JPH0577795B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 少なくとも３組の縦糸１，２，３と少なくと
も２組の交叉糸４，５を含む上部すなわち成形織
地と下部すなわち摩耗織地を有する複合型製紙ワ
イヤにおいて、 ワイヤの上部織地における外側に配された全部
の縦ナツクルのうちの少なくとも半分が少なくと
も２組の縦糸１，２から形成されて二重縦ナツク
ルを形成しており、第１組の縦糸１が第１組の交
叉糸４と織り合わされ、第３組の縦糸３が第２組
の交叉糸５と織り合わされ、第２組の縦糸２の少
なくとも一部が両方の組の交叉糸４，５と織り合
わされ、 第１組の縦糸１の糸の一部に少なくとも沿つて
二重縦ナツクルが第１組の縦糸１の糸と第２組の
縦糸２の２つの糸７，８から形成されており、そ
の際に第２組の縦糸２の２つの糸７，８は互いに
交互に二重ナツクル形成に関与するよう構成され
ることを特徴とする製紙ワイヤ。

２ 上部織地における外側に配された縦ナツクル
の全部が第１組および第２組の縦糸１，２から形
成されることを特徴とする請求の範囲第１項記載
の製紙ワイヤ。

３ 第２組の交叉糸５の糸の全てが第２組の縦糸
２の糸と織り合わされていることを特徴とする請
求の範囲第１項記載の製紙ワイヤ。

４ 第２組の交叉糸５に加えて、第２組の交叉糸
５と同様に第２組の縦糸２の糸と織り合わされた
ひと組の摩耗タイプ交叉糸６を有することを特徴
とする請求の範囲第３項記載の製紙ワイヤ。

５ 上部織地のナツクル分布がリネン組織に対応
するものであることを特徴とする請求の範囲第１
項−第４項のいずれか１項記載の製紙ワイヤ。

６ 下部織地のナツクル分布がリネン組織に対応
するものであることを特徴とする請求の範囲第１
項−第５項のいずれか１項記載の製紙ワイヤ。

７ 少なくとも３つの縦糸の外方を橋がけする交
叉糸６が追加的に下部織地に織り込まれているこ
とを特徴とする請求の範囲第６項記載の製紙ワイ
ヤ。

８ 追加的に織り込まれた交叉糸６が耐摩耗性の
大きい材料からなることを特徴とする請求の範囲
第７項記載の製紙ワイヤ。

９ 第２組の縦糸２の少なくとも一部が伸び率の
大きい材料からなることを特徴とする請求の範囲
第１項−第８項のいずれか１項記載の製紙ワイ
ヤ。

１０ 第２組の縦糸２の糸の直径が第１組の縦糸
１の糸の直径の3/4以下であることを特徴とする
請求の範囲第９項記載の製紙ワイヤ。

１１ 下部織地がバタビア組織であることを特徴
とする請求の範囲第１項−第１０項のいずれか１
項記載の製紙ワイヤ。

発明の背景 本発明は少なくとも３組の縦糸またはより糸お
よび少なくとも２組の交叉糸またはより糸から成
る上部すなわち成形織地および下部すなわち摩耗
織地を含む、複合織地の形をとる製紙ワイヤまた
はスクリーンに向けられている。

現在まで、複合織地の形をとる既知の製紙ワイ
ヤは紙に面する上面の不十分な性質のために薄い
紙を作る目的で使用することには成功しておら
ず、その結果紙にあらゆる種類のマーキングをし
てしまつていた。この点について縦、横および斜
のマーキングは大抵の場合ワイヤを製紙機から取
り除かなければならない程ひどいことが知られて
いた。

製紙機用の成形ワイヤは、第１の完全な織地を
形成するために織り込まれた第１組の経糸と第１
組の横糸から成り、さらに第２の完全な織地を形
成するために織り込まれた第２組の経糸と第２組
の横糸から成るものが既に知られている。前述の
第１と第２の織地は織地間に配置された特別の結
合横糸によつて一緒に結合することになつてお
り、前述の結合横糸は前記第１組と第２組の経糸
からの糸と結ばれている。しかし、この既知のワ
イヤでは意図する目的は、すなわち織地本体にお
いて結合横糸をむしろ直線に伸ばすことは、紙に
面している側の平面度に影響を与えないように結
合点が外側の糸ではなく織地本体内に存在しなけ
ればならないため、結合横糸が上部および下部織
地の経糸によつて巻かれており、達成されなかつ
た。結合横糸は直線に伸びており、ひどく曲げら
れてワイヤの紙に面している側の上部織地の横糸
と共に規則正しく配置された二重ナツクルを形成
する；これら二重ナツクルは隣接したナツクルを
一様に含む上面に凹みを画く。しかし、これによ
つて上述の欠点、すなわち多くの紙質、特に薄い
紙に受け入れられないようなひどいマーキングは
除去されなかつた。

ペーパーウエブに面している細かい網目の側と
摩耗側として作用する広範の網目の側とを有する
成形ワイヤを提供することは既にこの技術では知
られており、前述のワイヤは特別の結合経糸と共
に結合された完全な織地の形になつている；しか
し、この既知の構造においては結合点の分布およ
びワイヤの紙に面している側に対するその影響に
関する情報は与えられていない；これによつてこ
の既知のワイヤでは紙に面している側の経糸の波
状伸長が前述の不都合なマーキングに起因するで
あろうことも仮定しなければならない。

発明の概要 従つて本発明の目的は、むしろ薄い紙を製造す
るために用いられる上に明記した製紙ワイヤの耐
摩耗性を改良することにある。

本発明の他の目的は紙にマーキングすることに
関する問題をすべて除くことにある。

さらに本発明の他の目的によれば、十分なドレ
ン能力を同時に与える必要がある。

これらの目的および他の目的はワイヤの上部織
地（紙に面している側）の外側に配置された全部
の縦ナツクルのうち少なくとも半分を縦糸１およ
び２の組から構成し、第１組の縦糸１を第１組の
交叉糸４と織り込み、第３組の縦糸３を第２組の
交叉糸２と織り込み、第２組の縦糸２の少なくと
も一部を交叉糸４および５の両方の組と織り込む
ことによつて達成される。

この方法では本発明によるワイヤにおいて、上
部織地の従つて紙に面している側の縦糸の外側に
配置された全ナツクルのうち、できるだけ多い
数、しかし少なくとも半分を二重に織り込む。こ
れによつて数個のものの代りに上部織地の全ナツ
クルの少なくとも半分は同様の方法で乱される。

従つて、本発明による製紙ワイヤは二重ナツク
ルと共に複合織地を構成する。本発明の好適例に
よれば、上部織地の外側に配置された縦ナツクル
の全部を第１組および第２組の縦糸から形成す
る。さらに、第２組の交叉糸の糸を全部第２組の
縦糸の糸と共に有利に織り込むことができる。結
合力の合計を結合点の最大数まで分布させ、これ
によつて各単一の結合点の荷重を最小にする。

上部織地および／または下部織地のナツクル分
布はリネン組織に対応することができ、さらに本
発明の改良によれば交叉糸を追加として下部織地
と織り込み、この交叉糸は少なくとも３本の縦糸
を外側につなぐ。これらの追加として織り込まれ
た交叉糸を耐摩耗性の大きい材料から作ることが
できる。

さらに第２組の縦糸の少なくとも一部を延び率
の大きい材料から作り、第２組の縦糸の糸の直径
を第１組の縦糸の糸の直径の3/4以下となるよう
にデザインすると有利であることを見出した。

さらに、下部織地をバタビア組織とすることも
できる。

図面の説明 本発明は添付する図面と共に読む場合に次の詳
細な説明を参考にすることによつて一層良く理解
されるであろう。

第１図および第１ａ図は、細かい網目のリネン
組織成形織地および広幅の網目のリネン組織摩耗
織地から作られた本発明による複合織地の平面図
および縦断面図を示す。

第２図および第２ａ図は、中に結合した耐摩耗
性の大きい材料の１群の交叉糸を用いた摩耗織地
から成る本発明による複合織地の平面図および断
面図を示し、 第３図および第３ａ図は、２種の繊度の織地を
用いた本発明による複合織地の平面図を示し、成
形織地のナツクルｘと摩耗織地のナツクルｙは二
重ナツクルであり、そして 第４図および第４ａ図は、２種の繊度および異
なる組織を用いた本発明による複合織地の平面図
を示し、摩耗織地はバタビア組織である。

本発明の好適例の詳細な説明 第１図および第１ａ図は細かな網目のリネン組
織成形織地と同様にリネン組織である広幅の網目
の摩耗織地から成る複合織地を示す。第１組およ
び第２組の経すなわち縦糸１および２を第１組の
横すなわち交叉糸４を用いて織り込み、いわゆる
平面組織を形成し、外側に形成されたナツクル全
部を経糸１および経糸２から形成し、これによつ
て、つないだ横糸に働いた荷重が全体にわたつて
等しくなるようにする。これは、ナツクルに大き
な張力が加わらず従つて紙のマーキングの原因と
なる凹みが成形織地には無いことを意味する。上
部織地と下部織地の結合は下部織地に交互に織り
合わさつている第２組の縦糸２からの糸のペア７
および８によつて行われる。第２組の縦糸２から
の糸９は下部織地とは織り合わさつていないが、
いつでも糸のペア７および８によつて取り替えら
れる。

第２図および第２ａ図は、中に結合した耐摩耗
性の大きい材料の１群の交叉糸６を有する摩耗織
地の好ましい構造を示す。これらの摩耗糸６は３
本の縦すなわち経糸を外側につなぐ細長いナツク
ルを形成し、これによつて摩耗織地の横糸ランナ
ーの性質を改良する。

第３図および第３ａ図は、成形織地のナツクル
ｘおよび摩耗織地のナツクルｙの両者が二重ナツ
クルである具体例を示し、成形織地の網目数は摩
耗織地の４倍である。これらのナツクルｙは正確
に、極めて大きい数の結合点を示す。

勿論、本発明による係合の原理に基づいて、互
いに異なるタイプの組織の織地を組合わせること
もできる。このような組合わせを、第４図および
第４ａ図に示す。ここでは、摩耗織地がバタビア
組織である。結合糸は糸７および８のペアのみか
ら成る。従つて結合糸の数は上部織地の経糸の数
の２倍である。これは、２つの織地の縦すなわち
経糸１および３の合計を超えてしまう；ここで
は、また、成形織地の網目数は摩耗織地のそれの
４倍である。

上述の種類の既知の複合織地を用いると、常に
結合糸の数は同じ方向に伸びている成形織地の糸
の数よりも事実上小さいが、この結合糸の数は本
発明による織地では増加し、例えば上述のように
２倍である。

従つて、本発明による製紙ワイヤの好適例で
は、上部または成形織地の縦すなわち経糸の外側
に配置されたナツクル全部を二重に織り込み、こ
れによつて、この織地のナツクルの全部および少
なからずのものは同じ方法で乱される。これによ
つてマーキング全部を殆ど除くことができ、結合
点の最大値まで結合力の合計を最適分布にするこ
とができ、これにより各単一の結合点における荷
重を最小にする。

勿論、バインダー横糸の対応する使用によつ
て、外側に配置された紙に面する横糸ナツクル全
部を二重ナツクル中に作ることもできる。本発明
による上述の結合の原理は90゜オフセツトで応用
されるが、同じ効果を有するが、勿論、製織の経
費は増加する。

本発明は、次の請求の範囲に定義したような本
発明の精神から逸脱することなく、当該分野に属
する当業者に明らかな変更を加えることができ
る。