JPH0583470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複写機における両面原稿の自動原稿
送り装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来利用されている自動原稿送り装置は、コピ
ーすべき画像が片面にのみにあるいわゆる片面原
稿を対象としたものが大部分であつて、かゝる自
動原稿送り装置によつて両面原稿をコピーする場
合には、一旦表側のコピーを終えて排紙トレイ上
に排出された原稿を、裏返しにして再び給紙トレ
イ上に載置する操作が必要となつている。

従つて両面原稿をコピーする場合には、原稿は
自動送り装置によつて自動的にコピーされるにも
かゝわらず、原稿の反転と載置のため作業者は複
写機から離れることが出来ず、折角の自動送り装
置の機能も活用されていない状況となつている。

しかし、最近両面原稿をその表裏にわたつて連
続してコピーすることの出来る自動原稿送り装置
を備えた複写機の提案が見られるようになつた。

例えば、特開昭55−12937号公報さる提案は、
複写機内に原稿枚数に相当する多数のトレイを備
え、それらのトレイに表面のコピーを終えた原稿
を反転して収納したあとトレイを移動して裏面の
コピーを行うよう構成したもので、構造が大型か
つ複雑化して一般の事務用として適せず、また従
来利用されている自動原稿送り装置に付加したり
改造して取付けることも不可能な構造である。

また、両面原稿の表側のコピー中に、裏面の画
像の有無をセンサによつて検知し、画像の存在を
検知した次、排紙トレイに排出された原稿が自動
的に表裏反転して再び給紙トレイに戻り、続いて
原稿の裏面のコピーが行われるよう構成した複写
機も提案されているが、前述した原稿裏面の画像
を検知するセンサと原稿の反転循環搬送機能や、
それらを制御する回路等を必要とし非常に高価な
ものとなつて、これまた一般事務用に適したもの
と云うことが出来ない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、従来の両面原稿の自動原稿送り装置
に共通した複雑な構造と大型化、高価格化をさ
け、コンパクトな構成でかつ安価な自動原稿送り
装置の提供を目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、原稿トレイから搬出されその表面の
コピーを終えた後表裏反転して排紙トレイに収納
された原稿を、例えば前記排紙トレイを前記原稿
トレイの位置に移動することにより、再び原稿載
置台に搬送してその裏面のコピーを行うよう構成
するもので、それは、複数枚の原稿を載置可能な
原稿トレイから原稿を一枚づつ複写機の原稿露光
位置へ搬送し、露光処理終了後、この原稿を反転
する原稿搬送路を経て原稿を原稿トレイに排出す
るようにした自動原稿送り装置において、上中下
の３段にし、これらがほぼ平行で、原稿供給側を
下に傾斜して配置され、３段が一体に移動可能に
形成された原稿トレイと、この下段の原稿トレイ
に載置した両面原稿を一枚づつ前記原稿露光位置
に供給する原稿分離部材を設けた原稿供給路と、
原稿露光位置から露光済原稿を反転して搬送する
原稿搬送路と、この原稿搬送路から前記原稿トレ
イに原稿を排出する原稿排出路とからなり、前記
下段の原稿トレイから原稿分離部材においてさば
かれた一枚の原稿を前記原稿露光位置に供給搬送
して原稿露光を行い、この露光済原稿が前記原稿
搬送路で反転されて原稿排出路を経由して中段の
原稿トレイに排出して一時収納し、前記原稿トレ
イを一体に移動して前記中段の原稿トレイの給紙
部が前記原稿分離部材の位置に対向され、反転さ
れた原稿を前記原稿供給路を経由して再度前記原
稿露光位置に搬送して露光処理を行い、この原稿
を前記上段の原稿トレイに収納するようにして両
面原稿の両面複写を可能としたことを特徴とする
複写機の自動原稿送り装置によつて達成される。

〔実施例〕

本発明の自動原稿送り装置の実施例を第１図な
いし第４図に示す。

第１図Ａ，Ｂは、第１の実施例であつて、自動
原稿送り装置（以下装置と称す）２の内部には、
原稿を集積すべき上段トレイ３ａ、中段トレイ３
ｂおよび下段トレイ３ｃを一体とした３段トレイ
３が適度の傾斜角をもつて、ガイドレール２ａ，
２ｂに沿つて上下動出来るよう設けられている。

前記中段トレイ３ｂの先端には該中段トレイ３
ｂに軸着された回動可能の受け板４が取付けられ
ていて、前記３段トレイ３が下方に移動して、図
Ｂの位置を占めると前記受け板４が反時計方向に
ほゞ直角に回転して退避する構造になつている。

一方、複写機１の原稿露光位置である原稿載置
台１ａの上部位置には、駆動ローラ５の回転駆動
により時計方向に循環して搬送される広幅ベルト
６が設置された原稿搬送路を形成し、さらに前記
３段トレイ３との間には、該３段トレイ３上に集
積した原稿を前記広幅ベルト６の搬送面に供給あ
るいはその逆に、搬送面から前記３段トレイ３に
排出するためのさばきローラ８とさばきベルト８
ａとからなる原稿分離部材、原稿の搬送ガイドで
あるガイド板７、タイミングローラ９からなる原
稿供給路および搬送ベルト１０からなる原稿排出
路などの各部材が配置されている。

すなわち、前記３段トレイ３が上方に移動して
図Ａの位置を占めている時、下段トレイ３ｃ上の
集積した原稿を受ける位置にガイド板７が配置さ
れ、該ガイド板７から供給された原稿がさばきロ
ーラ８、タイミングローラ９を経て、前記広幅ベ
ルト６により原稿載置台１ａ上に１枚宛給送され
るようになつており、またコピーを終えた原稿が
前記広幅ベルト６によつて循環したのち、搬送ベ
ルト１０とガイド板１１を介しさらに排紙ローラ
１２を経て中段トレイ３ｂに排出されるようにな
つている。

以下本発明による自動原稿送り装置の具体的な
作用について説明する。

自動原稿送り装置２における前記３段トレイ３
を図Ａの位置にセツトし、コピーすべき両面原稿
をその表面を下向きとして下段トレイ３ｃ上に載
置、集積する。

集積された原稿は、前記下段トレイ３ｃから自
動的に滑り落ちて、前記ガイド板７の上に達しそ
の前側端が前記さばきローラ８に当接して停止し
ている。

この状態から複写機１のコピー釦を押すと、前
記さばきローラ８のベルト８ａが時計方向に回転
を始め、最上位にある１枚の原稿をタイミングロ
ーラ９の方向に搬送する。

コピーが開始された最初の原稿の場合には、前
記タイミングローラ９は既に回転の状態となつて
いるので、原稿は留まることなく左方に送られ、
前記広幅ベルト６の搬送によつて原稿載置台１ａ
上を滑動し、その前側端がストツパ１ｂに当接し
て停止される。

なお後続して搬送される原稿は、先行した原稿
によるコピー作動中前記タイミングローラ９の回
転は停止されているので、前記さばきローラ８の
さばきベルト８ａ面をスリツプしつゝ一時的には
待機する状態に置かれる。

かくして原稿の表面のコピーが終了すると、前
記ストツパ１ｂの退避と共に前記広幅ベルト６の
回転が再開され、原稿は表裏反転して前記広幅ベ
ルト６の上面で右方向に移動されて、前述した如
く搬送ベルト１０、排紙ローラ１２によつて中段
トレイ３ｂ上に排出される。

かくして下段トレイ３ｃ上の各原稿はその表面
のコピーを終了したのち、裏面を下向きとした状
態で自動的に中段トレイ３ｂ上に集積されて行
く。

前記下段トレイ３ｃ上の原稿のコピーをすべて
終了すると、原稿検知部材（図示せず）からの情
報にもとづく制御部からの信号によつて前記３段
トレイ３が下方に移動して図Ｂの状態となる。

この状態では前記ガイド板７には中段トレイ３
ｂが、また前記排紙ローラ１２には上段トレイ３
ａがそれぞれ対応する位置となり、また中段トレ
イ３ｂの前記受け板４が回動して集積した原稿を
ガイド板７の上に滑り落し得る体勢となつてい
る。

従つて続く制御部の作用によつてコピー機能が
作動すると中段トレイ３ｂ上の原稿は、前述した
下段トレイ３ｃ上の原稿の場合と同様の過程を経
て原稿載置台１ａに給送されて、この場合には原
稿の裏面のコピーが行われた後に表裏反転して再
び表面を下向きの状態として上段トレイ３ａ上に
集積、回収されることゝなる。

かくして両面原稿の表裏面にわたるコピーは、
本発明の自動原稿送り装置によれば、当初のコピ
ー釦を押す操作のみにて以後の全プロセスが全く
自動的に行われることゝなるので、作業者が複写
機に立合う必要がなく、いわゆる無人状態での両
面コピーが可能となる。

第２ないし第４図は本発明による第２、第３お
よび第４の各実施例を示したもので、第２図の例
は、上、中、下各段のトレイ１３ａ，１３ｂ，１
３ｃを一体とした３段トレイ１３を、前記装置２
上の軸１４ａ，１５ａを支点として回動するリン
ク１４および１５によつて平行して上下に揺動す
るよう構成したものである。

図Ａでは前記リンク１４は上限ストツパ１６ａ
に当接して、前記リンク１５もそれに倣つて停止
し、下段トレイ１３ｃが前記ガイド板７に、中段
トレイ１３ｂが前記排紙ローラ１２に臨む位置に
置かれている。

従つて前例と同様に、下段トレイ１３ｃ上の原
稿が搬出され、コピーを終えて中段トレイ１３ｂ
に排出されたあと、原稿検知部材からの情報にも
とづいて、前記リンク１４を反時計方向に下限ス
トツパ１６ｂに当接する迄回動して中段トレイ１
３ｂが前記ガイド板７に、上段トレイ１３ａが前
記排紙ローラ１２にそれぞれ対応する位置を占め
ると、それに伴つて中段トレイ１３ｂの前記受け
板４が反時計方向に回転する。

かくして前例同様中段トレイ１３ｂ上の原稿は
裏面のコピーを終了したのち上段トレイ１３ａ上
に集積、回収されることゝなるが、前記リンク１
４，１５は３段トレイ１３を常に一定の傾斜を保
つて昇降させる機構としては極めて簡単でかつ精
度良く作動し得る特長を有するものである。

また第３図の例は、３段トレイ２３を、前記装
置２本体に対して回転中心１７を支点として回転
出来るよう取付け、図Ａの位置で前例同様に原稿
の表面のコピーを行い、３段トレイ２３を反時計
方向に回動して図Ｂの位置とした時、前例同様に
原稿の裏面のコピーが行われるよう構成したもの
である。

本例の場合、３段トレイ２３の傾斜角度に変動
が生じるが回転中心１７の位置を適宜選択するこ
とにより、原稿の搬出に条件の良い範囲内でそれ
ぞれの位置を設定することも出来るので、構造を
頗る簡潔なものとすることが可能である。

さらに第４図に示したものは、３段トレイ３３
を前記装置２本体上に固設し、さばきローラ８と
前記３段トレイ３３との間には、回転中心７０ａ
を支点として回動可能のガイド板７０を、一方搬
送ベルト１０と前記３段トレイ３３との間には、
回転中心１１０ａを中心として回動可能でありか
つその端部に排紙ローラ１２０を支持したガイド
板１１０を配設している。

すなわち下段トレイ３３ｃ上に原稿が検知され
ている時に前記ガイド板７０および１１０は、そ
れぞれ図Ａの状態を占めているが、下段トレイ３
３ｃ上の原稿がなくなると、前記ガイド板７０お
よび１１０はそれぞれ反時計方向に回動し同時に
中段トレイ３３ｂの受け板４も回転して、図Ｂに
示す状態となつて前例同様に両面コピーが行われ
るようになつている。

以上説明した各実施例は、原稿を何れも下方に
位置するトレイから表面のコピーを終えて中間に
位するトレイへ、さらに中間に位するトレイから
裏面のコピーを終えたあと上位に位するトレイに
排出して両面コピーを実施するよう構成している
が、各駆動部材の搬送方向と３段トレイの移動方
向その他ガイド板の切換方向等を逆方向に作動す
るよう構成すれば、前述した原稿の給紙、排紙の
トレイを入れ替えて、上段トレイから下段トレイ
へと搬送して排出する順序をとることも可能であ
る。

〔発明の効果〕

本発明は、従来の自動原稿送り装置に３段トレ
イを付加して取付けることにより両面原稿のコピ
ーを自動的に行うことの出来る自動原稿送り装置
を実現することゝなり、それによつて無人状態で
の両面原稿によるコピーを複写機に殆んど手を加
えることなしに実施することが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の４つの実施例を
示すもので、各図における図Ａは、本発明の各実
施例における原稿表面をコピーする状態の断面構
成図。同じく図Ｂは、原稿裏面をコピーする状態
での断面要部図。 １……複写機、２……自動原稿送り装置、３，
１３，２３，３３……３段トレイ、３ａ，１３
ａ，２３ａ，３３ａ……上段トレイ、３ｂ，１３
ｂ，２３ｂ，３３ｂ……中段トレイ、３ｃ，１３
ｃ，２３ｃ，３３ｃ……下段トレイ、４……受け
板、７，１１，７０，１１０……ガイド板、８…
…さばきローラ、９……タイミングローラ、１０
……搬送ベルト、１２，１２０……排紙ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚の原稿を載置可能な原稿トレイから原
   稿を一枚づつ複写機の原稿露光位置へ搬送し、露
   光処理終了後、この原稿を反転する原稿搬送路を
   経て原稿を原稿トレイに排出するようにした自動
   原稿送り装置において、 上中下の３段にし、これらがほぼ平行で、原稿
   供給側を下に傾斜して配置され、３段が一体に移
   動可能に形成された原稿トレイと、 この下段の原稿トレイに載置した両面原稿を一
   枚づつ前記原稿露光位置に供給する原稿分離部材
   を設けた原稿供給路と、 原稿露光位置から露光済原稿を反転して搬送す
   る原稿搬送路と、 この原稿搬送路から前記原稿トレイに原稿を排
   出する原稿排出路とからなり、 前記下段の原稿トレイから原稿分離部材におい
   てさばかれた一枚の原稿を前記原稿露光位置に供
   給搬送して原稿露光を行い、この露光済原稿が前
   記原稿搬送路で反転されて原稿排出路を経由して
   中段の原稿トレイに排出して一時収納し、前記原
   稿トレイを一体に移動して前記中段の原稿トレイ
   の給紙部が前記原稿分離部材の位置に対向され、
   反転された原稿を前記原稿供給路を経由して再度
   前記原稿露光位置に搬送して露光処理を行い、こ
   の原稿を前記上段の原稿トレイに収納するように
   して両面原稿の両面複写を可能としたことを特徴
   とする複写機の自動原稿送り装置。 ２ 一体に形成された前記上中下３段の原稿トレ
   イを上方または下方に移動させることにより、前
   記中段の原稿トレイに収納した原稿を前記原稿搬
   送路に送り出すことを可能とした特許請求の範囲
   第１項記載の自動原稿送り装置。 ３ 前記上中下３段の原稿トレイの中段と下段お
   よび上段と中段の各原稿トレイ間に、原稿搬送路
   を切換え得るガイド板を設けることにより、下段
   あるいは中段の原稿トレイに収納した原稿を原稿
   搬送路に送り出すことを可能とした特許請求の範
   囲第１項記載の自動原稿送り装置。