JPH0583203B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱穀装置から排出される排ワラの結
束部構造に関する。

〔従来の技術〕

例えばコンバインにおいては、前述のように脱
穀装置の後方に結束装置と株揃え装置とを備え
て、株端を叩き揃えながら排ワラを結束処理する
構造を備えたものがある。そして、結束処理され
る排ワラの長短に合わせて、株揃え装置の位置を
排ワラの稈身方向に位置変更することにより、排
ワラの長短に関係なく株揃え装置を、株端の適正
位置に持つて行けるようにしているものがある。

この場合、結束装置に送り込まれてくる排ワラ
の中央付近がドアに受け止められていき、結束す
べき量の排ワラが結束装置のドアに受け止められ
て結束処理が行われるまでの間、排ワラの株端側
が結束装置から後方にずれ落ちて行くのを支持す
る株元受止め部材を、結束装置に備えているもの
がある。そして、結束処理された排ワラが後方に
放出されると、株元受止め部材が弾性的に後退し
て、その後に所定位置に復帰する（実開昭58−
91251号公報及び実開昭58−73431号公報参照）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前述の構造では、株元受止め部材が結束装置側
に取付けられており、株元受止め部材が排ワラに
接当する箇所は、結束位置（ドアの位置）に比較
的近い位置となつている。

従つて、排ワラが短い場合には結束位置から排
ワラの株端までの長さも短くなるので、従来の株
元受止め部材の位置でも排ワラの株端に近いもの
になる。しかし、排ワラが長い場合には結束位置
から株端までの長さも長いものになるので、株元
受止め部材が排ワラの株端から離れてしまつて、
排ワラの株端のずれ落ち防止作用が不十分なもの
になる場合がある。

本発明は、排ワラの長短に関係なく排ワラの株
端側のずれ落ち現象を、充分に防止できるように
構成することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の特徴は以上のような排ワラ結束部構造
において、次のように構成することにある。

集束中における排ワラの株端側が後方へずれ落
ちるのを弾性的に接当阻止して、結束処理された
排ワラの後方への放出時に、後方に弾性的に倒れ
る株元受止め部材を、株揃え装置の固定部に備え
てある。

〔作用〕

本発明のように構成すると例えば第１図及び第
３図に示すように、排ワラＷが排ワラチエーン２
により結束装置４に送り込まれて、結束装置４の
ドア２８に排ワラＷの中程が受け止められていく
のであり、ドア２８に受け止められている排ワラ
Ｗの株端が、株揃え装置７で叩き揃えられる。こ
の間において排ワラＷの株端が株元受止め部材９
で支持されるのであり、排ワラＷの株端の後方へ
のずれ落ちが防止される。

そして、所定量の排ワラＷが結束処理されて後
方に放出されると、放出に伴い株元受止め部材９
が、排ワラＷの放出の邪魔にならないように後方
に倒れるのである。

本発明では株元受止め部材９を株揃え装置７の
固定部１３に備えているので、排ワラＷの長さに
合わせて株揃え装置７の位置を変更した場合、株
元受止め部材９も株揃え装置７と一体で動くの
で、排ワラＷの長短に関係なく株揃え装置７（排
ワラの株端の位置）から一定距離の近い位置に、
株元受止め部材９を位置させることができる。

〔発明の効果〕

以上のように、株元受止め部材が常に排ワラの
株端より一定距離の近い位置に位置するような構
造が得られて、排ワラの長短に関係なく結束中に
排ワラの株端側が後方にずれ落ちるような現象を
的確に防止できるようになり、結束性能を向上さ
せることができた。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１，２，３図に示すように、脱穀装置１から
搬出された横倒れ姿勢の排ワラＷを、受け継いで
後方へ搬送する排ワラチエーン２、排ワラチエー
ン２からの排ワラＷを横倒れ姿勢で細断処理する
排ワラ細断装置３、排ワラ細断装置３の後方にお
いて、排ワラＷを横倒れ姿勢で結束処理する結束
装置４を脱穀装置１の後方に設けている。

排ワラ細断装置３の入口５Ａの排ワラ案内板５
を、入口５Ａの後部の横方向の支点P₁周りに上
方に開放すると、排ワラＷが入口５Ａから排ワラ
細断装置３に落下供給されて、細断処理される。
逆に排ワラ案内板５を閉じると、排ワラＷは排ワ
ラ案内板５の上面を通り、突起付きの株寄せベル
ト６により株端が穂先側に押し揃えられながら、
結束装置４に送られるようにして、コンバインの
後部に備えられる排ワラ搬送部及び排ワラ結束部
が構成されている。

次に、株寄せベルト６及び結束装置４で集束中
の排ワラＷの株端を叩き揃える株揃え板７（株揃
え装置に相当）について説明する。第１，２，３
図に示すように、排ワラＷに沿う方向に機体フレ
ーム１２が架設され、機体フレーム１２にスライ
ド自在に支持架１１が取付けられている。そし
て、支持架１１から延出された支持フレーム２１
の端部の縦軸芯P₂周りに、揺動自在に側面視コ
字状の支持アーム２２が支持され、支持アーム２
２に株揃え板７が取付けられている。

脱穀装置１側からの動力を結束装置４に伝達す
る駆動軸１５が架設されており、駆動軸１５に支
持ケース８が駆動軸１５の軸芯方向に摺動自在
に、且つ、駆動軸１５の軸芯周りに回動自在に取
付けられ、支持架１１と支持ケース８とに亘りフ
レーム１１Ａが架設されている。そして、支持ケ
ース８に対して伝動ケース１４が排ワラチエーン
２と直交するように支持固定され、伝動ケース１
４の先端にベルト支持フレーム３１が排ワラチエ
ーン２に沿うように支持固定されて、ベルト支持
フレーム３１に株寄せベルト６が巻回されてい
る。

次に、株寄せベルト６及び株揃え板７の駆動構
造について説明する。第３図及び第４図に示すよ
うに支持ケース８内において、断面六角の駆動軸
１５に、第１ベベルギヤ１６が一体で回動可能で
スライド可能に取付けられ、第１ベベルギヤ１６
に咬合する第２ベベルギヤ１７の支持軸１８の端
部に、駆動アーム１９が取付けられ、駆動アーム
１９と支持アーム２２とに亘り連係ロツド２０が
架設されている。

これにより、駆動軸１５の回転動力が支持アー
ム２２に伝達され、支持アーム２２及び株揃え板
７が、支持フレーム２１の縦軸芯P₂周りに揺動
駆動される。そして、伝動ケース１４内におい
て、支持軸１８と株寄せベルト６用の駆動軸２６
とに亘つてチエーン伝動機構２５が巻回されてい
るのである。

以上の構造により株寄せベルト６、株揃え板７
及びその支持伝動構造等の全体が、機体フレーム
１２及び駆動軸１５に沿つて移動可能となり、支
持架１１をロツクピン１０により機体フレーム１
２に固定することによつて、全体の位置決めを行
う。株寄せベルト６は自重により第１図に示す姿
勢で排ワラ案内板５上に載つているのであり、こ
の状態で排ワラＷは結束装置４に送られて結束処
理される。そして、排ワラ案内板５を上方に開操
作すると、株寄せベルト６及び伝動ケース１４等
も駆動軸１５の軸芯周りに押し上げ操作され、排
ワラＷは入口５Ａから排ワラ細断装置３に落ち込
んで細断処理されるのである。

次に、株元受止め部材９について説明する。第
１，２，３図に示すように固定部である支持ケー
ス８のフレーム１１Ａから、正面視略Ｊ字状のフ
レーム１３（株揃え板７の固定部に相当）が、結
束装置４側の補助受け台２３付近にまで延出され
ている。第５図及び第６図に示すように、フレー
ム１３の端部に板材を折り曲げたカマボコ状の受
け台２４が固定されており、この受け台２４は株
揃え板７が排ワラＷの株端を叩く位置と、補助受
け台２３との間に位置している。

そして、受け台２４の後部の横軸芯P₃周りに
揺動自在に、棒状の株元受止め部材９が支持さ
れ、スプリング２７により株元受止め部材９が排
ワラＷ側、つまり第６図において反時計周りに付
勢されて、受け台２４の長穴２４ａにより株元受
止め部材９が案内されている。

以上の構造により、株寄せベルト６により株端
が押し揃えられながら、排ワラＷが排ワラチエー
ン２により結束装置４に送り込まれて、結束装置
４のドア２８に排ワラＷの中央付近が受け止めら
れていくのであり、ドア２８に受け止められてい
る排ワラＷの株端が、株揃え板７で叩き揃えられ
る。この間において排ワラＷの株端が株元受止め
部材９で支持されるのであり、排ワラＷの株端の
後方へずれ落ちが防止される。

そして、所定量の排ワラＷがドア２８に受け止
められると、結束装置４によりドア２８の位置の
排ワラＷが結束処理されるのであり、結束処理さ
れた排ワラＷが後方に放出される。この場合、排
ワラＷの放出に伴い、株元受止め部材９が排ワラ
Ｗの放出の邪魔にならないように後方に倒れて、
元の姿勢に戻るのである。

排ワラＷの長さに合わせて株揃え板７、伝動ケ
ース１４及び支持ケース８等を、駆動軸１５及び
機体フレーム１２に沿つて動かしても、受け台２
４及び株元受止め部材９も一体で動くので、排ワ
ラＷの長短に関係なく株揃え板７から一定距離の
近い位置に、株元受止め部材９が位置しているの
である。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る排ワラ結束部構造の実施例
を示し、第１図は排ワラ結束部の背面図、第２図
は排ワラ結束部の側面図、第３図は排ワラ結束部
の平面図、第４図は株寄せベルト及び株揃え板の
駆動構造を示す支持ケース及び伝動ケースの断面
図、第５図は株元受止め部材付近の背面図、第６
図は株元受止め部材付近の側面図である。 １……脱穀装置、２……排ワラチエーン、４…
…結束装置、７……株揃え装置、９……株元受止
め部材、１３……固定部、２８……ドア、Ｗ……
排ワラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 脱穀装置１から排ワラチエーン２により挾持
   搬送されて来た排ワラＷを、ドア２８により横倒
   れ姿勢で受け止めて、前記ドア２８で受け止めら
   れた所定量の排ワラＷを結束する結束装置４、並
   びに前記結束装置４で結束中の排ワラＷの株端を
   叩き揃える株揃え装置７を備えると共に、この株
   揃え装置７を排ワラＷの稈身方向に沿つて位置変
   更自在に支持してある排ワラ結束部構造であつ
   て、 集束中における排ワラＷの株端側が後方へずれ
   落ちるのを弾性的に接当阻止して、結束処理され
   た排ワラＷの後方への放出時に、後方に弾性的に
   倒れる株元受止め部材９を、前記株揃え装置７の
   固定部１３に備えてある排ワラ結束部構造。