JPH0576844A - 籾摺選別機の繰出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） ［目的］この発明は、摺落米ホッパ９からの摺落米（籾
・玄米・籾殻の混じっている）の繰出の円滑化、及び、
繰出バルブ１５の駆動と摺落米調節弁１６の開閉操作の
簡略化を図る。 ［構成］籾摺された籾・玄米・籾殻からなる摺落米を摺
落米ホッパ９から下方の摺落米風選部Ｂに供給するにあ
たり、摺落米ホッパ９の流出部に繰出バルブ１５及び摺
落米調節弁１６を設け、摺落米ホッパ９の摺落米調節弁
１６の開閉と繰出バルブ１５の駆動とを関連させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、籾摺選別機の繰出装
置、更に詳しくは、籾摺選別機における籾・玄米・籾殻
からなる摺落米の繰出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】籾摺をする籾摺部，籾摺部からの摺落米
を風選する摺落米風選部，籾・玄米の混合米を選別する
混合米選別部及び揚穀搬送部から構成されている籾摺選
別機がある。このような籾摺選別機において、籾摺部で
籾摺された籾・玄米・籾殻からなる摺落米を搬送装置で
上方の摺落米ホッパまで搬送し、摺落米ホッパから下方
の摺落米風選部に摺落米を供給して籾殻を風選除去し、
籾・玄米を選別するタイプのものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように構成されて
いる籾摺選別機にあつては、摺落米の中には比重の軽い
籾殻や藁屑等も混じっていて、これらが摺落米ホッパの
下部に停滞して円滑に繰り出されないことがある。そこ
で、この発明は、摺落米ホッパからの摺落米繰出の円滑
化を図ると共に、繰出バルブの駆動と供給調節弁との操
作の簡略化を図ろうとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手
段を講じた。即ち、この発明は、籾摺部Ａで籾摺された
籾・玄米・籾殻からなる摺落米を摺落米ホッパ９から下
方の摺落米風選部Ｂに供給するにあたり、摺落米ホッパ
９の繰出バルブ１５及び摺落米調節弁１６を設けると共
に、摺落米調節弁１６の開閉と繰出バルブ１５の駆動と
を関連的に構成したことを特徴とする籾摺選別機の繰出
装置の構成としたものである。

【０００５】

【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。まず、実施例の構成について説明する。この
籾摺選別機は、籾摺をする籾摺部Ａ，籾摺部Ａからの摺
落米を風選する摺落米風選部Ｂ，摺落米風選部Ｂでの風
選後の混合米を選別する混合米選別部Ｃ，穀粒を揚穀搬
送する揚穀搬送部Ｄにより構成されていて、籾摺部Ａを
機体の前下部に配置し、籾摺部Ａの一側部に揚穀搬送部
Ｄの混合米揚穀機１を配置し、後下部には混合米選別部
Ｃを、また、後上部には摺落米風選部Ｂを夫れ夫れ配置
し、機体の最後部には揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機２を配
置する構成である。

【０００６】籾摺部Ａは、籾ホッパ３，籾摺ロール４，
４，拡散板（図示省略）の内装されている籾摺室５，摺
落米流下板６等で構成されていて、この摺落米流下板６
から流下した籾・玄米・籾殻の混合した摺落米は、摺落
米ラセン７で横一側方に搬送されて、揚穀搬送部Ｄのバ
ケット型混合米揚穀機１の下部に流入する構成である。

【０００７】次に、摺落米風選部Ｂについて説明する。
摺落米風選部Ｂを構成する摺落米風選箱体８の前側上部
には、摺落米ホッパ９を配置して、この摺落米ホッパ９
はバネ１０で上下自在に支持されていて、揚穀搬送部Ｄ
の混合米揚穀機１からの摺落米が供給される構成であ
る。この摺落米風選箱体８には、摺落米ホッパ９の下方
を選別始端側とし、後部上方に向けて斜設されている摺
落米風選路１１を配置し、摺落米風選路１１の下方に
は、粃米を受ける粃米受樋１２，選別された摺落米を受
ける摺落米受樋１３が構成されている。この摺落米ホッ
パ９の流下口は、摺落米風選路１１の幅と略々同幅に構
成に構成されていて、下方の摺落米風選路１１の全幅に
摺落米が落下供給される構成である。摺落米摺落米ホッ
パ９の流下口には、繰出モータ１４で回転される繰出バ
ルブ１５及び摺落米調節弁１６が設けられていて、摺落
米摺落米ホッパ９の下部には、図４に示すようにリミッ
トスイッチ１７が設けられていて、摺落米調節弁１６と
一体的に回動する作動部１８が、摺落米調節弁１６が全
閉鎖時にリミットスイッチ１７に接触して切とし、摺落
米調節弁１６が開方向に回動すると離れて入となり、繰
出バルブ１５が回転する構成である。なお、この実施例
では、繰出バルブ１５を複数の板体で構成しているが、
櫛歯状のものとして、藁屑等の長いものが繰出容易な構
成としてもよく、また、摺落米摺落米ホッパ９の流出口
全幅に繰出バルブ１５を配置し摺落米調節弁１６を省略
して、繰出バルブ１５の回転で摺落米を繰出し、繰出バ
ルブ１５の停止で摺落米の供給を停止する構成としても
よい。

【０００８】摺落米風選箱体８の吸気口１９から流入し
た選別風及び圧風フアン２０からの選別風は、摺落米風
選路１１，吸引フアン２１を経て排塵筒２２から機外へ
排出される。粃米受樋１２に選別された粃米は、粃米ラ
セン２３で機体の一側に搬送されて機外へ取り出された
り、または、籾摺部Ａに還元されて再度籾摺され、ま
た、摺落米受樋１３に受けられた摺落米は、摺落米流路
２４を経て混合米選別部Ｃへ送られる。摺落米風選箱体
８に設けられている摺落米ホッパ９は、バネ１０により
上下動自在に支持されていて、この摺落米ホッパ９はロ
ッドやアーム等の連動部材（図示省略）を介して籾摺部
Ａの籾供給調節弁（図示省略）と連動連結されていて、
摺落米ホッパ９の穀粒量により籾供給調節弁（図示省
略）が関連的に調節される構成である。

【０００９】次に、揺動選別装置２５で構成されている
混合米選別部Ｃについて説明する。多段の揺動選別板２
６，２６，…は、穀粒の流動方向である縦方向及び縦方
向に直交する選別方向である横方向の２面とも傾斜した
構成として、横方向を機体の前後方向（図１の左右方
向）に沿わせた状態で、摺落米風選部Ｂの下方に配置さ
れていて、揺動アーム（図示省略）で横方向に斜上下の
往復動をする構成である。摺落米風選部Ｂの摺落米受樋
１３，摺落米流路２４を経て混合米が分配ケース２７に
供給され、分配ケース２７から揺動選別板２６，２６，
…の縦方向の高い供給側の供給口から混合米が供給され
る。揺動選別板２６，２６，…の排出側には、玄米仕切
板２８及び籾仕切板２９が設けられていて、揺動選別板
２６，２６，…の横方向揺上側の玄米分布流域，横方向
中間部の混合米分布流域及び横方向揺下側の籾分布流域
に分布する穀粒が、夫れ夫れ玄米，混合米及び籾米に仕
切られる。玄米仕切板２８で仕切られた玄米は、玄米受
樋３０で後方へ搬送され、次いで、揚穀搬送部Ｄの玄米
揚穀機２で揚穀されて機体後部から機外に取り出され、
また、玄米仕切板２８と籾仕切板２９とで仕切られた混
合米は、混合米受樋３１，混合米流路３２を流下して揚
穀搬送部Ｄの混合米揚穀機１で揚穀されて、摺落米ホッ
パ９，摺落米風選路１１，摺落米受樋１３，摺落米流路
２４、分配ケース２７を経て、摺落米風選路１１で再度
風選されて揺動選別板２６，２６，…に供給されて再選
別され、また、籾仕切板２９で仕切られた籾は、籾受樋
３３から揚穀搬送部Ｄの籾揚穀機３４で揚穀されて籾摺
部Ａに還元され、再度の籾摺がされる構成である。な
お、この実施例では、揺動選別装置型の混合米選別部で
あるが、万石型あるいは回転式選別機構型の混合米選別
部としてもよい。

【００１０】次に、図５及び図６について説明する。上
下動する摺落米ホッパ９の側部に、摺落米ホッパ９の空
状態を検出する繰出停止スイッチ３５及び繰出駆動スイ
ッチ３６を上下に配置し、摺落米ホッパ９の側部に設け
られたスイッチ作動体３７は、摺落米ホッパ９が空状態
（あるいは所定量以下の穀粒）の時に繰出停止スイッチ
３５に当接作動し、また、スイッチ作動体３７は摺落米
ホッパ９に満杯あるいは所定量以上の摺落米が溜った時
に繰出駆動スイッチ３６が作動する構成とし、繰出停止
スイッチ３５が入の時には、繰出バルブ１５駆動用の繰
出モータ１４が停止すると共に、摺落米調節弁１６駆動
用の摺落米調節モ−タ３８を、逆回転して閉鎖して、摺
落米が繰り出されない状態とし、また、繰出駆動スイッ
チ３６が入の時には、繰出モータ１４をＯＮにして繰出
バルブ１５を回転駆動すると共に、摺落米調節モータ３
８を所定時間開側に回転して、摺落米が繰り出される状
態とする構成である。なお、摺落米調節弁１６の開閉作
動をソレノイドでする構成としてもよく、また、摺落米
ホッパ９内に設けた上限センサ及び下限センサで穀粒量
を検出して、繰出バルブ１５及び摺落米調節弁１６を上
述のように駆動・停止する構成としてもよい。

【００１１】次に、図７に基づいて摺落米ホッパ９の他
の実施例について説明する。摺落米ホッパ９をバネ１０
で上下動自在に支持するにあたり、上部のホッパ部９ａ
のみを上下動し、下部の流出路９ｂを機枠に固定して、
流出路９ｂ部分に、繰出バルブ１５及び摺落米調節弁１
６を設ける構成としている。このように、摺落米ホッパ
９の機体への固定部分に、繰出バルブ１５及び摺落米調
節弁１６を設けているので、駆動関係及び操作装置の構
成を容易化し、安定した繰出バルブ１５の回転とするこ
とができる。

【００１２】次に、図８及び図９に基づいて摺落米ホッ
パ９の他の実施例について説明する。混合米揚穀機１の
上部に摺落米ホッパ９を連結し、摺落米ホッパ９の流出
部に繰出バルブ１５及び摺落米調節弁１６を設けて、混
合米揚穀機１の上部プ−リと一体的に回転するプ−リ３
９と繰出バルブ１５側のプ−リ４０とに伝動ベルト４１
を巻き掛け、摺落米調節弁１６と一体的に回動するテン
ションアーム４２側のテンションプーリ４３で伝動ベル
ト４１を緊張・弛緩して、摺落米調節弁１６の開口と関
連して、繰出バルブ１５が回転する構成である。また、
上部プ−リ側のプ−リ３９を幅方向に拡張あるいは縮小
する無願変速プ−リにして、摺落米調節弁１６の開度と
繰出バルブ１５の回転とを関連構成して、摺落米調節弁
１６の開度の大小に応じて繰出バルブ１５の回転数が増
減調節される構成としてもよい。また、摺落米調節弁１
６の開度と繰出バルブ１５の回転とを関連構成するにあ
たり、摺落米調節弁１６の開度の大小に応じて、繰出バ
ルブ１５を駆動する繰出モ−タ１４の回転数が増減する
構成とし、摺落米調節弁１６の開閉操作量に関連して、
繰出モ−タ１４の回転数が増減調節される構成としても
よい。

【００１３】次に、図１０及び図１１基づいて、玄米揚
穀機２の上部プ−リ４４の支持構成について説明する。
玄米揚穀ケース４５の上部に取り付けられている支持体
４６には、軸受４７で上部軸４８を軸支し、この上部軸
４８の一端には上部プ−リ４４を取り付け、他端に駆動
プ−リ４９を取り付けている。従って、支持体４６を玄
米揚穀ケース４５から上部軸４８に沿って取り外すこと
により、上部プ−リ４４も一挙に取り外すことができ
て、バケット５０の取り付けられている揚穀ベルト５１
をエンドレスのものにできて組立てが容易となり、ま
た、点検整備も容易となる。

【００１４】次に、図１２及び図１３について説明す
る。分配ケ−ス２７には、幅方向の摺落米を均一にする
整粒板５２を設けると共に、整粒板５２の下手側に摺落
米の量を検出できる穀粒センサ５３を設けて、この穀粒
センサ５３の検出結果をＣＰＵ内臓の演算制御部（図示
省略）に送り、穀粒検出量が標準量の場合には、摺落米
ホッパ９の摺落米調節弁１６の開度を標準開度とし、ま
た、標準量に対して少量あるいは多量の場合には、摺落
米調節弁１６の開度を所定量開方向あるいは閉方向に関
連的に調節し、揺動選別板２６の穀粒層厚を一定に維持
し選別精度を向上させることができるものである。ま
た、穀粒センサ５３として、近接センサ型のもの等種々
のものを採用してもよい。

【００１５】次に、図１乃至図４に示す実施例の作用に
ついて説明する。籾摺選別機で籾摺選別作業をする場合
には、機体の回転各部を駆動し、籾ホッパ３に籾を供給
し、籾摺部Ａの籾供給調節弁（図示省略）を開けると、
籾が籾摺ロール４，４に供給され、互いに反対方向に回
転している籾摺ロール４，４で籾摺され、拡散板（図示
省略）で拡散された摺落米は摺落米流下板６上を流下
し、次いで、籾・玄米・籾殻の混合している摺落米は、
摺落米ラセン７で横側方に搬送されて、揚穀搬送部Ｄの
混合米揚穀機１の下部に流入し、揚穀されて摺落米ホッ
パ９に供給される。

【００１６】次いで、摺落米ホッパ９の繰出バルブ１５
で繰り出されて、下方の摺落米風選路１１の幅全体に落
下し、摺落米風選路１１を流れている選別風により選別
され、軽い籾殻は摺落米風選路１１の終端側に流れ、吸
引フアン２１及び排塵筒２２を経て機外に排出され、ま
た、比較的軽い粃米は粃米受樋１２に落下選別され、ま
た、重い籾・玄米の摺落米は摺落米受樋１３に流下し、
次いで摺落米流路２４，分配ケース２７を経由して、揺
動選別板２６，２６，…に供給される。

【００１７】このようにして、揺動選別板２６，２６，
…に供給された混合米は、揺動アーム（図示省略）の横
方向斜上下の往復揺動により、粒形の大小，比重の大小
あるいは摩擦抵抗の差異等により選別されて、横方向の
揺上側である玄米分布流域に偏流分布した玄米は、玄米
仕切板２８で仕切られて取り出され、玄米受樋３０を経
て玄米揚穀機２の下部に流入し、玄米揚穀機２で揚穀さ
れて機外に取り出され、また、揺動選別板２６の横方向
中間部である混合米分布流域に偏流分布した混合米は、
玄米仕切板２８と籾仕切板３０とで仕切られて取り出さ
れ、混合米は混合米受樋３１、混合米流路３２を経て混
合米揚穀機１の下部に流入して揚穀され、摺落米ホッパ
９，摺落米風選路１１，摺落米受樋１３，摺落米流路２
４，分配ケース２７を経て、摺落米風選路１１で再度風
選された後に、揺動選別板２６，２６，…に供給されて
再選別され、また、揺動選別板２６の横方向揺下側の籾
米分布流域に偏流分布した籾米は、籾仕切板２９で仕切
られて取り出され、籾揚穀機３４で籾摺部Ａに揚穀還元
されて再度籾摺される。

【００１８】

【発明の効果】この発明は、籾摺部Ａで籾摺された籾・
玄米・籾殻からなる摺落米を摺落米ホッパ９から下方の
摺落米風選部Ｂに供給するにあたり、摺落米ホッパ９の
流出口部に繰出バルブ１５及び摺落米調節弁１６を設け
ると共に、摺落米ホッパ９の摺落米調節弁１６の開閉と
繰出バルブ１５の駆動とを関連させているので、籾・玄
米・籾殻の中に長い藁屑等の長いものが混じっていても
確実に繰り出すことができて、また、この摺落米調節弁
１６の開閉に関連して繰出バルブ１５が駆動されるの
で、操作が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】切断側面図

【図２】要部の切断背面図

【図３】要部の切断背面図

【図４】側面図及び電気回路図

【図５】切断側面図

【図６】タイムチャート

【図７】切断側面図

【図８】切断側面図

【図９】切断側面図

【図１０】切断側面図

【図１１】切断正面図及び切断平面図

【図１２】斜視図

【図１３】フローチャート

【符号の説明】

Ａ 籾摺部 Ｂ 摺落米風選部 Ｃ 混合米選別部 Ｄ 揚穀搬送部 １ 混合米揚穀機 ２ 玄米揚穀機 ３ 籾ホッパ ４ 籾摺ロール ５ 籾摺室 ６ 摺落米流下板 ７ 摺落米ラセン ８ 摺落米風選箱 ９ 摺落米ホッパ １０ バネ １１ 摺落米風選路 １２ 粃米受樋 １３ 摺落米受樋 １４ 繰出モータ １５ 繰出バルブ １６ 摺落米調節弁 １７ リミットスイッチ １８ 作動部 １９ 吸気口 ２０ 圧風フアン ２１ 吸引フアン ２２ 排塵筒 ２３ 粃米ラセン ２４ 摺落米流路 ２５ 揺動選別装置 ２６ 揺動選別板 ２７ 分配ケース ２８ 玄米仕切板 ２９ 籾仕切板 ３０ 玄米受樋 ３１ 混合米受樋 ３２ 混合米流路 ３３ 籾受樋 ３４ 籾揚穀機 ３５ 繰出停止スイッチ ３６ 繰出駆動スイッチ ３７ スイッチ作動体 ３８ 摺落米調節モータ ３９ プ−リ ４０ プ−リ ４１ 伝動ベルト ４２ テンションアーム ４３ テンションプーリ ４４ 上部プ−リ ４５ 玄米揚穀ケース ４６ 支持体 ４７ 軸受 ４８ 上部軸 ４９ 駆動プ−リ ５０ バケット ５１ 揚穀ベルト ５２ 整粒板 ５３ 穀粒センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 通和 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 小林 繁夫 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 籾摺部Ａで籾摺された籾・玄米・籾殻か
   らなる摺落米を摺落米ホッパ９から下方の摺落米風選部
   Ｂに供給するにあたり、摺落米ホッパ９の繰出バルブ１
   ５及び摺落米調節弁１６を設けると共に、摺落米調節弁
   １６の開閉と繰出バルブ１５の駆動とを関連的に構成し
   たことを特徴とする籾摺選別機の繰出装置。