JPH0578542A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0578542A
JPH0578542A JP1788792A JP1788792A JPH0578542A JP H0578542 A JPH0578542 A JP H0578542A JP 1788792 A JP1788792 A JP 1788792A JP 1788792 A JP1788792 A JP 1788792A JP H0578542 A JPH0578542 A JP H0578542A
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weight
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rubber
acrylate
graft
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JP1788792A
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English (en)
Inventor
Naoki Yamamoto
直己 山本
Akira Nakada
章 中田
Atsunori Koshirai
厚典 小白井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性ポリエーテルイミド樹脂の耐衝撃性
を改善した樹脂組成物を提供する。 【構成】 熱可塑性ポリエーテルイミド樹脂(A)60
〜99重量部、ポリオルガノシロキサンゴムにまたはポ
リオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡
み合った構造を有する複合ゴムに一種以上のビニル単量
体がグラフト重合されてなるグラフト共重合体(B)1
〜40重量部、及び(A)と(B)の両成分の合計10
0重量部に対しエポキシ基を有するシラン化合物(C)
0.01〜10重量部が含有されてなる樹脂組成物、更
に、前記樹脂組成物の合計100重量部に対して10〜
300重量部の充填剤が配合されてなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド樹脂、ポリメ
タクリルイミド樹脂及びポリエーテルイミド樹脂の耐衝
撃性を改善した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は剛性及び機械的強度等
に優れ、また、ポリメタクリルイミド樹脂及びポリエー
テルイミド樹脂は剛性、機械的強度及び耐熱性等に優れ
ており、これらの樹脂はエンジニアリングプラスチック
として幅広い用途展開が期待されているものの、耐衝撃
性に劣ることからその用途が制限されている現状にあ
る。
【0003】ポリアミド樹脂の耐衝撃性を改善する方法
として数多くの提案がなされており、例えば米国特許第
4,174,358 号公報や同第4,536,541 号公報にはポリアミ
ドに酸変性エチレン/プロピレン共重合体(酸変性EP
R)を配合する方法が提案されている。
【0004】また本発明者等はポリメタクリルイミド樹
脂やポリエ−テルイミド樹脂の耐衝撃性を改善する方法
としてポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体を配
合する方法を提案している(特開平1−75553号公
報及び特開平1−75563号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら米国特許
第4,174,358 号公報や同第4,536,541 号公報に記載され
た方法では、低温下での衝撃強度が充分高いものとなっ
ているとはいえず、より広い温度範囲でより優れた耐衝
撃性を発現する組成物が要望されている。
【0006】また特開平1−75553号公報や特開平
1−75563号公報に記載された方法はある程度の耐
衝撃性改良の効果はあるものの、より過酷な条件での使
用やより幅広い用途展開を可能とするためには充分とは
いえず、更に耐衝撃性の優れた組成物が要望されてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、ポリアミド樹脂、ポリメタクリルイミド
樹脂及びポリエーテルイミド樹脂の耐衝撃性を更に改善
すべく鋭意検討した結果、これらの熱可塑性樹脂に対し
て特定のグラフト共重合体とエポキシ基を含有する有機
シラン化合物を配合することにより、幅広い温度範囲に
わたって耐衝撃性を向上せしめることができることを見
出し、本発明に到達した。
【0008】即ち本発明の要旨は、ポリアミド樹脂、ポ
リメタクリルイミド樹脂及びポリエーテルイミド樹脂か
ら選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂(A)60〜
99重量部、ポリオルガノシロキサンゴムにまたはポリ
オルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み
合った構造を有する複合ゴムに一種以上のビニル単量体
がグラフト重合されてなるグラフト共重合体(B)1〜
40重量部、及び(A)と(B)の両成分の合計100
重量部に対しエポキシ基を有するシラン化合物(C)
0.01〜10重量部が含有されてなる樹脂組成物にあ
り、更に、前記樹脂組成物の合計100重量部に対して
10〜300重量部の充填剤が配合されてなる樹脂組成
物にある。本発明で用いられるポリアミド樹脂としては
脂肪族、芳香族又は脂環式のジカルボン酸とジアミンと
から得られるポリアミド、アミノカルボン酸やラクタム
類から得られるポリアミド等を挙げることができる。こ
のようなポリアミドの具体例としては6−ナイロン、1
2−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン、
ナイロンMXD6、6−ナイロンと6,6−ナイロンの
共重合体、6−ナイロンと10−ナイロンの共重合体等
を挙げることができる。これらの中では6−ナイロンと
6,6−ナイロン、4,6−ナイロンが好ましく用いら
れる。
【0009】本発明で用いられるポリメタクリルイミド
樹脂としては下記一般式で表される環構造単位を5重量
%以上含有する重合体を挙げることができる。
【0010】
【化1】
【0011】尚、一般式(1)中で、R1 は水素原子又
は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のシク
ロアルキル基あるいはアルキル置換シクロアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基あるいはアルアルキル基を
示す。
【0012】なお、上記式(1)中でR1 としては水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フ
ェニル基又はシクロヘキシル基であることが好ましい。
【0013】このようなポリメタクリルイミド樹脂は例
えば、メタクリル酸エステル系樹脂とアンモニア又は第
1級アミンとを不活性溶媒中で150〜350℃の温度
で反応させることによって得ることができる。ここで用
いる第1級アミンとしてはメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、アニリン、シクロ
ヘキシルアミン等を例示できる。不活性溶媒としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及び
メタノール、エタノール、プロパノール等の脂肪族アル
コールから選ばれる溶媒あるいはこれらの溶媒の2種以
上からなる混合溶媒を用いることができる。
【0014】本発明のポリメタクリルイミド樹脂として
は式(1)で示される環構造単位を5重量%以上含有し
ている必要があり、20重量%以上含有していることが
好ましく、50重量%以上含有していることがより好ま
しい。該環構造単位の含有量が5重量%未満であると充
分熱変形温度の高い樹脂組成物が得られなくなる。
【0015】ポリメタクリルイミド樹脂をメタクリル酸
エステル系樹脂から製造する場合、製造に用いるメタク
リル酸エステル系樹脂としてはメタクリル酸エステル単
独重合体、メタクリル酸エステルと他のメタクリル酸エ
ステル又はアクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリ
ル酸、スチレン、α−メチルスチレンのような置換スチ
レン等との共重合体を挙げることができる。
【0016】メタクリル酸エステルとしては、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert- ブチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート等を例示できる。メタクリル酸エステルと共重合可
能なアクリル酸エステルとしてはメチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert- ブチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ノルボ
ルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート等を例示できる。
【0017】上述のメタクリル酸エステル系樹脂として
はメチルメタクリレート単独重合体あるいはメチルメタ
クリレート25重量%以上と上記の他の(メタ)アクリ
レート系単量体75重量%以下からなる共重合体が好ま
しく、共重合体の中ではメチルメタクリレートと他のメ
タクリレートとの共重合体が好ましく、メチルメタクリ
レート単独重合体が最も好ましい。
【0018】本発明で用いられる熱可塑性ポリエーテル
イミド樹脂としては下記一般式で表される重合体を挙げ
ることができる。
【0019】
【化2】
【0020】なお、上式中で、R1 及びR2 は各々独立
に2価の有機基を示し、その具体例としては下記のもの
を例示できる。
【0021】
【化3】
【0022】これらの中では下記の構造式で示されるポ
リエーテルイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0023】
【化4】
【0024】本発明で用いるポリオルガノシロキサンゴ
ム成分はオルガノシロキサンとポリオルガノシロキサン
ゴム用架橋剤(以下架橋剤(I)という)とポリオルガ
ノシロキサンゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉
剤(I)という)を重合することにより微小粒子として
得られるものを挙げることができる。
【0025】オルガノシロキサンとしては3員環以上の
環状オルガノシロキサンを例示でき、3〜6員環のもの
が好ましく用いられる。好ましい環状オルガノシロキサ
ンの具体例としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキ
サン、トリメチルトリフェミルシクロトリシロキサン、
テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、
オクタフェニルシクロテトラシロキサン等を例示でき、
これらは単独であるいは2種以上混合して用いられる。
環状オルガノシロキサンの使用量はポリオルガノシロキ
サンゴム中60重量%以上であることが好ましく、70
重量%以上であることがより好ましい。
【0026】架橋剤(I)としては3官能性又は4官能
性のシラン系架橋剤即ち、3つ又は4つのアルコキシ基
を有するシラン化合物が用いられ、この具体例としてト
リメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を
例示できる。架橋剤(I)としては4官能性のものが好
ましく、4官能性の架橋剤の中ではテトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。
【0027】架橋剤(I)の使用量はポリオルガノシロ
キサンゴム中0.1〜30重量%であることが好まし
く、0.5〜10重量%であることがより好ましい。架
橋剤(I)が0.1重量%未満であると組成物からの成
形品の衝撃強度が低いものとなり、成形品外観も悪くな
る傾向にある。又、30重量%を越えて使用してもそれ
以上の架橋構造の形成には寄与しない。
【0028】グラフト交叉剤とは互いに反応性の異なる
重合性不飽和基を2つ以上有するモノマーであって、そ
の一方の重合性不飽和基は重合時に重合性成分と共に重
合してゴム中に組み込まれるが、他方の重合性不飽和基
は反応せずに残存し、その後のグラフト重合時にグラフ
ト枝構成成分と共に重合するようなモノマ−をいう。グ
ラフト交叉剤(I)としてはアルコキシシリル基とビニ
ル基もしくはメルカプト基を有する化合物が挙げられる
が、そのシロキサン基は重合に関与してポリオルガノシ
ロキサンゴム中に組み込まれるが、ビニル基もしくはメ
ルカプト基はこの時には反応しないでその後のグラフト
重合時あるいは複合ゴム製造時のポリオルガノシロキサ
ンゴム存在下でのポリ(メタ)アクリレートゴムの重合
の際に反応する。
【0029】その具体例として、次式で表される単位を
形成しうる化合物が挙げられる。
【0030】
【化5】
【0031】尚、各式においてR1 はメチル基、エチル
基、プロピル基又はフェニル基を、R2 は水素原子又は
メチル基、nは0、1又は2、pは1〜6の整数を示
す。
【0032】これらの中では式(I−1)の単位を形成
しうる(メタ)アクリロイルオキシシランはグラフト効
率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能で
あり、耐衝撃性発現の点で有利である。なお式(I−
1)の単位を形成しうるものとしてメタクリロイルオキ
シシランが特に好ましい。
【0033】式(I−2)の単位を形成しうるものとし
てはビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン等を例示できる。式(I−3)の単位を形成し
得るものとしては4−ビニルフェニルジメトキシメチル
シラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等を例
示できる。また式(I−4)の単位を形成しうるものと
してはγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等を例示で
きる。
【0034】メタクリロイルオキシシランの具体例とし
ては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシ
ジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジ
メトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロ
イルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げら
れ、これらの中ではγ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシランをより好ましいものとして挙
げることができる。グラフト交叉剤(I)の使用量はポ
リオルガノシロキサンゴム中0.1〜10重量%であ
り、0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0035】ポリオルガノシロキサンゴムは、例えば米
国特許第2891920 号明細書、同第3294725 号明細書等に
記載された方法によりラテックスとして得ることができ
る。本発明においては、例えば、オルガノシロキサンと
架橋剤(I)とグラフト交叉剤(I)を加えた混合液
を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸
等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、ホモジナイザ−等
を用いて水と剪断混合する方法によりポリオルガノシロ
キサンゴムを製造するのが好ましい。
【0036】アルキルベンゼンスルホン酸は、オルガノ
シロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤
ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンス
ルホン酸とアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキ
ルスルホン酸金属塩等とを併用するとグラフト重合を行
う際にポリマ−を安定に維持するのに効果があるので好
ましい。
【0037】重合の停止はラテックスを水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶
液により中和することにより行なうことができる。
【0038】複合ゴムは上記で得たポリオルガノシロキ
サンゴムラテックスにアルキル(メタ)アクリレ−ト、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤(以下
架橋剤(II)という)及びポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉剤(I
I)という)を添加してポリオルガノシロキサンゴム粒
子中にこれらの成分を含浸させてから重合することによ
り合成することができる。
【0039】ゴム成分として複合ゴムを用いる場合はポ
リオルガノシロキサンゴムラテックスの製造時にグラフ
ト交叉剤(I)は必ずしも必要ではない。即ち、ポリオ
ルガノシロキサンゴムにグラフト成分をグラフト重合す
る場合は該ゴムにグラフト交叉剤(I)が含まれていな
いとグラフト重合が困難となるが、複合ゴムの場合はグ
ラフト交叉剤(I)が用いられていなくても、ポリオル
ガノシロキサンゴム粒子中にポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム用単量体を含浸させた状態でこれらの単量
体の重合を行なうためにポリオルガノシロキサンゴムの
架橋網目とポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの網
目とが相互に絡み合った状態でこの両成分が互いに分離
できない構造となっており、ポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分中にグラフト交叉剤(II)が含まれて
いるので、複合ゴムへのグラフト重合が可能になる。
【0040】複合ゴムの調製に用いるアルキル(メタ)
アクリレ−トとしては、アルキル基の炭素数が1〜8で
ある直鎖又は分岐鎖のアルキルアクリレート及びアルキ
ル基の炭素数が6〜12であるアルキルメタクリレート
を挙げることができる。これらの具体例としてメチルア
クリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−プロピルアクリ
レ−ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レ−ト、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアク
リレート、2−メチルブチルアクリレート、3−メチル
ブチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、2−ヘ
プチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−
オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト、ヘキシルメタアクリレ−ト、オクチルメタクリレー
ト、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタア
クリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等を例示で
き、これらの中ではn−ブチルアクリレ−トを好ましい
ものとして例示できる。
【0041】架橋剤(II)としては、重合性不飽和結合
を二つ以上有する(メタ)アクリレートが用いられ、具
体例としてエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロ
ピレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,3-ブチレングリ
コ−ルジメタクリレ−ト、1,4-ブチレングリコ−ルジメ
タクリレ−ト等を例示できる。
【0042】グラフト交叉剤(II)はポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム製造のための重合時に他の成分と
共に重合してゴム中に組み込まれるがその際に少なくと
も一部の重合性不飽和基が反応せずに残存し、その後の
グラフト重合時にその残存した不飽和基がグラフト枝構
成成分と共に重合できるような互いに反応性の異なる重
合性不飽和基を2つ以上有するモノマーであり、具体例
としてアリルメタクリレ−ト、トリアリルシアヌレ−
ト、トリアリルイソシアヌレ−ト等を例示できる。
【0043】尚、アリルメタクリレ−トはポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム重合時に反応性の高い方の不
飽和基の一部が反応して架橋結合を形成し、かつ、残り
の不飽和基がグラフト重合時に反応してグラフト結合を
形成するので架橋剤(II)とグラフト交叉剤(II)の両
方の機能を果たす。
【0044】これら架橋剤(II)並びにグラフト交叉剤
(II)は各々単一成分のものを用いてもよく、二種以上
の成分を併用してもよい。これら架橋剤(II)及びグラ
フト交叉剤(II)の使用量は各々ポリアルキル(メタ)
アクリレ−トゴム成分中0.1〜10重量%であり、アリル
メタクリレートのみで架橋剤(II)とグラフト交叉剤
(II)を兼ねさせる場合は0.2 〜20重量%用いればよ
い。
【0045】ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム成
分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和され
たポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中へ上記ア
ルキル(メタ)アクリレ−ト、架橋剤(II)及びグラフ
ト交叉剤(II)を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム
粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用
させて行えばよい。重合の進行とともにポリオルガノシ
ロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル
(メタ)アクリレ−トゴムの架橋網目が形成され、実質
上分離出来ないポリオルガノシロキサンゴム成分とポリ
アルキル(メタ)アクリレ−トゴム成分とからなる複合
ゴムのラテックスが得られる。
【0046】この複合ゴムとしてはトルエンで90℃で
4時間抽出して測定した時のゲル含量が80%以上のも
のであることが好ましい。
【0047】また複合ゴムとしては、ポリオルガノシロ
キサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返
し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム
成分の主骨格がn−ブチルアクリレ−トに由来する繰り
返し単位を有するものであることが好ましい。
【0048】複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴム
成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の比
率は前者が1重量%以上、後者が99重量%以下である
ものが好ましく、前者が5重量%以上、後者が95重量
%以下であるものがより好ましい。ポリオルガノシロキ
サンゴム成分が1重量%未満であると耐衝撃性、特に低
温における耐衝撃性の発現が不充分となる。
【0049】このようにして得たポリオルガノシロキサ
ンゴムあるいは複合ゴムにビニル単量体をグラフト重合
せしめることにより本発明で用いるポリオルガノシロキ
サン系グラフト共重合体(以下単に「グラフト共重合
体」という)を得ることができる。
【0050】グラフト重合に用いるビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エス
テル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアクリル酸エステル類;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物等の各種ビニル単量体を挙げることができ、これらは
単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。これらの
ビニル単量体の中では(メタ)アクリル酸エステルが好
ましく、その中でメチルメタクリレートが特に好まし
い。
【0051】グラフト共重合体における上記ビニル単量
体の量は、このグラフト共重合体の重量を基準にして1
〜60重量%であることが好ましく、5〜40重量%で
あることがより好ましい。ビニル単量体が1重量%未満
ではグラフト共重合体と熱可塑性樹脂との相溶性が充分
でなく耐衝撃性の発現が不充分となる傾向にあり、又、
60重量%を超えるとゴムの含量が少なくなるので耐衝
撃性付与効果が低下する傾向にある。
【0052】上記ビニル単量体をポリオルガノシロキサ
ンゴムあるいは複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル
重合技術によって一段であるいは多段で重合させ、こう
して得られたグラフト共重合体ラッテクスを塩化カルシ
ウムや硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に
投入し、塩析、凝固することにより、本発明で用いるグ
ラフト共重合体を分離、回収することができる。
【0053】本発明で用いるグラフト共重合体の平均粒
子径が0.08μm未満になると得られる樹脂組成物の
耐衝撃性が不充分となる傾向にあり、0.6μmより大
きくなってもやはり耐衝撃性が不充分となる傾向にある
と共に該樹脂組成物からの成形物の表面外観が悪化する
傾向にあるので、この平均粒子径は0.08〜0.6μ
mの範囲にあることが好ましい。このような平均粒子径
のグラフト共重合体とするためには用いるポリオルガノ
シロキサンゴムや複合ゴムを乳化重合で製造するのが好
適である。
【0054】本発明で用いるエポキシ基を有する有機シ
ラン化合物としては下記式で示される化合物の1種又は
2種以上の混合物を挙げることができる。
【0055】
【化6】
【0056】尚、上式において、nは1〜3の整数、R
5 はメチル基又はエチル基であり、Y及びZは下記の各
群から選ばれる基である。
【0057】
【化7】
【0058】尚、上式において、R6 は炭素数1〜3の
アルキレン基、R7 は単結合又は炭素数1〜3のアルキ
レン基、R8はメチル基又はエチル基を示す。
【0059】上記のエポキシ基を有する有機シラン化合
物の中ではグリシドキシアルキルトリアルコキシシラ
ン、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシラ
ン、(3,4−エポキシシクロヘキシルアルキルトリア
ルコキシシラン等を好ましいものとして例示でき、これ
らの化合物の具体例としてγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等を例示できる。
【0060】本発明の樹脂組成物は熱可塑性樹脂(A)
60〜99重量部、グラフト共重合体(B)1〜40重
量部、及び(A)と(B)の両成分の合計100重量部
に対しエポキシ基を有するシラン化合物(C)0.01
〜10重量部が含有されてなる樹脂組成物である。
【0061】(B)成分が1重量部未満では衝撃強度の
発現性が不充分となり、40重量部を超えると組成物の
耐熱性が低下するので好ましくない。更に、(A)と
(B)の両成分の合計100重量部に対して (C)成
分の配合量が0.01重量部未満では衝撃強度の発現性
が不充分となり、10重量部を超えると流動性が低下す
るので好ましくない。
【0062】本発明の組成物としては樹脂成分が上述の
ものである限りは、必要に応じて更に充填剤を配合する
ことができる。充填剤としては繊維状、粒子状、粉末状
等種々の形状のものを用いることができ、そのような充
填剤としてガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム、
アスベスト、炭化珪素、セラミック繊維、金属繊維、窒
化珪素、アラミド繊維、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、マイカ、タル
ク、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、セリ
サイト、ゼオライト、ウォラストナイト、フェライト、
黒鉛、石膏、ガラスビーズ、ガラスバルーン、石英等を
例示できる。
【0063】充填剤を配合する場合は(A)、(B)及
び(C)成分の合計100重量部に対して充填剤を10
〜300重量部とする。10重量部未満では充填剤の配
合による耐熱性、機械的強度の向上等の効果が小さく、
300重量部を超えると組成物の溶融流動性が低下する
ので好ましくない。
【0064】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とグ
ラフト共重合体とエポキシ基を有するシラン化合物とを
溶融混合して得られるものであればどのような手段で調
製してもよいが、乾燥状態のグラフト共重合体を熱可塑
性樹脂とエポキシ基を有する有機シラン化合物と、また
は更に充填剤と、押出機内で溶融混練しペレット化する
のが好ましい。
【0065】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
る。以下の記載において「部」とあるのはすべて重量部
を意味する。なお、各実施例、比較例での諸物性の測定
法は次の方法による。 平均粒子径:ラテックスを水で希釈したものを試料液
として用い、準弾性光散乱法(MALVERN SYSTEM 4600 、
測定温度25℃、散乱角900 )により測定した。 アイゾット衝撃強度:ASTM D−256の方法に
よる(1/8”ノッチ付き)。但し、絶乾条件で行なう 熱変形温度:ASTM D−256の方法による(荷
重18.6kg/cm2)。 成形品外観:射出成形品の表面を目視判定し、良好な
ものを○、不良のものを×、やや劣るものを△とした。 塗膜の密着性:平板を成形し、その表面にアクリルウ
レタン塗料(トルエンジイソシアネ−トとアクリルポリ
オ−ルの反応物)を塗布、乾燥後に1mm間隔で縦横1
1本の切り傷をつけて100個の碁盤目を作り、これに
セロハン粘着テープを貼り付け、テープを垂直方向に引
き剥したときの剥がれた塗膜の目数で評価した。すなわ
ち、剥がれた塗膜の目数が10枚以下の時は◎、11〜
20枚の時は○、21〜40枚の時は△、41枚以上の
時は×とした。
【0066】参考例1 ポリオルガノシロキサン系グラ
フト共重合体S−1の製造:テトラエトキシシラン2
部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキ
サン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を
得た。ドデシルベンゼンスルホン酸及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを各々1部溶解した蒸留水20
0部を調製し、これに上記シロキサン混合物100部を
加え、ホモミキサ−にて10,000rpm で予備撹拌し
た後、ホモジナイザ−により300kg/cm2の圧力で乳化
させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。このラテ
ックスを、コンデンサ−及び撹拌翼を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら80℃で5時間加熱
し、次いで48時間20℃で放置した後、水酸化ナトリ
ウム水溶液でこのラテックスのpHを7.0に中和し、
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス(以下PDMS
−1という)を得た。得られたポリオルガノシロキサン
ゴムへの転化率は89.7%であり、ポリオルガノシロ
キサンゴムの平均粒子径は0.16μmであった。
【0067】このPDMS−1を33部採取し、撹拌器
を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水267部を
加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチル
アクリレ−ト80部、アリルメタクリレ−ト1.6部及
びter-ブチルヒドロパ−オキサイド0.192部の混合
液を仕込み30分間撹拌し、この混合液をポリオルガノ
シロキサン系ゴム粒子に浸透させた。次いで硫酸第一鉄
0.001部、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム塩
0.003部、ロンガリット0.24部及び蒸留水10
部の混合液を仕込みラジカル重合開始させ、その後内温
70℃で2時間保持して複合ゴムラテックスを得た。こ
のラテックスを一部採取、乾燥して固形物を得、トルエ
ンで90℃、4時間抽出し、ゲル含量を測定したところ
95.3重量%であった。
【0068】この複合ゴムラテックスに、メチルメタク
リレート10部とtert- ブチルヒドロパ−オキサイド
0.024部との混合液を加え、内温70℃で4時間保
持し、複合ゴムへのグラフト重合を行なった。メチルメ
タクリレートの重合率は97.5%であり、グラフト共
重合体ラテックスの平均粒径は0.20μmであった。
得られたグラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウム
1.5重量%の熱水600重量部中に滴下し、凝固、分
離し、水による洗浄を繰り返した後80℃で24時間乾
燥し、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−
1の乾粉を97.7重量部得た。
【0069】参考例2〜8 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−2〜S
−8の製造:複合ゴム重合におけるPDMS−1の採取
量、蒸留水の添加量、n−ブチルアクリレートとアリル
メタクリレートの添加量を表1に記載のとおりにし(参
考例2〜7)あるいは複合ゴムを製造せずにPDMS−
1にグラフト重合を行ない(参考例8)、グラフト重合
におけるメチルメタクリレートの添加量を表1に記載の
通りとした(参考例2〜8)以外は実施例1と同様にし
てポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体を得た。
メチルメタクリレートの重合率、グラフト共重合体の平
均粒径と収量を表1に示した。
【0070】
【表1】
【0071】参考例9 シロキサン混合物をテトラエトキシシラン2部とオクタ
メチルシクロテトラシロキサン98部との混合物とした
以外は参考例1と同様にしてポリオルガノシロキサン系
グラフト共重合体S−9を得た。複合ゴムのゲル含量は
97%、メチルメタクリレートの重合率は98.1%、
グラフト共重合体の平均粒径は0.21μmであった。
【0072】参考例10 n−ブチルアクリレートの代わりに同量の2−エチルヘ
キシルアクリレートを用いた以外は参考例1と同様にし
てポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−10
を得た。複合ゴムのゲル含量は98%、メチルメタクリ
レートの重合率は97.2%、グラフト共重合体の平均
粒径は0.21μmであった。
【0073】参考例11 メチルメタクリレートの代わりに同量のスチレンを用い
た以外は参考例1と同様にしてポリオルガノシロキサン
系グラフト共重合体S−11を得た。複合ゴムのゲル含
量は98%、メチルメタクリレートの重合率は97.6
%、グラフト共重合体の平均粒径は0.20μmであっ
た。
【0074】実施例1〜20及び比較例1〜7 熱可塑性ポリアミドとして6−ナイロン(宇部興産
(株)製、UBE6ナイロン1013NW8)、6,6
−ナイロン(宇部興産(株)製、UBE66ナイロン2
020B)、4、6−ナイロン(ユニチカ(株)製、ユ
ニチカナイロン46 F5000)を用い、これらと各
参考例で得たポリオルガノシロキサン系グラフト共重合
体S−1〜S−8及び表2に示すエポキシ基を有する有
機シラン化合物を、表2に示す割合で配合し、二軸押出
機(東芝機械(株)製、TEM−35B)を用いてシリ
ンダー温度260〜290℃で溶融混練、ペレット化し
た。
【0075】得られたペレットを乾燥後、射出成形機
(住友重機(株)製、プロマット射出成形機)でシリン
ダー温度260〜290℃、金型温度70℃で試験片を
成形して耐衝撃性の評価を行なった。
【0076】又、比較のため、ポリアミドのみの場合、
グラフト共重合体あるいはエポキシ基を有する有機シラ
ンを配合しなかったもの、エポキシ基を有するシラン化
合物の代わりに他の官能基を有する有機シラン化合物を
用いた場合等についても評価した。それらの結果を表2
及び表3に示した。
【0077】なお、表2及び以下の表において有機シラ
ン化合物は下記の通りである。 (a):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信
越化学工業(株)製、KBM403) (b):γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
(信越化学工業(株)製、KBE402) (c):β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM30
3) (d):γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越
化学工業(株)製、KBM803) (e):γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学
工業(株)製、KBE903) 又、表2及び以下の表中において、ポリアミドの項での
66、6、46は各々6,6−ナイロン、6−ナイロ
ン、4,6−ナイロンを示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】実施例21〜28及び比較例8〜13 充填剤としてガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)、
タルク(TA)を配合した例として、表4に示す配合比
とした以外は実施例1と同様にして試験片を射出成形
し、評価した。その結果を表4に示した。
【0081】
【表4】
【0082】参考例12 ポリメタクリルイミド樹脂の
製造:充分に乾燥したポリメチルメタクリレート100
部、トルエン100部、メタノール10部と表4に示す
第1級アミン又はアンモニアを表4に示す量オートクレ
ーブに仕込み、撹拌しながら230℃で2時間反応させ
た。こうして得られた反応生成物を、ベント付き押出機
を用いてベント孔から揮発分を脱気しながら樹脂温度2
60℃で押し出してペレット化し、ポリメタクリルイミ
ド樹脂A−1〜A−4を得た。又、ポリメチルメタクリ
レートの代わりにメチルメタクリレートとエチルメタク
リレートの1:1ランダム共重合体を用いた以外はA−
1と同様にしてポリメタクリルイミド樹脂A−5を得
た。これらのポリメタクリルイミド樹脂の性能を表5に
示した。
【0083】
【表5】
【0084】実施例29〜47及び比較例14〜17 参考例12で得たポリメタクリルイミド樹脂A−1〜A
−5と各参考例で得たポリオルガノシロキサン系グラフ
ト共重合体S−1〜S−8及び表6に記載した有機シラ
ン化合物を表6に示す割合で配合し、二軸押出機(東芝
機械(株)製、TEM−35B)を用いてシリンダー温
度280℃で溶融混練、ペレット化した。得られたペレ
ットを乾燥後、射出成形機(住友重機(株)製、プロマ
ット射出成形機)でシリンダー温度280℃、金型温度
60℃で試験片を成形して耐衝撃性と耐熱性及び成形品
外観の評価を行なった。それらの結果を表6に示した。
【0085】
【表6】
【0086】実施例48及び比較例18 実施例29で得たポリメタクリルイミド樹脂組成物70
部にガラス繊維30部を配合して二軸押出機(東芝機械
(株)製、TEM−35B)を用いてシリンダー温度2
80℃でペレット化した。又、比較のため70部のポリ
メタクリルイミド樹脂A−1にガラス繊維30部を配合
して同様にペレット化した。得られたペレットを乾燥
後、実施例1と同様にして成形し、耐衝撃性と熱変形温
度を測定した。
【0087】ポリメタクリルイミド樹脂組成物にガラス
繊維を配合した実施例48のもののアイゾット衝撃強度
は17kg・cm/cmで、熱変形温度は141℃であった。こ
れに対してポリメタクリルイミド樹脂にガラス繊維を配
合した比較例18のもののアイゾット強度と熱変形温度
は各々8kg・cm/cm、144℃であった。
【0088】実施例49〜63及び比較例19〜23 ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラルエレクトリック社
製、ウルテム#1000)と各参考例で得たポリオルガ
ノシロキサン系グラフト共重合体S−1〜S−8及び表
7に記載した有機シラン化合物を表7に示す割合で配合
し、二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM−35B)
を用いて溶融混練、ペレット化した。得られたペレット
を乾燥後、射出成形機(住友重機(株)製、プロマット
射出成形機)を用い、シリンダー温度350℃、金型温
度80℃で試験片を成形して耐衝撃性と耐熱性の評価を
行なった。それらの結果を表7に示した。
【0089】
【表7】
【0090】実施例64及び比較例24 実施例49で得たポリエーテルイミド樹脂組成物70部
にガラス繊維30部を配合して二軸押出機(東芝機械
(株)製、TEM−35B)を用いてペレット化した。
又、比較のためポリエーテルイミド樹脂(ウルテム#1
000)70部にガラス繊維30部を配合して同様にペ
レット化した。得られたペレットを乾燥後、実施例49
と同様にして成形し、耐衝撃性と熱変形温度を測定し
た。
【0091】ポリエーテルイミド樹脂組成物にガラス繊
維を配合した実施例64のもののアイゾット衝撃強度は
29kg・cm/cmで、熱変形温度は191℃であった。これ
に対してポリエテルイミド樹脂にガラス繊維を配合した
比較例24のもののアイゾット強度と熱変形温度は各々
11kg・cm/cm、201℃であった。
【0092】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は特に低温での耐衝
撃性に優れているので従来より過酷な条件で使用するこ
とができる。またこの樹脂組成物の成形品は外観と塗膜
の密着性も優れている。
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 樹脂組成物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリエーテルイ
ミド樹脂の耐衝撃性を改善した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエーテルイミド樹脂は剛
性、機械的強度及び耐熱性等に優れており、エンジニア
リングプラスチックとして幅広い用途展開が期待されて
いるものの、耐衝撃性に劣ることからその用途が制限さ
れている現状にある。
【0003】本発明者等は熱可塑性ポリエ−テルイミド
樹脂の耐衝撃性を改善する方法としてポリオルガノシロ
キサン系グラフト共重合体を配合する方法を提案してい
(特開平1−75563号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平1
−75563号公報に記載された方法はある程度の耐衝
撃性改良の効果はあるものの、より過酷な条件での使用
やより幅広い用途展開を可能とするためには充分とはい
えず、更に耐衝撃性の優れた組成物が要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、熱可塑性ポリエーテルイミド樹脂の耐衝
撃性を更に改善すべく鋭意検討した結果、これらの熱可
塑性樹脂に対して特定のグラフト共重合体とエポキシ基
を含有する有機シラン化合物を配合することにより、幅
広い温度範囲にわたって耐衝撃性を向上せしめることが
できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明の要旨は、熱可塑性ポリエーテ
ルイミド樹脂(A)60〜99重量部、ポリオルガノシ
ロキサンゴムにまたはポリオルガノシロキサンゴム成分
とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離
できないように相互に絡み合った構造を有する複合ゴム
に一種以上のビニル単量体がグラフト重合されてなるグ
ラフト共重合体(B)1〜40重量部、及び(A)と
(B)の両成分の合計100重量部に対しエポキシ基を
有するシラン化合物(C)0.01〜10重量部が含有
されてなる樹脂組成物にあり、更に、前記樹脂組成物の
合計100重量部に対して10〜300重量部の充填剤
が配合されてなる樹脂組成物にある。
【0007】本発明で用いられる熱可塑性ポリエーテル
イミド樹脂としては下記一般式で表される重合体を挙げ
ることができる。
【0008】
【化1】
【0009】なお、上式中で、R1 及びR2 は各々独立
に2価の有機基を示し、その具体例としては下記のもの
を例示できる。
【0010】
【化2】
【0011】これらの中では下記の構造式で示されるポ
リエーテルイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0012】
【化3】
【0013】本発明で用いるポリオルガノシロキサンゴ
ム成分はオルガノシロキサンとポリオルガノシロキサン
ゴム用架橋剤(以下架橋剤(I)という)とポリオルガ
ノシロキサンゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉
剤(I)という)を重合することにより微小粒子として
得られるものを挙げることができる。
【0014】オルガノシロキサンとしては3員環以上の
環状オルガノシロキサンを例示でき、3〜6員環のもの
が好ましく用いられる。好ましい環状オルガノシロキサ
ンの具体例としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキ
サン、トリメチルトリフェミルシクロトリシロキサン、
テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、
オクタフェニルシクロテトラシロキサン等を例示でき、
これらは単独であるいは2種以上混合して用いられる。
環状オルガノシロキサンの使用量はポリオルガノシロキ
サンゴム中60重量%以上であることが好ましく、70
重量%以上であることがより好ましい。
【0015】架橋剤(I)としては3官能性又は4官能
性のシラン系架橋剤即ち、3つ又は4つのアルコキシ基
を有するシラン化合物が用いられ、この具体例としてト
リメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を
例示できる。架橋剤(I)としては4官能性のものが好
ましく、4官能性の架橋剤の中ではテトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。
【0016】架橋剤(I)の使用量はポリオルガノシロ
キサンゴム中0.1〜30重量%であることが好まし
く、0.5〜10重量%であることがより好ましい。架
橋剤(I)が0.1重量%未満であると組成物からの成
形品の衝撃強度が低いものとなり、成形品外観も悪くな
る傾向にある。又、30重量%を越えて使用してもそれ
以上の架橋構造の形成には寄与しない。
【0017】グラフト交叉剤とは互いに反応性の異なる
重合性不飽和基を2つ以上有するモノマーであって、そ
の一方の重合性不飽和基は重合時に重合性成分と共に重
合してゴム中に組み込まれるが、他方の重合性不飽和基
は反応せずに残存し、その後のグラフト重合時にグラフ
ト枝構成成分と共に重合するようなモノマ−をいう。
【0018】グラフト交叉剤(I)としてはアルコキシ
シリル基とビニル基もしくはメルカプト基を有する化合
物が挙げられるが、そのシロキサン基は重合に関与して
ポリオルガノシロキサンゴム中に組み込まれるが、ビニ
ル基もしくはメルカプト基はこの時には反応しないでそ
の後のグラフト重合時あるいは複合ゴム製造時のポリオ
ルガノシロキサンゴム存在下でのポリ(メタ)アクリレ
ートゴムの重合の際に反応する。
【0019】その具体例として、次式で表される単位を
形成しうる化合物が挙げられる。
【0020】
【化4】
【0021】尚、各式においてR1 はメチル基、エチル
基、プロピル基又はフェニル基を、R2 は水素原子又は
メチル基、nは0、1又は2、pは1〜6の整数を示
す。
【0022】これらの中では式(I−1)の単位を形成
しうる(メタ)アクリロイルオキシシランはグラフト効
率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能で
あり、耐衝撃性発現の点で有利である。なお式(I−
1)の単位を形成しうるものとしてメタクリロイルオキ
シシランが特に好ましい。
【0023】式(I−2)の単位を形成しうるものとし
てはビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン等を例示できる。式(I−3)の単位を形成し
得るものとしては4−ビニルフェニルジメトキシメチル
シラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等を例
示できる。また式(I−4)の単位を形成しうるものと
してはγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等を例示で
きる。
【0024】メタクリロイルオキシシランの具体例とし
ては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシ
ジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジ
メトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロ
イルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げら
れ、これらの中ではγ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシランをより好ましいものとして挙
げることができる。グラフト交叉剤(I)の使用量はポ
リオルガノシロキサンゴム中0.1〜10重量%であ
り、0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0025】ポリオルガノシロキサンゴムは、例えば米
国特許第2891920 号明細書、同第3294725 号明細書等に
記載された方法によりラテックスとして得ることができ
る。本発明においては、例えば、オルガノシロキサンと
架橋剤(I)とグラフト交叉剤(I)を加えた混合液
を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸
等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、ホモジナイザ−等
を用いて水と剪断混合する方法によりポリオルガノシロ
キサンゴムを製造するのが好ましい。
【0026】アルキルベンゼンスルホン酸は、オルガノ
シロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤
ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンス
ルホン酸とアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキ
ルスルホン酸金属塩等とを併用するとグラフト重合を行
う際にポリマ−を安定に維持するのに効果があるので好
ましい。
【0027】重合の停止はラテックスを水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶
液により中和することにより行なうことができる。
【0028】複合ゴムは上記で得たポリオルガノシロキ
サンゴムラテックスにアルキル(メタ)アクリレ−ト、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤(以下
架橋剤(II)という)及びポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉剤(I
I)という)を添加してポリオルガノシロキサンゴム粒
子中にこれらの成分を含浸させてから重合することによ
り合成することができる。
【0029】ゴム成分として複合ゴムを用いる場合はポ
リオルガノシロキサンゴムラテックスの製造時にグラフ
ト交叉剤(I)は必ずしも必要ではない。
【0030】即ち、ポリオルガノシロキサンゴムにグラ
フト成分をグラフト重合する場合は該ゴムにグラフト交
叉剤(I)が含まれていないとグラフト重合が困難とな
るが、複合ゴムの場合はグラフト交叉剤(I)が用いら
れていなくても、ポリオルガノシロキサンゴム粒子中に
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用単量体を含浸
させた状態でこれらの単量体の重合を行なうためにポリ
オルガノシロキサンゴムの架橋網目とポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴムの網目とが相互に絡み合った状態
でこの両成分が互いに分離できない構造となっており、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中にグラフ
ト交叉剤(II)が含まれているので、複合ゴムへのグラ
フト重合が可能になる。
【0031】複合ゴムの調製に用いるアルキル(メタ)
アクリレ−トとしては、アルキル基の炭素数が1〜8で
ある直鎖又は分岐鎖のアルキルアクリレート及びアルキ
ル基の炭素数が6〜12であるアルキルメタクリレート
を挙げることができる。これらの具体例としてメチルア
クリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−プロピルアクリ
レ−ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レ−ト、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアク
リレート、2−メチルブチルアクリレート、3−メチル
ブチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、2−ヘ
プチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−
オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト、ヘキシルメタアクリレ−ト、オクチルメタクリレー
ト、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタア
クリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等を例示で
き、これらの中ではn−ブチルアクリレ−トを好ましい
ものとして例示できる。
【0032】架橋剤(II)としては、重合性不飽和結合
を二つ以上有する(メタ)アクリレートが用いられ、具
体例としてエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロ
ピレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,3-ブチレングリ
コ−ルジメタクリレ−ト、1,4-ブチレングリコ−ルジメ
タクリレ−ト等を例示できる。
【0033】グラフト交叉剤(II)はポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム製造のための重合時に他の成分と
共に重合してゴム中に組み込まれるがその際に少なくと
も一部の重合性不飽和基が反応せずに残存し、その後の
グラフト重合時にその残存した不飽和基がグラフト枝構
成成分と共に重合できるような互いに反応性の異なる重
合性不飽和基を2つ以上有するモノマーであり、具体例
としてアリルメタクリレ−ト、トリアリルシアヌレ−
ト、トリアリルイソシアヌレ−ト等を例示できる。
【0034】尚、アリルメタクリレ−トはポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム重合時に反応性の高い方の不
飽和基の一部が反応して架橋結合を形成し、かつ、残り
の不飽和基がグラフト重合時に反応してグラフト結合を
形成するので架橋剤(II)とグラフト交叉剤(II)の両
方の機能を果たす。
【0035】これら架橋剤(II)並びにグラフト交叉剤
(II)は各々単一成分のものを用いてもよく、二種以上
の成分を併用してもよい。これら架橋剤(II)及びグラ
フト交叉剤(II)の使用量は各々ポリアルキル(メタ)
アクリレ−トゴム成分中0.1〜10重量%であり、アリル
メタクリレートのみで架橋剤(II)とグラフト交叉剤
(II)を兼ねさせる場合は0.2 〜20重量%用いればよ
い。
【0036】ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム成
分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和され
たポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中へ上記ア
ルキル(メタ)アクリレ−ト、架橋剤(II)及びグラフ
ト交叉剤(II)を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム
粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用
させて行えばよい。重合の進行とともにポリオルガノシ
ロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル
(メタ)アクリレ−トゴムの架橋網目が形成され、実質
上分離出来ないポリオルガノシロキサンゴム成分とポリ
アルキル(メタ)アクリレ−トゴム成分とからなる複合
ゴムのラテックスが得られる。
【0037】この複合ゴムとしてはトルエンで90℃で
4時間抽出して測定した時のゲル含量が80%以上のも
のであることが好ましい。
【0038】また複合ゴムとしては、ポリオルガノシロ
キサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返
し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム
成分の主骨格がn−ブチルアクリレ−トに由来する繰り
返し単位を有するものであることが好ましい。
【0039】複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴム
成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の比
率は前者が1重量%以上、後者が99重量%以下である
ものが好ましく、前者が5重量%以上、後者が95重量
%以下であるものがより好ましい。ポリオルガノシロキ
サンゴム成分が1重量%未満であると耐衝撃性、特に低
温における耐衝撃性の発現が不充分となる。
【0040】このようにして得たポリオルガノシロキサ
ンゴムあるいは複合ゴムにビニル単量体をグラフト重合
せしめることにより本発明で用いるポリオルガノシロキ
サン系グラフト共重合体(以下単に「グラフト共重合
体」という)を得ることができる。
【0041】グラフト重合に用いるビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エス
テル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアクリル酸エステル類;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物等の各種ビニル単量体を挙げることができ、これらは
単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。これらの
ビニル単量体の中では(メタ)アクリル酸エステルが好
ましく、その中でメチルメタクリレートが特に好まし
い。
【0042】グラフト共重合体における上記ビニル単量
体の量は、このグラフト共重合体の重量を基準にして1
〜60重量%であることが好ましく、5〜40重量%で
あることがより好ましい。ビニル単量体が1重量%未満
ではグラフト共重合体と熱可塑性ポリエ−テルイミド樹
との相溶性が充分でなく耐衝撃性の発現が不充分とな
る傾向にあり、又、60重量%を超えるとゴムの含量が
少なくなるので耐衝撃性付与効果が低下する傾向にあ
る。
【0043】上記ビニル単量体をポリオルガノシロキサ
ンゴムあるいは複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル
重合技術によって一段であるいは多段で重合させ、こう
して得られたグラフト共重合体ラッテクスを塩化カルシ
ウムや硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に
投入し、塩析、凝固することにより、本発明で用いるグ
ラフト共重合体を分離、回収することができる。
【0044】本発明で用いるグラフト共重合体の平均粒
子径が0.08μm未満になると得られる樹脂組成物の
耐衝撃性が不充分となる傾向にあり、0.6μmより大
きくなってもやはり耐衝撃性が不充分となる傾向にある
と共に該樹脂組成物からの成形物の表面外観が悪化する
傾向にあるので、この平均粒子径は0.08〜0.6μ
mの範囲にあることが好ましい。このような平均粒子径
のグラフト共重合体とするためには用いるポリオルガノ
シロキサンゴムや複合ゴムを乳化重合で製造するのが好
適である。
【0045】本発明で用いるエポキシ基を有する有機シ
ラン化合物としては下記式で示される化合物の1種又は
2種以上の混合物を挙げることができる。
【0046】
【化5】
【0047】尚、上式において、nは1〜3の整数、R
5 はメチル基又はエチル基であり、Y及びZは下記の各
群から選ばれる基である。
【0048】
【化6】
【0049】尚、上式において、R6 は炭素数1〜3の
アルキレン基、R7 は単結合又は炭素数1〜3のアルキ
レン基、R8 はメチル基又はエチル基を示す。
【0050】上記のエポキシ基を有する有機シラン化合
物の中ではグリシドキシアルキルトリアルコキシシラ
ン、グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシラ
ン、(3,4−エポキシシクロヘキシルアルキルトリア
ルコキシシラン等を好ましいものとして例示でき、これ
らの化合物の具体例としてγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等を例示できる。
【0051】本発明の樹脂組成物は熱可塑性ポリエ−テ
ルイミド樹脂(A)60〜99重量部、グラフト共重合
体(B)1〜40重量部、及び(A)と(B)の両成分
の合計100重量部に対しエポキシ基を有するシラン化
合物(C)0.01〜10重量部が含有されてなる樹脂
組成物である。
【0052】(B)成分が1重量部未満では衝撃強度の
発現性が不充分となり、40重量部を超えると組成物の
耐熱性が低下するので好ましくない。更に、(A)と
(B)の両成分の合計100重量部に対して (C)成
分の配合量が0.01重量部未満では衝撃強度の発現性
が不充分となり、10重量部を超えると流動性が低下す
るので好ましくない。
【0053】本発明の組成物としては樹脂成分が上述の
ものである限りは、必要に応じて更に充填剤を配合する
ことができる。充填剤としては繊維状、粒子状、粉末状
等種々の形状のものを用いることができ、そのような充
填剤としてガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム、
アスベスト、炭化珪素、セラミック繊維、金属繊維、窒
化珪素、アラミド繊維、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、マイカ、タル
ク、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、セリ
サイト、ゼオライト、ウォラストナイト、フェライト、
黒鉛、石膏、ガラスビーズ、ガラスバルーン、石英等を
例示できる。
【0054】充填剤を配合する場合は(A)、(B)及
び(C)成分の合計100重量部に対して充填剤を10
〜300重量部とする。10重量部未満では充填剤の配
合による耐熱性、機械的強度の向上等の効果が小さく、
300重量部を超えると組成物の溶融流動性が低下する
ので好ましくない。
【0055】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリエ−
テルイミド樹脂とグラフト共重合体とエポキシ基を有す
るシラン化合物とを溶融混合して得られるものであれば
どのような手段で調製してもよいが、乾燥状態のグラフ
ト共重合体を熱可塑性ポリエ−テルイミド樹脂とエポキ
シ基を有する有機シラン化合物と、または更に充填剤
と、押出機内で溶融混練しペレット化するのが好まし
い。
【0056】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
る。以下の記載において「部」とあるのはすべて重量部
を意味する。なお、各実施例、比較例での諸物性の測定
法は次の方法による。 平均粒子径:ラテックスを水で希釈したものを試料液
として用い、準弾性光散乱法(MALVERN SYSTEM 4600 、
測定温度25℃、散乱角900 )により測定した。 アイゾット衝撃強度:ASTM D−256の方法に
よる(1/8”ノッチ付き)。但し、絶乾条件で行な
う。 熱変形温度:ASTM D−256の方法による(荷
重18.6kg/cm2)。 成形品外観:射出成形品の表面を目視判定し、良好な
ものを○、不良のものを×、やや劣るものを△とした。 塗膜の密着性:平板を成形し、その表面にアクリルウ
レタン塗料(トルエンジイソシアネ−トとアクリルポリ
オ−ルの反応物)を塗布、乾燥後に1mm間隔で縦横1
1本の切り傷をつけて100個の碁盤目を作り、これに
セロハン粘着テープを貼り付け、テープを垂直方向に引
き剥したときの剥がれた塗膜の目数で評価した。すなわ
ち、剥がれた塗膜の目数が10枚以下の時は◎、11〜
20枚の時は○、21〜40枚の時は△、41枚以上の
時は×とした。
【0057】参考例1 ポリオルガノシロキサン系グラ
フト共重合体S−1の製造:テトラエトキシシラン2
部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキ
サン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を
得た。ドデシルベンゼンスルホン酸及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを各々1部溶解した蒸留水20
0部を調製し、これに上記シロキサン混合物100部を
加え、ホモミキサ−にて10,000rpm で予備撹拌し
た後、ホモジナイザ−により300kg/cm2の圧力で乳化
させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。このラテ
ックスを、コンデンサ−及び撹拌翼を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら80℃で5時間加熱
し、次いで48時間20℃で放置した後、水酸化ナトリ
ウム水溶液でこのラテックスのpHを7.0に中和し、
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス(以下PDMS
−1という)を得た。得られたポリオルガノシロキサン
ゴムへの転化率は89.7%であり、ポリオルガノシロ
キサンゴムの平均粒子径は0.16μmであった。
【0058】このPDMS−1を33部採取し、撹拌器
を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水267部を
加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチル
アクリレ−ト80部、アリルメタクリレ−ト1.6部及
びter-ブチルヒドロパ−オキサイド0.192部の混合
液を仕込み30分間撹拌し、この混合液をポリオルガノ
シロキサン系ゴム粒子に浸透させた。次いで硫酸第一鉄
0.001部、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム塩
0.003部、ロンガリット0.24部及び蒸留水10
部の混合液を仕込みラジカル重合開始させ、その後内温
70℃で2時間保持して複合ゴムラテックスを得た。こ
のラテックスを一部採取、乾燥して固形物を得、トルエ
ンで90℃、4時間抽出し、ゲル含量を測定したところ
95.3重量%であった。
【0059】この複合ゴムラテックスに、メチルメタク
リレート10部とtert- ブチルヒドロパ−オキサイド
0.024部との混合液を加え、内温70℃で4時間保
持し、複合ゴムへのグラフト重合を行なった。メチルメ
タクリレートの重合率は97.5%であり、グラフト共
重合体ラテックスの平均粒径は0.20μmであった。
得られたグラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウム
1.5重量%の熱水600重量部中に滴下し、凝固、分
離し、水による洗浄を繰り返した後80℃で24時間乾
燥し、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−
1の乾粉を97.7重量部得た。
【0060】参考例2〜8 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−2〜S
−8の製造:複合ゴム重合におけるPDMS−1の採取
量、蒸留水の添加量、n−ブチルアクリレートとアリル
メタクリレートの添加量を表1に記載のとおりにし(参
考例2〜7)あるいは複合ゴムを製造せずにPDMS−
1にグラフト重合を行ない(参考例8)、グラフト重合
におけるメチルメタクリレートの添加量を表1に記載の
通りとした以外は参考例1と同様にしてポリオルガノシ
ロキサン系グラフト共重合体を得た。メチルメタクリレ
ートの重合率、グラフト共重合体の平均粒径と収量を表
1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】参考例9 シロキサン混合物をテトラエトキシシラン2部とオクタ
メチルシクロテトラシロキサン98部との混合物とした
以外は参考例1と同様にしてポリオルガノシロキサン系
グラフト共重合体S−9を得た。複合ゴムのゲル含量は
97%、メチルメタクリレートの重合率は98.1%、
グラフト共重合体の平均粒径は0.21μmであった。
【0063】参考例10 n−ブチルアクリレートの代わりに同量の2−エチルヘ
キシルアクリレートを用いた以外は参考例1と同様にし
てポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−10
を得た。複合ゴムのゲル含量は98%、メチルメタクリ
レートの重合率は97.2%、グラフト共重合体の平均
粒径は0.21μmであった。
【0064】参考例11 メチルメタクリレートの代わりに同量のスチレンを用い
た以外は参考例1と同様にしてポリオルガノシロキサン
系グラフト共重合体S−11を得た。複合ゴムのゲル含
量は98%、メチルメタクリレートの重合率は97.6
%、グラフト共重合体の平均粒径は0.20μmであっ
た。
【0065】実施例1〜15及び比較例1〜5 ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラルエレクトリック社
製、ウルテム#1000)と各参考例で得たポリオルガ
ノシロキサン系グラフト共重合体S−1〜S−8及び
に記載した有機シラン化合物を表2に示す割合で配合
し、二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM−35B)
を用いて溶融混練、ペレット化した。得られたペレット
を乾燥後、射出成形機(住友重機(株)製、プロマット
射出成形機)を用い、シリンダー温度350℃、金型温
度80℃で試験片を成形して耐衝撃性と耐熱性の評価を
行なった。それらの結果を表2に示した。
【0066】なお、表2において有機シラン化合物は下
記の通りである。 (a):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信
越化学工業(株)製、KBM403) (b):γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
(信越化学工業(株)製、KBE402) (c):β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM30
3) (d):γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越
化学工業(株)製、KBM803) (e):γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学
工業(株)製、KBE903)
【0067】
【表2】
【0068】実施例16及び比較例6 実施例1 で得たポリエーテルイミド樹脂組成物70部に
ガラス繊維30部を配合して二軸押出機(東芝機械
(株)製、TEM−35B)を用いてペレット化した。
又、比較のためポリエーテルイミド樹脂(ウルテム#1
000)70部にガラス繊維30部を配合して同様にペ
レット化した。得られたペレットを乾燥後、実施例1
同様にして成形し、耐衝撃性と熱変形温度を測定した。
【0069】ポリエーテルイミド樹脂組成物にガラス繊
維を配合した実施例16のもののアイゾット衝撃強度は
29kg・cm/cmで、熱変形温度は191℃であった。これ
に対してポリエテルイミド樹脂にガラス繊維を配合した
比較例6のもののアイゾット強度と熱変形温度は各々1
1kg・cm/cm、201℃であった。
【0070】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は特に低温での耐衝
撃性に優れているので従来より過酷な条件で使用するこ
とができる。またこの樹脂組成物の成形品は外観と塗膜
の密着性も優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 79/08 51:08)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂、ポリメタクリルイミド
    樹脂及びポリエーテルイミド樹脂から選ばれる少なくと
    も一種の熱可塑性樹脂(A)60〜99重量部、ポリオ
    ルガノシロキサンゴムにまたはポリオルガノシロキサン
    ゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
    とが分離できないように相互に絡み合った構造を有する
    複合ゴムに一種以上のビニル単量体がグラフト重合され
    てなるグラフト共重合体(B)1〜40重量部、及び
    (A)と(B)の両成分の合計100重量部に対しエポ
    キシ基を有するシラン化合物(C)0.01〜10重量
    部が含有されてなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)、(B)及び(C)成分の合計1
    00重量部に対して更に充填剤が10〜300重量部配
    合されてなる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 グラフト共重合体(B)の数平均粒径が
    0.08〜0.6μmの範囲である請求項1又は2記載
    の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ビニル単量体が(メタ)アクリル酸エス
    テルである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ基を有するシラン化合物(C)
    がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
    グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びβ−
    (3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
    シシランからなる群より選ばれる一種以上である請求項
    1又は2記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 充填剤がガラス繊維又は炭素繊維である
    請求項2記載の樹脂組成物。
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