JPH0585216A - 自動車のシフトレバー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】傾倒位置にあるシフトレバ−を簡単な操作によ
りパ−キングレンジ位置へ復帰させる。 【構成】シフトレバ−１が、自動変速機本体に連係され
た下方部分１ｂと、シフトノブ８を有すると共に下方部
分１ｂに折曲可能に連結された上方部分１ａとの分割構
造とされている。シフトレバ−１がパ−キングレンジ位
置にあるとき、上方部分１ａを前方へ押し倒すことによ
り、シフトノブ８が座席２、３の座面２ａ、３ａよりも
低い傾倒位置とされる。ブレ−キペダル１６とシフトレ
バ−１とがワイヤ１４によって連係されて、ブレ−キペ
ダル１６を踏込み操作することによって、シフトレバ−
１がパ−キングレンジ位置へ復帰される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の座席の間に配
置された自動変速機のシフトレバー構造に関し、更に詳
細には、自動変速機がパーキングレンジにあるときその
シフトレバーを座席の上面よりも下方位置まで傾倒可能
にした、自動車のシフトレバー構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動変速機のシフトレバーを運転
席と助手席の間に配置した、いわゆるフロアシフト式の
変速機を有する自動車が普及している。かかる自動変速
機は、ニュートラルレンジ（Ｎレンジ）、ドライブレン
ジ（Ｄレンジ）、セコンドレンジ（２レンジ）、ロウレ
ンジ（Ｌレンジ）、リバースレンジ（Ｒレンジ）、パー
キングレンジ（Ｐレンジ）等の種々のモードを有し、こ
れらのモードの選択はシフトレバーのポジションを変更
することにより行う。しかし、フロアシフト式変速機の
シフトレバーはいずれのポジションにあっても運転席と
助手席の間にほぼ直立した状態で位置するから、このシ
フトレバーが邪魔になって、運転席と助手席の間で乗員
が移動するのを困難にしている。

【０００３】そこで、従来は、運転席と助手席との間に
配置したシフトレバーをシフトノブ側の上方レバー部と
変速機側の下方レバー部との二分割構造とし、これらの
レバー部を継手によって連結することにより、上方レバ
ー部を助手席側シートの前面に倒すようにした、車両用
変速機の可倒式シフトレバー装置が提案されている（例
えば、特開昭６２ー２４５４１４号公報、特開昭６３ー
２０３４３２号公報等を参照のこと）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したような構成の
可倒式シフトレバー装置によれば、自動車の停車中にシ
フトレバーを助手席側シートの前面に倒すことにより、
乗員は運転席と助手席の間で容易に移動することができ
るのであるが、自動車の運転を再開するときには、傾い
たシフトレバーを手動で操作位置まで復帰させなければ
ならない。したがって、シフトレバーを操作位置まで復
帰させる前に運転者がシートベルトを締めてしまったよ
うな場合には、助手席側に傾いたシフトレバーに手が届
かないという事態も生じる。

【０００５】したがって、本発明の目的は、シフトレバ
−を傾倒させるようにしたものにおいて、シフトレバ−
を容易にパ−キングレンジ位置へ復帰させることのでき
るようにした自動車のシフトレバ−構造を提供すること
にある。

【０００６】上記目的を達成するため、本発明にあって
は次のような構成としてある。すなわち、左右の座席間
に配置された自動変速機のシフトレバ−が、パ−キング
レンジ位置から、シフトノブが前記座席の座面よりも下
方に位置した傾倒位置をとり得るようにされ、ブレ−キ
ペダルの踏込み操作によって、前記傾倒位置にあるシフ
トレバ−をパ−キングレインジ位置にまで復帰させる復
帰手段を備えている、ような構成としてある。

【０００７】

【発明の効果】本発明によれば、ブレ−キペダルを操作
することによって、シフトレバ−が傾倒位置からパ−キ
ングレンジ位置へと自動復帰されるので、この復帰の手
間を軽減することができる。また、ブレ−キペダルの踏
込み操作というように、自動車の発進を規制した状態を
前提として、走行のためのレンジ位置選択の前提となる
パ−キングレンジ位置への復帰を許容するので、安全性
の上からも好ましいものとなる。

【０００８】シフトノブすなわちシフトレバ−を前方へ
向けて倒して傾倒位置とすることにより、座席とシフト
レバ−との干渉を確実に防止しつつシフトレバ−を傾倒
位置とすることができる。また、シフトレバ−が座席側
にないので、隣りの座席を通って、反対側のドアから乗
り降りするときに、傾倒位置にあるシフトレバ−が邪魔
になることもない。本発明の好ましい態様およびその利
点は、以下の実施例の説明から明らかとなる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１０】図１は本発明のシフトレバー構造を備えた
自動車の運転席周辺の状態を表す図であり、自動変速機
のシフトレバー１は運転席２と助手席３の間に配置され
ている。シフトレバー１は、同図において傾倒位置にあ
り、この実施例ではシフトレバー１は前方へ傾倒してい
る。図１中、４はパーキングブレーキ解除ノブ、５はス
テアリングホイール、６はダッシュボード、７はフロン
トグラスである。

【００１１】シフトレバー１は、図２に示すように、シ
フトノブ８を有する上方部分１ａと、変速機本体（図示
せず）側の下方部分１ｂとからなる二分割構造を有し、
上方部分１ａの下端部と下方部分１ｂの上端部とはピボ
ット軸９によって傾倒可能に連結されている。図２にお
いて、シフトレバー１は傾倒位置Ａにあるが、このとき
シフトレバー１の上方部分１ａは運転席２及び助手席３
の座面２ａ、３ａよりも下方位置にある。これにより、
運転者１０等が運転席２と助手席３の間を移動するに際
して、シフトレバー１が妨げにならない。図２中、１１
はインジケータ、１２は変速機のディテントピン１２ａ
の位置を規制するためのディテント溝１２ｂを有するセ
クションプレート、１３は変速機のポジションを変更さ
せるためのチェンジケーブル、そして１４はシフトレバ
ー１の傾倒位置Ａでのロック状態を解除するためのワイ
ヤーである。ワイヤー１４は、図３及び図９に示すよう
に、ダッシュロアパネル１５を貫通してブレーキペダル
１６の上端に連結される。ブレーキペダル１６は軸１７
を中心にしてＤ−Ｅ方向に回動する。なお、図９中、１
８はオーバーストローク吸収用のスプリングを示す。

【００１２】図３に示すように、シフトレバー１の上方
部分１ａは傾倒位置Ａと起立位置Ｃとの間を中間位置Ｂ
を通って回動自在であり、シフトレバー１は中間位置Ｂ
と起立位置Ｃとの間で車両走行時における通常の変速操
作を行う。

【００１３】さて、図４から図７までは二分割構造のシ
フトレバー１の上方部分１ａと下方部分１ｂの内部構造
を示す。下方部分１ｂは、図４及び図５に示すように、
その上端部にピボット軸挿入孔１９とリターンスプリン
グ収容溝２０とを有し、またその中央部には軸線に沿っ
てディテントピン解除ロッド挿入孔２１が形成されてい
る。この挿入孔２１内にはディテントピン解除用の下部
ロッド２２が摺動自在に挿入され、この下部ロッド２２
の下方部分の側面にはディテントピン１２ａが突出形成
されている。ディテントピン１２ａはシフトレバー１の
下方部分１ｂの側面に形成された長孔２３から突出し、
セクションプレート１２のディテント溝１２ｂに係合す
る。他方、上方部分１ａは、図６及び図７に示すよう
に、その下端部にピボット軸挿入孔、リターンスプリン
グ収容溝２４、Ｐ２ポジションロック溝２２ａが形成さ
れ、またその中央部には軸線に沿ってディテントピン解
除ロッド挿入孔２６が形成されている。そして、この挿
入孔２６内にはディテントピン解除用の上部ロッド２７
が摺動自在に挿入されている。

【００１４】シフトレバー１の上方部分１ａと下方部分
１ｂとは、ピボット軸挿入孔１９、２４を整合させてピ
ボット軸９を挿通することにより、一体化され、このと
きリターンスプリング収容溝２０、２５も整合する。整
合したリターンスプリング収容溝２０、２５内には、シ
フトレバー１の上方部分１ａを傾倒位置Ａから操作位置
Ｃに戻すためのリターンスプリング（図示せず）を収容
する。リターンスプリングはコイルバネ形状を成してい
る。

【００１５】ここで、セクションプレート１２のディテ
ント溝１２ｂについて、図８を参照して説明する。ディ
テント溝１２ｂには、ニュートラルレンジ（Ｎレン
ジ）、ドライブレンジ（Ｄレンジ）、セコンドレンジ
（２レンジ）、ロウレンジ（Ｌレンジ）、リバースレン
ジ（Ｒレンジ）、パーキングレンジ（Ｐ１レンジ）に対
応するカム面が形成され、更にＰ１レンジの反対側には
Ｐ２ポジションに対応するＰ２レンジのカム面が形成さ
れている。次に述べるように、このＰ２レンジにディテ
ントピン１２ａがあるとき、シフトレバー１の上方部分
１ａは傾倒位置Ａにある。

【００１６】図１０ないし図１４を参照して、本実施例
の作用を説明する。図１０はシフトレバー１が中間位置
Ｂと起立位置Ｃとの間にあって、ＲレンジからＬレンジ
までの変速操作を行う場合を示す。このとき、ディテン
トピン解除用の下部ロッド２２の上端部はシフトレバー
１の上方部分１ａのロッド挿入孔２６内にまで侵入し、
シフトレバー１の上方部分１ａと下方部分１ｂの一体的
な運動を確保している。なお、図１０に示すように、シ
フトレバー１の下方部分１ｂの近傍には、ディテントピ
ン１２ａをセクションプレート１２のＰ２レンジからＰ
１レンジに戻すためのＰ２ロック解除ピン２８が設けら
れている。このＰ２ロック解除ピン２８はワイヤ１４の
端部に連結され、ブレーキペダル１４を踏むとワイヤ１
４に引っ張られ、リターンスプリング２９の弾発力に抗
して楕円形状のスライドレール３０上を移動する。そし
て、シフトレバー１の下方部分１ｂにはこの解除ピン２
０と下部ロッド２２との係合を可能にするための開口３
１が形成されている。

【００１７】図１１はシフトレバー１をＰ１レンジに入
れ、更にシフトノブ８のリリースボタン（図示せず）を
深く操作することにより、ディテントピン１２ａをＰ２
レンジに入れた状態を示す。これにより、下部ロッド２
２の上端部は上方部分１ａの内部から脱出してピボット
軸９付近に位置し、上方部分１ａは傾倒可能になる。な
お、図１１中、３２は下部ロッド２２のリターンスプリ
ングである。そして、図１１の状態から上方部分１ａを
更に傾倒させ、傾倒位置Ａまで回転させると、下部ロッ
ド２２の上端部はＰ２ポジションロック溝２２ａ内に侵
入し、シフトレバー１の上方部分１ａを傾倒位置Ａでロ
ックする。

【００１８】シフトレバー１が傾倒位置Ａでロックされ
ているとき、ブレーキペダル１を踏むと、ワイヤ１４が
引っ張られて、図１３に示すようにＰ２ロック解除ピン
２８が下方へ変位する。このとき、Ｐ２ロック解除ピン
２８の先端が開口３１からシフトレバー１の下方部分１
ｂ内に侵入し、下部ロッド２２と係合して下部ロッド２
２を下方へ押し下げる。これにより、下部ロッド２２と
Ｐ２ポジションロック溝２２ａとの係合が解除され、シ
フトレバー１の上方部分１ａはリターンスプリングの力
で起立する。シフトレバー１の上方部分１ａが起立する
と、図１４に示すように、下部ロッド２２はリターンス
プリング３２の力で上方へ変位し、上方部分１ａの内部
へ侵入して上方部分１ａを傾倒不可能にする。図１４の
状態から、シフトレバー１を操作するとＰ２ロック解除
ピン２８はリターンスプリング２９の力で図１０の位置
に復帰する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシフトレバー構造を備えた自動車の運
転席付近の斜視図である。

【図２】本発明のシフトレバー構造の要部側面図であ
る。

【図３】本発明のシフトレバー構造の全体側面図であ
る。

【図４】本発明のシフトレバーの下方部分の側面図であ
る。

【図５】図４のシフトレバーの下方部分の平面図であ
る。

【図６】本発明のシフトレバーの上方部分の側面図であ
る。

【図７】図６のシフトレバーの上方部分の平面図であ
る。

【図８】ディテント溝の正面図である。

【図９】ブレーキペダルとワイヤの接続状態を示す側面
図である。

【図１０】通常の操作状態におけるシフトレバーの要部
側面図である。

【図１１】Ｐ２レンジにシフトレバーを入れたときのシ
フトレバーの要部側面図である。

【図１２】Ｐ２レンジにおいてシフトレバーを傾倒させ
たときのシフトレバーの要部側面図である。

【図１３】Ｐ２レンジにおけるロック状態を解除したと
きのシフトレバーの要部側面図である。

【図１４】Ｐ２レンジからＰ１レンジに復帰したときの
シフトレバーの要部側面図である。

【符号の説明】

１…シフトレバー １ａ…上方部分 １ｂ…下方部分 ２…運転席 ８…シフトノブ ９…ピボット軸 １４…ワイヤ １６…ブレーキペダル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｈ 59/10 8207−3Ｊ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の座席間に配置された自動変速機の
   シフトレバ−が、パ−キングレンジ位置から、シフトノ
   ブが前記座席の座面よりも下方に位置した傾倒位置をと
   り得るようにされ、 ブレ−キペダルの踏込み操作によって、前記傾倒位置に
   あるシフトレバ−をパ−キングレインジ位置にまで復帰
   させる復帰手段を備えている、ことを特徴とする自動車
   のシフトレバ−構造。
2. 【請求項２】請求項１において、 前記シフトレバ−が、自動変速機本体側に連係された下
   方部分と、シフトノブを有すると共に該下方部分に対し
   て折曲可能に連結された上方部分との分割構造とされ、 前記上方部分を前記下方部分に対して折曲させることに
   より前記傾倒位置とされるもの。
3. 【請求項３】請求項１または２において、 パ−キングレンジ位置からシフトノブを前方へ向けて倒
   すことにより前記傾倒位置とされるもの。