JP3118217B2 - 記録ヘッドの保管方法、記録ヘッド用キャップ、インクジェットカートリッジの保管方法及び使用時取り扱い方法 - Google Patents

記録ヘッドの保管方法、記録ヘッド用キャップ、インクジェットカートリッジの保管方法及び使用時取り扱い方法

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JP3118217B2
JP3118217B2 JP10104398A JP10104398A JP3118217B2 JP 3118217 B2 JP3118217 B2 JP 3118217B2 JP 10104398 A JP10104398 A JP 10104398A JP 10104398 A JP10104398 A JP 10104398A JP 3118217 B2 JP3118217 B2 JP 3118217B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務機器一般に用
いられるプリンター、複写機、インクジェット記録装置
等に適用可能な、記録ヘッドの保管方法、記録ヘッド用
キャップ、インクジェットカートリッジの保管方法及び
使用時取り扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、従来では予想ができなかった
技術課題を解決するものである。
【0003】詰まり、従来の記録ヘッドについては、記
録中の問題を解決する出願は多く見られるものの本発明
のような技術課題を提唱したものは全くなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
記録ヘッドを使用する前の販売状態における非常事態に
対しても適用できるように多くの実験を行なった結果以
下のような問題点を見出したのである。
【0005】非常事態においては、原因不明ではある
が、インクの飛散状態が見られ、パッケージ内にインク
が見られることがあった。本発明者は、予想もしなかっ
た事態について検討した結果、吐出口自体を密閉したと
ころ、通常の耐久試験や、過度の振動実験ではインク漏
れは全く見られなかった。が、意外と、通常の搬送によ
る慣性力が過度に働くゆったりとした旋回運動を与える
と、大気連通部からわずかにインクが漏れることを見出
したのである。この傾向は、販売前のインク充填度を向
上した初期状態では多く見られることが判明したが、一
旦装置内で記録を行なうようになるとこのような問題が
発生しないことも併せて見出された。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために提案されたものであって、インクを収納
した収納部に連通して、外部に対して開放された開口部
を備えた記録ヘッドの保管方法であって、上記開口部と
しての吐出部及びインクタンク用大気連通口を同時に塞
ぐシート状シール部材と、該シート状シール部材を上記
吐出部に押圧する押圧部材と、を有し、上記吐出部を上
記押圧部材によって密閉化した状態で保管容器内に保管
することを特徴とする。
【0007】また、記録ヘッド用キャップの構成とし
て、記録ヘッドに係合一体化するための係合部と、記録
ヘッドの吐出口及びインクタンクの大気連通口に接着さ
れて当接する可撓性シートと、該可撓性シートの吐出口
に対応する部分のみに備えられた弾性部材と、を備えた
ことを特徴とする。
【0008】さらに、インクジェットカートリッジの収
納容器の構成として、蓋部材と、該蓋部材と接合される
ことによりインクを吐出する吐出口を有するインクジェ
ットカートリッジの収納空間を形成する凹みを有する容
器本体とを具備し、前記容器本体が、前記インクジェッ
トカートリッジと非接触状態に維持される壁部と、該壁
部から前記収納空間へ突出して前記インクジェットカー
トリッジを支持するための凹部とを有し、前記インクジ
ェットカートリッジには、前記吐出口及びインクタンク
用大気連通口を覆うためのシート状の覆い部材と該覆い
部材を前記インクジェットカートリッジに押えるため少
なくとも取り外し時に利用されるつまみ部を備えた前記
吐出口を覆うキャップ部材が設けられていることを特徴
とする。
【0009】また、インクジェットカートリッジの使用
時取り扱い方法であって、 インク収納部と、該インク
収納部内のインクを吐出するためのエネルギー発生素子
と、該エネルギー発生素子に対応したインク吐出部と、
を具備し上記吐出部及びインクタンク用大気連通口を塞
ぐシール部材と、該シール部材を上記吐出部に押圧する
押圧部材と、を有し、上記記録ヘッドによる非記録時に
上記吐出部及びインクタンク用大気連通口が密閉されて
いる記録ヘッドを、使用可能状態にする際に、上記押圧
部材を吐出部の上記シール部材が延在していない側に向
かって離脱した後に、上記シール部材のインクタンク用
大気連通口部域を開放し、その後に上記吐出部が開放さ
れるように上記シール部材を記録ヘッドから除去するこ
とを特徴とする。
【0010】上述の構成により、インク飛散を防止する
とともに記録開始時に大気が、吐出口内に侵入して吐出
不良を発生することが防止できた。
【0011】加えて、上述した梱包材、収納容器におけ
る問題点を解決し、内容物の保護、梱包物の占有スペー
ス、梱包にかかる費用等における要求をどれも十分に満
足し、且つ内容物の湿度環境の維持も行える記録ヘッド
用キャップ、記録ヘッドの保管方法、インクジェットカ
ートリッジの保管方法使用時取り扱い方法を提供するこ
とができた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下の実施例で共通する構成を、
先ずまとめると、吐出部及びインクタンク用大気連通口
を塞ぐシール部材と、該シール部材を上記吐出部に押圧
する押圧部材と、を有し、上記記録ヘッドによる非記録
時に上記吐出部及びインクタンク用大気連通口が密閉さ
れている構成である。
【0013】本発明は、この特徴事項によって、前述し
た慣性抵抗が大きくても小さくても種々の最悪状態に記
録ヘッドの搬送や販売がなされてもインク飛散のない状
態で記録可能状態を提供することができる。
【0014】図13(a)、(b)は本発明の第1実施
例の説明図で、順に斜視図、その部分分解図を示し、図
2(a)、(b)は図13実施例の部分説明図で、順に
上面図、側面図を示し、図3(a)、(b)及び図4
(a)、(b)は、夫々図2の変形実施例説明図で、順
に上面図、側面図を示し、図5は本発明の他の実施例の
部分分解図、図6は図5実施例の記録ヘッドの断面の説
明図、図7(a)、(b)、(c)、と図8(a)、
(b)、(c)と図9(a)、(b)、(c)は、夫
々、本発明のさらに別の実施例の説明図であって、順に
側面図、正面図、上面図を示し、図10、図11は、更
に記録ヘッド構成を変形した本発明実施例の斜視図、図
12は、本実施例の記録ヘッドを記録装置本体に対して
の着脱構成を説明する部分断面説明図である。
【0015】図13で、IJCはインクジェットカート
リッジで、インク収納部材にインク吸収体を内蔵し、そ
こから連通する供給管によって、インク供給される記録
ヘッド(図5に示す熱エネルギー発生体91と、電極9
2が形成された基板100と、吐出口41を複数個備え
るオリフィスプレート400を備えている。本実施例で
は液路140を形成するための天板1300とプレート
400とが一体化成型されている。)が一体化された記
録装置本体に対して着脱可能な記録ヘッドを示してい
る。Sは、後述する電気的接合部を監視できる開口部
で、記録ヘッドの上面部に設けられている。10は、記
録ヘッドの基板のベースプレートで、図12の記録装置
本体のキャリッジの位置決め部4010に係合して記録
ヘッド全体の位置決めを行うための位置決め部位8が一
体的に形成されたアルミプレートである。1は、オリフ
ィスプレートを含めた吐出部表面を示し、41は、記録
用インク吐出部である。本実施例中には、記録時のバッ
ク波を吸収するための開口やダミーノズルなどの開口を
開示していないが、以下これらを含めた場合でも吐出部
表面1として見なすことができる。2は、吐出部表面1
よりも後退した上下の面に設けられた溝部で本例では4
本の溝が図のように形成されている。53は、ベースプ
レート10に対向する側面に位置し、溝部2の溝に連続
する4本の溝を備えた側面溝部で、インク飛散によっ
て、インクがこの溝部2に大量に蓄積された場合に、こ
れを下方に案内する作用を達成できる。この記録ヘッド
溝部2は、キャップ4の溝部51に弾性押圧力を受け
て、係合状態を保持するためのものである。
【0016】3はシール用シートで、記録ヘッドの吐出
部表面1を全面的に覆う大きさを有し、図2(a)に示
すように記録ヘッド端部よりも外側に突出する部分を有
している。この突出部は、シールを記録ヘッドから剥離
するさいのツバとなる。上記記録ヘッドに対するシート
3の取り付けは、図1(a)で、シート3とこの吐出部
表面1との間に接着剤を介在させて簡単な接着状態を形
成している。
【0017】図13キャップ4は吐出部表面1に対応し
た幅を有し、2つの対向する腕部5、5と、この腕部か
ら離れ本体内面側に固着された弾性体6と、ベースプレ
ート10側に位置する本体側方に設けられた位置決め用
または弾性変形量規制用部位7と、キャップ4自体を記
録ヘッドに対して着脱する際に利用できるツバ9、9と
を、一体的に備えている。腕部5、5は、内面に上記溝
部2に係合する溝部51を夫々3本ずつ有している。
【0018】本実施例では、図2(a)(b)で分かる
ようにシール3をベースプレート10上にまで延長し、
同時に弾性体6をベースプレート10上に対向するまで
設けている。これは、吐出口41がベースプレート10
に近接しているために、その密閉効果を一層向上するた
めの構成である。部位7は、記録ヘッドに対してキャッ
プ4が装着されるときにベースプレート10の裏面にわ
ずかに当接する長さを有している。この当接長は本例で
は1mm程度である。このようなわずかな構成によっ
て、キャップの弾性体6は、結果的に腕部5、5と位置
決め用部位7とで、ベースプレート10を挟み込む範囲
内に確実に位置決めされる。つまり簡単な構成によっ
て、上記開口部の密閉効果が接着剤の上述した問題を発
生することなく達成できる。
【0019】図3(a)(b)は、弾性体による押圧領
域を吐出口に集中させた構成であって、そのために図2
の弾性体6の構成中ベースプレート10に対向する部分
を削除している。また、本実施例では、部位7、7を弾
性変形量規制用部位として機能させてこの構成によっ
て、均一化された圧力分布で吐出口全体を密閉できるの
で、好ましい実施例の1つである。図3での上記以外の
構成は、図1、図2と同様である。
【0020】図4(a)(b)は図2の部位7、7を更
に延長して、キャップ部材4を記録ヘッドに装着する際
の案内ガイドとしての機能を付加させた構成である。本
実施例では、腕部5、5と同等の長さとしてあるので、
キャップ装着時には、部位7、7が、ベースプレート1
0の裏面側に確実に位置しないと装着できないので、キ
ャップ4、弾性体とを小型化して装着する際の操作性を
一層向上できたものである。
【0021】上記実施例での溝部2、51の係合状態に
ついて簡単に説明すると、装着時にツバ部9、9を内側
に移動させると、腕部5、5は、その間隔を広げるよう
に弾性変形し、その状態で、キャップの腕5、5間に記
録ヘッドを位置せしめツバ部を離すことで溝部2、51
の係合が達成できる。このとき位置ずれが溝1つ分生じ
ていても、溝部の深さを1mm以下とすることでその腕
部の弾性押圧力と弾性体6の変形による弾性力との相互
バランスで容易に調整できる。この状態で、上下の溝部
の係合が同数ずつ係合すると、全体のバランスは適正化
されるので、密閉状態は、強固になり、且つ圧力分布も
適正化されるので、密閉性は確保される。弾性体6の弾
性材料や、厚みは、上記溝部2、51の係合状態におい
て、上記シート3を圧着して、上記密閉力を保持出来る
ものであればいずれも採用出来る。
【0022】本実施例の具体的構成は、シート3とし
て、ポリエチレンテレフタレート、4フッカエチレン等
の厚さが12〜30μm程度の可撓性シートとし、弾性
体としては、厚み3mm程度のスポンジで、シリコーン
スポンジ、ポリウレタンスポンジである。本発明として
は、上記構成に限定されるものではないことはいうまで
もない。
【0023】図5、図6では、70μm程度の段差形成
面Gに対して上下の面が高さ30μm程度の段差が形成
されている吐出部の実施例である。本発明は、このよう
な段差形状の表面に対しても確実な密閉状態を形成出来
る。
【0024】図6で解るように、液室は、液路に連続し
て上記インク受け部側に広がる領域Zと、上記インク受
け部から該領域に向かう斜面21と、を有し、該斜面の
延長線が該領域に対向する上記液路の上記吐出エネルギ
ー発生手段Hの配置側面である基板8の表面位置P0
至っている。本実施例では、この斜面21がインク液路
の中心線C2および液路の延長線に対して角度が22度
で、左右の内壁面が、角度Bが15度である。
【0025】この広がる領域Zが存在することによっ
て、微小気泡の集約をここで行うだけではなく集約され
た気泡が吐出エネルギー発生手段Hのある液路の延長上
から離れた領域に気泡を保持しているだけで仮に大型化
した場合でも上記斜面に沿って液路から遠ざかる方向に
気泡を案内するので記録不良の発生を大幅に遅らせるこ
とができる。しかも、斜面の延長線が該領域に対向する
上記液路の上記吐出エネルギー発生手段配置側面に至る
ために、衝撃が発生して存在する気泡が斜面に沿って、
上記液路内に入り込もうとしても吐出エネルギー発生手
段配置側面が障壁として存在するので、液路内に大きな
気泡が侵入して記録不良を発生することはない。このイ
ンクジェット記録ヘッドでは、上記角度に限定されるも
のではない。無論、この構成に上記角度限定が加われば
一層効果が向上することは上記説明から明らかである。
【0026】次に説明する構成は、吸引回復する際に特
に有効であるが、加圧回復にも有効な構成を開示してい
る。141は、液路のオリフィスプレート側端部開部の
等脚台形形状を示し、111はこれに接するオリフィス
プレートの内側開部の等脚台形形状を示し、吐出部も等
脚台形形状を示している。本実施例は、液路から吐出部
までのインク搬送経路が等脚台形の断面形状となってい
る。つまり、吐出エネルギー発生手段側を底辺とする断
面台形形状の液路とすれば、気泡の発生に対して、液路
の内面全体に分散する条件が不均一化できているので、
発生又は侵入した気泡はこの台形形状の短辺側に集約さ
れていく他、回復時の気泡の排出ルートを集中化出来る
ので、気泡排出効果を一層向上できる。又、上記断面台
形形状の液路に対応する吐出部が、液路の上記断面台形
形状の短辺側を短辺とし、この長辺側を長辺とする台形
形状である構成によれば、回復時のインク乱流状態の発
生を防止でき気泡排出効果を安定化できる。更に、この
形状を等脚台形形状とすれば一層好ましい。本実施例で
は最も好ましい形状として、該液路の吐出部近傍に等脚
台形形状のまま液路が広がっている第1領域(ラインP
1から開部141、111までの液路)と、等脚台形形
状のままこの液路よりも狭くなって等脚台形形状の吐出
部につながる第2領域(開部11から開部11まで)
と、を有しているので、上記インクの乱流をほとんど発
生することなく気泡を確実に除去できる。更に本実施例
では、図6面上で上記液路の断面等脚台形の脚の中心同
士を結んで形成される面(ラインC1)に関して、上記
第1、2領域は対称であるので、回復時に加わる圧力分
布を均一化して、排出領域での微小乱流の発生を大幅に
減少できる。尚、ラインC1の延長線は熱発生素子Hの
面上地点P3に至っているため、吐出エネルギーは効率
よく吐出に使われる。
【0027】又、本発明によれば、共通液室を形成する
天板部材と吐出部形成部材とを一体化し、上記基板に係
合するための段差部を有する液路形成部材と、上記液路
形成部材の上記液路の上方から該液路の配列方向に線圧
加圧して上記段差部に上記基板の先端部が係合した状態
で加圧保持する加圧部材と、による簡単な構成を採用し
ても気泡の発生による上述した不都合がほとんどない、
優れた記録を行うことが可能になる。
【0028】本実施例では、オリフィスプレートが異な
る角度(偏曲点H、I)OP1、OP2、OP3から形
成されており、液滴の吐出方向は上記ラインC1の延長
方向に一定化するので記録面は、上記ラインC1に垂直
な面となっている。本例では、紙面の下から上へ記録媒
体が移動する。オリフィスプレートは、板状部材の、吐
出部が設けられた側の面が勾配の緩やかな段状の側断面
形状を有するので、キャップ内外に特別な部品をとりつ
けることなくワイピングの際の清浄化の確実性が一層向
上する上、キャッピングの際の吐出部におけるインクの
メニスカスの後退を防ぐ効果も向上し、故にインクの吐
出不良とそれから派生する種々の問題を簡易な構成のま
ま一層良好に解決することができる。
【0029】上記領域Zの図6での高さは液路乃高さと
同じかそれよりも小さいことが好ましく、上記領域Zが
形成する図中の角度θ2は、10度としてあり、上記斜
面21の角度θ1に対して、半分以下が好ましい。
【0030】図6で分かるように吐出口の表面およびそ
の周面は、シート3で確実に密閉されており、この状態
を弾性体6の弾性変形状態で確保維持しているので、従
来よりも優れた効果を発揮出来る。
【0031】図7実施例では、図2実施例の部位7、7
を無くした構成である。
【0032】従って、ベースプレート10に対して押圧
する弾性体6の部分をキャップ本体の延長部分41によ
って確実に押圧する構成となっている。これは、キャッ
プ部材の簡略化と、キャップの記録ヘッドの対する着脱
を上記溝部51に沿ってスライドすることで行える利点
もある。
【0033】図8は、上記キャップ構成をベースプレー
ト10の位置決め部位8、8と溝部53とに係合する構
成としたもので、シール3は、キャップ内部のみとなっ
ている。この構成は、記録ヘッドの記録装置に対しての
位置決め精度を利用して、実施装着精度を向上させた実
施例である。
【0034】図9実施例は、図2実施例のキャップ幅を
記録ヘッドの吐出部表面1を有する記録ヘッド部前方表
面全体に拡大したもので、装着状態をより安定化した実
施例である。
【0035】図10は、上記図9実施例の部位7、7を
取り除いた実施例で、この大きさがあれば位置精度を正
確にする構成を付加する必要性がなく、記録ヘッドに合
わせて装着することだけで、簡単に安定装着状態を得る
ことが出来る。
【0036】図11は、上記シール3をキャップの弾性
体の表面に一体化した構成のキャップ部材と、これを用
いた記録ヘッド、および、その保存方法を開示するもの
で、図12に開示構成のキャリッジから取り出した後の
記録ヘッド自体に対して有効な構成である。
【0037】上記IJCは、図12の斜視図でわかるよ
うに、インクの収納割合が大きくなっているもので、イ
ンクタンクの前方面よりもわずかにインクジェットユニ
ットの先端部が突出した形状である。このインクジェッ
トカートリッジIJCは、インクジェット記録装置本体
IJRAに載置されているキャリッジHC後述する位置
決め手段及び電気的接点とによって固定支持されると共
に、該キャリッジHCに対して着脱可能なデイスポーザ
ブルタイプである。
【0038】図12において、5000はプラテンロー
ラで、記録媒体Pを紙面下方から上方へ案内する。キャ
リッジHCは、プラテンローラ3000に沿って移動す
るもので、キャリッジの前方プラテン側にインクジェッ
トカートリッジIJCの前面側に位置する前板4000
(厚さ2mm)と、カートリッジIJCの配線基板20
0のパッド201に対応するパッド2011を具備した
フレキシブルシート4005及びこれを裏面側から各パ
ッド2011に対して押圧する弾性力を発生するための
ゴムパッドシート4007を保持する電気接続部用支持
板4003と、インクジェットカートリッジIJCを記
録位置へ固定するための位置決め用フック4001とが
設けられている。前板4000は位置決め用突出面40
10をカートリッジの支持体300の前述した位置決め
突起2500,2600に夫々対応して2個有し、カー
トリッジの装着後はこの突出面4010に向う垂直な力
を受ける。このため、補強用のリブが前板のプラテンロ
ーラ側に、その垂直な力の方向に向っているリブ(不図
示)を複数有している。このリブは、カートリッジIJ
C装着時の前面位置L5よりもわずかに(約0.1mm
程度)プラテンローラ側に突出しているヘッド保護用突
出部をも形成している。電気接続部用支持板4003
は、補強用リブ4004を前記リブの方向ではなく垂直
方向に複数有し、プラテン側からフック4001側に向
って側方への突出割合が減じられている。これは、カー
トリッジ装着時の位置を図のように傾斜させるための機
能も果している。又、支持板4003は電気的接触状態
を安定化するため、上記2つの位置決め用突出面401
0がカートリッジに及ぼす作用方向と逆方向に、カート
リッジへの作用力を及ぼすためのフック側の位置決め面
4006を突出面4010に対応して2個有し、これら
の間にパッドコンタクト域を形成すると共にパッド20
11対応のボッチ付ゴムシート4007のボッチの変形
量を一義的に規定する。これらの位置決め面は、カート
リッジIJCが記録可能な位置に固定されると、配線基
板300の表面に当接した状態となる。本例では、さら
に配線基板300のパッド201を前述した線L1に関
して対称となるように分布させているので、ゴムシート
4007の各ボッチの変形量を均一化してパッド201
1,201の当接圧をより安定化している。本例のパッ
ド201の分布は、上方、下方2列、縦2列である。
【0039】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001の移動はどのようなものでも良
いが、レバー等で行える構成が好ましい。いずれにして
もこのフック4001の回動時にカートリッジIJCは
プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起2500,
2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置
へ移動し、フック4001の左方側移動によって90°
のフック面4002がカートリッジIJCの爪2100
の90°面に密着しつつカートリッジIJCを位置決め
面2500,4010同志の接触域を中心に水平面内で
旋回して最終的にパッド201,2011同志の接触が
始まる。そしてフック4001が所定位置、即ち固定位
置に保持されると、パッド201,2011同志の完全
接触状態と、位置決め面2500,4010同志の完全
面接触と、90度面4002と爪の90度面の2面接触
と、配線基板300と位置決め面4006との面接触が
同時に形成されてキャリッジに対するカートリッジIJ
Cの保持が完了する。
【0040】この図面上でキャリッジの位置決め用フッ
ク4001の90°角の係合面4002が係合する爪2
100が位置しており、キャリッジに対する位置決めの
作用力が基準面に平行な面領域で作用するように構成さ
れている。
【0041】上記実施例では、本発明に請求項に開示さ
れた構成の組み合わせのすべてを開示していないが、本
発明としては、上記構成の適切な組み合わせ構成をも発
明に含むものである。
【0042】前述した図2乃至図3と技術的に関係する
本発明について、以下、図1及び図14以降を用いて詳
述する。
【0043】図1は本発明のインクジェットカートリッ
ジの収納容器(梱包容器)の一例を示す展開斜視図、図
14はその組立て後の斜視図である。また図15は、夫
々本発明の収納容器の一例を示す上面図(a)、正面図
(b)及び右側面図(c)、並びにインクジェットカー
トリッジの吐出口の部分の収納状態を示す部分拡大図
(d)、収納容器のフランジ部を示す部分拡大図(e)
である。
【0044】この梱包容器は容器本体61と蓋部材63
とで形成され、これらが接合一体化されて梱包容器とし
て用いられる。
【0045】容器本体61には、内容物であるインクジ
ェットカートリッジIJCと非接触状態に維持される壁
部61c、該壁部61cから内容物収容領域へ向けて突
出し、そこに収容されるインクジェットカートリッジI
JCを支持して、その位置固定を行う凹部61a、及び
蓋部材63との接合一体化のためのフランジ部61bが
設けられている。インクジェットカートリッジIJCの
吐出口は、収納空間において壁部と非接触状態に維持さ
れている。これらの図面に示される様に、収納空間に突
出する四つの凹部61aの内、吐出口が位置する側の凹
部の掘り込み程度を大きくして吐出口が収納空間内深く
に位置する様にすれば、吐出口は一層良好に保護され
る。同時に、この様にすれば、ユーザーがインクジェッ
トカートリッジを逆向きに入れることを防止する(所謂
誤挿入防止)こともできる。
【0046】壁部61cは特に十分な強度を有する必要
があり、その様な材質及び厚さで形成される。壁部61
cの厚みは、その構成材料の種類によって適宜選択すれ
ばよいが、例えば0.1mm以上、好ましくは0.3m
m以上、より好ましくは0.5mm以上とされ、上限と
しては例えば1.2mm以下とされる。
【0047】一方、凹部61aは、内容物の保護のため
に衝撃を緩衝あるいは吸収するクッション性を有するこ
とが好ましい。即ち、壁部61cと同様の強度及び剛性
を有する様に凹部61aを形成すると、壁部61cの受
けた衝撃が内容物に直接伝わりやすく、内容物の破損等
の原因とならないとも限らない。この様な観点から、凹
部61aは比較的薄い肉厚で形成され、かつ弾性を有す
ることが望ましい。凹部61aの厚さもまたその構成材
料に応じて適宜選択することができるが、例えば0.8
mm以下、好ましくは0.6mm以下、より好ましくは
0.4mm以下とされ、下限としては例えば0.05m
m以上とされる。
【0048】容器本体61の構成材料としては各種の樹
脂等を挙げることができる。容器本体61は例えば樹脂
を用いた一体成型によって作製される。一体成型による
方法は、加工性、生産コスト等の面から好適である。
【0049】一体成型による容器本体61の作製には、
各種の樹脂の射出成型、真空成型等が利用できる。中で
も、例えばアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合樹脂(ABS樹脂)ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹
脂を用いた射出成型による方法は、壁部61c及び凹部
61aの厚みの調整が容易であり、且つ比較的低コスト
で行え、各部に所望の特性を容易に付与できるといった
点から好適である。
【0050】また、フランジ部61bを容器本体61の
底部に設けることによって、容器本体61と底板63と
の接合を簡便かつ確実に行うことができる。フランジ部
61bは、容器本体61の一体成型時に他の部分と同時
に成型することができる。フランジ部61bの厚さは、
壁部61cと同程度とすればよい。このフランジ部61
bには、容器本体61と蓋部材63との接合領域62に
沿って補強のためのリブ61eが設けられているのが好
ましい。このリブ61eは、図 15では蓋部材63の
方に出っ張る様にも受けられているが、この出っ張り片
は逆であってもよい。但し、前者の方が、容器本体61
と蓋部材63との接合がその出っ張り部を使って一層確
実になされるので好ましい。
【0051】凹部61aや壁部61cの立ち上がり部等
の角部を図示した様に湾曲状とすることによって、その
衝撃緩衝性をより良好なものとすることができる。該湾
曲部の曲率半径は比較的大きい方がよく。凹部61aの
大きさに応じて適宜選択されるが、例えば2mm以上、
好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とさ
れる。
【0052】凹部61aの形状は、インクジェットカー
トリッジIJCの保護および梱包容器内での位置固定が
効果的に行える様に適宜選択される。図示した例では、
4カ所の凹部61aによってインクジェットカートリッ
ジIJCが支持されており、この形態がインクジェット
カートリッジIJCの保護、位置固定という点から最も
好適であると言うことができるのであるが、凹部61a
の個数は適宜選択できるものではある。
【0053】凹部61aのインクジェットカートリッジ
の支持部分とインクジェットカートリッジのクリアラン
スは、大き過ぎるとインクジェットカートリッジの梱包
容器内でのガタツキやズレが生じるので好ましくない
が、逆に小さ過ぎるとインクジェットカートリッジの容
器本体61への収納性が悪くなり、また壁部61cから
の衝撃が伝達されやすくなるので好ましくない。これら
のクリアランスは、凹部61aの構造および凹部61a
とインクジェットカートリッジとのマッチングにおいて
適宜選択すればよいが、例えば0.5mm〜3mm、好
ましくは0.5mm〜2mm程度とすることができる。
【0054】蓋部材63の材質や厚さは、インクジェッ
トカートリッジの重量や強度等に応じて選択される。蓋
部材63としては、例えば樹脂製乃至金属製のフィル
ム、シートや板、或いはそれらの少なくとも一つを含む
積層体等が用いられる。この積層体を蓋部材63として
用いる場合、蓋部材63の容器本体61との非接着面側
の表層(以下、「外層」と称す)が紙であると、環境変
化、特に湿度変化の影響を受けて紙が放湿、吸湿してカ
ール変形することがあるため、外面にもアルミニウム、
塩化ビニリデン、ポリプロピレン等の防湿層をコーティ
ングし変形を防止するのが好ましい。この場合、カール
変形による容器本体61と蓋部材63との接着部62
に、剥離方向に力が加わるのを防止することもできる。
防湿層としては、コスト、強度的な面から、15〜10
0μm厚のポリプロピレンが最も好ましい。
【0055】インクジェットカートリッジIJCを容器
本体61に収容した後の容器本体61と蓋部材63との
接合には、各種の接合方法が利用できる。例えば、容器
本体61と蓋部材63を同種の樹脂材料で形成し、熱融
着、超音波熔着等の方法でこれらを接合することができ
る。また、イージー・ピール層を底板63の少なくとも
接合に必要な領域に設けて、それを利用してこれらの接
着を行うことができる。イージー・ピール層を利用する
方法は、梱包を解く際に、容器本体61から蓋部材63
を容易に取り外すことができるので、インクジェットカ
ートリッジを破損させる恐れが一層少ないという利点を
有している。この様に防湿性等の内容物の湿度維持性及
び開封の容易性などを考慮した場合、イージー・ピール
が好適である。このイージー・ピール層としては、例え
ば各種のホットメルト系、ポリエチレン系、エバール系
等からなる層が利用できる。
【0056】蓋部材63には、容器本体61との接合を
はがす際に用いられるつまみ部63aが設けられている
のが取扱い上好ましい。このつまみ部63aは、図1な
どではインクジェットカートリッジの吐出口の部分に近
い個所に設けられているが、より好ましくは吐出口の部
分からできるだけ遠く離れた位置に設ける方がよい。そ
の理由は、つまみ部63aをもって蓋部材63を容器本
体61からはがす際に、インクジェットカートリッジの
中でも特に保護すべき吐出口の部分に手が過って触れた
りするのを裂けるためである。
【0057】また、本発明の梱包容器の構成材料を選択
することで、内容物の湿度環境を維持する、即ち防湿機
能や内容物の有する水分の外部への蒸発を防ぐ機能を得
ることができる。
【0058】例えば、容器本体61の構成材料として、
各種樹脂に塩化ビニリデン層やアルミニウム層をコート
した材料、湿度透過防止性のある材料、例えばポリプロ
ピレンなどを用いることによって、上述の湿度環境維持
機能を得ることができる。尚、製造コスト、成型性、加
工性などの面からは、ポリプロピレンが好適である。
【0059】これと同様に、蓋部材63の構成材料とし
て、樹脂のフィルム、シートまたは板材、或いは紙のシ
ートや板材に塩化ビニリデン層やアルミニウム層をコー
トした材料、湿気透過防止性のあるポリプロピレンなど
を用いることによって、良い湿度環境維持機能を得るこ
とができる。衝撃緩衝性及び湿度環境維持機能の両方に
ついて良好なものとするには、例えば、紙にアルミニウ
ム層を設けた材料からなり、容器本体との密封接着のた
めの層(例えばイージー・ピール層)を有し、なおか
つ、カール防止に非接着面(外面)にポリプロピレン層
を設けた蓋部材が好適である。特に、アルミニウム層を
設け非接着面側の最外層としてポリプロピレン層を設け
た積層体が、コスト、衝撃緩衝性及び湿度環境維持機能
の面から好ましい。
【0060】また、容器本体61の形成にポリプロピレ
ンを用いた真空成型法を利用する場合に、先に述べた様
に凹部61aや壁部61cの立ち上り部などを湾曲部と
して成型することは、容器本体61の衝撃緩衝性をより
良好とするとともに、容器本体61に上述のような湿度
環境維持機能を得る上でも好ましい。
【0061】更に、容器本体61の天井61c−2から
底面(フランジ61b)方向に、原料シートの天井部6
1c−2となる部分以外の部分を真空で延ばして凹部6
1a、壁部61cの側面61c−1、湾曲部等を成型す
るオス型成型によれば、各部毎の厚みの均一性をより良
好なものとすることができ、ピンホールの発生もなく、
各部における湿気透過防止性を高める上で好ましい。
【0062】また、真空成型で得られる容器本体に湾曲
部を設けない場合は、容器本体の壁部と凹部の境界及び
壁部とフランジの境界などが肉厚の薄い角部として形成
され、ピンホールが生じたり、落下時の破損が起こりや
すくなったり、その部分の湿気透過防止性が低下したり
することがある。このために、これらの境界部を湾曲部
として成型することによって、肉厚の薄い部分が形成さ
れることが一層効果的に防止され、良好な湿気透過防止
性を容器本体全体にわたって一層均一に得ることがで
き、かつ落下衝撃に一層強い外周部を得ることができ
る。
【0063】また、容器本体61及び/または底板63
に透明もしくは半透明な材料を選択すれば、梱包状態で
インクジェットカートリッジ62を透視できる。
【0064】ところで、図1に示す様に、インクジェッ
トカートリッジの吐出口面にある吐出口を覆う(シール
する)覆い部材3を設けることにより、吐出口からのイ
ンクの蒸発を極めて少なくすることができるので、収容
空間の湿度を適切に保つことができ、故に蓋部材のカー
ル変形を防止することができる上、インクタンクから吐
出口に至るインクの供給経路の状態を良好な状態に保つ
ことができる。
【0065】本発明に係る覆い部材3としては、前述し
たテープ状のものに限られるものではないが、取り扱い
が容易である点(例えば、はがすのも簡単である)や吐
出口の気密状態を保つのに優れている点、更には薄いの
でインクジェットカートリッジの大きさにほとんど影響
しない点、比較的少ないコストで形成することができる
点などの理由により、テープ状のものが最適である。覆
い部材3の材料としては、例えばポリエチレンテレフタ
レートを挙げることができる。
【0066】更に、図1においては、覆い部材3をイン
クジェットカートリッジIJCに押えるための押え部材
4が、インクジェットカートリッジに設けられている。
この押え部材4の好ましい態様としては、吐出口に対応
する位置にインク吸収体6が配されたキャップ部材を挙
げることができる。
【0067】この様な押え部材4を設けることは、ユー
ザーがインクジェットカートリッジIJCを収納容器か
ら取り出す際に吐出口の部分に手を差し込む様なことが
裂けられるので、インクジェットカートリッジの中でも
特に保護すべき吐出口の部分の保護という点から一層好
適である。この押え部材4は、インクジェットカートリ
ッジがクリアランスの範囲内で収納容器内において動い
ても、収納容器本体61の壁部61cと接触して動いた
りしない様に設けられるのが好ましい。
【0068】図16は本発明のインクジェットカートリ
ッジの収納容器(梱包容器)の他の例を示す展開斜視
図、図17はその組立て後の斜視図である。また図18
は、夫々本発明の収納容器の他の例を示す左側面図
(a)、上面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)
及び下面図(e)、並びに収納容器本体のフランジ部を
示す部分拡大図(f)である(但し、図15とは‘正面
図’として扱っている個所が異なっている)。
【0069】本例は、容器本体61の凹部61aの形状
以外については、前述の図1、図14及び図15に示さ
れた例と同じである。本例における容器本体61の凹部
61aは、フランジ部61bにまで達せずにその途中ま
で形成されたものとなっており、また所定の角度の勾配
が形成されてインクジェットカートリッジを支持するも
のとなっている。インクジェットカートリッジの収納空
間での位置固定という点では前者の例の方が勝るが、本
例によっても実質的に十分本発明の目的を達成すること
ができる程度の効果を得ることができる。
【0070】尚、覆い部材3は設けた方が好ましいが必
ずしも設けなくてもよく、この設けない構成をも本発明
として含むものである。
【0071】(実施例1)厚さ1mmのポリプロピレン
のシートを用いて図1に示した構造の容器本体を、天井
部61c−1以外の材料部分が底部に向って引き延ばさ
れて成型されるオス型真空成型により作製した。各部の
サイズは以下の通りである。
【0072】最小肉厚:0.2mm 角部の曲率半径:3mm
【0073】一方、ポリプロピレン層(厚さ30μ
m)、ポリエチレンテレフタレート層(厚さ12μ
m)、アルミニウム層(厚さ9μm)、ポリエチレン系
イージー・ピール層(厚さ30μm)を容器本体との接
着面側からこの順に積層して蓋部材3を作製した。
【0074】次に、インクを貯留するインクタンクを具
備し、吐出口面に覆い部材3として吐出口をシールする
ポリエチレンテレフタレート製の保護テープが設けら
れ、更に保護テープを押える押え部材4してインク吸収
体6付きのキャップ部材が設けられたインクジェットカ
ートリッジIJCを容器本体61に収納し、容器本体底
面に蓋部材63を合せて、フランジ61bと蓋部材63
とを超音波熔着機により接着した。
【0075】得られた梱包物の単体及びこれらの集合体
について所定高さからの落下試験を行って、梱包された
インクジェットカートリッジの保護状態を検査したとこ
ろ、インクジェットカートリッジに損傷等の発生は全く
なかった。
【0076】また、得られた梱包物について所定雰囲気
の条件下に所定期間放置した後、インクジェットカート
リッジに充填されたインクの水分の蒸発量をインクジェ
ットカートリッジの重量を計測することによって検査し
たところ、わずかな重量減少が計測されただけであっ
た。
【0077】更に、所定期間放置後の蓋部材のカール等
の変形も全く見られなかった。
【0078】(実施例2)厚さ30μmの塩化ビニリデ
ンをコートした塩化ビニルシートを用いる以外は、実施
例1と同様にして容器本体を作製し、インクジェットカ
ートリッジの梱包を行った。
【0079】得られた梱包物の落下試験を実施例1と同
様にして行ったところ、梱包されたインクジェットカー
トリッジに損傷などの異常の発生はなかった。
【0080】また、梱包されたインクジェットカートリ
ッジに充填されたインクの水分の蒸発量を実施例1と同
様にして測定したところ実施例1と同様に僅かであり、
蓋部材のカール等の変形も全く見られなかった。
【0081】(実施例3)各湾曲部の半径Rを1mmと
する以外は実施例1と同様にして容器本体を作製し、イ
ンクジェットカートリッジの梱包を行い、落下試験およ
び水分蒸発量の測定を行った。
【0082】なお、得られた容器本体の肉厚の最小の厚
みは0.05mmであった。
【0083】その結果、落下試験において、梱包物の容
器本体部分にわずかなへこみが認められたが、梱包され
たインクジェットカートリッジに異常はなかった。
【0084】また、インクジェットカートリッジに充填
されたインクの水分の蒸発量はわずかであり、蓋部材の
変形も見られなかった。
【0085】(実施例4)ポリプロピレンシートにおけ
るフランジ部61bとなる部分から、それ以外の部分
(凹部61aおよび壁部61c)が真空によって引っ張
られて成型されるメス型成型によって容器本体を成型
し、且つフランジ部61の角部の湾曲半径を0.5mm
とし、それ以外の角部の曲率半径を2mmとする以外は
実施例1と同様にしてインクジェットカートリッジの梱
包を行った。
【0086】得られた梱包物について、実施例1と同様
の落下試験およびインクからの水分の蒸発量の測定を行
った。
【0087】落下試験においては、梱包されたインクジ
ェットカートリッジには何の異常もなかった。
【0088】インクの水分蒸発量はわずかであり、蓋部
材の変形も見られなかった。
【0089】(実施例5,6,7及び8)インクジェッ
トカートリッジの吐出口面に吐出口の覆い部材である保
護テープを設けることをしないことを除いて、夫々実施
例1,2,3及び4と同様に梱包を行った。
【0090】その結果、いずれの実施例でも実施例1,
2,3及び4に較べて、インクジェットカートリッジに
充填されたインクの水分の蒸発量が少し増えたが、実質
的に十分本発明の目的を達成することができる程度の効
果を得ることができた。
【0091】尚、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でもバブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置
に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0092】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡
を形成出来るので有効でえる。この気泡の成長,収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0093】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
【0094】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0095】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0096】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸収手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安
定した記録を行うために有効である。
【0097】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0098】本発明の梱包容器を用いることにより、イ
ンクジェットカートリッジを、運搬時等における振動や
落下による衝撃から確実かつ安価に保護することができ
る。
【0099】即ち、本発明の梱包容器は、インクジェッ
トカートリッジの形状に合わせて配置され、内容物を適
当な間隔をもって支持し、梱包容器の本体の壁部とイン
クジェットカートリッジとが直接接触することを防ぐ凹
部が設けられているので、インクジェットカートリッジ
の梱包容器内での位置固定が効果的になされ、かつ容器
本体壁部に外部から加わった衝撃が内容物に及ぶことが
避けられる。
【0100】また、本発明の梱包容器による梱包では、
梱包することによる占有スペースの増加が小さく、省ス
ペース性が高く、倉庫スペースや物流スペースの節約が
可能であり、保管や物流におけるコストを低減させるこ
とができる。
【0101】更に、本発明の梱包容器では、インクジェ
ットカートリッジの梱包状態での湿度環境の維持機能を
付与することができ、インクジェットカートリッジの保
護性と共に、その湿度環境の維持性が良好な梱包が可能
となる。
【0102】加えて、インクジェットカートリッジの吐
出口面に吐出口を覆う(シールする)覆い部材を設ける
ことにより、吐出口からのインクの蒸発を極めて少なく
することができるので、収容空間の湿度を適切に保つこ
とができ、故に蓋部材のカール変形を防止することがで
きる上、インクタンクから吐出口に至るインクの供給経
路の状態を良好な状態に保つことができる。
【0103】更に、本発明においては、覆い部材をイン
クジェットカートリッジに押えるための押え部材を設け
ることは、インクジェットカートリッジを収納容器から
取り出す際に吐出口の部分に手を差し込む様なことが避
けられるので、吐出口部分の保護という点から一層好適
である。
【0104】また、上述した構成を取るキャップ、シー
ト構造体の取扱いについて述べる。すなわち、図19に
示す様にインクジェットカートリッジの使用時取り扱い
は、インク収納部と、該インク収納部内のインクを吐出
するためのエネルギー発生素子と、該エネルギー発生素
子に対応したインク吐出部と、を具備し吐出部及びイン
クタンク用大気連通口を塞ぐシール部材と、該シール部
材を吐出部に押圧する押圧部材と、を有し、記録ヘッド
による非記録時に吐出部及びインクタンク用大気連通口
が密閉されている記録ヘッドを、使用可能状態にする際
に、押圧部材を吐出部のシール部材が延在していない
向かって離脱した後に、シール部材のインクタンク用
大気連通口部域を開放し、その後に吐出部が開放される
ようにシール部材を記録ヘッドから除去する。
【0105】
【発明の効果】本発明は、上記構成のように、大気連通
口と、吐出口の同一のシール部材でシールして、上記押
圧部材で吐出口部を確実にシールしているので、上記新
規な問題点を解決できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットカートリッジの収納容
器(梱包容器)の一例を示す展開斜視図である。
【図2】(a)、(b)は図13実施例の部分説明図
で、順に上面図、側面図である。
【図3】(a)、(b)は変形実施例説明図である。
【図4】(a)、(b)は、図2の変形実施例説明図
で、順に上面図、側面図である。
【図5】本発明の他の実施例の部分分解図である。
【図6】図5実施例の記録ヘッド断面の説明図である。
【図7】(a)、(b)、(c)はさらに別の実施例を
示す側面図、正面図、上面図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は、さらに別の実施例
の側面図、正面図、上面図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、本発明のさらに別
の実施例の説明図であって、順に側面図、正面図、上面
図である。
【図10】記録ヘッドの変形例を示す斜視図である。
【図11】更に記録ヘッド構成を変形した本発明実施例
の斜視図である。
【図12】本実施例の記録ヘッドを記録装置本体に対し
ての着脱構成を説明する部分断面説明図である。
【図13】(a)、(b)は本発明の第1実施例の説明
図で、順に斜視図、その部分分解図である。
【図14】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の一例の組立て後の斜視図である。
【図15】夫々本発明の収納容器の一例を示す上面図
(a)、正面図(b)及び右側面図(c)、並びにイン
クジェットカートリッジの吐出口の部分の収納状態を示
す部分拡大図(d)、収納容器本体のフランジ部を示す
部分拡大図(e)である。
【図16】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の他の例を示す展開斜視図である。
【図17】本発明のインクジェットカートリッジの収納
容器(梱包容器)の他の例の組立て後の斜視図である。
【図18】夫々本発明の収納容器の他の例を示す左側面
図(a)、上面図(b)、正面図(c)、右側面図
(d)及び下面図(e)、並びに収納容器本体のフラン
ジ部を示す部分拡大図(f)である。
【図19】(a)、(b)、(c)は、本発明の構成を
実施した記録ヘッドを使用状態にする際の本発明の操作
を説明するための説明図である。
【符号の説明】
3 覆い部材 4 押え部材 6 インク吸収体 61 容器本体 61a 凹部 61b フランジ部 61c 壁部 61e リブ 63 底板 63a つまみ部 IJC インクジェットカートリッジ 91、H 熱エネルギー発生素子 2、51 溝部 10 ベースプレート 7 位置決め用または弾性変形量規制用部位 8 カートリッジのキャリッジに対する位置決め部位 9 キャップ着脱用ツバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−33285(JP,A) 特開 昭59−143647(JP,A) 特開 昭61−125851(JP,A) 特開 昭63−21149(JP,A) 特開 昭63−230374(JP,A) 特開 昭57−93159(JP,A) 特開 昭59−145157(JP,A) 特開 昭57−74169(JP,A) 実開 昭61−67136(JP,U) 実開 昭63−77740(JP,U) 実開 昭64−50938(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/01 B41J 2/165

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収納した収納部に連通して、外
    部に対して開放された開口部を備えた記録ヘッドの保管
    方法であって、 上記開口部としての吐出部及びインクタンク用大気連通
    口を同時に塞ぐシート状シール部材と、該シート状シー
    ル部材を上記吐出部に押圧する押圧部材と、を有し、上
    記吐出部を上記押圧部材によって密閉化した状態で保管
    容器内に保管することを特徴とする記録ヘッドの保管方
    法。
  2. 【請求項2】 上記押圧部材は、上記記録ヘッドに係合
    する係合部と、該係合部の係合状態で弾性変形状態を維
    持し上記シート状シール部材を上記吐出部に押圧する弾
    性部材と、を有し、上記係合状態は、上記記録ヘッドに
    設けられた複数溝と上記押圧部材の係合部としての該複
    数溝に係合する溝部との係合が上記記録ヘッドの対向す
    る側面対の夫々で形成され達成されている請求項1に記
    載の記録ヘッドの保管方法。
  3. 【請求項3】 上記開口部は上記インク吐出部で、この
    近傍には段差部があって上記押圧部材による上記シート
    状シール部材の押圧領域はこの段差部を含めたものであ
    る請求項1又は2に記載の記録ヘッドの保管方法。
  4. 【請求項4】 上記押圧部材は、上記記録ヘッドの一部
    に当接して上記弾性部材の変形量を規制するための当接
    部を有している請求項1乃至3のいずれかに記載の記録
    ヘッドの保管方法。
  5. 【請求項5】 上記押圧部材は、上記記録ヘッドの側方
    に位置して上記弾性部材の上記吐出部に対する位置決め
    規定するための部位を有している請求項1乃至4のいず
    れかに記載の記録ヘッドの保管方法。
  6. 【請求項6】 上記シート状シール部材は、上記インク
    吐出部に対して接着されている請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の記録ヘッドの保管方法。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドに係合一体化するための係合
    部と、記録ヘッドの吐出口及びインクタンクの大気連通
    口に接着されて当接する可撓性シートと、該可撓性シー
    トの吐出口に対応する部分のみに備えられた弾性部材
    と、を備えたことを特徴とする記録ヘッド用キャップ。
  8. 【請求項8】 上記記録ヘッド用キャップは、上記記録
    ヘッドに当接して上記弾性部材の変形量を規定する当接
    部を有している請求項7に記載の記録ヘッド用キャッ
    プ。
  9. 【請求項9】 上記記録ヘッド用キャップは、上記記録
    ヘッド側方に位置して上記弾性部材の上記吐出部に対す
    る位置決め規定するための部位を有している請求項7又
    は8に記載の記録ヘッド用キャップ。
  10. 【請求項10】 上記記録ヘッド用キャップは、上記係
    合一体化を記録ヘッドの対向する側面対の夫々に形成さ
    れた複数溝に対して係合する上記係合部の溝部によって
    達成される請求項7乃至9いずれかに記載の記録ヘッド
    用キャップ。
  11. 【請求項11】 上記記録ヘッド用キャップは、上記記
    録ヘッドに対する着脱を補助するツバ部位を備えている
    請求項7乃至10いずれかに記載の記録ヘッド用キャッ
    プ。
  12. 【請求項12】 蓋部材と、該蓋部材と接合されること
    によりインクを吐出する吐出口を有するインクジェット
    カートリッジの収納空間を形成する凹みを有する容器本
    体とを具備し、 前記容器本体が、前記インクジェットカートリッジと非
    接触状態に維持される壁部と、該壁部から前記収納空間
    へ突出して前記インクジェットカートリッジを支持する
    ための凹部とを有し、 前記インクジェットカートリッジには、前記吐出口及び
    インクタンク用大気連通口を覆うためのシート状の覆い
    部材と該覆い部材を前記インクジェットカートリッジに
    押えるため少なくとも取り外し時に利用されるつまみ部
    を備えた前記吐出口を覆うキャップ部材が設けられてい
    ることを特徴とするインクジェットカートリッジの収納
    容器。
  13. 【請求項13】 前記キャップ部材には、前記吐出口に
    対応する位置にインク吸収体が配されていることを特徴
    とする請求項12に記載のインクジェットカートリッジ
    の収納容器。
  14. 【請求項14】 前記容器本体には、前記蓋部材との接
    合を行う部分としてフランジ部が設けられていることを
    特徴とする請求項12に記載のインクジェットカートリ
    ッジの収納容器。
  15. 【請求項15】 前記フランジ部には、前記容器本体と
    前記蓋部材との接合領域に沿ってリブが設けられている
    ことを特徴とする請求項14に記載のインクジェットカ
    ートリッジの収納容器。
  16. 【請求項16】 前記インクジェットカートリッジは、
    前記吐出口からインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する熱エネルギー発生手段として電気熱
    変換体を具備することを特徴とする請求項12に記載の
    インクジェットカートリッジの収納容器。
  17. 【請求項17】 前記インクジェットカートリッジは、
    前記吐出口から吐出されるインクを貯溜するためのイン
    クタンクを具備することを特徴とする請求項12に記載
    のインクジェットカートリッジの収納容器。
  18. 【請求項18】 インクジェットカートリッジの使用時
    取り扱い方法であって、 インク収納部と、該インク収納部内のインクを吐出する
    ためのエネルギー発生素子と、該エネルギー発生素子に
    対応したインク吐出部と、を具備し上記吐出部及びイン
    クタンク用大気連通口を塞ぐシール部材と、該シール部
    材を上記吐出部に押圧する押圧部材と、を有し、上記記
    録ヘッドによる非記録時に上記吐出部及びインクタンク
    用大気連通口が密閉されている記録ヘッドを、使用可能
    状態にする際に、 上記押圧部材を吐出部の上記シール部材が延在していな
    い側に向かって離脱した後に、上記シール部材のインク
    タンク用大気連通口部域を開放し、その後に上記吐出部
    が開放されるように上記シール部材を記録ヘッドから除
    去することを特徴とする使用時取り扱い方法。
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