JPH0581769A - 磁気記録再生装置における記録電流設定装置 - Google Patents

磁気記録再生装置における記録電流設定装置

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JPH0581769A
JPH0581769A JP26908691A JP26908691A JPH0581769A JP H0581769 A JPH0581769 A JP H0581769A JP 26908691 A JP26908691 A JP 26908691A JP 26908691 A JP26908691 A JP 26908691A JP H0581769 A JPH0581769 A JP H0581769A
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Yoshio Tokuyama
義夫 徳山
Koshin Namiki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーディオ信号とビデオ信号を同一トラック
上に多重記録する磁気記録再生装置において、オーディ
オ再生レベルを所要レベルにしながらビデオ再生レベル
を略最大レベルとするビデオ最適記録電流値を高精度で
自動設定する。 【構成】 キャリブレイションモードで、マイクロコン
ピュータ回路39が切換え減衰器23を制御してテープ仕様
に対応した固定電流値でのオーディオヘッド(記録側)21
aによる記録状態とし、また同時に記録アンプ27を制御
して複数の異なるビデオ記録電流を設定してビデオヘッ
ド(記録側)21vで多重記録させる。一方、オーディオヘ
ッド(再生側)21aでの各多重記録領域に係る再生レベル
を正規化関数で正規化し、正規化後のレベル情報を用い
て最適化関数でビデオ最適記録電流値Ixを求め、記録ア
ンプ27をその記録レベルIxに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置におけ
る記録電流設定装置に係り、磁気テープにオーディオ信
号とビデオ信号を多重記録する場合に、オーディオ再生
レベルを所要レベル以上にしながらビデオ再生レベルも
自動的に略最大レベルにするビデオ最適記録電流値を設
定するためのキャリブレイション実行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープレコーダ(VTR)において
は、記録/再生時間の長時間化と共に高品質なオーディ
オ信号の記録/再生が望まれており、従来のオーディオ
用固定ヘッドに代えて、ヘッドシリンダにオーディオヘ
ッドとビデオヘッドを装着し、オーディオ信号とビデオ
信号を磁気テープの同一トラック上に記録する多重記録
方式が提案され実用化されつつある(特開昭59-127202
号)。この方式によれば、ヘッドシリンダの回転過程に
おいて、オーディオヘッドでFMオーディオ信号を記録し
た後、更にそのトラック上に前記のオーディオヘッドと
アジマス角度が異なったビデオヘッドでビデオ信号を多
重記録し、再生モードにおいては各ヘッドでオーディオ
信号とビデオ信号を分離再生する。
【0003】そして、前記の多重記録/再生方式では記
録電流と再生レベルとの間に次のような関係がある。例
えば、オーディオ信号を最適の固定電流値(飽和磁束密
度より僅かに小さい磁界を発生させる電流値)で記録
し、その記録トラック上にビデオ信号の記録電流を変化
させて多重記録させると、図7に示すように、ビデオ再
生レベルはビデオ記録電流が大きくなるにつれて高くな
り、一定のビデオ記録電流値(Isa,Isb)で飽和して減衰
傾向を呈し、一方、オーディオ再生レベルはビデオ記録
電流が大きくなるにつれて減衰する。
【0004】従って、オーディオ再生レベルを高く設定
しようとするとビデオ再生レベルが低下するという相反
関係があるが、ビデオ記録電流値の標準設定においては
画質の劣化を少なくするためにビデオ再生レベルをでき
るだけ高く設定することを優先させ、ビデオ再生レベル
の飽和点Vsa,Vsbに対応した記録電流値Isa,Isbが最適値
とされる。そして、その場合のオーディオ再生レベルは
Asa,Asbとなるが、そのレベル以上に保証されていれば
再生特性での問題がないとされる。尚、ビデオ最適記録
電流値の設定方法として、ビデオ再生レベルが厳密に最
大値となるように設定する方法もあるが、ビデオ再生レ
ベル曲線の最大値部分は比較的平坦な曲線となるために
検出精度を高めることが困難であり、また最大値を検出
できてもオーディオ再生レベルが所定レベル以上になっ
ている保証がないため、前記の飽和点Vsa,Vsbでの設定
方法が無難である。
【0005】次に、キャリブレイションモードにおける
従来のビデオ最適記録電流値の具体的な設定方法を説明
する。この方法では、オーディオ再生レベルを検出して
ビデオ最適記録電流値を求める手順が採用されており、
検出されたオーディオ再生レベルが予め設定された一定
基準値Apとなるビデオ記録電流値を最適値とする。尚、
オーディオ再生レベルの基準値Apはビデオ再生レベルの
飽和点を与えるビデオ記録電流値に対応するものであ
る。先ず、オーディオ記録電流を最適の固定電流値に設
定して記録すると共に、図8に示すようにビデオ記録電
流をI1,I2,…,Inと順次変化させて多重記録し、個々の
多重記録部分のオーディオ信号を順次検出再生してオー
ディオ再生レベルA1,A2,…,Anを得る。そして、各オー
ディオ再生レベルA1,A2,…,Anを基準値Apと比較し、そ
の差が最小となるオーディオ再生レベル、又は差の正負
が逆転するオーディオ再生レベルに対応したビデオ記録
電流をビデオ最適記録電流値Ixとして求める。
【0006】尚、磁気ヘッドが摩耗するとビデオ信号の
記録が初期設定状態より深くなってオーディオ再生レベ
ルが低下する傾向があり、また磁気テープにも保磁力Hc
が異なるものがあるため、前記のキャリブレイションは
適宜実行される必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のキャ
リブレイションにおいては、次のような問題点が指摘さ
れている。 キャリブレイションはマイクロコンピュータの制御
によって実行されるが、ビデオ最適記録電流値を高い精
度で設定するためにはそれだけ密な測定ポイントを設け
る必要があり、メモリの容量が大きくなるためにコスト
アップを招く。 測定ポイントが多くなるとデータ処理のための時間
が長くなり、通常の記録/再生モードへの迅速な移行が
できなくなる。 前記のように測定ポイントを多くしても、結果的に
参照される測定ポイントは2〜3ポイントであり、実効性
のない無駄な測定ポイントが多い。 磁気テープの傷の部分が有効な測定ポイントに該当
したり、ドロップアウトが発生すると、求められたビデ
オ最適記録電流値が大きくズレて適正な電流値が求めら
れず、キャリブレイションの再実行を余儀なくされる。 キャリブレイションは磁気記録再生装置の内部で自
動的に実行されるだけでその結果が表示されないため、
オペレータがその後に他の磁気テープを使用したり購入
したりする場合の参考情報が得られない。
【0008】そこで、本発明は、オーディオ信号とビデ
オ信号を同一トラック上に多重記録する磁気記録再生装
置において、キャリブレイション時のデータ処理時に特
殊な関数を用いた演算を実行させることにより、上記の
問題点を解消した記録電流値設定装置を提供することを
目的として創作された。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の基本的構成は図
1に示され、相互にアジマス角度が異なるオーディオヘ
ッド1aとビデオヘッド1vを備えたヘリカルスキャン方式
のヘッドシリンダ1で磁気テープ2の同一トラック上にオ
ーディオ信号とビデオ信号を多重記録/再生すると共
に、キャリブレイションモードでは磁気テープ2の仕様
に対応した最適記録電流値を自動的に設定することが可
能な磁気記録再生装置において、キャリブレイション実
行手段として、オーディオ記録レベル調整部3を制御し
て磁気テープ2の仕様に対応した固定オーディオ記録電
流値を設定するオーディオ記録レベル制御部4と、ビデ
オ記録レベル調整部5を制御して複数の異なったビデオ
記録電流(Ii:i=1〜n)をビデオヘッド1vへ順次出力さ
せ、また後記の演算手段8がビデオ最適記録電流値Ixを
求めた場合にはビデオ記録レベル調整部5をその電流値
の出力状態に設定するビデオ記録レベル制御部6と、前
記の固定電流値によるオーディオ信号と複数の異なった
ビデオ記録電流(Ii:i=1〜n)によるビデオ信号の各多重
記録領域についてオーディオヘッド1aが再生した各オー
ディオ再生レベル情報(Ai:i=1〜n)を磁気テープ2の仕様
に対応して選択される正規化関数によって正規化する正
規化手段7と、正規化された前記の各オーディオ再生レ
ベル情報を変数とし、オーディオ再生レベルを所要レベ
ル(Ap)以上にしながらビデオ再生レベルを略最大レベル
とする最適化関数を用いてビデオ最適記録電流値Ixを求
める演算手段8とを具備したことを特徴とする磁気記録
再生装置における記録電流設定装置に係る。
【0010】また、前記の記録電流設定装置には、演算
手段8が求めたビデオ最適記録電流Ixに係る情報又は/
及びビデオ再生レベルに係る情報を表示手段9に表示さ
せる表示制御手段10を付加し、キャリブレイションの結
果を通知させるようにすることもできる。
【0011】
【作用】キャリブレイション指示手段11でキャリブレイ
ションモードに設定されると、オーディオ記録レベル制
御部4はテープ仕様識別部12の識別情報に基づいてオー
ディオ記録レベル調整部3を磁気テープ2の仕様に対応し
た固定電流値の出力状態に制御し、その電流値でオーデ
ィオ信号の記録を実行させる。また、ビデオ記録レベル
制御部6はビデオ記録レベル調整部5を制御して複数の異
なったビデオ記録電流(Ii:i=1〜n)によるビデオ信号を
順次出力させて、前記のオーディオ信号が記録されてい
るトラック上に多重記録させる。
【0012】そして、このモードでは、オーディオヘッ
ド1aが再生検出した多重記録領域の各オーディオ再生レ
ベル情報(Ai:i=1〜n)を正規化手段7へ転送し、正規化手
段7が内蔵した正規化関数によって各オーディオ再生レ
ベル情報を正規化する。尚、正規化手段7はテープ仕様
に応じた正規化関数群を内蔵しており、テープ仕様識別
部12の識別情報に対応した正規化関数を選択的に使用す
る。従って、ビデオ記録電流(Ii:i=1〜n)に対応して変
化しているオーディオ再生レベル情報(Ai:i=1〜n)の中
に所定範囲から極端にズレた情報が存在しても、正規化
関数で規定された一定の範囲内におさめられる。即ち、
磁気テープの傷やドロップアウトに起因した異常な情報
はこの段階で正規化されることになる。
【0013】次に、正規化された各オーディオ再生レベ
ル情報は演算手段8へ転送され、演算手段8が内蔵した最
適化関数に代入されてビデオ最適記録電流値Ixが求めら
れる。ここに、最適化関数はオーディオ再生レベルを所
要レベル(Ap)以上にしながらビデオ再生レベルを略最大
レベルとするように予めセットされた関数であり、正規
化された全てのオーディオ再生レベル情報を用いて自動
的にビデオ最適記録電流値Ixを導出する。
【0014】そして、ビデオ記録レベル制御部6はビデ
オ記録レベル調整部5を前記の最適記録電流値Ixの出力
状態にセットし、キャリブレイション終了後の記録モー
ドにおいてその電流値Ixで記録させる。従って、以降の
再生モードでは、常にオーディオ再生レベルが所要レベ
ル(Ap)以上となり、且つビデオ再生レベルも略最大レベ
ルとなる。
【0015】また、表示制御手段10を付加的に設けたこ
とにより、前記に設定されたビデオ最適電流値Ixに係る
情報やビデオ再生レベル情報をオペレータに通知するこ
とが可能になり、オペレータは磁気テープの使用や購入
の際の参考情報として利用することができる。
【0016】
【実施例】以下、図2から図6を用いて本発明の一実施
例を説明する。図2は多重記録方式の磁気記録再生装置
のブロック回路図を示す。同図において、21は2個のオ
ーディオヘッド21aと2個のビデオヘッド21vを90°間隔
で装備したヘッドシリンダ(但し、オーディオヘッド21a
とビデオヘッド21vのアジマス角度は異なっている)、22
はオーディオ記録信号処理回路、23はオーディオ記録レ
ベル調整用の切換え減衰器、24はオーディオ信号記録用
アンプ、25はビデオ記録信号処理回路、26はYC調整合成
回路、27はビデオ信号記録用アンプ、28はD/A変換器、2
9はオーディオ信号再生用アンプ、30はオーディオ再生
信号処理回路、31はエンベロープ検波回路、32はA/D変
換器、33はビデオ信号再生用アンプ、34はビデオ再生信
号処理回路、35はFDP(螢光表示板)、36はFDP制御回路、
37は操作部、38はテープ仕様検出センサ、39はマイクロ
コンピュータ回路(以下「マイコン回路」という)であり、
このシステム全体はマイコン回路39が内蔵のプログラム
を実行することにより制御されるようになっている。そ
して、本システムの特徴は、マイコン回路39が、通常の
記録/再生モードでの制御プログラムの他に、キャリブ
レイションモードでの制御プログラムと、磁気テープの
仕様に対応させてオーディオ再生信号を正規化する正規
化関数群と、正規化後のオーディオ再生信号を用いてビ
デオ最適記録電流値を求めるための最適化関数と、その
最適化関数を用いた演算プログラムと、ビデオ最適記録
電流及びビデオ再生レベルに係るデータを表示させる表
示プログラム等を内蔵している点にある。
【0017】本システムのオーディオ系は、記録モード
が設定されると、テープ仕様識別センサ38から得られる
情報に基づいて切換え減衰器23がローディングされてい
る磁気テープ40に対応した標準出力レベル状態に設定さ
れ、オーディオ記録信号処理回路22から出力された記録
信号を記録用アンプ24で増幅した後、オーディオヘッド
21aへ出力させて磁気テープ40に記録する。また、ビデ
オ系は、D/A変換器28を介して記録用アンプ27を制御す
ることにより磁気テープ40に対応した標準出力レベル状
態に設定され、ビデオ記録信号処理回路25から出力され
た記録信号(輝度信号Yと色信号C)をYC調整合成回路26で
調整した後、前記の標準レベルでビデオヘッド21vへ出
力させて、先にオーディオ信号が記録されているトラッ
ク上に多重記録させる。一方、再生モードにおいては、
アジマス角度が異なるオーディオヘッド21aとビデオヘ
ッド21vが磁気テープ40の同一トラック上に多重記録さ
れているオーディオ信号とビデオ信号をトレースするこ
とにより分離検出し、検出後の各信号をそれぞれ再生用
アンプ29,33で増幅した後、オーディオ再生信号処理回
路30とビデオ再生信号処理回路で処理して出力する。
【0018】次に、キャリブレイションモードにおける
本システムの動作を図3のフローチャートを参照しなが
ら説明する。先ず、磁気テープ40がローディングされた
状態において、マイコン回路39は前記と同様にテープ仕
様識別センサ38の信号に基づいてテープの仕様を識別
し、切換え減衰器23を制御してその仕様に対応した標準
の固定電流値の出力状態に設定する(S1〜S3)。尚、固定
電流値のレベルは磁気テープ40の飽和記録密度より僅か
に小さい磁界を発生させる電流値とされる。
【0019】次に、操作部37からキャリブレイションモ
ードが指示されると、マイコン回路39はオーディオヘッ
ド21aへの通電電流を前記の固定値に保つと共に、D/A変
換器28へ制御信号を出力させて記録用アンプ27のビデオ
記録電流値をI1に設定させる(S5,S6)。そして、前記の
電流値設定状態でヘッドシリンダ21にWRITE AFTER READ
を実行させて記録と再生を実行させ、ビデオ記録電流が
I1の場合のオーディオ再生レベルを検出させて、その再
生レベル情報A1をRAMにセーブさせる(S7〜S9)。即ち、
再生側に設定されたオーディオヘッド21aの出力をエン
ベロープ検波回路31で検波し、A/D変換器32でディジタ
ル情報に変換してRAMにセーブさせる。
【0020】以降、マイコン回路39は、D/A変換器28へ
制御信号を出力させることによってビデオ記録電流値を
I2→I3→・・・→Inと(n-1)ポイント分だけ順次変化させて
行き、その度にオーディオ再生レベルA2,A3,・・・,Anを検
出させ、その再生レベル情報をRAMにセーブさせる(S10
→S11→S6)。尚、前記のビデオ記録電流I1〜Inは、磁気
テープ40が図4における特性aを有しているものである
場合には、オーディオ再生上の所要レベルApに対応する
ビデオ記録電流であるIxaの前後で選択されることが望
ましい。また、本実施例では、キャリブレイション時の
記録/再生をWRITE AFTER READで実行させるようにして
いるが、ビデオ記録電流値(Iq)を変化させた記録のみを
先行させ、磁気テープ40を巻も度した後に再生を実行さ
せて順次オーディオ再生レベル情報(Aq)を検出する手順
を採用してもよい。
【0021】前記の手順により、マイコン回路39にはn
個の測定ポイントに対応したオーディオ再生レベル情報
A1〜Anがセーブされていることになるが、マイコン回路
39は直ちにそれらの情報を内蔵の正規化関数群〔Fq(A):
q=1〜n〕に代入して正規化し、その正規化後のオーディ
オ再生レベル情報〔F1(A1),F2(A2),…,Fn(An)〕をRAMに
セーブさせる(S12,S13)。尚、ここで選択された正規化
関数群は、磁気テープ40の仕様に対応したものであり、
他の仕様の磁気テープがローディングされている場合に
は異なった正規化関数群が採用される。また、正規化関
数としては、図5に示すように、各オーディオ再生レベ
ル情報A1〜Anが予想されるレベルから極端に外れた値を
とる場合にも、上限と下限を制限して一定の範囲内にお
さめるような関数となっている。
【0022】次に、マイコン回路39は、オーディオ再生
レベル情報〔F1(A1),F2(A2),…,Fn(An)〕のセーブが完
了した時点で、内蔵した最適化関数を用いてビデオ最適
記録電流値Ixを求める(S14)。この最適化関数は、Ix=F
1(A1)+F2(A2)+…+Fn(An)+Po(但し、Poは定数)で表
現される関数であり、正規化後のオーディオ再生レベル
情報の和を演算してIxを導出する。
【0023】尚、前記の正規化関数と最適化関数の演算
は相当のデータ処理を要するため、例えば、図6のよう
な正規化関数〔F(Aq):q=1〜n〕を想定して、Ix=F(A1)
+F(A2)+…+F(An)+Po(但し、Poは定数)で表現される
最適化関数を用いてIxを導出することも可能である。ま
た更に、正規化関数を簡素化することにより、Ix=P1・A
1+P2・A2+…+Pn・An+Po(但し、Po〜Pnは重み付け定
数)、又はIx=P1(A1+A2+…+An)+Po(但し、Po,P1
は定数)で表現されるような簡単な最適化関数で演算さ
せてもよい。但し、後者の最適化関数は演算が簡単にな
るが、Ixの精度が低下する。
【0024】上記の演算により最適ビデオ記録電流値Ix
が求まると、マイコン回路39はその値をRAMにセーブさ
せた後、D/A変換器28へ出力させて記録用アンプ27のビ
デオ記録電流をIxに設定させる(S15,S16)。また、ビデ
オヘッド21vの再生側から検出されているビデオ信号再
生レベル情報Iovとオーディオヘッド21aの再生側から検
出されているオーディオ再生レベル情報Ioaを、それぞ
れビデオ再生信号処理回路34とA/D変換器32から検出
し、それらの各レベル情報もRAMにセーブさせる(S17,1
8)。
【0025】そして、マイコン回路39は前記にセーブし
たビデオ記録電流情報Ixとビデオ信号再生レベル情報Io
vをFDP制御回路36へ転送し、FDP35にそれらの情報を表
示させる(S19)。この場合の表示態様としては、それら
のレベル自体を数値表示させてもよいが、標準値に対す
るパーセント表示や、「悪い」/「やや悪い」/「普通」/
「やや良い」/「良い」等の文字表示でも良く、更にバーを
移動させるような段階的表示態様も採用できる。また、
本実施例ではFDP35に表示させるようにしているが、情
報Ix,Iovをビデオ再生信号処理回路34へ転送し、テレビ
画面の隅にオンスクリーン表示させることも可能であ
る。
【0026】次に、マイコン回路39は、セーブしている
ビデオ信号再生レベル情報Iov及びオーディオ再生レベ
ル情報Ioaを、予め格納してあるビデオ再生レベルの下
限閾値Iz及びオーディオ再生レベルの下限閾値Iy1・上限
閾値Iy2とそれぞれ比較し、その比較結果がIov<Iz、Io
a<Iy1又はIoa>Iy2の場合にはFDP制御回路36に異常通
知コードを出力させ、FDP35に「ヘッドゴミ付き異常」の
メッセージを表示させる(S20〜S21)。即ち、最適ビデオ
記録電流値Ixが設定されているにもかかわらず、前記の
比較結果となるのはヘッドにゴミが付着して所定の再生
出力が得られていない場合であり、その事実をオペレー
タに通知する。
【0027】以上の動作を実行した後、マイコン回路39
はシステムをキャリブレイションモードから解除させ、
待機モードへ移行させる(S22)。そして、以降の記録モ
ードにおいては記録アンプ27がビデオ最適記録電流値Ix
の出力状態にセットされており、オーディオ再生出力が
所要レベルAp以上に確保されると共に、ビデオ再生出力
も略最大レベルに設定された状態での再生が可能にな
る。
【0028】尚、本システムではYC調整合成回路26から
出力されるYC合成信号を調整するようにしているが、輝
度信号Yのみを調整するように構成することも可能であ
る。また、本システムの構成によれば、オーディオ信号
については、その変調方式を問わずに、FM信号、PCM信
号、更にはFM信号とPCM信号が混合された信号をも取扱
うことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の構成を有していることに
より、次のような効果を奏する。請求項1の発明は、多
重記録方式の磁気記録再生装置において、そのビデオ最
適記録電流の設定のためのキャリブレイション実行時
に、全ての測定ポイントの結果を利用して正規化関数と
最適化関数で電流値を設定するようにしているため、全
ての測定データを無駄なく実効的に利用して精度の高い
ビデオ最適記録電流値を求めることを可能にする。ま
た、正規化関数を用いて演算を行うため、磁気テープの
傷やドロップアウトに起因した異常値が存在しても、最
終的に求められるビデオ最適記録電流値に対する影響を
小さくすることができる。更に、本発明によれば、測定
ポイントが少なくても高い精度でビデオ最適記録電流値
を求めることができるため、キャリブレイションのため
の時間を短縮できると共に、測定データを記憶させるた
めのメモリ容量が小さくても足りるという利点を有して
いる。請求項2の発明は、ビデオ最適記録電流値又は/
及びビデオ再生レベルに係る情報を表示させるようにし
たことにより、オペレータが磁気テープの特性を明瞭に
確認でき、その後の磁気テープの使用や購入に際して参
考情報として利用することが可能になる。請求項3の発
明は、前記に求めたビデオ最適記録電流値で記録を行っ
ているにもかかわらず、ビデオ再生レベルやオーディオ
再生レベルが正常値として得られない場合に、ゴミ付き
によるヘッド異常を通知させ、迅速な対処を可能にす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置における記録電流設
定装置の基本的構成を示す図である。
【図2】実施例に係る磁気記録再生装置のブロック回路
図である。
【図3】キャリブレイションモードにおけるビデオ最適
記録電流値の設定手順を示すフローチャートである。
【図4】磁気テープについてのビデオ記録電流値とオー
ディオ再生レベルの関係を示すグラフである。
【図5】オーディオ再生レベルと正規化関数の関係を示
すグラフである。
【図6】オーディオ再生レベルと正規化関数の関係を示
すグラフである。
【図7】オーディオ記録電流を最適固定電流値としてビ
デオ記録電流を変化させた場合のオーディオ再生レベル
及びビデオ再生レベルの変化を示すグラフである。
【図8】従来の最適ビデオ記録電流値の求め方を説明す
るためのビデオ記録電流値とオーディオ再生レベルの関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ヘッドシリンダ、1a…オーディオヘッド、1v…ビデ
オヘッド、3…オーディオ記録レベル調整部、4…オーデ
ィオ記録レベル制御部、5…ビデオ記録レベル調整部、6
…ビデオ記録レベル制御部、7…正規化手段、8…演算手
段、9…表示手段、10…表示制御手段、11…キャリブレ
イション指示手段、12…テープ仕様識別部、Ai…オーデ
ィオ再生レベル情報、Ap…所要オーディオ再生レベル、
Ii…変化させるビデオ記録電流値、Ix…ビデオ最適記録
電流値。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互にアジマス角度が異なるオーディオ
    ヘッドとビデオヘッドを備えたヘリカルスキャン方式の
    ヘッドシリンダで磁気テープの同一トラック上にオーデ
    ィオ信号とビデオ信号を多重記録/再生すると共に、キ
    ャリブレイションモードでは磁気テープの仕様に対応し
    た最適記録電流値を自動的に設定することが可能な磁気
    記録再生装置において、キャリブレイション実行手段と
    して、オーディオ記録レベル調整部を制御して磁気テー
    プの仕様に対応した固定オーディオ記録電流値を設定す
    るオーディオ記録レベル制御部と、ビデオ記録レベル調
    整部を制御して複数の異なったビデオ記録電流をビデオ
    ヘッドへ順次出力させ、また後記の演算手段がビデオ最
    適記録電流値を求めた場合にはビデオ記録レベル調整部
    をその電流値の出力状態に設定するビデオ記録レベル制
    御部と、前記の固定電流値によるオーディオ信号と複数
    の異なったビデオ記録電流によるビデオ信号の各多重記
    録領域についてオーディオヘッドが再生した各オーディ
    オ再生レベル情報を磁気テープの仕様に対応して選択さ
    れる正規化関数によって正規化する正規化手段と、正規
    化された前記の各オーディオ再生レベル情報を変数と
    し、オーディオ再生レベルを所要レベル以上にしながら
    ビデオ再生レベルを略最大レベルとする最適化関数を用
    いてビデオ最適記録電流値を求める演算手段とを具備し
    たことを特徴とする磁気記録再生装置における記録電流
    設定装置。
  2. 【請求項2】 キャリブレーションモードにおいて、演
    算手段が求めたビデオ最適記録電流に係る情報又は/及
    びビデオ再生レベルに係る情報を表示手段に表示させる
    表示制御手段を設けた請求項1の磁気記録再生装置にお
    ける記録電流設定装置。
  3. 【請求項3】 ビデオ再生レベルの下限閾値及びオーデ
    ィオ再生レベルの下限閾値と上限閾値を記憶した記憶手
    段と、実際のビデオ再生レベルと記憶手段のビデオ再生
    レベルに係る下限閾値、及び実際のオーディオ再生レベ
    ルと記憶手段のオーディオ再生レベルに係る各閾値を比
    較する比較手段とを設け、比較手段によって実際のビデ
    オ再生レベルがビデオ再生レベルに係る下限閾値より低
    レベルであること、又は実際のオーディオ再生レベルが
    オーディオ再生レベルに係る下限閾値より低レベルであ
    ること、若しくは実際のオーディオ再生レベルがオーデ
    ィオ再生レベルに係る上限閾値より高レベルであること
    が検出された場合に、表示制御手段が表示手段に異常メ
    ッセージを表示させることとした請求項2の磁気記録再
    生装置における記録電流設定装置。
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