JPH0788295B2 - 入浴剤封入袋 - Google Patents

入浴剤封入袋

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JPH0788295B2
JPH0788295B2 JP61279322A JP27932286A JPH0788295B2 JP H0788295 B2 JPH0788295 B2 JP H0788295B2 JP 61279322 A JP61279322 A JP 61279322A JP 27932286 A JP27932286 A JP 27932286A JP H0788295 B2 JPH0788295 B2 JP H0788295B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、分包使用の入浴剤封入袋に関する。
(ロ)従来の技術 従来、浴用剤封入袋として、特開昭60−158060号公報に
記載したものがある。
この浴用剤封入袋は、浴用剤が小袋に封入されており、
該小袋が融着可能な水溶性合成樹脂を塗布したシート状
ハイドロゲル生成高分子体からなり、前記合成樹脂が袋
の内面になるようにして製袋されていることを構成上の
特徴とするものである。また、かかる構成によって、上
記封入袋は浴槽内の湯水に投入するのみで、溶解させる
ことができる。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし、かかる封入袋は、いまだ、以下の問題点を有し
ていた。
水溶性封入袋の袋自体が湯水に徐々に溶けていくもの
であるため、完全に溶けるまで時間を要する。
封入袋は全体にわたって均一に溶けることはなく、そ
の一部が湯面上に浮遊し、入浴者に不快感を与える。
水溶性封入袋の一部が溶けた段階で内容物である入浴
剤が塊となって浴槽底面まで沈没し、浴湯中への均一な
分散が図れない。
一方発泡性入浴剤は、保存時に僅かな吸湿であっても炭
酸塩と有機酸とが反応し、保存安定性に問題が生じるた
めに分包される場合には、従来アルミニウム、ポリエチ
レン等のラミネートフィルムで構成された密封袋に包装
されているのが一般的である。しかしこのような密封袋
においても長期保存時における発泡入浴剤に起因する炭
酸ガス発生によって包装袋が膨張するという欠点があ
る。
そこで、例えば特開昭58−177912号公報、特開昭59−70
610号公報、特開昭61−243014号公報には、発泡性入浴
剤の組成を変え、保存性を改善する方法が提案されてい
る。
しかしながら、このような組成による改善では、全ての
発泡性入浴剤について使用できない。即ち、従来におい
ては、発泡性入浴剤の分包に際し、保存性を改良するた
めに分包のための包装袋の改善についてはほとんど考慮
されていないのが現状である。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明は炭酸塩と有機酸とを含む発泡性入浴剤を水溶性
封入袋内に内包した入浴剤封入袋に関する。
ここで、水溶性封入袋とは、浴槽中で溶解することを前
提として人体に対する無害性を有し、包装整形性や適度
の加工強度を持つ材質であればよく、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルローズ、4.4.6−トリ−グ
ルコ多糖等を主成分とするものが挙げられる。
また、本発明における水溶性フィルムの組成は、目的と
する溶解特性により自由に調節が可能なものであり、従
って、その溶解特性を可能とするものである。また、フ
ィルムの厚さは、入浴剤としての商品特性を考え、5〜
200μ、好ましくは、10〜80μである。
また、使用目的によっては、本発明における封入袋に、
着色或いは、印刷等の加工を施すこともできる。
特に、4.4.6−トリ−グルコ多糖を成分とした水溶性フ
ィルムの場合は、溶解特性及び機械特性が良好であり、
さらに、その表面に、容易に水不溶性の印刷を施すこと
ができ、浴槽中において、印刷された文字や絵等が浮遊
し、楽しむことができる。
また、水溶性フィルムに、例えば、着色剤、着香剤等を
含有させることもできる。
さらに、水溶性フィルムに、例えば、ポリエステル等の
台紙を付けることにより、内包する入浴剤を機械充填す
る場合、加工強度が増すだけでなく、2層のフィルム構
造からなる入浴剤封入袋を作成することができる。即
ち、第1図及び第2図に示すように、入浴剤aを直接内
包する水溶性フィルムを内層bとし、外層cを密封性を
保持できる非水溶性のポリエステルフィルムとした入浴
剤封入袋を一度に製造することができる。
この場合、使用性や品質保持のための密封性を考慮しな
がら、水溶性フィルムの組成や厚み及び機械充填時にお
けるシール圧やシール温度を調節することにより、内層
bの水溶性フィルムと外層cの非水溶性ポリエステルフ
ィルムとの溶着性や剥離強度を、目的とする値に調節で
きるものである。
また、本発明において、発泡性入浴剤とは、周知の入浴
剤組成物中に無機塩類や有機酸類を配合することによ
り、水中投入時に発泡性を有するような組成物をいう。
即ち、充填される入浴剤成分としては、塩化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム、セスキ炭酸ナトリウム、硫化ナトリウムなどの無
機塩類や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、マイレン
酸、酒石酸などの有機酸及び植物成分、ビタミン、酵
素、各種界面活性剤などを添加したものとすることがで
きる。
また、入浴剤の剤型としては、粉末状、顆粒状、打錠
等、任意の剤型で製剤することができる。
また、本発明では、封入袋の基本的組成の配合バランス
や封入袋フィルムの厚みを調節することにより、溶解温
度、溶解速度、溶解pH、溶剤の発泡持続時間等の溶解特
性を自由に調節することができるとともに、充填された
組成物による包材フィルムの不溶化傾向の影響をなくす
ため、耐アルカリ性、耐酸性等を任意に調節することも
できる。
特に、封入袋フィルムを4.4.6−トリ−グルコ多糖を成
分とした水溶性フィルムとした場合に、上記した調節作
用を顕著なものとすることができる。
(ホ)作用及び効果 浴湯中に水溶性封入袋を投入すると同時に水溶性フィ
ルムが溶解を始め、浴湯により発泡性入浴剤が反応して
同入浴剤が発泡し、その発泡力によって、水溶性封入袋
を分裂し、発泡性入浴剤の浴湯への放出及び溶解を促進
するとともに、封入袋自体の溶解速度も促進し、浴湯中
への迅速かつ均一な入浴剤の拡散を図ることができる。
水溶性封入袋は、発泡性入浴剤の発泡力によって均一
に分裂し、その後浴湯に溶解するので、湯面上に水溶性
封入袋の一部が浮遊するのを完全に防止でき、入浴者に
不快感を与えることがない。
発泡性入浴剤は浴湯との反応に際して、快い音を出し
ながら溶解するので、入浴者は、音を楽しみながら入浴
することができる。
溶解温度や厚みを適宜選択することによって、所望の
溶解速度を得ることができる。
入浴剤中に酵素等を混入した場合は、発泡力による浴
湯の拡散によって、酵素等の人体への接触を高め、酵素
効果を高めることができる。
保存時において、従来のアルミニウムやポリエチレン
等の密封袋に比して、内包される発泡性入浴剤の劣化を
有効に低減することができ、長期保存であっても上記浴
湯に投入した際の効果を保持することができる。
(ヘ)実施例 〔第1実施例〕 本発明に係る入浴剤封入袋の溶解性を調べるため、以下
の組成を有する発明品1〜3を製造するとともに、従来
組成を有する非発泡性の入浴剤封入袋を用意し、これを
比較例1として、両者の溶解特性を実験し、その結果を
第1表に示す。
ここに、発明品1は浴槽投入時、湯表面浮遊状態で発泡
分散溶解するタイプのものであり、以下の組成を有する
発泡性入浴剤と、水溶性フィルム製の封入袋Aとからな
る。
(発泡性入浴剤) 炭酸水素ナトリウム 25.1(%) 軽質炭酸ナトリウム 30.0 硫酸ナトリウム 21.2 酒石酸 20.0 蛋白質分解酵素(10万単位/g) 2.0 ビタミンB2 0.2 香料 1.5 (封入袋A) 水溶性ポリビニルアルコール 82.0(%) グリセリン 14.0 ポリオキシエチレンソルビタンラウレート 1.0 炭酸カルシウム 3.0 一方、発明品2は浴槽に沈んだ状態で発泡分散溶解する
タイプのものであり、以下の組成を有する発泡性入浴剤
からなる。
なお、封入袋は発明品1と同組成の水溶性フィルム製の
封入袋Aを用いた。
(発泡性入浴剤) 硫酸ナトリウム 21.5(%) 重質炭酸ナトリウム 52.5 塩化ナトリウム 7.0 酒石酸 15.3 蛋白質分解酵素(10万単位/g) 2.0 ビタミンB2 0.2 香料 1.5 また、発明品3は錠剤の発泡性入浴剤であり、以下の組
成を有する発泡性入浴剤からなる。
なお、封入袋は発明品1と同組成の水溶性フィルム製の
封入袋Aを用いた。
(発泡性入浴剤) 硫酸ナトリウム 21.0(%) 重質炭酸ナトリウム 51.0 炭酸水素ナトリウム 7.0 酒石酸 15.3 蛋白質分解酵素(10万単位/g) 2.0 ビタミンB2 0.2 ポリエチレングリコール(6000) 2.0 香料 1.5 また、比較例1は非発泡性の粉状入浴剤であり、以下の
組成を有する非発泡性入浴剤からなる。らなる。
なお、封入袋は発明品1と同組成の水溶性フィルム封入
袋Aを用いた。
(非発泡性入浴剤) 炭酸水素ナトリウム 54.3(%) 硫酸ナトリウム 35.0 塩化ナトリウム 7.0 蛋白質分解酵素(10万単位/g) 2.0 ビタミンB2 0.2 香料 1.5 第1表からも明らかなように、比較例1が物理的撹拌を
必要とするのに対し、本発明に係る入浴剤(発明品1〜
3)は、いずれもかかる物理的拡散を必要とすることな
く、発泡分散溶解によって短時間で浴湯中に溶解した。
〔実施例2〕 次に、封入袋の厚さを相違させた場合の、本発明に係る
発泡性入浴剤封入袋の、機械的特性及び浴槽溶解性を調
べるため、以下の実験を行った。
まず、封入袋として、以下の組成を有するフィルムを用
いた。但し、フィルムの厚みを、それぞれ、10μ(発明
品4),30μ(発明品5)及び50μ(発明品6)とし
た。
水溶性ポリビニルアルコール 80(%) グリセリン 16 ポリオキシエチレンソルビタンラウレート 1 炭酸カルシウム 3 上記試作の封入袋に、実施例1における発明品1の入浴
剤と同一組成を有する入浴剤を、一回使用量20gを充
填、熱シールを行い被包し、製造時の充填分包機におけ
る機械特性(充填時の破損等)及び使用時における浴槽
溶解性(溶解温度、溶解速度、溶解pH等)を、各発明品
(発明品4〜発明品6)において、比較した。
その結果を第2表に示す。
以上の実験結果から明らかなように、本発明に係る入浴
剤は、封入袋の厚さが30μの時、良好な機械特性及び浴
槽溶解性を有することが判明した。しかし、厚さ10μ及
び50μにおいても、充分使用に耐えうるのものである。
〔実施例3〕 次に、封入袋を4.4.6−トリ−グルコ多糖を成分とする
水溶性フィルムとした場合の、本発明に係る発泡性入浴
剤封入袋の、機械的特性及び浴槽溶解性を調べるため、
以下の実験を行った。
まず、封入袋として、以下の組成を有する水溶性フィル
ム製の封入袋Bを用いた。
(封入袋B) 4.4.6−トリ−グルコ多糖 53(%) ポリビニルアルコール 33 グリセリン 9.5 水 4.5 なお、かかる封入袋Bは、以下の製造方法で製造した。
即ち、4.4.6−トリ−グルコ多糖粉末をイオン交換水で
溶解し、20%〜30%の水溶液に調整する。次に、ポリビ
ニルアルコールをイオン交換水で、溶解し、10%〜25%
溶液に調整する。
4.4.6−トリ−グルコ多糖水溶液の4.4.6−トリ−グルコ
多糖固形量53%量と、ポリビニルアルコール固形量33%
量、さらにグリセリン9.5%量を混合脱泡して調整フィ
ルム化溶液を作成する。
以上のようにして調整したフィルム化溶液をキャスティ
ング法により、ポリエステルフィルム上にコーティング
し、乾燥してフィルムを製造した。
また、乾燥工程は、60゜〜90℃の熱風乾燥とした。
そして、かかる封入袋Bに、第3表に示すような組成を
有する発泡性入浴剤を充填して本発明に係る入浴剤封入
袋(発明品7〜9)を製造し、溶解特性及び機械特性を
調べた。
その結果を、それぞれ第4表と第5表に示す。なお、比
較例として非発泡性入浴剤を充填した入浴剤封入袋(比
較例2)を用いた。
(上記発明品及び比較例の説明) 発明品7:浴槽投入時、湯表面浮遊状態で発泡分散溶解す
るものである。
発明品8:入浴剤組成は発明品7と同じであるが、水溶性
封入袋フィルムの厚さが50μと厚くなっており、従っ
て、発明品7に比べ浴槽内における発泡浴解時間が長い
ものである。
発明品9:浴槽に沈んだ状態で発泡分散溶解するタイプの
ものである。
比較例2:入浴剤組成が非発泡性であり、入浴剤封入袋
は、発明品7〜9に用いたものと同じ封入袋Bである。
以上の実験結果から明らかなように、本発明品の内、特
に封入袋をB、即ち、4.4.6−トリ−グルコ多糖を成分
とする水溶性フィルムとすることによって、良好な機械
特性及び浴槽溶解性を有することが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る入浴剤封入袋の斜視図、第2図は
第1図I−I線による断面図である。 図中、 a:入浴剤 b:内層 c:外層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸塩と有機酸とを含む発泡性入浴剤を水
    溶性封入袋内に内包した入浴剤封入袋。
JP61279322A 1986-05-27 1986-11-21 入浴剤封入袋 Expired - Fee Related JPH0788295B2 (ja)

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JP12287286 1986-05-27
JP61-122872 1986-05-27

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JPS6399006A JPS6399006A (ja) 1988-04-30
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