JPH057979B2 - - Google Patents

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JPH057979B2
JPH057979B2 JP58082169A JP8216983A JPH057979B2 JP H057979 B2 JPH057979 B2 JP H057979B2 JP 58082169 A JP58082169 A JP 58082169A JP 8216983 A JP8216983 A JP 8216983A JP H057979 B2 JPH057979 B2 JP H057979B2
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garlic
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extract
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seasoning according
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JP58082169A
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Makoto Sakaguchi
Yoichi Ueda
Yoshimasa Terasawa
Kazuo Hirayama
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ブランチング処理したにんにくの水
抽出物を脱臭することにより、旨味成分との共存
下でこく味増強効果を有するこく味調味料(又は
素材)を製造する方法に関する。 代表的な旨味調味料であるL−グルタミン酸ナ
トリウム(MSG)、5′−イノシン酸ナトリウム
(IMP)、5′−グアニル酸ナトリウム(GMP)の
呈味付与機能は広く知られており、MSG、IMP、
GMPを中心に、用途に応じて、蛋白加水分解物
(HVP、HAP、酵母エキス)、アミノ酸等を組合
せた各種の調味料が旨味やこく味等の官能特性を
増強する目的で普及、使用されている。 一方、旨味調味料が広く普及、利用されている
中で、塩味、甘味、酸味等との組合せによる効果
とは別の観点で、厚み、広がり、持続性等のいわ
ゆるこく味付与機能の拡大を求め、嗜好性を更に
高めようとする要請が存在する。 本発明者らは、従来の調味料の機能を更に広
げ、広がり、厚み、持続性等のこく味機能を高め
た汎用性のある調味料の開発を目的として、就
中、各種食品素材に固有の呈味機能を追求する中
で、にんにくの有する官能特性に着目した。従
来、にんにくは、特有の強い香味、特に油と共に
加熱した時に発生する香ばしい香りが好まれ、香
辛料として広く利用されている。にんにくの有す
る機能に関し、その香気成分、抗菌性、生理活
性、含硫化合物、γ−グルタミルペプチド等の多
くの研究がある一方、にんにくの呈味に関する知
見は、以下の例を除き、ほとんど知られていな
い。特開昭52−7468には、S−アリルシステイン
がにんにく又はたまねぎ様の呈味を増強する旨の
記載があり、特公昭47−49708には酵素失活させ
たにんにくのアルコール抽出液から可溶性蛋白を
除去した後、重金属塩として沈澱させた濾液中の
成分を精製して得た結晶がにんにくの味と香りを
有することを開示しているが、前者については、
にんにく様の呈味を有するものの、呈味力は弱
い。また後者は、にんにくの呈味に香りが共存し
ており、香りと切り離した呈味のみの効果を得る
ことはできない。 にんにく中の含硫アミノ酸・ペプタイド及びγ
−グルタミルペプタイドについては、システイ
ン、S−メチルシステイン、メチオニン、S−メ
チル−L−システインスルホキシド、S−アリル
システイン、S−エチル−L−システインスルホ
キシド、メチオニンスルホキシド、S−プロピル
−L−システインスルホキシド、アリーン、S−
プロペニル−L−システインスルホキシド、S−
アリルメルカプト−L−システイン、S−(2−
カルボキシプロピル)システイン、γ−グルタミ
ル−S−メチル−L−システイン、γ−グルタミ
ル−S−アリルシステイン、γ−グルタミル−S
−プロピルシステイン、γ−グルタミル−S−ア
リルシステイン、γ−グルタミルフエニルアラニ
ン、グルタチオン、S−(2−カルボキシプロピ
ル)グルタチオン、γ−グルタミル−S−β−カ
ルボキシ−β−メチルエチルシステイニルグリシ
ン等が知られており、にんにくのフレーバーの特
徴的成分としては、ジアリルジスルフイドや、辛
味物質としてのアリシン、フレーバー前駆体とし
てのγ−グルタミル−S−アリルシステイン等が
関与していることが知られているが、これらの成
分と呈味との関係については、わずかに上記S−
アリルシステインに関する知見を除き、ほとんど
知られていない。例えば、にんにくに0.8〜0.9%
含まれ、代表的成分とされるアリーンについて、
それが果して呈味機能を有するか否かについての
知見さえも存在しない(尚、本発明者らは、アリ
ーンが呈味力を有すること並びに、アリーンのみ
がにんにく中の呈味成分とはいえない点を確認し
ている)。 一方、本発明方法により得られるにんにく成分
は、NMRにより、アミノ酸、ペプチドを主体に
構成されると推定されるが、にんにくの香りを伴
わずに独自の呈味効果を奏する。特に本成分は、
更に他の呈味成分との混合系において、併存する
成分の呈味に、更に広がり、厚み、持続性等のい
わゆるこくが加わる。例えば、MSGとIMPの混
合水溶液に本発明方法の生成物を添加した場合呈
味力の相乗的強化はないが、呈味そのものの広が
り、厚み、持続性が明確に感知され、MSG及び
IMPのみの場合とは明らかに異なるこく味が加
わり、呈味の持続がもたらされる。 実験例 1 (1)S−メチルシステイン、(2)S−エチルシステ
イン並びに(3)にんにくを剥皮し、90℃30分間煮熟
後、60分間熱水抽出し、濾液を強酸性陽イオン交
換樹脂(“DuoliteC−25D”ダイヤモンド・シヤ
ムロツク(株)製)処理し、吸着溶離液を濃縮し活性
炭により脱色し次いで濃縮乾燥して得たにんにく
抽出物、(4)(3)と同一の条件で煮熟、熱水出し、強
酸性陽イオン交換樹脂処理し、非吸着液を濃縮
し、活性炭により脱色し、濃縮乾燥して得たにん
にく抽出物を用い、(1)〜(4)の各単独0.2%水溶液
の系並びに該0.2%水溶液にMSG0.05%及び
IMP0.05%を添加溶解した水溶液の系をサンプル
とし、官能評価を実施した。
【表】
【表】 本発明方法ではにんにくを水抽出する前にブラ
ンチングを行う。予めにんにくを粉砕して酵素作
用が充分進行する条件下で水抽出する場合には、
ブランチングして酵素を失活せしめないと、安定
した呈味力を有する最終製品を得ることが、困難
となる。従つて、予めにんにくを丸ごとブランチ
ングするか、或いは、にんにくを細砕処理する場
合には、処理後少くとも6時間以内にブランチン
グし、あるいは、すみやかに冷蔵ないしは冷凍し
抽出時にブランチングを行う水抽出の際、酵素活
性阻害剤等の併用により、酵素作用を封じること
ができる場合には、必ずしも水抽出前のブランチ
ングは行わなくてよい。即ち、予めブランチング
を行うとは、水抽出時に酵素作用が行われないよ
うな条件下で抽出可能ないずれの方法の適用も含
まれる)ことは、安定した呈味質、呈味力を持つ
汎用こく味調味料の製造において必須の前工程を
構成する。尚、上記細砕処理には磨細、粉細等の
処理に限らず、酵素反応が進行するような物理的
処理のすべてが含まれる。 ブランチングは、いずれの方法によつてもよい
が、具体的には、にんにくを丸のままで加熱する
方法が効率的である。加熱方法は、煮る、焼く、
炒める、揚げる、蒸す等の方法により、加熱条件
は、80℃、30分以上の加熱に相当する加熱条件を
採用することにより、酵素を十分に失活させる。
ただし、苛酷な加熱条件を採用することにより逆
に焦げ臭が発生することは好ましくないことはい
うまでもない。 水抽出方法としては、ブランチングしたにんに
く(そのままでも、乾燥、凍結等を行つたもので
もよい)を、例えば、粉砕してから水に投入し、
均一に分散させた後、濾過すれば水抽出液が得ら
れる。粉砕は、水に投入前に行うのでなく、塊の
まま投入し、水中でホモゲナイザー等で裁断して
もよい。また、ブランチング前に粉砕処理した場
合には、そのまま水抽出可能である。抽出の際の
加温の有無は問わないが、加温することが望まし
く、水温としては40〜100℃程度が適当で、抽出
時間は最低10分間は必要である。 抽出後は、濾過、遠心分離等により水不溶成分
を分離し、更に必要に応じ清澄濾過を行う。尚、
この分離工程で、PH調整剤の併用でペクチン等の
酸性多糖類などを分離除去することが、こく味以
外の刺激的な味乃至は異味を排除し、かつ、後の
脱臭工程の効率を向上する点で好ましい。この場
合、PHは無機酸又は有機酸によりPH3以下に調整
すればよい。 このようにして得られたにんにく水抽出物は、
更に脱臭・濃縮処理を行うことにより、完全乃至
はほぼ完全に無臭化すると同時ににんにく水抽出
物中のこく味付与効果を有する成分を分画し、か
つ濃縮する。具体的には以下の方法によることが
望ましい。 (1) 強酸性陽イオン交換樹脂による分画;
「Dowex 50W」(ダウ・ケミカル社製)、
「Duolite C−25D」(ダイヤモンド・シヤムロ
ツク社製)、「Amberlite IR−120」(ローム・
アンド・ハース社製)、「ダイヤイオン−SK−
1B」(三菱化成社製)等の樹脂を用いて、遊離
型、いわゆるH型としてにんにく水抽出物と接
触させる。イオン交換樹脂の使用量は樹脂の種
類等により異なるのでその都度最適使用量を設
定するようにする。イオン交換樹脂をにんにく
水抽出物に接触させる方法は、イオン交換樹脂
を塔に充填して、そこににんにく水抽出物を通
夜する方法、イオン交換樹脂をにんにく水抽出
物中に投入する方法などによる。この方法の場
合、こく味付与成分は、吸着画分に存在し、非
吸着画分には甘味、酸味成分は存在するが、こ
く味付与効果はない。従つて、好ましくは、非
吸着液を予め分離除去し、吸着部をアルカリ剤
により溶出させた吸着溶離液を採取し、これを
膜濃縮、蒸留濃縮等の適当な方法により濃縮す
る。濃縮率は、目的とする調味料の種類に応じ
異なるので、一般的基準はない。また、液状調
味料等では、この濃縮を省略できる場合もあ
る。尚、脱臭・濃縮工程の前後に更に活性炭等
による脱色処理を組合せることも可能である。
脱臭濃縮液又は脱臭・脱色濃縮液は必要に応
じ、凍結乾燥等の方法により乾燥・粉末化して
もよい。 (2) 分子ふるい膜処理による分画;
「SPECTRUM Por 6.132640」(メデイカル・
インダストリー社製)、「TI 215」(帝人エンジ
ニアリング社製)等の分子量カツトが800〜
2000の透折膜、限界濾過膜、或いは蔗糖の阻止
率が5〜80%の逆浸透膜等の分子量分画可能な
膜を用いて分画する。この場合、こく味成分は
低分子画分(平均分子量2000以下、望ましくは
800以下)に存在するので、膜処理を繰り返す、
或いは他の分画法と組合せることにより、低分
子画分を採取し、これを(1)と同様に濃縮(及び
必要に応じて脱色・乾燥)する。 (3) 水蒸気蒸留による分画;常圧又は減圧水蒸気
蒸留により、香気成分を分離除去する。こく味
付成分は残液部に存在するので、(1)と同様の方
法により、この残液を濃縮(及び必要に応じ脱
色・乾燥)する。 以上の方法等により、にんにく水抽出物を脱
臭・濃縮するが、脱臭方法については、上記に開
示した方法に限定されない。また、脱臭を繰返し
行う、或いは2種以上の方法を組合せる等によ
り、可及的に香りの部分を除去し、無臭のかつこ
く味付与成分を主体とする区分を分画するように
することが望ましい。尚、従来のにんにくの脱臭
法においては、上記の如きイオン交換樹脂、膜処
理等により、酵素失活処理後更に脱臭を組合せる
ものはなく、また、こく味付与効果を確認し、か
つこく味付与成分を主体とする画分を分画し、調
味料又は調味料素材とした例はない。 かくして得られたこく味付与成分含有にんにく
抽出物は、必要に応じPH調整を行い、水溶液、ペ
ースト、粉末、顆粒等の形態で調味料又は調味素
材として提供される。 本発明方法により得られる製品はほぼ乃至は完
全に無臭でにんにく臭が感じられない。これを単
品で味わつた場合、MSG、核酸系呈味成分、或
いは両者を組合せたもの等のような強いうまみは
なく、食品等に添加した場合、即ち、食品中の呈
味成分の共存下において、はじめて顕著なこく味
増強効果を発現する。具体的には、MSGとIMP、
GMP等の核酸系呈味成分との混合系に添加した
場合、例えばMSGに対するIMP,GMP、の如き
呈味力の相乗的増強効果はないが、呈味の広が
り、厚みが増し、かつ呈味が長く持続して、いわ
ゆるこくが増強されることが明確に感知できる。
従つて、呈味成分をそのまま調味料として(必要
に応じ賦形剤等を組合せて)食品に添加すれば、
こくを増強して嗜好性を高めることができる。ま
た、他の呈味調味料、例えばMSGその他グルタ
ミン酸(カリウム、カルシウム塩等)、IMP、
GMPその他の5′−リボヌクレオタイド塩(カリ
ウム塩、カルシウム塩等)、その他のアミノ酸
(塩)、有機酸(塩)、蛋白加水分解物(HVP、
HAP、酵母エキス等)、動植物エキス、食塩、塩
化カリウム、糖類等を組合せたり、或いは、風味
成分、香辛料、香料等を併用することにより、各
種の調味料を調製できる。 これらの中、MSG等のグルタミン酸塩、IMP、
GMP等の5′−リボヌクレオタイド塩は旨味付与
調味料として汎用性があるので、これらと本呈味
成分との組合せが好ましく、就中、MSGとIMP
及び/著しくはGMPとの混合系に本呈味成分を
組合せた場合、MSG単品、IMP及び/若しくは
GMP、或いはMSGとIMPの組合せのいずれの系
でも得られない、呈味の厚み、広がり、持続性等
いわゆるこく味の強化が得られる。この場合、
MSG、IMP及び/若しくはGMPに対する本呈味
成分との配合比率は、MSGとIMP(及び/若しく
はGMP)混合物重量100に対して5以上であれ
ば、こく味は発現されるが、呈味全体のバランス
上好ましくは10〜200の範囲である。
【表】
【表】 ※ 試料無添加に対する強さ
次に実施例により本発明を更に説明する。
実施例 1 にんにく100Kgの芯を除去し、この芯なしガー
リツク98Kgをオートクレーブ中で115℃、40分間
加熱し、蒸煮と同時に酵素を失活させた。オート
クレーブ処理したにんにくを150の水と共にレ
オニーダーで90℃、30分間煮熟抽出した。次いで
圧搾機によりこの煮熟液230を1次分離し、残
渣50Kgを除去した。得られた1次分離液を塩酸に
よりPH1.0に調整して室温で一夜放置した後、濾
過助剤「ラジオライト#600」を0.5%添加し、加
圧濾過で2次分離を行い、酸性多糖類を含む残渣
を除去した。この2次分離液180を強酸性陽イ
オン交換樹脂「Duolite C−25」(ダイヤモン
ド・シヤムロツク社製)80(水膨潤状態)を充
填した樹脂塔と弱酸性陽イオン交換樹脂
「Amberlite IRC−50」(ローム・アンド・ハー
ス社製)8(水膨潤状態)を充填した樹脂塔を
連結させたものに流速16/時で流し、吸着せし
め、その後、240の水で水流し、次いで、吸着
成分を0.5N水酸化ナトリウムにより、溶離液全
体のPHが6.8になるまで溶離した。この吸着溶離
液を逆浸透膜装置により圧力50Kg/cm2、温度50℃
で予備濃縮した。この予備濃縮液40を更にロー
タリーエバポレーターにより10迄濃縮した後、
濃縮液中固形分に対し2.0%の活性炭を投入し、
ときどき撹拌しながら一夜放置後、活性炭を濾別
した。この活性炭脱色液を凍結乾燥し、白色で、
ほぼ無臭の乾燥品500gを得た(本呈味成分(1))。 また予め細砕した芯なしにんにく98Kgをオート
クレーブ処理せず直接レオニーダーで150の水
と共に90℃、90分間煮熟後、遠心分離により不溶
性残渣を分離除去した濾液を吸着樹脂処理し更に
濃縮・凍結乾燥した乾燥品(本呈味成分(2))上記
本呈味成分(1)と同一の方法で、吸着樹脂処理のみ
を省略して得た乾燥品(対照区)を調製した。 得られた3種類のにんにく抽出物乾燥品を用
い、各試料0.2%水溶液並びにMSG0.05%、
IMP0.05%、各試料0.05%の混合水溶液におい
て、よく訓練された味覚パネル16名を用い、プロ
フアイル法による官能評価を行つた。結果を第5
表及び第6表に示す。
【表】
【表】
【表】 第5表及び第6表の結果より、本発明品は、
香、風味、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の強さ
を増強することなく、こく味のみを増強すること
が、明らかである。 実施例 2 剥皮したにんにく500gを沸トウ水中に投入し、
60分間加熱した後にホモゲナイズして90℃、30分
間煮熟し、次いで遠心分離により不溶性残渣を除
去し約3のにんにく抽出液を得た。この抽出液
の固形分濃度を20%、PH5.8に調整したもの500ml
を強酸性陽イオン交換樹脂「Dowex 50WX8」
(ダウ・ケミカル社(製))500mlを充填した樹脂
塔に流し、更に1000mlの水で水洗し、非吸着区分
水洗液約1500ml(PH2.6)を中和、凍結乾燥した
ところ、81.67gの乾燥物が得られた。一方、吸
着区分については、0.1N水酸化ナトリウムで脱
着液のPHが13になるまで溶出した後、PH7.0に中
和し、凍結乾燥して2.69gの乾燥物を得た。 得られた吸着成分乾燥物及び非吸着成分乾燥物
の各0.1%水溶液を調製し、味覚パネル20名によ
り、呈味力及び香りの強さについてプロフアイル
法による官能評価を行つた。結果を第7表に示
す。
【表】 ※ 試料無添加に対する強さ
実施例 3 実施例1と同一の方法、条件で得たにんにく抽
出物2次分離液1400ml(固形分濃度5%)を逆浸
透膜「T1 215」(帝人エンジニアリング製)を用
いて処理し、外液1000mlを分離除去した。この内
液に1000mlの水を加え、逆浸透膜で透水させ、外
液1000mlを除去して得た内液に更に加水1000mlを
行い、逆浸透膜処理して得た外液及び内液をそれ
ぞれ凍結乾燥し、外液から35g、内液からも35g
の乾燥物を得た。 得られた2種類の乾燥物を試料とし、(1)試料
0.2%の水溶液、(2)試料0.05%、MSG0.05%及び
IMP0.05%の水溶液における官能評価を実施し
た。結果を第9表に示すが、内液(高分子化合物
区分)には、こく味付与効果がほとんどないのに
対し、外液(低分子化合物区分)は、こく味付与
効果が認められた。
【表】
【表】 ※ 試料無添加に対する強さ
実施例 4 実施例3と同一の方法、条件の下で3回逆浸透
膜処理して得た外液3000mlに強酸性陽イオン交換
樹脂「Duolite C−25D」350gを用いて、実施
例1と同一の方法、条件により、吸着樹脂処理、
濃縮、凍結乾燥したもの(3.5g)を試料とし、
0.2%水溶液及びMSG0.05%、IMP0.05%、試料
0.05%混合水溶液の官能を評価したところ、実施
例1、2、3で得た本呈味成分と同様のこく味付
与効果で、にんにくの香りを伴わないことが確認
された。 実施例 5 剥皮、細砕後、空気中に1時間放置したニンニ
ク500gを2の水と混合し、90℃で90分間煮熟
せしめた後、遠心分離で粕を除去して、抽出液約
2を得た。 この抽出液を減圧水蒸気蒸留法(条件40mmHg
下35℃)にて蒸留液が約20になるまで蒸留を行
ない、脱臭せしめた液2.5を得た。 この時の脱臭率は、香りの強さで脱臭前液と比
較して約95%であり(原液に対する主観的等価値
(PSI)測定結果)、殆んど香りは、除去する事が
できた。 こうして得られた脱臭液の凍結乾燥物は、脱臭
処理を施さない。すなわち、単に煮熟分離後、凍
結乾燥して得たもの(対照)と比較して、香り
は、殆んど認められないにもかかわらず、
MSG0.05%、IN0.05%、試料0.05%の系において
同様に強いこく味を発現した。
【表】 実施例 6 市販ガーリツクペースト(飯野香辛料社製)10
Kgを15の水と混合し、90℃で30分間煮熟・抽出
した後、圧搾濾過により粕を除去し、抽出液約19
を得た。 この抽出液は以下実施例1と同様の処理を行い
即ち、塩酸にてPH1に調整し、酸性多糖類を含む
残渣を加圧濾過により除去し、更に吸着樹脂処
理、中和、濃縮、脱色、乾燥の処理を施して、白
色の、ほぼ無臭の乾燥品、50gを得た。 得られた乾燥物0.2%水溶液及び、MSG0.05%、
IMP0.05%、乾燥物0.05%混合水溶液の官能を評
価したところ、実施例1,2,3,4で得た、本
呈味成分と同様のこく味付与効果で、にんにくの
香りを伴わないことが確認された。 実施例 7 実施例1で得た本呈味成分(2)を用い、次の配合
に従い、成分を混合し調味料A〜Hを調整した。
【表】 上記で得た調味料A〜Hを試料とし、(1)試料
0.2%水溶液、(2)かつおだし汁、食塩0.3%及び試
料0.05%のすまし汁の各系における官能評価を実
施した結果を第12表に示す。
【表】
【表】 利用例 1 実施例7で得た調味料C、E及びF並びに対照
として、実施例1の対照区(1)と同一の製法で得た
にんにく抽出物を試料とし、常法により調製した
カレーに各試料を添加し、官能評価を行つた。結
果を第13表に示す。
【表】 利用例 2 実施例7の調味料C(以後とする)および実
施例1の対照区(1)(以後とする)と同一製法で
得た、にんにく抽出物を試料として、常法により
試料添加かまぼこ、ソーセージ、スープ及び漬物
を調製し、官能評価した。 官能評価は、無添加品を対照として、 (無添加: 無添加:)の二組について、
各々2点比較法で、下表に示す評価項目につい
て、強い方、あるいは好ましい方をチヨイスする
方法で行なつた(N=20)。結果は、第14〜17表
に示されるように本発明による調味料添加品が対
照に比べ、にんにく臭がなく、こく味の強さが有
意に識別され、総合評価においても有意に好まれ
た。かまぼこ レシピー 冷凍すりみ 100(g) 塩 3.5 みりん 3.0 砂 糖 1.0 澱 粉 5.0 卵 白 3.0 水 7.5 MSG 0.5 IN 0.5 試 料 1.0
【表】ソーセージ レシピー 豚 肉 100(Kg) 豚 脂 10 澱 粉 4 水 30 MSG 0.1 IN 0.1 スパイス 0.5 試 料 0.5
【表】スープ レシピー 塩 10.25(g) MSG 0.93 「WP」(味の素社製) 0.023 ビーフエキス 2.33 ビーフフアツト 2.1 スパイス 0.4 乳 糖 5.97 水 1000 試 料 0.22
【表】漬 物 レシピー 水洗・塩抜きゆうり 100(Kg) アミノ酸液 16.2 MSG 2 ソルビトール 2 みりん 24 クエン酸 0.3 50%乳糖 0.65 塩 1.2 水 23.65 試 料 1.0
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 予めブランチングしたにんにくを水抽出して
    得た抽出液を更に脱臭・濃縮処理して得た呈味成
    分とグルタミン酸塩及び/又は5′−リボヌクレオ
    タイド塩とを含有することを特徴とするこく味調
    味料。 2 呈味成分が予めブランチングしたにんにく又
    は細砕処理してから6時間以内にブランチングし
    た乃至は細砕処理した後チルド乃至は冷凍で長期
    保存した後ブランチングしたにんにくを水抽出し
    て得た抽出液を更に脱臭・濃縮して得られるもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のこく味調味料。 3 ブランチングが、80℃、30分以上の加熱に相
    当する加熱処理によるものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項記載のこく味調味料。 4 脱臭処理が、樹脂処理、膜処理、活性炭処理
    及び水蒸気蒸留の中から選ばれた1以上の方法に
    よるものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第2項記載のこく味調味料。 5 樹脂処理が遊離型陽イオン交換樹脂及び/又
    はポーラス樹脂によるものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項記載のこく味調味料。 6 加熱処理したにんにくの水抽出物を強酸性イ
    オン交換樹脂と接触させて得た吸着液を、必要に
    応じ更に脱臭処理を組合せて得た、呈味成分を主
    体とする画分を濃縮することを特徴とする特許請
    求の範囲第2項記載のこく味調味料。 7 加熱処理したにんにくの水抽出物を分子ふる
    い膜処理して得た平均分子量2000以下の低分子画
    分を、必要に応じ更に脱臭処理を組合せて得た、
    呈味成分を主体とする画分を濃縮することを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載のこく味調味
    料。 8 加熱処理したにんにくの水抽出物を水蒸気蒸
    留して得た残液を、必要に応じ更に脱臭処理を組
    合せて得た、呈味成分を主体とする画分を濃縮す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    こく味調味料。
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