JPH0585393A - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

Info

Publication number
JPH0585393A
JPH0585393A JP25147391A JP25147391A JPH0585393A JP H0585393 A JPH0585393 A JP H0585393A JP 25147391 A JP25147391 A JP 25147391A JP 25147391 A JP25147391 A JP 25147391A JP H0585393 A JPH0585393 A JP H0585393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel steering
rear wheel
steering
initial check
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25147391A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Omura
博志 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP25147391A priority Critical patent/JPH0585393A/ja
Publication of JPH0585393A publication Critical patent/JPH0585393A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後輪転舵装置内に設けた基準ストッパによっ
てイニシャルチェックの基準位置合わせを行うに際し
て、上記基準ストッパに過大な力が作用することを防止
できるようにした車両の後輪操舵装置を提供する。 【構成】 転舵比可変手段12内に、後輪転舵角の同位
相側および逆位相側における最大値をそれぞれ規制する
2つの基準ストッパ80,81を設けるとともに、後輪
転舵制御の開始に先立って後輪転舵用のステッピングモ
ータ26に対し後輪転舵範囲に対応した最大パルスの駆
動信号を出力して転舵比センサ29のイニシャルチェッ
クを行う補正手段28cと、上記転舵比センサ29の出
力値に基づいて上記基準ストッパ80,81のいずれか
近い側に対するイニシャルチェックを先に行うように上
記補正手段28cを制御する補正制御手段28hとを設け
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の後輪操舵装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ハンドル操舵に応じて前
輪のみならず後輪をも転舵し得るようにした4輪操舵車
(所謂4WS車)では、従来の2WS車に用いられる前輪
操舵装置に加えて、ハンドル操作に連動して後輪を転舵
させる後輪操舵装置が搭載されている。かかる後輪操舵
装置では、例えば、高速域では前輪と同位相に低速域で
は逆位相に(所謂、車速感応型の場合)、あるいは前輪舵
角が小さい領域では前輪と同位相に大きい領域では逆位
相に(所謂、舵角応動型の場合)、それぞれ後輪が転舵さ
れるように後輪の転舵特性が設定されるのが一般的であ
る。
【0003】ところで、停車中の車両について、エンジ
ン駆動により後輪の転舵制御を開始する場合、停車時点
での後輪転舵比が少なくとも正確には判らないため、制
御開始に先立ってイニシャルチェックを行い、後輪転舵
用のアクチュエータを予め定められた基準位置に合わせ
るとともに、転舵比センサがこの基準位置に対応したセ
ンサ値を出力するようにセットする必要がある。すなわ
ち、例えば、車速が0(零)の場合に逆位相の最大値の転
舵比となるように設定されている場合でも、上記アクチ
ュエータが、その作動遅れ等のために転舵比が逆位相最
大値となる基準位置まで作動せず、この基準位置からず
れた状態で停止することがあり、また、例えば、高速走
行中に何等かの理由によりフェイル信号が出力されて制
御が中止されたような場合には、転舵比が同位相側に設
定された状態で停止することがある。このため、後輪の
転舵制御を再開するに際して、上記のようなイニシャル
チェックを行うことなく、直ちに制御を再開するように
した場合、制御系による制御転舵比と実際の転舵比との
間にずれが生じるおそれがある。従って、正確な後輪転
舵制御を行うためには、制御開始に先立って、上記イニ
シャルチェックを行うことが必要である。
【0004】このイニシャルチェックを容易かつ正確に
行うことができるものとして、例えば特公平2−436
73号公報では、後輪転舵装置内に、後輪転舵角の同位
相側および逆位相側における最大値をそれぞれ規制する
2つの基準ストッパを設けたものが開示されている。こ
の基準ストッパは、ハンドルが一定以上操舵されても後
輪はそれ以上転舵されることのない最大転舵角を定める
ものであるが、かかる基準ストッパを設けたものにあっ
ては、後輪が同位相側あるいは逆位相側の最大転舵角ま
で転舵された際には、後輪を転舵させるためのアクチュ
エータの可動部材が上記基準ストッパに当接することに
より、アクチュエータの作動が基準位置に達したことを
知ることができ、上記イニシャルチェックを容易かつ正
確に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記基準ストッパを設
けたものにあっては、イニシャルチェックを行うに際し
て、通常、上記アクチュエータの駆動モータに対して後
輪転舵範囲に対応した駆動信号を出力することにより、
該アクチュエータをその可動部材がいずれか一方の基準
ストッパに当接するまで駆動させて基準位置合わせが行
なわれる。また、この片側の基準位置でのチェックを終
えた後、アクチュエータを逆方向に駆動し他側の基準位
置でのチェックを行うことにより、一層精度の高いイニ
シャルチェックを行うことができる。
【0006】しかしながら、この基準位置合わせを行う
際、例えば、車両停止時状態で転舵比が逆位相側にあ
り、この状態からアクチュエータが逆位相側の基準スト
ッパに向かって駆動させられた場合には、アクチュエー
タの駆動部材は、その作動範囲が小さいので比較的緩や
かに上記基準ストッパに当接するのであるが、例えば、
車両停止状態で転舵比が同位相側にあり、この状態から
アクチュエータが逆位相側の基準ストッパに向かって駆
動させられた場合には、上記可動部材は、その作動範囲
が大きくなるのでモータの回転に加速がついた状態で逆
位相側の基準ストッパに当接することになる。そして、
このように加速がついた状態で可動部材が当接すると基
準ストッパに過大な力加わり、これが繰り返された場合
には、基準ストッパが徐々に変形してその基準位置にず
れが生じ、イニシャルチェックの精度に悪影響を及ぼす
ことが考えられる。
【0007】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、基準ストッパによってイニシャルチェックの基
準位置合わせを行うに際して、上記基準ストッパに過大
な力が作用することを防止できるようにした車両の後輪
操舵装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、この発明は、
後輪転舵装置内に、後輪転舵角の同位相側および逆位相
側における最大値をそれぞれ規制する2つの基準ストッ
パが設けられた車両の後輪操舵装置において、後輪転舵
制御の開始に先立って後輪転舵用アクチュエータに対し
後輪転舵範囲に対応した駆動信号を出力して転舵比セン
サのイニシャルチェックを行う補正手段と、上記転舵比
センサの出力値に基づいて上記基準ストッパのいずれか
近い側に対するイニシャルチェックを先に行うように上
記補正手段を制御する補正制御手段とを設けたものであ
る。
【0009】
【発明の効果】この発明によれば、システムスタートか
ら後輪転舵制御が開始されるまでのイニシャルチェック
において、上記転舵比センサの出力値に基づいて上記基
準ストッパのいずれか近い側に対するイニシャルチェッ
クを先に行うようにしたので、アクチュエータは、まず
先に、その可動部材の作動範囲が小さい側の基準ストッ
パに向かって駆動される。従って、上記可動部材の作動
範囲が大きい側の基準ストッパに向かって駆動させた場
合のように、基準ストッパに過大な力が作用することを
防止できる。この結果、基準ストッパが変形するおそれ
がなくなり、イニシャルチェックの精度の低下を有効に
防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。本発明の全体構成を示す図1において、4輪
操舵装置は、左右の前輪1L,1Rを操舵する前輪操舵
装置2と、左右の後輪3L,3Rを操舵する後輪操舵装
置4とを備えている。前輪操舵装置2は、車幅方向に延
設され両端部が左右1対のタイロッド5L,5R及びナ
ックルアーム6L,6Rを介して左右1対の前輪1L,1
Rに連結された前輪操舵軸7と、該前輪操舵軸7上に形
成されたラック部8に噛合するピニオン9が一端部に設
けられると共に他端部にステアリングホイール10が設
けられたステアリングシャフト11とからなり、ステア
リングホイール10のハンドル操作により前輪操舵軸7
を車幅方向に変位させて前輪1L,1Rを操舵するよう
に構成されている。
【0011】後輪操舵装置4は、所定の転舵比特性に従
って、すなわち前輪操舵角に応じて後輪を操舵すると共
に転舵比を車速に応じて変化させるように構成されてお
り、転舵比可変手段12と、パワーステアリング手段1
3と、後輪操舵軸14と、中立位置付勢手段15と、変
位伝達手段46と、油圧アシスト手段としての油圧切換
バルブ61とを備えている(図2乃至図4参照)。上記後
輪操舵軸14は、車幅方向に延設され両端部が左右1対
のタイロッド21L,21R及びナックルアーム22L,
22Rを介して左右1対の後輪3L,3Rに連結され、
該後輪操舵軸14の車幅方向のストローク変位により後
輪3L,3Rが操舵される。上記中立位置付勢手段15
は、圧縮状態で図示の如く配設されたセンタリングバネ
16を備え、該センタリングバネ16によって常時後輪
操舵軸14を中立位置(後輪3L,3Rの直進位置)に付
勢している。
【0012】上記後輪操舵軸14の車幅方向のストロー
ク変位は、転舵比可変手段12とパワーステアリング手
段13とによって行われる。上記転舵比可変手段12
は、後輪3L,3Rを操舵する際の上記転舵比を変化さ
せるものであり、出力軸17を有し、前輪操舵軸7上に
形成されたラック部23、該ラック部23に噛合したピ
ニオン24、及び該ピニオン24と共に回転する伝達シ
ャフト25を介して前輪操舵角が入力せしめられ、該入
力された前輪操舵角に応じて上記出力軸17が車幅方向
にストローク変位せしめられる。また、上記入力された
前輪操舵角に対する出力軸17の変位量の比(転舵比に
対応)はステッピングモータ26の回転量に応じて変化
するように構成される。該ステッピングモータ26の回
転量は、車速センサ27から出力される車速信号に基づ
き制御手段28によって適宜制御され、かつそのステッ
ピングモータ26の実際の回転量は転舵比センサ29に
よって検出され、その検出信号によってフィードバック
制御されるように構成されている。上記転舵比可変手段
12における出力軸17の変位量に応じてパワーステア
リング手段13により後輪3L,3Rの操舵がなされ
る。
【0013】後輪操舵装置4は油圧を利用して操舵力を
発生させるパワーステアリング手段13を備えてなる
が、このパワステアリング手段13には、さらに、油圧
ポンプからドレンさせて上記パワーステアリング手段1
3における後輪操舵力(パワーシリンダ内の油圧力)を消
失させる油圧供給手段としてのバルブ手段30が設けら
れている。上記バルブ手段30は、油圧ポンプ31から
吐出される油をタンク32に戻すため、油圧ポンプ31
の吐出側と後述の油圧切換バルブ61との間とタンク3
2とを直接連通させるドレン通路33上に設けられてお
り、該ドレン通路33の通路33aに並列に配設された
無通電時間の電磁ノーマルオープンバルブ34,35と
で構成されている。37はフィルタである。
【0014】上記両ハルブ34,35は、それらを制御
するために必要な各種の情報(図示せず)が入力される上
記制御手段28によって制御される。すなわち、通常の
後輪操舵時には、両ノーマルオープンバルブ34,35
に通電し、ソレノイド34a,35aを励磁して両バルブ
34,35を閉とし、油圧ポンプ31から吐出される油
圧に基づいて後輪操舵力を発生させて該操舵力により後
輪3L,3Rの操舵を行わせる制御がなされる。また、
後輪操舵装置4に所定の異常が発生した場合には両ノー
マルオープンバルブ34,35への通電を停止し、ソレ
ノイド34a,35aを消磁して両バルブ34,35を開と
し、もって油圧ポンプ31から吐出される油圧をドレン
通路33を介して直接タンク32に排出し、そうするこ
とによってパワーステアリング手段13における後輪操
舵力を消失させ、上記センタリングバネ16(中立位置
付勢手段15)の付勢力により後輪操舵軸14を中立位
置に復帰させ、2WS状態とするフェイルセーフ制御が
なされる。
【0015】尚、両バルブ34,35を開とした場合、
油圧ポンプ31から吐出される油は油圧切換バルブ61
の部分の抵抗が大きいことによりそれらのバルブ34.
35を通ってタンク32に排出される。また、イグニッ
ションスイッチをOFFとしたとき、オルタネータの出
力端子の端子電圧が所定値以下に低下したときには両バ
ルブ34,35への通電は停止され、その結果両バルブ
34,35は開となる。
【0016】転舵比可変手段12は、図2に示すよう
に、出力軸17のほかに、ベベルギヤ41と、揺動軸部
材42と、振子アーム43と、連結ロッド44とを備え
てなり、これら各部材はケース45に収容されている。
転舵比可変手段12の出力軸17は、その軸線方向に摺
動可能にケース45に支持され、該軸線方向にストロー
ク変位することによって、後述するように、変位伝達手
段46を介して後輪操舵軸14をその軸方向(車幅方向)
に変位せしめ、これにより該後輪操舵軸14の両端部に
連係された後輪3L,3Rを操舵するようになってい
る。
【0017】上記ベベルギヤ41は、出力軸17と同軸
の軸線回りに回転可能にケース45に支持されており、
ベベルギヤ41と噛合する伝達シャフト25の後端部の
ピニオン47が、ハンドル操舵により回転するのに伴っ
て、上記軸線回りに回転するようになっている。揺動軸
部材42は、出力軸17と同軸となる位置(図示の位置)
を取り得る軸線を有し、揺動ギヤ48に固設されてい
る。この揺動ギヤ48は、ステッピングモータ26の駆
動により回転するウォーム49と噛合して、揺動軸部材
42の軸線l1と交差する紙面に垂直な軸線回りに回動
し、これにより揺動軸部材42をも同時に回動せしめる
ようになっている。振子アーム43は、揺動軸部材42
の軸線l1回りに揺動可能に該揺動軸部材42に連結さ
れ、該振子アーム43の軸線l2が、揺動軸部材42の回
動軸線と揺動軸部材42の軸線l1との交点を通るよう
に、揺動軸部材42への連結位置が定められている。
【0018】本実施例では、上記揺動ギヤ48の両側
に、後輪転舵角の逆位相側における最大値および同位相
側における最大値をそれぞれ規制する基準ストッパ8
0,81が配設されている。すなわち、ステッピングモ
ータ26が駆動されて上記揺動ギヤ48が逆位相側ある
いは同位相側に揺動させられた場合、該揺動ギヤ48
は、その揺動角度が所定値に達すると上記基準ストッパ
80または81に当接し、それ以上揺動することが規制
される。従って、この基準ストッパ80,81によっ
て、ハンドルが一定舵角以上に操舵されても後輪はそれ
以上転舵されることのない最大転舵角が定められること
になる。本実施例では、後で詳しく説明するように、後
輪の転舵制御開始に際しては、上記揺動ギヤ48を基準
ストッパ80,81に当接させて基準位置合わせを行う
ことにより、後述する転舵比センサのイニシャルチェッ
クが行なうようにしている。尚、本実施例では、より好
ましくは、上記基準ストッパ80,81はともに、合成
樹脂で形成され、上記転舵比可変手段12のケース45
に対して立設されている。このように基準ストッパ8
0,81を合成樹脂製とすることにより、金属どうしが
当接する場合に生じるギヤ部のバックラッシュ等のガタ
を吸収することが可能になる。
【0019】また、連結ロッド44は、出力軸17の軸
線l3と平行な軸線を有しており、上記出力軸17、ベベ
ルギヤ41及び振子アーム43に連結されている。出力
軸17への連結は、出力軸17の端部に固設されたレバ
ー17Aに連結ロッド44の一端部を螺着することによ
ってなされ、ベベルギヤ41への連結は、ベベルギヤ4
1の軸線からの距離rの点において該ベベルギヤ41に
形成された挿通孔41aに連結ロッド44の他端部を挿
通させることによってなされ、振子アーム43への連結
は、連結ロッド44の中間部に全方向回転可能に設けら
れたボールジョイント部材50の挿通孔50aに振子ア
ーム43を挿通させることによってなされる。したがっ
て、連結ロッド44は、出力軸17に対しては固定され
ているが、ベベルギヤ41に対して軸線l4の方向に摺
動可能であり、振子アーム43に対して軸線l2の方向に
摺動可能である。
【0020】尚、上記振子アーム43の軸線l2は、揺動
軸部材42の回動により軸線l3の直交方向に対して傾
き、この傾いた方向に振子アーム43が摺動することと
なるが、この場合においても軸線l2と軸線l4との挟角変
化が吸収されるので、上記振子アーム43から連結ロッ
ド44へ伝達される力のうち出力軸17の軸線l3の直交
方向の成分は上記連結点において吸収され、該直交方向
の相対移動が可能となる。このように、転舵比可変手段
12における振子アーム43と連結ロッド44との連結
が、両者を軸線l3の直交方向に相対移動可能となるよう
にしてなされているので、振子アーム43が回動したと
きの該振子アーム43と連結ロッド44と連結点の軌跡
は、軸線l3を中心とする半径rの円筒の外周面上の円軌
跡または楕円軌跡となる。以上のように、振子アーム4
3と連結ロッド44の連結を、出力軸17の軸線l3に直
交する方向に相対移動可能となるように行うことによ
り、連結ロッド44の軸線l4と出力軸17の軸線l3との
なす角度を一定にすることができ、これにより出力軸1
7の変位に左右偏差が生ずるのを防止することができ
る。
【0021】図3は、転舵比可変手段12と変位伝達手
段46との間に介設された出力変位部材51を示す。該
出力変位部材51は、一端部が連結ロッド44に連結さ
れる出力軸17の他端部が、軸線l3の方向に変位可能に
筒部材52内に嵌合せしめられてなり、上記出力軸17
と筒部材52の端部が、ケース45と一体である支持部
材45a,45aによって支持されている。上記筒部材5
2は変位伝達手段46の係合端部A(図4参照)と係合す
る係合部52aを有する第1筒部分52bと、該第1筒部
分52bに螺合した第2筒部分52cとロックナット52
dとからなっている。また、筒部材52の内部には大径
穴部52eが形成され、該大径穴部52e内では、出力軸
17に対してバネ座17a,17bと、該両バネ座17a,
17b間に縮装されたバネ17cとが設けられ、両バネ座
17a,17bはバネ17cによって互いに軸線方向外側に
付勢されて、出力軸17のリテーナ17d及び段部17e
に当接するとともに、筒部材52の大径穴部52eの軸
線方向両端の段部52f,52gにも当接せしめられてい
る。
【0022】したがって、連結ロッド44によって出力
軸17に軸線l3の方向の変位が伝達された場合、通常は
出力軸17からバネ座17a,17b、バネ17c及び筒部
材52の大径穴部52eの段部52f,52gを介して筒部
材52に伝達され、この筒部材52から係合部52aに
係合された変位伝達手段46の係合端部Aに伝達され
る。しかしながら、変位伝達手段46の係合端部Aの動
きが規制され、それによって出力軸17の変位時に所定
値に設定されたバネ17cのバネ力以上の負荷が筒部材
52に作用した場合には、該出力軸17の変位はこのバ
ネ17cの収縮によって吸収され、筒部材52には伝達
されない。
【0023】また、上記油圧切換バルブ61は、バルブ
ハウジング62と該ハウジング62内に該ハウジング6
2に対して上記出力軸17の軸線l3と平行な軸線l5方向
に変位可能に収容されたバルブ部材であるスプール63
とからなる。該スプール63は以下に詳述する変位伝達
手段46を介して出力軸17及び後輪操舵軸14によっ
て変位せしめられる。このスプール63の変位によって
パワーステアリング手段13への油圧の供給が制御され
る。つまり、図示のバルブハウジング62に対する中立
位置から一方向、例えば右方向に変位すると、パワース
テアリング手段13のシリンダの一方である右油室65
へ油圧が供給され、他方向である左方向に変位すると、
シリンダの他方である左油室66に油圧が供給される。
【0024】上記後輪操舵軸14は上記出力軸17の軸
線13と平行な車幅方向に延び、かつその方向に変位す
ることにより、タイロッド21L,21R、ナックルア
ーム22L,22Rを介して左右両端に連結された後輪
3R、3Lを操舵するものであり、上記変位は、パワー
ステアリング手段13のシリンダの油圧力によって行わ
れる。また、この後輪操舵軸14にはセンタリングバネ
16が設けられており、油圧切換バルブ61やパワース
テアリング手段13における油圧が消失した場合や、こ
の後輪操舵装置の機械系に破損や故障が生じ、それによ
って上記油圧系をドレン開放してパワーステアリング手
段13のシリンダにおける油圧を消失させた場合に、こ
のセンタリングバネ16によって、後輪操舵軸14を中
立位置つまり後輪が操舵されず直進状態にある位置に位
置決めし、いわゆるフェイルセーフを図るように構成さ
れている。上記パワーステアリング手段13のシリンダ
は、油圧力によって後輪操舵軸14を車幅方向に変位さ
せるものであり、ピストン68が直接後輪操舵軸14に
固設され、このピストン68の左右に左右の油室66,
65を形成するシール部材70,71が配設されてい
る。このシール部材70,71はパワーステアリング手
段13のシリンダのハウジング72に固定されかつ後輪
操舵軸14とは摺動可能である。
【0025】上記変位伝達手段46は、出力部材51の
ほかに、出力軸17とスプール63と後輪操舵軸14と
に係合し、上記出力軸17の変位によって上記スプール
63を所定の方向に変位させる方向に作動せしめられる
とともに、該スプール63の変位のより生じる上記後輪
操舵軸14の変位によって、上記スプール63を上記と
反対の方向に変位させる方向に作動せしめられるように
構成されてなるものである。具体的には、変位伝達手段
46は、縦レバーと横レバーとからなる十字レバー46
aを有し、縦レバーの一端部である係合端部Aが出力変
位部材51の筒部材52に、他端部である係合端部Bが
後輪操舵軸14に、また、横レバーの一端部である係合
端部Cが車体に固設された後輪操舵装置4のケースに、
他端である係合端部Dが上記スプール63に係合されて
いる。上記係合端部A,B,Dはそれぞれ出力変位部材5
1の筒部材52、後輪操舵軸14及びスプール63に対
して軸線方向には移動不可能に、その他の方向には移動
可能にかつ回転可能に係合せしめられ、係合端部Cはボ
ールジョイント(図示せず)によって回転は可能にかつ移
動は不可能に係合されている。
【0026】次に、図6乃至図8を参照しながら、この
操舵装置の作動原理を説明する。図6は、図4と同様に
スプール63及び後輪操舵軸14が共に中立位置にある
状態を示す断面図で、この状態から出力軸17が右方向
に変位したとする。すると、十字レバー46aの係合端
部Aは筒部材52と共に右方向に変位し、係合端部Aの
変位時に後輪操舵軸14にはタイヤ反力やセンタリング
バネ16による反力が作用しているので、この係合端部
Bは軸方向に不動であり、かつ係合端部Cもケースに取
付けられて不動であるので、この十字レバー46aは係
合端部C及び係合端部Bを結ぶ直線を中心として図7に
示すように傾き、つまり十字レバー46aはスプール6
3を所定の方向である右方向に変位させる方向に作動せ
しめられ、係合端部Dによってスプール63を右方向に
変位させる。
【0027】上記図6に示す中立状態においてはバルブ
ハウジング62とスプール63とのタンク戻り油路間隙
はパワーステアリング手段13のシリンダの左右油室6
6,65側両方ともL0であったが、このようにしてス
プール63が中立位置から右方向に変位すると、右油室
65側の上記タンク戻り油路間隙は狭くなると共に左油
室66側のそれは広くなり、したがって右油室65の油
圧は増大し、左油室66の油圧は減少し、パワーステア
リング手段13には後輪操舵軸14を左方向に押す油圧
力が生じる。この後輪操舵軸14を左方向に押す油圧力
は上記スプール63の右方向変位の増大に応じて増大す
る。そして、上記スプール63が、図6に示す中立位置
から図7に示すバランス位置までL1だけ右方向に変位
せしめられると、右油室65側のタンク戻り油路間隙は
L1=L0−L1まで狭くなり、それによって生じるパ
ワーステアリング手段13は上記油圧力が後輪操舵軸1
4に作用する外力(センタリングバネ力やタイヤ反力な
ど)とバランスして釣り合う。
【0028】図7に示す状態からスプール63がさらに
右方向に変位せしめられると、上記右油室65側のタン
ク戻り油路間隙は上記L2よりもさらに狭くなるととも
に、上記左油室66のそれは上記L3よりもさらに広く
なり、それによって上記パワーシリンダ手段13生じる
油圧力は上記後輪操舵軸14に作用する外力よりも大き
くなり、後輪操舵軸14は該油圧力によって左方向に変
位せしめられる。そして、後輪操舵軸14が左方向に変
位せしめられると、十字レバー46aの係合端部Bはこ
の後輪操舵軸14と共に左方向に変位せしめられ、その
とき出力変位部材51にはハンドル操舵力や前輪のタイ
ヤ反力などが作用しているので、係合端部Aは不動であ
り、また係合端部Cも不動であるので、この十字レバー
46aは係合端部A、係合端部Cを結ぶ直線を中心にし
て図8に示すようにバランス位置に戻ったら後輪操舵軸
14の変位が停止する。
【0029】この状態からさらに出力軸17が右方向へ
変位してスプール63が右方向へ変位すると、上記と同
様にして後輪操舵軸14が左方向へ変位し、スプール6
3がバランス位置に戻ったところで停止し、この作動を
繰り返すことにより出力軸17の変位量に対応した量だ
け後輪操舵軸14が変位し、その変位量に応じて後輪3
L,3Rが操舵される。尚、上記バランス位置は、前述
のように、外力の大きさによって変わり、例えば後輪操
舵軸14が上述の如く左方向に変位するとそれに応じて
センタリングバネ16が撓み、それによってセンタリン
グバネ16による力(外力)が大きくなるので、その分バ
ランス位置は図7に示す位置から右方向に移動する。し
かしながら、勿論このバランス位置の移動量は極めて小
さいものであり、例えば、本実施例では、後輪操舵軸1
7は最大限中立位置から左右に±10mm程度変位せしめ
られるものであるが、その最大限変位せしめられた時点
のバランス位置は、図6に示す中立位置から約±1mm程
度しか離れていないものである。上記出力軸17が左方
向に変位した場合には十字レバー46a、スプール63
及び後輪操舵軸14の動きが上記の場合と逆になるだけ
であり、作動原理は同様でるので説明は省略する。
【0030】上記転舵比可変手段12による転舵比の変
更制御は種々の要因に基づいて行うことができ、またそ
の変更制御パターンも種々のものが考えられる。本実施
例では車速に基づき、低速領域においては後輪3L,3
Rをハンドル操舵及び前輪1L,1Rに対して逆位相に
転舵させて旋回性の向上を図り、高速領域では同位相に
転舵させて走行安全性の向上を図るように、図5に示す
ようなパターンで制御される。尚、この場合、ハンドル
操舵と前輪操舵とは常に同位相である。
【0031】この制御を行うために、制御手段28は、
図9に示すように、上記転舵比制御パターンを記憶し、
車速センサ27から車速信号が入力され、この車速信号
と転舵比制御パターンとによって求められる転舵比を実
現すべく(図5参照)、上記ステッピングモータ26を所
定方向に所定量回転させる後輪転舵制御手段28aを有
する。また、上記制御手段28は、ステッピングモータ
26の回転によって設定されている実際の転舵比を揺動
ギヤ48の中心軸の回転角度から転舵比センサ29によ
って検出し、フィードバック制御するように構成されて
いる。更に、上記制御手段28は、車速センサ27の出
力パルスを受け、イニシャルチェック状態ではパルス間
の周期に基づいて車速を演算し、その他の状態では所定
時間内に出力されたパルス数に基づいて車速を演算する
車速演算手段28gを有する。上記後輪転舵制御手段2
8aは、車速演算手段28gの出力を受けイニシャルチェ
ックにおいては、車速有りの判定で2輪操舵の転舵比
(すなわち転舵比0)となる2輪操舵位置(2WS位置)
に、車速無しの判定で転舵比が逆位相の最大値となる基
準位置にステッピングモータ26を制御するようになっ
ている。
【0032】また、上記制御手段28は、イニシャルチ
ェックにより上記ステッピングモータ26を作動させる
際、上記モータ作動前に上記バルブ手段30(油圧供給
手段)を制御して油圧アシスト手段としての油圧切換バ
ルブに油圧を供給させる油圧制御手段28bと、イニシ
ャルチェックにおいて、ステッピングモータ26に対し
後輪転舵範囲に対応した最大パルスの駆動信号を出力し
て該ステッピングモータ26の基準位置を合わせるとと
もに、上記転舵比センサ29の出力値を予め定められた
基準値にセットする第1補正手段28cと、イニシャル
チェックにおいて、現在の転舵比センサ29の出力値に
基づいて逆位相側および同位相側の基準ストッパ80及
び81のいずれか近い側に対するイニシャルチェックを
先に行うように上記第1補正手段28cを制御する補正
制御手段28hと、上記車速演算手段28g及び後輪転舵
制御手段28aの出力を受け、イニシャルチェックにお
いて車速有りの判定で2輪操舵位置にステッピングモー
タ26を制御する際には、2輪操舵位置への移行終了後
に油圧制御手段28bを制御してバルブ手段30により
油圧切換バルブに油圧を供給させる第2補正手段28d
とを有する。
【0033】さらに、上記制御手段28は、車速演算手
段28g及び転舵比センサ29の出力を受け、車速に対
する転舵比の不一致によりフェイルと判定してフェイル
セーフを行うフェイルセーフ手段28eと、該フェイル
セーフ手段28eに連係され、イニシャルチェックにお
いて車速有りの判定で2輪操舵位置に制御する際には、
車速に対する転舵比の不一致に基づくフェイルセーフ手
段28eによるフェイルセーフを2輪操舵位置となるま
で禁止する禁止手段28fとを有する。
【0034】続いて、上記制御手段28による制御の流
れについて、図10のフローチャートに沿って説明す
る。イグニッションスイッチON、システムスタート、
エンストからのスタート等によりスタートすると、ま
ず、制御手段28のCPUがイニシャライズされて(ス
テップ#1)、イニシャルチェックが始まる。なお、エ
ンストの場合に行う必要があるのは、オルタネータのL
端子よりステッピングモータ26の電源電圧を取ってい
るので、エンストにより電源電圧が低下し、システムダ
ウンしているからである。
【0035】しかして、最初に走行中であるか否かを判
定するために車速センサ27よりの信号にて車速が0で
あるか否かの車速判定が行われる(ステップ#2)。車速
が0であれば、車両は停止しており、そのときは、前輪
操舵角に対する後輪操舵角の比である転舵比が逆位相の
最大値(基準位置)になっている必要があるので(図5参
照)、油圧を供給するためにノーマルオープンバルブ3
4,35のソレノイド34a,35aをONして励磁し(ス
テップ#3)、上記両バルブ34,35を閉じ、油圧アシ
スト状態としてステッピングモータ26(例えばモータ
速度380pps)が転舵比が逆位相の最大値となる基準位
置となるように基準位置合わせを行う(ステップ#4)。
このステップ#4の基準位置合わせの詳細については後
述する。そして、上記基準位置合わせが終了すれば、ス
テップ#5に移り、車速に応じて後輪3L,3Rを転舵
する通常の後輪転舵制御を行う。
【0036】一方、上記ステップ#2の判定で、車速が
0でなければ、例えば走行中のエンスト等を原因とする
スタートであると考えられ、車両は走行しているので、
本来制御されるべき転舵比よりも後輪3L,3Rがより
逆位相側に転舵される可能性をなくすために、ノーマル
オープンバルブ34,35のソレノイド34a,35aをO
FFして消磁して(ステップ#9)、両バルブ34,35
を開き、それから、転舵比と車速の不一致によりフェイ
ルセーフとなるのを禁止し(ステップ#10)、ステッピ
ングモータ26を低速度(例えばモータ速度95pps)で
回転して駆動力を重視し、2輪操舵の転舵比となる2W
S位置に位置合わせを行う(ステップ#11)。ここで、
フェイルセーフを禁止するのは、ステッピングモータ2
6を低速で回転することから、車速と転舵比との対応関
係がなくなり、それらが不一致となる可能性があり、そ
れを原因としてフェイルセーフ制御に移行するのを防止
するためである。
【0037】その後、2WS位置の位置合わせが終了し
たか否かが判定され(ステップ#12)、2WS位置の位
置合わせが終了していなければ、ステップ#11に戻
り、2WS位置の位置合わせを続行する一方、2WS位
置の位置合わせが終了していれば、2WS位置となって
いるか否かを判定する(ステップ#13)。2WS位置で
あれば、油圧を供給しても後輪3L、3Rは転舵されな
いので、ノーマルオープンバルブ34,35のソレノイ
ド34a,35aをONして(ステップ#14)、フェイル
セーフの禁止を解除し(ステップ#15)、通常の車速感
応の後輪転舵制御に移る(ステップ#6)一方、2WS位
置になければ、2WS位置の位置合わせを5回行ったか
否かを判定し(ステップ#16)、5回行っていなけれ
ば、ステップ#10に戻り、2WS位置の位置合わせを
行い、5回実施していれば、2WS位置にならないと判
断してフェイルと判定し、システムデッドとする(ステ
ップ#17)。尚、ここで、2WS位置の位置合わせを
5回行うのは、モータ26を低速で駆動力重視で回転し
てはいるが、駆動力不足で2WS位置になりにくい場合
があるからであり、また、5回行っても2WS位置にな
らないと、駆動力不足で2WS位置になるとはほとんど
考えられないからである。
【0038】本実施例では、上記ステップ#4において
基準位置合わせを行う場合、前述したように、転舵比可
変手段12の揺動ギヤ48を、同位相側および逆位相側
の基準ストッパ80及び81に当接させてステッピング
モータ26の基準位置を合わせ、このとき転舵比センサ
29がこの基準位置に対応したセンサ値を出力するよう
にセットするイニシャルチェックが行なわれる。しか
も、本実施例では、イニシャルチェック開始時点での転
舵比(つまりステッピングモータ26の停止位置)から、
上記両基準ストッパ80,81のいずれか近い側に対す
るイニシャルチェックが先に行なわれるようになってい
る。尚、本実施例の場合、上記転舵比センサ29は、例
えば図12にその一例を示すように略リニヤな出力特性
を備えており、転舵比が逆位相側の最大値にある場合に
は0.5V、同位相側の最大値にある場合には3.5V、
また転舵比0(零)の2WS状態では2Vのセンサ値θS
を出力するようになっている。
【0039】以下、上記ステップ#4での基準位置合わ
せについて、図11のフローチャートを参照しながら説
明する。すなわち、まず、ステップ#41で、転舵比セ
ンサ29の出力を読み取ってそのセンサ出力値θSが入
力される。そして、ステップ#42で、このセンサ値θ
Sが、2WSの場合の出力値2Vよりも小さいか否かが
判定される。このステップ#42での判定結果がYES
の場合、つまりイニシャルチェック開始時点での転舵比
が逆位相側にある場合には、ステップ#43で、ステッ
ピングモータ26に対して、該モータ26を逆位相側に
駆動する最大パルスの駆動信号が出力される。この結
果、揺動ギヤ48は、逆位相側に揺動させられて逆位相
側の最大転舵角を規制する基準ストッパ80に当接す
る。そして、この状態で、転舵比センサ29の出力値θ
Sが正確に0.5Vとなるようにセットされる。この場
合、上記揺動ギヤ48は、逆位相側に位置する状態か
ら、近い側にある逆位相側の基準ストッパ80に当接す
る基準位置まで揺動するだけであるので、同位相側に位
置する状態から揺動させられる場合のように、加速がつ
いた状態で基準位置に達することはなく、上記基準スト
ッパ80に対しては比較的緩やかに当接する。
【0040】次に、ステッピングモータ26の作動を確
認するために、ステップ#44で、ステッピングモータ
26に対して該モータ26を同位相側に駆動する最大パ
ルスの駆動信号が出力され、同位相側への作動が正常に
行なわれるか否かの確認が行なわれる。また、このと
き、転舵比センサ29の出力値θSが3.5Vであるか
否かの確認が行なわれる。そして、この確認が行なわれ
た後、再びステッピングモータ26に対して該モータ2
6を逆位相側に駆動する最大パルスの駆動信号が出力さ
れ、初期基準位置にセットされてイニシャルチェックが
終了するようになっている。
【0041】一方、上記ステップ#42での判定結果が
NOの場合、つまり現在の転舵比が同位相側にある場合
には、ステップ#46で、ステッピングモータ26に対
して、該モータ26を同位相側に駆動する最大パルスの
駆動信号が出力され、揺動ギヤ48は、同位相側に揺動
させられて同位相側の最大転舵角を規制する基準ストッ
パ81に当接する。 そして、この状態で、転舵比セン
サ29の出力値θSが正確に3.5Vとなるようにセッ
トされる。この場合にも、上記揺動ギヤ48は、同位相
側に位置する状態から、近い側にある同位相側の基準ス
トッパ81に当接する基準位置まで揺動するだけである
ので、該基準ストッパ81に対しては比較的緩やかに当
接する。この後、ステッピングモータ26の逆位相側へ
の作動を確認するために、ステップ#47で、ステッピ
ングモータ26に対して該モータ26を逆位相側に駆動
する最大パルスの駆動信号が出力され、逆位相側への作
動が正常に行なわれるか否か、また、転舵比センサ29
の出力値θSが0.5Vとなっているか否かの確認が行
なわれ、確認するとこの状態で初期基準位置にセットさ
れるようになっている。
【0042】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、後輪転舵制御開始に先立つイニシャルチェックにお
いて、転舵比センサ29の出力値に基づいて、上記基準
ストッパ80,81のいずれか近い側に対するイニシャ
ルチェックを先に行うようにしたので、ステッピングモ
ータ26は、まず先に、上記揺動ギヤ48の揺動角度が
小さい側の基準ストッパに向かって駆動される。従っ
て、該揺動ギヤ48の揺動角度が大きい側の基準ストッ
パに向かって駆動させた場合のように、基準ストッパに
過大な力が作用することを防止できる。この結果、基準
ストッパが変形するおそれがなくなり、イニシャルチェ
ックの精度の低下を有効に防止することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る車両の操舵系を示す全
体構成図出ある。
【図2】 上記車両の後輪操舵装置の転舵比可変手段の
断面図である。
【図3】 上記後輪操舵装置の出力変位部材の断面図で
ある。
【図4】 上記後輪操舵装置の概略斜視図である。
【図5】 上記後輪操舵装置による転舵比の制御パター
ンの一例を示すグラフである。
【図6】 上記後輪操舵装置の作動を示す要部断面説明
図である。
【図7】 上記後輪操舵装置の作動を示す要部断面説明
図である。
【図8】 上記後輪操舵装置の作動を示す要部断面説明
図である。
【図9】 上記後輪操舵装置の制御手段のブロック構成
図である。
【図10】 上記制御手段による制御を説明するフロー
チャートである。
【図11】 上記制御手段による基準位置合わせを説明
するフローチャートである。
【図12】 転舵比センサの出力特性の一例を示すグラ
フである。
【符号の説明】
4…後輪操舵装置 12…転舵比可変手段 26…ステッピングモータ 28…制御手段 28a…後輪転舵制御手段 28c…第1補正手段 28h…補正制御手段 29…転舵比センサ θS…転舵比センサの出力値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪転舵装置内に、後輪転舵角の同位相
    側および逆位相側における最大値をそれぞれ規制する2
    つの基準ストッパが設けられた車両の後輪操舵装置にお
    いて、 後輪転舵制御の開始に先立って後輪転舵用アクチュエー
    タに対し後輪転舵範囲に対応した駆動信号を出力して転
    舵比センサのイニシャルチェックを行う補正手段と、上
    記転舵比センサの出力値に基づいて上記基準ストッパの
    いずれか近い側に対するイニシャルチェックを先に行う
    ように上記補正手段を制御する補正制御手段とを設けた
    ことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
JP25147391A 1991-09-30 1991-09-30 車両の後輪操舵装置 Pending JPH0585393A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25147391A JPH0585393A (ja) 1991-09-30 1991-09-30 車両の後輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25147391A JPH0585393A (ja) 1991-09-30 1991-09-30 車両の後輪操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0585393A true JPH0585393A (ja) 1993-04-06

Family

ID=17223341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25147391A Pending JPH0585393A (ja) 1991-09-30 1991-09-30 車両の後輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0585393A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6236611B1 (ja) * 2017-01-30 2017-11-29 株式会社クレスト 水質計に装着される洗浄装置及び洗浄機能を備えた水質計

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6236611B1 (ja) * 2017-01-30 2017-11-29 株式会社クレスト 水質計に装着される洗浄装置及び洗浄機能を備えた水質計
JP2018124071A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 株式会社クレスト 水質計に装着される洗浄装置及び洗浄機能を備えた水質計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5346030A (en) Rear-wheel steering apparatus for vehicles
US5083628A (en) Rear wheel steering device for a vehicle
JP3001294B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0585393A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS59128053A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH04303072A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS63151578A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH03178876A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS63184572A (ja) 車両のステアリング装置
JP2563901B2 (ja) 車両の4輪操舵装置
JP3096124B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0829710B2 (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH05213221A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH05278627A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS63255180A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH0557951B2 (ja)
JPH05330444A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH03153466A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS63184573A (ja) 自動車のステアリング装置
JPH03114972A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH06107203A (ja) 車両の操舵装置
JPS59134060A (ja) 動力舵取装置
JPH04303068A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPS63255181A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPS63258270A (ja) 車両の4輪操舵装置