JP2004526866A - 改良された耐食性を有するステンレス鋼を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

改良された耐食性を有するステンレス鋼の製造方法であって、クロム、ニッケル、およびモリブデンを含み、そして計算式:PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)によって計算される少なくとも50のPRENを有するステンレス鋼の製品の少なくとも一部を均質化する工程を含み、ここで、前記ステンレス鋼中において、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素である。この方法の一つの態様において、前記製品の少なくとも一部が再溶解されて、前記一部が均質化される。この方法の他の態様において、前記製品は、この製品の少なくとも表面領域を均質化するのに十分な条件下で焼鈍される。この発明の方法はステンレス鋼の臨界すき間腐食温度で示されるようなステンレス鋼の耐食性を向上させる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は局部的腐食に対する高度の抵抗性を有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼を製造する方法に関する。特に、本発明の方法によって製造されたステンレス鋼は、ピッチング、すき間腐食および応力腐食割れに対する抵抗性が強化され、その結果、このステンレス鋼を、例えば、塩化物イオンを含む環境のような種々の用途に適用できる。これらの用途としては、限定はされないが、復水器管類、海上作業台船装備品,熱交換器、パルプおよび紙工業用の外板およびタンク構造物、化学処理装置、醸造所装置、給水加熱器、排煙脱硫の用途、およびステンレス鋼が海洋大気状態に曝される海または海岸領域における用途がある。
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼合金は一般的な耐食性を有し、腐食性環境下において種々の用途に有用である。耐食性ステンレス鋼合金の例は、米国特許番号の4,545,826(McCunn)および4,911,886(Pitler)に開示される。ステンレス鋼合金の一般的な耐食性にもかかわらず、海水および特定の化学処理環境のような、塩素イオン含有環境は、これらの合金を腐食する場合に極めて攻撃的になるであろう。腐食は通常、ピッチングおよびすき間腐食として発生し、両方とも腐食の厳しい形態になるであろう。ピッチングは腐食によって金属表面上に局部的な小さな空洞を形成するプロセスである。これらの空洞は局部的な腐食の結果であり、そして典型的に点または小領域に制限される。ピッチングの厳しい形態と考えられるすき間腐食は、全面露出から他の物質の表面の周囲まで遮蔽される領域またはその近傍における金属表面の局部的な腐食である。
【0003】
この種の合金を試験および開発する場合、合金の耐食性は、その臨界すき間腐食温度(“CCCT”)によって予測できる。合金のCCCTは、すき間腐食が特定の環境下で合金のサンプルに生じる最低の温度である。このCCCTは一般にASTM標準G‐48に従って測定される。CCCTが高くなればなるほど、合金の耐食性は増大する。従って、合金が過酷な腐食性環境に曝される場合、合金はできるだけ高いCCCTを保有することが望ましい。クロムおよびモリブデンを含有する超オーステナイト系ステンレス鋼合金は、従来技術の合金に比べて、ピッチングおよびすき間腐食に対して改良された抵抗性を与える。クロムは合金の酸化および一般的な耐食性に寄与する。またクロムは、合金のCCCTを増大させ、そして窒素の溶解度を促進する所望の効果を有し、その重要性は以下に説明される。
【0004】
ニッケルは、ステンレス鋼合金に使用される一般的な元素であり、合金をオーステナイトに変化させ、そして応力腐食割れ(“SCC”)に対する抵抗性に寄与する目的のために典型的に添加される。SCCは腐食のメカニズムであって、ここで、感受性合金、持続した引張応力、および特定の環境を組み合わせると、金属の割れが生じる。典型的には、ニッケルおよびモリブデンをステンレス鋼に添加すると、標準のオーステナイトステンレス鋼に比べて、SCCに対する抵抗性が増大する。しかしながら、ニッケルおよびモリブデン含有合金の全てがSCCから免れるわけではない。
【0005】
モリブデンは、塩素イオンによって生じるピッチングおよびすき間腐食に対する合金の抵抗性を増大させるために、ステンレス鋼合金に添加できる。残念ながら、モリブデンは凝固中に偏析して、デンドライトコア中の合金の平均モリブデン含量の3分の2のみの濃度になる。金属鋳造を通じて、凝固フロントの前に、液体金属中に偏析して、合金中に1種またはそれ以上の共晶相を生成する。連続鋳造製品において、例えば、この共晶相は多くの場合、スラブの中心線またはその近傍に形成される。多くのオーステナイト耐食性合金において、共晶はオーステナイト(面心立方(FCC)Fe‐Ni‐Cr溶液)相に加えてフェライト(体心立方(BCC)Fe‐Cr溶液)から構成される。本発明に有用な特定の合金組成物を得るために、オーステナイト相に加えて金属間相から構成される共晶が観察された。この金属間相は典型的にシグマ相、カイ相またはラーベス相である。シグマ相およびカイ相は異なる構造を有するが、これらは金属間相の形成の状態に依存して、類似の組成を示すであろう。これらの金属間相ならびに他の共晶相は、合金の耐食性を弱める可能性がある。
【0006】
窒素がシグマ相およびカイ層の発生を抑えるために合金に添加されてもよく、これによって合金のオーステナイト微細構造が生じ、そしてCCCT値の増大が促進される。しかしながら、窒素含量は、合金の多孔度を回避し、そして熱間加工中の問題を回避するために、少なく維持されることが必要である。また、窒素は合金の強度を高め、そしてピッチングおよびすき間腐食に対する抵抗性を高めることに寄与する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
典型的に、局部腐食に抵抗する合金の能力は多くの工業的用途において重要である。従って、ピッチングおよびすき間腐食に対して改良された抵抗性を与えるステンレス鋼を製造する方法に対する必要性が存在する。特に、例えば、CCCTで示されるように、高温においてピッチングおよびすき間腐食に対して改良された抵抗性を与えるステンレス鋼を製造する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、改良された耐食性を有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼を製造する方法を提供することによって、上述の必要性に対処する。一つの態様において、本発明の方法は、クロム、ニッケル、およびモリブデンを含有し、そして50以上のPRENを有するステンレス鋼の製品を用意し、そしてこの製品の少なくとも一部を再溶解して、この一部を均質化する工程を含む。実施態様として、ステンレス鋼製品の表面領域のような一部が再溶解されてもよく、またはこの製品全体が再溶解されてもよく、これによって製品全体または再溶解された部分が均質化される。本発明で使用される場合、PRENは、
計算式のPREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)によって、計算され、ここで、Crは前記合金中のクロムの重量パーセントを示し、Moは前記合金中のモリブデンの重量パーセントを示し、そしてNは前記合金中の窒素の重量パーセントを示す。本発明の方法の一つの態様において、前記Cr‐Ni‐Moステンレス鋼は、17〜40重量パーセントのニッケル、14〜22重量パーセントのクロム、6〜12重量パーセントのモリブデン、および0.15〜0.50重量パーセントの窒素を含む。
【0009】
本発明は、耐食性のステンレス鋼を製造する方法であって、クロム、ニッケル、およびモリブデンを含有し、そして50以上のPREN(前記計算式で計算された)を有するステンレス鋼の溶融物がインゴット、スラブ、または他の製品に鋳造され、次いで長期間、焼鈍される方法を提供することによって、上述の必要性に更に対処する。この焼鈍処理は、熱間加工の前または後で実施されてもよく、そして前記ステンレス鋼の均質性(即ち、“均質化”)を高めるのに十分な温度と時間で実施される。本発明の方法の一つの態様において、前記ステンレス鋼は、17〜40重量パーセントのニッケル、14〜22重量パーセントのクロム、6〜12重量パーセントのモリブデン、および0.15〜0.50重量パーセントの窒素を含む。
【0010】
本発明者は、本発明の方法がこの方法で製造されたCr‐Ni‐Moステンレス鋼の臨界すき間腐食温度(CCCT)を、合金の添加コストを増大させることなく著しく増大させることを確認した。また、本発明の方法は、高度に合金化された物質の処理に伴う製造作業に影響を与えることなく、耐食性を高める。
【0011】
更に、本発明は、本発明の方法により製造された耐食性のCr‐Ni‐Moステンレス鋼に関し、またこれらのステンレス鋼から形成された、またはこれらのステンレス鋼を含む製品に関する。これらの製品は、例えば、板およびシートを含む。
【0012】
読者は、以下の本発明の実施態様の詳細な説明を考慮することにより、本発明の上述の詳細および利点を理解できるであろう。また、読者は、本発明の方法および/またはステンレス鋼を実施し、および/または利用することにより、本発明のその他の詳細および利点を理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ピッチングおよびすき間腐食に対する抵抗性を示す耐食性の製品を製造する方法は、極めて有利であろう。本発明は高度の耐食性を有する均質なCr‐Ni‐Moステンレス鋼から製品を製造する方法に関する。本発明で開示される優れた耐食性は、(i)耐孔食性相当数(Pitting Resistance Equivalent number:PREN)が50以上(PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)によって、計算された場合であって、ここで、Crは前記合金中のクロムの重量パーセントを示し、Moは前記合金中のモリブデンの重量パーセントを示し、そしてNは前記合金中の窒素の重量パーセントを示す)であるCr‐Ni‐Moステンレス鋼の溶融物を用意する工程、および(ii)前記溶融物から形成されたスラブ、インゴットまたは他の製品を加工して、Moおよび他の合金化成分の偏析を低減し、および/または既に偏析した物質を均質化する工程を組み合せることによって、得られる。合金が均質化されると、合金化成分の偏析が低減する。しかしながら、合金は、耐食性を増大させるために製品の全体に渡って完全に均一な組成に均質化される必要はない。一つの態様において、Cr‐Ni‐Moステンレス鋼は、17〜40重量%のニッケル、14〜22重量%のクロム、6〜12重量%のモリブデン、および0.15〜0.50重量%の窒素を含有できる。合金の残余は、付随の不純物を有する鉄、およびステンレス鋼の製造で公知のように、補助的目的のために添加されるその他の成分を含有できる。
【0014】
また、随意的に、合金は6重量パーセント以下の、そしてより好ましくは2重量パーセント以下のマンガンを含有できる。マンガンは窒素の溶解度を増大させる傾向がある。上述したように、窒素は一般的に、シグマ相およびカイ相の発生を抑制するために合金に添加されてもよく、これによって合金のオーステナイト微細構造が与えられ、そしてCCCT値が高くなる。また、窒素は合金の強度を高めることに貢献し、またすき間腐食に対する抵抗性を高める。
【0015】
ステンレス鋼の相対ピッチング抵抗は、前記PRENの計算式を使用することによって合金の組成に相関づけることが可能である。業界関係者はPRENを決定するための種々の計算式を提案している。このような計算式の一つが、上述したように、本発明で使用される。PRENは、耐食性の直接の測定基準ではないが、合金組成に基づいて、塩化物で誘発される局部的腐食作用に対するステンレス鋼合金の相対的抵抗の有益な予測を与える。
【0016】
PRENが50以上である場合、本発明の方法から得られる合金は、ピッチングおよびすき間腐食のような局部的な塩化物腐食に対して優れた抵抗性を示すことが判明した。しかしながら、金属の耐食性を決定するものは、合金の平均的全体組成よりもむしろ、腐食状態に曝される局部的領域の合金の組成である。本発明の開発において、非均質ステンレス鋼合金は、より均質な超オーステナイト系合金よりも腐食され易いことが判明した。製造を通じて、特定の合金化成分が二次相中に偏析または濃縮されてもよい。これらの場合、合金を含むそれぞれの成分は合金中に均等に分散しない。従って、設計された組成の耐食性が有効であるとしても、合金の特定の局部的領域は所望の組成を包含しない。その結果、これらの領域は塩素イオンによって腐食され易くなり、ピッチングおよびすき間腐食を生じるであろう。これは前述したモリブデンの偏析に関連する問題によって立証される。モリブデンは優れた耐食性に寄与するが、これは、いくつかの金属間相中に偏析するであろう。従って、モリブデン濃度が低い合金の領域は、より腐食され易くなる。
【0017】
一般的に、従来の方法においては、所望の合金の成分組成を有するヒート(heat)が調製される。このヒートは、限定はされないが、アルゴン‐酸素‐脱炭(“AOD”)を含む、ステンレス鋼の製造で公知の方法によって調製できる。AODの方法において、高炭素フェロクロム、フェロシリコン、ステンレス鋼スクラップ、焼成石灰、およびホタル石を装入し、そしてこの装入物を従来の方法で所望の温度で溶解することによって、プレ溶融物(premelt)を電弧炉中で調製できる。次いで、このヒートは、出湯され、脱スラグされ、秤量され、そして最終的な所望の合金成分まで精錬するために、AOD容器の中に移送される。
【0018】
次いで、このヒートは、インゴット、スラブ、または他の製品に鋳造されてもよい。製品の鋳造は、限定はされないが、連続スラブ鋳造、インゴット鋳造、または薄いスラブ鋳造を含むこの技術分野で公知の従来方法で達成できる。
【0019】
次に、この鋳造製品は再加熱され、そして熱間加工(saddened)される。再加熱は、典型的に、2000oF(1093℃)より高い温度で実施され、そして2250〜2300oF(1232〜1260℃)で実施されてもよい。再加熱の持続時間は、厚さによって変化するが、加工物を通じて実質的に均一な温度を達成するのに十分に長いことが必要である。典型的に、厚さのインチ当り約30分の時間が使用される。熱不足または初期の溶融は上方温度を抑制するが、最小の再加熱温度は低温で物質の強度を増大させることによって制限される。製品は最初に、所望の最終製品の形状に基づいて、1またはそれ以上の段階で、熱間圧延または鍛造により、スラブまたはインゴットの形状から熱間加工(saddened)されてもよい。
【0020】
随意的に、表面処理が最初の熱間加工の工程の後に実施されてもよい。この表面処理は、一般に、表面欠陥を除去するために実施される。これらの欠陥としては、インゴット鋳型スパッタ(ingot mold spatter)、シーム(seams)、スリバー(slivers)、および浅い亀裂が挙げられる。
【0021】
鋼板を得るために、前記熱間加工されたスラブは、これが所望の最終厚さまで圧延されるとすぐに、この時点において所望の板寸法を与える断片に切断されてもよい。次いで、各断片は、例えば、上述したように、2200〜2250oF(1204〜1232℃)まで再加熱されることによって、更に熱間加工され、そして所望の厚さまで熱間圧延されてもよい。
【0022】
薄鋼板を得るために、前記熱間加工されたスラブは、2250〜2300oF(1232〜1260℃)まで再加熱され、そしてその厚さが約1〜1.5インチ厚(25.4〜38.1mm)に減少するまで圧延されることにより、典型的に更に熱間加工される。この圧延は典型的に双方向(逆転ミルまたはステッケルミル上の前進後退を通じての減少)であるが、しかし一部の例では、単一方向(前進の場合にのみ減少)で実施される。所望の厚さになると直ちに、多くの場合、移動バーと呼ばれる減少したスラブがマルチスタンドホットミル中に供給され、ここで、多くの場合、約0.180インチ厚の、コイル巻き可能な厚さまで縮小され、次いで熱間コイル巻きされる。
【0023】
熱間加工の後、この製品は焼鈍されてもよい。シートおよび板製品を得るために、焼鈍は通常約2000oF(1093℃)を超える温度で実施され、次いで急速冷却される。最低の焼鈍温度(ASTM A−480のような製品規格により決定される)は、金属間相の沈殿が生じないこと、および既存の金属間相の沈殿物が溶解すること、を保証する必要性によって決定される。焼鈍は約2350oF(1288℃)以下の高温で実施できる。前記最低の必要温度よりも高い温度における焼鈍は、エネルギーコストが増大し、装置のコストが増大し、装置の入手可能性が低下し、製品の強度が低下し(おそらく、規格の最低以下)、粒子成長が過剰になり、そして酸化が過度になる、ような理由のために、好ましくない。
【0024】
焼鈍が2300oF(1260℃)を超えると、製品が溶融する危険性が増大する。正確な溶融温度は、合金組成、残留成分の量、および偏析の程度によって変化する。
焼鈍の後に、ステンレス鋼の表面は従来の方法を用いた清浄化により前処理されてもよい。最初の工程は、通常、前記表面からの酸化物スケールの除去である。熱間圧延された物質に対して、このスケール除去工程は、一般に、機械的に実施される。焼鈍された物質は、通常、スチールショット、スチールグリット、砂、ガラスビーズ、またはその他の硬い耐久性のある材料を噴射されて、前記酸化物スケールが除去される。あるいは、前記スケールは研削または化学的方法によって除去されてもよい。スケールを除去する化学的方法としては、溶融塩および酸洗いの方法がある。酸洗いの方法は、単独の清浄化方法として使用する他に、通常、機械的(噴射)スケール除去処理および溶融塩処理の後に実施される。酸洗いは、残留酸化物粒子を全面的に除去し、そして前記表面酸化物スケールの下に横たわる大幅にクロムが減少した表層を除去する。この表層の清浄化の目的は、製品の後の使用法に依存する。
【0025】
板製品を得るために、表面清浄化は、製造過程において、最後の冶金的に重要な工程である。表面清浄化工程の目的は、清潔で、良好な耐食性を示す表面を提供することである。
【0026】
シートを得るために、表面清浄化は、最終製品の品質に関してあまり重要ではない(何故ならば、製品は後に再度清浄化されるからである)。シート表面の清浄化工程の目的は、清潔であり、そして後の冷間圧延の操作および装置を遊離した破片で汚染しない表面を提供することである。
【0027】
上述の工程の後に、随意的に、製品は、冷間圧延され、最終時に、ステンレス鋼の製造で公知の従来方法を用いて焼鈍されてもよい。次いで、この製品は再度清浄化される。材料の厚さに応じて、このスケール除去処理は機械的または化学的に実施されてもよい。酸洗いは、残留酸化物粒子を全面的に除去し、そして前記表面酸化物スケールの下に横たわる大幅にクロムが減少した表層を除去する。この表層の清浄化の目的は、清潔で、良好な耐食性を示す表面を提供することである。
【0028】
一つの態様において、本発明は、1またはそれ以上の均質化工程を、再溶解および/または延長された焼鈍の形態で加えることによって、上述の方法を変更する。以下に述べる表1〜5および実施例1および2は、本発明の利点を示す。表1および表2は、一般に上述されたような従来技術の方法(表1および2)によって製造された50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼に関するすき間腐食試験の結果を示す。表3は、本発明に従う処理を通じてエレクトロスラグ再溶解によって均質化された同じ組成(およびPREN)のステンレス鋼に関するすき間腐食試験の結果を示す。表4および5は、本発明に従う処理を通じて延長された焼鈍処理を実施されることによって均質化された同じ組成(およびPREN)のステンレス鋼に関するすき間腐食試験の結果を示す。
【0029】
表1〜5に含まれる腐食の結果は、修正ASTM G‐48プラクティスBすき間腐食試験(表1、3、および4)または修正ASTM G‐48プラクティスDすき間腐食試験(表2および5)を用いて得られた。それぞれの試験の種類において、“ブロック”として知られる装置が、試験サンプルの表面上の腐食のすき間の形成を促進するために使用される。これらのブロックは、フルオロカーボンプラスチックから成る円筒であって、規格化ゴムバンドによって試験サンプルの表面に押し付けられる。すき間形成ブロックに基づく腐食は、試験材料不良の意図された形態である。前記ゴムバンドが合金サンプルの端部に巻き付けられる場合、すき間領域が更に形成されるであろう。これもすき間腐食ではあるが、試験において、意図された不良の形態ではない。この種類の腐食を試験方法に合格または不合格として数えるかに関して、この分野で多少の論争がある。プラトー(Plateaus)は前記G‐48D試験で使用されたすき間形成ブロックを意味し、ここで、多重のすき間集成部品が使用される。この多重隙間集成部品は2種類のフルオロカーボンセグメント化座金(washers)から構成され、各座金は12個のスロットと12個のプラトーを有する。これにより、合金サンプル当り24個のすき間部位(プラトー当りの部位)が与えられる。腐食された部位に比例して、すき間腐食の感受性が増大することが、標準的な判定である。
【0030】
【表1】
Figure 2004526866
【0031】
表1は一般に上述された従来技術の方法によって製造された50以上のPRENを有する既存の合金について実施された修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験の結果を示す。この従来技術の合金は、20.0〜22.0重量パーセントのクロム、23.5〜25.5重量パーセントのニッケル、6.0〜7.0重量パーセントのモリブデン、および0.18〜0.25重量パーセントの窒素を含有し、ここで、クロム、モリブデン、および窒素の含有量は少なくとも50のPRENを与える、市販の超オーステナイト系ステンレス鋼である。この合金はAllegheny Ludlum会社からAL-6XN PLUS(商標)の名前で販売される。典型的なAL-6XN PLUS(商標)合金組成物は、21.8重量パーセントのクロム、25.2重量パーセントのニッケル、6.7重量パーセントのモリブデン、および0.24重量パーセントの窒素を含有する。また、AL-6XN PLUS(商標)合金は、下記の他の成分の最大含量、即ち、0.03重量パーセントの炭素、2.0重量パーセントのマンガン、0.040重量パーセントの硫黄、1.0重量パーセントのケイ素、および0.75重量パーセントの銅を、含有してもよい。
【0032】
AL-6XN PLUS(商標)は、約6〜約7重量パーセントのモリブデンを含有するオーステナイト系ステンレス鋼の群の中に分類できる。また、これらの合金は典型的に、約19〜約22重量パーセントのクロム、約17.5〜約26重量パーセントのモリブデン、および約0.1〜約0.25重量パーセントの窒素を含有する。
【0033】
表1で示した試験で使用した標準ASTMG‐48プラクティスB試験はプラクティスBで示したストレート溶液の代わりに酸性化塩化第二鉄試験溶液を採用した(このような表1〜5の“修正”試験の表現は全て、ASTM標準で示されたストレート溶液よりも酸性化塩化第二鉄試験溶液の使用を言う)。高温(典型的に、約95oF(35℃)以上)において、G‐48の方法AおよびBのために示されたような塩化第二鉄溶液は、加水分解して、水酸化第二鉄および塩酸を生じる。この加水分解は前記溶液を変化させて、おそらく前記溶液の腐食性を変化させるであろう。G‐48の方法CおよびDで示されるように、塩酸を添加すると、この加水分解が抑制されて、より安定した結果が得られる。表1を参照すると、104oF(40℃)において、この試験は、明確なすき間腐食および減量のない2種類の合金のサンプルを示す。
【0034】
113oF(45℃)以上)において、両方のサンプルは端面に腐食を示したが、減量は示さなかった。19‐B5Aのサンプルは0.013インチの深さのすき間を示したが、19‐B5Bのサンプルのすき間の深さはわずかに0.003インチであった。
【0035】
122oF(50℃)において、両方のサンプルはすき間腐食を示し、そして少なくとも0.0001グラム/cm2の減量を示した。19‐B1Aのサンプルは端面の上および一つのブロックの下にすき間の深さが0.010インチの腐食を示した。19‐B1Bのサンプルは端面の上にすき間の深さが0.004インチの腐食を示した。
【0036】
122oF(50℃)を超える温度において、全てのサンプルはすき間腐食を示し、そして19‐B2Aを除く全てのサンプルは減量を示した。表1の結果が示すように、従来技術の方法で調製された合金は122oF(50℃)のCCCTによって特徴付けられる。
【0037】
【表2】
Figure 2004526866
【0038】
表2は上述された従来技術の方法によって製造されたAL-6XN PLUS(商標)合金について実施された修正ASTMG‐48プラクティスDすき間腐食試験の結果を示す。上述したように、AL-6XN PLUS(商標)は50以上のPRENを有する。
【0039】
表2を参照すると、113oF(45℃)以上では、サンプルは、少なくとも10〜24のプラトーの上に0.003インチ〜0.060インチの範囲のすき間深さを有する腐食を示し、そして0.0060グラム/cm2の減量を示した。19‐D5Bのサンプルは、11〜24のプラトーの上に0.003インチのすき間深さを有する腐食を示し、そして0.0001グラム/cm2の減量を示した。表2で実施された試験の下で、従来技術の方法で調製された合金は113oF(45℃)〜122oF(50℃)のCCCTによって特徴付けられる。
【0040】
本発明に従って、合金の含量またはPRENの値を増大させる必要なしに、CCCTによって示されるような耐食性を増大させるために、Cr‐Ni‐Moステンレス鋼合金は1またはそれ以上の工程によって均質化できる。更に以下に説明するように、合金は、例えば、再溶解によって、または延長された時間の焼鈍によって均質化できる。本発明を説明する関連で使用する場合、“均質化”および“均質化すること”は、合金の耐食性に貢献する合金中の主要な合金化成分の偏析の程度を減じる工程を意味する。“均質化された”合金または製品は、ここで定義された均質化を実施されたものである。本発明において、耐食性に寄与する主要な合金化成分はモリブデンを含み、これは上述のPRENの計算式によって計算されるような耐食性に直接に寄与する。均質化は、より均一な合金組成を生じる。また、均質化は、耐食性に寄与する成分が不足する局部領域であって、腐食され易い局部領域の生成を抑制する。本発明者は、50以上のPRENを有する合金を均質化すると、予期できないほど改良された耐食性が合金に与えられることを、発見した。均質化処理は、処理された領域中の主要な合金化成分の偏析の程度を低減させるが、これらの成分を完全には軽減できないであろう。それにもかかわらず、本発明者は、腐食を増進する状態に曝された領域中のこれらの成分の偏析の程度を減少させると、CCCT値によって示されるように、耐食性が実質的に高められることを、発見した。
【0041】
従って、鋳造の後に、この鋳造製品の少なくとも一部は、スラブ、インゴット、または他の形状物であっても、この部分を均質化するために再溶解されてもよい。本発明者は、鋳造後に、製品の全部または一部を再溶解すると、均質化が生じ、そして再溶解部分中の不純物の発生が低減することを発見した。これはステンレス鋼を製造する従来の方法からの決別を意味する。この再溶解工程は、エレクトロスラグ再溶解(“ESR”)によって実施されてもよく、または、限定されないが、真空アーク再溶解(“VAR”)、レーザ表面再溶解、そして電子ビーム(EB)再溶解を含むステンレス鋼の製造に公知の他の従来方法によって実施されてもよい。鋳造製品の全体が、その全体を均質化し、そして製品の全ての表面の耐食性を増大させるために、再溶解されてもよい。鋳造製品の全体を再溶解し、そして均質化するために適する技術としては、例えば、ESR、VAR、およびEBの再溶解がある。あるいは、製品の少なくとも表面領域が、その領域を均質化し、そして表面の耐食性を増大させるために、再溶解されてもよい。鋳造製品の表面領域を再溶解し、そして均質化するために適する技術としては、レーザ表面再溶解がある。
【0042】
公知のESRプロセスは、制御された組成のスラグとの反応を通じて、合金中の硫黄のような不所望の不純物の濃度を低減するための方法として開発された。また、ESRは不純物を除去または変更するための方法として認識されている。モリブデンのような合金化元素の凝固が誘発される偏析を慎重に制御するためにESRを使用することは、極めてまれであり、そしてこの目的のためにESRを使用することは従来のステンレス製鋼の方法の一部ではない。
【0043】
VARは、合金718のようなニッケル基合金を均質化するために使用されることが多い。VARは、インゴット‐鋳物またはESR物質中に一般に含まれるニオブの偏析の程度を低減するために、合金718の製造において典型的に使用される。VAR法は真空中で実施されるため、上述の表1および表2で検討された合金のような窒素含有合金のVAR処理は困難である。この困難にもかかわらず、適切な配慮によって、これらの合金を均質化するためにVARを適合できる。
【0044】
レーザ表面再溶解は、レーザビームを製品の表面全体に電子走査することによって実施される。再凝固速度を高くすると、極めて微細なデンドライト間隔が生じ、その結果、製品の表面上に急速な、そして実質的に完全な均質化が生じる。
【0045】
本発明者は、製品を延長された時間、焼鈍することによって、50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼合金の製品の全部または一部を均質化すると、製品の耐食性が改良されることを更に発見した。“延長された焼鈍”処理と呼ばれる、焼鈍処理は、上述した従来技術の方法における熱間加工の後のミル焼鈍(mill annealing)工程の後、または、その代わりに実施されてもよい。焼鈍は、製品を所定の時間、高温に曝し、その後適当な速度で冷却することを含む処理である。焼鈍は、主に金属物質を軟化させるために使用されるが、しかし、また同時に他の特性または微細構造を適切に変化させるために使用できる。焼鈍は、通常、シグマ相、カイ相、およびミュー相のような好ましくない相が溶解する温度で実施される。本発明において、製品の少なくとも一部は、2000oF(1079℃)より高い温度で、前記製品を均質化する(即ち、主要な合金化成分の偏析を減少させる)のに十分な時間、焼鈍される。例えば、延長された焼鈍処理は、前記製品を2050〜2350oF(1121〜1288℃)で、1時間より長い時間、加熱することにより実施されてもよいが、好ましくは2150oF(1177℃)で、約2時間、加熱することにより実施される。
【0046】
米国特許番号5,019,184は、Crを19〜23重量パーセントおよびMoを14〜17パーセント含有するニッケル基合金の耐食性を向上させるための熱均質化の使用方法を開示する。この均質化は、ミュー相、(Ni、Cr、Fe、Co)3(Mo、W)2の形成を低減するための方法として記述される。ミュー相は、この米国特許の主要な材料であるCr‐Ni‐Mo合金の耐食性に対して有害であると認定された。
【0047】
前記‘184特許の方法は、この従来技術の方法の目的が好ましくない相の除去であるという理由に関して少なくとも本発明と相違する。これに対して、本発明の目的は、オーステナイト相内に溶質(モリブデン)の不足する領域を除去することであり、前記オーステナイト相はAL-6XN PLUS(商標)合金のためのマトリックス相であって、名目上この合金の全てを含む。図1は、最大固体溶解度の温度をほんの少し下回る最適の均質化温度で延長された時間、合金を保持することによって、合金が均質化される方法を一般的に示す。その際に、モリブデンの拡散によって、合金内の組成勾配は低下するであろう。
【0048】
本発明の方法の一つの態様において、再溶解工程および延長された焼鈍工程の両方が、Cr‐Ni‐Mo合金を均質化するために実施される。別の態様において、再溶解工程または延長された焼鈍工程が単独で実施される。選択される方法は、所望の耐食性の程度および別の処理工程のコストに依存するであろう。
【0049】
前に述べたように、合金のCCCTは、すき間腐食が特定の環境下において合金のサンプルに生じる最低温度である。このCCCTはASTM規格G‐48に従って典型的に決定される。CCCTが高くなればなるほど、合金の耐食性は大きくなる。従って、合金が腐食性環境に曝される場合、合金はできるだけ高いCCCTを有することが望ましい。後述する実施例1および2は、50以上のPRENを有し、そして本発明に従って少なくとも部分的に均質化される合金の組合わせが、前記CCCTおよび合金の耐食性に基づくというプラスの効果を示す。下記の実施例で示される合金組成を用いて、上述のように、再溶解工程および/または延長された焼鈍工程を従来技術の方法に組み込むと、優れた耐食性を有する超オーステナイトステンレス鋼が得られる。増大したPRENは、改良された耐食性を示すが、50以上のPRENを有する合金を均質化させると、耐食性が更に増大することは、従来知られていなかったことを考慮すると、これらの効果は驚くべき効果である。
【0050】
実施例1
【0051】
【表3】
Figure 2004526866
【0052】
表3は、従来技術で調製され、そして鋳造後にESR工程を更に実施されたAL6-XNPLUS(商標)合金について実施された修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験の結果を示す。113〜149oF(45〜65℃)の温度範囲においてサンプルは、測定可能なすき間腐食または減量を生じなかった。サンプル120B651は端面の上にわずかな腐食を示したが、測定可能なすき間腐食または減量を示さなかった。本発明によって製造された合金のCCCTは149oF(65℃)より高い。表3で示すように、ESR処理された合金で得た腐食結果は、同じ方法で製造されるが、しかしESR工程を更にされないで得た表1の合金の結果よりも優れている。以下の機構によって限定されることを望まないが、CCCTが高くなることは、ESR処理が、ミル焼鈍を単独で実施した場合よりも表面領域中の主要な合金化成分の均質化を更に高めるという事実に基づくためであると考えられる。これらの結果は、50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼の耐食性を更に高めるために、均質化処理が重要であることを示す。
【0053】
実施例2
【0054】
【表4】
Figure 2004526866
【0055】
表4は、上述の従来技術で調製され、そして2150oF(1177℃)で2時間の延長された焼鈍均質化処理を更に実施されたAL6-XNPLUS(商標)合金について実施された修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験の結果を示す。131oF(55℃)において、両方のサンプルは端面上に浅い腐食を示したが、そのすき間の深さは測定できなかった。また、各サンプルは0.0001グラム/cm2の減量を示した。表4のデータは、延長された焼鈍により達成された均質化によって、131oF(55℃)より高いCCCTを有する合金が製造されたことを示す。これらの特性は、122oF(50℃)のCCCTを生じた表1の従来方法によって製造された同じ合金で示される特性よりも実質的に優れている。表4は、より好ましい耐食性を得るためには、50以上のPRENを有する合金を均質化することが重要であることを再度確認する。
【0056】
【表5】
Figure 2004526866
【0057】
表5は、上述の従来技術で調製され、そして2150oF(1177℃)で2時間の延長された焼鈍均質化処理を実施されたAL6-XNPLUS(商標)合金について実施された修正ASTMG‐48プラクティスDすき間腐食試験の結果を示す。表5の19‐CBE1のサンプルは、1〜24のプラトーの上に0.001インチのすき間深さを有する腐食を示し、そして減量を示さなかった。19‐CBE2のサンプルは、1〜24のプラトーの上に0.0005インチのすき間深さを有する腐食を示し、そして減量を示さなかった。
【0058】
表5の合金は、均質化のために延長された焼鈍を実施されたものであって、131oF(55℃)において最小の腐食を示した。上述の結果によって示されるように、表5の合金は少なくとも131oF(55℃)のCCCTを有する。これらの結果は、従来技術の方法で製造された合金と同じ試験条件下で113oF(45℃)のCCCTを生じた表2の合金が示す結果よりも優れている。
【0059】
当業者は本発明の延長された焼鈍均質化処理を含む適切な時点を容易に決定できる。実行できる延長された焼鈍技術としては、例えば、箱焼鈍(box anneal)およびライン焼鈍(line anneal)がある。技術の最も適切な選択は費用および加工の問題を含む要素に依存するであろう。例えば、合金が板に加工される場合、延長された焼鈍は、多数の板を箱焼鈍炉中でバッチ焼鈍することによって実施されてもよい。合金がシートに加工される場合、スラブが、延長された焼鈍処理をバッチ操作で実施され、次いでこの加熱されたスラブが熱間圧延されてもよい。あるいは、シート製品のような最終厚さまで加工されたスラブが、2000oF(1079℃)より高い温度で、前記合金を均質化するのに十分な時間、線状焼鈍されてもよい。上述の表4および表5において、サンプルは、延長された焼鈍によって処理される前に最終標準寸法まで加工された。腐食を促進する状態に曝された表面の均質性が最も重大であるため、延長された焼鈍処理によって所定の表面領域を均質化させるのに適合する技術は、耐食性を著しく向上させると考えられる。
【0060】
上述の実施例は、本発明の方法によって処理されたCr‐Ni‐Mo合金が、従来技術の方法で処理された同じ組成の合金と比較した場合、CCCTによって測定されたように、優れた耐食性を保有することを示す。表1および表2は、AL-6XN PLUS(商標)合金のCCCTが、修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験を使用して、約122oF(50℃)であり、そして修正ASTMG‐48プラクティスD試験を使用して、約113oF(45℃)であることを示す。これらのCCCTの値は、典型的に約47のPRENを有するAL-6XN(商標)(Allegheny Ludlum会社から入手可能)として知られる他の従来技術のCr‐Ni‐Moステンレス鋼のCCCTの値よりも大きい。この従来技術の合金は、修正G‐48プラクティスBすき間腐食試験において、約110oF(43℃)のCCCTによって特徴づけられ、そして標準(修正されない)G‐48プラクティスDすき間腐食試験において、95oF(35℃)のCCCTによって特徴づけられる。AL-6XN PLUS(商標)合金を本発明の方法を用いて処理することにより得られたCCCTの更なる増加は、著しく、そして予期できなかった。本発明の使用によって耐食性の更なる増加が達成されるため、PRENを増大させるために合金化を更に増やす必要はなくなり、また高合金化物質の取扱いに関連する加工の困難性が回避された。
【0061】
図2および図3は、合金のCCCT値に基づく本発明の効果をグラフで示す。図2は、従来技術の方法によって製造された50以上のPRENを有する非均質化合金(“市販の合金”)、従来技術の方法によって製造され、次いで2150oF(1177℃)で少なくとも2時間の延長された焼鈍によって均質化された50以上のPRENを有する合金(“延長された焼鈍化合金”)、および従来技術の方法によって製造され、そしてESRによって均質化された50以上のPRENを有する合金(“ESR合金”)、について実施された修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験の結果から得られたCCCT値を比較する棒グラフである。前記市販の合金は122oF(50℃)のCCCTを示した。前記延長された焼鈍化合金は少なくとも131oF(55℃)のCCCTを示したが、一方、前記ESR合金は少なくとも149oF(65℃)のCCCTを示した。
【0062】
図3は、従来技術の方法によって製造された50以上のPRENを有する非均質化合金(“市販の合金”)、および従来技術の方法によって製造され、次いで2150oF(1177℃)で少なくとも2時間の延長された焼鈍によって均質化された50以上のPRENを有する合金(“延長された焼鈍化合金”)、について実施された修正ASTMG‐48プラクティスDすき間腐食試験の結果から得られたCCCT値を比較する棒グラフである。前記市販の合金は113oF(45℃)のCCCTを示したが、前記延長された焼鈍化合金は少なくとも131oF(55℃)のCCCTを示した。
【0063】
上述の説明は本発明の明確な理解に適切な本発明の態様を示すことを理解すべきである。当業者に明らかであり、従って本発明のよりよい理解を促進しないであろう本発明の特定の態様は記述を簡略化するために記述されない。本発明は特定の態様に関して記述されているが、当業者は上述の記載を考慮して、本発明の多くの修正と変更が採用できることを理解するであろう。上述の記載及び特許請求の範囲は本発明のこのような変更と修正を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】モリブデンの最大溶解度の温度に基づいて、合金の均質性に対する温度の効果を示す合金中の高温相の線図である。
【図2】(i)従来技術の方法によって製造された50以上のPRENを有す非均質化ステンレス鋼、(ii)従来技術の方法によって製造され、そしてESR処理された50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼、および(iii)従来技術の方法によって製造され、そして2150oF(1177℃)で約2時間焼鈍された50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼、について実施された修正ASTMG‐48プラクティスBすき間腐食試験の結果から得られたCCCT値を比較する棒グラフである。
【図3】(i)従来技術の方法によって製造された50以上のPRENを有す非均質化Cr‐Ni‐Moステンレス鋼、(ii)従来技術の方法によって製造され、そして2150oF(1177℃)で約2時間焼鈍された50以上のPRENを有するCr‐Ni‐Moステンレス鋼、について実施された修正ASTMG‐48プラクティスDすき間腐食試験の結果から得られたCCCT値を比較する棒グラフである。

Claims (38)

  1. ステンレス鋼の耐食性を改良する方法であって、
    クロム、ニッケル、およびモリブデンを含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の製品を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、そして
    前記製品の少なくとも一部を再溶解して、前記一部を均質化する工程を含む方法。
  2. 製品を用意する工程は、前記ステンレス鋼の溶融物を用意し、そして
    前記溶融物を鋳造して前記製品を形成する工程を含む、請求項1記載の方法。
  3. 再溶解する工程は、前記ステンレス鋼の少なくとも一部をエレクトロスラグ再溶解する工程、真空アーク再溶解する工程、および電子ビーム再溶解する工程の少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記再溶解工程は前記製品の少なくとも表面領域をレーザ表面再溶解する工程を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記製品はインゴット、スラブ、および板の中の1種である、請求項1記載の方法。
  6. 前記製品の少なくとも一部を再溶解する工程は、前記製品の一部の中のモリブデンの偏析の程度を低減させる、請求項1記載の方法。
  7. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    14〜22重量パーセントのクロム、
    17〜40重量パーセントのニッケル、
    6〜12重量パーセントのモリブデン、および
    0.15〜0.50重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    19〜22重量パーセントのクロム、
    17.5〜26重量パーセントのニッケル、
    6〜7重量パーセントのモリブデン、および
    0.1〜0.25重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項7記載の方法。
  9. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    20〜22重量パーセントのクロム、
    23.5〜25.5重量パーセントのニッケル、
    6.0〜7.0重量パーセントのモリブデン、および
    0.18〜0.25重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項8記載の方法。
  10. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    約21.8重量パーセントのクロム、
    約25.2重量パーセントのニッケル、
    約6.7重量パーセントのモリブデン、および
    約0.24重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項7記載の方法。
  11. 前記ステンレス鋼は、6重量%以下のマンガンを更に含む、請求項7記載の方法。
  12. 前記製品の一部を再溶解した後に、前記ステンレス鋼を熱間圧延する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  13. 前記製品の一部を再溶解した後に、前記ステンレス鋼を焼鈍して、前記ステンレス鋼の少なくとも一部を均質化する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  14. 前記ステンレス鋼を焼鈍する工程は、前記ステンレス鋼を2000oF(1149℃)より高い温度に加熱し、そして前記ステンレス鋼を均質化するのに十分な時間、前記ステンレス鋼を前記加熱温度で維持する工程を含む、請求項12記載の方法。
  15. 焼鈍工程は、前記ステンレス鋼を2050〜2350oF(1121〜1288℃)の範囲の温度に加熱し、そして前記加熱温度で前記ステンレス鋼を1時間より長い時間維持する工程を含む、請求項14記載の方法。
  16. 焼鈍工程は、前記ステンレス鋼を少なくとも2150oF(1177℃)の温度に加熱し、そして前記ステンレス鋼を前記加熱温度で少なくとも約2時間維持する工程を含む、請求項15記載の方法。
  17. ステンレス鋼の耐食性を改良する方法であって、
    クロム、ニッケル、およびモリブデンを含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の製品を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、そして
    前記製品の少なくとも一部を焼鈍して、前記一部を均質化する工程を含む方法。
  18. 製品を用意する工程は、前記ステンレス鋼の溶融物を用意し、
    前記溶融物を鋳造して前記製品を形成する工程を含む、請求項17記載の方法。
  19. 前記製品はインゴットおよびスラブの中の1種である、請求項18記載の方法。
  20. 製品を用意する工程は、前記ステンレス鋼の溶融物を用意し、
    前記溶融物を前記ステンレス鋼のインゴットおよびスラブの中の1種に鋳造し、そして
    更に前記ステンレス鋼を加工して、前記製品を形成する工程を含む、請求項17記載の方法。
  21. 前記ステンレス鋼を更に加工する工程は、前記ステンレス鋼を、熱間圧延する工程、鍛造する工程、および冷間圧延する工程の少なくとも1種を含む、請求項20記載の方法。
  22. 前記製品は板およびシートの中の1種である、請求項21記載の方法。
  23. 前記製品の少なくとも一部を焼鈍する工程は、前記製品の一部の中のモリブデンの偏析の程度を低減させる、請求項17記載の方法。
  24. 前記製品の少なくとも一部を焼鈍する工程は、バッチ焼鈍する工程および前記製品をライン焼鈍する工程の少なくとも1種を含む、請求項17記載の方法。
  25. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    14〜22重量パーセントのクロム、
    17〜40重量パーセントのニッケル、
    6〜12重量パーセントのモリブデン、および
    0.15〜0.50重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項17記載の方法。
  26. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    19〜22重量パーセントのクロム、
    17.5〜26重量パーセントのニッケル、
    6〜7重量パーセントのモリブデン、および
    0.1〜0.25重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項25記載の方法。
  27. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    20〜22重量パーセントのクロム、
    23.5〜25.5重量パーセントのニッケル、
    6.0〜7.0重量パーセントのモリブデン、および
    0.18〜0.25重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項26記載の方法。
  28. 前記ステンレス鋼は、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、
    約21.8重量パーセントのクロム、
    約25.2重量パーセントのニッケル、
    約6.7重量パーセントのモリブデン、および
    約0.24重量パーセントの窒素、
    を含む、請求項27記載の方法。
  29. 前記ステンレス鋼は、6重量%以下のマンガンを更に含む、請求項25記載の方法。
  30. 前記製品の少なくとも一部を焼鈍する工程は、前記製品の少なくとも一部を2000oF(1149℃)より高い温度に加熱し、そして前記一部を前記加熱温度で前記一部を均質化するのに十分な時間維持する工程を含む、請求項17記載の方法。
  31. 前記製品の少なくとも一部を焼鈍する工程は、前記製品の少なくとも一部を2050〜2350oF(1121〜1288℃)の範囲の温度に加熱し、そして前記加熱温度で前記一部を1時間より長い時間維持する工程を含む、請求項30記載の方法。
  32. 前記製品の少なくとも一部を焼鈍する工程は、前記製品の少なくとも一部を少なくとも2150oF(1177℃)の温度に加熱し、そして前記加熱温度で前記ステンレス鋼を少なくとも約2時間維持する工程を含む、請求項31記載の方法。
  33. 前記溶融物をインゴットおよびスラブの中の1種に鋳造した後に、前記インゴットまたはスラブの少なくとも一部を再溶解して、前記一部を均質化する工程を更に含む、請求項20記載の方法。
  34. ステンレス鋼の耐食性を改良する方法であって、
    20〜22重量パーセントのクロム、23.5〜25.5重量パーセントのニッケル、6.0〜7.0重量パーセントのモリブデン、および0.18〜0.25重量パーセントの窒素を含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の溶融物を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、
    前記溶融物を鋳造して前記ステンレス鋼の製品を形成し、
    エレクトロスラグ再溶解、真空アーク再溶解、および電子ビーム再溶解の少なくとも1種によって前記製品の少なくとも一部を再溶解して、前記部分の耐食性を改善するモリブデンおよび他の主要な合金化元素の一部の偏析を低減し、そして
    前記ステンレス鋼を最終標準寸法まで更に加工する工程を含む、方法。
  35. ステンレス鋼の耐食性を改良する方法であって、
    20〜22重量パーセントのクロム、23.5〜25.5重量パーセントのニッケル、6.0〜7.0重量パーセントのモリブデン、および0.18〜0.25重量パーセントの窒素を含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の溶融物を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、
    前記溶融物を鋳造して前記ステンレス鋼の製品を形成し、そして
    前記ステンレス鋼の少なくとも一部を、少なくとも2000oF(1093℃)の温度で、モリブデンの偏析および前記部分の耐食性を改善する他の主要な合金化元素の偏析を低減するのに十分な時間、焼鈍する工程を含む、方法。
  36. クロム、ニッケル、およびモリブデンを含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の製品を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、
    前記製品の少なくとも一部を再溶解して、前記一部を均質化し、そして
    前記ステンレス鋼を最終標準寸法まで更に加工する工程を含む方法によって製造されたステンレス鋼。
  37. クロム、ニッケル、およびモリブデンを含み、そして計算式
    PREN=Cr+(3.3×Mo)+(30×N)
    において、PRENが少なくとも50であるステンレス鋼の製品を用意し、ここで、前記ステンレス鋼の合計重量に基づいて、Crが重量パーセントのクロムであり、Moが重量パーセントのモリブデンであり、そしてNが重量パーセントの窒素であり、そして
    前記製品の少なくとも一部を焼鈍して前記一部を均質化する工程を含む方法によって製造されたステンレス鋼。
  38. 請求項36および37のいずれかに記載の前記ステンレス鋼を含む、製造品。
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