が挙げら
れる。グリコールとしては、例えばアルカンジオール、
オキサアルカンジオール、ビスフェノールAにエチレン
オキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオ
キサイドを付加したジオール等が用いられる。アルカン
ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジオール等が挙げられる。オキサアルカンジ
オールとしては、例えばジオキシエチレングリコール、
トリオキシエチレングリコール等が挙げられる。これら
グリコールは必要に応じて1価または3価のアルコール
と併用してもよい。その例としては、例えばオクチルア
ルコール、オレイルアルコール、トリメチロールプロパ
ン等が挙げられる。不飽和ポリエステルの合成は一般に
加熱下でおこなわれ、副生する水を除去しながら反応を
進める。本発明では、通常数平均分子量が800〜4,
000の不飽和ポリエステルが好ましく用いられ、ポリ
エステル/スチレン=60/40(重量比)のスチレン
溶液として、酸価が0〜50mgKOH/gr,水酸基価が1
0〜50 mgKOH/gr、25℃における粘度が500〜3
000cpsである不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
は、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸とグリコ
ールとの縮合で合成されるもので、従来から汎用されて
いるものである。該ポリエステルの合成には、これら2
成分の他に飽和ジカルボン酸や、芳香族ジカルボン酸あ
るいはジカルボン酸と反応するジシクロペンタジエンな
ども併用することができる。α,β−オレフィン系不飽
和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらジカルボン
酸の無水物が挙げられる。α,β−オレフィン系不飽和
ジカルボン酸と併用されるジカルボン酸としては、例え
ばアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フ
タル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、テトラクロロフタル酸無水物等が挙げら
れる。グリコールとしては、例えばアルカンジオール、
オキサアルカンジオール、ビスフェノールAにエチレン
オキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオ
キサイドを付加したジオール等が用いられる。アルカン
ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジオール等が挙げられる。オキサアルカンジ
オールとしては、例えばジオキシエチレングリコール、
トリオキシエチレングリコール等が挙げられる。これら
グリコールは必要に応じて1価または3価のアルコール
と併用してもよい。その例としては、例えばオクチルア
ルコール、オレイルアルコール、トリメチロールプロパ
ン等が挙げられる。不飽和ポリエステルの合成は一般に
加熱下でおこなわれ、副生する水を除去しながら反応を
進める。本発明では、通常数平均分子量が800〜4,
000の不飽和ポリエステルが好ましく用いられ、ポリ
エステル/スチレン=60/40(重量比)のスチレン
溶液として、酸価が0〜50mgKOH/gr,水酸基価が1
0〜50 mgKOH/gr、25℃における粘度が500〜3
000cpsである不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0009】本発明で用いられるビニルエステルは、エ
ポキシ樹脂に例えばアクリル酸,メタクリル酸等の不飽
和カルボン酸を付加することにより合成されるもので、
従来から汎用されているものである。該ビニルエステル
の合成に用いられるエポキシ樹脂は、例えば2官能のビ
スフェノールA型、ビスフェノールF型および多官能の
ノボラック型等が挙げられる。反応させる不飽和カルボ
ン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸等が挙げられる。また必要に応じて酢酸、酪
酸、オクチル酸、安息香酸等の1価の飽和カルボン酸や
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
テトラクロロフタル酸等の2価の飽和カルボン酸を併用
してもよい。ビニルエステルの合成は、一般に70〜1
50℃の加熱下で行なわれ、アミン類や有機酸塩類およ
び第4アンモニウム塩類、金属ハロゲン化物、金属水酸
化物等の触媒が用いられる。また、必要に応じてキノン
類、多価フェノール類等の重合禁止剤を用いても良い。
本発明では、通常数平均分子量が400〜4,000の
ビニルエステルが好ましく用いられ、ビニルエステル/
スチレン=60/40(重量比)のスチレン溶液として
水酸基価が100〜200mgKOH/gr、25℃における
粘度が500〜3000cpsであるビニルエステル樹脂
が好ましい。
ポキシ樹脂に例えばアクリル酸,メタクリル酸等の不飽
和カルボン酸を付加することにより合成されるもので、
従来から汎用されているものである。該ビニルエステル
の合成に用いられるエポキシ樹脂は、例えば2官能のビ
スフェノールA型、ビスフェノールF型および多官能の
ノボラック型等が挙げられる。反応させる不飽和カルボ
ン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸等が挙げられる。また必要に応じて酢酸、酪
酸、オクチル酸、安息香酸等の1価の飽和カルボン酸や
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
テトラクロロフタル酸等の2価の飽和カルボン酸を併用
してもよい。ビニルエステルの合成は、一般に70〜1
50℃の加熱下で行なわれ、アミン類や有機酸塩類およ
び第4アンモニウム塩類、金属ハロゲン化物、金属水酸
化物等の触媒が用いられる。また、必要に応じてキノン
類、多価フェノール類等の重合禁止剤を用いても良い。
本発明では、通常数平均分子量が400〜4,000の
ビニルエステルが好ましく用いられ、ビニルエステル/
スチレン=60/40(重量比)のスチレン溶液として
水酸基価が100〜200mgKOH/gr、25℃における
粘度が500〜3000cpsであるビニルエステル樹脂
が好ましい。
【0010】本発明で用いられるエポキシ樹脂として
は、前記ビニルエステル樹脂の合成の際に用いられるエ
ポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型,ビスフェノー
ルF型で代表されるビス系エポキシ樹脂およびノボラッ
ク系エポキシ樹脂が挙げられる。この樹脂は、例えばポ
リアミン類、酸無水物、多価フェノール及びジシアンジ
アミド等の硬化剤の1種または2種以上と組み合わせて
用いられる。さらにこれに加えて、他のアミン類、イミ
ダゾール系化合物、有機金属塩等を促進剤として併用す
ることもできる。
は、前記ビニルエステル樹脂の合成の際に用いられるエ
ポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型,ビスフェノー
ルF型で代表されるビス系エポキシ樹脂およびノボラッ
ク系エポキシ樹脂が挙げられる。この樹脂は、例えばポ
リアミン類、酸無水物、多価フェノール及びジシアンジ
アミド等の硬化剤の1種または2種以上と組み合わせて
用いられる。さらにこれに加えて、他のアミン類、イミ
ダゾール系化合物、有機金属塩等を促進剤として併用す
ることもできる。
【0011】本発明の樹脂組成物は、前記中空状充填材
及び樹脂成分以外に、さらにビニル単量体および重合開
始剤を含有している。本発明で用いられるビニル単量体
としては、従来から前記樹脂成分の架橋剤または希釈剤
として慣用されているビニル単量体で、例えばスチレ
ン、p-クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレートなどの芳香族ビニル単量
体、アクリル酸、アクリル酸メチルエステル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチルエステル、アクリロニトリ
ル、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トルメ
チロールプロパントリメタクリレートなどのアクリル系
ビニル単量体等が挙げられる。ビニル単量体の使用量
は、前記の樹脂成分を溶解するために用いるものを含め
て、本発明の樹脂組成物(中空状充填材を含む)100
重量部に対し10〜80重量部程度、好ましくは20〜
60重量部程度である。
及び樹脂成分以外に、さらにビニル単量体および重合開
始剤を含有している。本発明で用いられるビニル単量体
としては、従来から前記樹脂成分の架橋剤または希釈剤
として慣用されているビニル単量体で、例えばスチレ
ン、p-クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレートなどの芳香族ビニル単量
体、アクリル酸、アクリル酸メチルエステル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチルエステル、アクリロニトリ
ル、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トルメ
チロールプロパントリメタクリレートなどのアクリル系
ビニル単量体等が挙げられる。ビニル単量体の使用量
は、前記の樹脂成分を溶解するために用いるものを含め
て、本発明の樹脂組成物(中空状充填材を含む)100
重量部に対し10〜80重量部程度、好ましくは20〜
60重量部程度である。
【0012】本発明で用いられる重合開始剤としては、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキ
シオクトエートなどのパーオキシエステル類、1,1−
ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンなどのパーオキシ ケタール類、t-ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシ
カーボネート類等が挙げられ、これらの少なくとも1
種を樹脂組成物(中空状充填材を含む)100重量部に
対し0.5〜5重量部程度、好ましくは1〜3重量 部程
度の範囲で使用する。また、特開平1−315458号
公報に記載されている重合促進剤(例えばコバルトの有
機金属塩等)を上記重合開始剤と併用し、速硬化を図る
こともできる。
t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキ
シオクトエートなどのパーオキシエステル類、1,1−
ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンなどのパーオキシ ケタール類、t-ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシ
カーボネート類等が挙げられ、これらの少なくとも1
種を樹脂組成物(中空状充填材を含む)100重量部に
対し0.5〜5重量部程度、好ましくは1〜3重量 部程
度の範囲で使用する。また、特開平1−315458号
公報に記載されている重合促進剤(例えばコバルトの有
機金属塩等)を上記重合開始剤と併用し、速硬化を図る
こともできる。
【0013】本発明の樹脂組成物は、必要に応じて上記
以外に、例えば熱可塑性樹脂、充填剤、重合抑制剤、顔
料、増粘剤等を配合することができる。熱可塑性樹脂と
しては、従来不飽和ポリエステル樹脂の低収縮化剤とし
て広く用いられているもの、例えばポリブタジエンまた
はその水素添加物、ポリイソプレンまたはその水素添加
物、芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体または
その水素添加物、ポリスチレン、スチレン/酢酸ビニル
ブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタク
リレート等が挙げられ、さらには飽和ポリエステル(分
子量3,000〜100,000)、ポリエーテル等が挙
げられる。充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、ガラス粉等が挙げられる。重合抑制剤と
しては、例えばパラベンゾキノン、t-ブチルカテコー
ル等が挙げられる。顔料としては、例えば酸化チタン、
カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等が挙
げられる。増粘剤としては、例えばマグネシウム、カル
シウム等のアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、
例えばトリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジ
イソシアネ−ト等の多官能イソシアネート類が挙げられ
る。
以外に、例えば熱可塑性樹脂、充填剤、重合抑制剤、顔
料、増粘剤等を配合することができる。熱可塑性樹脂と
しては、従来不飽和ポリエステル樹脂の低収縮化剤とし
て広く用いられているもの、例えばポリブタジエンまた
はその水素添加物、ポリイソプレンまたはその水素添加
物、芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体または
その水素添加物、ポリスチレン、スチレン/酢酸ビニル
ブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタク
リレート等が挙げられ、さらには飽和ポリエステル(分
子量3,000〜100,000)、ポリエーテル等が挙
げられる。充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、ガラス粉等が挙げられる。重合抑制剤と
しては、例えばパラベンゾキノン、t-ブチルカテコー
ル等が挙げられる。顔料としては、例えば酸化チタン、
カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等が挙
げられる。増粘剤としては、例えばマグネシウム、カル
シウム等のアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、
例えばトリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジ
イソシアネ−ト等の多官能イソシアネート類が挙げられ
る。
【0014】本発明の成形用材料は、上記のようにして
得られる中空状充填材を含有する樹脂組成物を用い、汎
用のSMC製造装置を用いて製造することができる。す
なわち、該樹脂組成物のペーストを、ドクターブレード
等を介して上下いずれか一方のフィルムの片面に塗布
し、該塗被面と他方の樹脂組成物を塗布していないフィ
ルムとの間に繊維強化材をサンドウィッチ状に挟み込
み、押圧することで樹脂組成物中の液状成分を該繊維強
化材へ含浸させて繊維強化材層を形成させ、ロール状に
巻き取り、これを常温〜約40℃の温度で適宜時間熟成
し、取り扱いやすい成形用材料とすることができる。こ
こで、樹脂組成物中の液状成分とは、組成物中の中空状
充填材以外の成分をいい、具体的には例えば樹脂成分、
ビニル単量体、重合開始剤、熱可塑性樹脂、重合抑制
剤、増粘剤などが挙げられる。
得られる中空状充填材を含有する樹脂組成物を用い、汎
用のSMC製造装置を用いて製造することができる。す
なわち、該樹脂組成物のペーストを、ドクターブレード
等を介して上下いずれか一方のフィルムの片面に塗布
し、該塗被面と他方の樹脂組成物を塗布していないフィ
ルムとの間に繊維強化材をサンドウィッチ状に挟み込
み、押圧することで樹脂組成物中の液状成分を該繊維強
化材へ含浸させて繊維強化材層を形成させ、ロール状に
巻き取り、これを常温〜約40℃の温度で適宜時間熟成
し、取り扱いやすい成形用材料とすることができる。こ
こで、樹脂組成物中の液状成分とは、組成物中の中空状
充填材以外の成分をいい、具体的には例えば樹脂成分、
ビニル単量体、重合開始剤、熱可塑性樹脂、重合抑制
剤、増粘剤などが挙げられる。
【0015】本発明で用いられるフィルムとしては、熱
可塑性フィルムであればいずれでもよく、例えばポリエ
チレンフィルム、塩化ビニルフィルム等が挙げられる。
また、本発明で用いられる繊維強化材としては、例えば
ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊維、高
強度ポリエチレン繊維等の有機繊維が挙げられる。該繊
維強化材は、チョップドストランドやコンティニュアス
ストランドマット、クロス、不織布などが用いられる。
該繊維強化材は通常、本発明の成形用材料全量に対して
10〜80重量%程度、好ましくは30〜70重量%程
度となるように配合される。10重量%未満では良好な
成形物の機械的強度が得られないと共に中空状充填材の
繊維強化材によるろ過効果が得られないことがあり、8
0重量%を超えると前記液状成分の繊維強化材への含浸
に不良をきたすことがある。該繊維強化材の単位重量は
0.5〜7.0Kg/m2程度、好ましくは1.0〜4.5
Kg/m2程度である。0.5Kg/m2未満ではろ過効
果が不十分なことがあり、7.0Kg/m2を越えると前
記液状成分の繊維強化材への含浸が不十分なことがあ
る。
可塑性フィルムであればいずれでもよく、例えばポリエ
チレンフィルム、塩化ビニルフィルム等が挙げられる。
また、本発明で用いられる繊維強化材としては、例えば
ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊維、高
強度ポリエチレン繊維等の有機繊維が挙げられる。該繊
維強化材は、チョップドストランドやコンティニュアス
ストランドマット、クロス、不織布などが用いられる。
該繊維強化材は通常、本発明の成形用材料全量に対して
10〜80重量%程度、好ましくは30〜70重量%程
度となるように配合される。10重量%未満では良好な
成形物の機械的強度が得られないと共に中空状充填材の
繊維強化材によるろ過効果が得られないことがあり、8
0重量%を超えると前記液状成分の繊維強化材への含浸
に不良をきたすことがある。該繊維強化材の単位重量は
0.5〜7.0Kg/m2程度、好ましくは1.0〜4.5
Kg/m2程度である。0.5Kg/m2未満ではろ過効
果が不十分なことがあり、7.0Kg/m2を越えると前
記液状成分の繊維強化材への含浸が不十分なことがあ
る。
【0016】予めフィルム(A)が取り除かれた本発明
の成形用材料2枚を、それぞれのフィルム(A)側を重
ね合わせ、フィルム(B)を取り除いて通常のプレス機
械等を用いて加熱圧縮(温度50〜180℃、圧力10
〜200Kgf/cm2)して硬化させることにより、
内部には十分な量の中空状充填材を含有し、表面近傍に
は中空状充填材をほとんど含有せずかつ十分な繊維強化
材を含有する、軽量でかつ機械的強度に優れた成形物を
製造することができる。なお、本発明の積層成形用材料
は、フィルム(B)を保持した状態で保存,熟成するこ
とができるため、フィルム(A)は、成形用材料を重ね
合わせる直前であれば硬化前のいつの段階に取り除いて
もよく、例えば、硬化させる直前にフィルム(B)と同
時に取り除くこともできる。本発明では、一方のフィル
ム、すなわちフィルム(A)にだけ中空状充填材を含有
する樹脂組成物を塗布することにより、中空状充填材が
繊維強化材によって効果的にろ過されてフィルム(A)
側に残り、該樹脂組成物中の液状成分がフィルム(B)
側へ含浸される。したがって、本発明では一方のフィル
ムのみを塗布するだけの作業ですむので生産性に優れ
る。さらに、本発明の成形用材料は、そのフィルム
(A)側には十分な量の中空状充填材を含有するが、フ
ィルム(B)側には中空状充填材をほとんど含有せず、
また、フィルム(A)側から樹脂組成物を塗布していな
いフィルム(B)側へ樹脂組成物中の液状成分を含浸さ
せるため、フィルム(B)に近い部分ほど樹脂の含有率
が低くかつ繊維の含有率が高くなるので、成形物に高い
機械的強度を与えるうえで優れた構造を有する成形用材
料となる。すなわち、予めフィルム(A)が取り除かれ
た上記成形用材料の2枚を、それぞれの(A)側が内側
となるように重ね合わせた構造の本発明の積層成形用材
料は、それを硬化させることで軽量でかつ非常に高い機
械的強度を有する成形物が得られるため、軽量かつ機械
的強度が要求される構造部材を製造する際に特に有利に
用いられる。以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
の成形用材料2枚を、それぞれのフィルム(A)側を重
ね合わせ、フィルム(B)を取り除いて通常のプレス機
械等を用いて加熱圧縮(温度50〜180℃、圧力10
〜200Kgf/cm2)して硬化させることにより、
内部には十分な量の中空状充填材を含有し、表面近傍に
は中空状充填材をほとんど含有せずかつ十分な繊維強化
材を含有する、軽量でかつ機械的強度に優れた成形物を
製造することができる。なお、本発明の積層成形用材料
は、フィルム(B)を保持した状態で保存,熟成するこ
とができるため、フィルム(A)は、成形用材料を重ね
合わせる直前であれば硬化前のいつの段階に取り除いて
もよく、例えば、硬化させる直前にフィルム(B)と同
時に取り除くこともできる。本発明では、一方のフィル
ム、すなわちフィルム(A)にだけ中空状充填材を含有
する樹脂組成物を塗布することにより、中空状充填材が
繊維強化材によって効果的にろ過されてフィルム(A)
側に残り、該樹脂組成物中の液状成分がフィルム(B)
側へ含浸される。したがって、本発明では一方のフィル
ムのみを塗布するだけの作業ですむので生産性に優れ
る。さらに、本発明の成形用材料は、そのフィルム
(A)側には十分な量の中空状充填材を含有するが、フ
ィルム(B)側には中空状充填材をほとんど含有せず、
また、フィルム(A)側から樹脂組成物を塗布していな
いフィルム(B)側へ樹脂組成物中の液状成分を含浸さ
せるため、フィルム(B)に近い部分ほど樹脂の含有率
が低くかつ繊維の含有率が高くなるので、成形物に高い
機械的強度を与えるうえで優れた構造を有する成形用材
料となる。すなわち、予めフィルム(A)が取り除かれ
た上記成形用材料の2枚を、それぞれの(A)側が内側
となるように重ね合わせた構造の本発明の積層成形用材
料は、それを硬化させることで軽量でかつ非常に高い機
械的強度を有する成形物が得られるため、軽量かつ機械
的強度が要求される構造部材を製造する際に特に有利に
用いられる。以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
【0017】
実施例1〜12および比較例1〜12 〔表1〕および〔表2〕に示す組成で成形用材料を調整
した。表中、不飽和ポリエステル樹脂Aは、プロピレン
グリコール1.0モルと無水マレイン酸0.7モル、イソ
フタル酸0.3モルから合成された不飽和ポリエステル
からなり、35重量%のスチレンを含有し、25℃にお
ける粘度が1,350cps、酸価が17.3mg KOH/gr
の不飽和ポリエステルスチレン溶液である。また、不飽
和ポリエステル樹脂Bは、プロピレングリコール1.1
モルと無水マレイン酸0.7モル、イソフタル酸0.3モ
ルから合成された不飽和ポリエステルからなり、35重
量%のスチレンを含有し、25℃における粘度が2,3
00cps、酸価が4.5mg KOH/gr,水酸基価が35.
0mg KOH/grの不飽和ポリエステルスチレン溶液であ
る。ビニルエステル樹脂Aは、市販のビスフェノールA
型エポキシ樹脂1モルとメタクリル酸2モルとから合成
されたビニルエステルからなり、45重量%のスチレン
を含有しており、25℃における粘度が200cps、
水酸基価122mg KOH/grのビニルエステルスチレン溶
液である。ガラスマイクロバルーンAは平均粒子径45
μm、真比重0.35のもので、ガラスマイクロバルー
ンBは平均粒子径40μm、真比重0.40のものであ
る。MDIプレポリマーはアミン当量が180のジフェ
ニルメタンジイソシアネートのプレポリマーである。実
施例1〜12では、通常不飽和ポリエステル樹脂系SM
Cの製造に使用される含浸機のドクターブレードに、混
合した樹脂組成物のペーストを入れ、ドクターブレード
を介して上方のポリエチレンフィルム(A)に一定量の
ペーストを塗布した後、下方の樹脂組成物を塗布してい
ないポリエチレンフィルム(B)の上に1インチの長さ
のガラス繊維のチョップドストランドを落下させ、前記
上方フィルムの塗被面で挟み込み、サンドウィッチ状と
した。これを含浸ロールを用いて押圧して前記ペースト
中の液状成分をチョップドストランドに含浸させ、ロー
ル状に巻き取って40℃で3日間熟成し、SMC状の成
形用材料を得た。さらに予めフィルム(A)を取り除い
た該成形用材料の2枚をそれぞれのフィルム(A)側を
重ね合わせ、フィルム(B)を取り除いてキープ時間8
0秒、温度140〜150℃、圧力60Kgf/cm2
で所定の条件下に加圧圧縮して硬化させ、300×30
0mm、厚み3mmの成形物を得た。比較例1〜12で
は、2枚のポリエチレンフィルムに同量の樹脂組成物を
塗布した以外は、実施例と同様に行って、成形用材料と
成形物を得た。成形物の曲げ強度の測定はJIS K-7
055にしたがって測定した。表1〜4に示すように、
本発明の成形物は比較例の成形物と比較して、機械的強
度に優れることは明らかである。
した。表中、不飽和ポリエステル樹脂Aは、プロピレン
グリコール1.0モルと無水マレイン酸0.7モル、イソ
フタル酸0.3モルから合成された不飽和ポリエステル
からなり、35重量%のスチレンを含有し、25℃にお
ける粘度が1,350cps、酸価が17.3mg KOH/gr
の不飽和ポリエステルスチレン溶液である。また、不飽
和ポリエステル樹脂Bは、プロピレングリコール1.1
モルと無水マレイン酸0.7モル、イソフタル酸0.3モ
ルから合成された不飽和ポリエステルからなり、35重
量%のスチレンを含有し、25℃における粘度が2,3
00cps、酸価が4.5mg KOH/gr,水酸基価が35.
0mg KOH/grの不飽和ポリエステルスチレン溶液であ
る。ビニルエステル樹脂Aは、市販のビスフェノールA
型エポキシ樹脂1モルとメタクリル酸2モルとから合成
されたビニルエステルからなり、45重量%のスチレン
を含有しており、25℃における粘度が200cps、
水酸基価122mg KOH/grのビニルエステルスチレン溶
液である。ガラスマイクロバルーンAは平均粒子径45
μm、真比重0.35のもので、ガラスマイクロバルー
ンBは平均粒子径40μm、真比重0.40のものであ
る。MDIプレポリマーはアミン当量が180のジフェ
ニルメタンジイソシアネートのプレポリマーである。実
施例1〜12では、通常不飽和ポリエステル樹脂系SM
Cの製造に使用される含浸機のドクターブレードに、混
合した樹脂組成物のペーストを入れ、ドクターブレード
を介して上方のポリエチレンフィルム(A)に一定量の
ペーストを塗布した後、下方の樹脂組成物を塗布してい
ないポリエチレンフィルム(B)の上に1インチの長さ
のガラス繊維のチョップドストランドを落下させ、前記
上方フィルムの塗被面で挟み込み、サンドウィッチ状と
した。これを含浸ロールを用いて押圧して前記ペースト
中の液状成分をチョップドストランドに含浸させ、ロー
ル状に巻き取って40℃で3日間熟成し、SMC状の成
形用材料を得た。さらに予めフィルム(A)を取り除い
た該成形用材料の2枚をそれぞれのフィルム(A)側を
重ね合わせ、フィルム(B)を取り除いてキープ時間8
0秒、温度140〜150℃、圧力60Kgf/cm2
で所定の条件下に加圧圧縮して硬化させ、300×30
0mm、厚み3mmの成形物を得た。比較例1〜12で
は、2枚のポリエチレンフィルムに同量の樹脂組成物を
塗布した以外は、実施例と同様に行って、成形用材料と
成形物を得た。成形物の曲げ強度の測定はJIS K-7
055にしたがって測定した。表1〜4に示すように、
本発明の成形物は比較例の成形物と比較して、機械的強
度に優れることは明らかである。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【発明の効果】本発明の成形用材料は、繊維強化材の片
面から、樹脂組成物中の液状成分を含浸させてるという
方法を採ることにより、機械的強度に優れた成形物を与
える理想的な構造を有する成形用材料となる。また、該
成形用材料を用いて成形物を製造する場合、それが持つ
理想的な構造のため、数種の成形用材料を製造する必要
がないので製造工程が短く、生産性に優れる。本発明の
成形用材料は、その比重が小さいために成形物の軽量化
を図ることができ、かつ本発明の成形用材料を用いて得
られる成形物は、軽量でかつ機械的強度に優れることか
ら、構造部品等の製造にきわめて有用である。
面から、樹脂組成物中の液状成分を含浸させてるという
方法を採ることにより、機械的強度に優れた成形物を与
える理想的な構造を有する成形用材料となる。また、該
成形用材料を用いて成形物を製造する場合、それが持つ
理想的な構造のため、数種の成形用材料を製造する必要
がないので製造工程が短く、生産性に優れる。本発明の
成形用材料は、その比重が小さいために成形物の軽量化
を図ることができ、かつ本発明の成形用材料を用いて得
られる成形物は、軽量でかつ機械的強度に優れることか
ら、構造部品等の製造にきわめて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 17/04 Z 7148−4F C08J 5/06 7188−4F // B29K 105:06
Claims (3)
- 【請求項1】中空状充填材を含有する熱硬化性樹脂組成
物を塗布したフィルム(A)の塗被面と、樹脂組成物を
塗布していないフィルム(B)との間に繊維強化材を挟
み込み、フィルム(A)に塗布された樹脂組成物中の液
状成分を該繊維強化材に含浸させてなる成形用材料。 - 【請求項2】予めフィルム(A)が取り除かれた請求項
(1)記載の成形用材料の2枚を、それぞれのフィルム
(A)側を内側に重ね合わせてなる積層成形用材料。 - 【請求項3】予めフィルム(B)が取り除かれた請求項
(2)記載の成形用材料を加熱圧縮下に硬化させた成形
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4026988A JPH0586213A (ja) | 1991-02-14 | 1992-02-14 | 成形用材料およびその成形物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118091 | 1991-02-14 | ||
JP3-21180 | 1991-02-14 | ||
JP4026988A JPH0586213A (ja) | 1991-02-14 | 1992-02-14 | 成形用材料およびその成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586213A true JPH0586213A (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=26358215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4026988A Pending JPH0586213A (ja) | 1991-02-14 | 1992-02-14 | 成形用材料およびその成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0586213A (ja) |
-
1992
- 1992-02-14 JP JP4026988A patent/JPH0586213A/ja active Pending
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