JPH0578125U - ブスバー固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気接続箱のブスバー固定構造において、形
成されるタブ間のピッチを比較的小さく設定出来るとと
もに、前記タブに多少こじる力が加えられても確実に該
タブの押し込み方向の移動を阻止出来るブスバー固定構
造を提供することを目的とする。 【構成】 先端に延設されたタブ１ａの突出方向と交又
する方向にクランク部１ｂが形成され、絶縁板２の一側
には、前記ブスバー１の収容部２ａが突条２ａ′により
形成されるとともに、前記クランク部１ｂを収容するク
ランク部収容部２ａ₁ が前記ブスバー収容部２ａと連続
して形成され、該クランク部収容部２ａ₁には、前記タ
ブ１ａの突出方向と反対側に突起２ｂを形成し、前記絶
縁板２と対面する絶縁板３に前記突起２ｂと係合する係
合凹部が形成され、前記突起２ｂと係合手段を構成して
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネスの相互接続等に用いられる電気接続箱におけるブス バーの固定構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は第１従来例の電気接続箱ａの分解斜視図である。 図４において、先端に形成されたタブｂ₁ の根幹部には係止孔ｂ₂ が形成され たブスバーｂは、前記ブスバーｂの係止孔ｂ₂ に対向する箇所に係止突起ｃ₁ が 形成された絶縁板ｃ上に取付けられ、該係止突起ｃ₁ と前記係止孔ｂ₂ とは係止 手段を構成している。

【０００３】 一方の側面が開口している電気接続箱本体ｄの開口部ｄ₁ には、周囲に溝ｄ₂ が形成され、該溝ｄ₂ はハウジングｅの側縁ｅ₁ の係入手段を構成するとともに 、ハウジングｅの底面ｅ₂ には前記タブｂ₁ の挿通手段を構成する挿通孔ｅ₃ が 形成されている。

【０００４】 電気接続箱本体ｄの内部には、前記絶縁板ｃ上にブスバーｂが取付けられると ともに、複数枚積層して外側は、カバーｆで前記複数枚の絶縁板ｃ及びブスバー ｂを挟持して該カバーｆを前記電気接続箱本体ｄに図示しないビスで取付けられ ている（実開平１−７９３２５号公報）。

【０００５】 従来例は上記のように構成されているので、電気接続箱ａのブスバーｂに形成 されたタブｂ₁ の固定方法は、絶縁板ｃ上に形成された係止突起ｃ₁ に全面的に 依存している。 ところが、最近のコネクタハウジングの接触端子間のピッチは、高密度の実装 化に伴いタブ間のピッチも小さくなっている。従って、前記タブｂ₁ 根幹部に形 成される係止孔ｂ₂ の内径も必然的に小さくなり、該係止孔ｂ₂ に係入する絶縁 板ｃの係止突起ｃ₁ の外径も必然的に小さくなるため、使用時にｇ方向の外力が 加わる場合、該外力により前記係止突起ｃ₁ が剪断されてしまう欠点があった。

【０００６】 図５（Ａ）の第２従来例では、上記欠点の対策として、絶縁板ｃ′に形成され たブスバー収容溝ｃ₁ ′に収容されたブスバーｂ′に延設されたタブｂ₁ ′の根 幹部に、クランク部ｂ₃ ′を形成するとともに、該クランク部ｂ₃ ′端縁に沿っ て前記ブスバー収容溝ｃ₁ ′に連続して係止突起ｃ₁ ″が形成されている。なお 、符号ｅ′は、層間接続用タブである（実願平２−９５５７２号）。

【０００７】 第２従来例は上記のように構成されているので、図示しない相手側コネクタを 挿入する場合、タブｂ₁ ′にｍ方向の力が加わるとともに、コネクタの抜き差し に必然的に生じるこじる力が、前記絶縁板ｃ′とカバーｆ′とを開拡しようとす る力となりタブｂ₁ ′に加わり、図５（Ｂ）に示すような初期状態から、図５（ Ｃ）に示すように絶縁板ｃ′とカバーｆ′との挟持力を越えて開拡されて、ブス バーｂ′のクランク部ｂ₃ ′が前記係止突起ｃ₁ ″からずれてしまい、結果的に 該係止突起ｃ₁ ″が係止突起としての機能を果たさなくなってしまう欠点が新た に生じるようになった。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記した点に鑑み、電気接続箱のブスバー固定構造において、形成さ れるタブ間のピッチを比較的小さく設定出来るとともに、前記タブに多少こじる 力が加えられても確実に該タブの押し込み方向の移動を阻止出来るブスバー固定 構造を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、絶縁板のブスバー収容部にブスバー を配設してなるブスバー配線板を収容し、所望のブスバーから同一面内で延設し たタブを、前記ブスバー配線板の一側縁から突出させてなる電気接続箱において 、前記タブを有するブスバーに該タブの突出方向と交差する方向にクランク部を 形成するとともに、該クランク部を収容するクランク部収容部を前記絶縁板に形 成し、該クランク部収容部には、前記タブの突出方向と反対側に突起を形成し、 前記ブスバー配線板と対向する絶縁板に前記突起と係合する係合凹部を形成した 構造を採用した。

【００１０】

【作用】

先端にタブを延設されたブスバーをブスバー配線板のブスバー収容部に収容し 、前記タブを有するブスバーに該タブの突出方向と交差する方向にクランク部を 形成するとともに、該クランク部を収容するクランク部収容部を前記絶縁板に形 成し、該クランク部収容部には、前記タブの突出方向と反対側に突起を形成し、 前記ブスバー配線板と対向する絶縁板に前記突起と係合する係合凹部が形成され ている。

【００１１】 従って、タブの間隔を比較的密に設定出来るとともに、該タブに対向するブス バー配線板と絶縁板とを開拡しようとする力が該タブに多少作用しても、前記ブ スバー配線板の突起と、隣接する絶縁板の係合凹部との係合は離脱せず確実にタ ブを保持出来る。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案による実施例のブスバー固定構造を有する電気接続箱Ａの分解斜 視図である。 図１において、先端に延設されたタブ１ａの突出方向と交又する方向にクラン ク部１ｂが形成されたブスバー１が複数設けられるとともに、前記タブ１ａは等 間隔に整列して配設されている。

【００１３】 絶縁板２の一側には、前記ブスバー１の形状に合わせてブスバー収容部２ａが 連続する突条２ａ′により形成されるとともに、前記ブスバー１のクランク部１ ｂを収容するクランク部収容部２ａ₁ が前記ブスバー収容部と連続して形成され ている。 該クランク部収容部２ａ₁ には、前記タブ１ａの突出方向と反対側の 縁に突起２ｂを形成し、前記絶縁板２と対面する絶縁板３に前記突起２ｂと係合 する係合凹部３ａが形成され、前記突起２ｂと係合手段を構成している（図２参 照）。 一方の側面が開口している電気接続箱本体４の開口部４ａには、周囲に 溝４ｂが形成され、該溝４ｂはハウジング５の側縁５ａの係入手段を構成すると ともに、ハウジング５の底面５ｂには前記タブ１ａの挿通手段を構成する挿通孔 ５ｂ′が形成されている。

【００１４】 電気接続箱本体４の内部には、ブスバー収容部２ａにブスバー１が収容された 前記絶縁板２のの外側には、カバー６がビス６ａで前記電気接続箱本体４に取付 けられている。 本考案による実施例のブスバー固定構造を有する電気接続箱Ａは、上記のよう に構成されているので、使用時においては先ず絶縁板２の各ブスバー収容部２ａ に、それぞれ対応するブスバー１を嵌着するとともに、隣接する絶縁板３で挟持 しながらハウジング５の挿通孔５ｂ′にそれぞれ対応するタブ１ａを挿通してハ ウジング５の側縁５ａを、電気接続箱本体４の開口部４ａの溝４ｂに係入させビ ス６ａでカバー６とともに、各絶縁板２及び絶縁板３を電気接続箱本体４に固定 して組付けを完了する。

【００１５】 本考案による実施例のブスバー固定構造を有する電気接続箱Ａは、上記のよう に組付けられるので、ブスバー１のクランク部１ｂは、図３（Ａ）に示すように 絶縁板３の係合凹部３ａに係合した絶縁板２の突起２ｂの根幹部たるクランク部 収容部２ａ₁ に当接している。

【００１６】 従って、タブ１に対する押し込みの外力Ｆが作用しても、従来例のようにタブ １が当接している部材が単純な片持ちの構造でないので、スリップぎみに倒れ勝 手になることは無い。 また、タブ１に対してこじる力が加わり、多少絶縁板２と絶縁板３が開き勝手 になっても、図３（Ｂ）に示すようになお絶縁板２の突起２ｂは、絶縁板３の係 合凹部３ａに係合していて確実にタブ１の位置保持の機能を果たす。

【００１７】 なお、本考案による実施例では、ブスバー１を挟持する為の最上層の絶縁板３ を独立して設けたが、最上層に対してはカバー６に係合凹部を形成して兼用して も良く、下層の絶縁板２のブスバー１を挟持する為の絶縁板３も、直上の絶縁板 ２に係合凹部を形成して兼用しても良い。

【００１８】 また、本考案による実施例では、ブスバー収容部２ａに連続してクランク部収 容部２ａ₁ が形成されているが、該クランク部収容部２ａ₁ 或いは前記ブスバー 収容部２ａは不連続の複数の突条により仮想したブスバー収容溝として形成して も良い。

【００１９】

【考案の効果】

本考案による実施例は上記のように構成したので、電気接続箱のブスバー固定 構造において、形成されるタブ間のピッチを比較的小さく設定出来るとともに、 前記タブに多少こじる力が加えられても確実に該タブの押し込み方向の移動を阻 止出来るブスバー固定構造を特長とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による実施例のブスバー固定構造を有す
る電気接続箱の分解斜視図である。

【図２】同じくブスバー固定構造要部の分解斜視図であ
る。

【図３】（Ａ）は同じくブスバー固定構造要部の縦断面
図である。（Ｂ）はブスバー固定構造要部の開拡された
状態の縦断面図である。

【図４】第１従来例の電気接続箱の分解斜視図である。

【図５】（Ａ）は第２従来例のブスバー固定構造要部の
分解斜視図である。（Ｂ）は第２従来例のブスバー固定
構造要部の縦断面図である。（Ｃ）は同じくブスバー固
定構造要部の開拡された状態の縦断面図である。

【符号の説明】

Ａ 電気接続箱 １ ブスバー １ａ タブ １ｂ クランク部 ２，３ 絶縁板 ２ａ ブスバー収容部 ２ａ′ 突条 ２ａ₁ クランク部収容部 ２ｂ 突起 ３ａ 係合凹部 ４ 電気接続箱本体 ４ａ 開口部 ５ ハウジング ５ａ 側縁 ５ｂ 底面 ５ｂ′ 挿通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁板のブスバー収容部にブスバーを配
   設してなるブスバー配線板を収容し、所望のブスバーか
   ら同一面内で延設したタブを、前記ブスバー配線板の一
   側縁から突出させてなる電気接続箱において、 前記タブを有するブスバーに該タブの突出方向と交差す
   る方向にクランク部を形成するとともに、該クランク部
   を収容するクランク部収容部を前記絶縁板に形成し、該
   クランク部収容部には、前記タブの突出方向と反対側に
   突起を形成し、前記ブスバー配線板と対向する絶縁板に
   前記突起と係合する係合凹部を形成したことを特徴とす
   るブスバー固定構造。