JPH0577063A - 鋼材の接合方法 - Google Patents
鋼材の接合方法Info
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- JPH0577063A JPH0577063A JP33913291A JP33913291A JPH0577063A JP H0577063 A JPH0577063 A JP H0577063A JP 33913291 A JP33913291 A JP 33913291A JP 33913291 A JP33913291 A JP 33913291A JP H0577063 A JPH0577063 A JP H0577063A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】被接合材より低融点のアモルファス金属のイン
サート材3を被接合面間に挿入し、インサート材の融点
以上で被接合材の融点以下の温度域に加熱し、加圧して
被接合材1および2を液相拡散接合する。次いで、その
接合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 150℃までの
温度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度で冷却する
熱処理を施す。冷却速度が30℃/秒以上の場合は、Ac1
点からAc1− 100℃までの温度域に再加熱する熱処理を
施すことにより靱性が一層向上する。接合部の熱処理の
前、または後に、接合部にアーク溶接を施してもよい。 【効果】液相拡散接合により低下した接合部の靱性が接
合部に熱処理を施すことにより向上し、さらに、接合部
にアーク溶接を施せば、疲労強度が著しく改善される。
このため、高能率の液相拡散接合法を強度部材の接合に
採用することができる。
サート材3を被接合面間に挿入し、インサート材の融点
以上で被接合材の融点以下の温度域に加熱し、加圧して
被接合材1および2を液相拡散接合する。次いで、その
接合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 150℃までの
温度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度で冷却する
熱処理を施す。冷却速度が30℃/秒以上の場合は、Ac1
点からAc1− 100℃までの温度域に再加熱する熱処理を
施すことにより靱性が一層向上する。接合部の熱処理の
前、または後に、接合部にアーク溶接を施してもよい。 【効果】液相拡散接合により低下した接合部の靱性が接
合部に熱処理を施すことにより向上し、さらに、接合部
にアーク溶接を施せば、疲労強度が著しく改善される。
このため、高能率の液相拡散接合法を強度部材の接合に
採用することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高能率でしかも靱性
および疲労強度に優れた高性能の継手が得られる鋼材の
接合方法に関する。
および疲労強度に優れた高性能の継手が得られる鋼材の
接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材の接合方法として、被接合材(母
材)を突き合わせて、塑性変形をほとんど生じない程度
に加熱・加圧し、接合面間で生じる原子の拡散を利用し
て接合する拡散接合法がある。この拡散接合法には、接
合すべき被接合材を直接接合する固相拡散接合のほか
に、被接合面間に異種金属のイサート材を挿入して接合
する液相拡散接合法がある。
材)を突き合わせて、塑性変形をほとんど生じない程度
に加熱・加圧し、接合面間で生じる原子の拡散を利用し
て接合する拡散接合法がある。この拡散接合法には、接
合すべき被接合材を直接接合する固相拡散接合のほか
に、被接合面間に異種金属のイサート材を挿入して接合
する液相拡散接合法がある。
【0003】液相拡散接合法では、被接合材より低融点
のインサート材を使い、被接合材を軽く加圧密着して通
常真空中または不活性ガス中で加熱接合を行う。インサ
ート材は接合温度まで加熱されて液相となり、接合面間
の空隙を溶融金属で満たし、接合温度に保持している間
にインサート材と母材間で相互拡散が起こり、最終的に
等温凝固し接合する。この液相拡散接合法において、前
記インサート材に低融点のアモルファス金属を用いる方
法およびこの方法を屋内の配管の接合に適用した例が
「配管技術 1989年 5月号 65〜70頁」に報告されて
いる。
のインサート材を使い、被接合材を軽く加圧密着して通
常真空中または不活性ガス中で加熱接合を行う。インサ
ート材は接合温度まで加熱されて液相となり、接合面間
の空隙を溶融金属で満たし、接合温度に保持している間
にインサート材と母材間で相互拡散が起こり、最終的に
等温凝固し接合する。この液相拡散接合法において、前
記インサート材に低融点のアモルファス金属を用いる方
法およびこの方法を屋内の配管の接合に適用した例が
「配管技術 1989年 5月号 65〜70頁」に報告されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液相拡散接合法は、能
率がよく、母材の外観変形をともなわずに接合ができ、
しかも組織変化のない均一組織の接合部が得られるとい
う優れた特徴を有しているが、この接合法を強度部材の
接合に適用した例はいまのところ見当たらない。
率がよく、母材の外観変形をともなわずに接合ができ、
しかも組織変化のない均一組織の接合部が得られるとい
う優れた特徴を有しているが、この接合法を強度部材の
接合に適用した例はいまのところ見当たらない。
【0005】その理由として、1)インサート材に低融点
のアモルファス金属を用いた液相拡散接合法であって
も、接合に際しては母材共々およそ1000℃以上に加熱す
る必要があり、組織変化による靱性低下が起こること、
2)母材の寸法(例えば板厚、管径、肉厚等)は一定では
なく、必ず公差を有しており、“目違い”の発生による
疲労強度低下が起こること、等が挙げられる。
のアモルファス金属を用いた液相拡散接合法であって
も、接合に際しては母材共々およそ1000℃以上に加熱す
る必要があり、組織変化による靱性低下が起こること、
2)母材の寸法(例えば板厚、管径、肉厚等)は一定では
なく、必ず公差を有しており、“目違い”の発生による
疲労強度低下が起こること、等が挙げられる。
【0006】この発明の課題は、液相拡散接合法におけ
る上記のような問題を解消し、靱性および疲労強度に優
れた高性能の継手を高能率で得ることのできる鋼材の接
合方法を提供することにある。
る上記のような問題を解消し、靱性および疲労強度に優
れた高性能の継手を高能率で得ることのできる鋼材の接
合方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インサー
ト材に低融点のアモルファス金属を用いる液相拡散接合
法の利点を損なうことなく、強度部材への適用を可能と
すべく検討を重ねた結果、液相拡散接合後、その接合部
に対して適正な条件で熱処理を施すことにより靱性が向
上すること、および前記の熱処理の前、または後に、接
合部にアーク溶接を施すことにより靱性が更に向上する
とともに疲労強度も大きく改善されることを見出し、こ
の発明をなすに至った。
ト材に低融点のアモルファス金属を用いる液相拡散接合
法の利点を損なうことなく、強度部材への適用を可能と
すべく検討を重ねた結果、液相拡散接合後、その接合部
に対して適正な条件で熱処理を施すことにより靱性が向
上すること、および前記の熱処理の前、または後に、接
合部にアーク溶接を施すことにより靱性が更に向上する
とともに疲労強度も大きく改善されることを見出し、こ
の発明をなすに至った。
【0008】この発明は下記の接合方法を要旨とする。
【0009】 被接合面間に被接合材より低融点のア
モルファス金属のインサート材を挿入し、そのインサー
ト材の融点以上でかつ被接合材の融点以下の温度域に加
熱し、加圧して被接合材を液相拡散接合した後、その接
合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 150℃までの温
度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱
処理を施すことを特徴とする鋼材の接合方法。
モルファス金属のインサート材を挿入し、そのインサー
ト材の融点以上でかつ被接合材の融点以下の温度域に加
熱し、加圧して被接合材を液相拡散接合した後、その接
合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 150℃までの温
度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱
処理を施すことを特徴とする鋼材の接合方法。
【0010】 熱処理の冷却速度が30℃/秒以上の場
合に、さらに、Ac1 点からAc1 −100℃までの温度
域に再加熱する熱処理を施すことを特徴とする前記記
載の鋼材の接合方法。
合に、さらに、Ac1 点からAc1 −100℃までの温度
域に再加熱する熱処理を施すことを特徴とする前記記
載の鋼材の接合方法。
【0011】 接合部の熱処理の前、または後に、接
合部にアーク溶接を施すことを特徴とする前記または
に記載の鋼材の接合方法。
合部にアーク溶接を施すことを特徴とする前記または
に記載の鋼材の接合方法。
【0012】
【作用】以下、添付図面を参照してこの発明を説明す
る。
る。
【0013】図1(a) 〜 (d)は、この発明の接合方法を
示す説明図である。
示す説明図である。
【0014】図1において、1および2は接合すべき被
接合材(母材)であり、この例では被接合材は板状であ
る。
接合材(母材)であり、この例では被接合材は板状であ
る。
【0015】被接合材1および2を、被接合材より低融
点のアモルファス金属のインサート材3を被接合面間に
挿入して突き合わせる (図1(a))。
点のアモルファス金属のインサート材3を被接合面間に
挿入して突き合わせる (図1(a))。
【0016】接合面間にインサート材3を挿入して突き
合わせた後は、高周波加熱装置等を使用してその接合す
べき部位を加熱し、加圧して被接合材1および2を液相
拡散接合する (図1(b))。
合わせた後は、高周波加熱装置等を使用してその接合す
べき部位を加熱し、加圧して被接合材1および2を液相
拡散接合する (図1(b))。
【0017】液相拡散接合における加熱温度がインサー
ト材3の融点より低い場合にはインサート材3の溶融が
起こらず、被接合材1および2の融点より高い場合には
溶融溶接になるため、インサート材3の融点以上で被接
合材1および2の融点以下の温度域で接合を行う必要が
ある。
ト材3の融点より低い場合にはインサート材3の溶融が
起こらず、被接合材1および2の融点より高い場合には
溶融溶接になるため、インサート材3の融点以上で被接
合材1および2の融点以下の温度域で接合を行う必要が
ある。
【0018】被接合材1および2を液相拡散接合した後
は、その接合部を加熱して冷却するか、加熱、冷却後さ
らに再加熱する熱処理を施す。この熱処理には、液相拡
散接合において用いた加熱手段を利用することができ
る。
は、その接合部を加熱して冷却するか、加熱、冷却後さ
らに再加熱する熱処理を施す。この熱処理には、液相拡
散接合において用いた加熱手段を利用することができ
る。
【0019】液相拡散接合では、アモルファス金属のイ
ンサート材3を被接合材の板厚方向に均一に加熱し、溶
融させる必要があることから、接合後には接合部の近傍
に肉厚方向に加熱温度と同程度の高温にされされたいわ
ゆる熱影響部4ができる。その部分は結晶粒が粗大化し
て靱性が低い。この靱性の低い熱影響部4に熱処理を施
せば組織が微細化されて靱性が回復するのである。この
ためには、接合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 1
50℃までの温度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度
で冷却する熱処理を施す(前記の接合方法)。この熱
処理(便宜的に第1の熱処理と記す)の冷却速度が30℃
/秒以上の場合、更に被接合材のAc1 点からAc1 −
100℃までの温度域に再加熱する第2の熱処理を施せ
ば、靱性は一層向上する(の接合方法)。
ンサート材3を被接合材の板厚方向に均一に加熱し、溶
融させる必要があることから、接合後には接合部の近傍
に肉厚方向に加熱温度と同程度の高温にされされたいわ
ゆる熱影響部4ができる。その部分は結晶粒が粗大化し
て靱性が低い。この靱性の低い熱影響部4に熱処理を施
せば組織が微細化されて靱性が回復するのである。この
ためには、接合部を被接合材のAc3 点からAc3 + 1
50℃までの温度域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度
で冷却する熱処理を施す(前記の接合方法)。この熱
処理(便宜的に第1の熱処理と記す)の冷却速度が30℃
/秒以上の場合、更に被接合材のAc1 点からAc1 −
100℃までの温度域に再加熱する第2の熱処理を施せ
ば、靱性は一層向上する(の接合方法)。
【0020】第1の熱処理の加熱温度が被接合材のAc
3 点未満の場合には変態が不十分となり、Ac3 + 150
℃より高い温度では液相拡散接合の際に粗粒化した組織
が微細化せず、ともに接合部の靱性が回復されない。
3 点未満の場合には変態が不十分となり、Ac3 + 150
℃より高い温度では液相拡散接合の際に粗粒化した組織
が微細化せず、ともに接合部の靱性が回復されない。
【0021】冷却速度は 0.3℃/秒以上であればよい。
0.3℃/秒より遅いと冷却中といえども高温では組織の
粗大化が生じ、継手強度が低下する。冷却速度が 30 ℃
/秒以上の場合、第2の熱処理で靱性が一層向上するの
は、 30 ℃/秒以上の冷却速度で冷却される場合に生じ
る焼入れ組織が再加熱により軟化するからである。この
ときの加熱温度がAc1 点より高いと変態が生じ、ま
た、Ac1 − 100℃未満では軟化が十分に生じず、接合
部の靱性は十分に回復しない。なお、第2の熱処理にお
いては、継手の性能に影響を及ぼすのは加熱温度であっ
て、加熱後の冷却条件は特に限定を要しない。すなわ
ち、前記の温度域で加熱した後は、例えば放冷すればよ
く、圧空等により強制冷却してもよい。また、30℃/秒
未満の冷却速度の場合にも、第2の熱処理を施しても何
ら問題はない。
0.3℃/秒より遅いと冷却中といえども高温では組織の
粗大化が生じ、継手強度が低下する。冷却速度が 30 ℃
/秒以上の場合、第2の熱処理で靱性が一層向上するの
は、 30 ℃/秒以上の冷却速度で冷却される場合に生じ
る焼入れ組織が再加熱により軟化するからである。この
ときの加熱温度がAc1 点より高いと変態が生じ、ま
た、Ac1 − 100℃未満では軟化が十分に生じず、接合
部の靱性は十分に回復しない。なお、第2の熱処理にお
いては、継手の性能に影響を及ぼすのは加熱温度であっ
て、加熱後の冷却条件は特に限定を要しない。すなわ
ち、前記の温度域で加熱した後は、例えば放冷すればよ
く、圧空等により強制冷却してもよい。また、30℃/秒
未満の冷却速度の場合にも、第2の熱処理を施しても何
ら問題はない。
【0022】上記のように、被接合材を液相拡散接合し
た後、その接合部を加熱して冷却するか、或いは、その
冷却後再加熱する熱処理を施せば、接合部靱性に優れた
継手となるが、疲労強度が問題となるような継手の場合
には、その熱処理の前か、後に、さらに、図1(d) に示
すようにその接合部にアーク溶接を施すのがよい(の
接合方法)。
た後、その接合部を加熱して冷却するか、或いは、その
冷却後再加熱する熱処理を施せば、接合部靱性に優れた
継手となるが、疲労強度が問題となるような継手の場合
には、その熱処理の前か、後に、さらに、図1(d) に示
すようにその接合部にアーク溶接を施すのがよい(の
接合方法)。
【0023】前記液相拡散接合では、被接合材1および
2を突き合わせする際の“ずれ”、或いは被接合材1お
よび2の間の肉厚差により、接合後に図1(b) のAに示
すような“目違い”が発生する。接合部に“目違い”が
あると、後述の実施例に示すように疲労強度は著しく低
く、その破断は全て界面破断となる。この“目違い”に
よる疲労強度の低下は、液相拡散接合後にその接合部に
前記のような熱処理を施すだけでは十分に改善されない
が、接合部にアーク溶接を施すことにより大きく改善さ
れる。これは、疲労強度は溶接部の止端部(図1(d) の
Bで示す部位)の形状に大きく支配されており、液相拡
散接合後の“目違い”のある接合部にアーク溶接を施す
ことにより、“目違い”がなくなり、なめらかな止端形
状となるからである。前記アーク溶接は、手溶接、TI
G溶接、MIG溶接などのいずれの方法でもよい。
2を突き合わせする際の“ずれ”、或いは被接合材1お
よび2の間の肉厚差により、接合後に図1(b) のAに示
すような“目違い”が発生する。接合部に“目違い”が
あると、後述の実施例に示すように疲労強度は著しく低
く、その破断は全て界面破断となる。この“目違い”に
よる疲労強度の低下は、液相拡散接合後にその接合部に
前記のような熱処理を施すだけでは十分に改善されない
が、接合部にアーク溶接を施すことにより大きく改善さ
れる。これは、疲労強度は溶接部の止端部(図1(d) の
Bで示す部位)の形状に大きく支配されており、液相拡
散接合後の“目違い”のある接合部にアーク溶接を施す
ことにより、“目違い”がなくなり、なめらかな止端形
状となるからである。前記アーク溶接は、手溶接、TI
G溶接、MIG溶接などのいずれの方法でもよい。
【0024】図1では、被接合材1および2に熱処理を
施した後アーク溶接を行う工程を示したが、この場合の
アーク溶接は被接合材の表面に対して行うので、その熱
影響による接合部の靱性低下は実用上問題にならない程
度である。従って、アーク溶接は熱処理の前、後いずれ
に行ってもよい。
施した後アーク溶接を行う工程を示したが、この場合の
アーク溶接は被接合材の表面に対して行うので、その熱
影響による接合部の靱性低下は実用上問題にならない程
度である。従って、アーク溶接は熱処理の前、後いずれ
に行ってもよい。
【0025】
【実施例】重量%で、C:0.08%、Si: 0.3%、Mn:
1.4%、P: 0.007%、S: 0.001%、Ni: 0.1%、C
r: 0.2%、Ti:0.01%、Nb:0.03%、残りFeからな
る鋼板(板厚:19mm、Ac3 点: 892℃、Ac1 点: 7
49℃、強度:563N/mm2)を突き合わせ、その接合面間に
厚さ25μm のFe基(Si:2%、B:3%、Fe:bal.、固
相線:1050℃、液相線:1080℃)のアモルファス金属箔
を挿入し、加熱1250℃、面圧1kgf/mm2 、N2シールド
の接合条件で液相拡散接合して継手を作製した。
1.4%、P: 0.007%、S: 0.001%、Ni: 0.1%、C
r: 0.2%、Ti:0.01%、Nb:0.03%、残りFeからな
る鋼板(板厚:19mm、Ac3 点: 892℃、Ac1 点: 7
49℃、強度:563N/mm2)を突き合わせ、その接合面間に
厚さ25μm のFe基(Si:2%、B:3%、Fe:bal.、固
相線:1050℃、液相線:1080℃)のアモルファス金属箔
を挿入し、加熱1250℃、面圧1kgf/mm2 、N2シールド
の接合条件で液相拡散接合して継手を作製した。
【0026】これらの継手には 0.2mmの目違いが発生し
ていた。
ていた。
【0027】次いで、これらの継手の接合部に対し、表
1に示す条件で熱処理を施した。さらに、そのうちの一
部の継手に対し、炭酸ガスアーク溶接を両側から施し
た。溶接条件は、ワイヤ:JIS YCW1 1.2φ、溶接電流:
230A、溶接電圧:23V、溶接速度:30cm/min、であ
る。
1に示す条件で熱処理を施した。さらに、そのうちの一
部の継手に対し、炭酸ガスアーク溶接を両側から施し
た。溶接条件は、ワイヤ:JIS YCW1 1.2φ、溶接電流:
230A、溶接電圧:23V、溶接速度:30cm/min、であ
る。
【0028】継手の性能は、接合部靱性、疲労強度およ
び継手強度を調べて評価した。接合部靱性は、それぞれ
の継手の肉厚方向中央部から10mm×10mm×55mmの試験片
を切り出し、液相拡散接合部にノッチを入れた衝撃試験
片を各々3本作製し、試験温度0℃で衝撃試験を行って
吸収エネルギーを測定し、3本の平均値を求めた。疲労
強度は、アーク溶接したものはその余盛を含む板状試験
片を作製し、これを繰り返し頻度10Hzで、荷重制御片振
り引張試験を行って繰り返し数2×106 のときの疲労強
度を求めた。継手強度は、 JIS1号試験片を作製して求
めた。また、従来例として、液相拡散接合のままの継手
の性能を同様の試験を行って調べた。これらの評価結果
を表1に示す。
び継手強度を調べて評価した。接合部靱性は、それぞれ
の継手の肉厚方向中央部から10mm×10mm×55mmの試験片
を切り出し、液相拡散接合部にノッチを入れた衝撃試験
片を各々3本作製し、試験温度0℃で衝撃試験を行って
吸収エネルギーを測定し、3本の平均値を求めた。疲労
強度は、アーク溶接したものはその余盛を含む板状試験
片を作製し、これを繰り返し頻度10Hzで、荷重制御片振
り引張試験を行って繰り返し数2×106 のときの疲労強
度を求めた。継手強度は、 JIS1号試験片を作製して求
めた。また、従来例として、液相拡散接合のままの継手
の性能を同様の試験を行って調べた。これらの評価結果
を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、従来例の液相拡散接合のままで
は靱性および疲労強度が共に低いが、液相拡散接合後に
その接合部に熱処理を施した本発明例では靱性が大きく
改善されており、さらに接合部にアーク溶接を施したも
のは靱性に加えて、疲労強度も著しく改善されているこ
とがわかる。しかし、比較例に示すように液相拡散接合
後にその接合部に熱処理を施しても、その条件が本発明
で規定する範囲を外れる場合は、靱性の改善が小さい
か、継手強度の低下が大きい。
は靱性および疲労強度が共に低いが、液相拡散接合後に
その接合部に熱処理を施した本発明例では靱性が大きく
改善されており、さらに接合部にアーク溶接を施したも
のは靱性に加えて、疲労強度も著しく改善されているこ
とがわかる。しかし、比較例に示すように液相拡散接合
後にその接合部に熱処理を施しても、その条件が本発明
で規定する範囲を外れる場合は、靱性の改善が小さい
か、継手強度の低下が大きい。
【0031】なお、 No.5および No.11は第1の熱処理
の冷却速度が大きいため接合部靱性が低いが、これに第
2の熱処理を施せば、 No.6および No.12のように靱性
は大きく回復する。
の冷却速度が大きいため接合部靱性が低いが、これに第
2の熱処理を施せば、 No.6および No.12のように靱性
は大きく回復する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば液相拡散接合の利点を生かしつつ、接合部の靱性、ま
たは靱性と疲労強度を改善することができる。このた
め、高能率の液相拡散接合法を強度部材の接合に採用す
ることが可能となり、液相拡散接合法の適用範囲が拡大
する。
ば液相拡散接合の利点を生かしつつ、接合部の靱性、ま
たは靱性と疲労強度を改善することができる。このた
め、高能率の液相拡散接合法を強度部材の接合に採用す
ることが可能となり、液相拡散接合法の適用範囲が拡大
する。
【図1】図1(a) 〜 (d)は、この発明の接合方法を示す
説明図である。
説明図である。
1および2は被接合材、3はアモルファス金属のインサ
ート材、4は液相拡散接合による熱影響部、5はアーク
溶接による溶接金属、Aは目違い部、Bは止端部、を示
す。
ート材、4は液相拡散接合による熱影響部、5はアーク
溶接による溶接金属、Aは目違い部、Bは止端部、を示
す。
フロントページの続き (72)発明者 飯田 久雄 東京都千代田区大手町一丁目1番3号住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 堤之 茂俊 東京都千代田区大手町一丁目1番3号住友 金属工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】被接合面間に被接合材より低融点のアモル
ファス金属のインサート材を挿入し、そのインサート材
の融点以上でかつ被接合材の融点以下の温度域に加熱
し、加圧して被接合材を液相拡散接合した後、その接合
部を被接合材のAc3 点からAc3 + 150℃までの温度
域に加熱し、 0.3℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱処
理を施すことを特徴とする鋼材の接合方法。 - 【請求項2】上記熱処理の冷却速度が30℃/秒以上の場
合に、更に、Ac1 点からAc1 −100℃までの温度域
に再加熱する熱処理を施すことを特徴とする請求項1記
載の鋼材の接合方法。 - 【請求項3】接合部の熱処理の前、または後に、接合部
にアーク溶接を施すことを特徴とする請求項1または2
に記載の鋼材の接合方法。
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