JPH0578599A - 放射線硬化型塗工剤 - Google Patents

放射線硬化型塗工剤

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JPH0578599A
JPH0578599A JP3243754A JP24375491A JPH0578599A JP H0578599 A JPH0578599 A JP H0578599A JP 3243754 A JP3243754 A JP 3243754A JP 24375491 A JP24375491 A JP 24375491A JP H0578599 A JPH0578599 A JP H0578599A
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curing
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glass transition
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Katsunori Nishijima
克典 西島
Katsuhiro Suzuki
克宏 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面保護性に優れ、可撓性および強靱性に優れ
た放射性硬化型塗工剤を提供することにある。 【構成】成分1として少なくとも3つ以上のアクリロイ
ル基を有し、架橋硬化後のガラス転移点が室温以上、好
ましくは200℃以上であるモノマーまたはプレポリマ
ー、成分2として少なくとも1つ以上のアクリロイル基
を有し、架橋硬化後のガラス転移点が室温以下、好まし
くは0℃以下であるモノマーまたはプレポリマー、以上
の2つの成分を主成分とする放射線硬化型塗工剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線硬化型塗工剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放射線硬化型塗工剤は、プラスチ
ックや紙、金属等への印刷および表面保護コーティング
剤として、あらゆる分野において利用されるに至ってい
る。広く利用されている理由として、瞬時硬化特性によ
り生産性に優れている、有機溶剤を必ずしも必要としな
いため環境保全に役立つ、耐水・耐薬品性等の化学的耐
性に優れている、そして表面耐擦傷性等の物理的耐性に
優れている、などがあげられる。
【0003】表面保護性に優れた硬い塗膜を得る場合、
硬化塗膜の架橋密度を上げるために、放射線硬化型塗工
剤の官能基濃度を高くすることが通常行われている。
【0004】しかしながら、ただ単に官能基濃度を高く
して架橋密度の高い塗膜とすると、硬化時の収縮も大き
くなり、そのため硬化塗膜の可撓性および強靱性に劣
り、塗膜にクラックが入りやすくなる欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたもので、その課題とする
ところは、表面保護性に優れ、可撓性および強靱性に優
れた放射線硬化型塗工剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するために、成分1として少なくとも3つ以上のアクリ
ロイル基を有し、架橋硬化後のガラス転移点が室温以
上、好ましくはガラス転移点が200℃以上であるモノ
マーまたはプレポリマー、成分2として少なくとも1つ
以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化後のガラス転移
点が室温以下、好ましくは0℃以下であるモノマーまた
はプレポリマー、以上の2つの成分を主成分とし、好ま
しくはその成分比が8:2〜2:8の範囲である、放射
線硬化型塗工剤を提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。少なくと
も3つ以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化後のガラ
ス転移点が室温以上、好ましくは200℃以上であるモ
ノマーまたはプレポリマーとしては、分子構造上は特に
限定しないが、例えば以下のようなものがあげられる。
【0008】 n≧0 a;(メタ)アクリロイル基 b;2塩基酸、または、ジイソシアネート
【0009】2塩基酸としては、琥珀酸、グルタール
酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、等があげられる。
【0010】ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレ
ン・ジイソシアネート、2・4−トリレン・ジイソシア
ネート、2・6−トリレン・ジイソシアネート、4・
4’−ジフェニルメタン・ジイソシアネート、ナフチレ
ン・ジイソシアネート、トリジン・ジイソシアネート、
イソホイロン・ジイソシアネート、キシリレン・ジイソ
シアネート、ジシクロヘキシル・ジイソシアネート、リ
ジン・ジイソシアネート、等があげられる。
【0011】少なくとも1つ以上のアクリロイル基を有
し、架橋硬化後のガラス転移点が室温以下、好ましくは
0℃以下であるモノマーまたはプレポリマーとしては、
分子構造上は特に限定しないが、例えば以下のようなも
のがあげられる。
【0012】CH2 =CHCOO−R CH2 =CHCOO−R’−OCOCH=CH2 R、R’;ポリアルキレングリコール等の直鎖脂肪族系
【0013】
【作用】少なくとも3つ以上のアクリロイル基を有し、
架橋硬化後のガラス転移点が室温以上である成分1が、
硬化塗膜の硬さのファクターとなり、少なくとも1つ以
上のアクリロイル基を有し、架橋硬化後のガラス転移点
が室温以下である成分2が、硬化塗膜の軟らかさのファ
クター、および硬化収縮により発生する内部応力を緩和
するファクターとなる。さらに好ましくは、成分1のガ
ラス転移点が200℃以上であることにより、硬化塗膜
の硬さのファクターが極めて高硬度となることを実現
し、成分2のガラス転移点が0℃以下であることによ
り、硬化塗膜の軟らかさのファクターが十分な柔軟性と
十分な内部応力緩和性を実現する。
【0014】
【実施例】
<実施例1>厚さ400μmの塩ビシートの片面に、下
記組成より成る放射線硬化型塗工剤を、グラビアコータ
ーにて、硬化後の膜厚が約2μm程度となるように塗工
した。
【0015】 成分1 ペンタエリスリトールトリアクリレート・ ヘキサメチレンジイソシアネート・ ウレタンプレポリマー (共栄社油脂化学工業(株)製:「UA-306H 」) 50重量部 成分2 ポリエチレングリコールジアクリレート (東亜合成化学工業(株)製:「アロニックス M-245」) 50重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0016】塗工後引き続き、紫外線照射装置(アイグ
ラフィックス(株)製:メタルハライドランプ120W/
cm、2灯)の照射下を通過させ、照射線量約400mJ/c
m2のエネルギーで塗膜を硬化させた。
【0017】<実施例2>実施例1において、光開始剤
を含まない以外は同様のものを電子線照射装置(日新ハ
イボルテージ(株)製:「キュアトロン」)の照射下を
通過させ、照射線量約4.0Mradのエネルギーで塗
膜を硬化させた。
【0018】<実施例3>実施例1において、放射線硬
化型塗工剤の組成が以下であること以外は、実施例1と
同様の方法で塗膜を硬化させた。
【0019】 成分1 トリメチロールプロパントリアクリレート (東亜合成化学工業(株)製:「アロニックス M-309」) 50重量部 成分2 ポリエチレングリコールジアクリレート (共栄社油脂化学工業(株)製:「14EG-A」) 50重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0020】<実施例4>実施例2において、放射線硬
化型塗工剤の組成が実施例3の光開始剤を含まない組成
であること以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を硬化
させた。 <比較例1>実施例1において、放射線硬化型塗工剤の
組成が以下であること以外は、実施例1と同様の方法で
塗膜を硬化させた。
【0021】 成分1 ペンタエリスリトールトリアクリレート・ ヘキサメチレンジイソシアネート・ ウレタンプレポリマー (共栄社油脂化学工業(株)製:「UA-306H 」) 100重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0022】<比較例2>実施例1において、放射線硬
化型塗工剤の組成が以下であること以外は、実施例1と
同様の方法で塗膜を硬化させた。
【0023】 成分2 ポリエチレングリコールジアクリレート (東亜合成化学工業(株)製:「アロニックス M-309」)100重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0024】<比較例3>実施例3において、放射線硬
化型塗工剤の組成が以下であること以外は、実施例3と
同様の方法で塗膜を硬化させた。
【0025】 成分1 トリメチロールプロパントリアクリレート (東亜合成化学工業(株)製:「アロニックス M-309」)100重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0026】<比較例4>実施例3において、放射線硬
化型塗工剤の組成が以下であること以外は、実施例3と
同様の方法で塗膜を硬化させた。
【0027】 成分2 ポリエチレングリコールジアクリレート (共栄社油脂化学工業(株)製:「14EG-A」) 100重量部 光開始剤 (メルク社製:「ダロキュアー1173」) 5重量部 計 105重量部
【0028】実施例1〜4、比較例1〜4にて得られた
硬化塗膜を鉛筆硬度試験で評価した。また、∠360 に屈
曲したときの塗膜の状態をクラックの有無で評価した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上に示したように、本発明により、表
面保護性に優れ可撓性および強靱性に優れた放射線硬化
型塗工剤を得ることができる。また、フレキシブルな柔
軟性が要求される素材において、表面保護のための印刷
およびコーティングを施すことに対する制限がなくなっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分1として少なくとも3つ以上のアクリ
    ロイル基を有し、架橋硬化後のガラス転移点が室温以上
    であるモノマーまたはプレポリマーと、成分2として少
    なくとも1つ以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化後
    のガラス転移点が室温以下であるモノマーまたはプレポ
    リマー、以上の2つの主成分の比が8:2〜2:8の範
    囲であることを特徴とする放射線硬化型塗工剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成分1のモノマーまたは
    プレポリマーとして、架橋硬化後のガラス転移点が20
    0℃以上であることを特徴とする放射線硬化型塗工剤。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の成分2のモノマーまたは
    プレポリマーとして、架橋硬化後のガラス転移点が0℃
    以下であることを特徴とする放射線硬化型塗工剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080936A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 硬化性樹脂組成物、表面保護方法、仮固定方法、及び剥離方法
JP2013213207A (ja) * 2012-03-09 2013-10-17 Arakawa Chem Ind Co Ltd 活性エネルギー線硬化型自己修復性塗料組成物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080936A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 硬化性樹脂組成物、表面保護方法、仮固定方法、及び剥離方法
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