JPH057701B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は処理液を自動的に補給する機能を有す
る自動現像装置の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

Ｘ線写真フイルムの如く大判のシート状フイル
ムの現像処理は、第３図に示すような各種の処理
槽を内蔵した自動現像装置によりすべての処理が
連続して行われるものであつて、露光済フイルム
を挿入台１から装置内に差し込むと搬送ローラ群
の回転によつてフイルムは現像槽２に入り顕像化
されたあと定着槽３で定着され、反転して水洗槽
４に送られ各処理液を洗浄した後乾燥部５を経て
乾燥された状態にてフイルムバスケツト６に排出
されるようになつている。

前記各処理槽２，３，４内の処理液は多数枚の
フイルムの処理によつてそれぞれの処理能力が次
第に低減したり目減りしたりするものでそのため
各処理槽にはそれぞれの処理液を収容した補充タ
ンク２ａ，３ａ，４ａを配管していて、処理槽
２，３，４内の処理液の液位や濃度を検出した結
果からとかあるいは処理枚数が規定量に達した信
号等にもとづいてそれぞれの補充タンク２ａ，３
ａ，４ａに備えた補充ポンプを作動して処理液を
補給する構造をとつている。なお、補給によつて
処理槽内の液位が上昇するとその分処理能力の低
下した処理液がオーバーフローして排出され処理
槽内の液位は常に一定に保たれるようになつてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このように従来の自動現像装置においては処理
槽毎に独立した補給方法をとつているためそれぞ
れの補充タンクにポンプを備える必要があつて、
装置が価格高となりまた容積も大きくなつてこの
ような補給方法を小型の自動現像装置に適用する
ことが困難であつた。

従つて小型の自動現像装置における処理液の補
給は、処理液を収容した瓶容器を倒立して補給す
るいわゆる鳥の水飲み方式によつて行つている
が、この方法では正確な液量の補給が行えないと
云う問題があつた。

本発明は、この点を解決し、処理槽毎にそれぞ
れの補給ポンプを設けこれをそれぞれ作動させる
という複雑な補給方法を改めて、現像装置の大
型・小型あるいはシート用・ロール用等の差別に
関係なく、簡単にしてかつ適確な処理液の補給が
なされるような自動現像装置の提供を目的とした
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、像様に露光した感光材料を複数の
処理槽に順次通して現像処理する自動現像装置に
おいて、前記複数の処理槽は装置内の低所に位置
し、一方、複数の処理液を満たした補充タンクは
装置の上部に位置し、各補充タンクは開口部を下
向としてタンク受け皿に載置された鳥の水飲み方
式のタンクで、該タンク受け皿は平常時の液面を
形成し、前記タンク受け皿に平行した同じ高さ位
置には補充アキユムレータユニツトが設けられ、
該補充アキユムレータユニツトは気密につくられ
た容器で、内部は天部を除き平常時の液位より高
い隔壁によつて複数のアキユムレータに区分けさ
れ、各アキユムレータは平常時の液位より低い隔
壁によつて２つの室に区分され、一方の室はパイ
プによつて前記タンク受け皿と連通し、他方の室
は下端が前記処理槽に開口し、かつ平常時の液位
より高い位置に逆Ｕ字状部を有した補充パイプと
連通しており、前記アキユムレータユニツトには
ユニツト内の加圧を可能とする１つのエアポンプ
が設けられていて、該エアポンプの作動によつて
補充タンク内の各処理液が適量各処理槽に補充さ
れるように構成したことを特徴とする自動現像装
置によつて達成される。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図および第２図に示
す。

第１図は複数の処理槽を有した自動現像装置に
おける一の処理槽として例えば現像槽２０に対す
る補充タンク２０ａからの現像処理液の補給装置
を示したものである。

現像槽２０は図示しない他の処理槽と共に装置
内の比較的低所に置かれ、一方補充タンク２０ａ
は図示しない他の補充タンクと共に比較的高所例
えば装置の上部（第３図示も之に該当）に置かれ
ている。

前記補充タンク２０ａは、瓶状の容器で現像処
理液を収容した状態でその開口部を下向としてタ
ンク受け皿２１に載置されていわゆる鳥の水飲み
方式によつてその開口部に一致する高さすなわち
実線にて示す液位まで現像処理液を吐出しその状
態を保つている。

一方、前記タンク受け皿２１に平行した同じ高
さ位置には本発明の補充アキユムレータユニツト
Ａが設けられている。

前記補充アキユムレータユニツトＡは気密につ
くられた直方体の容器でその内部は天部を除き平
常時の液位より高い隔壁Ｂによつて３つの補充ア
キユムレータＡ１、Ａ２およびＡ３に区分されて
いる。

また各補充アキユムレータＡ１，Ａ２，Ａ３に
ついて説明すると、その内部がさらに平常時の液
位より低い隔壁Ｃによつて２つの室ＤおよびＥに
区分されていて、該室Ｅが供給パイプ２２によつ
て前記タンク受け皿２１と連通しているので、補
充アキユムレータＡ１内には実線にて示す如く前
記タンク受け皿２１内の現像処理液と同じ液位の
現像処理液が供給されている。

また、前記室Ｄは下端が前記現像槽２０の近上
部又は液槽内に開口した逆Ｕ字状の補充パイプ２
３と連通しているが、該補充パイプの頂部が前記
補充アキユムレータＡ１内の現像処理液の液位よ
り高い位置にあるため補充アキユムレータＡ１か
ら現像槽２０に対する現像処理液の補充はなされ
ていない状態となつている。

前述した補充アキユムレータＡ１以外の補充ア
キユムレータＡ２，Ａ３についても同様の形式に
て図示しないそれぞれの自動現像装置の処理槽、
補充タンク２０ａと並置された補充タンクおよび
タンク受け皿と連通してそれぞれ実線に示す液位
迄処理液を供給された状態となつているが処理槽
に対する補充は行われていない状態となつてい
る。

次に処理液補充の作用を第１図の現像槽２０の
場合を例として説明する。

前記補充アキユムレータユニツトＡには一個の
エアポンプＰが接続されていて、現像槽２０内の
現像処理液が所定の疲労度に達したり、目減して
規定の液位を下廻つた場合その信号にもとづいて
作動を開始して送風すると前記補充アキユムレー
タＡ内の気圧が上昇する。

その結果補充アキユムレータＡ１の室Ｄ内の現
像処理液は加圧によつて前述補充パイプ２３内を
流動して現像槽２０内に流入し、サイフオン効果
により前記室Ｄ内の凡ての量が前記現像槽２０の
底部に補給され、それに伴う液位の上昇により現
像槽２０上部の疲労した現像処理液が排出パイプ
２４からオーバーフローして装置外に排出され
る。

かくして現像槽２０内の現像処理液は常に新鮮
でかつ規定の液位に保たれることゝなる。

一方、この間には前記エアポンプＰによる加圧
によつて前記、補充アキユムレータＡ１の室Ｅ内
の液位も低下して実線から破線の高さを経て一点
鎖線にて示す液位迄低下することによりその分の
液量を供給パイプ２２を経て前記タンク受け皿２
１に逆流しその液位を実線から一点鎖線にて示す
液位迄上昇させている。

前記現像槽２０に対する補充を終えて前記エア
ポンプＰの作動が停止すると、前記補充アキユム
レータユニツトＡ内の気圧は直ちに常圧に戻り、
その結果前記タンク受け皿２１から現像処理液が
前記補充アキユムレータＡの室Ｅに供給され共に
破線にて示する液位にて平衡するが、この場合タ
ンク受け皿２１内の液位は前記補充タンク２０ａ
の開口部より当然低くなるので前述した鳥の水飲
み作用により補充タンク２０ａから現像処理液が
吐出し、アキユムレータＡ１内で室Ｅから隔壁Ｃ
を超えて流入し、再びその液位はタンク受け皿２
１、補充アキユムレータＡ１共に当初の実線にて
示す高さに復帰する。すなわちエアポンプＰの作
動によつて現像処理槽２０に供給された液量に相
当する量の処理液が補充タンク２０ａから補充ア
キユムレータＡ１に補充される。

同時に前記補充アキユムレータＡ２，Ａ３にも
前述した補充アキユムレータＡ１におけると同様
の作用が働き、それぞれ定着槽や水洗、漂白槽に
対してもそれぞれの処理液の補充が同時に行われ
るようになつているが、各処理槽によつて一回に
補充する量を増減する必要のある場合には、補充
アキユムレータＡ２，Ａ３のそれぞれの室Ｄの大
きさを異なるようにしたり、第２図ａに示す如く
液面下において所定の液量を排除出来るような体
積をもつたフロートＦを室Ｄ内に内蔵させること
によつて行なうことができる。また第２図ｂに示
す如く前記ポンプＰの作動時間中に補充される処
理液の流量を調節するべく補充パイプ２３に電磁
弁Ｖを設けることによつて補充量時間を調節し補
充量を調節することが出来る。

なおそれぞれの処理槽に対する補充液量が著し
く異なるときは、補充パイプ２３に流量を調節す
る調節弁Ｖを設け、単位時間当りの補充量を変え
て、それぞれの処理液の補給がほぼ同時に終了す
るようにすることが有効である。

以上の説明にて明らかな如く本発明の自動現像
装置においては、補充タンクと処理槽に対し本発
明の補充アキユムレータユニツトを組合せること
により一個のエアポンプによつて複数個の処理槽
に対しそれぞれ適量の処理液を正確に補充出来る
ようにしたもので従来の如く高価な液体ポンプを
多数備える必要がなくなつた。

なお本実施例では、補充アキユムレータ内の気
圧を上昇させる手段としてエアポンプを用いた
が、本発明は之に限定されるものではなく、同様
の作動を行なうものであれば、何でもよい。

〔発明の効果〕

本発明は、一個のポンプによつて複数種の処理
液をそれぞれの処理槽に対して同時にかつ適量に
調節したうえ精度のよい補充することを可能とし
た自動現像装置を提供することゝなり、装置は簡
単となり、かつ価格と容積を低減する効果が生じ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動現像装置の断面図。第２
図は前記装置の要部図。第３図は一般的な自動現
像装置の構成図。 ２０……現像処理槽、２０ａ……補充タンク、
２１……タンク受け皿、２２，３２，４２……供
給パイプ、２３，３３，４３……補充パイプ、２
４……排出パイプ、Ａ……補充アキユムレータユ
ニツト、Ａ１，Ａ２，Ａ３……補充アキユムレー
タ、Ｂ，Ｃ……隔壁、Ｄ，Ｅ……（処理液）室、
Ｐ……ポンプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 像様に露光した感光材料を複数の処理槽に順
   次通して現像処理する自動現像装置において、 前記複数の処理槽は装置内の低所に位置し、 一方、複数の処理液を満たした補充タンクは装
   置の上部に位置し、 各補充タンクは開口部を下向としてタンク受け
   皿に載置された鳥の水飲み方式のタンクで、該タ
   ンク受け皿は平常時の液面を形成し、 前記タンク受け皿に平行した同じ高さ位置には
   補充アキユムレータユニツトが設けられ、 該補充アキユムレータユニツトは気密につくら
   れた容器で、内部は天部を除き平常時の液位より
   高い隔壁によつて複数のアキユムレータに区分け
   され、 各アキユムレータは平常時の液位より低い隔壁
   によつて２つの室に区分され、一方の室はパイプ
   によつて前記タンク受け皿と連通し、他方の室は
   下端が前記処理槽に開口し、かつ平常時の液位よ
   り高い位置に逆Ｕ字状部を有した補充パイプと連
   通しており、 前記アキユムレータユニツトにはユニツト内の
   加圧を可能とする１つのエアポンプが設けられて
   いて、 該エアポンプの作動によつて補充タンク内の各
   処理液が適量各処理槽に補充されるように構成し
   たことを特徴とする自動現像装置。