JP3111595B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3111595B2
JP3111595B2 JP04038284A JP3828492A JP3111595B2 JP 3111595 B2 JP3111595 B2 JP 3111595B2 JP 04038284 A JP04038284 A JP 04038284A JP 3828492 A JP3828492 A JP 3828492A JP 3111595 B2 JP3111595 B2 JP 3111595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、耐熱性、機械的強度、
電気特性、耐薬品性、接着性に優れていることから、電
気絶縁材料、電子材料、土木用材料、接着材料、塗料材
料などの多くの分野に使用されているが、強靭性に乏し
く耐クラック性に劣るという欠点があった。このため、
耐熱性に優れ、かつ機械的強度及び強靭性に優れたエポ
キシ樹脂の開発を目的として、エポキシ樹脂に、エラス
トマー、ゴム、エンジニアリングプラスチック(エンプ
ラ)などを加えて変性し、強靭化する方法が試みられて
いる。
【0003】このような試みとして、エポキシ樹脂、ポ
リ(アルキレンフタレート)及びエポキシ樹脂硬化剤と
しての酸無水物を含む組成物が検討され、その硬化物が
引張り強度や曲げ強度などの機械的強度を低下させるこ
となく、強靭性の指標となる破壊靭性値KICが大きく向
上することが報告されている。〔ジャーナル・オブ・ア
ップライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.P
olym.Sci.),第43巻,463−474頁
(1991年)。ところが、この硬化物のガラス転移温
度(Tg)は70−90℃と低く、耐熱性に改善の余地
があるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、耐熱性に優れ、かつ機械的強度及び強靭性に
優れたエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明におけるエポキシ
樹脂組成物は、エポキシ樹脂、化3〔一般式(I)〕
【化3】 〔ただし、一般式(I)中、nは2〜12の整数を示
し、ベンゼン環は適宜、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基を有していてもよ
く、置換基が複数個あるときはそれらの置換基は同一で
も異なっていてもよい〕で表わされる構成単位を含むポ
リエステル及び化4〔一般式(II)〕
【化4】Q(NH2m (II) 〔ただし、一般式(II)中、mは2以上の整数を示し、
Qはm価の基を示す〕で表わされるポリアミン化合物を
含有してなるものである。
【0006】前記エポキシ樹脂としては、1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するものが使用され、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂〔例えば、エピコート828、
エピコート827、エピコート834、エピコート10
01、エピコート1004、エピコート1009(これ
らは、いずれも油化シェル株式会社商品名である)〕、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂〔例えば、エピコート
807(これは油化シェル株式会社商品名である)〕、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂〔例えば、エピコート152、エピコ
ート154(これらは、いずれも油化シェル株式会社商
品名である)、EOCN−201(これは日本化薬株式
会社商品名である)〕、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂〔例えば、EOCN−102S、EOCN−10
4S(これらは、いずれも日本化薬株式会社商品名であ
る)〕、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
〔例えば、N−880、N−865(これらは、いずれ
も大日本インキ工業株式会社商品名である)〕、ビスフ
ェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂〔例えば、CY175、CY177(これらは、い
ずれもチバ・ガイギー社商品名である)〕、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂〔例えば、CY182、CY1
92(これらは、いずれもチバ・ガイギー社商品名であ
る)、エピコート871、エピコート872(これら
は、いずれも油化シェル株式会社商品名である)〕、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂〔例えば、MY720
(これはチバ・ガイギー社商品名である)〕、ヒダント
イン型エポキシ樹脂〔例えば、CY350(これはチバ
・ガイギー社商品名である)〕、イソシアヌレート型エ
ポキシ樹脂〔例えば、PT810(これはチバ・ガイギ
ー社商品名である)〕、脂肪族鎖状エポキシ樹脂〔例え
ば、アデカレジンED506(これは旭化成工業株式会
社商品名である)、エピクロン707(これは大日本イ
ンキ工業株式会社商品名である)〕等があり、これらの
エポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添
加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、2種以
上を併用してもよい。
【0007】前記ポリエステルは、前記一般式(I)で表
わされる構成単位を有するものであるが、他の構成単位
を適宜含んでいてもよい。前記ポリエステルが他の構成
単位として、化5〔一般式(I’)〕
【化5】 〔ただし、一般式(I’)中、nは2〜12の整数を示
し、2個のカルボニル基はベンゼン環に、メタ位又はパ
ラ位に結合しており、ベンゼン環は適宜、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基
を有していてもよく、置換基が複数個あるときはそれら
の置換基は同一でも異なっていてもよい〕で表わされる
構成単位を含むことは耐熱性及び機械的強度を向上させ
る上で特に好ましい。
【0008】前記ポリエステルは、前記一般式(I)で表
わされる構成単位を5〜100モル%含んでいるのが好
ましく、特に60〜100モル%含んでいるのが好まし
い。これが少なすぎるとポリエステルとエポキシ樹脂の
相溶性が低下し、本発明の目的を達成することができな
い。また、前記ポリエステルの分子量(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチ
レン換算で求めたピーク値)は2,000以上であるの
が好ましい。
【0009】前記ポリエステルとしては、ポリ(エチレ
ンフタレート)、ポリ(トリメチレンフタレート)、ポ
リ(テトラメチレンフタレート)、ポリ(ペンタメチレ
ンフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンフタレート)、
ポリ(ヘプタメチレンフタレート)、ポリ(オクタメチ
レンフタレート)、ポリ(ノナメチレンフタレート)、
ポリ(デカメチレンフタレート)、ポリ(ウンデカメチ
レンフタレート)、ポリ(ドデカメチレンフタレー
ト)、ポリ(エチレンフタレート−co−エチレンイソ
フタレート)、ポリ(トリメチレンフタレート−co−
トリメチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレン
フタレート−co−テトラメチレンイソフタレート)、
ポリ(ペンタメチレンフタレート−co−ペンタメチレ
ンイソフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンフタレート
−co−ヘキサメチレンイソフタレート)、ポリ(ヘプ
タメチレンフタレート−co−ヘプタメチレンイソフタ
レート)、ポリ(オクタメチレンフタレート−co−オ
クタメチレンイソフタレート)、ポリ(ノナメチレンフ
タレート−co−ノナメチレンイソフタレート)、ポリ
(デカメチレンフタレート−co−デカメチレンイソフ
タレート)、ポリ(ウンデカメチレンフタレート−co
−ウンデカメチレンイソフタレート)、ポリ(ドデカメ
チレンフタレート−co−ドデカメチレンイソフタレー
ト)、ポリ(エチレンフタレート−co−エチレンテレ
フタレート)、ポリ(トリメチレンフタレート−co−
トリメチレンテレフタレート)、ポリ(テトラメチレン
フタレート−co−テトラメチレンテレフタレート)、
ポリ(ペンタメチレンフタレート−co−ペンタメチレ
ンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンフタレート
−co−ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘプ
タメチレンフタレート−co−ヘプタメチレンテレフタ
レート)、ポリ(オクタメチレンフタレート−co−オ
クタメチレンテレフタレート)、ポリ(ノナメチレンフ
タレート−co−ノナメチレンテレフタレート)、ポリ
(デカメチレンフタレート−co−デカメチレンテレフ
タレート)、ポリ(ウンデカメチレンフタレート−co
−ウンデカメチレンテレフタレート)、ポリ(ドデカメ
チレンフタレート−co−ドデカメチレンテレフタレー
ト)などが挙げられる。
【0010】前記ポリエステルの合成は、新実験化学講
座14巻(I)(丸善株式会社昭和52年12月20日
発行)146頁以下に示される公知の方法を採用するこ
とができる。例えば、フタル酸ジアルキルエステル及び
α,ω−アルカンジオールに触媒としてカルシウム、マ
グネシウム、亜鉛、カドミウム、チタン、ゲルマニウ
ム、スズ、鉛、アンチモン、マンガンなどの化合物を加
え、真空かきまぜ機をつけた重合管に入れる。重合管に
は、窒素ガス導入管と蒸留用の側管とをつける。この重
合管を油浴に入れ、180℃に加熱し、ゆっくりと窒素
ガスを通す。理論量のアルコールを留出させたら、徐々
に昇温しかきまぜを開始する。真空度を徐々に高め、1
2 Pa以下にまで到達させる。275℃で2〜3時間
加熱し、重縮合反応で生成するアルカンジオールを留出
させて、目的のポリエステルを得る。得られたポリエス
テルは、アセトンに溶解させた後、メタノールに再沈殿
させて精製する。
【0011】上記の重縮合反応においてフタル酸ジアル
キルエステルの例としては、フタル酸ジメチルエステ
ル、フタル酸ジエチルエステル、フタル酸ジプロピルエ
ステル、フタル酸ジブチルルエステルなどが挙げられ
る。この反応において、フタル酸ジアルキルエステルと
ともにイソフタル酸ジアルキルエステル、テレフタル酸
ジアルキルエステル等の他のジカルボン酸ジアルキルエ
ステルを併用してもよい。この場合、フタル酸ジアルキ
ルエステルがジカルボン酸成分全体に対して、5モル%
以上になるように配合されることが好ましい。
【0012】上記の重縮合反応においてα,ω−アルカ
ンジオールの例としては、1,2−エタンジール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール,1,12−ドデカ
ンジオールなどが挙げられる。これらのα,ω−アルカ
ンジオールの仕込み比は、ジカルボン酸成分全体に対し
て1.2〜4倍モル配合されることが好ましく、特に2
〜3倍モル配合されることが好ましい。
【0013】上記の重縮合反応において触媒の例として
は、上記金属の酢酸塩もしくは酸化物が挙げられる。例
えば、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、
酢酸カドミウム、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化
スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化マンガンなどがあ
る。上記の重縮合反応で、第一段階のエステル交換反応
には触媒としてカルシウム、マグネシウム、亜鉛、カド
ミウム化合物が、第二段階の重縮合反応には触媒として
チタン、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、マンガ
ン化合物が有効である。このため、それぞれの反応に有
効な触媒を併用することが好ましい。これらの重合触媒
の添加量は、ジカルボン酸成分全体に対して0.001
〜0.5重量%が好ましく、特に、0.05〜0.1重
量%が好ましい。
【0014】前記一般式(II)で表わされるポリアミンと
しては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジア
ミン、ベンジジン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノビフェニル、3,3′−ジクロロベンジジン、
3,3′−ジメトキシベンジジン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4
−アミノフェニル)−1,3−ジクロロ−1,1,3,
3−テトラフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルファイド、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルファイド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルファイド、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホオキシド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジベン
ゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,
4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N−ビス(4−ア
ミノフェニル)アニリン、N,N−ビス(4−アミノフ
ェニル)メチルアミン、N,N−ビス(4−アミノフェ
ニル)−n−ブチルアミン、N,N−ビス(4−アミノ
フェニル)アミン、m−アミノベンゾイル−p−アミノ
アニリド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエイ
ト、4,4′−ジアミノアゾベンゼン、3,3′−ジア
ミノアゾベンゼン、ビス(3−アミノフェニル)ジエチ
ルシラン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルホスフ
ィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)エチルホス
フィンオキシド、1,5−ジアミノナフタリン、2,6
−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−
オキサジアゾール、m−キシリレンジアミン、p−キシ
リレンジアミン、2,4(p−β−アミノ−t−ブチル
フェニル)エーテル、p−ビス−2−(2−メチル−4
−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメ
チル−5−アミノペンチル)ベンゼン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ヘキサメチレ
ンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレン
ジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノ
オクタデカン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、
2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチル
ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチ
レンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミ
ン、5−メチノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノ
シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メ
タン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−
ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−ア
ミノプロピル)スルファイド、N,N−ビス(3−アミ
ノプロピル)メチルアミン、1,3−ジアミノシクロヘ
キサン、2,4−ジアミノジフェニルアミン、2,4−
ジアミノ−5−メチル−ジフェニルアミン、2,4−ジ
アミノ−4′−メチル−ジフェニルアミン、1−アニリ
ノ−2,4−ジアミノナフタレン、3,3′−ジアミノ
−4−アニリノベンゾフェノン、化6〔一般式(a)〕
【化6】 〔式中R0 はメチレン基を含むアルキリデン基、nは平
均0.1以上の数を示す〕で示されるポリアミンなどが
あり、2種類以上を併用してもよい。
【0015】前記ポリアミンのうち、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4′−ジ
アミノジフェニルエ−テル、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエ−テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
3,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジア
ミノジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等は耐
熱性及び強靱性の点で特に好ましい。
【0016】本発明に係るエポキシ樹脂組成物におい
て、前記ポリエステルはエポキシ樹脂100重量部に対
し、5〜100重量部配合するのが好ましく、特に10
〜50重量部配合するのが好ましい。5重量部より少な
いと強靱性の向上効果が低下する傾向にあり、100重
量部より多いと耐熱性が悪くなる傾向にある。
【0017】本発明に係るエポキシ樹脂組成物には、硬
化剤として前記一般式(II)で表わされるポリアミンが配
合されるが、これはエポキシ樹脂100重量部に対し、
0.1〜100重量部配合するのが望ましい。硬化剤の
配合量は使用目的により決定され必ずしもエポキシ樹脂
と当量でなくともよいが、当量又は当量付近であるのが
特に好ましい。
【0018】また、硬化反応を促進するために硬化促進
剤を使用してもよく、イミダゾール類、ベンジルジメチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、トリエタ
ノールアミン、ジメチルアニリン、テトラメチルグアニ
ジンなどがもちいられる。この硬化促進剤の配合量も適
宜決定され、保存安定性や硬化性を考慮して配合すれば
よい。配合量としては、概ねエポキシ樹脂100重量部
に対して、0.01〜5重量部が好ましい。0.01重
量部より少ないと硬化反応の促進硬化が小さく、5重量
部より多いと保存安定性が悪くなる。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その成分
となる物質を溶媒の不存在下に加熱混合して使用して
も、溶剤に溶解しワニス状で使用してもよい。溶剤とし
ては、上記化合物を溶解するものであればどのようなも
のでもよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チル、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,N
ージメチルホルムアミド、N,Nージメチルアセトアミ
ド、Nーメチルー2ーピロリドンなどがあり、これらは
2種類以上を混合して用いてもよい。
【0020】また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物
には、補強材(ガラス繊維,炭素繊維,芳香族ポリアミ
ド繊維,アルミナ繊維,チタン酸カリウム繊維など)、
充填材(クレー,マイカ,シリカ、グラフアイト、ガラ
スビーズ,アルミナ,炭酸カルシウムなど)等をその目
的に応じて適当量配合することも可能である。
【0021】本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、
さらに、本発明の目的をそこなわない範囲で酸化防止剤
および熱安定剤,紫外線吸収剤,難燃助剤,帯電防止
剤,滑剤,着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加す
ることができる。
【0022】また、前記エポキシ樹脂組成物は、ガラス
布、ガラス不織布などのガラス繊維布、その他の布、紙
等の基材に含浸して乾燥し、プリプレグとすることがで
きる。このとき、エポキシ樹脂組成物としては有機溶剤
に溶解されているワニス状のものが使用され、基材への
エポキシ樹脂組成物の含浸方法としては、はけ塗り、吹
き付け、浸漬などを利用することができる。乾燥は、8
0〜200℃の温度で行うのが好ましく、溶剤を除去し
ただけのもの、部分的に硬化させたものなどがある。乾
燥の程度は、適宜決定されるが、最終の成形に適した溶
融粘度になるように調整される。このプリプレグは、適
宜積層して加圧下加熱硬化させて積層板とすることがで
き、このときの加圧の程度は50〜100kg/cm2程度が
好ましい。加熱温度は下記のとおり。この積層板は配線
板用基板として有用である。
【0023】前記エポキシ樹脂組成物は、一般に、溶融
粘度の調整のため、完全に硬化させることなく部分硬化
して、いわゆる、B−ステージの状態で使用してもよ
い。
【0024】前記エポキシ樹脂組成物、そのB−ステー
ジの状態のもの及びプリプレグは、概ね100℃から2
50℃の範囲に加熱して硬化させる。
【0025】前記エポキシ樹脂組成物又はそのB−ステ
ージの状態のものは、圧縮成形法、トランスフアー成形
法,押出成形法、射出成形法等公知の成形法により成形
され実用に供される。
【0026】
【実施例】
合成例1 ポリ(エチレンフタレート)(PEP)の合成 フタル酸ジメチルエステル19.4g(0.1モル)及
びエチレングリコール12.4g(0.2モル)に酢酸
カルシウム0.04g及び酸化アンチモン0.08gを
加え、真空かきまぜ機をつけた重合管に入れた。重合管
には、窒素ガス導入管と蒸留用の側管とをつけ、この重
合管を油浴に入れ、180℃に加熱し、ゆっくりと窒素
ガスを通した。2時間以内にメタノールが留出するの
で、理論量が留出したら、徐々に昇温しかきまぜを開始
した。真空度を徐々に高め、102Pa以下にまで到達
させた。このとき温度は275℃に達するようにした。
275℃で2〜3時間加熱し、重縮合反応で生成するア
ルカンジオールを留出させて、目的のポリエステル(P
EP)を得た。得られたポリエステルは、アセトンに溶
解させた後、メタノールに再沈殿させて精製した。得ら
れたポリエステルの分子量は10,100(標準ポリス
チレンを使用するゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーにおけるピーク値)であった。
【0027】合成例2 ポリ(テトラメチレンフタレート)(PBP)の合成 合成例1においてエチレングリコール12.4gのかわ
りに1,4−ブタンジオール18.0g(0.2モル)
を用いること以外は合成例1と同様の方法で、ポリエス
テル(PBP)を得た。分子量は4,900(標準ポリ
スチレンを使用するゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーにおけるピーク値)であった。
【0028】合成例3 ポリ(エチレンフタレート-co-エチレンイソフタレー
ト)(PEPI)の合成 フタル酸ジメチルエステル17.46g(0.09モ
ル)、イソフタル酸ジメチルエステル1.94g(0.
01モル)及びエチレングリコール12.4g(0.2
モル)に酢酸カルシウム0.04g及び酸化アンチモン
0.08gを加え、真空かきまぜ機をつけた重合管に入
れた。以後の操作は、合成例1と同様の方法で、ポリエ
ステル(PEPI)を得た。分子量は7,400(標準
ポリスチレンを使用するゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにおけるピーク値)であった。
【0029】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828;
エポキシ当量190)100重量部に合成例1で合成し
たポリエステル(PEP)14.7重量部(エポキシ樹
脂、ポリエステル及びポリアミンを含む組成物全体に対
して10重量%)を加え、140−160℃で1時間混
合した。これを120℃まで冷却してから、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン32.6重量部を加え、1
20℃で1時間混合した。この組成物を約100℃に加
熱したシリコン型に流し込み、120℃1時間、180
℃5時間加熱して硬化させ、硬化物を得た。
【0030】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828;
エポキシ当量190)100重量部に対して4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン32.6重量部及びポリエ
ステル(PEP)33.2重量部(組成物全体に対して
20重量%)の割合で用いること以外実施例1に準じて
硬化物を製造した。
【0031】実施例3 ポリエステルとしてPEPの代わりに合成例1で合成し
たポリエステル(PBP)を用いること以外実施例2に
準じて硬化物を製造した。
【0032】実施例4 ポリエステルとしてPEPの代わりに合成例3で合成し
たポリエステル(PEPI)を用いること以外実施例1
に準じて硬化物を製造した。
【0033】実施例5 ポリエステルとしてPEPの代わりに合成例3で合成し
たポリエステル(PEPI)を用いること以外実施例2
に準じて硬化物を製造した。
【0034】比較例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828;
エポキシ当量190)100重量部を120℃に加熱し
てから、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン32.
6重量部を加え、120℃で1時間混合した。この組成
物を約100℃に加熱したシリコン型に流し込み、12
0℃1時間、180℃5時間加熱して硬化させ、硬化物
を得た。
【0035】比較例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828;
エポキシ当量190)100重量部とポリエステル(P
EP)47重量部(エポキシ樹脂、ポリエステル及び酸
無水物を含む組成物全体に対して20重量%)を80−
95℃で1時間加熱して混合し、硬化剤であるメチルヘ
キサヒドロフタル酸無水物88重量部を加えて90℃3
0分混合した。ここに促進剤としてベンジルジメチルア
ミン1重量部を加え、3分間混合した。これを約85℃
に加熱したシリコン型に流し込み、85℃5時間、15
0℃15時間硬化させ、硬化物を得た。
【0036】実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた
硬化物の物性を測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0037】表1における破壊強靱性は、ASTM E
−399に準じて3点曲げ試験法により、クロスヘッド
速度1mm/分で測定し、ガラス転移温度は示差走査熱
量計を用い、昇温速度10℃/分で測定し、曲げ強さは
JIS k 7203に準じてクロスヘッド速度1mm
/分で測定した。
【0038】表1に示す結果から明らかなように、ポリ
エステルを含まないエポキシ樹脂組成物(比較例1)の
硬化物は、耐熱性は優れるが、強靭性の指標となるKIC
は0.70と低い。また、酸無水物を硬化剤としポリエ
ステルを含むエポキシ樹脂組成物(比較例2)の硬化物
は、強靭性は優れているいるものの、Tgが92℃と低
く耐熱性が劣る。これらに対してポリアミンを硬化剤と
しポリエステルを含むエポキシ樹脂組成物(実施例1〜
5)の硬化物は、強靭性の指標となるKICが大きく向上
し、樹脂が強靭化されることが分かった。さらに、これ
らの樹脂は、Tgが高く、優れた強靭性と耐熱性を併せ
もっている。
【0039】
【発明の効果】請求項1におけるエポキシ樹脂組成物
は、強靭性、機械的強度及び耐熱性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 C08L 63/00 - 63/10 C08L 67/00 - 67/08 C08K 5/00 - 5/59

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、nは2〜12の整数を示
    し、ベンゼン環は適宜置換基を有していてもよい〕で表
    わされる構成単位を含むポリエステル及び化2〔一般式
    (II)〕 【化2】Q(NH2m (II) 〔ただし、一般式(II)中、mは2以上の整数を示し、
    Qはm価の基を示す〕で表わされるポリアミン化合物を
    含有してなるエポキシ樹脂組成物。
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