JPH0582358B2 - - Google Patents
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- JPH0582358B2 JPH0582358B2 JP19760786A JP19760786A JPH0582358B2 JP H0582358 B2 JPH0582358 B2 JP H0582358B2 JP 19760786 A JP19760786 A JP 19760786A JP 19760786 A JP19760786 A JP 19760786A JP H0582358 B2 JPH0582358 B2 JP H0582358B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、分子列単位、あるいは一分子の単位
の精度で成長の制御を行なう化合物半導体結晶の
形成方法に関するものである。
の精度で成長の制御を行なう化合物半導体結晶の
形成方法に関するものである。
(従来技術とその問題点)
従来のGaAs等の化合物半導体の薄膜形成技術
としては、構成元素の塩化物、水素化物、有機金
属化合物等のガス状原料を用いる気相エピタキシ
ヤル法(VPE法)、また、高真空中で構成元素を
ビーム化し、基板結晶上に照射して成長を行なう
分子線エピタキシヤル法(MBE法)が盛んに用
いられている。ところで、これらの成長法では、
薄膜形成のためには成長速度の精密制御が必要で
ある。しかし、そのため流量、圧力、時間といつ
た要因を精密に制御しなければならず、単分子層
(数Å程度)程度の厚さになると制御は極めて困
難であつた。従つてこのような技術では本発明が
解決しようとしている問題点、すなわち原子・分
子列成長、更に一原子・分子単位の成長の制御な
どは不可能に近い。
としては、構成元素の塩化物、水素化物、有機金
属化合物等のガス状原料を用いる気相エピタキシ
ヤル法(VPE法)、また、高真空中で構成元素を
ビーム化し、基板結晶上に照射して成長を行なう
分子線エピタキシヤル法(MBE法)が盛んに用
いられている。ところで、これらの成長法では、
薄膜形成のためには成長速度の精密制御が必要で
ある。しかし、そのため流量、圧力、時間といつ
た要因を精密に制御しなければならず、単分子層
(数Å程度)程度の厚さになると制御は極めて困
難であつた。従つてこのような技術では本発明が
解決しようとしている問題点、すなわち原子・分
子列成長、更に一原子・分子単位の成長の制御な
どは不可能に近い。
もう一つの成長手法として、化合物半導体の構
成元素、あるいは、その元素を含むガスを交互に
供給して一原子・分子層づつ吸着させ全体として
所望の化合物半導体を成長させようとする原子層
エピタキシヤル法(ALE法)がある[ツオモ・
スントラ(T.Suntola)、第16回固体素子・材料
コンフアレンス(Extended Abstnact of the
16th Conference on Solid State Device and
Materials)、Kobe、1984,pp.647−650]。この
方法によると、膜厚の制御のためには、従来の成
長速度を制御する方法とは異なり、例えばGaCl
とAsH3によるGaAsALE法では、広い温度、流
量範囲においてGaCl吸着回数のみを制御するこ
とによつて分子層単位の制御が出来ることが判明
しており、[碓井(A.Usui)他、ジヤパニーズ・
ジヤーナル・オブ・アプライドフイジクス
(Japanese Journal of Applied Physics)、
Vol.25、No.3、March、1986、pp.L212−L214]
膜厚の制御技術は格段に向上したものとなつてい
る。
成元素、あるいは、その元素を含むガスを交互に
供給して一原子・分子層づつ吸着させ全体として
所望の化合物半導体を成長させようとする原子層
エピタキシヤル法(ALE法)がある[ツオモ・
スントラ(T.Suntola)、第16回固体素子・材料
コンフアレンス(Extended Abstnact of the
16th Conference on Solid State Device and
Materials)、Kobe、1984,pp.647−650]。この
方法によると、膜厚の制御のためには、従来の成
長速度を制御する方法とは異なり、例えばGaCl
とAsH3によるGaAsALE法では、広い温度、流
量範囲においてGaCl吸着回数のみを制御するこ
とによつて分子層単位の制御が出来ることが判明
しており、[碓井(A.Usui)他、ジヤパニーズ・
ジヤーナル・オブ・アプライドフイジクス
(Japanese Journal of Applied Physics)、
Vol.25、No.3、March、1986、pp.L212−L214]
膜厚の制御技術は格段に向上したものとなつてい
る。
ところが、従来のALE法は前述のように単に
基板表面に一様に単原子・分子の層を吸着させて
成長する方法であり原子列・分子列単位更には一
原子・一分子単位で成長を制御することはできな
かつた。もちろん従来のVPE法やMBE法のよう
な構成元素を同時に供給する方法でも極めて困難
であつた。
基板表面に一様に単原子・分子の層を吸着させて
成長する方法であり原子列・分子列単位更には一
原子・一分子単位で成長を制御することはできな
かつた。もちろん従来のVPE法やMBE法のよう
な構成元素を同時に供給する方法でも極めて困難
であつた。
本発明の目的は上記従来技術のかかる欠点を除
去し、原子・分子列単位、更には一原子・一分子
単位で成長を制御しうる事の出来る化合物半導体
結晶の形成方法を提供しようとするものである。
去し、原子・分子列単位、更には一原子・一分子
単位で成長を制御しうる事の出来る化合物半導体
結晶の形成方法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段)
すなわち、本発明によれば化合物半導体の構成
元素あるいはその元素を含むガスを交互に基板結
晶上へ供給して結晶成長を行なう方法において、
結晶の同一面内に構成元素が交互に配列され、か
つ表面に結晶学的ステツプを有する結晶を基板と
し、成長時には少なくとも一方の化合物半導体の
構成元素あるいはその元素を含むガスが基板平面
上に吸着するときの吸着熱をq1、ステツプに吸着
するときの吸着熱をq2、基板温度をT、気体定数
をRとしたときq1<RT<q2とし、しかも、前期
構成元素あるいはガスの分圧とpとし平面上の吸
着平衡定数をK1としたときK1・p<<1となる
ようにpを設定することでステツプに沿つて一列
の吸着層を形成した後、他の構成元素を供給し、
分子列成長層を得ることを特徴とする化合物半導
体結晶の形成方法がえられる。
元素あるいはその元素を含むガスを交互に基板結
晶上へ供給して結晶成長を行なう方法において、
結晶の同一面内に構成元素が交互に配列され、か
つ表面に結晶学的ステツプを有する結晶を基板と
し、成長時には少なくとも一方の化合物半導体の
構成元素あるいはその元素を含むガスが基板平面
上に吸着するときの吸着熱をq1、ステツプに吸着
するときの吸着熱をq2、基板温度をT、気体定数
をRとしたときq1<RT<q2とし、しかも、前期
構成元素あるいはガスの分圧とpとし平面上の吸
着平衡定数をK1としたときK1・p<<1となる
ようにpを設定することでステツプに沿つて一列
の吸着層を形成した後、他の構成元素を供給し、
分子列成長層を得ることを特徴とする化合物半導
体結晶の形成方法がえられる。
更に本発明によれば化合物半導体の構成元素あ
るいはその元素を含むガスを交互に基板結晶上へ
供給して結晶成長を行なう方法において、結晶の
同一面内に構成元素が交互に配列され、かつ表面
で垂直に交わるステツプが存在する結晶を基板と
し、成長時には少なくとも一方の化合物半導体の
構成元素あるいはその元素を含むガスが基板平面
上に吸着するときの吸着熱をq3、ステツプに吸着
するときの吸着熱をq4、ステツプの交点に吸着す
るときの吸着熱をq5、基板温度をT、気体定数を
Rとしたとき、q3、q4<RT<q5とし、しかも前
記構成元素あるいはガスの分圧をpとし、平面上
およびステツプ上の吸着平衡定数をそれぞれK3、
K4としたときK3・p<<1、K4・p<<1とな
るようにpを設定することで前記交点に吸着させ
た後他の構成元素を供給することにより、所望の
結晶を成長せしめることを特徴とする化合物半導
体結晶の形成方法が得られる。
るいはその元素を含むガスを交互に基板結晶上へ
供給して結晶成長を行なう方法において、結晶の
同一面内に構成元素が交互に配列され、かつ表面
で垂直に交わるステツプが存在する結晶を基板と
し、成長時には少なくとも一方の化合物半導体の
構成元素あるいはその元素を含むガスが基板平面
上に吸着するときの吸着熱をq3、ステツプに吸着
するときの吸着熱をq4、ステツプの交点に吸着す
るときの吸着熱をq5、基板温度をT、気体定数を
Rとしたとき、q3、q4<RT<q5とし、しかも前
記構成元素あるいはガスの分圧をpとし、平面上
およびステツプ上の吸着平衡定数をそれぞれK3、
K4としたときK3・p<<1、K4・p<<1とな
るようにpを設定することで前記交点に吸着させ
た後他の構成元素を供給することにより、所望の
結晶を成長せしめることを特徴とする化合物半導
体結晶の形成方法が得られる。
(作用)
本発明は、化合物半導体の構成元素あるいはそ
の元素を含むガスを交互に基板結晶上に供給して
結晶成長を行なうものであるが、その際、構成元
素が同一平面内に存在する結晶を基板として選択
する。更に、基板表面上に基板結晶を低指数面か
ら若干傾けて切り出すこと等によつてステツプを
形成する。第1図aには原子AとBから成る化合
物半導体の1つのステツプ11を有する基板結晶1
3の斜視概略図を示した。この図ではステツプ11
はB原子によつて成り立つている。この基板結晶
13上に例えばAの塩化物を供給すると、表面上
に吸着する(第1図b)。この時の吸着熱を第2
図に示した。第2図でq1は平面上に吸着する場合
の吸着熱である。基板結晶13の温度がある程度
高ければ吸着分子は表面上を拡散し、更に安定な
点、第1図ではステツプ11の部分に相当するが、
その点に吸着する。その点での吸着熱をq2とする
と、q2>q1なる関係が成り立つ。また、一部は表
面を離脱する。
の元素を含むガスを交互に基板結晶上に供給して
結晶成長を行なうものであるが、その際、構成元
素が同一平面内に存在する結晶を基板として選択
する。更に、基板表面上に基板結晶を低指数面か
ら若干傾けて切り出すこと等によつてステツプを
形成する。第1図aには原子AとBから成る化合
物半導体の1つのステツプ11を有する基板結晶1
3の斜視概略図を示した。この図ではステツプ11
はB原子によつて成り立つている。この基板結晶
13上に例えばAの塩化物を供給すると、表面上
に吸着する(第1図b)。この時の吸着熱を第2
図に示した。第2図でq1は平面上に吸着する場合
の吸着熱である。基板結晶13の温度がある程度
高ければ吸着分子は表面上を拡散し、更に安定な
点、第1図ではステツプ11の部分に相当するが、
その点に吸着する。その点での吸着熱をq2とする
と、q2>q1なる関係が成り立つ。また、一部は表
面を離脱する。
一方、吸着平衡定数Kは一般にK=dexp(q/
RT)と表わすことができる。ここでdは定数、
qは吸着熱、Rは気体定数、Tはその系の温度を
表わす。従つて第2図においてRTがq1より大き
く、q2がRTに比較して十分大きな値を有し(q1
<RT<q2)、またA−Clの分圧をpとしたとき
K1・p<<1(ここでK1では平面上の吸着平衡定
数でK1=αexp(q1/RT))を満たすように選ぶ
ことによつて平面上における吸着量をほぼ0と
し、ステツプに沿つた面にのみ吸着させることが
可能である。その後雰囲気をA−ClからB元素あ
るいはそのガス状化合物に変換する。その結果B
は吸着したA−Clの隣の位置に取り込まれ、化合
物ABがステツプに沿つて一例だけ成長すること
になる(第1図c)。
RT)と表わすことができる。ここでdは定数、
qは吸着熱、Rは気体定数、Tはその系の温度を
表わす。従つて第2図においてRTがq1より大き
く、q2がRTに比較して十分大きな値を有し(q1
<RT<q2)、またA−Clの分圧をpとしたとき
K1・p<<1(ここでK1では平面上の吸着平衡定
数でK1=αexp(q1/RT))を満たすように選ぶ
ことによつて平面上における吸着量をほぼ0と
し、ステツプに沿つた面にのみ吸着させることが
可能である。その後雰囲気をA−ClからB元素あ
るいはそのガス状化合物に変換する。その結果B
は吸着したA−Clの隣の位置に取り込まれ、化合
物ABがステツプに沿つて一例だけ成長すること
になる(第1図c)。
第3図aには元素AとBからなる化合物半導体
で、表面で垂直に交わるステツプを有する基板結
晶の概略図を示した。この図では、ステツプの交
点はB原子によつて囲まれている。この基板結晶
上に例えばAの塩化物を供給すると表面上に吸着
する(第3図b)。この時の吸着熱を第4図に示
した。グラフでq3は平面上に吸着する場合の吸着
熱である。また、q4は第1図と同じようなステツ
プに吸着する場合の吸着熱、q5はステツプの交点
における吸着の吸着熱である。前記列吸着と同じ
ように、RTがq3、q4より大きく、q5がRTに比較
して十分な大きな値を有し(q3、q4<RT<q5)、
また、A−Clの分圧をpとしたときK3・p<<
1(ここでK3は平面上の吸着平衡定数K3=αexp
(q3/RT))及びK4・p<<1(ここでK4はステ
ツプ上の吸着平衡定数でK4=αexp(q4/RT))
を満たすように選ぶことによつて平面上やステツ
プにおける吸着量をほぼ0とし、ステツプの交点
のみに吸着させることが可能である。その後雰囲
気をA−ClからB元素あるいはそのガス状化合物
に変換する。その結果Bは吸着したA−Clの隣の
位置に取り込まれ、第3図cのようにステツプの
交点に化合物ABが成長することになる。次に本
発明を実施例に基づき具体的に説明する。
で、表面で垂直に交わるステツプを有する基板結
晶の概略図を示した。この図では、ステツプの交
点はB原子によつて囲まれている。この基板結晶
上に例えばAの塩化物を供給すると表面上に吸着
する(第3図b)。この時の吸着熱を第4図に示
した。グラフでq3は平面上に吸着する場合の吸着
熱である。また、q4は第1図と同じようなステツ
プに吸着する場合の吸着熱、q5はステツプの交点
における吸着の吸着熱である。前記列吸着と同じ
ように、RTがq3、q4より大きく、q5がRTに比較
して十分な大きな値を有し(q3、q4<RT<q5)、
また、A−Clの分圧をpとしたときK3・p<<
1(ここでK3は平面上の吸着平衡定数K3=αexp
(q3/RT))及びK4・p<<1(ここでK4はステ
ツプ上の吸着平衡定数でK4=αexp(q4/RT))
を満たすように選ぶことによつて平面上やステツ
プにおける吸着量をほぼ0とし、ステツプの交点
のみに吸着させることが可能である。その後雰囲
気をA−ClからB元素あるいはそのガス状化合物
に変換する。その結果Bは吸着したA−Clの隣の
位置に取り込まれ、第3図cのようにステツプの
交点に化合物ABが成長することになる。次に本
発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例)
実施例 1
本実施例ではステツプを有するGaAs(110)基
板上のInAsの分子列成長に本発明による方法を
適用した場合について述べる。成長装置の概略を
第5図に示した。この成長装置では上段の成長室
1の上流にInソースボート2を置き、その上流か
らH2キヤリアガスと共にHClガスを供給する。
この結果InClが生成され下流に運ばれる。一方、
下段成長室3にはAsの水素化物であるAsH3を
H2キヤリアガスと共に供給する。このガスは反
応管中で分解し基板領域では主としてAs4となつ
ている。基板結晶4としてはGaAs(110)面から
(100)方向へ数〜数十度傾けて切り出した面を用
いた。反応管の温度は抵抗加熱炉によりInソース
部は800℃とし、基板結晶部を300〜750℃の範囲
とした。この範囲の中での一部でステツプのみで
成長あるいはステツプの交点のみでの成長が生じ
る。ガス量流条件は次の通りである。
板上のInAsの分子列成長に本発明による方法を
適用した場合について述べる。成長装置の概略を
第5図に示した。この成長装置では上段の成長室
1の上流にInソースボート2を置き、その上流か
らH2キヤリアガスと共にHClガスを供給する。
この結果InClが生成され下流に運ばれる。一方、
下段成長室3にはAsの水素化物であるAsH3を
H2キヤリアガスと共に供給する。このガスは反
応管中で分解し基板領域では主としてAs4となつ
ている。基板結晶4としてはGaAs(110)面から
(100)方向へ数〜数十度傾けて切り出した面を用
いた。反応管の温度は抵抗加熱炉によりInソース
部は800℃とし、基板結晶部を300〜750℃の範囲
とした。この範囲の中での一部でステツプのみで
成長あるいはステツプの交点のみでの成長が生じ
る。ガス量流条件は次の通りである。
ガスの種類 流 量
HCl(In) 5c.c./min
AsH3 5c.c./min
H2(各成長室) 5000c.c./min
成長に際しては、基板結晶4を先ず下段成長室
3に置き、As雰囲気で成長温度まで昇温した。
成長温度に達した所で上段成長室1にHClを供給
し、一定時間後HClの流れが定常状態になつたあ
と基板結晶4を上段成長室1に移動した。そこで
InClを10秒程度吸着させ、再び基板結晶4下段成
長室3に移動した。1回のInClとAsの吸着を1
サイクルとして、これを繰り返すことによつて層
を形成した。なお、基板結晶4移動の際には、移
動中の成長を防ぐためにAsH3の供給を停止し、
InCl雰囲気で移動するようにした。
3に置き、As雰囲気で成長温度まで昇温した。
成長温度に達した所で上段成長室1にHClを供給
し、一定時間後HClの流れが定常状態になつたあ
と基板結晶4を上段成長室1に移動した。そこで
InClを10秒程度吸着させ、再び基板結晶4下段成
長室3に移動した。1回のInClとAsの吸着を1
サイクルとして、これを繰り返すことによつて層
を形成した。なお、基板結晶4移動の際には、移
動中の成長を防ぐためにAsH3の供給を停止し、
InCl雰囲気で移動するようにした。
第6図は、成長温度に対する1サイクル当りの
成長層の厚み(t)の変化を模式的に示したものであ
る。成長温度が低い時には、tは一定であり、
GaAs(110)面に対する一分子層の厚みにほぼ一
致する。しかし、成長温度が高くなるにつれtは
小さくなり、T1〜T2(T1:550℃、T2:600℃)
の範囲で再び一定値を取り、その後tは減少傾向
となる。第6図には(110)面からの傾きθが5°
の場合と10°の場合を示してあるが、10°の時のt
は5°の時の値に比べ約2倍となることが示されて
いる。またθ=5°の時には第1図aに示すように
平面方向に10原子分で1原子分の高さのステツプ
が生じ、1サイクル当り約0.1分子層の成長とな
り、ステツプに沿つてのみ成長が生じている場合
の成長パターンとなることが判かる。
成長層の厚み(t)の変化を模式的に示したものであ
る。成長温度が低い時には、tは一定であり、
GaAs(110)面に対する一分子層の厚みにほぼ一
致する。しかし、成長温度が高くなるにつれtは
小さくなり、T1〜T2(T1:550℃、T2:600℃)
の範囲で再び一定値を取り、その後tは減少傾向
となる。第6図には(110)面からの傾きθが5°
の場合と10°の場合を示してあるが、10°の時のt
は5°の時の値に比べ約2倍となることが示されて
いる。またθ=5°の時には第1図aに示すように
平面方向に10原子分で1原子分の高さのステツプ
が生じ、1サイクル当り約0.1分子層の成長とな
り、ステツプに沿つてのみ成長が生じている場合
の成長パターンとなることが判かる。
実施例 2
本実施例表面で垂直に交わるステツプを有する
GaAs(110)基板上のInAsの成長に本発明による
方法を適用した場合について述べる。基板結晶と
してはGaAs(110)面を基準として、2つの互い
に垂直なステツプが生じるように(111)方向に
数度傾けて切り出したウエハを用いた。成長装置
や他の成長条件は実施例1と全く同じである。
GaAs(110)基板上のInAsの成長に本発明による
方法を適用した場合について述べる。基板結晶と
してはGaAs(110)面を基準として、2つの互い
に垂直なステツプが生じるように(111)方向に
数度傾けて切り出したウエハを用いた。成長装置
や他の成長条件は実施例1と全く同じである。
第7図は成長温度に対する1サイクル当りの成
長層の厚み(t)の変化を模式的に示したものであ
る。成長温度がかなり低い時にはtは一定値を取
り、その値は(110)面に対する一分子層の厚み
にほぼ一致する。しかし、成長温度が高くなるに
つれtは小さくなり、次に再び一定値を取る領域
がある。これが実施例1で述べたように主として
ステツプの数で成長膜厚が律速されている領域で
ある。更に温度を高めるとT3〜T4の領域(T3:
620℃、T4:650℃)で再度成長膜厚が一定にな
る領域が現われる。T4以上に成長温度を高める
とtはまた減少する。このT3〜T4の領域は実施
例1では現われず、ステツプの交点における成長
に対応するものである。
長層の厚み(t)の変化を模式的に示したものであ
る。成長温度がかなり低い時にはtは一定値を取
り、その値は(110)面に対する一分子層の厚み
にほぼ一致する。しかし、成長温度が高くなるに
つれtは小さくなり、次に再び一定値を取る領域
がある。これが実施例1で述べたように主として
ステツプの数で成長膜厚が律速されている領域で
ある。更に温度を高めるとT3〜T4の領域(T3:
620℃、T4:650℃)で再度成長膜厚が一定にな
る領域が現われる。T4以上に成長温度を高める
とtはまた減少する。このT3〜T4の領域は実施
例1では現われず、ステツプの交点における成長
に対応するものである。
(発明の効果)
以上述べたように、本発明による化合物半導体
結晶の形成方法を用いると、従来困難であつた結
晶表面においてステツプに沿つた一次元的な結晶
の成長を制御できるだけでなく、ステツプの交点
における一次元的成長も制御できるようになる。
また成長結晶を種々に選ぶことにより、種方向の
ヘテロ接合の成長も可能になり、今後新しいデバ
イスへの実現につながる成長法である。
結晶の形成方法を用いると、従来困難であつた結
晶表面においてステツプに沿つた一次元的な結晶
の成長を制御できるだけでなく、ステツプの交点
における一次元的成長も制御できるようになる。
また成長結晶を種々に選ぶことにより、種方向の
ヘテロ接合の成長も可能になり、今後新しいデバ
イスへの実現につながる成長法である。
第1図は本発明に依る結晶成長を説明するため
の結晶表面の概略図、第2図は第1図の表面にお
ける吸着熱を説明するための図、第3図は本発明
に依るもう一つの結晶成長を説明するための結晶
表面の概略図、第4図は第3図の表面における吸
着熱を説明するための図、第5図は実施例に用い
た結晶成長装置の概略図、第6図は実施例1にお
ける成長温度とサイクル当りの成長層厚みの関係
を示す図、第7図は実施例2における成長温度と
サイクル当りの成長層厚みの関係を示す図であ
る。 図中の番号は、1……上段成長室、2……Inソ
ースボート、3……下段成長室、4……基板結
晶、5……基板ホルダー、6……基板結晶の移
動、11……ステツプ、13……基板結晶を示
す。
の結晶表面の概略図、第2図は第1図の表面にお
ける吸着熱を説明するための図、第3図は本発明
に依るもう一つの結晶成長を説明するための結晶
表面の概略図、第4図は第3図の表面における吸
着熱を説明するための図、第5図は実施例に用い
た結晶成長装置の概略図、第6図は実施例1にお
ける成長温度とサイクル当りの成長層厚みの関係
を示す図、第7図は実施例2における成長温度と
サイクル当りの成長層厚みの関係を示す図であ
る。 図中の番号は、1……上段成長室、2……Inソ
ースボート、3……下段成長室、4……基板結
晶、5……基板ホルダー、6……基板結晶の移
動、11……ステツプ、13……基板結晶を示
す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 化合物半導体の構成元素あるいはその元素を
含むガスを交互に基板結晶上に供給して結晶成長
を行なう方法において、結晶の同一面内に構成元
素が交互に配列され、かつ表面に結晶学的ステツ
プを有する結晶を基板とし、成長時には少なくと
も一方の化合物半導体の構成元素あるいはその元
素を含むガスが基板平面上に吸着するときの吸着
熱をq1、ステツプに吸着するときの吸着熱をq2、
基板温度をT、気体定数をRとしたときq1<RT
<q2とし、しかも、前記構成元素あるいはガスの
分圧とpとし平面上の吸着平衡定数をK1とした
ときK1・p<<1となるようにpを設定するこ
とでステツプに沿つて一列の吸着層を形成した
後、他の構成元素を供給し、分子列成長層を得る
ことを特徴とする化合物半導体結晶の形成方法。 2 化合物半導体の構成元素あるいはその元素を
含むガスを交互に基板結晶上へ供給して結晶成長
行なう方法において、結晶の同一面内に構成元素
が交互に配列され、かつ表面で垂直に交わるステ
ツプが存在する結晶を基板とし、成長時には少な
くとも一方の化合物半導体の構成元素あるいはそ
の元素を含むガスが基板表面上に吸着するときの
吸着熱をq3、ステツプに吸着するときの吸着熱を
q4、ステツプの交点に吸着するときの吸着熱をq5
基板温度をT、気体定数Rとしたとき、q3、q4<
RT<q5とし、しかも前記構成元素あるいはガス
の分圧をpとし、平面上およびステツプ上の吸着
平衡定数をそれぞれK3、K4としたときK3・p<
<1、K4・p<<1となるようにpを設定する
ことで前記交点に吸着させた後他の構成元素を供
給することにより、所望の結晶を成長せしめるこ
とを特徴とする化合物半導体結晶の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19760786A JPS6355191A (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 化合物半導体結晶の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19760786A JPS6355191A (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 化合物半導体結晶の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6355191A JPS6355191A (ja) | 1988-03-09 |
JPH0582358B2 true JPH0582358B2 (ja) | 1993-11-18 |
Family
ID=16377283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19760786A Granted JPS6355191A (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 化合物半導体結晶の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6355191A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0711425Y2 (ja) * | 1990-08-08 | 1995-03-15 | 矢崎総業株式会社 | ブラシレス電気信号伝達装置 |
US5061195A (en) * | 1990-09-24 | 1991-10-29 | Methode Electronics, Inc. | Clock spring housing and assembly |
-
1986
- 1986-08-22 JP JP19760786A patent/JPS6355191A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6355191A (ja) | 1988-03-09 |
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