JPH0579047B2

JPH0579047B2 -

Info

Publication number: JPH0579047B2
Application number: JP63184064A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Oora
Original assignee: SAN PARUKO KK
Current assignee: SAN PARUKO KK
Priority date: 1988-07-23
Filing date: 1988-07-23
Publication date: 1993-11-01
Also published as: JPH0236115A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、使用時に音を立てて溶解し、炭酸ガ
スを刺激性よく発する入浴剤に関するものであ
る。

従来技術従来から、湯浴に投入して使用する入浴剤は
種々開発されている。これらは、炭酸塩及び無水
硫酸ナトリウムなどの無機粉末を主成分とするも
のであり、粉末入浴剤、粉末発泡入浴剤、打錠発
泡入浴剤などの形状で実用化されている。

特に、炭酸塩と有機酸を配合することによつ
て、水と接すると、これらが反応して、炭酸ガス
を発するように調製されている発泡入浴剤は、湯
冷めし難く、血行を良くするものとして広く需要
が増しているが、湯浴に投入すると、入浴剤の溶
解と同時に発泡し、入浴剤の有効成分を湯浴全体
に均一に分散させた状態で入浴しようとすると、
炭酸ガスによる刺激はなく、非発泡性入浴剤と、
顕著な差異が感じられないものとなる。

また、この種の発泡入浴剤の他の例として、炭
酸ガスをシクロデキストリンに吸着させて使用す
ることも試みられている（特開昭61−277610号公
報及び特開昭62−265216号公報参照）が、これは
粉末状のシクロデキストリンを使用するものであ
り、水に接触すると、シクロデキストリンの分子
中に形成された空洞に、単に吸着された炭酸ガス
が放出されるというもので、従来の炭酸塩の代わ
りにシクロデキストリンに炭酸ガスを吸着させて
使用するというだけである。従つて、炭酸がスの
放出効果は、従来のものと特に変わるものではな
く、また、これらの入浴剤は酸性入浴剤に限られ
ていた。

発明が解決しようとする課題本発明は、このような入浴剤において、炭酸ガ
スによる刺激的な発泡を感知でき、しかも心地よ
い刺激音を耳にしながら入浴できる新規な入浴剤
を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段本発明は、無水硫酸ナトリウムと炭酸塩を主成
分とする入浴剤に炭酸ガス含有粒状体を混合して
なるものであり、この炭酸ガス含有粒状体とし
て、水溶性かつ熱溶融性の糖類に、加熱溶融時
に、炭酸ガスを加圧封入して得たものを使用する
ことにより上記課題を解決した。なお、入浴剤に
おける炭酸ガス含有粒状体の含有率は5.0〜20.0
重量％とする。

ここに炭酸ガス含有粒状体とは、例えば、特公
昭53−6462号公報及び特公昭59−28号公報に記載
されるような方法によつて、糖類を加熱溶融し、
加圧下で炭酸ガスを接触吸収させ、その後加圧下
で冷却し、粉砕するという方法で製造することが
できるものであり、糖類としては、水溶性かつ熱
溶融性を有するもの、例えば蔗糖、マルトーズ、
ぶどう糖等が使用できるが、熱溶融しないシクロ
デキストリン等は使用できない。なお、炭酸ガス
含有量は、粒状体1g当たり３ml以上であること
が必要である。

このような炭酸ガス含有粒状体を入浴剤に混入
使用すると、これは粒状体であるため、粉末混合
物である入浴剤本体の溶解に伴つて湯浴に分散
し、その後、炭酸ガスの膨張による破裂音を出し
ながら、刺激的に溶解する。なお、粒状体におけ
る加圧封入された炭酸ガスの吸収量３ml／1g未
満であると、このような効果を得ることはできな
い。

従つて、本発明の入浴剤では、無水硫酸ナトリ
ウムと炭酸塩を主成分とする一般的に入浴剤成分
の効能に加えて、炭酸ガス含有粒状体の溶解に伴
う刺激的な炭酸ガスの発生による、血行促進効果
を期待でき、同時に炭酸ガス発生時の心地よい破
裂音を耳にしながら入浴を楽しむことができる。
更に、該粒状体に含まれる糖類は、保湿剤として
働くため、肌荒れ、ヒビ、アカギレなどの防止効
果も得ることができる。

なお、このような炭酸ガス含有粒状体は、香料
を含有してもよく、この場合、該粒状体は前述し
た通り入浴剤本体と若干遅れて溶解するため、香
りの発生の遅効性を発揮させることができる。

本発明の入浴剤本体としては、無水硫酸ナトリ
ウム及び炭酸塩を主成分とする公知の入浴剤組成
物がいずれも使用できるものであり、また、本発
明の入浴剤は粉末入浴剤、粉末発泡入浴剤、打錠
発泡入浴剤いずれの形態に製造されてもよい。

代表的な入浴剤本体は、無水硫酸ナトリウムと
炭酸塩を主成分とするもの、又はこれらに有機酸
を配合してなるものであるが、その代表的な組成
を例示すると次の通りである。これらに、前述の
如く、炭酸ガス含有粒状体を所定量混入して本発
明の製品を得ることができる。

１粉末入浴剤硫酸ナトリウム（無水） 30.0〜50.0wt.％炭酸水素ナトリウム 30.0〜50.0 炭酸ナトリウム（無水）０〜10.0 ホウ砂０〜30.0 着色剤０〜2.0 香料 0.2〜1.2 植物抽出液０〜5.0 酵素０〜1.0 その他０〜5.0 ２粉末発泡入浴剤リンゴ酸コハク酸クエン酸 wt.％ 20.0〜30.0 炭酸水素ナトリウム 15.0〜30.0 炭酸ナトリウム（無水） 5.0〜25.0 硫酸ナトリウム（無水） 15.0〜40.0 着色剤０〜2.0 香料 0.2〜1.0 植物抽出液０〜5.0 酵素０〜1.0 その他０〜5.0 ３打錠発泡入浴剤リンゴ酸コハク酸クエン酸 wt.％ 20.0〜30.0 炭酸水素ナトリウム 15.0〜30.0 炭酸ナトリウム（無水） 5.0〜25.0 硫酸ナトリウム（無水） 15.0〜40.0 結合剤 1.0〜5.0 着色剤０〜2.0 香料 0.2〜1.0 植物抽出液０〜5.0 酵素０〜1.0 その他０〜5.0 なお、上記配合例において、炭酸塩として、炭
酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸アンモ
ニウムなどが使用されてもよく、また、有機酸と
して、酒石酸、乳酸、フマール酸などが使用され
てもよい。

次に、本発明の実施例を示す。

実施例１硫酸ナトリウム（無水） 43.5重量部炭酸水素ナトリウム 38.2 炭酸ナトリウム（無水） 4.0 香料 0.45 着色剤 0.15 酵素 0.1 植物抽出液 0.2 を攪拌混合した後、炭酸ガス含有粒状体 13.4重量部を添加混合し、この製品を20.0〜25.0gずつに分
けて防湿性ある袋に封入した。

この一袋分を、180〜200lの湯浴に投入すると、
１〜２分後にパチパチ音を立てながら溶解した。

実施例２リンゴ酸 20.0重量部クエン酸（無水） 2.0 炭酸水素ナトリウム 30.0 硫酸ナトリウム（無水） 33.2 香料 0.45 着色剤 0.15 酵素 0.1 植物抽出液 0.1 を攪拌混合し、均一混合物とした後、炭酸ガス含有粒状体 14.0重量部を添加混合し、この製品を20.0〜25.0gずつ分け
て防湿性ある袋の封入した。

この一袋分を、180〜200lの浴槽の温湯に投入
すると、有機酸と炭酸塩が反応して発泡しながら
浴槽に分散し、１〜２分後に炭酸ガス含有粒状体
が破裂音を発しながら溶解した。

実施例３リンゴ酸 20.0重量部コハク酸 2.0 炭酸水素ナトリウム 17.0 炭酸ナトリウム（無水） 13.0 硫酸ナトリウム（無水） 33.25 香料 0.4 着色剤 0.15 植物抽出液 0.1 酵素 0.1 を攪拌混合し、均一混合物とした後、炭酸ガス含有粒状体 14.0重量部を添加混合し、混和物を打錠機で、30〜45gの錠
剤に成型し、一錠ずつ防湿性あるシートで包装し
た。

この錠剤を、180〜200lの浴槽の湯温に１錠投
入すると、有機酸と炭酸塩が反応して発泡しなが
ら浴槽に分散し、１〜２分後に炭酸ガス含有粒状
体が破裂音を発しながら溶解した。

発明の効果本発明の入浴剤は、糖類に３ml／1gという多
量の炭酸ガスを加圧封入した炭酸ガス含有粒状体
を含有するので、湯浴に投入すると、該粒状体中
に封入された炭酸ガスの膨張により、該粒状体が
破裂するパチパチという音を楽しみながら入浴で
き、同時に炭酸ガスの刺激で血行促進効果を期待
できるだけでなく、糖類のもつ保湿性によつて、
肌荒れ、ヒビ、アカギレなどの防止効果を得るこ
ともできる。

更に、本発明の入浴剤は、無水硫酸ナトリウム
と炭酸塩を主成分とするものであれば、酸性入浴
剤及びアルカリ性入浴剤いずれにも適用でき、こ
れらの入浴剤本来の効果を同時に得ることができ
る。また、酸性入浴剤では、炭酸塩の反応による
発泡と、炭酸ガス含有粒状体の破裂による炭酸ガ
ス放出の発泡が時間的に若干ずれて生ずるため、
炭酸ガスによる血行促進効果等を、従来になく強
く得ることができる。

Claims

【特許請求の範囲】

１無水硫酸ナトリウム及び炭酸塩を主成分とす
る入浴剤に炭酸ガス含有粒状体を混合したもので
あり、上記炭酸ガス含有粒状体が、水溶性かつ熱
溶融性の糖類に、加熱溶融時に、炭酸ガスを加圧
封入して得たものであり、上記粒状体の炭酸ガス
含有量が３ml／1g以上であること、及び上記粒
状体の混合割合が5.0〜20.0重量％であることを
特徴とする入浴剤。