JPH0582113U - 窓ガラスアンテナおよび窓ガラスアンテナ装置 - Google Patents

窓ガラスアンテナおよび窓ガラスアンテナ装置

Info

Publication number
JPH0582113U
JPH0582113U JP3862892U JP3862892U JPH0582113U JP H0582113 U JPH0582113 U JP H0582113U JP 3862892 U JP3862892 U JP 3862892U JP 3862892 U JP3862892 U JP 3862892U JP H0582113 U JPH0582113 U JP H0582113U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
window glass
antenna
ground
glass antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3862892U
Other languages
English (en)
Other versions
JP2593899Y2 (ja
Inventor
浩 飯島
純 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP1992038628U priority Critical patent/JP2593899Y2/ja
Publication of JPH0582113U publication Critical patent/JPH0582113U/ja
Priority to US08/390,931 priority patent/US5521606A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2593899Y2 publication Critical patent/JP2593899Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 窓ガラスの取り付け傾斜角が小さくなって
も、アンテナ利得の低下が少ない窓ガラスアンテナおよ
び窓ガラスアンテナ装置を提供する。また、アンテナパ
ターンの面積が広くなっても、ガラスの曲げ加工をしや
すい窓ガラスアンテナを提供する。 【構成】 ガラス面における上下方向の長さが約1/4
波長の放射用パターン3と、ガラス面における上下方向
の長さが約1/4波長で左右方向の長さが約1/4〜3
/4波長の接地用パターン4とを窓ガラス2に配設し
た。なお、面積の広い接地用パターンは中抜きの形状と
するのが望ましい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は自動車の窓ガラスに付設される例えば自動車電話用等のUHF帯の 送受信アンテナに係り、特に窓ガラスの車体への取り付け角度を小さい場合でも 良好なアンテナ性能を有する窓ガラスアンテナおよび窓ガラスアンテナ装置に関 する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は図34に示す双ループアンテナを特開平4−14304号公報で提 案している。 図34に示す従来のUHF帯の窓ガラスアンテナ101は、リアもしくはフロ ントの窓ガラス102に、2つの半ループ導体103a,103bと、各半ルー プ導体103a,103bに付加されたリアクタンス素子導体104a,104 bと、接地導体105を備えている。各リアクタンス素子導体104a,104 bは、各半ループ導体103a,103bの端部と接地導体105とをL字状に それぞれ接続している。 そして、各半ループ導体103a,103bの接続点を給電点106とし、こ の給電点106に給電ケーブル107の芯線107aを接続し、給電ケーブル1 07の外側導体107bを接地導体105へ接続して、アンテナ101に対して 不平衡型の給電を行なっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、双ループアンテナを用いた従来の窓ガラスアンテナ101は、窓ガラ ス102の車体への取り付け角度が小さくなるにつれてアンテナ利得が低下する 。これはループアンテナの垂直面内の指向特性のビームが比較的鋭く絞られてい るためである。 このため、走行抵抗を減少させるため、また、デザイン上の要請からフロント もしくはリアの窓ガラスの傾斜角を小さくした自動車等では、充分なアンテナ性 能を確保できない。
【0004】 一方、充分なアンテナ性能を確保するため窓ガラスの表面または貼り合せ面に 面積の広いパターンを形成した場合、次の問題を生じる。 自動車用の窓ガラスは、自動車の窓枠形状に合せて曲率を形成するために曲げ 加工がなされる。この曲げ加工は、平坦な板ガラスを金型にのせて加熱炉へ送給 し、板ガラスを加熱した状態で行なう。ここで、面積の広いパターンや電極部等 があるとその部分に温度差を生じ、曲げ不足や部分的な変形を生ずる。そのため 、所望の形状に加工できなかったり、ガラスに写る反射像が部分的に歪む。
【0005】 この考案はこのような課題を解決するためなされたもので、第1の目的は窓ガ ラスの取り付け傾斜角が小さくなっても、アンテナ利得の低下が少ない窓ガラス アンテナおよび窓ガラスアンテナ装置を提供することにある。 第2の目的は利得低下を防止するための車体アース接続を容易に行なうことの できる窓ガラスアンテナ装置を提供することにある。 第3の目的はガラスの曲げ加工をしやすい形状のアンテナパターンを備えた窓 ガラスアンテナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため請求項1に係る窓ガラスアンテナは、ガラス面におけ る上下方向の長さが約1/4波長の放射用パターンと、ガラス面における上下方 向の長さが約1/4波長で左右方向の長さが約1/4〜3/4波長の接地用パタ ーンとを窓ガラスに配設したことを特徴とする。
【0007】 請求項2に係る窓ガラスアンテナ装置は、接地用パターンを車体アースへ接続 したことを特徴とする。
【0008】 請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置は、窓ガラスに放射用パターンと接地用 パターンを配設するとともに、接地用パターンと車体の窓枠部を構成する導体部 分との間を可撓性を有する導電性部材を介して電気的に接続して接地用パターン を車体アースしたことを特徴とする。
【0009】 請求項4に係る窓ガラスアンテナは、接地パターンを少なくとも外枠パターン と、外枠パターンの中の上および下のパターンの略中央部を縦方向に接続する中 央縦パターンとで形成し、接地パターンを中抜きの形状としたことを特徴とする 。
【0010】
【作用】
請求項1に係る窓ガラスアンテナは、ガラス面における上下方向の配設長が約 1/4波長の放射用パターンと、ガラス面における上下方向の長さが約1/4波 長で左右方向の長さが約1/4〜3/4波長の接地用パターンとを窓ガラスに配 設し、ガラス面に対して垂直面内の指向性が広くなるようにしているので、窓ガ ラスの取り付け傾斜角が低くなっても、アンテナ利得の低下が少ない。
【0011】 なお、接地用パターンを車体アース接続することで、窓ガラスの取り付け傾斜 角に対するアンテナ利得の変化を極めて小さく押えることができる。
【0012】 請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置は、接地用パターンと車体の窓枠部を構 成する導体部分との間を可撓性を有する導電性部材を介して電気的に接続する構 成としたので、例えば車体窓枠部に一端側を固設した導電性ばね材料もしくは導 電性ゴム材料等からなる弾性舌片を接地用パターンに直接もしくは接地用パター ンから延設された接地用電極に当接させる等することで、窓ガラスを車体の窓枠 に装着するだけで接地用パターンの車体アース接続を行なうことができ、車体ア ース接続に伴う工数を削減することができる。
【0013】 接地パターンを中抜きのパターン形状にすることで、曲げ加工に伴う加熱時の 温度差を少なくすることができる。よって、従来と同等の曲げ加工工程で所望の 曲率を備え、歪の少ない窓ガラスを得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図1は請求項1に係る窓ガラスアンテナの構造図である。 請求項1に係る窓ガラスアンテナ1は、窓ガラス2に配設された放射用パター ン3と接地用パターン4とを備える。 なお、図1ならびに後述する図10,図11においては、各パターン3,4か ら比較的離れた位置に同軸ケーブル5を設けることで各パターン3,4が同軸ケ ーブル5で隠れないよう作図しているが、実際は各パターン3,4に固設された 接続端子等に芯線5aならびに外側導体5bをそれぞれ最短距離(800MHz 帯においては例えば5mm以下)で接続している。
【0015】 図2は請求項1に係る窓ガラスアンテナ1の評価に用いた評価用アンテナの構 造図である。 図2に示す評価用アンテナ11は、アンテナパターンを形成するのに充分な面 積を有する板ガラス12に、放射用パターン13と接地用パターン14を形成し たものである。
【0016】 この評価用アンテナ11は、800MHz帯の自動車電話用の送受信アンテナ を意図したもので、放射用パターン13の幅は5mm,同長さL(ガラス面にお ける上下方向の配設長)は50mm(車体アース接続なし)〜45mm(車体ア ース接続あり)とし、放射パターン13の下端から5mm離隔した位置に上下方 向の長さがH、左右方向の長さ(幅)がWの矩形の接地用パターン14を形成し たものである。 なお、評価用アンテナ11は、板厚は5mmの板ガラス12の片面側の表面に 銅箔を用いた各パターン13,14を形成したもので、接地用パターンについて は上下方向の長さHを10,30,50mmの3種類、左右方向の長さWを50 〜350の範囲で7種類作成した。
【0017】 図3は評価用アンテナのアンテナ特性の測定系を示す説明図である。 床面からの高さが1mの位置に直径10mの鉄板Gを配置し、この鉄板Gの略 中心部に評価用アンテナ11を所定の角度で仮設して、アンテナ特性の測定を行 なった。 評価用アンテナ11と図示しない測定器との間は、型式番号2.5D−2Vの 同軸ケーブル(特性インピーダンス50Ω)同軸ケーブル(図示しない)で接続 した。 図1ならびに図2において符号Aで示す放射用パターン13の下端を給電点と し、この給電点Aに同軸ケーブル5の芯線側5aを接続し、同軸ケーブル5の外 側導体5bを図2で符号Bで示す接地点へ接続し、同軸ケーブルの長さ2mで給 電する構成で特性測定を行なった。
【0018】 図4は評価用アンテナ11を用いて接地用パターン14の長さ(H)および幅 (W)とアンテナの平均利得との関係を評価した結果を示すグラフである。 横軸は接地用パターン14の幅(W)を、縦軸は平均利得を、各特性H10, H30,H50はそれぞれ接地パターンの長さ(L)が10,30,50mmの アンテナの平均利得特性を示す。 平均利得は標準ダイポールアンテナの利得との比である。
【0019】 図5は評価用アンテナ11を用いて接地用パターン14の長さ(H)および幅 (W)と電圧定在波比(V・SWR)の関係を評価した結果を示すグラフである 。 縦軸は電圧定在波比(V・SWR)を示す。横軸ならびに各特性H10,H3 0,H50は図4と同じである。測定周波数は900MHzである。
【0020】 図4および図5に示した特性から、放射用パターン13の長さLを短縮率を考 慮して50mm(後述する車体アース接続をする場合は45mm)とし、接地用 パターンの幅(W)を100〜150mm、接地用パターンの長さ(H)を50 mmとすると、アンテナの受信性能を表す平均利得ならびにアンテナの送信性能 を表す電圧定在波比が共に良好となることが判明した。
【0021】 これは、ガラス基材に形成したアンテナの短縮率を略0.6とすると、900 MHzにおける1/4波長は約50mmとなることから、放射用パターン3の長 さを1/4波長とした場合、接地用パターン4の長さ(H)は約1/4波長、接 地用パターンの幅(W)は1/2波長〜3/4波長に設定すると、送信・受信共 に良好なアンテナ特性を得ることができることを示している。
【0022】 図6は請求項1に係る窓ガラスアンテナの窓ガラス取り付け角度と平均利得の 関係を示すグラフである。 横軸は窓ガラス2の車体への取り付け傾斜角を、縦軸は平均利得を示す。 実線S1は請求項1に係る窓ガラスアンテナ1の特性を、点線Jは図34に示 した従来の窓ガラスアンテナ101の特性を示す。 測定に用いた窓ガラスアンテナ1の各パターン寸法は次のとおりである。 放射用パターン 幅…5mm,長さ(L)…50mm 接地用パターン 幅(B)…100mm,長さ(H)…50mm 放射用パターンと接地用パターンの間隔 5mm 窓ガラスの取り付け傾斜角(水平面とガラス面とのなす角度)が60度を超え ている場合は、従来のアンテナの方が利得が大きいが、窓ガラスを取り付け傾斜 角を小さくした場合この考案に係るアンテナ1の方が利得の低下度合が少ない。
【0023】 図7は請求項1に係る窓ガラスアンテナの指向性を示すグラフ、図8は同アン テナの電圧定在波比を示すグラフである。 測定に用いた窓ガラスアンテナ1の各パターン寸法は先に示したものと同じで ある。 図7(a)〜(h)に示す各周波数毎の指向特性は、窓ガラスアンテナ1を垂 直に立設した状態(取り付け角度90度)で測定したものである。ほぼ良好な無 指向特性が得られている。 図8は電圧定在波比(V・SWR)の周波数特性を示す。 電圧定在波比(V・SWR)は1.5以下であり実用上充分な特性が得られて いる。
【0024】 図9はアンテナパターンの変形例を示す説明図である。 図9(a)〜(c)に示すように接地用パターンを変形してもよいし、図9( d)〜(g)に示すように放射用パターンを変形してもよい。また、接地用なら びに放射用の双方のパターンを変形してもよい。 なお、図9(h)に示すように放射用パターンを複数設け、各放射用パターン に対して接地用パターンを共用化して、ダイバーシティを構成してもよい。
【0025】 図10および図11は請求項2に係る窓ガラスアンテナ装置の構造図である。 各窓ガラスアンテナ装置20,30は、窓ガラスアンテナ1の接地用パターン 4を車体アースへ接続したものである。 図10に示す窓ガラスアンテナ装置20は、幅の広い銅箔等のアース接続部材 21を用いて接地用パターン4を低インピーダンスで自動車の金属製の窓枠部2 2等へ電気的に接続したものである。
【0026】 図11に示す窓ガラスアンテナ30は、接地用パターン4の両端部2箇所を各 アース接続線31,31を介して車体アースへ電気的に接続したものである。 接地用パターン4の少なくとも両端部2箇所以上を車体アースへ接続すること で、窓ガラス22の取り付け傾斜角に対するアンテナ利得の変化を極めて小さく 押えることができる。
【0027】 なお、同軸ケーブル5の外側導体5bは金属製窓枠部22等の車体アースへ接 続して給電を行なう構成としてもよい。 さらに、図10に示す幅広のアース接続部材21を用いる場合はカード型の雌 コネクタを金属製窓枠部22側に設けて、また、図11に示すアース接続線31 ,31を用いる場合は雌雄一対のコネクタを用いて、半田付け等をすることなく 車体アース接続を行なえるよう構成してもよい。
【0028】 図2に示した評価用アンテナ11の接地用パターン14を図3に示した模擬評 価系の鉄板Gへ電気的に接続して場合の取り付け傾斜角とアンテナの平均利得の 関係を図12に示す。 図12のグラフにおいて、特性S1および特性Jは図6に示したものと同じで ある。特性S2は評価用アンテナ11の接地用パターン14を理想的車体アース に相当する鉄板Gへ接続した場合の平均利得特性である。 接地用パターン14を車体アース接続することによって、窓ガラスの取り付け 傾斜角を変化してのアンテナの感度はごくわずかしか変動しない。また、傾斜角 が約40度よりも小さい場合は、従来のアンテナよりも大きな感度を得ることが できる。
【0029】 図13は実車装着用の窓ガラスアンテナ(車体アース接続用)のパターン図で ある。 図13に示した窓ガラスアンテナ41は、接地用パターン44の下端を窓ガラ ス42の下端と略一致させて配置することで、自動車の金属製窓枠部(車体アー ス)との接続を容易にしたものである。 放射用パターン43の幅は5mm,長さLは45mm、接地用パターン44の 幅Wは150mm,長さHは50mmである。
【0030】 次にこの窓ガラスアンテナ41を実車に装着した場合のアンテナ利得の周波数 特性を図14に示す。 窓ガラス41の取り付け傾斜角は32度である。 図14において、縦軸は標準ダイポールアンテナの利得を0dBとしたときの 平均利得を、横軸は周波数を示す。実線は車体アース接続あり、点線は車体アー スなしの場合の特性である。測定は××dBμV/mの電界中で行なった。 車体アース接続を行なうことで平均利得が約1dB向上する。
【0031】 窓ガラスアンテナ41を取り付け傾斜角32度で実車へ装着し車体アース接続 を行なった場合の電圧定在波比の周波数特性を示すグラフを図15に、同じ条件 におけるアンテナの指向特性を図16に示す。
【0032】 図15に示すように、電圧定在波比(V・SWR)は1.5以下であり実用レ ベルである。 図16に示す指向特性は車体の影響で複数のディップ点が生じているが、実用 上支障ない範囲である。
【0033】 図17は請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置の要部断面模式図である。 図17に示す窓ガラスアンテナ装置50は、窓ガラスアンテナ41を自動車の 窓枠部51へ装着した状態で、窓ガラス42の表面に形成した放射用パターン4 4を、可撓性を有する導電性部材52を介して金属製の窓枠部51もしくは窓枠 部51で車体アースと電気的に接続されている導電性部分へ当接させて、接地用 パターン44の車体アース接続を行なう構成としたものである。
【0034】 可撓性を有する導電性部材52としては、導電性ゴム,金属細線入のゴム等を 用いることができる。 接地用パターン44を形成している箇所が曲面であっても、導電性部材52は 可撓性を有するので、広い面積に亘って安定な電気的接続がなされる。
【0035】 図18に示す窓ガラスアンテナ装置60は、可撓性を有する導電性部材として 、例えばリン青銅等のばね性を有する導電性金属を用いて形成した接触片61を 介して、接地用パターン44の車体アース接続を行なう構成としたものである。
【0036】 図19に示す窓ガラスアンテナ装置70は、接地用接続片71を介して接地用 パターン44と窓枠部51との電気的接続を行なうとともに、給電用接続片72 を介して放射用パターン43と給電用コネクタ73とを電気的に接続する構成と したものである。
【0037】 なお、可撓性を有する導電性部材を用いてアンテナの接地用パターンを車体ア ース接続することは、図20(a)〜(c)に示すような各種のアンテナパター ンを備えた窓ガラスアンテナについても適用できる。
【0038】 図21は請求項4に係る窓ガラスアンテナのパターン図である。 請求項4に係るアンテナパターン80は、放射用パターン81と、接地用パタ ーン82からなる。 接地用パターン82は、上,下,左,右の外枠パターン82a,82b,82 c,82dと、上,下のパターン82a,82bの略中央部を縦方向に接続した 中央縦パターン82eとで形成している。 上パターン82aには、同軸ケーブル83のアース側編組線を半田付け等で接 続するために一対の接地用電極82f,82gを設けている。これらの接地用電 極82f,82gは、中央縦パターン82dの左右にほぼ対称に配設している。
【0039】 図22は、請求項4に係る窓ガラスアンテナと同軸ケーブルとの接続構造を示 す説明図である。 同軸ケーブル83の芯線83aは、放射用パターン81の下端部に形成された 給電用電極81aに半田付け等で接続し、同軸ケーブル83のアース側編組線8 3bは2方向に分岐処理し、各接地用電極82f,82gへそれぞれ接続してい る。
【0040】 図23は請求項4に係る窓ガラスアンテナの水平面内の指向特性を示すグラフ 、図24は同窓ガラスアンテナの電圧定在波比の周波数特性を示すグラフである 。 測定に用いた試料は、図2に示した評価用アンテナと同様に、ガラスピース( 縦300mm,横300mm,厚さ3.5mm)に図21に示したアンテナパタ ーン80を銅箔で形成したものである。 測定は図3に示した模擬評価系を用い、ガラスピースは鉄板Gに対して垂直に 設置して行なった。
【0041】 図7に示した指向特性と、図23に示した指向特性を比較すると、接地用パタ ーンの全面が銅箔(導電性材料)のものと、中抜きの形状にしたものとで、指向 特性に大きな差がないことがわかる。 また、図8と図24に示した特性を比較すると、接地用パターンを中抜きの形 状としても電圧定在波比に大きな変化がないことがわかる。
【0042】 図25〜図27は、外枠パターンならびに中央縦パターンの影響を評価するた めに試作した比較評価用アンテナのパターン図である。 図25に示す比較評価用アンテナ91はアンテナパターンをダイポール形状に したもの、図26に示す比較評価用アンテナ92は左右の外枠パターンを削除し たもの、図27に示す比較評価用アンテナ93は中央縦パターンを削除したもの である。
【0043】 図28は図2,図21,図25,図26および図27に示した各種のアンテナ の感度−周波数特性を比較したグラフである。 接地用パターンがべた(その領域の全面が銅箔等)もの(図2)と、中抜き( 図21)のものとで、感度周波数特性はほとんど差がないことがわかる。 中央縦パターン82eまたは左右の外枠パターン82c,82dを削除すると 、感度が2〜4dB低下することが判明した。
【0044】 図29は図25に示した比較評価用アンテナの電圧定在波比の周波数特性を示 すグラフ、図30は図26に示した比較評価用アンテナの電圧定在波比の周波数 特性を示すグラフ、図31は図27に示した比較評価用アンテナの電圧定在波比 の周波数特性を示すグラフである。 図29および図30のグラフから左右の外枠パターン82c,82dを設けな いとアンテナと受信機側の整合がとれないことがわかる。 また、図31と図24のグラフを比較すると、中央縦パターン82eを設ける ことで電圧定在波比を約1.5dB以下にできることがわかる。
【0045】 図32は図21に示した窓ガラスアンテナの取り付け傾斜角とアンテナ利得の 関係を示すグラフである。 測定は模擬評価系を用い、周波数900MHzで行なった。 図21に示した窓ガラスアンテナの取り付け傾斜角−アンテナ特性は、図12 に示した接地用パターンがべたのものと同じである。
【0046】 したがって、接地用パターン82eを中抜きの形状にすることで、従来の曲げ 工程を使用して、接地用パターンがべたのものとほぼ同じアンテナ性能を有する 窓ガラスアンテナを量産することができる。
【0047】 図33は請求項4に係る他の窓ガラスアンテナのパターン図である。 図33(a)に示すアンテナパターン84は、接地用パターンの水平方向のパ ターンを増やして接地用パターンをメッシュ状に形成したもの、図33(b)に 示すアンテナパターン85は、接地用パターンの水平,垂直方向ともにパターン を増やして接地用パターンをメッシュ状にしたものである。 いずれも放射用パターンと一直線状に中央縦パターンを配置している。 なお、メッシュを形成する水平,垂直の各パターンは、放射用パターンならび に接地用パターンよりもパターン幅が狭くても(例えば1〜5mm)、アンテナ 性能が低下しないことを実験によって確認した。
【0048】
【考案の効果】
以上説明したように請求項1に係る窓ガラスアンテナは、ガラス面における上 下方向の配設長が約1/4波長の放射用パターンと、ガラス面における上下方向 の長さが約1/4波長で左右方向の長さが約1/4〜3/4波長の接地用パター ンとを窓ガラスに配設し、アンテナの垂直面内の指向性を広げているので、窓ガ ラスの取り付け傾斜角が低くなっても、アンテナ利得の低下が少ない。 よって、窓ガラスの取り付け傾斜角が20〜40度程度の自動車等においても 、良好な送信・受信性能を得ることができる。
【0049】 なお、接地用パターンを車体アース接続することで、窓ガラスの取り付け傾斜 角に対するアンテナ利得の変化を極めて小さく押えることができる。
【0050】 請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置は、接地用パターンと車体の窓枠部を構 成する導体部分との間を可撓性を有する導電性部材を介して電気的に接続する構 成としたので、例えば車体窓枠部に一端側を固設した導電性ばね材料もしくは導 電性ゴム材料等からなる弾性舌片を接地用パターンに直接もしくは接地用パター ンから延設された接地用電極に当接させる等することで、窓ガラスを車体の窓枠 に装着するだけで接地用パターンの車体アース接続を行なうことができ、車体ア ース接続に伴う工数を削減することができる。
【0051】 請求項4に係る窓ガラスアンテナは、接地パターンを中抜きのパターン形状に したので、曲げ加工に伴う加熱時の温度差を少なくすることができる。よって、 従来と同等の曲げ加工工程で所望の曲率を備え、歪の少ない窓ガラスを得ること ができる。 また、接地用パターンの外枠にあたる外枠パターンと放射用パターンに対向す る中央縦パターンを少なくとも備えることで、接地用パターンがべたのものと同 等のアンテナ性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る窓ガラスアンテナの構造図
【図2】評価用アンテナの構造図
【図3】アンテナ特性の模擬評価系の説明図
【図4】接地用パターンの長さおよび幅とアンテナ利得
の関係を示すグラフ
【図5】接地用パターンの長さおよび幅と電圧定在波比
の関係を示すグラフ
【図6】請求項1に係る窓ガラスアンテナの窓ガラス取
り付け角度と平均利得の関係を示すグラフ
【図7】請求項1に係る窓ガラスアンテナの指向性を示
すグラフ
【図8】請求項1に係る窓ガラスアンテナの電圧定在波
比の周波数特性を示すグラフ
【図9】アンテナパターンの変形例を示す説明図
【図10】請求項2に係る窓ガラスアンテナの構造図
(面接続)
【図11】請求項2に係る窓ガラスアンテナの構造図
(2点接続)
【図12】評価用アンテナの接地用パターンを模擬評価
系の理想的な車体アースへ接続した場合の窓ガラス取り
付け角度と平均利得の関係を示すグラフ
【図13】実車装着用の窓ガラスアンテナ(車体アース
接続用)のパターン図
【図14】図12に示した窓ガラスアンテナを取り付け
傾斜角32度で実車に装着したときのアンテナ利得−周
波数特性を示すグラフ
【図15】図12に示した窓ガラスアンテナを取り付け
傾斜角32度で実車に装着したときの電圧定在波比の周
波数特性を示すグラフ
【図16】図12に示した窓ガラスアンテナを取り付け
傾斜角32度で実車に装着したとき指向特性を示すグラ
【図17】請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置の要部
構造を示す模式断面図(導電ゴム等を用いた例)
【図18】請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置の要部
構造を示す模式断面図(ばね性を有する金属材料等を用
いた例)
【図19】請求項3に係る窓ガラスアンテナ装置の要部
構造を示す模式断面図(ばね性を有する金属材料等を用
いて車体アースならびに給電を行なう例)
【図20】車体アース接続可能な他のアンテナパターン
例を示す説明図
【図21】請求項4に係る窓ガラスアンテナのパターン
【図22】請求項4に係る窓ガラスアンテナと同軸ケー
ブルとの接続構造を示す説明図
【図23】請求項4に係る窓ガラスアンテナの水平面内
の指向特性を示すグラフ
【図24】請求項4に係る窓ガラスアンテナの電圧定在
波比の周波数特性を示すグラフ
【図25】比較評価用アンテナのパターン図(ダイポー
ル形状)
【図26】比較評価用アンテナのパターン図(左右外枠
パターン削除)
【図27】比較評価用アンテナのパターン図(中央縦パ
ターン削除)
【図28】評価用アンテナおよび各種比較評価用アンテ
ナの感度−周波数特性を比較したグラフ
【図29】比較評価用アンテナ(ダイポール形状)の電
圧定在波比の周波数特性を示すグラフ
【図30】比較評価用アンテナ(左右外枠パターン削
除)の電圧定在波比の周波数特性を示すグラフ
【図31】比較評価用アンテナ(中央縦パターン削除)
の電圧定在波比の周波数特性を示すグラフ
【図32】請求項4に係る窓ガラスアンテナの取り付け
傾斜角とアンテナ利得の関係を示すグラフ
【図33】請求項4に係る他の窓ガラスアンテナのパタ
ーン図
【図34】従来のUHF帯の窓ガラスアンテナ(双ルー
プ型)の構造図
【符号の説明】
1,41 窓ガラスアンテナ 2,42 窓ガラス本体 3,13,43,81 放射用パターン 4,14,44,82 接地用パターン 5,83 同軸ケーブル 11 評価用アンテナ 12 板ガラス 20,30,50,60,70 窓ガラスアンテナ装置 21 アース接続部材 22,51 金属製窓枠部(車体アース) 31 アース接続線 52,61 導電性部材 71 接地用接続片 72 給電用接続片 80,84,85 請求項4に係る窓ガラスアンテナの
アンテナパターン 82a,82b 上,下の外枠パターン 82c,82d 左,右の外枠パターン 82d 中央縦パターン

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス面における上下方向の長さが約1
    /4波長の放射用パターンと、ガラス面における上下方
    向の長さが約1/4波長で左右方向の長さが約1/4〜
    3/4波長の接地用パターンとを窓ガラスに配設したこ
    とを特徴とする窓ガラスアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窓ガラスアンテナの接地
    用パターンを車体アースへ電気的に接続したことを特徴
    とする窓ガラスアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 窓ガラスに放射用パターンと接地用パタ
    ーンを配設するとともに、前記接地用パターンと車体の
    窓枠部を構成する導体部分との間を可撓性を有する導電
    性部材を介して電気的に接続し、前記接地用パターンを
    車体アース接続したことを特徴とする窓ガラスアンテナ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記接地パターンは外枠パターンと、外
    枠パターンの中の上および下のパターンの略中央部を縦
    方向に接続する中央縦パターンを少なくとも備え、接地
    パターンを中抜きの形状としたことを特徴とする請求項
    1記載の窓ガラスアンテナ。
JP1992038628U 1992-02-05 1992-05-13 自動車用窓ガラスアンテナ装置 Expired - Fee Related JP2593899Y2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992038628U JP2593899Y2 (ja) 1992-02-05 1992-05-13 自動車用窓ガラスアンテナ装置
US08/390,931 US5521606A (en) 1992-02-05 1995-02-17 Window glass antenna for motor vehicles

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-12452 1992-02-05
JP1245292 1992-02-05
JP1992038628U JP2593899Y2 (ja) 1992-02-05 1992-05-13 自動車用窓ガラスアンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0582113U true JPH0582113U (ja) 1993-11-05
JP2593899Y2 JP2593899Y2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=26348075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992038628U Expired - Fee Related JP2593899Y2 (ja) 1992-02-05 1992-05-13 自動車用窓ガラスアンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2593899Y2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004004069A1 (ja) * 2002-06-11 2004-01-08 Nippon Sheet Glass Company, Limited 地上波受信用アンテナ装置およびアンテナ利得の調整方法
WO2010092983A1 (ja) * 2009-02-12 2010-08-19 原田工業株式会社 車両ウィンドウ用アンテナ装置
JP2010187198A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Harada Ind Co Ltd 車両ウィンドウ用アンテナ装置
JP2011087054A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Central Glass Co Ltd 車両用ガラスアンテナ
JP2012090189A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Harada Ind Co Ltd 車両ウィンドウ用アンテナ装置
JP2013026800A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Asahi Glass Co Ltd アンテナ装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60189112U (ja) * 1984-05-24 1985-12-14 旭硝子株式会社 自動車用ガラスアンテナ
JPS6226910U (ja) * 1985-07-31 1987-02-18
JPS6338306A (ja) * 1986-08-04 1988-02-18 Central Glass Co Ltd 車両用の透明ガラスアンテナ
JPH0215702A (ja) * 1988-07-01 1990-01-19 Mitsubishi Electric Corp 自動車用窓ガラスアンテナ
JPH0255706U (ja) * 1988-10-15 1990-04-23
JPH02504453A (ja) * 1987-05-21 1990-12-13 ビー・エス・エイチ、エレクトロニクス、リミテッド 車輌用アンテナ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60189112U (ja) * 1984-05-24 1985-12-14 旭硝子株式会社 自動車用ガラスアンテナ
JPS6226910U (ja) * 1985-07-31 1987-02-18
JPS6338306A (ja) * 1986-08-04 1988-02-18 Central Glass Co Ltd 車両用の透明ガラスアンテナ
JPH02504453A (ja) * 1987-05-21 1990-12-13 ビー・エス・エイチ、エレクトロニクス、リミテッド 車輌用アンテナ
JPH0215702A (ja) * 1988-07-01 1990-01-19 Mitsubishi Electric Corp 自動車用窓ガラスアンテナ
JPH0255706U (ja) * 1988-10-15 1990-04-23

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004004069A1 (ja) * 2002-06-11 2004-01-08 Nippon Sheet Glass Company, Limited 地上波受信用アンテナ装置およびアンテナ利得の調整方法
WO2010092983A1 (ja) * 2009-02-12 2010-08-19 原田工業株式会社 車両ウィンドウ用アンテナ装置
JP2010187198A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Harada Ind Co Ltd 車両ウィンドウ用アンテナ装置
GB2481926A (en) * 2009-02-12 2012-01-11 Harada Industry Company Ltd Antenna device for vehicle window
JP2011087054A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Central Glass Co Ltd 車両用ガラスアンテナ
JP2012090189A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Harada Ind Co Ltd 車両ウィンドウ用アンテナ装置
JP2013026800A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Asahi Glass Co Ltd アンテナ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2593899Y2 (ja) 1999-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5521606A (en) Window glass antenna for motor vehicles
CA1255790A (en) Window antenna for a vehicle
JPH10508174A (ja) プリントアンテナ
EP0568284B1 (en) Antenna for vehicle window
CN1826707A (zh) 将外部设备连接到无线电设备的天线装置
JPH04116411U (ja) ガラスアンテナの接続構造
US5285210A (en) Double loop antenna with reactance elements
US10290932B2 (en) Glass antenna and vehicle window glass provided with glass antenna
JPH08213820A (ja) 自動車電話用ガラスアンテナ装置
US5657029A (en) Glass antenna device for automobile telephone
JPH06291530A (ja) 周波数切換式ガラスアンテナ
JPH10261911A (ja) 窓ガラスアンテナ
JP4141979B2 (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ
JPH0582113U (ja) 窓ガラスアンテナおよび窓ガラスアンテナ装置
US6292150B1 (en) Glass antenna device
CN111370858B (zh) 定向uhf天线及电子设备
JP3173904B2 (ja) 自動車電話用ガラスアンテナ
JP2648495B2 (ja) 移動体用アンテナ
JPH0414304A (ja) 双ループアンテナ
JP4225373B2 (ja) 車両用のガラスアンテナ
JP6729016B2 (ja) 車両用ガラスアンテナ及び窓ガラス
JP7491045B2 (ja) 車両用窓ガラス
JP3555217B2 (ja) 車両搭載用アンテナ装置
JP3226648B2 (ja) 自動車電話用ガラスアンテナ
JP2975553B2 (ja) モノポールアンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19970725

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees