JPH0586166A - エポキシ樹脂変性体およびその組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂変性体およびその組成物

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JPH0586166A
JPH0586166A JP3138626A JP13862691A JPH0586166A JP H0586166 A JPH0586166 A JP H0586166A JP 3138626 A JP3138626 A JP 3138626A JP 13862691 A JP13862691 A JP 13862691A JP H0586166 A JPH0586166 A JP H0586166A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビスフエノール型エポキシ樹脂の耐熱性を低
減させることなしに、改善された強靱性を有するエポキ
シ樹脂組成物を提供する。 【構成】 ビスフェノール型エポキシ化合物、硬化剤と
して芳香族ジアミン、更にフェノール性水酸基含有アラ
ミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重
合体とから成るエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂変性体及
びこれを添加することにより強靱性を改善したエポキシ
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂の改質は特に盛んに行わ
れ、その応用範囲の拡大が図られている。エポキシ樹脂
は電気的特性、接着性、熱特性等が優れているが、一般
に脆く、硬化時や使用時の応力歪み、熱や力学的衝撃に
よって容易にクラックが発生する問題がある。この問題
に対して、長鎖脂肪族基やゴム状性質を持つ硬化剤の使
用、エラストマー的性質を持つ化合物の添加、アスファ
ルト物質、グリコール類等の可塑剤の添加、ガラス繊
維、アラミド繊維、炭素繊維等の繊維の添加、エポキシ
化合物自体へのゴム弾性を示す分子基の導入等により、
その強靱化を図ることが行われている(越智 光一、高
分子 38(3)、200(1989))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の物質がエポキシ樹脂と十分に相溶せず、十分な複合化
の特性が得られない、またエポキシ樹脂の優れた耐熱性
や接着性等の特性を損なう、非常にコスト高となる等の
問題が発生しており、充分な複合効果を発揮することが
出来ない、またコスト的に使用出来ない等の問題を有し
ている。本発明はこれらの問題点を鑑みてなされたもの
で、エポキシ樹脂の耐熱性、接着性等を低減させること
なしに、改善された強靱性を与えるエポキシ樹脂組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、一般式(I)
で示すビスフェノール型エポキシ樹脂と一般式(II)で
示すフェノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン
−アクリロニトリルブロック共重合体との反応生成物す
なわちエポキシ樹脂変性体を用いることにより、エポキ
シ樹脂の特性を低減させることなく、強靱性を向上でき
ることを見いだし、本発明を完結した。
【化4】 (式中、Rは−C(CH3 ) 2 −、−CH(CH3
−、−CH2 −又は−SO2 −、R1 は水素原子、臭素
原子又はメチル基、n=0〜70の整数を示す)
【化5】 (式中、X=3〜7の整数、Y=1〜4の整数、Y/
(X+Y)=0.1〜0.30、Z=5〜15の整数、
m=1〜400、n=1〜400の整数、n/(m+
n)=0.01〜0.50、l=1〜50の整数、Aは
【化6】 を示す)
【0005】本発明のエポキシ樹脂変性体は、エポキシ
樹脂(I)とブロック共重合体(II)をアミド系溶媒中
で反応させることにより得られる。アミド系溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が用いら
れる。エポキシ樹脂(I)の使用量は、ブロック共重合
体(II)に対して、1〜20倍当量、好ましくは5〜1
5倍当量である。反応温度は50℃以上好ましくは70
℃以上である。
【0006】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
フェノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリルブロック共重合体(II)の使用量は、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂(I)に対して0.1から
15重量%が好ましい。
【0007】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
ビスフエノール化合物をエポキシ樹脂に対し0.1から
60重量%添加することにより、強靱性がより高くな
る。ビスフエノール化合物をエポキシ樹脂(I)と反応
させることにより、エポキシ樹脂間の反応密度を低減さ
せることにより、アラミド−ポリブタジエン−アクリロ
ニトリルブロック共重合体(II)の強靱化効果を高める
と考えられる。
【0008】本発明において、一般式(II)で示すフェ
ノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン−アクリ
ロニトリルブロック共重合体が一般式(I)で示すエポ
キシ樹脂の強靱化を促す理由は定かではないが、これら
フェノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体の水酸基とエポキシ樹脂とを反
応させることにより、エポキシ樹脂への相溶化を促し、
アラミド成分がエポキシ樹脂と均一に分子分散したエポ
キシ樹脂組成物が得られる。更に、このエポキシ樹脂組
成物の加熱硬化によって、ポリブタジエン−アクリロニ
トリル成分がミクロ相分離を起こすと共に、アラミド成
分がエポキシ成分中に分子分散した状態で固定化され
る。この機構により、剛直性とガラス転移点が高いアラ
ミド鎖がエポキシ樹脂中に均一に分子分散され、エポキ
シ樹脂の耐熱性と靱性が改善されるばかりでなく、均一
に分散したポリブタジエン−アクリロニトリル成分も応
力緩和作用を果たすので、エポキシ樹脂組成物の耐熱性
を低下させることなしに強靱化が高率良く行れると推定
される。またビスフエノール化合物の添加は、このアラ
ミド成分とエポキシ樹脂組成物との効果的な分子複合を
促進する作用を行うと考えられる。このフェノール性水
酸基含有アラミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル
ブロック共重合体の強靱化の改質効果が、これら共重合
体の少ない添加量で達成されるので、エポキシ樹脂組成
物及びその硬化物が持つ優れた特性を損なう事が無いば
かりでなく、その耐熱性をも向上させる大きな特徴を有
する。
【0009】本発明に用いられるブロック共重合体(I
I)は、下記の方法で合成できる。フェノール性水酸基
を有するジカルボン酸、フェノール性水酸基を有しない
芳香族ジカルボン酸成分に対して過剰量のオキシジアニ
リンを加え、これらを例えば亜リン酸エステルとピリジ
ン誘導体等の存在で、N−メチル−2−ピロリドンによ
って代表される有機溶媒中で、窒素等の不活性雰囲気下
にて、加熱攪拌する。この結果得られる両末端がアミノ
アリール基となったフェノール性水酸基含有ポリアラミ
ドオリゴマー溶液に、両末端にカルボキシル基をもつポ
リブタジエン−アクリロニトリル共重合体を添加し、重
縮合することによりブロック共重合体(II)が得られ
る。フェノール性水酸基を有するジカルボン酸として
は、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソ
フタル酸、2−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフ
タル酸、4−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシテレ
フタル酸、フェノール性水酸基を有しない芳香族ジカル
ボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸等、またオキシジアニリンとしては、3,3′−オキ
シジアニリン、3,4′−オキシジアニリン、4,4′
−オキシジアニリン等が用いられる。また両末端にカル
ボキシル基をもつポリブタジエン−アクリロニトリル共
重合体は、 Goodrich 社から Hycar CTBN として市販さ
れており、これらを使用することが出来る。本発明のビ
スフェノール型エポキシ樹脂(I)における重合度nに
は、特に制限はないが、平均重合度として、0から0.
3程度が取扱い性が良好で、市販品として容易に得ら
れ、かつコスト的な観点等からも好ましい。この場合に
おけるビスフエノール型エポキシ樹脂としては、ビスフ
エノールA型、ビスフエノールF型、ビスフエノールA
D型、ビスフエノールS型およびこれらの臭素化したも
のがあげられる。本発明においては、これらのエポキシ
樹脂を単独又は混合して使用することができる。
【0010】本発明で使用する芳香族系ジアミン硬化剤
としては、例えばビス(4−アミノフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、1,5−ジア
ミノナフタレン、p−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,6−ジク
ロロ−1,4−ベンゼンジアミン、1,3−ジフェニル
−1,3−プロパンジアミン、m−キシレンジアミン等
のアミン系化合物があげられるが、これらに限定される
ものではない。
【0011】本発明で使用するビスフエノール化合物と
しては、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパン、2,2′−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ
フエニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)エタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)ヘキサン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)ドコシル、2、2′−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)ヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)スルフ
ォン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフエニル)ス
ルフォン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
エニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−
ジブロモフエニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)スルフイド、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフエニル)スルフイド、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキ
シベンゾフエノン、ジヒドロキシナフタレン、1,4−
(p−ヒドロキシクミル)ベンゼン等があげられるが、
これらに限定されるものではない。
【0012】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応
じて硬化促進剤、無機顔料や染料等の着色剤、酸化安定
剤、カップリング剤、他の樹脂等を配合することができ
る。硬化促進剤としては、燐系例えばトリフェニルホス
フィン、3級アミン系例えばトリエタノールアミン、
1,8−ジアザ−ビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデ
セン(DBU)、N,N−ジメチルベンジルアミン、
1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペラジン等、
ホウ素系例えば1,8−ジアザ−ビシクロ〔5,4,
0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等が
用いられる。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物は、好ましく
は一般式(I)のビスフエノール型エポキシ樹脂に対し
て一般式(II)のフエノール性水酸基含有アラミド−ポ
リブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合体を
0.1〜15重量%及び硬化剤を5〜50重量%を加
え、混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹
脂組成物は、エポキシ樹脂変性体とビスフエノール型エ
ポキシ樹脂と硬化剤から成る組成物の加熱硬化の前の状
態と加熱硬化後の硬化物を包含するものである。この場
合における加熱硬化後の組成物は各種の形成体として供
給することができる。この加熱硬化は一般に250℃以
下で数時間の条件で行われるが、本発明においては、こ
の条件に左右されるものではない。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 合成例1 フェノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリルブロック共重合体(アラミド部に含有す
るフェノール性水酸基が2モル%)の合成:イソフタル
酸19.60g(118mmol)、3,4′−オキシジア
ニリン26.4g(132mmol)、5−ヒドロキシイソ
フタル酸0.41g(2.3mmol)、塩化リチウム10
0mg、塩化カルシウム300mg、N−メチル−2−ピロ
リドン240ml、ピリジン54mlを11の4ツ口丸底フ
ラスコの中に入れ、攪拌溶解させた後、亜リン酸トリフ
ェニル74gを加えて、90℃で4時間反応させて、フ
ェノール性水酸基含有アラミドオリゴマー体を生成させ
た。これに両末端にカルボキシル基を持つポリブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体( Hycar CTBNBF Goodri
ch 社製。ポリブタジエンアクリロニトリル部に含有す
るアクリロニトリル成分が17モル%で、分子量が約3
600)48gを240mlのピリジンに溶かした液を加
えて、更に4時間反応させた後、室温に冷却、この反応
液をメタノール20lに投入して本発明に使用するポリ
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体部の含有量が5
0wt%であるフェノール性水酸基を約2モル%含有す
るアラミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロッ
ク共重合体を析出させた。この析出ポリマーを更にメタ
ノール洗浄及びメタノール還流して精製した。このポリ
マーの固有粘度は0.85dl/g(ジメチルアセトアミ
ド、30℃)であった。ポリマー粉末を拡散反射法によ
り赤外スペクトルを測定したところ、1674cm-1にア
ミドカルボニル基、2856−2975cm-1にブタジエ
ン部分のC−H結合に基づく吸収を、2245cm-1にニ
トリル基に基づく吸収を認めた。
【0015】合成例2 フェノール性水酸基含有アラミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリルブロック共重合体(アラミド部に含有す
るフェノール性水酸基が14モル%)の合成:合成例1
のイソフタル酸19.60g(118mmol)、3,4′
−オキシジアニリン26.4g(132mmol)、5−ヒ
ドロキシイソフタル酸0.41g(2.3mmol)と両末
端にカルボキシル基を持つポリブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体48gの仕込み量をイソフタル酸19.
93g(120mmol)、3,4′−オキシジアニリン3
0.63g(153mmol)と5−ヒドロキシイソフタル
酸3.64g(20mmol)と両末端にカルボキシル基を
持つポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体( Hyc
ar CTBN 、BF Goodrich 社製。ポリブタジエンアクリロ
ニトリル部に含有するアクリロニトリルが17モル%
で、分子量が約3600)55.5gに変えた以外は同
様の操作の重合を行い、同様の後処理をして、本発明に
使用するフェノール性水酸基を約14モル%含有するア
ラミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共
重合体を析出させた。このポリマーの固有粘度は0.8
2dl/g(ジメチルアセトアミド、30℃)であった。
ポリマー粉末を拡散反射法により赤外スペクトルを測定
したところ、1675cm-1にアミドカルボニル基を、2
854−2971cm-1にブタジエン部分のC−H結合に
基づく吸収を、2243cm-1にニトリル基に基づく吸収
を認めた。
【0016】実施例1 ジメチルホルムアミド200g中に合成例1で得られた
フエノール性水酸基が2モル%含有したフエノール性水
酸基含有アラミドーポリブタジエンアクリロニトリルブ
ロック共重合体24gを溶解させた後、エポキシ樹脂
(Epikote828、平均分子量:380、エポキシ当
量:190±5、油化シエル社製)5.7g(これは前
記ブロック共重合体に含有する水酸基に対して10倍当
量に対応する)、反応促進剤であるトリフェニルホスフ
ィン0.08gを加えて、90℃で2時間反応させた。
これを水に添加して樹脂を析出させ、温水で洗浄を繰り
返し、更にテトラハイドロフランを加えて減圧下でこれ
らの溶媒を共沸させた後、真空乾燥させ、アラミド部に
エポキシ樹脂が反応した樹脂組成物を得た。この生成物
1mgを約30mlのピリジンに溶解した溶液に、フェノー
ル性水酸基の呈色指示液(無水塩化鉄(III)1gをクロ
ロホルム100mlに溶かし、更にピリジン8mlを加えた
後、析出物をろ過して赤色溶液を調整して得られた)を
数滴加えて攪拌したが、全く変色は認められず、この樹
脂にはフェノール性水酸基が全てグリシジル基と反応
し、含有されていないことを確認した。
【0017】比較例1 エポキシ樹脂( Epikote 828、平均分子量:38
0、エポキシ当量:190±5、油化シェル社製)10
0g、硬化促進剤であるテトラエタノールアミン1.0
g、硬化剤であるビス(4−アミノフェニル)メタン1
2.4gを加えて攪拌、均一混合させた後、真空乾燥さ
せ、比較用エポキシ樹脂試料を得た。
【0018】実施例2 実施例1で得た生成物3.7g、前記エポキシ樹脂9
6.3g、硬化剤であるビス(4−アミノフェニル)メ
タン12.4g、硬化促進剤であるトリエタノールアミ
ン1gを溶融させて加えて攪拌、均一混合させて本発明
のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0019】実施例3 実施例1で得た生成物6.3g、前記エポキシ樹脂9
3.7g、硬化剤であるビス(4−アミノフェニル)メ
タン12.4g、硬化促進剤であるトリエタノールアミ
ン1gを溶融させて加えて攪拌、均一混合させて本発明
のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0020】実施例4 合成例2で得られたフェノール性水酸基が約14モル%
含有したアラミドーポリブタジエンアクリロニトリルブ
ロック共重合体24g、エポキシ樹脂14.4g(これ
は前記ブロック共重合体に含有する水酸基に対して10
倍当量に対応する)、硬化剤であるトリフェニルホスフ
ィン0.64gをジメチルホルムアミド200gに溶解
させて実施例1と同様な操作を行って、アラミドーポリ
ブタジエンアクリロニトリルブロック共重合体とエポキ
シ樹脂との反応生成物を得た。この生成物1mgを約30
mlのピリジンに溶解した溶液に、フェノール性水酸基の
呈色指示液(無水塩化鉄(III)1gをクロロホルム10
0mlに溶かし、更にピリジン8mlを加えて後、析出物を
ろ過して赤色溶液を調整して得られた)を数滴加えて攪
拌したが、全く変色は認められず、この樹脂にはフェノ
ール性水酸基が全てグリシジル基と反応し、含有されて
いないことを確認した。
【0021】実施例5 実施例4で得られた生成物4.8g、前記エポキシ樹脂
95.2g、硬化剤であるビス(4−アミノフェニル)
メタン12.4g、硬化促進剤であるトリエタノールア
ミン1gを溶融させて加えて攪拌、均一混合させて本発
明のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0022】実施例6 実施例4で得た生成物8.0g、前記エポキシ樹脂9
2.0g、硬化剤であるビス(4−アミノフェニル)メ
タン12.4g、硬化促進剤であるトリエタノールアミ
ン1gを溶融させて加えて攪拌、均一混合させて本発明
のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0023】比較例2 比較例1において2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールA)をエポキシ樹脂に
対して13wt%になる量14.3gを加えた以外は全く
同じ方法で比較用のエポキシ樹脂を得た。
【0024】比較例3 比較例2においてビスフェノールA14.3gを28.
1g(エポキシ樹脂に対して約33モル%)に代えた以
外は全く同じ方法で比較用のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0025】実施例7 実施例1で得たアラミド部にエポキシ樹脂が反応したア
ラミドーポリブタジエンアクリロニトリルブロック共重
合体とエポキシとの生成物3.7g、前記エポキシ樹脂
96.3g、ビスフェノールAを全エポキシ樹脂に対し
て23wt%となる量28.5gを加え、更に、硬化剤で
あるビス(4−アミノフェニル)プロパン12.4gを
溶融させて加えて後、攪拌、均一混合させ本発明のエポ
キシ樹脂組成物を得た。
【0026】実施例8 実施例1で得たアラミド部にエポキシ樹脂が反応したア
ラミドーポリブタジエンアクリロニトリルブロック共重
合体とエポキシとの生成物6.3g、前記エポキシ樹脂
93.7g、ビスフェノールAを全エポキシ樹脂に対し
て14wt%となる量13.3gを加え、更に、硬化剤で
あるビス(4−アミノフェニル)プロパン12.4gを
溶融させて加えて後、攪拌、均一混合して、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物を得た。
【0027】実施例9 実施例8のビスフェノールAを13.3gから28.4
g(全エポキシ樹脂に対して約23重量%)に代えた以
外は全く同じ方法で本発明のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0028】実施例10 実施例9のビスフェノールAを28.4gから48.9
g(全エポキシ樹脂に対して約34重量%)に代えた以
外は全く同じ方法で本発明のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0029】実施例11 実施例5においてエポキシ樹脂95.2gを加えた時
に、更にビスフェノールAを29.0g(全エポキシ樹
脂に対して約23重量%)を新たに加えた以外は全く同
じ方法で本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0030】実施例12 実施例5において、エポキシ樹脂95.2gを加えた時
に、更にビスフェノールAを29.3g(全エポキシ樹
脂に対して約23重量%)を新たに加えた以外は全く同
じ方法で本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0031】比較例1〜3と実施例2、3、5〜12の
エポキシ樹脂組成物を成形後、80℃で2時間及び18
0℃で6時間加熱し、試験片を作成した。この試験片を
用いて破壊靱性、衝撃強度とガラス転移温度(動的粘弾
性の測定から算出)を下記の方法で測定し、得られた結
果を表1にまとめた。 破壊靱性の測定:インストロン型引張試験機(AGS−
100A 島津社製)を用いて、ASTM E399−
81に準じて、クロスヘッドスピード0.5mm/min で
行った。 衝撃強度の測定:ダインシュタッド( Dynestst Feinme
chanic Ralf Kogel)を使用して、DIN−53453に
準じて行った。試験片は15×10×2(mm) とした。 動的粘弾性の測定:捩れ振り子型粘弾性測定装置(RD
−100 レスカ社製)を使用して、昇温速度0.7℃
/min 、試験片は70×7×0.7(mm) とした。
【0032】
【表1】 a)ブロック共重合体のエポキシ樹脂の添加量 b)ブロック共重合体において、アラミド部分に含有す
る水酸基のモル%を示す。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂の耐熱性を損なうことなしに、改善された強靱性を
有する成形体を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清原 紀 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示すビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂と一般式(II)で示すフェノール性水酸基含
    有アラミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロッ
    ク共重合体とを反応させることにより得られるエポキシ
    樹脂変性体。 【化1】 (式中、Rは−C(CH3 ) 2 −、−CH(CH3 )
    −、−CH2 −又は−SO2 −、R1 は水素原子、臭素
    原子又はメチル基、n=0〜70の整数を示す) 【化2】 (式中、X=3〜7の整数、Y=1〜4の整数、Y/
    (X+Y)=0.1〜0.3、Z=5〜15の整数、m
    =1〜400、n=1〜400の整数、n/(m+n)
    =0.01〜0.50、l=1〜50の整数、Aは 【化3】 を示す)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエポキシ樹脂変性体、ビ
    スフエノール型エポキシ樹脂及び硬化剤として芳香族ジ
    アミンを含有するエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示すビスフエノール型エ
    ポキシ樹脂に対して、ビスフェノール化合物を0.1か
    ら60重量%含有していることを特徴とする請求項2の
    エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(II)で示すフェノール性水酸基
    含有アラミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロ
    ック共重合体を、一般式(I)で示すビスフェノール型
    エポキシ樹脂に対して0.1から15重量%含有してい
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3のエポキシ樹
    脂組成物。
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