JPH0235428B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフラツトケーブルの端部に装着される
コネクターに関するものである。

複数の平たいリボン状の線心を横に平行に並べ
て、その両面にポリエチレンテレフタレート等の
絶縁フイルムを被せてなるフラツトケーブルが広
く使用されている。そのケーブル内のリボン状線
心と電気的接続をとらなければならないときに
は、絶縁被覆の一部を剥いて線心の片面を露出さ
せる。そのようなフラツトケーブルに使用するコ
ネクターが米国特許第3989336号および第3629787
号に記載されている。前者の特許に記載されてい
るコネクターは螺着された蓋部材を有する絶縁ハ
ウジングを備えており、その絶縁ハウジング内に
相対向する一対の接点面を有する接点端子が収容
されている。その接点端子はコネクターのケーブ
ル挿入面にケーブルが挿入されたとき、前記一対
の接点面がそのケーブルの両側にそれぞれ位置す
るように配される。前記蓋部材が閉められると、
その蓋部材は接点端子の接点面をケーブルの線心
に押圧する。すなわちケーブルはゼロ挿入力で挿
入され、接触力は蓋部材を閉めたときに初めて発
生する。後者の米国特許第3629787号に記載され
ているコネクターはねじ等によつて基板面に固定
されるハウジングを備えており、ケーブルの線心
が基板上の導体にスプリング部材によつて押圧さ
れるようになつている。前記ハウジングは基板か
ら取り外しておいて、ケーブルの線心を基板の導
体上に位置させておいてからその基板およびスプ
リング部材と組み合わせることができるようにな
つており、その点でこのコネクターもゼロ挿入力
タイプと言うことができる。このコネクターにお
いては前記ねじを締め付けることによつて前記ス
プリング部材がケーブルに押圧され、したがつて
そのケーブルの線心が基板上の導体に押圧され
る。

フラツトケーブルは極めて柔軟であり、端子の
接点面間に押し込もうとすると曲がつてしまつて
挿入できなくなるために、上記のようなゼロ挿入
力コネクターが必要となるのである。しかしなが
ら上記両米国特許におけるような蓋部材やねじな
どを使用しないで済むコネクターが望ましい。す
なわちフラツトケーブルを単に挿入するだけで良
いような簡単な構造のコネクターが望ましい。

そのようにフラツトケーブル用のコネクターを
簡素化する試みの１つとして、柔軟なフラツトケ
ーブルの一端を挿入する部分の弾性的接触力を小
さくすることがあげられる。しかし、このような
小さい接触力のコネクターは、小さな外力または
振動で極めて容易にフラツトケーブルがぬけてし
まつたり、長時間に亘つて不十分な電気的接続を
もたらしたりするので、十分信頼性のもてるもの
ではない。さらに、全ての接点に最適の接触圧を
設けることは実際上不可能である。

このような事情に鑑みて本発明は螺着された蓋
部材等を必要としない、簡単な構造のフラツトケ
ーブル用コネクターを提供することを目的とする
ものである。

本発明のコネクターは一実施例においては、ケ
ーブル挿入面を有する絶縁ハウジングを備えた多
接点コネクターである。トラフ状のケーブル挿入
孔がそのケーブル挿入面から内側に延びており、
第１、第２の接点端子がそのケーブル挿入孔内に
取り付けられている。各端子はケーブルがその挿
入孔内に挿入されるときに撓められるスプリング
部分を備えており、そのスプリング部分はケーブ
ルがその挿入孔内に完全に挿入されたときにその
ケーブルの線心と接触する接点部分を備えてい
る。第１の端子の接点部分は第２の端子の接点部
分よりもケーブル挿入面に近い所に位置せしめら
れる。したがつてケーブルがケーブル挿入孔内に
挿入されると、そのケーブルは先ず第１の端子の
接点部に出会う。したがつてここでは第１の端子
のスプリング部分を撓ませることのできるだけの
力でケーブルを押せばよい。第１の端子のスプリ
ング部分が撓んでケーブルがその第１の端子によ
つて押さえられた後、ケーブルは更に深く挿入さ
れて第２の端子の接点部に出会う。ここではその
第２の端子のスプリング部分を撓めるのに充分な
力でケーブルを押せばよい。したがつてケーブル
が両方の端子と同時に出会うときのような大きな
力でケーブルを押す必要がないから、ケーブルが
曲がる傾向が小さくなる。

本発明の他の実施例においては前記第２の端子
の接点部よりも深い位置に接点部を有する第３の
端子が設けられる。この場合にはケーブルの挿入
は３段階に分けて行なわれる。

本発明の更に他の実施例においては複数の第１
の端子、複数の第２の端子および複数の第３の端
子がハウジング内に収容される。第１の端子の接
点部はケーブル挿入面に最も近い第１の列をな
し、第２端子の接点部はケーブル挿入面に２番目
に近い第２の列をなし、第３の端子の接点部はケ
ーブル挿入面に最も遠い第３の列をなすように配
される。また第１、第２、第３の端子はそれぞれ
２つ置きに配される。

以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１〜４図において本発明の一実施例のコネク
ター２は柔軟なケーブル８の上面６側で露出され
た線心４を基板１４の下面１２の導体１０に接続
するのに使用される。ケーブル８は予めその一端
部の上面の絶縁被覆を剥かれており、その線心４
が露出されている。本実施例のコネクター２は基
板１４の上面１６に取り付けられる。その基板１
４はそのコネクター２内の端子の脚部を挿入する
開口を有している。

コネクター２はケーブル挿入面２０、後面２
２、上壁２４、底壁２６および端壁２８を有する
絶縁ハウジング１８を備えている。上面３２、下
面３４および端面３６を備えたトラフ状ケーブル
挿入孔３０がケーブル挿入面２０から内側へ延び
ている。そのケーブル挿入孔３０を横切つて複数
の仕切壁３８が延びており、その仕切壁３８によ
つてケーブル挿入孔３０が横に並んだ複数のキヤ
ビテイに分割されている。その各キヤビテイ内に
は４０，４０′，４０″で示される３つのタイプの
うちの１つのタイプの接点端子が収容される。こ
の３つのタイプの端子４０，４０′，４０″は後述
するようにほぼ同じものであるが一部の寸法のみ
が異つている。

第５図に示すように各端子４０，４０′，４
０″はほぼチヤネル形をしており、ウエブ部４２
とそのウエブ部４２から前方に延びる互いに平行
な一対の側壁４４，４６を備えている。接続用脚
部を形成するハンダ付け用脚部４８が上の側壁４
４およびウエブ部４２から打ち出されており、そ
の側壁４４およびウエブ部４２には開口４９が穿
けられている。

上の側壁４４の外端部が折り返されて、下の側
壁４６に向つて斜め下方に延びるスプリングアー
ム５０が形成されている。さらにそのスプリング
アーム５０の端部が上方に曲げられてその湾曲部
の外面が、下の側壁４６に設けられた細長いボス
５４と弾性的に接触する接点面５２を形成してい
る。ここで、側壁４６とボス５４が端子基部を構
成し、ウエブ部４２、側壁４４、スプリングアー
ム５０および接点面５２が弾性接触アームを構成
している。

第２〜４図に明確に示すように３つのタイプの
端子４０，４０′，４０″のうち端子４０の接点面
がケーブル挿入面２０に最も近く、次に端子４
０′の接点面がケーブル挿入面２０に近く、端子
４０″の接点面がケーブル挿入面２０に最も遠く
なつている。すなわち、第６図に示すように端子
４０の接点面は最初の列６８をなし、端子４０′
の接点面が２番目の列７０をなし、端子４０″の
接点面が３番目の列７２をなしている。

端子４０，４０′，４０″は第５図に示すような
連続体として製造され、その製造に使用する打抜
型は３つ目毎に端子４０が製造され、その隣に３
つ目毎に端子４０′が製造され、さらに隣に３つ
目毎に端子４０″が製造されるように、すなわち
２つおきに同じ端子が製造されるように構成され
る。連続体中の各端子は支持ストリツプ５６によ
つて連結されており、各端子をハウジング１８内
に組み込むときに、各端子はその支持ストリツプ
５６から切り離される。ハウジング１８内へ端子
を組み込むときには、所望の数の端子をケーブル
挿入孔３０内に各端子が各キヤビテイ内の所定の
位置に落ち着くまで挿入する。これによつて第２
〜４図に示すように、接続用脚部を形成するハン
ダ付け用脚部４８が各キヤビテイの後壁に設けら
れた開口５１を通つて突出するとともに、各キヤ
ビテイ内に設けられたリブ５８が各端子内の前記
開口４９内に突出する。次に各脚部４８をハウジ
ング１８の底壁２６に対して直角をなすように下
方に曲げる。ハウジング１８の後面２２には各端
子の脚部４８を収容するための複数のスロツト６
２が間隔を置いて設けられている。コネクター２
は端子の脚部４８を基板１４内の開口に挿入して
その脚部４８の下端をその基板１４の下面の導体
１０にハンダ付けするだけでその基板１４に取り
付けられる。

第６図および第１０図はケーブル８をコネクタ
ー２に挿入するときの本発明のコネクターの利点
を示すものである。ケーブル８をコネクター２の
ケーブル挿入面２０から挿入孔３０内に挿入する
とき、ケーブル８の先端６６はまず一番目の列６
８をなしている端子４０の接点面５２と出会う。
このとき、端子４０の接点アーム５０を上方に撓
めることのできるだけの力でケーブル８を押して
ケーブル８をその接点アーム５０の下を通過させ
なければならない。このとき、端子４０の数は端
子全部の数の３分の１に過ぎないから必要とする
力はそれ程大きくない。ケーブル８を更に深く挿
入すると、先端６６は２番目の列７０をなす端子
４０′の接点面５２と出会う。ここで挿入力をそ
の端子４０′のスプリングアーム５０に打ち勝つ
ことができるまで大きくしなければならないが、
このときにはケーブル８が第１の列６８をなす端
子４０の接点面５２によつて押さえられているた
め第２の列７０をなす端子４０′の近くでケーブ
ル８が曲がることはない。ケーブル８を更に深く
挿入すると、その先端６６は３番目の列７２をな
す端子４０″の接点面５２と出会い挿入力を更に
大きくしなければならないが、ここでも同様にケ
ーブル８が第１、第２の列６８，７０をなす端子
４０，４０′の接点面５２によつて押さえられて
いるから、ケーブル８の先端６６が曲がることは
ない。このようにしてケーブル８を挿入するとき
には、ケーブル８の挿入面２０に極めて近いとこ
ろをつかんで挿入すればよい。

第１０図はコネクター内ケーブルを挿入するの
に必要な力（縦軸Kg）とケーブルが押される距離
（横軸mm）の関係を示している。実線７４は本発
明のコネクターの場合であり、鎖線７６は全ての
端子の接点面がケーブル挿入面から等距離にある
コネクターの場合である。

全ての端子の接点面がケーブル挿入面から等距
離にある場合には必要とされる挿入力は９０で示
すように急激に最大となり、全ての端子のスプリ
ングアームの力に打ち勝つことのできる力でケー
ブルを押さなければ挿入できない。ケーブルが端
子の接点面を通過した後には、ケーブルを更に深
く挿入するために要する力は９２で示すように僅
かに小さくなる。したがつてケーブルを端子の接
点面を通過させるのが困難である。

これに対して本発明のコネクターの場合には、
７８，８０で示すようにケーブルを一番目の列の
端子の接点面を通過させるのに必要な力は比較的
小さい。ケーブルを２番目の列の端子の接点面を
通過させるのには８２，８４で示すようにより大
きな力で押してやる必要があり、さらに３番目の
列の端子の接点面を通過させるのには８６，８８
で示すように更に大きな力で押さなければならな
い。ケーブルを挿入するのに必要な仕事量はどち
らもほぼ同じであるかも知れないが、本発明のコ
ネクターのように接点面の位置がずれている方が
挿入操作がはるかにスムースになる。

第７図は本発明の他の実施例のコネクターを示
すものである。本実施例のコネクターは基板１４
の上面１６上にコネクターの後面２２を下にして
取り付けられる。本実施例のコネクターにおいて
は、ハウジングはその後面２２を基板１４の上面
１６から離して保持するためのスペーサ部材９６
を備えており、ハンダ付けの後に基板を掃除する
ことができるようになつている。本実施例におい
てはハンダ付け用脚部４８は開口５１を通つてハ
ウジングの後面２２から直角に突出し、基板の開
口に直接挿入されている。

第８，９図に示されている本発明のさらに他の
実施例のコネクターは第１図の実施例のコネクタ
ーと似ているが、ハウジングのケーブル挿入面２
０に隣接してラツチ部材９８を備えている。第１
図のコネクターにおいてはハウジングと基板との
機械的結合は端子の脚部４８と基板の導体とのハ
ンダ付けのみによつているから、コネクターが手
荒く取扱われる可能性があるときにはこのような
ラツチ部材９８を設けるのが望ましい。基板やコ
ネクターを不注意に扱うとハンダ付け部が損傷す
るおそれがあるが、ラツチ部材９８を設けること
によつてそのような可能性を防止することができ
る。

このようなラツチ部材９８の替りに、ハウジン
グのケーブル挿入面２０または後面２２の一方ま
たは両方の底壁２６側にエプロン部乃至リツプ部
を設けてもよい。そのようなエプロン部乃至リツ
プ部は基板１４の上面１６に当接してハウジング
の基板１４に対する回転を防止するように位置せ
しめられる。ハウジングが基板に対して回転しな
ければハンダ付け部の損傷も防止される。

本発明の思想は図示したタイプの端子（この端
子は米国特許第4060296号に記載されているもの
とほぼ同じタイプのものである。）以外の端子を
使用したコネクターにも広く使用することができ
る。

しかしながら上記のタイプの端子は接点面５２
が下の側壁４６に当接しており、ケーブルがその
間に挾まれて押さえられるとともに、ケーブルの
どつちの面がスプリングアーム５０に接していて
もケーブルの線心と端子が電気的に接触するとい
う点で望ましい。

本発明のフラツトケーブル用コネクターによる
と、各接点端子は、接点端子基部の後端から接続
用脚部が打ち抜き形成されると共に残りの部分が
Ｃ字状に前方に折曲げられて弾性接触アームが形
成されるので、弾性接触アームのウエブ部４２お
よび側壁４４は二又状となり十分な弾性を有する
と共に、接点端子をケーブル挿入面からスタガ状
に配置した複数グループに分割しているので、極
めて柔軟性のあるフラツトケーブルであつても容
易にケーブル挿入孔内に挿入接続することが可能
である。しかも、コネクターは極めて低背構造で
あるので、小型電子機器用に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のコネクターを基板
上に取り付けた状態を示す斜視図、第２〜４図は
それぞれ第１図の２−２線、３−３線、４−４線
断面図、第５図は第１図のコネクターに使用され
る端子の連続体の斜視図、第６図は本発明のコネ
クターの作用を説明するための図、第７図は本発
明の他の実施例のコネクターを基板に取り付けた
状態を示す断面図、第８図は本発明の更に他の実
施例の側面図、第９図は第８図の９−９線方向に
見た端面図、第１０図は本発明のコネクターケー
ブルを挿入するときに必要な力を、典型的な従来
のコネクターにケーブルを挿入するときに必要な
力と比較して示すグラフである。 ８……フラツトケーブル、４……線心、１８…
…絶縁ハウジング、３０……ケーブル挿入孔、４
０，４０′，４０″……接点端子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数のフラツト線心を平行配列し絶縁部材で
   共通に覆つた柔軟なフラツトケーブルの一端の前
   記絶縁部材を除去し、前記フラツトケーブルの一
   端を絶縁ハウジングの前面のケーブル挿入孔に挿
   入して、該ケーブル挿入孔に沿つて前記フラツト
   線心と対応して形成されたキヤビテイ内に配置さ
   れた多数の接点端子と電気的接続を行うフラツト
   ケーブル用コネクターにおいて、 前記各接点端子は前記各キヤビテイの側壁に沿
   つて略前端から後端に延びる端子基部と、該端子
   基部の後端中央部を打ち抜き前記絶縁ハウジング
   の上記キヤビテイ後部から外部に突出させた接続
   用脚部と、前記端子基部の後端部の前記脚部を除
   く部分を前方に略Ｃ字状に折り曲げ形成した弾性
   接触アームとを具え、 前記接点端子は各々前記ケーブル挿入孔の略全
   体に配置された接点端子を有する複数グループに
   分割され、前記接点端子の前記弾性接触アームの
   前記絶縁ハウジングの前面からの距離を同じグル
   ープ同士は略同じとし、異なるグループ同士は異
   なる値に選定したことを特徴とするフラツトケー
   ブル用コネクター。