JPH0582630U - サンルーフデフレクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、自動車のサンルーフ開口前縁部に
設けられ、サンルーフ開時には回動して展開状態になる
とともに、サンルーフ閉時には回動して収納状態にな
る、サンルーフデフレクタに関し、サンルーフが開いた
状態での高速走行時に突出量が増加しないようにして、
風切音を低減できるようにすることを目的とする。 【構成】 サンルーフデフレクタ１の展開状態におい
て、先端が最高位となるように設定するとともに、該最
高位にある先端から前側下方に向かう傾斜面または逆反
り状の湾曲面を形成し、高速走行時に風圧を受けた場合
でも、該傾斜面または該逆反り状の湾曲面がサンルーフ
開口５６の前縁より上方に突出した状態を維持しうるよ
うに、該サンルーフデフレクタ１のリターンスプリング
２１の力を設定するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のサンルーフ開口前縁部に設けられ、サンルーフ開時には回 動して展開状態になるとともに、サンルーフ閉時には回動して収納状態になる、 サンルーフデフレクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５は自動車のデフレクタ構造を説明する図であるが、この図５に示すように 、サンルーフデフレクタ５３は自動車のサンルーフ開口５６の前縁部に設けられ ており、サンルーフ開時には、アーム５４の動きに応じてヒンジ５５の固定端を 中心として回動し、展開状態となって走行時における気柱共鳴音を低減する役割 を担うとともに、サンルーフ閉時には、回動して収納状態になるものである。

【０００３】 また、サンルーフデフレクタ５３のルーフパネル５１からの突出量ｈ（図６参 照）は、低速走行時には気柱共鳴音対策で大きくし、高速走行時には風切音対策 で小さくするのが良く、その最適ラインは図４に示す通りである。なお、図５中 の符号５２はルーフリッドガラスである。 さらに、従来のサンルーフデフレクタ５３の展開時における断面形状を図５の Ａ−Ａ断面により表したのが図６である。この図６に示される通り、従来のサン ルーフデフレクタ５３は飛行機の翼のような断面形状をしている。なお、この図 ６において、符号６２はサンルーフハウジング、６３はウェザーストリップ、６ ４はルーフレール、６５はヒンジセンタである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のサンルーフデフレクタは、上記のごとく飛行 機の翼のような形状をしているため、サンルーフを開けた状態での高速走行時に 揚力が発生し、図６に二点鎖線で表したように突出量ｈが増加してしまい、これ により風切音が悪化してしまうという課題がある。

【０００５】 本考案は、このような課題に鑑み創案されたもので、サンルーフが開いた状態 での高速走行時に突出量が増加しないようにして、風切音を低減できるようにし た、サンルーフデフレクタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案のサンルーフデフレクタは、自動車のサンルーフ開口前縁部 に設けられ、サンルーフ開時には回動して展開状態になるとともに、サンルーフ 閉時には回動して収納状態になるサンルーフデフレクタにおいて、その展開状態 において、先端が最高位となるように設定されるとともに、該最高位にある先端 から前側下方に向かう傾斜面または逆反り状の湾曲面が形成されて、高速走行時 に風圧を受けた場合でも、該傾斜面または該逆反り状の湾曲面がサンルーフ開口 前縁より上方に突出した状態を維持しうるように、該サンルーフデフレクタのリ ターンスプリング力が設定されていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上述の本考案のサンルーフデフレクタでは、その展開状態において、先端が最 高位になるとともに、高速走行時に風圧を受けた場合でも、リターンスプリング 力によって、最高位にある先端から前方下方に向かう傾斜面または逆反り状の湾 曲面が、サンルーフ開口前縁より上方に突出した状態を維持する。

【０００８】

【実施例】

以下、図面により、本考案の一実施例としてのサンルーフデフレクタについて 説明すると、図１は本サンルーフデフレクタの展開時における断面図（図５のＡ −Ａ矢視断面図）であるが、このサンルーフデフレクタ１も、自動車のサンルー フ開口５６の前縁部に設けられ、サンルーフ開時には回動して展開状態（図１， 図２の実線部参照）になるとともに、サンルーフ閉時には回動して収納状態（図 ２の二点鎖線部参照）になるものであるが、本サンルーフデフレクタ１は、図１ に二点鎖線で示したような飛行機の翼状をした従来のもの５３とは異なり、展開 状態においては先端が最高位となるように設定されるとともに、この最高位にあ る先端から前方下方に向かう傾斜面が形成されている。

【０００９】 なお、このサンルーフデフレクタ１は、図３に示すように、その展開状態にお いては先端が最高位となるように設定されるとともに、この最高位にある先端か ら前方下方に向かう逆反り状の湾曲面が形成されるようにしてもよい。 また、図２は本サンルーフデフレクタの機構を図５のＺ方向から見た模式図で あるが、この図２に示すように、このサンルーフデフレクタ１はアーム５４の動 きに応じて、ヒンジ５５の固定端であるヒンジセンタ６５を中心として回動する ようになっており、アーム５４はリターンスプリング２１によって常に上向きの 力を加えられるとともに、収納時には、ルーフリッドガラスによって下向きの力 を加えられる。

【００１０】 そして、このリターンスプリング２１のスプリング力は、高速走行時にサンル ーフデフレクタ１が風圧を受けた場合でも、サンルーフデフレクタ１の傾斜面ま たは逆反り状の湾曲面がサンルーフ開口前縁より上方に突出した状態を維持しう るように設定される。なお、サンルーフデフレクタ１の突出量は例えば１００ｋ ｍ／ｈで４〜１０ｍｍとなるようにリターンスプリング２１のスプリング力が設 定される。

【００１１】 また、上記の図２において、サンルーフデフレクタ１の展開状態は実線で、収 納状態は二点鎖線で示されている。 さらに、図１〜図３中において、図５，図６と同じ符号はほぼ同様の部分を示 している。 上述の構成により、本サンルーフデフレクタ１は、従来のもの５３とは異なり 、飛行機の翼のような断面形状をしていないため、高速走行時においてこのサン ルーフデフレクタ１に揚力は発生せず、逆にサンルーフデフレクタ１は風圧を受 けて倒れるようになるが、リターンスプリング２１のスプリング力によってサン ルーフデフレクタ１の傾斜面又は逆反り状の湾曲面はサンルーフ開口前縁より上 方に突出した状態を維持する。

【００１２】 このような動作によって、サンルーフを開けた状態での高速走行時において、 風圧によってサンルーフデフレクタ１の突出量ｈが減少し、図４に示すような最 適ラインが得られるようになり、高速走行時の風切音が大幅に低減できるように なる。

【００１３】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案のサンルーフデフレクタによれば、その展開時に おいて、先端が最高位となるように設定されるとともに、この最高位にある先端 から前側下方に向かう傾斜面または逆反り状の湾曲面が形成されて、高速走行時 に風圧を受けた場合でも、傾斜面または該逆反り状の湾曲面がサンルーフ開口前 縁より上方に突出した状態を維持しうるように、サンルーフデフレクタのリター ンスプリング力が設定されているため、サンルーフデフレクタには高速走行時に おいて、揚力が発生せず逆にサンルーフデフレクタは風圧を受けて倒れるように なると共に、リターンスプリング力によって支えられるために、最適なサンルー フデフレクタの突出量が得られるようになり、これにより低速走行時の気柱共鳴 音がなくなるのはもちろん、高速走行時の風切音も大幅に低減できるという利点 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としてのサンルーフデフレク
タの展開時における断面図（図５のＡ−Ａ矢視断面図）
である。

【図２】本考案の一実施例としてのサンルーフデフレク
タの機構を示す図である。

【図３】本サンルーフデフレクタの変形例を図１に対応
させて示す断面図である。

【図４】サンルーフデフレクタの突出量についての最適
ラインを示すグラフである。

【図５】自動車のデフレクタ構造を示す図である。

【図６】従来のサンルーフデフレクタの展開時における
断面図（図５のＡ−Ａ矢視断面図）である。

【符号の説明】

１，５３ サンルーフデフレクタ ２１ リターンスプリング ５１ ルーフパネル ５２ ルーフリッドガラス ５４ アーム ５５ ヒンジ ５６ サンルーフ開口 ６２ サンルーフハウジング ６３ ウェザーストリップ ６４ ルーフレール ６５ ヒンジセンタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のサンルーフ開口前縁部に設けら
   れ、サンルーフ開時には回動して展開状態になるととも
   に、サンルーフ閉時には回動して収納状態になるサンル
   ーフデフレクタにおいて、 その展開状態において、先端が最高位となるように設定
   されるとともに、 該最高位にある先端から前側下方に向かう傾斜面または
   逆反り状の湾曲面が形成されて、 高速走行時に風圧を受けた場合でも、該傾斜面または該
   逆反り状の湾曲面がサンルーフ開口前縁より上方に突出
   した状態を維持しうるように、該サンルーフデフレクタ
   のリターンスプリング力が設定されていることを特徴と
   する、サンルーフデフレクタ。