JPH0581529B2 - - Google Patents

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JPH0581529B2
JPH0581529B2 JP63315089A JP31508988A JPH0581529B2 JP H0581529 B2 JPH0581529 B2 JP H0581529B2 JP 63315089 A JP63315089 A JP 63315089A JP 31508988 A JP31508988 A JP 31508988A JP H0581529 B2 JPH0581529 B2 JP H0581529B2
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hydration
hemihydrate
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slurry
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F11/00Compounds of calcium, strontium, or barium
    • C01F11/46Sulfates
    • C01F11/466Conversion of one form of calcium sulfate to another

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は半水石膏の水和方法に関する。更に詳
しくは火成岩質の燐鉱石を硫酸で分解して得られ
る半水石膏の水和方法に関するものである。 〔背景技術〕 湿式燐酸製造において使用される燐鉱石にはそ
の成因、産地によつて種々の種類があるが、我が
国では従来モロツコ鉱石やフロリダ鉱石等の堆積
岩質の燐鉱石が使用されている。しかし、これら
の燐鉱石は近年次第に品位が低下してきているの
が現状である。 燐鉱石の品位の表現法として、燐酸石灰
(BPL…Bone phosphate of lime)の含有量で
表わす場合が多いが、例えばモロツコ鉱石の場合
は、従来BPLが75〜80重量%であつたものが最
近は70重量%以下に低下してきており、従つてそ
れだけ不純物の含有量が増加している。 一方、湿式燐酸の用途は我が国では従来は肥料
用が主体であつたが、近年は工業用燐酸、燐酸塩
等の工業薬品の原料に主体が移行してきている。
従つて、BPLの低下は燐鉱石の輸送費の増加と
共に、製造された湿式燐酸は上記用途に供するた
めの精製費用がかさみ好ましくない。 また、堆積岩質の燐鉱石は有機物の含有量が多
く、この影響で湿式燐酸中の有機物の含有量も増
加するので、この点も上記用途に供する上で好ま
しくない。 このような背景から、最近はBPLが高くかつ
有機物含有量の少ないソ連産のコラ鉱石や南ア連
邦産のフアラボア鉱石等の火成岩質のリン鉱石が
見直されてきている。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 二水−半水石膏法あるいは半水石膏法によつて
燐鉱石を硫酸で分解して湿式燐酸を製造する際に
は半水石膏が副生する。天然資源の乏しい我が国
では、この半水石膏は水和して二水石膏とし、石
膏ボード用原料やセメントの凝結遅延剤として利
用されている。 しかしながら、火成岩質の燐鉱石を使用して湿
式燐酸を製造する場合には、得られる半水石膏
(以下火成岩質性半水石膏と称する)はモロツコ
鉱石やフロリダ鉱石のような堆積岩質の燐鉱石を
硫酸で分解して得られる半水石膏(以下、堆積岩
質性半水石膏と称する)と比べ、水和のコントロ
ールが極めて困難で良質な二水石膏を得にくいと
いう問題がある。この原因は、火成岩質の燐鉱石
に多く含有されているストロンチウムやランタ
ン、セリウム等の希土類金属による水和の妨害作
用によるものであるというのが斯界の一般的に通
説である。 半水石膏の水和は通常次の方法によつて実施さ
れる。即ち、半水石膏に水を加えて半水石膏スラ
リーとし、このスラリーを攪拌して半水石膏を水
和させて二水石膏スラリーとした後、該二水石膏
スラリーの固液分離を行なう。この場合半水石膏
スラリーに種結晶として二水石膏を添加する改良
方法も提案されている。尚、本発明でいう水和と
は、半水石膏に水を付加して二水石膏に変化させ
ることを意味する。 しかしながら、火成岩質のリン鉱石膏を原料と
して得られた火成岩質性半水石膏は、前述の如く
水和のコントロールが難しく通常の水和方法で得
られる二水石膏は針状の微細な結晶となり易い。
この結果水和された二水石膏スラリーの固液分離
が不良となり、固液分離能力が著しく低下すると
共に、固液分離後の二水石膏の付着水の含有量も
高くなる。 かかる品質の二水石膏を、石膏ボード用原料や
セメントの凝結遅延剤として使用した場合、付着
水の蒸発除去に要する熱エネルギーが大きく増加
するといつた問題がある。また、付着水の含有量
が高いので、輸送費用の増加並びに輸送、混合時
等の作業性も阻害される。 また、石膏ボードを製造する際に、焼石膏のブ
レーン値が高くなり、その結果、混水量の増加を
招くという重大な問題がある。(石膏ボードは周
知のように、二水石膏を焼成して焼石膏(β半水
石膏)とした後、この焼石膏に水を加えて石膏ス
ラリーとし、このスラリーを2枚のボード原紙の
間に流展させて石膏を凝結させた後、定尺に切断
し余剰の水分を乾燥除去する方法で製造される
が、上記焼石膏を流展性のあるスラリーとするた
めの必要最小限の水の量を混水量という) 半水石膏の水和促進方法として、水中での水和
時に易反応性の非晶質アルミナや非晶質ケイ酸ま
たはアルカリ塩類等を添加する方法が知られてい
る。〔工業化学雑誌68、12、2332、(1965)〕しか
しながら、本発明者らの研究によれば、火成岩質
性半水石膏の水和にこの方法を適用してもその効
果は殆んど認められない。 火成岩質性半水石膏を水和させる際に、予め濃
度20重量%以上の硫酸液と接触することによつて
水和時間を短縮させる方法が開示されている(特
開昭58−91046号公報の方法)。しかしこの方法も
本発明者らの研究によれば、かなり高濃度の硫酸
液に長時間接触させた場合にのみ、水和時間が若
干短縮される程度のものであつた。 〔発明の目的〕 本発明の目的とするところは、火成岩質性半水
石膏を水和させて二水石膏とする際に、水和時間
の短縮を図り、水和された二水石膏スラリーの固
液分離が容易であり、かつ固液分離後の二水石膏
の付着水が少なく、粗大で極めて良好な結晶形状
を有する二水石膏を製造し、以つて石膏ボードや
セメント製造の産業分野への有効利用に活路を開
くことにある。 〔問題解決のための手段〕 本発明者らは、かかる実情に鑑み、本質的に水
和性の乏しい火成岩質性半水石膏の水和性を改良
するため鋭意検討を重ねた結果、該半水石膏に水
を加えて半水石膏スラリーとしたのち水和させる
際に、初期水和を種結晶存在下、特定のPH範囲で
行えば、水和後の固液分離も容易で、厚みのある
板状で良好な形状の二水石膏が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至つたものである。 即ち本発明の半水石膏の水和方法は、火成岩質
の燐鉱石を硫酸で分解して燐酸を製造する際に副
生する半水石膏に水を加えて半水石膏スラリーと
したのち水和するに当たり、第1水和層において
種結晶存在下、PH8〜12の範囲で部分水和を行つ
た後、1槽又は複数の水和槽からなる別の水和槽
に導き、水和を完了させることを要旨とするもの
である。 〔発明の詳細な開示〕 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の半水石膏の水和方法は、通常次の方法
により実施される。 直列に連結された複数の水和層の第1水和槽
に、水和のための水、原料半水石膏、種結晶とし
ての二水石膏およびPH調節剤である塩基性物質が
連続的に供給される。 湿式燐酸製造の際に副生する半水石膏は若干の
燐酸分を含有しているので、半水石膏スラリーの
PHは酸性で、通常1.5〜4の範囲にある。従つて、
本発明では該半水石膏スラリーに消石灰、苛性ソ
ーダ、苛性カリ等の塩基性物質を添加してPHを8
〜12の範囲に調節する。 本発明において、第1水和槽のPHは特に重要
で、8〜12の範囲に調節しなければならない。PH
の値が12を超えると水和速度が著しく遅くなり、
甚だしい場合には水和が殆ど進行しないといつた
不都合な事態を招く。逆にPHの値が8未満では、
水和はPHを調節しない場合と比べ多少改善される
ものの、水和された二水石膏が微細な針状の結晶
となり、従つて、次の工程である二水石膏スラリ
ーの固液分離が著しく困難になると共に、得られ
た二水石膏の付着水分が増加するのでこれまた不
都合である。 PHの調節は消石灰、苛性ソーダ、苛性カリ等の
塩基性物質が何れも使用できるが、中でも消石灰
は、他の塩基性物質と比較して廉価であり、ま
た、カルシウムそのものが石膏の構成成分と同一
であるため、水和された二水石膏中へ混入しても
何等悪影響を及ぼさないので好適である。塩基性
物質の第1水和槽への添加は固形のままでも差支
えないが、本発明では水和槽内のPHをなるべく速
やかに調節するのが好ましいので、従つて塩基性
物質はスラリー状または溶液状で添加するのが望
ましい。 尚、付言するならばPHの値が本発明で特定する
8〜12の範囲内においてもPHの値が12に近似する
程水和の所要時間は長くなる傾向を示す。しか
し、この場合には水和された二水石膏は結晶が十
分に粗大になるので、二水石膏スラリーの固液分
離は極めて容易で、また得られる二水石膏の付着
水も減少する。反対に初期PHの値が8に近似する
程、当然、上記と逆の傾向を示す。 本発明において第1水和槽に添加する種結晶
は、他の方法で得られた二水石膏を使用しても差
支えないが、本発明で固液分離された二水石膏ま
たは固液分離前の二水石膏スラリーを使用するの
が好ましい。即ち、第2水和槽以降の石膏スラリ
ーを一部リサイクル方法で添加するのが簡単で好
都合である。 また、第1水和槽に種結晶として二水石膏を添
加する場合の該二水石膏の添加量は、半水石膏
100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10
〜70重量部が適当である(何れも二水石膏換算、
乾燥基準)。二水石膏の添加量が5重量部未満で
は種結晶としての効果が薄く、逆に100重量部を
超える量添加しても効果の更なる向上は殆ど認め
られず、二水石膏添加のための労力の増加を招く
のみである。 水和槽における石膏スラリーのスラリー濃度
は、半水石膏またはこれに種晶として添加した二
水石膏の合計量(何れも二水石膏換算、乾燥基
準)として、通常5〜50重量%、好ましくは10〜
40重量%の範囲で実施される。スラリー濃度が5
重量%未満では、水和槽の容器を大きくせざるを
得ず経済的ではない。逆に、スラリー濃度が50重
量%を超える場合には、均一なスラリーとするた
めの攪拌動力が大きくなり好ましくない。 本発明においては、水和温度は常温〜80℃の温
度で適宜選択することができるが、水和温度が高
い程水和時間は長くなる傾向になるものの、水和
された二水石膏の結晶はむしろ良好なものになる
場合が多い。従つて、最適水和温度は水和の状況
を考慮して上記温度の範囲内で決定される。尚、
水和温度が80℃を超えると、水和所要時間が長く
なるばかりでなく、半水石膏が一部残存する惧れ
があるので好ましくない。 尚、半水石膏の水和に使用される水は一般に工
業用水を使用する場合もあるが、殆どの場合、湿
式燐酸工場や各種燐酸塩製造工場等から排出され
る工場排水から回収された、所謂、回収水または
この回収水と工業用水を混合した水が使用される
が、この回収水は燐鉱石及び燐酸製造工程あるい
は各種の燐酸塩製造工程等に由来する燐酸分、弗
素分、ナトリウム等の金属イオン等を微量含有し
ている。半水石膏の水和においては、これらの不
純物及び半水石膏中に含有している微量の燐酸
分、弗素分等の影響により、水和速度や得られる
二水石膏の形状が異なつてくる。従つて最適のPH
値、水和所要時間および水和温度は水和された二
水石膏の結晶の形状及び大きさ、得られた二水石
膏スラリーの固液分離性、固液分離後の二水石膏
の付着水量等を勘案し、最も経済的な値に調節す
ればよい。 第1水和槽では添加された種結晶を核として水
和が進行するが、水和の進行は供給される原料半
水石膏の約15〜80%である。次に、この部分水和
された石膏スラリーはオーバーフロー管により別
の槽へ送られ、水和が完結される。 本発明では第1水和槽のPHの値を8〜12の範囲
に調節すれば、第2槽以下のPHの値は殆どの場
合、水和の進行に伴つて自然に降下する。稀に自
然降下しなかつたり、あるいは降下開始の時期が
遅れる場合があるが、かかる場合には、適当な時
期に水和槽に硫酸等の酸性物質を添加してPHを強
制的に低下させる必要がある。しかしながら、こ
のようにPHを強制降下させる場合には、強制降下
時のPHが7以上になるように調節する必要があ
る。その理由は、PHを強制降下させた時点のスラ
リーが酸性域に達すると、それ以後の二水石膏の
結晶成長が著しく阻害されるためである。 第2水和槽以下の水和条件としては、PH4〜
8、常温〜80℃、滞留時間100〜150分程度であ
り、この条件下で水和が完了する。 かくして水和された二水石膏スラリーは、次に
オリバーフイルター、プレスフイルター、遠心濾
過機等の通常公知の固液分離装置に供給して、二
水石膏を得ることができる。 〔実施例〕 以下、第1図を用いて実施例によつて本発明
を、更に具体的に説明する。尚、以下において%
及び部は全て重量基準を表わす。 実施例 1 第1図に示す装置を用い、連続水和実験を行つ
た。有効容積が1の第1水和槽1、及び有効容
積が各4の第2水和槽2〜第4水和槽4には攪
拌機及び還流冷却器6〜9を設けた。また、第1
水和槽1への原料半水石膏10は定量フイーダ
ー、回収水11及び濃度10%の消石灰スラリー1
2は定量性チユーブポンプをそれぞれ使用した。
更に、第4水和槽4の水和された二水石膏スラリ
ーは、第1水和槽1へリサイクルできるように定
量性チユーブポンプ5を設置した。 まず、第1水和槽1に湿式燐酸工場の排水を処
理して得た回収水11(PH6.5)を500ml仕込み、
攪拌しながら加熱して63℃の温度に維持した。次
に、この第1水和槽1に二水−半水石膏法で
BPL88%のフアラボラ鉱石を硫酸で分解し、次
いで濾過して得られた半水石膏(付着水17.0%、
燐酸分(P205換算)0.2%)を276g添加した後、
更に濃度10%の消石灰スラリー12を添加してPH
を10.3に調節した。 その後は、この第1水和槽1へ回収水11を
5.03/h、原料半水石膏10を2.77Kg/hで連
続的に添加すると共に、第1水和槽1のPHを10.0
〜10.5に調節して、水和を行なつた。半水石膏ス
ラリーは水和されながら順次、第2、第3、第4
水和槽4へとオーバーフロー管を経て移液された
が、各水和槽の温度は60〜63℃に維持した。 水和された二水石膏スラリーが第4水和槽4か
らオーバーし始める時点で、該二水石膏スラリー
を4.0Kg/hの流量で連続的に種結晶として第1
水和槽1へリサイクルした。このリサイクル量は
第1水和槽1へ連続的に添加する原料半水石膏1
0、回収水11及び濃度10%の消石灰スラリー1
2の合計量の約50%に相当する。尚、水和は上記
二水石膏スラリーのリサイクルを開始してから8
時間行つたが、この間の各水和槽のPHは第1水和
槽1が10.0〜10.5、第2水和槽2が6.3〜6.6、第
3水和槽3が6.0〜6.3、第4水和槽4が5.8〜6.0
であつた。 更に、上記二水石膏スラリーのリサイクルを開
始した時点から1時間毎に、第4水和槽4中の二
水石膏スラリーを一部サンプリングし、40℃の温
度に冷却後直径500mmの磁性ブフナ漏斗を用いて
減圧濾過した。即ち、磁性ブフナ漏斗に東洋瀘紙
(株)製No.2瀘紙を敷き、該瀘紙上に上記の半水石膏
スラリーを供給し、下部より真空ポンプで400mm
Hg−absの圧力で減圧吸引して濾過した。尚、濾
過時間は濾過開始よりこの時点までとした。濾過
終了後はブフナ漏斗上の二水石膏層に工業用水
500mlをスプレーして洗浄し、洗浄後は上記圧力
で、更に10分間吸引して二水石膏の脱水を行つ
た。濾過速度は182〜203/m2・min、二水石膏
中の付着水分含量は18.7〜19.3%であり良好であ
つた。 また、水和完了後の二水石膏スラリーは直ちに
上記濾過とは別にその一部をサンプリングして濾
過し、得られた二水石膏を5倍量のメチルアルコ
ールで洗浄した。洗浄後の二水石膏は60℃の温度
で1時間乾燥して、付着しているメチルアルコー
ルを揮散した後、顕微鏡で結晶を観察した。その
結果石膏中に半水石膏の存在は認められず、か
つ、粗大で良好な板状結晶でありアスペクト比
(結晶の長さL/幅D)が2〜3であることが分
かつた。 得られた二水石膏のブレーン値を測定し1650〜
1770cm2/gの値を得た。 また、第1水和槽1の石膏スラリーをサンプリ
ングして石膏の結晶水を測定し、半水石膏の水和
率を求めた。その結果、供給した半水石膏の約21
%が第1水和槽1で水和していることが分かつ
た。 実施例 2 第1水和槽1を容積4のものと交換した以外
は実施例1と同様の装置を用い、連続水和実験を
行つた。実験条件は、第1水和槽1のPHを9.2〜
9.6に調節した以外は実施例1と同様である。各
水和槽のPHは第2水和槽2が6.5〜6.9、第3水和
槽3が6.2〜6.5、第4水和槽4が5.9〜6.2となつ
た。水和完了の石膏スラリーは、実施例1と同様
に濾過を行い、濾過速度170〜200/m2・min、
二水石膏の付着水分19.0〜1.95%の結果を得た。
また、石膏の顕微鏡観察により半水石膏の残存は
認められず、結晶も粗大な板状結晶であることが
分かつた。二水石膏のアスペクト比及びブレーン
値は、各々2〜3、1700〜1800cm2/gであつた。 また、第1水和槽1の石膏スラリーをサンプリ
ングし、実施例1と同様にして半水石膏の水和率
を求めた。その結果、供給した半水石膏の約65%
が第1水和槽1で水和していることが分かつた。 比較例 1 実施例1で使用した装置を使用し、消石灰スラ
リー12によるPHの調節を行なわずにその他は実
施例1と全く同様の方法で半水石膏の水分を行つ
た。実験中の各水和槽のPHは第1水和槽1が2.7
〜2.9、第2水和槽2が2.4〜2.7、第3水和槽3が
2.0〜2.3、第4水和槽4が1.6〜1.9であつた。 水和された二水石膏スラリーの濾過及び二水石
膏結晶の顕微鏡による観察を行なつた。得られた
石膏中にはかなり多くの半水石膏が残存してお
り、また結晶も微細な針状であつた。 二水石膏の付着水分24〜25%、アスペクト比6
〜7、ブレーン値4250〜4350cm2/g、濾過速度
100〜105/m2・minであつた。また、半水石膏
の第1水和槽1における水和率を求めた結果、供
給した半水石膏の約30%が水和していることが分
かつた。 比較例 2 実施例1で使用した装置を使用し、種結晶は添
加せず、その他は実施例1と全く同様の方法で半
水石膏の水和を行つた。実験中の各水和槽のPHは
第1水和槽1が9.8〜10.4、第2水和槽2が6.5〜
6.8、第3水和槽3が5.8〜6.4、第4水和槽4が
5.5〜6.1であつた。 水和された二水石膏スラリーの濾過及び二水石
膏結晶の顕微鏡による観察を行なつた。その結
果、得られた石膏中にはかなり多くの半水石膏が
残存しており、また結晶も微細な針状であつた。 二水石膏の付着水分23〜24%、アスペクト比5
〜6、ブレーン値3450〜3550cm2/g、濾過速度
110〜120/m2・minであつた。また、半水石膏
の第1水和槽における水分率を求めた結果、供給
した半水石膏の約20%が水和していることが分か
つた。 比較例 3 実施例1で使用した装置を使用し、種結晶とし
て石膏スラリー5循環を第4水分槽4から抜き出
し、第2水和槽2へと変更した以外は実施例1と
全く同様の方法で半水石膏の水和を行なつた。実
験中の各水和槽のPHは第1水和槽1が10.0〜
10.5、第2水和槽2が6.9〜7.3、第3水和槽3が
6.1〜6.5、第4水和槽4が6.0〜6.5であつた。 水和された二水石膏スラリーの濾過及び二水石
膏結晶の顕微鏡による観察を行なつた。その結
果、得られた石膏中にはわずかに半水石膏が残存
する程度であつたが、結晶は小さな針状であつ
た。二水石膏の付着水分22.0〜22.5%、アスペク
ト比3〜5、ブレーン値2800〜2900cm2/g、濾過
速度135〜140/m2・minであつた。また、半水
石膏の第1水和槽1における水和率を求めた結
果、供給した半水石膏の約25%が水和しているこ
とが分かつた。 比較例 4 実施例1で使用した装置を使用し、第1水和槽
1の消石灰スラリー12によるPH調節範囲を6.8
〜7.2とした以外は実施例1と全く同様の方法で
半水石膏の水和を行なつた。実験中の各水和槽の
PHは第2水和槽2が5.5〜5.7、第3水和槽3が5.2
〜5.5、第4水和槽4が4.8〜5.1であつた。 水和された二水石膏スラリーの濾過及び二水石
膏結晶の顕微鏡による観察を行なつた。その結
果、得られた石膏中にはかなりの半水石膏が残存
し、結晶も微細な針状であつた。 二水石膏の付着水分22.5〜23.0%、アスペクト
比4〜5、ブレーン値3050〜3100cm2/g、濾過速
125〜130/m2・minであつた。また、半水石膏
の第1水和槽1における水和率を求めた結果、供
給した半水石膏の約28%が水和していることが分
かつた。 比較例 5 実施例1で使用した装置を使用し、第1水和槽
1の消石灰スラリー12によるPH調節範囲を12.5
〜12.9とした以外は実施例1と全く同様の方法で
半水石膏の水和を行つた。実験中の各水和槽のPH
は第2水和槽2が12.5〜12.8、第3水和槽3が
12.3〜12.5、第4水和槽4が11.9〜12.0であつた。 得られた石膏の顕微鏡による観察を行なつた結
果、大部分が半水石膏のままで、水和は殆ど進行
していないことが分かつた。 試験例1、2及び比較試験例1〜6 実施例1、2、比較例1〜4で得た各二水石膏
を使用して、石膏の物理試験を行なつた。尚、比
較のために天然石膏及び排脱石膏についても同様
の方法で試験を行なつた。 即ち、上記石膏の各5Kgを石膏試験釜で焼成し
て焼石膏(β半水石膏)とし、JIS R−9112の方
法によりこの焼石膏の混水量、凝結時間、ヌレ引
張強度を測定した。 尚、比較例1〜4で得た二水石膏は水和が完全
でないので、各比較例の条件(第4水和槽水和条
件下)で更に3時間水和を行なつたものを上記試
験に供した。試験に供した上記各比較例の二水石
膏(各3時間更に水和を行なつたもの)を顕微鏡
で観察したところ、比較例1、2および4の二水
石膏は若干量の半水石膏の存在が認められたもの
の、水和はほぼ完了していた。比較例3の二水石
膏は半水石膏の存在が全く認められず、水和は完
了していた。比較例5で得られた石膏も同様の試
験に供するため、上記と同様更に3時間水和を行
つたが相当量の半水石膏が残存していたので物理
試験に供さなかつた。 試験結果を第1表に示すが、実施例1、2で得
られた二水石膏は、混水量、凝結速度、ヌレ引張
強度の何れも天然石膏や排脱石膏と比較して遜色
ないものであり、石膏ボード用の原料石膏として
好的に使用できることが分かる。一方、比較例で
得られた二水石膏は天然石膏や排脱石膏と比較し
て相対的に物理性能が劣り、石膏ボード用原料石
膏として好ましくないものであることが分かる。
【表】
〔発明の効果〕
本発明の方法は以上詳細に説明した通り、火成
岩質の燐鉱石を原料として二水−半水石膏法また
は半水石膏法で燐酸を製造する際に副生する火成
岩質性半水石膏を水和するに当たり、初期水和を
種結晶存在下、特定のPH範囲で行なうという極め
て簡単な方法である。 従来の低PH域で火成岩質性半水石膏の水和を行
つた場合には、水和が不完全で、かつ水和された
二水石膏も微細な針状結晶となり易い。このため
二水石膏スラリーの固液分離が不良で、得られる
二水石膏は付着水の含量が多くなる。また、石膏
ボード用原料として使用した場合に焼石膏の混水
量も増加するという、種々の問題がある。 これに対し本発明の方法は上記従来の方法に比
べて水和時間が短く、また、水和された二水石膏
は、形状が粗大で厚みのある板状の結晶であるの
で、水和された二水石膏スラリーの固液分離も容
易であり、かつ、得られた二水石膏の付着水も少
ない。 従つて、石膏ボード用原料やセメントの凝結遅
延剤として、良好な品質のものが得られる。ま
た、付着水が少ないので二水石膏の輸送費用の低
減となることもさることながら、上記用途に使用
する際の、付着水の蒸発除去に要する熱エネルギ
ーも減少する。 更に、本発明の方法は半水石膏の水和速度が早
く、かつ水和された二水石膏スラリーの固液分離
性が良好であるので、原料燐鉱石として火成岩質
のものを使用しても、水和工程及び固液分離工程
の設備を増強する必要はない。 本発明の方法は上記のように種々の優れた利点
を有しており、その産業上に果たす経済的効果は
極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、半水石膏の水和実験に用いた装置の
概略を示すフローシートである。 図において、1……第1水和槽、2……第2水
和槽、3……第3水和槽、4……第4水和槽、5
……ポンプ、6……還流冷却器、7……還流冷却
器、8……還流冷却器、9……還流冷却器、10
……原料半水石膏、11……回収水、12……消
石灰スラリー、13……石膏スラリーリサイク
ル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 火成岩質の燐鉱石を硫酸で分解して燐酸を製
    造する際に副生する半水石膏に水を加えて半水石
    膏スラリーとしたのち水和するに当たり、第1水
    和槽において種結晶存在下、PH8〜12の範囲で部
    分水和を行つた後、1槽又は複数の水和槽からな
    る別の水和槽に導き、水和を完成させることを特
    徴とする半水石膏の連続水和方法。 2 第1水和槽に二水石膏を種結晶として添加す
    ることを特徴とする請求項1記載の半水石膏の連
    続水和方法。 3 半水石膏と種結晶として添加した二水石膏の
    合計のスラリー濃度が5〜50重量%であることを
    特徴とする請求項1または2記載の半水石膏の連
    続水和方法。 4 第2層以降の石膏スラリーに酸性物質を添加
    することを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    半水石膏の連続水和方法。
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