JPH0583610B2 - - Google Patents
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は熱間加工性および耐食性にすぐれた高
合金ステンレス鋼に関するものであり、特に海水
に対する耐食性が優れた高合金ステンレス鋼の製
造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 高合金ステンレス鋼は特に厳しい耐食性、耐熱
性、耐酸化性が要求される場合に使用され、特に
耐海水ステンレス鋼は今後ますます重要性が増大
する傾向にある。これらの合金は多くの場合、
Cr,Ni,Mo,Si等を多量に含有しており、また
Nはステンレス鋼の強度と耐食性改善元素として
積極的に活用が望まれる元素である。このように
高合金化されたステンレス鋼は高温域での加工性
が劣り、従来インゴツト法による製造を余儀なく
されていた。本発明者等は特願昭60−4118号(特
開昭61−163247号公報)にて提示したようにこれ
らの高合金鋼の連続鋳造化を進めてきたが、これ
らの連続鋳造鋳片(以下CC鋳片という)では特
有の問題が生じることが判明した。 〔発明が解決しようとする問題点〕 耐海水性に対してはCr,Mo,Nが特に重要な
合金成分であることはよく知られている。特に
Moを6%以上含有することが耐食性の改善に有
効であるが、このMoを6%程度含有する20Cr−
18Ni系合金のCC鋳片を鋳造すると、鋳造時に鋳
片の中心部にMo,Crの合金元素の偏析が生じ、
また鋳片の冷却過程にσ相が析出することが判明
した。このようなCC鋳片を出発材として、スラ
ブ加熱から熱間圧延を経て厚板やホツトコイルを
製造し最終熱処理をする場合、製造工程中にこの
σ相が存在するために著しく加工性が劣り、熱間
加工時に耳割れ、面割れ等の割れを発生したり、
σ相及び合金元素の偏析により最終製品の特に板
厚中心部の耐食性が劣化し、この結果これら製品
の断面部において本来目的とする耐食性が確保出
来ないことが判明した。したがつて本発明が解決
しようとする問題点は熱間加工性を改善するとと
もに製品板厚断面にσ相や合金元素の偏析が現れ
ないような耐海水性に優れた高Mo含有のオース
テナイト系ステンレス鋼の製造法を明らかにする
ことである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、下記のとおりで
ある。 (1) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜
線部の範囲でソーキング処理を行い、圧延前の
同温度域の均熱時間との合計均熱時間を2時間
以上とつたスラブを熱間圧延し、得られた鋼板
に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃以上の
温度域から水冷による冷却を行うことを特徴と
する耐海水性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法。 (2) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残
部は実質的にFeおよび不可避の不純物からな
るオーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造ス
ラブを第1図に示す斜線部の範囲でソーキング
処理を行い、圧延前の同温度域の均熱時間との
合計均熱時間を2時間以上とつたスラブを熱間
圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施
した後、900℃以上の温度域から水冷による冷
却を行うことを特徴とする耐海水性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 (3) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質
的にFeおよび不可避の不純物からなるオース
テナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第
1図に示す斜線部の範囲でソーキング処理を行
い、圧延前の同温度域の均熱時間との合計均熱
時間を2時間以上とつたスラブを熱間圧延し、
得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施した後、
900℃以上の温度域から水冷による冷却を行う
ことを特徴とする耐海水性を有するオーステナ
イト系ステンレス鋼の製造方法。 (4) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜
線部の範囲でソーキング処理を、10〜60%の圧
下率で行う粗圧延の前または後に実施し、粗圧
延したスラブに対して粗圧延前後のソーキング
時間と仕上げ圧延前の同温度域の均熱時間との
合計均熱時間を2時間以上とつたスラブを熱間
圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施
した後、900℃以上の温度域から水冷による冷
却を行うことを特徴とする耐海水性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 (5) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残
部は実質的にFeおよび不可避の不純物からな
るオーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造ス
ラブを第1図に示す斜線部の範囲で行うソーキ
ング処理を、10〜60%の圧下率で行う粗圧延の
前または後に実施し、粗圧延したスラブに対し
て粗圧延前後のソーキング時間と仕上げ圧延前
の同温度域の均熱時間との合計均熱時間を2時
間以上とつたスラブを熱間圧延し、得られた鋼
板に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃以上
の温度域から水冷による冷却を行うことを特徴
とする耐海水性を有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼の製造方法。 (6) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質
的にFeおよび不可避の不純物からなるオース
テナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第
1図に示す斜線部の範囲でソーキング処理を、
10〜60%の圧下率で行う粗圧延の前または後に
実施し、粗圧延したスラブに対して粗圧延前後
のソーキング時間と仕上げ圧延前の同温度域の
均熱時間との合計均熱時間を2時間以上とつた
スラブを熱間圧延し、得られた鋼板に1100℃以
上の焼鈍を施した後、900℃以上の温度域から
水冷による冷却を行うことを特徴とする耐海水
性を有するオーステナイト系ステンレス鋼の製
造方法。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明者等はMoを多量に含有する合金である
20Cr−18Ni−6.0Moを基本成分系とする合金に
ついて詳細に検討を加えた。供試鋼の成分を表1
に示す。検討項目として熱間加工性に関して140
〜250mm厚みのCC鋳片について熱間加工性不良を
改善させるために高温長時間の熱処理によりσ相
を消滅させることを検討し拡散消滅条件を検討し
た。 またこの時の熱間加工性改善程度を高温延性の
点から調査した。更にσ相、Mo,Crの合金元素
の偏析による耐孔食性の改善という点では熱間圧
延前の加熱ならびに圧延前後の拡散熱処理と圧延
後の焼鈍を検討し種類の条件で製造した鋼板につ
いて孔食発生温度の調査を行い評価した。 その結果これらの合金のCC鋳片を第1に斜線
部で示すソーキング処理を粗圧延前または後に実
施し、厚板およびホツトストリツプ圧延前の加熱
時間との合計均熱時間を2時間以上とつたスラブ
を熱間圧延し、圧延終了後700℃以上の温度から
3℃/S以上の冷却速度で冷却を行つた鋼板に、
1100℃以上の焼鈍を施した後、水冷による冷却を
行うことが重要であることを解明した。 以下に本発明法の製造方法について詳細に説明
する。 これら20%Cr−18%Ni−6.0%Moを基本成分
系とする合金のCC鋳片には第3図に示すとおり
の多量の析出物が存在することがわかつた。これ
らの析出物の代表的な組成は表2に示す通りでX
線回折によりσ相であると判明した。この鋳片に
存在するσ相は著しく熱間加工性を劣化させ、熱
間圧延時に割れを発生させる原因となる。この
CC鋳片に存在するσ相の減少及び消滅挙動を第
1図に示すが1150〜1300℃の温度でソーキングを
行い、例えば1100℃で300分以上、1300℃で30分
以上ソーキングを行うことでσ相を減少消滅可能
であることが判明した。更に第2図に示すよう
に、CC鋳片と1200℃×2hrのソーキングをおこな
つたCC鋳片の高温延性が大きく異なり、このCC
鋳片に存在するσ相の減少及び消滅をおこなうこ
とで熱間加工性を向上可能であることが判明し
た。 また耐食性という点では熱間圧延前の加熱並び
に圧延前後の拡散熱処理と圧延後の焼鈍を検討し
たが、評価方法としてはASTM規格による6%
FeCl3溶液中での孔食試験によりC.P.T(Critical
Pitting Temperature)を求めた。表3に示すよ
うにスラブソーキング、加熱、圧延および焼鈍条
件の影響が大きくC.P.T≧70℃を確保するために
はソーキング温度、圧延加熱温度が1100℃以上で
かつソーキング時間と圧延のための加熱時間の合
計時間が2時間を超えることが必要であり、最終
焼鈍が1100℃×30分以上で焼鈍後水冷程度の冷却
が必要となる。これはCC鋳片時のσ相やMo等の
合金元素のミクロ偏析に基づく耐食性劣化を防止
するためにはσ相が消滅すること、およびMo等
のミクロ偏析が拡散によつて、均一に固溶するこ
とが必要になるからであり焼鈍後の冷却は水冷開
始温度を極力1000℃以上高温にし、少なくとも
900℃以上から急冷することが必要である。900℃
未満では焼鈍温度からの冷却中再びσ相が析出し
て耐孔食性を劣化させることとなる。 以上述べたようにこのような高合金の鋳片にた
いしてはスラブの段階で十分均熱して合金元素特
にMoの中心偏析を拡散させσ相を消滅させてお
くとともにMoの偏析を軽減し後工程でのσ相の
析出を起こしにくくすることが必要である。次い
で熱間圧延においては熱間圧延後は空冷するとσ
相が析出しやすく熱間圧延後は水冷等の加速冷却
を行なうことが望ましい。 熱間圧延後の最終熱処理においては1100℃以上
で十分時間をとりσ相を消滅させることが必要で
冷却においては水冷開始温度を極力1000℃以上高
温にし少なくとも900℃以上から急冷することが
必要である。900℃未満からの急冷では焼鈍温度
からの冷却中再びσ相が析出して耐孔食性を劣化
させることとなる。 こうしてCC鋳片の段階で(1)ソーキングを実施
すること、(2)溶体化処理を実施し、高温から水冷
した場合極めて優れた孔食抵抗が得られることが
判明した。これらの条件が一つでも満たされない
と、特にソーキング条件が不十分であると耐孔食
抵抗が大幅に劣化することは判明した。このよう
にして鋳片段階で偏析しやすいMo,Cr,Ni,
Mn等を多量に含有する合金のCC化においては
CC鋳片の中心偏析を拡散させ、σ相の析出を防
止しておくことが本来の耐食性に極めて重要であ
ることが判明した。 これらの考え方はCC鋳片の熱間加工性を改善
した次の合金系についても成りたつ。 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn≦
8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜40
%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦30ppm、
O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:0.01〜0.5%
を含有し、必要に応じてTi≦0.5%またはCa:
0.001〜0.008%を添加し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなる合金である。 以下に、成分の限定理由を述べる。 C:Cはステンレス鋼の耐食性に有害である
が、強度の点では望ましい元素である。0.005%
未満では製造コストを増加させまた0.3%をこえ
ると耐食性を大幅に劣化させるため0.005〜0.3%
とした。 Si:Siはステンレス鋼の耐食性を向上させ、ま
た耐酸化性にも有効な元素であり、5%をこえる
と熱間加工性を劣化させる。 Mn:Mnは高価なNiの代替として添加でき、
同時にNの固溶度を増すが耐食性を劣化させるの
で上限を8%とした。8%をこえると耐食性、耐
酸化性を劣化させる。 P:Pは耐食性、熱間加工性の点では少ないほ
うが良好であり、0.04%以下とした。これをこえ
ると耐食性、熱間加工性を劣化させる。 S:Sは熱間加工性を著しく劣化させる元素で
あり、低ければ低い程よく、Oと共に極力低くお
さえることが必要であり0.003%以下とした。ま
た耐食性の点からも低いほうが望ましく0.003%
以下とした。 O:OはSと同様に熱間加工性を著しく劣化さ
せる元素であり、低ければ低い程よく、Sと共に
極力低くおさえることが必要であり0.007%以下
とした。 Cr:Crはステンレス鋼の基本成分であり、耐
海水性等の高い耐食性が要求される場合は、
Mo,Niとともに用いても15%以上添加が必要と
なり、多いほど耐食性、耐酸化性が向上するが35
%をこえるとその効果が飽和しまた高価になる。 Ni:NiはCrとともにステンレス鋼の基本成分
であり、耐海水性等の高い耐食性が要求される場
合は、Cr,Moとともに用いられるがオーステナ
イト相を安定化するために10%以上添加が必要と
なり、多いほど耐食性、耐酸化性が向上するが40
%をこえると高価になる。 N:Nはステンレス鋼の強度と耐食性を向上さ
せる元素であり0.01%以上の添加が必要である
が、0.5%をこえると固溶度をこえ気泡となる。 Mo:Moはステンレス鋼の耐食性、特に耐海
水性を向上させる元素であり4.5〜13%の添加で
効果が顕著となる。4.5%未満では耐海水性が不
足し、13%をこえると効果が飽和し、高価とな
る。 Al:Alは強力な脱酸剤として0.001〜0.1%の範
囲で添加する。0.1%をこえると耐食性、耐間加
工性を劣化させる。 Cu:Cuはステンレス鋼の耐食性を向上させる
元素であり、用途により3%以下で選択添加させ
る。3%をこえると熱間加工性を劣化させる。 Ti:TiはCを固定し耐食性を向上させまたCa
と共存してOを固定しSi,Mnの酸化物を出現さ
せず、熱間加工性と耐食性を著しく向上させるた
め用途によつて0.5%以下で選択添加する。0.5%
をこえると熱間加工性を劣化させる。 Ca:Caは強力な脱酸、脱硫剤として0.001〜
0.008%の範囲で選択添加する。0.008%をこえる
と耐食性を劣化させる。 〔実施例〕 表4は高Moを含有するステンレス鋼の化学組
成を示し、電気炉−AOD法によつて溶製し、脱
硫を十分に行い、Al,Ti,Ca,を使用して脱酸
した。Sが30ppm以下、Oが70ppm以下の溶鋼を
140〜250mm厚の連鋳スラブに通常条件で鋳造し
た。これらの鋳片を1220℃〜1270℃の温度範囲で
加熱し、鋳片の中心部の実質的均熱時間を5時間
とした。その後、通常の条件で手入れをおこな
い、スラブを厚板工程、およびホツトストリツプ
圧延むけに振り分けそれぞれ通常のステンレス鋼
の加熱条件である1200℃以上で加熱し厚板圧延と
ホツトストリツプミルで圧延した。厚板圧延は6
〜35mmに、ホツトストリツプミルでは3〜6.5mm
に熱間圧延した。両者とも熱間圧延後は700〜900
℃以上から水冷し、σ相の析出を防止した。その
後の焼鈍条件は1120〜1250℃の間で3〜60分保定
し900℃以上の高温から水冷を開始し冷却した。
比較材は同一CC鋳片をソーキングせずに厚板工
程で熱間圧延し、その他の条件は同一工程、同一
条件で製造したものである。これらの製品から腐
食試験片を採取し6%FeCl3溶液中で温度をかえ
て孔食試験を実施し、孔食発生温度を調査した。 結果は本発明法による鋳片段階で十分均熱した
場合のものは孔食抵抗が良好であり、いずれの場
合もC.P.T≧70℃を確保したが、鋳片のソーキン
グを省略した比較法では孔食抵抗が全く劣つてお
り、C.P.Tは70℃を確保できなかつた。 〔実施例 2〕 先の実施例のCC鋳片を使用し1240℃で2時間
均熱した後、熱間圧延機で30%〜45%の圧延を実
施し、次いで1240℃で2時間均熱した。その後手
入れをし厚板工程において実施例1の方法で熱間
圧延し20mmの厚板とし、圧延終了後700℃以上か
ら水冷した。その後十分固溶化熱処理し、孔食抵
抗を調査した。 結果はC.P.T≧70℃を確保し実施例1の場合と
同様に耐食性は良好であつた。 〔発明の効果〕 以上に述べた本発明法によれば、従来熱間加工
性が劣り製品歩留りの点から問題のあつた高合金
ステンレス鋼の熱間加工性を改善して安価な高耐
食性ステンレス鋼の製造を可能にするとともに、
耐食性の点においても、高合金化によるσ相等の
析出物による劣化を引き起こすことなく十分な耐
食性を有する高合金耐食性ステンレス鋼の製造が
可能となつた。
合金ステンレス鋼に関するものであり、特に海水
に対する耐食性が優れた高合金ステンレス鋼の製
造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 高合金ステンレス鋼は特に厳しい耐食性、耐熱
性、耐酸化性が要求される場合に使用され、特に
耐海水ステンレス鋼は今後ますます重要性が増大
する傾向にある。これらの合金は多くの場合、
Cr,Ni,Mo,Si等を多量に含有しており、また
Nはステンレス鋼の強度と耐食性改善元素として
積極的に活用が望まれる元素である。このように
高合金化されたステンレス鋼は高温域での加工性
が劣り、従来インゴツト法による製造を余儀なく
されていた。本発明者等は特願昭60−4118号(特
開昭61−163247号公報)にて提示したようにこれ
らの高合金鋼の連続鋳造化を進めてきたが、これ
らの連続鋳造鋳片(以下CC鋳片という)では特
有の問題が生じることが判明した。 〔発明が解決しようとする問題点〕 耐海水性に対してはCr,Mo,Nが特に重要な
合金成分であることはよく知られている。特に
Moを6%以上含有することが耐食性の改善に有
効であるが、このMoを6%程度含有する20Cr−
18Ni系合金のCC鋳片を鋳造すると、鋳造時に鋳
片の中心部にMo,Crの合金元素の偏析が生じ、
また鋳片の冷却過程にσ相が析出することが判明
した。このようなCC鋳片を出発材として、スラ
ブ加熱から熱間圧延を経て厚板やホツトコイルを
製造し最終熱処理をする場合、製造工程中にこの
σ相が存在するために著しく加工性が劣り、熱間
加工時に耳割れ、面割れ等の割れを発生したり、
σ相及び合金元素の偏析により最終製品の特に板
厚中心部の耐食性が劣化し、この結果これら製品
の断面部において本来目的とする耐食性が確保出
来ないことが判明した。したがつて本発明が解決
しようとする問題点は熱間加工性を改善するとと
もに製品板厚断面にσ相や合金元素の偏析が現れ
ないような耐海水性に優れた高Mo含有のオース
テナイト系ステンレス鋼の製造法を明らかにする
ことである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、下記のとおりで
ある。 (1) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜
線部の範囲でソーキング処理を行い、圧延前の
同温度域の均熱時間との合計均熱時間を2時間
以上とつたスラブを熱間圧延し、得られた鋼板
に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃以上の
温度域から水冷による冷却を行うことを特徴と
する耐海水性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法。 (2) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残
部は実質的にFeおよび不可避の不純物からな
るオーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造ス
ラブを第1図に示す斜線部の範囲でソーキング
処理を行い、圧延前の同温度域の均熱時間との
合計均熱時間を2時間以上とつたスラブを熱間
圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施
した後、900℃以上の温度域から水冷による冷
却を行うことを特徴とする耐海水性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 (3) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質
的にFeおよび不可避の不純物からなるオース
テナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第
1図に示す斜線部の範囲でソーキング処理を行
い、圧延前の同温度域の均熱時間との合計均熱
時間を2時間以上とつたスラブを熱間圧延し、
得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施した後、
900℃以上の温度域から水冷による冷却を行う
ことを特徴とする耐海水性を有するオーステナ
イト系ステンレス鋼の製造方法。 (4) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜
線部の範囲でソーキング処理を、10〜60%の圧
下率で行う粗圧延の前または後に実施し、粗圧
延したスラブに対して粗圧延前後のソーキング
時間と仕上げ圧延前の同温度域の均熱時間との
合計均熱時間を2時間以上とつたスラブを熱間
圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施
した後、900℃以上の温度域から水冷による冷
却を行うことを特徴とする耐海水性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 (5) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残
部は実質的にFeおよび不可避の不純物からな
るオーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造ス
ラブを第1図に示す斜線部の範囲で行うソーキ
ング処理を、10〜60%の圧下率で行う粗圧延の
前または後に実施し、粗圧延したスラブに対し
て粗圧延前後のソーキング時間と仕上げ圧延前
の同温度域の均熱時間との合計均熱時間を2時
間以上とつたスラブを熱間圧延し、得られた鋼
板に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃以上
の温度域から水冷による冷却を行うことを特徴
とする耐海水性を有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼の製造方法。 (6) 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10
〜40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質
的にFeおよび不可避の不純物からなるオース
テナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第
1図に示す斜線部の範囲でソーキング処理を、
10〜60%の圧下率で行う粗圧延の前または後に
実施し、粗圧延したスラブに対して粗圧延前後
のソーキング時間と仕上げ圧延前の同温度域の
均熱時間との合計均熱時間を2時間以上とつた
スラブを熱間圧延し、得られた鋼板に1100℃以
上の焼鈍を施した後、900℃以上の温度域から
水冷による冷却を行うことを特徴とする耐海水
性を有するオーステナイト系ステンレス鋼の製
造方法。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明者等はMoを多量に含有する合金である
20Cr−18Ni−6.0Moを基本成分系とする合金に
ついて詳細に検討を加えた。供試鋼の成分を表1
に示す。検討項目として熱間加工性に関して140
〜250mm厚みのCC鋳片について熱間加工性不良を
改善させるために高温長時間の熱処理によりσ相
を消滅させることを検討し拡散消滅条件を検討し
た。 またこの時の熱間加工性改善程度を高温延性の
点から調査した。更にσ相、Mo,Crの合金元素
の偏析による耐孔食性の改善という点では熱間圧
延前の加熱ならびに圧延前後の拡散熱処理と圧延
後の焼鈍を検討し種類の条件で製造した鋼板につ
いて孔食発生温度の調査を行い評価した。 その結果これらの合金のCC鋳片を第1に斜線
部で示すソーキング処理を粗圧延前または後に実
施し、厚板およびホツトストリツプ圧延前の加熱
時間との合計均熱時間を2時間以上とつたスラブ
を熱間圧延し、圧延終了後700℃以上の温度から
3℃/S以上の冷却速度で冷却を行つた鋼板に、
1100℃以上の焼鈍を施した後、水冷による冷却を
行うことが重要であることを解明した。 以下に本発明法の製造方法について詳細に説明
する。 これら20%Cr−18%Ni−6.0%Moを基本成分
系とする合金のCC鋳片には第3図に示すとおり
の多量の析出物が存在することがわかつた。これ
らの析出物の代表的な組成は表2に示す通りでX
線回折によりσ相であると判明した。この鋳片に
存在するσ相は著しく熱間加工性を劣化させ、熱
間圧延時に割れを発生させる原因となる。この
CC鋳片に存在するσ相の減少及び消滅挙動を第
1図に示すが1150〜1300℃の温度でソーキングを
行い、例えば1100℃で300分以上、1300℃で30分
以上ソーキングを行うことでσ相を減少消滅可能
であることが判明した。更に第2図に示すよう
に、CC鋳片と1200℃×2hrのソーキングをおこな
つたCC鋳片の高温延性が大きく異なり、このCC
鋳片に存在するσ相の減少及び消滅をおこなうこ
とで熱間加工性を向上可能であることが判明し
た。 また耐食性という点では熱間圧延前の加熱並び
に圧延前後の拡散熱処理と圧延後の焼鈍を検討し
たが、評価方法としてはASTM規格による6%
FeCl3溶液中での孔食試験によりC.P.T(Critical
Pitting Temperature)を求めた。表3に示すよ
うにスラブソーキング、加熱、圧延および焼鈍条
件の影響が大きくC.P.T≧70℃を確保するために
はソーキング温度、圧延加熱温度が1100℃以上で
かつソーキング時間と圧延のための加熱時間の合
計時間が2時間を超えることが必要であり、最終
焼鈍が1100℃×30分以上で焼鈍後水冷程度の冷却
が必要となる。これはCC鋳片時のσ相やMo等の
合金元素のミクロ偏析に基づく耐食性劣化を防止
するためにはσ相が消滅すること、およびMo等
のミクロ偏析が拡散によつて、均一に固溶するこ
とが必要になるからであり焼鈍後の冷却は水冷開
始温度を極力1000℃以上高温にし、少なくとも
900℃以上から急冷することが必要である。900℃
未満では焼鈍温度からの冷却中再びσ相が析出し
て耐孔食性を劣化させることとなる。 以上述べたようにこのような高合金の鋳片にた
いしてはスラブの段階で十分均熱して合金元素特
にMoの中心偏析を拡散させσ相を消滅させてお
くとともにMoの偏析を軽減し後工程でのσ相の
析出を起こしにくくすることが必要である。次い
で熱間圧延においては熱間圧延後は空冷するとσ
相が析出しやすく熱間圧延後は水冷等の加速冷却
を行なうことが望ましい。 熱間圧延後の最終熱処理においては1100℃以上
で十分時間をとりσ相を消滅させることが必要で
冷却においては水冷開始温度を極力1000℃以上高
温にし少なくとも900℃以上から急冷することが
必要である。900℃未満からの急冷では焼鈍温度
からの冷却中再びσ相が析出して耐孔食性を劣化
させることとなる。 こうしてCC鋳片の段階で(1)ソーキングを実施
すること、(2)溶体化処理を実施し、高温から水冷
した場合極めて優れた孔食抵抗が得られることが
判明した。これらの条件が一つでも満たされない
と、特にソーキング条件が不十分であると耐孔食
抵抗が大幅に劣化することは判明した。このよう
にして鋳片段階で偏析しやすいMo,Cr,Ni,
Mn等を多量に含有する合金のCC化においては
CC鋳片の中心偏析を拡散させ、σ相の析出を防
止しておくことが本来の耐食性に極めて重要であ
ることが判明した。 これらの考え方はCC鋳片の熱間加工性を改善
した次の合金系についても成りたつ。 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn≦
8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜40
%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦30ppm、
O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:0.01〜0.5%
を含有し、必要に応じてTi≦0.5%またはCa:
0.001〜0.008%を添加し、残部は実質的にFeおよ
び不可避の不純物からなる合金である。 以下に、成分の限定理由を述べる。 C:Cはステンレス鋼の耐食性に有害である
が、強度の点では望ましい元素である。0.005%
未満では製造コストを増加させまた0.3%をこえ
ると耐食性を大幅に劣化させるため0.005〜0.3%
とした。 Si:Siはステンレス鋼の耐食性を向上させ、ま
た耐酸化性にも有効な元素であり、5%をこえる
と熱間加工性を劣化させる。 Mn:Mnは高価なNiの代替として添加でき、
同時にNの固溶度を増すが耐食性を劣化させるの
で上限を8%とした。8%をこえると耐食性、耐
酸化性を劣化させる。 P:Pは耐食性、熱間加工性の点では少ないほ
うが良好であり、0.04%以下とした。これをこえ
ると耐食性、熱間加工性を劣化させる。 S:Sは熱間加工性を著しく劣化させる元素で
あり、低ければ低い程よく、Oと共に極力低くお
さえることが必要であり0.003%以下とした。ま
た耐食性の点からも低いほうが望ましく0.003%
以下とした。 O:OはSと同様に熱間加工性を著しく劣化さ
せる元素であり、低ければ低い程よく、Sと共に
極力低くおさえることが必要であり0.007%以下
とした。 Cr:Crはステンレス鋼の基本成分であり、耐
海水性等の高い耐食性が要求される場合は、
Mo,Niとともに用いても15%以上添加が必要と
なり、多いほど耐食性、耐酸化性が向上するが35
%をこえるとその効果が飽和しまた高価になる。 Ni:NiはCrとともにステンレス鋼の基本成分
であり、耐海水性等の高い耐食性が要求される場
合は、Cr,Moとともに用いられるがオーステナ
イト相を安定化するために10%以上添加が必要と
なり、多いほど耐食性、耐酸化性が向上するが40
%をこえると高価になる。 N:Nはステンレス鋼の強度と耐食性を向上さ
せる元素であり0.01%以上の添加が必要である
が、0.5%をこえると固溶度をこえ気泡となる。 Mo:Moはステンレス鋼の耐食性、特に耐海
水性を向上させる元素であり4.5〜13%の添加で
効果が顕著となる。4.5%未満では耐海水性が不
足し、13%をこえると効果が飽和し、高価とな
る。 Al:Alは強力な脱酸剤として0.001〜0.1%の範
囲で添加する。0.1%をこえると耐食性、耐間加
工性を劣化させる。 Cu:Cuはステンレス鋼の耐食性を向上させる
元素であり、用途により3%以下で選択添加させ
る。3%をこえると熱間加工性を劣化させる。 Ti:TiはCを固定し耐食性を向上させまたCa
と共存してOを固定しSi,Mnの酸化物を出現さ
せず、熱間加工性と耐食性を著しく向上させるた
め用途によつて0.5%以下で選択添加する。0.5%
をこえると熱間加工性を劣化させる。 Ca:Caは強力な脱酸、脱硫剤として0.001〜
0.008%の範囲で選択添加する。0.008%をこえる
と耐食性を劣化させる。 〔実施例〕 表4は高Moを含有するステンレス鋼の化学組
成を示し、電気炉−AOD法によつて溶製し、脱
硫を十分に行い、Al,Ti,Ca,を使用して脱酸
した。Sが30ppm以下、Oが70ppm以下の溶鋼を
140〜250mm厚の連鋳スラブに通常条件で鋳造し
た。これらの鋳片を1220℃〜1270℃の温度範囲で
加熱し、鋳片の中心部の実質的均熱時間を5時間
とした。その後、通常の条件で手入れをおこな
い、スラブを厚板工程、およびホツトストリツプ
圧延むけに振り分けそれぞれ通常のステンレス鋼
の加熱条件である1200℃以上で加熱し厚板圧延と
ホツトストリツプミルで圧延した。厚板圧延は6
〜35mmに、ホツトストリツプミルでは3〜6.5mm
に熱間圧延した。両者とも熱間圧延後は700〜900
℃以上から水冷し、σ相の析出を防止した。その
後の焼鈍条件は1120〜1250℃の間で3〜60分保定
し900℃以上の高温から水冷を開始し冷却した。
比較材は同一CC鋳片をソーキングせずに厚板工
程で熱間圧延し、その他の条件は同一工程、同一
条件で製造したものである。これらの製品から腐
食試験片を採取し6%FeCl3溶液中で温度をかえ
て孔食試験を実施し、孔食発生温度を調査した。 結果は本発明法による鋳片段階で十分均熱した
場合のものは孔食抵抗が良好であり、いずれの場
合もC.P.T≧70℃を確保したが、鋳片のソーキン
グを省略した比較法では孔食抵抗が全く劣つてお
り、C.P.Tは70℃を確保できなかつた。 〔実施例 2〕 先の実施例のCC鋳片を使用し1240℃で2時間
均熱した後、熱間圧延機で30%〜45%の圧延を実
施し、次いで1240℃で2時間均熱した。その後手
入れをし厚板工程において実施例1の方法で熱間
圧延し20mmの厚板とし、圧延終了後700℃以上か
ら水冷した。その後十分固溶化熱処理し、孔食抵
抗を調査した。 結果はC.P.T≧70℃を確保し実施例1の場合と
同様に耐食性は良好であつた。 〔発明の効果〕 以上に述べた本発明法によれば、従来熱間加工
性が劣り製品歩留りの点から問題のあつた高合金
ステンレス鋼の熱間加工性を改善して安価な高耐
食性ステンレス鋼の製造を可能にするとともに、
耐食性の点においても、高合金化によるσ相等の
析出物による劣化を引き起こすことなく十分な耐
食性を有する高合金耐食性ステンレス鋼の製造が
可能となつた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図はCC鋳片に存在するσ相の減少及び消
滅の挙動を示す温度と保定時間の関係を示す図、
第2図イはCC鋳片の断面収縮率と引張温度の関
係、第2図ロは1200℃×2hrのソーキングを行つ
たCC鋳片の断面収縮率と引張温度の関係を示す
図、第3図は20%Cr−18%Ni−6.0%Moを基本
成分系とするオーステナイト系ステンレス鋼CC
鋳片の金属顕微鏡組織写真である。
滅の挙動を示す温度と保定時間の関係を示す図、
第2図イはCC鋳片の断面収縮率と引張温度の関
係、第2図ロは1200℃×2hrのソーキングを行つ
たCC鋳片の断面収縮率と引張温度の関係を示す
図、第3図は20%Cr−18%Ni−6.0%Moを基本
成分系とするオーステナイト系ステンレス鋼CC
鋳片の金属顕微鏡組織写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよび
不可避の不純物からなるオーステナイト系ステン
レス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜線部の
範囲でソーキング処理を行い、圧延前の同温度域
の均熱時間との合計均熱時間を2時間以上とつた
スラブを熱間圧延し、得られた鋼板に1100℃以上
の焼鈍を施した後、900℃以上の温度域から水冷
による冷却を行うことを特徴とする耐海水性を有
するオーステナイト糸ステンレス鋼の製造方法。 2 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残部
は実質的にFeおよび不可避の不純物からなるオ
ーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを
第1図に示す斜線部の範囲でソーキング処理を行
い、圧延前の同温度域の均熱時間との合計均熱時
間を2時間以上とつたスラブを熱間圧延し、得ら
れた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃
以上の温度域から水冷による冷却を行うことを特
徴とする耐海水性を有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼の製造方法。 3 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質的
にFeおよび不可避の不純物からなるオーステナ
イト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に
示す斜線部の範囲でソーキング処理を行い、圧延
前の同温度域の均熱時間との合計均熱時間を2時
間以上とつたスラブを熱間圧延し、得られた鋼板
に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃以上の温
度域から水冷による冷却を行うことを特徴とする
耐海水性を有するオーステナイト系ステンレス鋼
の製造方法。 4 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%を含有し、残部は実質的にFeおよび
不可避の不純物からなるオーステナイト系ステン
レス鋼の連続鋳造スラブを第1図に示す斜線部の
範囲で行うソーキング処理を、10〜60%の圧下率
で行う粗圧延の前または後に実施し、粗圧延した
スラブに対して粗圧延前後のソーキング時間と仕
上げ圧延前の同温度域の均熱時間との合計均熱時
間を2時間以上とつたスラブを熱間圧延し、得ら
れた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施した後、900℃
以上の温度域から水冷による冷却を行うことを特
徴とする耐海水性を有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼の製造方法。 5 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ca:0.001〜0.008%を含有し、残部
は実質的にFeおよび不可避の不純物からなるオ
ーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを
第1図に示す斜線部の範囲で行うソーキング処理
を、10〜60%の圧下率で行う粗圧延の前または後
に実施し、粗圧延したスラブに対して粗圧延前後
のソーキング時間と仕上げ圧延前の同温度域の均
熱時間との合計均熱時間を2時間以上とつたスラ
ブを熱間圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼
鈍を施した後、900℃以上の温度域から水冷によ
る冷却を行うことを特徴とする耐海水性を有する
オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。 6 重量%でC:0.005〜0.3%、Si≦5%、Mn
≦8%、P≦0.04%、Cr:15〜35%、Ni:10〜
40%、Mo:4.5〜13%、Cu≦3%で、S≦
30ppm、O≦70ppm、Al:0.001〜0.1%、N:
0.01〜0.5%、Ti≦0.5%を含有し、残部は実質的
にFeおよび不可避の不純物からなるオーステナ
イト系ステンレス鋼の連続鋳造スラブを第1図に
示す斜線部の範囲で行うソーキング処理を、10〜
60%の圧下率で行う粗圧延の前または後に実施
し、粗圧延したスラブに対して粗圧延前後のソー
キング時間と仕上げ圧延前の同温度域の均熱時間
との合計均熱時間を2時間以上とつたスラブを熱
間圧延し、得られた鋼板に1100℃以上の焼鈍を施
した後、900℃以上の温度域から水冷による冷却
を行うことを特徴とする耐海水性を有するオース
テナイト系ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20102887A JPS6447817A (en) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | Production of austenitic stainless steel having excellent seawater corrosion resistance |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20102887A JPS6447817A (en) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | Production of austenitic stainless steel having excellent seawater corrosion resistance |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6447817A JPS6447817A (en) | 1989-02-22 |
JPH0583610B2 true JPH0583610B2 (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=16434250
Family Applications (1)
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- 1987-08-13 JP JP20102887A patent/JPS6447817A/ja active Granted
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