JPH0580482B2 - - Google Patents

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JPH0580482B2
JPH0580482B2 JP29167585A JP29167585A JPH0580482B2 JP H0580482 B2 JPH0580482 B2 JP H0580482B2 JP 29167585 A JP29167585 A JP 29167585A JP 29167585 A JP29167585 A JP 29167585A JP H0580482 B2 JPH0580482 B2 JP H0580482B2
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cellulose
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cmc
amount
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は耐塩水性の優れた低置換度カルボキシ
メチルセルロースエーテルアルカリ金属塩の製造
法に関するものである。 カルボキシメチルセルロースエーテルアルカリ
金属塩(以下CMCと略称する)は、水溶性高分
子電解質であり、増粘性、接着性、分散性、保水
性等の機能を有していることから食品、医薬、化
粧品、捺染糊、紙、繊維壁、土木および石油ボー
リング用泥水、釉薬等広汎な分野に使用されてい
る。しかし、近年、CMCの用途開発が進み、よ
り多くの分野で使用されるようになるに従つて、
ユーザーのニーズは多様化し、かつ高度化する傾
向が見受けられる。その一つとして、分散性およ
び保水性を有するCMCとして、置換度(以下DS
と略称する)0.45〜0.75の低DSでかつ耐塩水性の
優れたCMCが浮遊選鉱用助剤および養魚餌料用
バインダー等の分野で望まれている。 本発明の目的は、このような分野等に好適な耐
塩水性の優れた低DSCMCの製造法を提供するこ
とである。 (従来の技術およびその問題点) CMCは、セルロースにアルカリの存在下、エ
ーテル化剤を作用させて、いわゆる不均一系の固
液反応によつて製造されるセルロースエーテルで
あり、アルカリとしては水酸化ナトリウム、エー
テル化剤としてはモノクロル酢酸または、そのナ
トリウム塩が使用されることは良く知られてい
る。 CMCの製造法は、その反応媒体または分散媒
体として水媒体を採る水媒法と、有機溶媒体を採
る溶媒法の二方法に大別されるが、溶媒法は水媒
法に比し少量のアルカリでアルカリセルロースを
得ることができ、エーテル化反応が比較的短時間
で達成され、エーテル化剤の有効利用率が高く、
少量のエーテル化剤の使用ですみ、しかも良質の
CMCが得られるので工業的に非常に多く実用化
されている。 この溶媒法によるCMCの製造においては、含
水有機溶媒中で、先ずセルロースに水酸化ナトリ
ウムを作用させてアルカリセルロースを調製し、
しかる後にモノクロル酢酸を添加してエーテル化
反応を行なう方法が一般的である。 エーテル化剤としてモノクロル酢酸が工業的に
最も多く使用される理由は、モノクロル酢酸ナト
リウムに比べてアルカリセルロース調製時のアル
カリ量が約2倍量となるため、セルロースの結晶
構造の破壊が十分行なわれることにより透明性の
良いCMCが得られるということと、CMCの反応
溶媒としてよく使用されるイソプロピルアルコー
ル(以下IPAと略称する)およびエチルアルコー
ルに対する溶解度が高く、水以外の溶媒に殆んど
溶解しないモノクロル酢酸ナトリウムに比べ反応
効率の低下を招く水を使用せずにIPA等の反応溶
媒に溶解して仕込むことができる利点があり、さ
らに容易に入手できる等によるものである。 しかし、アルカリセルロース調製後にモノクロ
ル酢酸の添加箇所は一時的かつ部分的に酸性とな
ること、ないしは著しくアルカリ性を失なうこと
は防止しがたいことである。これは強酸に近いモ
ノクロル酢酸と強アルカリであるアルカリセルロ
ース中の水酸化ナトリウムが急激な中和反応を起
し、その部分において既に生成していたアルカリ
セルロースが破壊されてセルロースにもどり、反
応性が著しく低下することを意味する。また、こ
の急激な中和反応に伴なう中和熱により系内温度
が急上昇し、モノクロル酢酸添加中にかなりのエ
ーテル化反応が進行してしまう。 品質の優れたCMC、特に耐塩水性の優れた
CMCを得るには、CMCの製造においてエーテル
化反応を均一に進行させる必要があるが、前記の
ような急激な中和反応のためにエーテル化反応の
不均一な進行を抑制することが難しく、CMCの
品質、特に耐塩水性に好ましくない影響を与え
る。 これに対し、エーテル化剤としてモノクロル酢
酸ナトリウムを使用すれば、モノクロル酢酸の場
合のような急激な中和反応に起因する不均一反応
は起こらないが、すでに述べたような欠点がある
ため、溶媒法によるCMC製造のエーテル化剤と
しては適当ではない。 このように、エーテル化剤としてモノクロル酢
酸およびモノクロル酢酸ナトリウムを使用した場
合の問題点を解決する方法として、CMCの反応
溶媒としてよく使用されているIPAに対する溶解
度が大きく、モノクロル酢酸の場合のような急激
な中和反応を起さず徐々にケン化反応を行なうこ
とのできるモノクロル酢酸イソプロピルをエーテ
ル化剤として使用する方法が知られている(特公
昭60−3561号公報)。 このエーテル化剤にモノクロル酢酸イソプロピ
ルを使用する方法によつて、従来の製造法より耐
塩水性の優れたDS0.76〜1.60のCMCを製造でき
るようになつたが、DS0.45〜0.75の低DSCMCに
ついては、置換基の絶対数が少ないことも影響し
ているが、その耐塩水性は十分ではない。 これはDS0.45〜0.75の低DSCMCを製造する場
合は、アルカリセルロース調製時に使用するアル
カリの使用量が少なくなり、均質なアルカリセル
ロースの調製が困難になるため、その後のエーテ
ル化反応が均一に進行しないためである。すなわ
ち、通常アルカリの使用量は、エーテル化剤にモ
ノクロル酢酸またはモノクロル酢酸エステルを使
用する場合、エーテル化剤の2.03〜2.30倍のモル
数を使用する。従つて、セルロースの無水グルコ
ース単位当りのアルカリ使用量は約0.60〜2.00モ
ルとなり、均質なアルカリセルロースを調製する
には不十分である。なお、アルカリの使用量を多
くすると、エーテル化反応時にエーテル化剤の副
反応が促進されることにより、高価なエーテル化
剤の有効利用率が低下するため経済的に不利であ
る。 一方、比較的耐塩水性の良い低DS多糖類エー
テルの製造法として、アルカリ多糖類調製時は十
分なアルカリを使用して均質なアルカリ多糖類を
調製し、エーテル化反応前に過剰のアルカリを圧
搾以外の方法で化学量論量の25重量%まで減小さ
せてエーテル化する方法が提案されているが(特
公昭44−560号公報および特公昭47−293号公報)、
若干の耐塩性の向上は認められるものの、まだ不
十分である。これは、酸で過剰のアルカリを中和
するときに、一度均質にできたアルカリ多糖類が
先記のような急激な中和反応によつて破壊され
て、部分的に多糖類にもどり、反応性が低下し、
その後のエーテル化反応が不均一に進行するため
と考えられる。 また、この中和後のアルカリ残存量をエーテル
化剤の25重量%以下に減少させていることも、均
質なアルカリ多糖類の破壊を助長し、不均一なエ
ーテル化反応の進行を阻害していると考えられ
る。すなわち、アルカリ多糖類がアルカリセルロ
ースの場合、アルカリセルロースの組成は、X線
等の研究結果(Z.Physik Chem.,(B)43309
(1939)から、セルロースの無水グルコース単位
と等モルであると言われている。従つて、エーテ
ル化反応前に過剰のアルカリを酸等で中和する場
合、エーテル化剤のモル数を基準とした化学量論
量の25重量%以下として残存アルカリ量を規定す
ると、DS0.25〜0.60の低DSCMCを製造する場合
には、残存アルカリ量はセルロースの無水グルコ
ース単位に対して約0.40〜0.90モルとなり、アル
カリセルロースの理論必要量(等モル)より大幅
に少なくなる。このことはエーテル化開始前に、
アルカリセルロースを形成していない部分を含ん
でいることを意味する。このため、その後のエー
テル化反応によつて反応が不均一に進行するた
め、生成CMCの品質、特に耐塩水性に悪影響を
及ぼしているものと考えられる。 なお、一般的に反応系中の過剰なアルカリ量が
少ないほど、エーテル化剤がグリコール酸ナトリ
ウムとなる副反応を抑制することができるが、エ
ーテル化反応開始前の残存アルカリ量をセルロー
スの無水グルコース単位に対して等モルより大幅
に少なくすると主反応、すなわちアルカリセルロ
ースのカルボキシメチル化反応速度も遅くなり、
結果的に副反応の比率を抑制してエーテル化剤の
有効利用率を向上させることは困難である。 従つて、特公昭47−293号公報の方法のように、
エーテル化反応前にアルカリ量をセルロースに対
して等モルより大幅に減少させることは、生成
CMCの品質だけではなく、エーテル化剤の有効
利用率向上という経済的理由からも好ましくな
い。 本発明者は、かかる現状に鑑み、前記の目的を
達成すべく鋭意検討した結果、耐塩水性の優れた
低DSCMCの製造法を見い出したものである。 (問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は含水イソプロピルアルコー
ル中でセルロースにアルカリを作用させてアルカ
リセルロースを調製した後、エーテル化剤を添加
してエーテル化反応を行ない、カルボキシメチル
セルロースエーテルアルカリ金属塩を製造するに
当り、アルカリセルロース調製時のアルカリ量を
セルロースの無水グルコース単位当り2.0〜6.0モ
ル使用してアルカリセルロースを調製した後、有
機酸イソプロピルエステルとエーテル化剤として
モノクロル酢酸イソプロピルを使用して反応系中
のアルカリ量をセルロースの無水グルコース単位
当り0.95〜1.20モルとした後、エーテル化反応を
行なうことを特徴とする耐塩水性の優れた
DS0.45〜0.75の低DSCMCの製造法である。 本発明の製造法により耐塩水性の優れたCMC
が得られる理由は明確ではないが、次のように考
えられる。 含水IPA中で、セルロースの無水グルコース単
位当り2.0〜6.0モルのアルカリ量を使用すること
によつて均質なアルカリセルロースを調製した
後、エーテル化反応前にアルカリ量を減少させる
方法として比較的ケン化速度の遅い有機酸イソプ
ロピルエステルとエーテル化剤としてモノクロル
酢酸イソプロピルエステルを使用することによ
り、一度均質にできたアルカリセルロースを急激
な中和反応によつて局部的に破壊することなく、
徐々にケン化反応によりアルカリ量を減少できる
こと、さらにアルカリ量減少後のアルカリ量をア
ルカリセルロースの理論量に近いセルロースの無
水グルコース単位当り0.95〜1.20モルとすること
によつて、均質なアルカリセルロースを保持した
まま次のエーテル化反応を行なうことができる。 また、含水IPA中で、アルカリセルロースを調
製した場合は殆んどのアルカリはアルカリセルロ
ースに「吸着」しているため、ケン化反応はアル
カリセルロース中、またはその近傍で起こる。従
つて、このケン化反応によつてIPAが生成するた
めアルカリセルロース中またはその近傍の溶媒濃
度が上昇する。このことは、酸でアルカリを中和
した場合に水が生成し、溶媒濃度を低下させるの
に比し顕著な相異である。一般的に、含水有機溶
媒中でCMCを製造する場合、水に対して溶解性
の良いCMCが得られる溶媒濃度範囲では、溶媒
濃度が高いほど、また溶媒濃度が同じであれば含
水溶媒の使用量が少ないほど、すなわち、反応系
中の水の量が少ないほど、エーテル化剤の有効利
用率が高く、経済的に有利なばかりではなく、耐
塩水性の良いCMCが得られることが当業者間で
は良く知られていることである。従つて、ケン化
反応によりアルカリセルロース中およびその近傍
で副生するIPAによつてエーテル化反応の均一な
進行が期待される。 以上のような理由で本発明の製造法によつて耐
塩水性の良いCMCが得られるものと考えられる。 なお、先記の特公昭47−293号公報では、アル
カリ量の減少方法として圧搾以外の手段によると
しているが、明細書中には酸を用いてアルカリを
中和するのが実際的な方法であるとしており、そ
の他の方法として、洗滌、溶媒抽出法を挙げてい
るが、実施例は全て酢酸であり、有機酸エステル
使用の記述はなく、本発明のような効果は全く予
想していない。 本発明においてい、アルカリセルロース調製時
のアルカリ量をセルロースの無水グルコース単位
当り2.0〜6.0モルとしたのは、約1.9モル以下では
均質なアルカリセルロースの生成が困難であり、
約6.5モル以上では経済的に不利なるためである。 また、有機酸イソプロピルエステルとしては、
ギ酸イソプロピル、酢酸イソプロピル、プロピオ
ン酸イソプロピル等が使用可能であるが、酢酸イ
ソプロピルが最も実際的である。なお、有機酸イ
ソプロピルおよびエーテル化剤であるモノクロル
酢酸イソプロピルのエステル基を他のエステル
基、例えばメチル基またはエチル基等をもつたエ
ステルの使用も考えられるが、これはケン化速度
が早く、アルカリセルロースの局部的な破壊を十
分抑制することが困難である。また、CMCの反
応溶媒としてイソプロピルアルコールが最も広く
使用されていることから、ケン化でイソプロピル
アルコールが生成することも併せて考えると、副
生アルコールを分離する必要のないイソプロピル
エステルの使用が最も好ましい。 なお、含水IPAの使用量は、原料セルロース重
量に対して2〜50重量倍使用可能であるが、4〜
15倍程度が品質、特に耐塩水性において好適であ
る。一方、溶媒濃度(以下IPA濃度と略称する)
は、溶媒の使用量にも依存するが、80〜90%が好
適である。 また、アルカリセルロースの調製は、通常10〜
30℃で、60〜120分程度行ない、有機酸イソプロ
ピルエステルおよびエーテル化剤であるモノクロ
ル酢酸イソプロピルエステルの添加混合は10〜40
℃で少量ずつ行ない、添加後30分程度10〜30℃で
攪拌混合する。次にエーテル化反応は、60〜80℃
に昇溜し、60〜360分間行ない、本発明のCMCを
得る。 本発明の製造法で製造するCMCのDSは0.45〜
0.75であるが、これはDS0.44以下では置換基数の
不足により耐塩水性の良いCMCを製造すること
は困難であり、0.76以上の場合は従来の製造法、
例えば特公昭60−3561号公報によつて耐塩水性の
優れたCMCが製造可能である。 また、発明に使用するセルロース原料は木材パ
ルプまたはコツトンリンターのいずれでも使用可
能である。 なお、使用するアルカリは、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム等が使用
可能であるが、水酸化ナトリウムが最も一般的で
ある。従つて、生成するCMCは通常ナトリウム
塩である。 本発明の方法で製造したCMCは、浮遊選鉱用
助剤および養魚餌料用バインダーの他に、海水ま
たは塩水の存在下に使用する石油ボーリング用泥
水添加剤等として有用であるだけでなく、食塩等
の塩共存下で使用する用途等多くの用途に有用で
ある。 (実施例) 以下、本発明を具体的に説明する実施例および
比較例を示すが、これらの実施例に限定されるも
のではない。 なお、実施例および比較例中の部とは重量部、
%は重量%を示す。 試験方法 なお、(1)エーテル化剤の有効利用率(AM)お
よび生成CMCの(2)DS、(3)粘度、(4)透明度および
(5)耐塩水性の測定方法および評価方法は次の通り
である。 (1) エーテル化剤有効利用率(AM) 次式により求めた。 AM=生成CMCのDS/仕込みエーテル化剤のセルロー
スの無水グルコース単位当りのモル数×100% (2) 置換度(DS) CMC1.0gを精秤し、白金ルツボに入れて600
℃で灰化し、灰化によつて生成した酸化ナトリウ
ムをN/10−H2SO4でフエノールフタレインを
指示薬として滴定し、その滴定量Amlを次式に入
れて計算し、DSを求めた。 DS=162×A×f/10000−80×A×f ここで、fはN/10H2SO4の力価である。 (3) 粘度 CMC2.5gを直径55mm、深さ125mmの円筒状の
ガラス容器に仕込み、純水または所要濃度の食塩
水をCMCが1%濃度となるように仕込んで溶解
する。 次に、25℃に温度調節後、BL型粘度計(東京
計器(株)製)を用いて、ローターを60rpmで1分間
回転を行なつた後、数値を読みとり、所定の定数
を乗じて粘度を求めた。単位は〔CP〕(センチポ
イズ)で示した。 (4) 透明度 CMCの0.5%水溶液の一定光源下での透視度
を、液柱の高さによつて表わしたもので、当業界
において通常使用されている方法であり、反応が
不均一であると未反応セルロースや未溶解部分、
膨潤ゲル体などによつて透視度が低下し、透明度
の数値が小さくなる。 従つて、反応が均一なほど透明度は大きい。 なお、数値は〔mm〕で示した。 (5) 耐塩水性 耐塩水性は、1%および4%食塩水にCMCを
1%濃度で溶解し、その粘度を測定して高粘度を
示すものほど耐塩水性優れているとして評価し
た。なお、4%食塩水はほぼ海水中の塩濃度に近
く、かつCMCを溶解した場合、純水に溶解した
場合に比し最も粘度低下し易い濃度である。 また、耐塩水性の定量的評価法として、下記の
式で求められる粘度比を求めた。 粘度比=1%または4%食塩水中での
CMC1%溶液の粘度/純水中でのCMC1%溶液の粘度 この粘度比が大きいほど耐塩水性は優れている
として評価した。 (実施例および比較例) 実施例 1 二軸の攪拌翼を有する5の反応機に
IPA613.4部(純度100%)を仕込み、さらに水酸
化ナトリウム118.3部(純度98%)を純水143部に
溶解して仕込み、15℃に冷却後、粉末状セルロー
ス200部(純度94%、平均重合度2400)を仕込み、
15〜20℃で60分間攪拌混合を行なつてアルカリセ
ルロースを調製する。 次に、モノクロル酢酸イソプロピル110.0部
(純度99%)と酢酸イソプロピル97.2部(純度99
%)をIPA133.6部で希釈して少量ずつ添加し、
20〜30℃で30分間攪拌混合を行う。 その後、70℃に昇温して60分間攪拌混合を行な
い、エーテル化反応を行なつた後、過剰の水酸化
ナトリウムを酢酸で中和する。 反応終了後、反応混合物を反応機より取り出
し、遠心分離して反応溶媒のIPAを除去し、次い
で75%メチルアルコール水溶液4000部で2回洗滌
して副生成物である食塩、グリコール酸ナトリウ
ムおよび酢酸ナトリウムを除去した後、100%メ
チルアルコール3000部で1回置換し、遠心分離し
てメチルアルコールを除去した。精製した生成物
を乾燥器で80〜100℃で約4時間乾燥して、本発
明のCMCを得た。 第1表に反応条件および生成CMCの性状をま
とめた。 比較例 1 実施例1のエーテル化剤であるモノクロル酢酸
イソプロピルのかわりに、モノクロル酢酸を使用
し、アルカリ量減少用酢酸イソプロピルのかわり
に酢酸を用いた他は、実施例1と同じ条件で反応
を行なつたものを比較例1とした。 比較例 2 実施例1に比し水酸化ナトリウムの使用量を
81.5部として少なくして、かつ、アルカリ量減少
用酢酸イソプロピルを使用しない以外は、実施例
1と同じ条件で反応を行なつたものを比較例2と
した。 比較例 3 比較例2のエーテル化剤であるモノクロル酢酸
イソプロピルのかわりに、モノクロル酢酸を使用
したものを比較例3とした。 実施例2および比較例4 実施例1に比し、水酸化ナトリウムおよびアル
カリ量減少用酢酸イソプロピル使用量を減少させ
たものを実施例2および比較例4とした。 実施例3および比較例5 実施例1に比し、エーテル化剤であるモノクロ
ル酢酸イソプロピルの使用量を少なくして低
DSCMCを製造したものを実施例3および比較例
5とした。 比較例 6 実施例3に比し、アルカリ減少剤の量を多くし
て残存アルカリ量をエーテル化剤の10%過剰量ま
で少なくしたものを比較例6とした。 これらの詳細な反応条件および生成CMCの性
状を第1表にまとめた。
【表】
【表】
【表】 単位当りのモル数を示すものである。
第1表に示した結果を要約すると、次の通りで
ある。 (1) 実施例は本発明の代表例であるが、一般的な
従来の製造法である。比較例3および従来法の
改良法である特公昭60−3561号公報の製造法で
ある比較例2、さらに特公昭47−293号公報の
製造法である。比較例1に比し、生成CMCの
透明度および耐塩水性とも実施例1で得た
CMCの方がはるかに優れている。 (2) 実施例2および比較例4は、実施例1よりア
ルカリセルロース調製時のアルカリ量を少なく
したものであるが、2.00〔mol/C6〕使用した
実施例2は実施例1より透明性および耐塩水は
若干劣るものの、まだ高いレベルにある。 しかし、1.80〔mol/C6〕使用した比較例4
は実施例1および2に比して著しく劣る。 (3) 実施例3および比較例5は、低DSCMCを本
発明の方法で製造したものであるが、DS0.47
の実施例3に比し、DS0.43の比較例5は明ら
かに透明性および耐塩性のいずれにおいても劣
る。 (4) 比較例6は、実施例3とほぼ同じ条件で製造
したものであるが、エーテル化前のアルカリ量
を特公昭47−293号公報の製造法と同様、エー
テル化剤のモル数の10%過剰である。 0.630〔mol/C6〕まで減少させたのである
が、明らかに実施例3より透明度および耐塩水
性のいずれにおいても劣る。また、エーテル化
剤の有効利用率においても劣る。 (5) 実施例1に比し、比較例1は、エーテル化剤
およびアルカリ量減少剤のいずれもイソプロピ
ルエステルではなく、モノクロル酢酸および酢
酸を使用した点が異なるだけであるが、品質的
には(1)で述べた点であるが、エーテル化剤の有
効利用率が約4%低い。 以上の結果から、本発明の製造法は品質、特に
耐塩水性の優れたCMCの製造法であるばかりで
はなく、エーテル化剤の有効利用率が高く、工業
的にも有利な製造法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 含水イソプロピルアルコール中でセルロース
    にアルカリを作用させてアルカリセルロースを調
    製した後、エーテル化剤を添加してエーテル化反
    応を行ない、カルボキシメチルセルロースエーテ
    ルアルカリ金属塩を製造するに当り、アルカリセ
    ルロース調製時のアルカリ量をセルロースの無水
    グルコース単位当り2.0〜6.0モル使用してアルカ
    リセルロースを調製した後、有機酸イソプロピル
    エステルとモノクロル酢酸イソプロピルエステル
    を使用して反応系中のアルカリ量をセルロースの
    無水グルコース単位当り0.95〜1.20モルとした
    後、エーテル化反応を行なうことを特徴とする耐
    塩水性の優れた置換度0.45〜0.75の低置換度カル
    ボキシメチルセルロースエーテルアルカリ金属塩
    の製造法。
JP29167585A 1985-12-24 1985-12-24 低置換度カルボキシメチルセルロ−スエ−テルアルカリ金属塩の製造法 Granted JPS62149701A (ja)

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