JPH0577436A - インクジエツト記録ヘツド及び保管方法 - Google Patents

インクジエツト記録ヘツド及び保管方法

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JPH0577436A
JPH0577436A JP4044775A JP4477592A JPH0577436A JP H0577436 A JPH0577436 A JP H0577436A JP 4044775 A JP4044775 A JP 4044775A JP 4477592 A JP4477592 A JP 4477592A JP H0577436 A JPH0577436 A JP H0577436A
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JP
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ink
acrylic acid
recording head
ester
adhesive
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JP4044775A
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English (en)
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Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Norio Okuma
典夫 大熊
Seiichiro Karita
誠一郎 刈田
Emi Saito
恵美 齋藤
Akihiro Yamanaka
昭弘 山中
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Akira Goto
顕 後藤
Takashi Watanabe
隆 渡辺
Motoaki Sato
元昭 佐藤
Teruo Arashima
輝雄 荒島
Takahisa Kawamura
高久 川村
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Canon Inc
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/135Nozzles
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、インク収納部に大気連通用の部署或いは開口
をもつインクジェット記録ヘッド及び保管方法に関し、
異常環境下の内部圧力変化を調整できる調整部をもたせ
ると共にその調整部の機能を安定させ、記録時にはヘッ
ド本体から調整部を容易に不都合なく除去できるための
接着剤の粘着成分として、アクリル共重合体のイソシア
ナートで架橋したアクリル酸エステル共重合体を含有さ
せたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッド及びインク収容器或はインク収容器一体型の記録ヘ
ッド等の保管方法に関し、好ましい用途としてこれらの
非記録時のインク漏れやインク収容部全体の圧力変化防
止機構に関するものである。
【0002】本発明は、事務機器一般に用いられるプリ
ンター、複写機、ファクシミリ、インクジェット記録装
置等に適用可能な、記録ヘッド又はインクタンク一体型
の記録ヘッド、及び、その保管方法、に関し、最適に
は、装置本体に対して着脱可能な記録ヘッドに関する。
【0003】
【従来の技術】インクジェット記録装置は通常特開昭5
9−198161号公報に記載されているようにノズル
表面を覆うようにインク吸収体をつけたキャッピング装
置を設けるなどして、輸送中のインクの目詰まりの防止
や吐出不良の防止の方法がとられていた。 最近では、
インクタンク一体型のカートリッジ式インクジェットヘ
ッドの開発も進み、吐出口の保護方法として特開昭60
−204348号公報に記載されているように吐出口に
インク吸収体を持つキャップ状の保護部材を設けたり、
特開昭61−125851号公報に記載されているよう
に塩化ビニリデン樹脂を基材に用いたシール材を吐出口
保護テープとして使用するなど、キャッピング装置を用
いない方法でのノズル表面の保護部材が提案されてき
た。
【0004】また、本願出願人により先に出願されてい
る様に、特定の接着剤を用いたシールテープで、インク
収納部一体型の記録ヘッドの吐出部及びインク収納部の
大気連通口を共に覆い、両者を密閉構造にして、インク
漏れを防止しつつシールテープの剥がし操作をも簡易に
する発明が提案されている。この発明は、優れた実用性
をもたらすものであって、効果が著しい発明である。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
前記のような従来のキャッピング装置では、プリンター
の通常輸送中に振動などが原因してインクがあふれ出し
プリンター内部を汚してしまうおそれがあった。また、
インクタンク一体型のカートリッジ式インクジェットヘ
ッドの場合、前記のようにキャップ状の保護部材を用い
るとコストがかかり、また、保護部材中にインクが充満
して吐出口を汚してしまい目詰まりや吐出不良を起こし
やすい状況になってしまう。このため、シールテープに
よりノズル表面を封止してやることが考えられるが、前
記のように塩化ビニリデン樹脂を基材に使用した場合の
粘着成分について検討されていなかったために、テープ
と吐出口の位置合わせが難しいことに加えて、操作性が
悪かった。
【0006】また、コストの面と容易性から考えて市販
のシールテープを使用した場合、以下の様な不具合があ
りインクジェット用には使用できなかった。
【0007】従来の粘着剤は、1)ゴム系粘着剤、2)
シリコーン系粘着剤、3)アクリル系粘着剤の3種に大
別されるが、1)の粘着剤は、粘着性には優れるが不飽
和基が多く、化学的に変質や劣化しやすい性質を持って
おり、2)の粘着剤については、従来のものは変質が少
なく耐薬品性は良好であるが、粘着力が低く被着体への
密着性に欠けるものである。3)のアクリル系粘着剤
は、粘着剤の変質は少ないが、通常、粘着付与剤として
ポリテルペン樹脂、ロジン、フェノール樹脂などを添加
しているため剥離強度が高く,且つそれらの樹脂がイン
クに含有されている水溶性有機溶剤に溶解し、更に、一
般のアクリル系粘着剤のアクリル樹脂には比較的低重合
のオリゴマー成分が含有されておりこれらも徐々に溶出
して、吐出口の表面や内部へ汚染という形で問題の原因
となっている。以上の内容は先に出願した発明の発明者
達が解明している。
【0008】ところが、本発明者達は、上記本願出願人
の先の提案発明でも認識されていなかった新規な問題に
直面したのである。即ち、航空輸送時の機内高温状態に
おけるインク収納部内部圧力或はインク収納部一体の記
録ヘッド全体の内部圧力が大幅に変化して、シールテー
プ部分からインクが漏れる特異な場合が発生した。この
ため、シール接着強度を向上させると、逆に剥離操作が
困難になるほか記録ヘッドの組立部の接合領域からイン
クが漏れたり、この接合領域の強度を低下させてしまう
問題も発生することがあった。この問題は記録ヘッドの
製造上の費用を軽減して安価な記録ヘッドを供給しよう
とする場合に増加する問題であった。
【0009】 [発明の概要]本発明は、上記新規な問題点に鑑み発明
されたもので、上記以上自体に対応でき、しかもインク
漏れの問題を改善しつつ、記録ヘッドに対する接着部の
剥離操作をも容易に成し得る発明を提供することを主た
る目的とするものである。
【0010】また、本発明は、各種の物品の長期保存を
安定して行うことや、物品の使用時に粘着部からの溶出
剤や粘着剤残りに影響されることなく、即座に物品の使
用目的を達成出来る保存方法やこれを利用した保存容器
をも提供するものである。
【0011】本発明は、上記目的を達成するための発明
で、共通する発明構成が、少なくとも大気連通部を備え
たインク収納部に対してこの大気連通部に接着剤を介し
て密着して該大気連通部を覆うと共にインク収納部内の
圧力変化を調整する調整手段を具備し、この接着剤が良
好な密着性及び剥離性を満足するものとしてまとめるこ
とができる。本発明によれば、上記接着剤によって確実
に記録ヘッドに保持されている圧力変化調整手段により
あらゆる環境下においても記録ヘッドの安定した状態を
形成できる。しかも、該圧力変化調整手段を記録ヘッド
から離脱する際にも上記接着剤の剥離性によって大気連
通部の所望状態を確実に復帰できるものである。特に、
この接着剤をシールテープに設けた構成を大気連通部及
び記録ヘッドの吐出部にも適用した場合は、特にその効
果が顕著である。
【0012】この接着剤として好ましいものは、特に接
着剤の粘着成分が、OH基を含有するアクリル酸アルキ
ルエステルおよび、または、アクリル酸アルコキシアル
キルエステルと、C4 からC9 のアルキル基或はア
ルコキシアルキル基の側鎖を持つアクリル酸エステル
と、の合計量を少なくとも80重量%以上用いて得られ
るアクリル共重合体を、イソシアナートで架橋したアク
リル酸エステル共重合体を有していることが好ましい。
圧力変化を調整する調整手段として好ましいものは、内
気圧が通常である時は密閉状態を形成し且つ内気圧が異
常を来す程に内気圧が上昇する場合対しては内気圧を外
気圧に近づける手段である。例えば、通常内気圧時に通
常(或は縮小)体積で、内気圧上昇に伴って密閉状態を
形成しつつ増加分の内気圧を吸収するように内部体積を
増加する部材或は機構、または、異常状態を防止するた
めにある程度の内気圧上昇に連動して外気と連通する連
通部を一時的に形成する部材或は機構が挙げられる。実
用的には大気連通部の開口面積よりは小さく、面積が
0.005mm2 以上であれば、安定した内気圧を維
持できることが判明した。通常の運搬では、0.1mm
2 以下であれば、問題はなく、極度の振動があっても
0.05mm2 以下であるとインク漏れの心配はない
ので好ましい条件であることが判明している。
【0013】以下、上記本発明の代表的構成を列挙し、
その内容を説明する。
【0014】即ち、大気連通部を備えたインク収納部
と、該インク収納部に連通するインク吐出部と、該イン
ク収納部から供給されたインクを吐出部から吐出するた
めのエネルギー発生素子と、該吐出部を密閉状態にする
密閉手段と、を具備した記録ヘッドにおいて、上記密閉
手段により上記吐出部の密閉状態下で上記大気連通部に
接着剤を介して密着して該大気連通部を覆うと共にイン
ク収納部内の圧力変化を調整する調整手段と、を有し、
該調整手段の密着部の接着剤の粘着成分が、アクリル酸
エステルを含むアクリル共重合体を、イソシアナートで
架橋したアクリル酸エステル共重合体を有した接着性
と、剥離性を備えていることを特徴とするインクジェッ
ト記録ヘッドが挙げられる。
【0015】また、大気連通口を備えたインク収納部
と、該インク収納部に連通するインク吐出部と、該イン
ク収納部から供給されたインクを吐出部から吐出するた
めのエネルギー発生素子と、を具備した記録ヘッドにお
いて、上記吐出部及び上記大気連通口を覆うために接着
剤を備えるシール部材を有し、該接着剤の粘着成分が、
OH基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、
または、アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、C
4 からC9 のアルキル基或はアルコキシアルキル基
の側鎖を持つアクリル酸エステルと、の合計量を少なく
とも80重量%以上用いて得られるアクリル共重合体
を、イソシアナートで架橋したアクリル酸エステル共重
合体を有し、該シール部材の上記大気連通口に対応する
部分に上記大気連通口よりも小さい微小口が備えられて
いることを特徴とする記録ヘッドでは、本発明の効果を
より確実に達成できる。このシール部材が上記大気連通
口を密閉した状態において上記大気連通口に対応する部
分に上記大気連通口よりも小さい微小口が穴明け加工さ
れていることを特徴とする記録ヘッドでは、この加工時
にシール部材がはがれることがなく、製造工程を効率の
良いものにできる。
【0016】本発明の保管方法としては、インクを吸収
して負圧を発生する吸収体を内部に有するインク収納部
と該収納部内部を外部に対して連通する開口部と該収納
部の保管時に密閉されたインク供給部を備えたインク収
納部の保管方法であって、上記開口部を覆うために接着
剤を接合部に備えると共に上記開口部に対応する部分に
上記収納部内の圧力変化を調整する調整手段を用い、該
接着剤の粘着成分が、OH基を含有するアクリル酸アル
キルエステルおよび、または、アクリル酸アルコキシア
ルキルエステルと、C4 からC9 のアルキル基或は
アルコキシアルキル基の側鎖を持つアクリル酸エステル
との合計量を少なくとも80重量%以上用いて得られる
アクリル共重合体を、イソシアナートで架橋したアクリ
ル酸エステル共重合体を有していることを特徴とするイ
ンク収納部の保管方法が好ましいものである。この構成
によれば、記録ヘッドを不都合なく即座に記録可能状態
とすることができる。従って、本発明の保管方法に適用
できる構成として、インクジエツトカートリツジに対し
て、蓋部材と、該蓋部材と接合されることにより該イン
クジエツトカートリツジの収納空間を形成する収容部で
あって前記インクジエツトカートリツジに対して非接触
状態に維持される壁部と該壁部から前記収納空間へ突出
して前記インクジエツトカートリツジを支持する壁部と
を有する収容部とを具備したインクジエツトカートリツ
ジの収納容器を挙げることができる。この構成を採用し
たものは、上記内気圧の変化が生じる条件を大幅に低下
できるので好ましいものである。特に、通常密閉構造
で、異常時に外気と連通する構成にはインク漏れが発生
する状態を大幅に防止できるので、上記調整手段をより
簡易なものにできる利点がある。
【0017】ここで、上記調整手段のうち、特に好まし
くは、外気と連通状態にならない変形可能な調整部を採
用した場合、あるいは、内気圧を外気とはわずかに異な
る状態にする調整部を持ちいた際に有効な発明として、
第19図に示す下記発明を適用することは好ましいもの
である。即ち、インクを吸収して負圧を発生する吸収体
を内部に有するインク収納部と該収納部内部を外部に対
して連通する開口部と該収納空間内で密閉されるインク
吐出部と電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じ
せしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体と
を備え、上記開口部を覆うために接着剤を接合部に備え
ると共に上記開口部に対応する部分に設けられ上記収納
部内の圧力変化を調整する調整部及び上記インク吐出部
を密閉する密閉部とを備えたシール部材と、を有し、該
接着剤の粘着成分が、OH基を含有するアクリル酸アル
キルエステルおよび、または、アクリル酸アルコキシア
ルキルエステルと、C4 からC9 のアルキル基或は
アルコキシアルキル基の側鎖を持つアクリル酸エステル
との合計量を少なくとも80重量%以上用いて得られる
アクリル共重合体を、イソシアナートで架橋したアクリ
ル酸エステル共重合体を有しているインクジエツトカー
トリツジを、使用可能状態にする際に、上記調整部を含
むシール部材を上記インクジエツトカートリツジから離
間させて開口部を開放し、その後に上記吐出部が開放さ
れるように上記シール部材を記録ヘッドから除去するこ
とを特徴とする使用時取り使い方法である。この方法に
よれば、シール部材の剥離を急激に操作しても、剥離の
際のインク飛散を確実に改善できる。
【0018】本発明の粘着剤は、アクリル樹脂系の粘着
剤である。アクリル樹脂系の粘着剤は、(特に有効には
インクジェット記録ヘッドに用いる粘着剤は)前記目的
を得る為に種々検討を重ねた結果得られたところの新規
な粘着剤である。
【0019】アクリル粘着剤に用いられるアクリルモノ
マーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2
ーメチルブチルアクリレート、2ーエチルブチルアクリ
レート、3ーメチルブチルアクリレート、1、3ージメ
チルブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、3ー
ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2ーエ
チルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、2
ーヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2ー
オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、等のアル
キルエステルモノマー、及び2ーエトキシエチルアクリ
レート、3ーエトキシプロピルアクリレート、2ーエト
キシブチルアクリレート、3ーメトキシブチルアクリレ
ート、2ーエトキシエチルアクリレート、3ーメトキシ
プロピルアクリレート、等のアルコキシアルキルエステ
ルモノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、以
下に述べる水酸基含有モノマーとの合計量で、50以上
100以下の重量%の範囲内、より好ましくは、50以
上80以下の重量%の範囲内で用いられる。
【0020】多価イソシアナート化合物としてはトリレ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、イソホロンジ
イソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス
(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアナート、リジンジイソシアナー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、およ
びトリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシ
アナートのアダクト体、ウレタン変性体、アロファネー
ト変性体、ビュレット変性体イソシアヌレート変性体、
ウレタンプレポリマー(両末端がイソシアナート基であ
るオリゴマー化合物)などが用いられる。
【0021】本発明において凝集性を調節する第1の方
法は水酸基含有モノマーを共重合し多価イソシアナート
化合物によって架橋を行うことである。水酸基含有モノ
マーとしては、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2
ーヒドロキシプロピロアクリレート、ヒドロキシブチル
アクリレート、2ーヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、2ーヒドロキシプロピルメタアクリレート、ヒドロ
キシブチルメタアクリレート、多価アルコールのアクリ
ル酸エステル、、多価アルコールのメタアクリル酸エス
テル、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸メチ
ルトリグリコール、2ーヒドロキシエチルアクリロイル
ホスフェート、プロキシエチルアクリレート、などが用
いられる。水酸基含有モノマーは、5以上25未満の重
量%の範囲で使用され、その一部あるいは全部を多価イ
ソシアネートにて架橋せしめる。
【0022】凝集性の調節に用いる第2の効果的な方法
は、メタアクリレートモノマー、酢酸ビニル、スチレ
ン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリル
アミドを共重合成分として適宜用いることである。これ
らの中でアクリロニトリル、アクリルアミド、メタアク
リルアミドは、本発明のインクジェット記録ヘッド用と
しては特に適しているもので、5以上15未満の重量%
の範囲内の適用が更に好ましいものである。
【0023】凝集性の調節に用いる第3の効果的な方法
は、N ーメチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブトキシ
メチルアクリルアミドを用い架橋を行わせることであ
る。この架橋用のモノマーの使用も5以上15未満の重
量%の範囲内の適用が更に好ましいものである。
【0024】これらの第2、第3の凝集性の調節は、第
1の凝集性の調節に併用して用いられると、より好まし
いものである。
【0025】上記アクリル系粘着剤を有するシールテー
プは、大気連通口に対応する微小口を安定的に維持する
ことが可能である。また、シールテープで大気連通口を
密閉した後に上記微小口を針や打ち抜きで形成する場
合、これらの操作で、シールテープが剥離することがな
い。
【0026】アクリル酸アルキルエステル及びまたは、
アクリル酸アルコキシアルキルエステルの側鎖が、C4
より小さいものを90重量部以上含有する場合、Tg
が高くなり、ノズル表面との接着性が低下するためイン
クの洩れが生じたり、大気連通口上のシールテープに微
小口を設ける際にシールテープの部分はがれが生じる可
能性がある。また、C9 より大きなものを90重量部
以上使用した場合は、Tgが低くなって粘着力が大きく
なり、ノズル表面との密着性が高く、基材から粘着剤が
剥がれてノズル表面を汚してしまったりする。
【0027】さて本発明実施例の粘着剤は、インクジェ
ットインクに対する耐薬品性に優れ、有機物の溶出が少
なく、多価金属の含有量が少なく、インクジェットヘッ
ドの表面の保護性能に優れた物性を有する。このような
物性を得るためには、前記した材料をもちいて以下のよ
うにして、粘着剤を製造する。(1)前記モノマーをケ
トン、エステル、芳香族系有機溶剤中で溶液重合し、重
量平均分子量250、000から700、000の高重
合体を得る。このとき分子量10、000以下の低重合
物及び残留モノマーを含まないようにすることが重要で
あって、重合条件とともに反応後の低重合物の除去が好
ましい。低重合物の除去には、一度沈澱を生成させてさ
いど良溶媒に溶解するのが最も確実な方法である。
(2)前記モノマーを界面活性剤を用いた乳化重合法あ
るいは、ソープフリー乳化重合法により重量平均分子量
で、25万以上100万以下の高重合体とする。乳化重
合法による場合も一度、キシレン、酢酸エチル等の良溶
媒中に溶解し、未重合モノマーを除去する事が好まし
く、加えて、或は上記(1)と同様に分子量1万以下の
低重合体を除去する事が好ましい。このようにして得た
重合物にジイソシアナートを添加し塗料溶液とする。ジ
イシシアナートを加えた塗料溶液を支持体フィルムに5
μmから100μmの範囲(好ましくは、5μm以上5
0μm以下)で塗布し、通常の乾燥装置で加熱乾燥す
る。乾燥条件は、溶剤の種類にもよるが、60℃から1
50℃の範囲である。熱乾燥の終了したフィルムは好ま
しくは室温にてエージング処理を施すことがよく、3日
から10日の放置によってこれを行う。
【0028】粘着成分のアクリル酸アルキルエステル及
びまたは、アクリル酸アルコキシアルキルエステルがO
H基を含有し、かつその側鎖がC4 からC9 のアル
キル基またはアルコキシアルキル基であり、かつイソシ
アナートで架橋した重合体を用いた場合、インクジェッ
ト吐出口からのインク漏れを確実に防止し、且つ大気連
通口に対応する微小口を安定的に維持することが可能で
ある。また、シールテープで大気連通口を密閉した後に
上記微小口を針や打ち抜きで形成する場合、これらの操
作で、シールテープが剥離することがない。さらに使用
時に使用者が強制剥離した時に粘着剤が、凝集破壊して
吐出口表面に残留する事がないので、即座に使用出来、
しかも記録をも良好にすることが出来る。
【0029】特に、粘着成分中のアクリル酸重合体がア
クリル酸ブチルを70重量部以上含有した場合、シール
テープの変質やインクへの溶出がなく、とりわけ、記録
ヘッドに対する再剥離性も良好である。 記録ヘッドと
しては、後述する構成において、シリコン基板に樹脂や
ガラスを構成材料に用いる事が多いが、本発明は、これ
らの剥離状態の差にも影響されずに、粘着剤が凝集破壊
して吐出口表面に残留する事がないため、特に用途に限
定されないものである。
【0030】粘着剤としてアクリル酸アルキルエステル
及び/または、アクリル酸アルコキシアルキルエステル
をイソシアナートで架橋してなるアクリル酸重合体を9
0重量部以上含有させた場合、インクと接触した部分の
粘着剤の変質がみられずインクへの溶出もなく、プリン
ター使用時の目詰まりや不安定な吐出になることが無い
ので更に好ましい。 本発明の粘着剤の支持体として用
いるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4ーメチルペンテ
ンー1、塩化ビニル、塩化ビニリデンー塩化ビニル共重
合物、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオ
ライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが用
いられる。これらのフィルムは、粘着剤の付着性向上の
ために、コロナ放電加工処理、火炎処理、プラズマ処理
等の方法による表面処理を行ってもよい。本発明に使用
される基材の厚さとしては、20から50μmが良好
で、好ましくは、25から35μmである。
【0031】また、上記構成に加えて、ステンレス(S
US304)に対する剥離強度がシールテープのステン
レス(SUS304)に対する剥離強度を200g/2
5mmから1,200g/25mmに設定した場合、総
体的に安定した傾向を示したので、これを好ましい条件
の一つに上げる事も出来る。前記条件においては、大気
連通口上の微小口を設ける際に大気連通口からの粘着テ
ープハガレは観測されない。
【0032】ここで、剥離強度とは、JIS−B−77
21に規定する試験機において引張り速度300mm/
min、容量2.0Kgが設定されるもので、基材とし
て、SUS304綱板を使用して25℃における180
度剥離試験によるものである。この結着層の厚さは、剥
離強度と密接な関係があり、剥離強度を定める際に粘着
層の厚さを5から70μm、より好ましくは20から5
0μmにすることがある。いずれにしても、本発明は、
接着層の厚さを厚くしても、接着剤の残留がなく所望の
接着シールテープの形成が可能である。
【0033】本発明に用いる粘着テープは、ノズル表面
が溌インク処理された表面に対しても有効であり、テー
プ及びノズル表面を変質させずに、良好な接着性を保持
するものである。
【0034】上記溌インク処理した表面とは、例えば、
シリコンオイル、含フッ素低分子および高分子化合物で
ヘッド表面を処理したものである。この様な溌インク剤
としては、具体的には、KP−801(商品名信越シリ
コン)ディフェンサ(商品名大日本インク)、CTX−
105,−805(商品名旭硝子)、テフロンAF(商
品名デュポン)などがあげられる。大気連通口上のシー
ルテープに設ける微小口は、その断面積が0.05mm
2 以下の場合が最適であった。もちろん微小口は一個
だけに限定されるものではなく、複数設けてもよいし、
スリット状の切れめを入れても構わない。微小口を設け
る手段としては、針で開ける、レーザーで開ける、など
の手段を有するが、これに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】以下の実施例で共通する構成を先ずまとめる
と、吐出部及びインクタンク用大気連通口を塞ぐ上記粘
着層を備え内気圧調整部として微小口を有するシール部
材と、該シール部材を上記吐出部に押圧する押圧部材
と、を有した構成である。
【0036】本発明は、この特徴事項によって、前述し
た慣性抵抗が大きくても小さくても種々の高温、高湿等
の最悪状態に記録ヘッドの搬送や販売がなされてもイン
ク飛散のない状態で記録可能状態を提供することができ
る。
【0037】図13(a)、(b)、(c)は本発明の
第1実施例の説明図で、順に斜視図、その部分分解図を
示し、図2(a)、(b)は図13実施例の部分説明図
で、順に上面図、側面図を示し、図3(a)、(b)及
び図4(a)、(b)は、夫々第2図の変形実施例説明
図で、順に上面図、側面図を示し、図5は本発明の他の
実施例の部分分解図、図6は図5実施例の記録ヘッド断
面の説明図、図7(a)、(b)、(c)、と図8
(a)、(b)、(c)と図9(a)、(b)、(c)
は、夫々、本発明のさらに別の実施例の説明図であっ
て、順に側面図、正面図、上面図を示し、図10、図1
1は、更に記録ヘッド構成を変形した本発明実施例の斜
視図、図12は、本実施例の記録ヘッドを記録装置本体
に対しての着脱構成を説明する部分断面説明図である。
図13で、IJCはインクジェットカートリッジで、
インク収納部内にインク吸収体を内蔵し、そこから連通
する供給管によって、インク供給される記録ヘッド(図
5に示す熱エネルギー発生体91と、電極92が形成さ
れた基板100と、吐出口41を複数個備えるオリフィ
スプレート400を備えている。本実施例では液路14
0を形成するための天板1300とプレート400とが
一体化成型されている。)が一体化された記録装置本体
に対して着脱可能な記録ヘッドを示している。Sは、後
述する電気的接合部を監視できる開口部で、記録ヘッド
の上面部に設けられている。10は、記録ヘッドの基板
のベースプレートで、図12の記録装置本体のキャリッ
ジの位置決め部4010に係合して記録ヘッド全体の位
置決めを行うための位置決め部位8が一体的に形成され
たアルミプレートである。1は、オリフィスプレートを
含めた吐出部表面を示し、41は、記録用インク吐出部
である。本実施例中には、記録時のバック波を吸収する
ための開口やダミーノズルなどの開口を開示していない
が、以下これらをも含めた場合でも吐出部表面1として
見なすことができる。2は、吐出部表面1よりも後退し
た上下の面に設けられた溝部で本例では4本の溝が図の
ように形成されている。53は、ベースプレート10に
対向する側面に位置し、溝部2の溝に連続する4本の溝
を備えた側面溝部で、インク飛散によって、インクがこ
の溝部2に大量に蓄積された場合に、これを下方に案内
する作用を達成できる。この記録ヘッド溝部2は、キャ
ップ4の溝部51に弾性押圧力を受けて、係合状態を保
持するためのものである。
【0038】3はシールテープで、記録ヘッドの吐出部
表面1を全面的に覆う大きさであって、大気連通部に対
応する微小口20を有し大気連通口部13を覆う。図2
(a)に示すように記録ヘッド端部よりも外側に突出す
る部分を有している。この突出部は、シールを記録ヘッ
ドから剥離するさいのツバとなる。上記記録ヘッドに対
するシート3の取り付けは、図1(a)で、シート3と
この吐出部表面1との間に接着剤を介在させて簡単な接
着状態を形成している。
【0039】図13キャップ4は吐出部表面1に対応し
た幅を有し、2つの対向する腕部5、5と、この腕部か
ら離れ本体内面側に固着された弾性体6と、ベースプレ
ート10側に位置する本体側方に設けられた位置決め用
または弾性変形量規制用部位7と、キャップ4自体を記
録ヘッドに対して着脱する際に利用できるツバ9、9と
を、一体的に備えている。腕部5、5は、内面に上記溝
部2に係合する溝部51を夫々3本ずつ有している。
【0040】本実施例では、図2(a)(b)で分かる
ようにシールテープ3をベースプレート10上にまで延
長し、同時に弾性体6をベースプレート10上に対向す
るまで設けている。これは、吐出口41がベースプレー
ト10に近接しているために、その密閉効果を一層向上
するための構成である。部位7は、記録ヘッドに対して
キャップ4が装着されるときにベースプレート10の裏
面にわずかに当接する長さを有している。この当接長は
本例では1mm程度である。このようなわずかな構成に
よって、キャップの弾性体6は、結果的に腕部5、5と
位置決め用部位7とで、ベースプレート10を挟み込む
範囲内に確実に位置決めされる。つまり簡単な構成によ
って、上記開口部の密閉効果が接着剤の上述した問題を
発生することなく達成できる。
【0041】図3(a)(b)は、弾性体による押圧領
域を吐出口に集中させた構成であって、そのために図2
の弾性体6の構成中ベースプレート10に対向する部分
を削除している。また、本実施例では、部位7、7を弾
性変形量規制用部位として機能させてこの構成によっ
て、均一化された圧力分布で吐出口全体を密閉できるの
で、好ましい実施例の1つである。図3での上記以外の
構成は、図1、2と同様である。
【0042】図4(a)(b)は、図2の部位7、7を
更に延長して、キャップ部材4を記録ヘッドに装着する
際の案内ガイドとしての機能を付加させた構成である。
本実施例では、腕部5、5と同等の長さとしてあるの
で、キャップ装着時には、部位7、7が、ベースプレー
ト10の裏面側に確実に位置しないと装着できないの
で、キャップ4、弾性体とを小型化して装着する際の操
作性を一層向上できたものである。
【0043】上記実施例での溝部2、51の係合状態に
ついて簡単に説明すると、装着時にツバ部9、9を内側
に移動させると、腕部5、5は、その間隔を広げるよう
に弾性変形し、その状態で、キャップの腕5、5間に記
録ヘッドを位置せしめツバ部を離すことで溝部2、51
の係合が達成できる。このとき位置ずれが溝1つ分生じ
ていても、溝部の深さを1mm以下とすることでその腕
部の弾性押圧力と弾性体6の変形による弾性力との相互
バランスで容易に調整できる。この状態で上下の溝部の
係合が同数ずつ係合すると、全体のバランスは適正化さ
れるので、密閉状態は、強固になり、且つ圧力分布も適
正化されるので、密閉性は確保される。弾性体6の弾性
材料や厚みは、上記溝部2、51の係合状態において、
上記シート3を圧着して、上記密閉力を保持出来るもの
出あればいずれも採用出来る。
【0044】本実施例の具体的構成は、シールテープ3
は前述のアクリル系接着剤をベースフィルム4に塗布し
たもので、ポリエチレンテレフタレート、4フッカエチ
レン等の厚さが12〜30μm程度の可撓性シートと
し、弾性体としては、厚み3mm程度のスポンジで、シ
リコーンスポンジ、ポリウレタンスポンジである。本発
明としては、上記構成に限定されるものではないことは
いうまでもない。
【0045】図5、6では、70μm程度の段差形成面
Gに対して上下の面が高さ30μm程度の段差が形成さ
れている吐出部の実施例である。本発明は、このような
段差形状の表面に対しても確実な密閉状態を形成出来
る。
【0046】図6で解るように、液室は、液路に連続し
て上記インク受け部側に広がる領域Zと、上記インク受
け部から該領域に向かう斜面21と、を有し、該斜面の
延長線が該領域に対向する上記液路の上記吐出エネルギ
ー発生手段Hの配置側面である基板8の表面位置P0
に至っている。本実施例では、この斜面21がインク液
路の中心線C2 および液路の延長線に対して角度が2
2度で、左右の内壁面が、角度Bが15度である。
【0047】この広がる領域Zが存在することによっ
て、微小気泡の集約をここで行うだけではなく集約され
た気泡が吐出エネルギー発生手段Hのある液路の延長上
から離れた領域に気泡を保持しているだけで仮に大型化
した場合でも上記斜面に沿って液路から遠ざかる方向に
気泡を案内するので記録不良の発生を大幅に遅らせるこ
とができる。しかも、斜面の延長線が該領域に対向する
上記液路の上記吐出エネルギー発生手段配置側面に至る
ために、衝撃が発生して存在する気泡が斜面に沿って、
上記液路内に入り込もうとしても吐出エネルギー発生手
段配置側面が障壁として存在するので、液路内に大きな
気泡が侵入して記録不良を発生することはない。このイ
ンクジエツト記録ヘッドでは、上記角度に限定されるも
のではない。無論、この構成に上記角度限定が加われば
一層効果が向上することは上記説明から明らかである。
【0048】次に説明する構成は、吸引回復する際に特
に有効であるが、加圧回復にも有効な構成を開示してい
る。141は、液路のオリフィスプレート側端部開部の
等脚台形形状を示し、111はこれに接するオリフィス
プレートの内側開部の等脚台形形状を示し、吐出部も等
脚台形形状を示している。本実施例は、液路から吐出部
までのインク搬送経路が等脚台形の断面形状となってい
る。つまり、吐出エネルギー発生手段側を底辺とする断
面台形形状の液路とすれば、気泡の発生に対して、液路
の内面全体に分散する条件が不均一化できているので、
発生又は侵入した気泡はこの台形形状の短辺側に集約さ
れていく他、回復時の気泡の排出ルートを集中化出来る
ので、気泡排出効果を一層向上できる。又、上記断面台
形形状の液路に対応する吐出部が、液路の上記断面台形
形状の短辺側を短辺とし、この長辺側を長辺とする台形
形状である構成によれば、回復時のインク乱流状態の発
生を防止でき気泡排出効果を安定化できる。更に、この
形状を等脚台形形状とすれば一層好ましい。本実施例で
は最も好ましい形状として、該液路の吐出部近傍に等脚
台形形状のまま液路が広がっている図1領域(ラインP
1 から開部141、111までの液路)と、等脚台形
形状のままこの液路よりも狭くなって等脚台形形状の吐
出部につながる図2領域(開部11から開部11まで)
と、を有しているので、上記インクの乱流をほとんど発
生することなく気泡を確実に除去できる。更に本実施例
では、図6図面上で上記液路の断面等脚台形の脚の中心
同士を結んで形成される面(ラインC1 )に関して、
上記図1、2領域は対称であるので、回復時に加わる圧
力分布を均一化して、排出領域での微小乱流の発生を大
幅に減少できる。尚、ラインC1 の延長線は熱発生素
子Hの面上地点P3 に至っているため、吐出エネルギ
ーは効率よく吐出に使われる。
【0049】又、本発明によれば、共通液室を形成する
天板部材と吐出部形成部材とを一体化し、記基板に係合
するための段差部を有する液路形成部材と、上記液路形
成部材の上記液路の上方から該液路の配列方向に線圧加
圧して上記段差部に上記基板の先端部が係合した状態で
加圧保持する加圧部材と、による簡単な構成を採用して
も気泡の発生による上述した不都合がほとんどない、優
れた記録を行うことが可能になる。
【0050】本実施例では、オリフィスプレートが異な
る角度(偏曲点H、I)OP1、OP2、OP3から形
成されており、液滴の吐出方向は上記ラインC1の延長
方向に一定化するので記録面は、上記ラインC1に垂直
な面となっている。本例では、紙面の下から上へ記録媒
体が移動する。オリフィスプレートは、板状部材の、吐
出部が設けられた側の面が勾配の緩やかな段状の側断面
形状を有するので、キヤツプ内外に特別な部品をとりつ
けることなくワイピングの際の清浄化の確実性が一層向
上する上、キャッピングの際の吐出部におけるインクの
メニスカスの後退を防ぐ効果も向上し、故にインクの吐
出不良とそれから派生する種々の問題を簡易な構成のま
ま一層良好に解決することができる。
【0051】上記領域Zの図6での高さは液路乃高さと
同じかそれよりも小さいことが好ましく、上記領域Zが
形成する図中の角度θ2は、10度としてあり、上記斜
面21の角度θ1に対して、半分以下が好ましい。
【0052】図6で分かるように吐出口の表面およびそ
の周面は、シート3で確実に密閉されており、この状態
を弾性体6の弾性変形状態で確保維持しているので、従
来よりも優れた効果を発揮出来る。
【0053】図7実施例では、図2実施例の部位7、7
を無くした構成である。
【0054】従って、ベースプレート10に対して押圧
する弾性体6の部分をキャップ本体の延長部分41によ
って確実に押圧する構成となっている。これは、キャッ
プ部材の簡略化と、キャップの記録ヘッドの対する着脱
を上記溝部51に沿ってスライドすることで行える利点
もある。
【0055】図8は、上記キャップ構成をベースプレー
ト10の位置決め部位8、8と溝部53とに係合する構
成としたもので、シール3は、キャップ内部のみとなっ
ている。この構成は、記録ヘッドの記録装置に対しての
位置決め精度を利用して、実質装着精度を向上させた実
施例である。
【0056】図9実施例は、図2実施例のキャップ幅を
記録ヘッドの吐出部表面1を有する記録ヘッド部前方表
面全体に拡大したもので、装着状態をより安定化した実
施例である。
【0057】図10は、上記図9実施例の部位7、7を
取り除いた実施例で、この大きさがあれば位置精度を正
確にする構成を付加する必要性がなく、記録ヘッドに合
わせて装着することだけで、簡単に安定装着状態を得る
ことが出来る。
【0058】図11は、上記シール3をキャップの弾性
体の表面に一体化した構成のキャップ部材と、これを用
いた記録ヘッド、および、その保存方法を開示するもの
で、図12に開示構成のキャリッジから取り出した後の
記録ヘッド自体に対して有効な構成である。
【0059】上記IJCは、図12の斜視図でわかるよ
うに、インクの収納割合が大きくなっているもので、イ
ンクタンクの前方面よりもわずかにインクジエツトユニ
ツトの先端部が突出した形状である。このインクジエツ
トカートリツジIJCは、インクジエツト記録装置本体
IJRAに載置されているキヤリツジHC後述する位置
決め手段及び電気的接点とによって固定支持されると共
に、該キヤリツジHCに対して着脱可能なデイスポーザ
ブルタイプである。
【0060】図12において、5000はプラテンロー
ラで、記録媒体Pを紙面下方から上方へ案内する。キヤ
リツジHCは、プラテンローラ3000に沿って移動す
るもので、キヤリツジの前方プラテン側にインクジエツ
トカートリツジIJCの前面側に位置する前板4000
(厚さ2mm)と、カートリツジIJCの配線基板20
0のパツド2011に対応するパツド2011を具備し
たフレキシブルシート4005及びこれを裏面側から各
パツド2011に対して押圧する弾性力を発生するため
のゴムパツドシート4007を保持する電気接続部用支
持板4003と、インクジエツトカートリツジIJCを
記録位置へ固定するための位置決め用フツク4001と
が設けられている。前板4000は位置決め用突出面4
010をカートリツジの支持体300の前述した位置決
め突起2500,2600に夫々対応して2個有し、カ
ートリツジの装着後はこの突出面4010に向う垂直な
力を受ける。このため、補強用のリブが前板のプラテン
ローラ側に、その垂直な力の方向に向っているリブ(不
図示)を複数有している。このリブは、カートリツジI
JC装着時の前面位置L5 よりもわずかに(約0.1
mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘツド保護
用突出部をも形成している。電気接続部用支持板400
3は、補強用リブ4004を前記リブの方向ではなく垂
直方向に複数有し、プラテン側からフツク4001側に
向って側方への突出割合が減じられている。これは、カ
ートリツジ装着時の位置を図のように傾斜させるための
機能も果している。又、支持板4003は電気的接触状
態を安定化するため、上記2つの位置決め用突出面40
10がカートリッジに及ぼす作用方向と逆方向に、カー
トリッジへの作用力を及ぼすためのフツク側の位置決め
面4006を突出面4010に対応して2個有し、これ
らの間にパツドコンタクト域を形成すると共にパツド2
011対応のボツチ付ゴムシート4007のボツチの変
形量を一義的に規定する。これらの位置決め面は、カー
トリツジIJCが記録可能な位置に固定されると、配線
基板300の表面に当接した状態となる。本例では、さ
らに配線基板300のパツド201を前述した線L1
に関して対称となるように分布させているので、ゴムシ
ート4007の各ボツチの変形量を均一化してパツド2
011,201の当接圧をより安定化している。本例の
パツド201の分布は、上方,下方2列、縦2列であ
る。
【0061】フツク4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキヤリツジHCに対
するインクジエツトカートリツジIJCの位置決めを行
う。このフツク4001の移動はどのようなものでも良
いが、レバー等で行える構成が好ましい。いずれにして
もこのフツク4001の回動時にカートリツジIJCは
プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起2500,
2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置
へ移動し、フツク4001の左方側移動によって90°
のフツク面4002がカートリツジIJCの爪2100
の90°面に密着しつつカートリツジIJCを位置決め
面2500,4010同志の接触域を中心に水平面内で
旋回して最終的にパツド201,2011同志の接触が
始まる。そしてフツク4001が所定位置、即ち固定位
置に保持されると、パツド201,2011同志の完全
接触状態と、位置決め面2500,4010同志の完全
面接触と、90度面4002と爪の90度面の2面接触
と、配線基板300と位置決め面4006との面接触と
が同時に形成されてキヤリツジに対するカートリツジI
JCの保持が完了する。
【0062】この図面上でキヤリツジの位置決め用フツ
ク4001の90°角の係合面4002が係合する爪2
100が位置しており、キヤリツジに対する位置決めの
作用力が基準面に平行な面領域で作用するように構成さ
れている。
【0063】前述した図2乃至図13と技術的に関係す
る本発明について、以下、図1及び図14以降を用いて
詳述する。
【0064】図1は本発明のインクジェットカートリッ
ジの収納容器(梱包容器)の一例を示す展開斜視図、図
14はその組立て後の斜視図である。また図15は、夫
々本発明の収納容器の一例を示す上面図(a)、正面図
(b)及び右側面図(c)、並びにインクジェットカー
トリッジの吐出口の部分の収納状態を示す部分拡大図
(d)、収納容器本体のフランジ部を示す部分拡大図
(e)である。
【0065】この梱包容器は容器本体61と蓋部材63
とで形成され、これらが接合一体化されて梱包容器とし
て用いられる。
【0066】容器本体61には、内容物であるインクジ
エツトカートリッジIJCと非接触状態に維持される壁
部61c、該壁部61cから内容物収容領域へ向けて突
出し、そこに収容されるインクジエツトカートリッジI
JCを支持して、その位置固定を行う凹部61a、及び
蓋部材63との接合一体化のためのフランジ部61bが
設けられている。インクジエツトカートリツジIJCの
吐出口は、収納空間において壁部と非接触状態に維持さ
れている。これらの図面に示される様に、収納空間に突
出する四つの凹部61aの内、吐出口が位置する側の凹
部の掘り込み程度を大きくして吐出口が収納空間内深く
に位置する様にすれば、吐出口は一層良好に保護され
る。同時に、この様にすれば、ユーザーがインクジエツ
トカートリツジを逆向きに入れることを防止する(所謂
誤挿入防止)こともできる。
【0067】壁部61cは特に十分な強度を有する必要
があり、その様な材質及び厚さで形成される。壁部61
cの厚みは、その構成材料の種類によって適宜選択すれ
ばよいが、例えば0.1mm以上、好ましくは0.3m
m以上、より好ましくは0.5mm以上とされ、上限と
しては例えば1.2mm以下とされる。
【0068】一方、凹部61aは、内容物の保護のため
に衝撃を緩衝あるいは吸収するクツシヨン性を有するこ
とが好ましい。即ち、壁部61cと同様の強度及び剛性
を有する様に凹部61aを形成すると、壁部61cの受
けた衝撃が内容物に直接伝わりやすく、内容物の破損等
の原因とならないとも限らない。この様な観点から、凹
部61aは比較的薄い肉厚で形成され、かつ弾性を有す
ることが望ましい。凹部61aの厚さもまたその構成材
料に応じて適宜選択することができるが、例えば0.8
mm以下、好ましくは0.6mm以下、より好ましくは
0.4mm以下とされ、下限としては例えば0.05m
m以上とされる。
【0069】容器本体61の構成材料としては各種の樹
脂等を挙げることができる。容器本体61は例えば樹脂
を用いた一体成型によって作製される。一体成型による
方法は、加工性、生産コスト等の面から好適である。
【0070】一体成型による容器本体61の作製には、
各種の樹脂の射出成型、真空成型等が利用できる。中で
も、例えばアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹
脂を用いた射出成型による方法は、壁部61c及び凹部
61aの厚みの調整が容易であり、且つ比較的低コスト
で行え、各部に所望の特性を容易に付与できるといった
点から好適である。
【0071】また、フランジ部61bを容器本体61の
底部に設けることによって、容器本体61と底板63と
の接合を簡便かつ確実に行うことができる。フランジ部
61bは、容器本体61の一体成型時に他の部分と同時
に成型することができる。フランジ部61bの厚さは、
壁部61cと同程度とすればよい。このフランジ部61
bには、容器本体61と蓋部材63との接合領域62に
沿って補強のためのリブ61eが設けられているのが好
ましい。このリブ61eは、第15図では蓋部材63の
方に出っ張る様に設けられているが、この出っ張り方は
逆であってもよい。但し、前者の方が、容器本体61と
蓋部材63との接合がその出っ張り部を使って一層確実
になされるので好ましい。凹部61aや壁部61cの立
ち上り部等の角部を図示した様に湾曲状とすることによ
って、その衝撃緩衝性をより良好なものとすることがで
きる。該湾曲部の曲率半径は比較的大きい方がよく、凹
部61aの大きさに応じて適宜選択されるが、例えば2
mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは5m
m以上とされる。
【0072】凹部61aの形状は、インクジェットカー
トリッジIJCの保護および梱包容器内での位置固定が
効果的に行える様に適宜選択される。図示した例では、
4カ所の凹部61aによってインクジェットカートリッ
ジIJCが支持されており、この形態がインクジェット
カートリッジIJCの保護、位置固定という点から最も
好適であると言うことができるのであるが、凹部61a
の個数は適宜選択できるものではある。
【0073】凹部61aのインクジェットカートリッジ
の支持部分とインクジェットカートリッジとのクリアラ
ンスは、大き過ぎるとインクジェットカートリッジの梱
包容器内でのガタツキやズレが生じるので好ましくない
が、逆に小さ過ぎるとインクジェットカートリッジの容
器本体61への収納性が悪くなり、また壁部61cから
の衝撃が伝達されやすくなるので好ましくない。これら
のクリアランスは、凹部61aの構造および凹部61a
とインクジェットカートリッジとのマツチングにおいて
適宜選択すればよいが、例えば0.5mm〜3mm、好
ましくは0.5mm〜2mm程度とすることができる。
【0074】蓋部材63の材質や厚さは、インクジェッ
トカートリッジの重量や強度等に応じて選択される。蓋
部材63としては、例えば樹脂製乃至金属製のフイル
ム、シートや板、或いはそれらの少なくとも一つを含む
積層体等が用いられる。この積層体を蓋部材63として
用いる場合、蓋部材63の容器本体61との非接着面側
の表層(以下、「外層」と称す)が紙であると、環境変
化、特に湿度変化の影響を受けて紙が放湿、吸湿してカ
ール変形することがあるため、外面にもアルミニウム、
塩化ビニリデン、ポリプロピレン等の防湿層をコーテイ
ングし変形を防止するのが好ましい。この場合、カール
変形による容器本体61と蓋部材63との接着部62
に、剥離方向に力が加わるのを防止することもできる。
防湿層としては、コスト、強度的な面から、15〜10
0μm厚のポリプロピレンが最も好ましい。
【0075】インクジェットカートリッジIJCを容器
本体61に収容した後の容器本体61と蓋部材63との
接合には、各種の接合方法が利用できる。例えば、容器
本体61と蓋部材63を同種の樹脂材料で形成し、熱融
着、超音波熔着等の方法でこれらを接合することができ
る。また、イージー・ピール層を底板63の少なくとも
接合に必要な領域に設けて、それを利用してこれらの接
着を行うことができる。イージー・ピール層を利用する
方法は、梱包を解く際に、容器本体61から蓋部材63
を容易に取り外すことができるので、インクジェットカ
ートリッジを破損させる恐れが一層少ないという利点を
有している。この様に防湿性等の内容物の湿度維持性及
び開封の容易性などを考慮した場合、イージー・ピール
が好適である。このイージー・ピール層としては、例え
ば各種のホツトメルト系、ポリエチレン系、エバール系
等からなる層が利用できる。
【0076】蓋部材63には、容器本体61との接合を
はがす際に用いられるつまみ部63aが設けられている
のが取扱い上好ましい。このつまみ部63aは、図1な
どではインクジェットカートリッジの吐出口の部分に近
い個所に設けられているが、より好ましくは吐出口の部
分からできるだけ遠く離れた位置に設ける方がよい。そ
の理由は、つまみ部63aをもって蓋部材63を容器本
体61からはがす際に、インクジェットカートリッジの
中でも特に保護すべき吐出口の部分に手が過って触れた
りするのを避けるためである。
【0077】また、本発明の梱包容器の構成材料を選択
することで、内容物の湿度環境を維持する、即ち防湿機
能や内容物の有する水分の外部への蒸発を防ぐ機能を得
ることができる。
【0078】例えば、容器本体61の構成材料として、
各種樹脂に塩化ビニリデン層やアルミニウム層をコート
した材料、湿度透過防止性のある材料、例えばポリプロ
ピレンなどを用いることによって、上述の湿度環境維持
機能を得ることができる。尚製造コスト、成型性、加工
性などの面からは、ポリプロピレンが好適である。
【0079】これと同様に、蓋部材63の構成材料とし
て、樹脂のフイルム、シートまたは板材、或いは紙のシ
ートや板材に塩化ビニリデン層やアルミニウム層をコー
トした材料、湿気透過防止性のあるポリプロピレンなど
を用いることによって、良い湿度環境維持機能を得るこ
とができる。衝撃緩衝性及び湿度環境維持機能の両方に
ついて良好なものとするには、例えば、紙にアルミニウ
ム層を設けた材料からなり、容器本体との密封接着のた
めの層(例えばイージー・ピール層)を有し、なおか
つ、カール防止に非接着面(外面)にポリプロピレン層
を設けた蓋部材が好適である。特に、アルミニウム層を
設け非接着面側の最外層としてポリプロピレン層を設け
た積層体が、コスト、衝撃緩衝性及び湿度環境維持機能
の面から好ましい。
【0080】また、容器本体61の形成にポリプロピレ
ンを用いた真空成型法を利用する場合に、先に述べた様
に凹部61aや壁部61cの立ち上り部などを湾曲部と
して成型することは、容器本体61の衝撃緩衝性をより
良好とするとともに、容器本体61に上述のような湿度
環境維持機能を得る上でも好ましい。
【0081】更に、容器本体61の天井61c−2から
底面(フランジ61b)方向に、原料シートの天井部6
1c−2となる部分以外の部分を真空で延ばして凹部6
1a、壁部61cの側面61c−1、湾曲部等を成型す
るオス型成型によれば、各部毎の厚みの均一性をより良
好なものとすることができ、ピンホールの発生もなく、
各部における湿気透過防止性を高める上で好ましい。
【0082】また、真空成型で得られる容器本体に湾曲
部を設けない場合は、容器本体の壁部と凹部の境界及び
壁部とフランジの境界などが肉厚の薄い角部として形成
され、ピンホールが生じたり、落下時の破損が起こりや
すくなったり、その部分の湿気透過防止性が低下したり
することがある。このために、これらの境界部を湾曲部
として成型することによって、肉厚の薄い部分が形成さ
れることが一層効果的に防止され、良好な湿気透過防止
性を容器本体全体にわたって一層均一に得ることがで
き、かつ落下衝撃に一層強い外周部を得ることができ
る。
【0083】また、容器本体61及び/または底板63
に透明もしくは半透明な材料を選択すれば、梱包状態で
インクジエツトカートリツジ62を透視できる。
【0084】ところで、図1に示す様に、インクジエツ
トカートリツジの吐出口面にある吐出口を覆う(シール
する)覆い部材3を設けることにより、吐出口からのイ
ンクの蒸発を極めて少なくすることができるので、収容
空間の湿度を適切に保つことができ、故に蓋部材のカー
ル変形を防止することができる上、インクタンクから吐
出口に至るインクの供給経路の状態を良好な状態に保つ
ことができる。
【0085】本発明に係る覆い部材3としては、前述し
たテープ状のものに限られるものではないが、取り扱い
が容易である点(例えば、はがすのも簡単である)や吐
出口の気密状態を保つのに優れている点、更には薄いの
でインクジエツトカートリツジの大きさにほとんど影響
しない点、比較的少ないコストで形成することができる
点などの理由により、テープ状のものが最適である。覆
い部材3の材料としては、例えばポリエチレンテレフタ
レートを挙げることができる。無論上記粘着層が覆い部
材3のヘッドに対する接着側に設けられているが、大気
連通口を密閉する部分にも同様に上記粘着層が設けられ
ている。
【0086】更に、図1においては、覆い部材3をイン
クジエツトカートリツジIJCに押えるための押え部材
4が、インクジエツトカートリツジに設けられている。
この押え部材4の好ましい態様としては、吐出口に対応
する位置にインク吸収体6が配されたキャップ部材を挙
げることができる。
【0087】この様な押え部材4を設けることは、ユー
ザーがインクジェットカートリッジIJCを収納容器か
ら取り出す際に吐出口の部分に手を差し込む様なことが
避けられるので、インクジェットカートリッジの中でも
特に保護すべき吐出口の部分の保護という点から一層好
適である。この押え部材4は、インクジェットカートリ
ッジがクリアランスの範囲内で収納容器内において動い
ても、収納容器本体61の壁部61cと接触して動いた
りしない様に設けられるのが好ましい。
【0088】図16は本発明のインクジェットカートリ
ッジの収納容器(梱包容器)の他の例を示す展開斜視
図、図17はその組立て後の斜視図である。または、夫
々本発明の収納容器の他の例を示す左側面図(a)、上
面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)及び下面図
(e)、並びに収納容器本体のフランジ部を示す部分拡
大図(f)である(但し、図15とは‘正面図’として
扱っている個所が異なっている)。
【0089】[シールテープ実施例1〜6]シールテー
プ3として以下に示すアクリル系粘着剤を、PET12
μm+着色接着層3μm+PET12μmの構成の基材
に塗布して作製した。なお、基材のアクリル系粘着剤塗
布面はコロナ放電処理により密着性を向上させている。
【0090】シールテープA ブチルアクリレート80重量部 アクリロニトリル10重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 10重量部 これらをトルエンと酢酸ブチルの混合溶剤(50:50
体積比)中にてベンゾインパーオキシドを触媒として8
5℃にて8時間溶液重合した。これによって重量平均分
子量300,000の重合物を得た。この重合物からモ
ノマーと低重合物を除くために、エタノールを用いて重
合物を沈殿させ、溶剤と共にモノマーと低重合物を除去
し、乾燥した。重合物は改めてトルエンと酢酸エチルの
混合溶剤(50:50体積比)中に溶解させ、さらにジ
シクロヘキシルメタンジイソシアナートを、重合物10
0重量部に対し10.1g加えて塗布液を調整した。こ
の塗布液を前記の基材に固形分として25μmの厚さに
塗布し、80℃にて10分加熱後、常温にてさらに1週
間エイジング処理し、シールテープAを得た。
【0091】シールテープB 前述のシールテープAの製造工程のうち、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアナートの添加量を20.2gにし
た以外は同様の条件である、シールテープBを得た。
【0092】シールテープC 前述のシールテープAの製造工程のうち、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアナートの添加量を2.5gにした
以外は同様にして、シールテープCを得た。
【0093】シールテープD ブチルアクリレート70重量部 エチルアクリレート10重量部 アクリルアミド10重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量部 上記組成の物質を酢酸エチルに溶解し、過酸化ベンゾイ
ルを触媒として60℃12時間反応させた。この重合物
をメタノールを用いて沈殿させ、乾燥後、酢酸エチル/
メタノールで再沈殿して重合物を精製した。この重合物
100重量物に対して1−メチルシクロヘキサン2,4
−ジイソシアナート4.0gを加えて塗布液を調整し
た。この塗布液を前記の基材に固形分として30μmの
厚さに塗布し、80℃10分間加熱後、常温にてさらに
1週間エイジング処理しシールテープDを得た。
【0094】シールテープE ブチルアクリレート80重量部 2−エチルヘキシルアクリレート 10重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 10重量部 上記組成の物質を酢酸エチルに溶解し、過酸化ベンゾイ
ルを触媒として60℃12時間反応させた。この重合物
をメタノールを用いて沈殿させ、乾燥後、酢酸エチル/
メタノールで再沈殿して重合物を精製した。この重合物
100重量部に対して1−メチルシクロヘキサン2,4
−ジイソシアナート8.0gを加えて塗布液を調整し
た。この塗布液を前記の基材に固形分として20μmの
厚さに塗布し、80℃10分間加熱後、常温にてさらに
1週間エイジング処理しシールテープEを得た。
【0095】シールテープF ブチルアクリレート70重量部 オクチルアクリレート10重量部 アクリロニトリル12重量部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 8重量部 上記組成の物質を酢酸エチルに溶解し、過酸化ベンゾイ
ルを触媒として60℃10時間反応させた。この重合物
をメタノールを用いて沈殿させ、乾燥後、酢酸エチル/
メタノールで再沈殿して重合物を精製した。この重合物
100重量部に対してイソホロンジイソシアネート8.
6gを加えて塗布液を調整した。この塗布液を前記の基
材に固形分として30μmの厚さに塗布し、80℃10
分間加熱後、常温にてさらに1週間エイジング処理しシ
ールテープFを得た。また本発明の効果を明確にするた
めに以下のシールテープG,Hを作成した。
【0096】シールテープG(比較例1) ブチルアクリレート50重量部 エチルアクリレート30重量部 アクリロニトリル5重量部 2−ヒドロキシメタクリレート 15重量部 これらをトルエンと酢酸ブチルの混合溶剤(50:50
体積比)中にてベンゾインパーオキシドを触媒として8
5℃にて5時間溶液重合して重量平均分子量150,0
00の重合物を得た。この重合物から低重合物とモノマ
ーを取り除くため、メタノールを用いて重合物を沈殿さ
せ溶剤と共に低重合物とモノマーを除去し、乾燥した。
【0097】重合物は再びトルエンと酢酸ブチルの混合
溶剤(50:50体積比)に溶解させ、さらにキシレン
ジイソシアナートを重合物100重量部に対して12.
0重量部加えて塗布液を調整した。この塗布液をテープ
Aの場合と同様に基材に塗布し(固形分として20μ
m)80℃10分間乾燥し、さらに常温で10日間エイ
ジングして比較例のテープGを得た。
【0098】シールテープH(比較例2) ブチルアクリレート50重量部 2−エチルヘキシルアクリレート 40重量部 エチルアクリレート10重量部 これらをアセトン中にて溶解撹拌し、60℃にて5時間
溶液重合して重量平均分子量800,000の重合物を
得た。この重合物に油溶性フェノール樹脂50重量部と
ブチルアクリレート50重量部を加え、8時間高速撹拌
した。この塗布液をテープAの場合と同様に基材に塗布
し(固形分として25μm)、常温で乾燥し10日間エ
イジングして比較例のテープHを得た。
【0099】(評価方法) 1.粘着力(参考評価) 前記粘着力測定方法に基づき、試験板としてステンレス
(SUS304)を用いて測定した。これを粘着力(8
/25mm)として表1(a)に記す。
【0100】2.インクジェットヘッドによる試験 この検査は、インクジェット記録ヘッドおよびそれを用
いて記録を行う記録装置の効果を示すものである。1m
mに16本の割合のノズル間隔で64本のノズルを備え
た図1のインクジェットヘッドを有するインクジェット
ヘッドを用い、下記組成のインクをインクジェットヘッ
ドに充填し、図1に示す形態でノズル表面および大気連
通口部に前記A〜Hのシールテープを貼り付け、約0.
03mmの断面積の微小口を針であける。この際各テー
プにつき10ヘッドこの操作を行い、大気連通口からの
シールテープのハガレが生じたヘッドの数をカウント
し、表1(b)に示す。次に、図1に示す容器に入れ、
60℃3ケ月間保存した後、シールテープをはがして画
像を印字した。その評価を表1(c)に記す。
【0101】インク組成 C.I.フードブラック2 2重量部 グリセリン10重量部 尿素5重量部 エタノール5重量部 水78重量部 以下に上記検討結果を表1として示す。
【0102】
【表1】 表1より、本発明の効果は明白である。
【0103】(記録ヘッド実施例1)厚さ1mmのポリ
プロピレンのシートを用いて図1に示した構造の容器本
体を、天井部61c−1以外の材料部分が底部に向って
引き延ばされて成型されるオス型真空成型により作製し
た。各部のサイズは以下の通りである。
【0104】最小肉厚:0.2mm 角部の曲率半径:3mm 一方、ポリプロピレン層(厚さ30μm)、ポリエチレ
ンテレフタレート層(厚さ12μm)、アルミニウム層
(厚さ9μm)、ポリエチレン系イージー・ピール層
(厚さ30μm)を容器本体との接着面側からこの順に
積層して蓋部材3を作製した。
【0105】次に、インクを貯留するインクタンクを具
備し、上記A〜Hのシールテープを貼り付け、約0.0
3mmの断面責の微小口を針で穴明けした。更に保護テ
ープを押える押え部材4してインク吸収体6付きのキャ
ップ部材が設けられたインクジエツトカートリツジIJ
Cを容器本体61に収納し、容器本体底面に蓋部材63
を合せて、フランジ61bと蓋部材63とを超音波熔着
機により接着した。
【0106】得られた梱包物の単体及びこれらの集合体
について所定高さからの落下試験を行って、梱包された
インクジエツトカートリツジの保護状態を検査したとこ
ろ、インクジエツトカートリツジに損傷、インク漏れの
発生は全くなかった。
【0107】また、得られた梱包物について所定雰囲気
の条件下に所定期間放置した後、インクジエツトカート
リツジに充填されたインクの水分の蒸発量をインクジエ
ツトカートリツジの重量を計測することによって検査し
たところ、わずかな重量減少が計測されただけであっ
た。
【0108】更に、所定期間放置後の蓋部材のカール等
の変形も全く見られなかった。
【0109】(記録ヘッド実施例2)厚さ30μmの塩
化ビニリデンをコートした塩化ビニルシートを用いる以
外は、実施例1と同様にして容器本体を作製し、インク
ジエツトカートリツジの梱包を行った。
【0110】得られた梱包物の落下試験を実施例1と同
様にして行ったところ、梱包されたインクジエツトカー
トリツジに損傷、インク漏れの異常の発生はなかった。
【0111】また、梱包されたインクジエツトカートリ
ツジに充填されたインクの水分の蒸発量を実施例1と同
様にして測定したところ実施例1と同様にわずかであ
り、蓋部材のカール等の変形も全く見られなかった。
【0112】(記録ヘッド実施例3)各湾曲部の半径R
を1mmとする以外は実施例1と同様にして容器本体を
作製し、インクジエツトカートリツジの梱包を行い、落
下試験および水分蒸発量の測定を行った。
【0113】なお、得られた容器本体の肉厚の最小の厚
みは0.05mmであった。
【0114】その結果、落下試験において、梱包物の容
器本体部分にわずかなへこみが認められたが、梱包され
たインクジエツトカートリツジにインク漏れを含めて異
常はなかった。
【0115】また、インクジエツトカートリツジに充填
されたインクの水分の蒸発量はわずかであり、蓋部材の
変形も見られなかった。
【0116】(記録ヘッド実施例4)ポリプロピレンシ
ートにおけるフランジ部61bとなる部分から、それ以
外の部分(凹部61aおよび壁部61c)が真空によっ
て引っ張られて成型されるメス型成型によって容器本体
を成型し、且つフランジ部61bの角部の曲率半径を
0.5mmとし、それ以外の角部の曲率半径を2mmと
する以外は実施例1と同様にしてインクジエツトカート
リツジの梱包を行った。
【0117】得られた梱包物について、実施例1と同様
の落下試験およびインクからの水分の蒸発量の測定を行
った。
【0118】落下試験においては、梱包されたインクジ
エツトカートリツジには何の異常もなかった。
【0119】実施例1の記録ヘッドの梱包状態で、50
度Cの加熱や落下試験を行ったが、損傷や、インク漏れ
はまったく見られず、本発明の効果が有効であることが
確認された。
【0120】尚、本発明は、特にインクジエツト記録方
式の中でもバブルジエツト方式の記録ヘツド、記録装置
に於いて、優れた効果をもたらすものである。 その代
表的な構成や原理については、例えば、米国特許第47
23129号明細書、同第4740796号明細書に開
示されている基本的な原理を用いて行うものが好まし
い。この方式は所謂オンデマンド型、コンテイニユアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体(インク)が保持されているシート
や液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録
情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与
える少なくとも一つの駆動信号を印加することによっ
て、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘ
ツドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号
に一対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るの
で有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口
を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つ
の滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、
即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行うことができる。
【0121】記録ヘツドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリツトを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
【0122】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ツドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘツドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘツドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0123】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチツプタイプの記録ヘツド、あ
るいは記録ヘツド自体に一体的に設けられたカートリツ
ジタイプの記録ヘツドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0124】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘツドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘツドに対しての、キヤピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸収手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安
定した記録を行うために有効である。
【0125】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘツド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0126】本発明シール構成は、上記梱包容器を用い
ることにより、インクジエツトカートリッジ自体及びシ
ール状態を、運搬時等における振動や落下による衝撃か
ら確実かつ安価に保護することができる。
【0127】即ち、本発明の梱包容器は、インクジエツ
トカートリッジの形状に合わせて配置され、内容物を適
当な間隔をもって支持し、梱包容器の本体の壁部とイン
クジエツトカートリッジとが直接接触することを防ぐ凹
部が設けられているので、インクジエツトカートリッジ
の梱包容器内での位置固定が効果的になされ、かつ容器
本体壁部に外部から加わった衝撃が内容物に及ぶことが
避けられる。
【0128】また、本発明の梱包容器による梱包では、
梱包することによる占有スペースの増加が小さく、省ス
ペース性が高く、倉庫スペースや物流スペースの節約が
可能であり、保管や物流におけるコストを低減させるこ
とができる。
【0129】更に、本発明の梱包容器では、インクジエ
ツトカートリッジの梱包状態での湿度環境の維持機能を
付与することができ、インクジエツトカートリッジの保
護性と共に、その湿度環境の維持性が良好な梱包が可能
となる。
【0130】加えて、インクジエツトカートリツジの吐
出口面に吐出口を覆う上記本発明の粘着層を具備する覆
い部材を設けることにより、吐出口からのインクの蒸発
を極めて少なくすることができるので、収容空間の湿度
を適切に保つことができ、故に蓋部材のカール変形を防
止することができる上、インクタンクから吐出口に至る
インクの供給経路の状態を良好な状態に保つことができ
る。
【0131】更に、本発明においては、覆い部材をイン
クジエツトカートリツジに押えるための押え部材を設け
ることは、インクジェットカートリッジを収納容器から
取り出す際に吐出口の部分に手を差し込む様なことが避
けられるので、吐出口部分の保護という点から一層好適
である。
【0132】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録ヘッドは、
吐出口部およびインクタンク用大気連通口をアクリル系
の粘着テープで塞ぎ、吐出口部を密閉し、大気連通口部
の粘着テープに微小口を設けることで、例えば搬送時に
予期される高温状態においてもインクタンク内圧が上昇
せず、インク漏れを防止し、かつ搬送による慣性力が適
度に働くゆったりとした旋回運動を与えた時も大気連通
口からのインク漏れを防止できるものである。
【0133】粘着テープの粘着力を大幅に向上させるこ
とでも達成される可能性はあるが、その場合、粘着テー
プの剥離時に吐出口を変形させる懸念があり、さらに粘
着テープの粘着力を長期に渡り安定的に維持させる必要
があり、この様な粘着テープの設計には困難を伴う。こ
れに対し本発明においては、簡単な方法で上記目的を達
成するものであり、粘着テープの粘着力に対する許容度
も広く、従ってコスト的にも有利となる。
【0134】本発明におけるアクリル系の粘着テープ
は、大気連通口上に設けた微小口を長期に渡り安定的に
維持(インクタンクの内圧が高くならない)するもので
あって、かつ微小口を設ける際に大気連通口からの粘着
テープのはがれがないものでなくてはならない。またイ
ンクジェット記録ヘッド使用時(すなわち粘着テープ剥
離時)にヘッド表面に粘着剤残り等の記録上の不具合を
生じないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットカートリッジの収納容
器(梱包容器)の一例を示す展開斜視図である。
【図2】(a)、(b)は図13実施例の部分説明図で
順に上面図、側面図を示す。
【図3】(a)、(b)夫々は図2変形実施例説明図で
順に上面図、側面図を示す。
【図4】(a)、(b)は夫々図2変形実施例説明図で
順に上面図、側面図を示す。
【図5】本発明の他の実施例の部分分解図
【図6】図5実施例の記録ヘッド断面の説明図
【図7】(a)、(b)、(c)は本発明のさらに別の
実施例の説明図であって、順に側面図、正面図、上面図
を示す。
【図8】(a)、(b)、(c)は本発明のさらに別の
実施例の説明図であって、順に側面図、正面図、上面図
を示す。
【図9】(a)、(b)、(c)は本発明のさらに別の
実施例の説明図であって、順に側面図、正面図、上面図
を示す。
【図10】記録ヘッド構成を変形した本発明実施例の斜
視図である。
【図11】記録ヘッド構成を変形した本発明実施例の斜
視図である。
【図12】本実施例の記録ヘッドを記録装置本体に対し
ての着脱構成を説明する部分断面説明図である。
【図13】(a)、(b)、(c)は本発明の第1実施
例の説明図で、順に斜視図、その部分分解図、部分断面
図を示す。
【図14】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の一例の組立て後の斜視図である。
【図15】夫々本発明の収納容器の一例を示す上面図
(a)、正面図(b)及び右側面図(c)、並びにイン
クジェットカートリッジの吐出口の部分の収納状態を示
す部分拡大図(d)、収納容器本体のフランジ部を示す
部分拡大図(e)である。
【図16】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の他の例を示す展開斜視図である。
【図17】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の他の例の組立て後の斜視図である。
【図18】本発明の収納容器の他の例を示す左側面図
(a)、上面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)
及び下面図(e)、並びに収納容器本体のフランジ部を
示す部分拡大図(f)である。
【図19】(a)、(b)、(c)は、本発明の構成を
実施した記録ヘッドを使用状態にする際の本発明の操作
を説明するための説明図である。
【符号の説明】
3 覆い部材 4 押え部材 6 インク吸収体 61 容器本体 61a 凹部 61b フランジ部 61c 壁部 61e リブ 63 底板 63a つまみ部 IJC インクジエツトカートリッジ 91、H 熱エネルギー発生素子 2、51 溝部 10 ベースプレート 7 位置決め用または弾性変形量規制用部位 8 カートリッジのキャリッジに対する位置決め部位 9 キャップ着脱用ツバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 恵美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 山中 昭弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 後藤 顕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 渡辺 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 佐藤 元昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 荒島 輝雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 川村 高久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気連通部を備えたインク収納部と、該
    インク収納部に連通するインク吐出部と、該インク収納
    部から供給されたインクを吐出部から吐出するためのエ
    ネルギー発生素子と、該吐出部を密閉状態にする密閉手
    段と、を具備した記録ヘッドにおいて、上記密閉手段に
    より上記吐出部の密閉状態下で上記大気連通部に接着剤
    を介して密着して該大気連通口を覆うと共にインク収納
    部内の圧力変化を調整する調整手段と、を有し、該調整
    手段の密着部の接着剤の粘着成分が、OH基を含有する
    アクリル酸アルキルエステルおよび、または、アクリル
    酸アルコキシアルキルエステルと、C4 からC9 の
    アルキル基或はアルコキシアルキル基の側鎖を持つアク
    リル酸エステルと、の合計量を少なくとも80重量%以
    上用いて得られるアクリル共重合体を、イソシアナート
    で架橋したアクリル酸エステル共重合体を有しているこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアクリル酸エステル共重合体
    は、ガラス転移点Tgがマイナス40℃以上マイナス2
    0℃以下の範囲内であり、上記粘着成分はアクリル酸ブ
    チルを70重量部以上含有することを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1項の粘着成分が、OH基を含有
    するアクリル酸アルキルエステルおよび、または、アク
    リル酸アルコキシアルキルエステルと、炭素数4以上9
    以下のアルキル基または、アルコキシアルキル基の側鎖
    を持つアクリル酸エステルとの合計量を少なくとも80
    重量%以上、アクリロルニトリル、アクリルアミド類か
    ら選ばれるモノマーを5重量%以上15重量%以下の範
    囲内を用いて得られるアクリル共重合体を、多価イソシ
    アナートで架橋したアクリル架橋体であることを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3項のアクリル共重合体が、上記
    OH基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、
    または、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを5重
    量%以上30重量%未満の範囲内と、炭素数4以上9以
    下のアルキル基或はアルコキシアルキル基の側鎖を持つ
    アクリル酸エステルを80重量%以上と、を用いて得ら
    れるアクリル共重合体であることを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1項乃至4項いずれかのエネルギ
    ー発生素子は、インクに気泡の発生を含む状態変化を生
    じせしめる熱エネルギーを発生するための電気熱変換体
    であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 大気連通口を備えたインク収納部と、該
    インク収納部に連通するインク吐出部と、該インク収納
    部から供給されたインクを吐出部から吐出するためのエ
    ネルギー発生素子と、を具備した記録ヘッドにおいて、
    上記吐出部及び上記大気連通口を覆うために接着剤を備
    えるシール部材を有し、該接着剤の粘着成分が、OH基
    を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、また
    は、アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、C4
    からC9 のアルキル基或はアルコキシアルキル基の側
    鎖を持つアクリル酸エステルと、の合計量を少なくとも
    80重量%以上用いて得られるアクリル共重合体を、イ
    ソシアナートで架橋したアクリル酸エステル共重合体を
    有し、該シール部材の上記大気連通口に対応する部分に
    上記大気連通口よりも小さい微小口が備えられているこ
    とを特徴とする記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6のアクリル酸エステル共重合体
    は、ガラス転移点Tgがマイナス40℃以上マイナス2
    0℃以下の範囲内であり、上記粘着成分はアクリル酸ブ
    チルを70重量部以上含有することを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項6項または7項の粘着成分が、O
    H基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、ま
    たは、アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、炭素
    数4以上9以下のアルキル基または、アルコキシアルキ
    ル基の側鎖を持つアクリル酸エステルとの合計量を少な
    くとも80重量%以上、アクリロルニトリル、アクリル
    アミド類から選ばれるモノマーを5重量%以上15重量
    %以下の範囲内を用いて得られるアクリル共重合体を、
    多価イソシアナートで架橋したアクリル架橋体であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8項のアクリル共重合体が、上記
    OH基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、
    または、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを5重
    量%以上30重量%未満の範囲内と、炭素数4以上9以
    下のアルキル基或はアルコキシアルキル基の側鎖を持つ
    アクリル酸エステルを80重量%以上と、を用いて得ら
    れるアクリル共重合体であることを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項6項乃至9項いずれかのエネル
    ギー発生素子は、インクに気泡の発生を含む状態変化を
    生じせしめる熱エネルギーを発生するための電気熱変換
    体であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 大気連通口を備えたインク収納部と、
    該インク収納部に連通するインク吐出部と、該インク収
    納部から供給されたインクを吐出部から吐出するための
    エネルギー発生素子と、を具備した記録ヘッドにおい
    て、上記吐出部及び上記大気連通口を覆うために接着剤
    を備えるシール部材と、該シール部材を上記吐出部に押
    圧する押圧部材と、を有し、該接着剤の粘着成分が、O
    H基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、ま
    たは、アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、C4
    からC9 のアルキル基或はアルコキシアルキル基の
    側鎖を持つアクリル酸エステルと、の合計量を少なくと
    も80重量%以上用いて得られるアクリル共重合体を、
    イソシアナートで架橋したアクリル酸エステル共重合体
    を有し、該シール部材が上記大気連通口を密閉した状態
    において上記大気連通口に対応する部分に上記大気連通
    口よりも小さい微小口が穴明け加工されていることを特
    徴とする記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項第11項に記載の記録ヘッド
    は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせし
    めるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用い
    て記録を行う記録ヘッドであって、記録装置本体に対し
    着脱可能な記録ヘッドである。
  13. 【請求項13】 インクを吸収して負圧を発生する吸収
    体を内部に有するインク収納部と該収納部内部を外部に
    対して連通する開口部と該収納部の保管時に密閉された
    インク供給部を備えたインク収納部の保管方法であっ
    て、上記開口部を覆うために接着剤を接合部に備えると
    共に上記開口部に対応する部分に上記収納部内の圧力変
    化を調整する調整手段を用い、該接着剤の粘着成分が、
    OH基を含有するアクリル酸アルキルエステルおよび、
    または、アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、C
    4 からC9 のアルキル基或はアルコキシアルキル基
    の側鎖を持つアクリル酸エステルとの合計量を少なくと
    も80重量%以上用いて得られるアクリル共重合体を、
    イソシアナートで架橋したアクリル酸エステル共重合体
    を有していることを特徴とするインク収納部の保管方
    法。
  14. 【請求項14】 インクを吸収して負圧を発生する吸収
    体を内部に有するインク収納部と該収納部内部を外部に
    対して連通する開口部と該収納空間内で密閉されるイン
    ク吐出部とを備えたインクジエツトカートリツジと、蓋
    部材と、該蓋部材と接合されることにより該インクジエ
    ツトカートリツジの収納空間を形成する収容部であって
    前記インクジエツトカートリツジに対して非接触状態に
    維持される壁部と該壁部から前記収納空間へ突出して前
    記インクジエツトカートリツジを支持する壁部とを有す
    る収容部と、上記開口部を覆うために接着剤を接合部に
    備えると共に上記開口部に対応する部分に設けられ上記
    収納部内の圧力変化を調整する調整部及び上記インク吐
    出部を密閉する密閉部とを備えたシール部材と、を有
    し、該接着剤の粘着成分が、OH基を含有するアクリル
    酸アルキルエステルおよび、または、アクリル酸アルコ
    キシアルキルエステルと、C4 からC9のアルキル基
    或はアルコキシアルキル基の側鎖を持つアクリル酸エス
    テルとの合計量を少なくとも80重量%以上用いて得ら
    れるアクリル共重合体を、イソシアナートで架橋したア
    クリル酸エステル共重合体を有していることを特徴とす
    るインクジエツトカートリツジの収納容器。
  15. 【請求項15】 請求項14項収納容器は前記シール部
    材を上記インク吐出部ヘ押えるための押え部材を有し、
    前記記録ヘッドは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに
    対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気
    熱変換体を備えていることを特徴とするインクジエツト
    カートリツジの収納容器。
  16. 【請求項16】 インクを吸収して負圧を発生する吸収
    体を内部に有するインク収納部と該収納部内部を外部に
    対して連通する開口部と該収納空間内で密閉されるイン
    ク吐出部と電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生
    じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体
    とを備え、上記開口部を覆うために接着剤を接合部に備
    えると共に上記開口部に対応する部分に設けられ上記収
    納部内の圧力変化を調整する調整部及び上記インク吐出
    部を密閉する密閉部とを備えたシール部材と、を有し、
    該接着剤の粘着成分が、OH基を含有するアクリル酸ア
    ルキルエステルおよび、または、アクリル酸アルコキシ
    アルキルエステルと、C4 からC9 のアルキル基或
    はアルコキシアルキル基の側鎖を持つアクリル酸エステ
    ルとの合計量を少なくとも80重量%以上用いて得られ
    るアクリル共重合体を、イソシアナートで架橋したアク
    リル酸エステル共重合体を有しているインクジエツトカ
    ートリツジを、使用可能状態にする際に、上記調整部を
    含むシール部材を上記インクジエツトカートリツジから
    離間させて開口部を開放し、その後に上記吐出部が開放
    されるように上記シール部材を記録ヘッドから除去する
    ことを特徴とする使用時取り使い方法。
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