JPH0582801B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は合成樹脂の成形に用いる成形金型に関
する。

（背景技術） 一般に合成樹脂の成形金型では、一成形金型ご
とに一組の金型を用いている。

しかし金型の製作には多大な時間を要し、コス
トも高く、また金型の交換も容易でないことか
ら、上記のように一成形品ごとに一組の金型を用
いるのは多品種少量生産には不向きである。

そこでこのような多品種少量生産にあつて、金
型製作および成形作業の合理化、省力化、コスト
ダウンを目的として、一組の金型ベース内に成形
品部のみに対応する入子型を複数組挿填するよう
にして、型の製作、交換はこの入子型のみで行え
るようにしたものが用いられている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし上述した入子型方式の金型では、金型ベ
ースに各入子型を挿填する嵌挿穴が各入子型に対
応して独立に設けられていて、入子型の大きさが
一種類に限定されてしまつていることから、必然
的に成形できる成形品サイズが規制されてしま
い、成形機の能力一杯の大きな成形品を成形する
場合には、結局従来方式の金型に交換するか、あ
るいは大きな入子型を使用できる１クラス上の成
形機を用いなくてはならない問題があつた。

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、入子型方式の金型
でありながら種々の大きさの成形品を成形できる
成形金型を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的は、下記本発明によつて達成すること
ができる。

すなわち、本発明の特徴は、可動型ベースに形
成された矩形状の入子型収納スペース内に、成形
品の突出装置が設けられ、外形が矩形状に形成さ
れた単位寸法の可動入子型の複数個が、互いに隣
接する可動入子型の壁面に接して挿填可能に形成
されていると共に、樹脂路が設けられた固定型ベ
ースに形成された矩形状の入子型収納スペース内
に、前記樹脂路に連結される成形用キヤビテイへ
の樹脂路が設けられ、外形が矩形状に形成された
単位寸法の固定入子型の複数個が、互いに隣接す
る固定入子型の壁面に接して挿填可能に形成さ
れ、かつ、前記可動型ベースが装着された可動盤
に、前記単位寸法の各可動入子型に設けられた突
出装置に当接し成形品を突出する複数本の突出ロ
ツドが設けられた成形金型であつて、該入子型収
納スペースの各々に、少なくともパーテイング面
の一辺が前記単位寸法の入子型のパーテイング面
に対応する一辺に対して複数倍に形成された各入
子型が、前記固定型ベースの樹脂路に対して固定
入子型の樹脂路が選択的に連結されると共に、可
動入子型の突出装置に対して前記可動盤の突出ロ
ツドが選択的に当接されるように、挿填されてい
ることにある。

（作用） 本発明では、複数の単位寸法の入子型を壁面を
接して挿填する１つの入子型収納スペース内に、
成形品の大きさに応じて、少なくともパーテイン
グ面の一辺の寸法が単位寸法の入子型のパーテイ
ング面の対応する一辺の寸法の複数倍になるよう
に形成した入子型を適宜交換して挿填する。その
際突出装置、樹脂路は選択的に兼用して用いられ
る。

これにより１つの入子型方式の成形金型で数種
の大きさの成形品を成形できる。したがつて多品
種少量の生産金型として極めて好適である。

（実施例） 以下には本発明の好適な一実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。

まず本発明の基本となる成形金型を第１図およ
び第２図を用いて説明する。

９は可動型、１０は固定型である。

１１は可動型ベースで可動盤１２に固定されて
固定型１０方向に接離する。可動型ベース１１は
第２図か明らかなように正面形状がコの字状をな
し、このコの字空間（入子型収納スペース）内に
４個の可動入子型１３（横寸法ｘ、縦寸法ｙ）隣
接するもの同志互いに壁面を接して挿填される。
可動入子型１３は第１図から明らかなように上面
中央に凹溝１４が設けられ、下面中央に凸部１５
が設けられている。そして上下に隣接する可動入
子型１３はその凹溝１４と凸部１５とで凹凸係合
し、上列の可動入子型１３上面の凹溝１４には可
動型ベース内上面に設けた凸部が嵌入し、下列の
可動入子子型１３下面の凸部１５は可動型ベース
内下面に設けた凹溝に嵌入している。

このようにして上列および下列の可動入子型１
３はその壁面を接して可動型ベースス１１のコの
字空間内に組み込まれているのである。

なお上列の可動入子型１３同志、下列の可動入
子型１３同志の接触面も同様に凹凸係合するよう
に設けることで入子型の接合強度を一層増大する
ことができる。

１６は押え部材であり、可動型ベース１１のコ
の字空間開放側に位置する可動入子型１３の壁面
に当接している。１７，１７はクランプシリンダ
であり、可動型ベース１１のコの字端に設けられ
ている。クランプシリンダ１７，１７のロツドは
コの字空間内に突入し、ロツド端には押え部材１
６端部に形成した斜面に当接する斜面を有するク
ランプ１８，１８が固定されている。したがつて
クランプシリンダ１７，１７を駆動してロツドを
突出させれば押え部材１６がクランプ１８，１８
によつて第２図上右方に押圧され、これによつて
可動入子型１３がコの字空間奥壁に押圧固定され
る。

なお図示しないが可動型ベース１１の上部に縦
クランプシリンダを並設し、この縦クランプシリ
ンダによつて可動入子型１３を可動型ベース１１
の内上面にも上方から押圧するように構成しても
よい。

次に、１９は固定型ベースであり、固定盤２０
に固定されている。

固定型ベース１９も正面形状コの字状に形成さ
れ、このコの字空間（入子型収納スペース）内
に、可動入子型１３と対向して４個の固定入子型
２１（横寸法ｘ、縦寸法ｙ）が挿填されている。
この固定入子型２１も固定入子型２１同志の間お
よび固定型ベース１９との間で凹凸係合して対応
する壁面を接してコの字空間内に挿填されてい
る。また図示しないが可動入子型１３と同様にク
ランプシリンダによつて押圧される押え部材によ
り固定型ベース１９内に押圧固定されるようにな
つている。

前記の可動入子型１３には成形品の内形部を形
成するコアが突出され、また固定入子型２１には
キヤビ面が凹設されて、コア面とキヤビ面とで成
形用のキヤビテイ２２を画成する。

２３は固定型ベース１９に内設されたホツトラ
ンナーであり、固定入子型２１に設けた樹脂路２
４を通してキヤビテイ２２に連通する。しかして
射出装置（図示せず）のノズル２５からホツトラ
ンナー２３、樹脂路２４を介してキヤビテイ２２
内に溶融樹脂が注入される。

２６は成形品突出し用の突出ピンで、各可動入
子型１３を貫通して先端がキヤビテイ２２内に突
出入するようになつている。２７は突出板であ
り、ガイドボルト２８で案内されて、突出ロツド
２９により押圧されることによつて突出ピン２６
をキヤビテイ２２内に突出して成形品を落下させ
る。

また３０は突出ピン２６のリターン用ばねであ
る。

第３図は他の実施例を示すものであり、可動型
ベース１１底面に固定ねじ３１によつて圧受け部
材３２を取り外し自在に固定して、該圧受け部材
３２端面を上下の可動入子型１３にその接合部を
跨いで当接させることによつて、圧受け部材３２
が型締圧を荷担するようになつている。

この実施例によれば、可動入子型１３に圧受け
部を一体に設ける必要がないので、可動入子型１
３の小型化、計量化が図れ、またコストの低減化
が図れる。

以上は成形金型に基本を示した。

本発明においては、上記の横寸法ｘ、縦寸法ｙ
の基本寸法の入子型では成形できない大きさの成
形品に対処するため、基本寸法の入子型の替りに
横寸法および／または縦寸法が基本寸法の複数倍
の入子型を挿填して用いるのである。

第４図および第５図は、横寸法が2x、縦寸法
が2yの１つの可動入子型１１３および固定入子
型１２１を挿填した例を示す。この場合も両入子
型は前述のクランプシリンダと押え部材によつて
両金型ベース内に固定される。

なお可動入子型１１３は先の可動入子型１３と
同じ厚さに設定され、また４本の突出ロツド２９
に対応した広さの突出板１２７を備え、突出ピン
１２８は成形品の大きさに応じて適宜本数設けら
れている。また突出ロツド２９は４本すべてでな
く選択的に用いてもよい。

また固定入子型１２１も先の固定入子型２１と
同じ厚さに設定され、ホツトランナー２３の開口
部とキヤビテイを結ぶ樹脂路１２４が形成されて
いる。この樹脂１２４は必ずしもホツトランナー
２３のすべての開口部と対応させる必要はなく、
成形品の形状等に応じていずれかの開口部を閉塞
するようにしてもよい。

なお第３図に示した成形金型では、可動型ベー
ス１１の底面に固定した圧受け部材３２を取り外
して可動入子型１１３を可動型ベース１１に組み
込むのである。

このように横寸法と縦寸法とが２倍の可動入子
型１１３と固定入型１２１とを用いることでパー
テイング面の面積が先の入子型の４倍となり、先
の入子型では不可能であつた大きなキヤビテイ１
２２を形成できる。これにより大きな成形品の成
形が行える。

第６図は横寸法が2x、縦寸法がｙの２つの入
子型を金型ベースに組み込んだ実施例を示す。

また第７図には横寸法がｘ、縦寸法が2yの入
子型１つと、単位寸法の入子型２つとを金型ベー
スに組み込んだ実施例を示す。

以上の各実施例では基本金型として、基本寸法
の入子型４個を挿填するものを用いたが、本発明
においては基本寸法の入個型が２個以上挿填しう
る金型でればよい。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、入子方式の利点
をすべて活かせるように、１つの成形金型で大き
さの異なつた数種の成形品を容易に成形でき、多
品種少量生産用の金型として頗る好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は基本寸法の入子型を挿填した金型の断
面図、第２図はその可動型ベースの正面図、第３
図は他の実施例を示す断面図である。第４図は横
寸法2x、縦寸法２ｙの入子型を挿填した金型の
断面図、第５図はその可動型ベースの正面図であ
る。第６図および第７図はそれぞれ他の実施例を
示す可動型ベースの正面図である。 ９……可動型、１０……固定型、１１……可動
型ベース、１２……可動盤、１３……可動入子
型、１４……凹溝、１５……凸部、１６……押え
部材、１７……クランプシリンダ、１８……クラ
ンプ、１９……固定型ベース、２０……固定盤、
２１……固定入型、２２……キヤビテイ、２３…
…ホツトランナー、２４……樹脂路、２５……ノ
ズル、２６……突出ピン、２７……突出板、２８
……ガイドボルト、２９……突出ロツド、３０…
…リターン用ばね、３１……固定ねじ、３２……
圧受け部材、１１３……可動入子型、１２１……
固定入子型、１２４……樹脂路、１２７……突出
板、１２８……突出ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動型ベースに形成された矩形状の入子型収
   納スペース内に、成形品の突出装置が設けられ、
   外形が矩形状に形成された単位寸法の可動入子型
   の複数個が、互いに隣接する可動入子型の壁面に
   接して挿填可能に形成されていると共に、 樹脂路が設けられた固定型ベースに形成された
   矩形状の入子型収納スペース内に、前記樹脂路に
   連結される成形用キヤビテイへの樹脂路が設けら
   れ、外形が矩形状に形成された単位寸法の固定入
   子型の複数個が、互いに隣接する固定入子型の壁
   面に接して挿填可能に形成され、 かつ、前記可動型ベースが装着された可動盤
   に、前記単位寸法の各可動入子型に設けられた突
   出装置に当接し成形品を突出する複数本の突出ロ
   ツドが設けられた成形金型であつて、 該入子型収納スペースの各々に、少なくともパ
   ーテイング面の一辺が前記単位寸法の入子型のパ
   ーテイング面に対応する一辺に対して複数倍に形
   成された各入子型が、前記固定型ベースの樹脂路
   に対して固定入子型の樹脂路が選択的に連結され
   ると共に、可動入子型の突出装置に対して前記可
   動盤の突出ロツドが選択的に当接されるように、
   挿填されていることを特徴とする成形金型。 ２ 入子型収納スペースの各々に、少なくともパ
   ーテイング面の一辺が前記単位寸法の入子型のパ
   ーテイング面に対応する一辺に対して複数倍に形
   成された各入子型と、単位寸法の各入子型とが混
   在して挿填されている特許請求の範囲第１項記載
   の成形金型。