JPH0576442B2

JPH0576442B2 -

Info

Publication number: JPH0576442B2
Application number: JP59206637A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Kaneda; Shinya Okabe; Noriko Hirata
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Orbis Holdings Inc
Priority date: 1984-10-02
Filing date: 1984-10-02
Publication date: 1993-10-22
Also published as: JPS6185309A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、塗布時の粉飛びがなく、肌への密着
性が優秀であり、使用感（ぼかしやすさ、延展
性）が良好で、更に成型性が良く、耐衝撃性に優
れた新規なプレス状固型粉末化粧料に関するもの
であり、特にフアンデーシヨン、チークカラー等
のプレス状メークアツプ化粧料として好適なもの
を提供せんとするものである。従来プレス状固型粉末化粧料は、各種化粧料用
粉体とオイル、油脂、ワツクス等の油性成分を中
心として構成されており、化粧品として好適な使
用性、使用感を得るために種々の形状、、性質を
持つ化粧料用粉体や油脂類の配合検討がなされて
きた。例えば、延展性を良くするために球状粉体
を用いその形状からくる塗布時の肌に対する摩擦
力が小さい働きを利用したり、肌への密着性をあ
げるために高粘性オイルを用いたり、また肌への
塗布量調節を行なう目的や使用時の好適な硬さを
保持するように、粉体結着剤として、その粉体結
着力を利用した金属石けん配合等である。しかしながら、化粧品として重要な要素である
ところの塗布時の粉飛び、肌への密着性すなわち
指あるいはパフ、筆等を用いて塗布する時、粉体
が容器内や衣服に取び散り、汚なくなつてしまつ
たり、目に入つて不快感を引き起こさせたり、化
粧仕上りの点で、粉が浮いた様に見え、不自然さ
を感じさせる要素を解消するためにはプレス状固
型粉末化粧料の範ちゆうでは実現不可能で、固型
状油性化粧料、言い換えればオイルゲル状にする
必要があつた。具体的に言えば油性成分を40％以上用いる必要
が有り、さらにこの場合使用性上あるいは成型性
の点、また耐流通強度（製品の流通時及び使用期
間中の破損を防止し得る充分な強度）保持のため
常温で固型状の油性成分を使用しなければならな
く、製法上加温設備、冷却設備が必要となり生産
面で非効率な面があるに留まらず、フアンデーシ
ヨン、アイカラー、チークカラー等の固型状化粧
料として致命的欠陥とも言えるぼかしにくい、ベ
タツキ感が出る等の使用感上の欠点を生じる。そ
のため使用部位が限定されたり、不満足なまま使
用されるのが常であつた。そこで、本発明者は、前記プレス状固型粉末化
粧料の抱える問題点を解決せんと鋭意研究を重ね
た結果、ある一定の平均粒子径範囲を有する球状
ナイロンパウダーと化粧料用粉体・顔料や液状油
分とを特定の配合割合及び配合比率で組合せた時
に、斯る従来の問題を全て解決した優れたプレス
状固型粉末化粧料が得られることを見出し、本発
明の完成に至つた。すなわち、本発明は平均粒子径５〜10μの球状
ナイロンパウダー５〜20重量％、化粧料用粉体及
び／または顔料45〜85重量％、更に液状油分10〜
35重量％よりなり、且つ球状ナイロンパウダーと
液状油分との配合比率が0.6≦（球状ナイロンパウ
ダー／液状油分）≦１であることを特徴とするプ
レス状固型粉末化粧料に関するものである。以下、本発明の構成を詳細に説明する。先ず、本発明に適用される球状ナイロンパウダ
ーとは、組成的はナイロン−６，ナイロン−12等
通常入手し得る素材であり、そのうち平均粒子径
が５〜10μのものが選択される。ここで、平均粒
子径が5μより小さいものの時は、その微粉末が
化粧料用粉体間の空隙中に微密に配置され、粉体
結合性は極めて高まり、粉飛びがなくなり、肌へ
の密着性は良くなるものの、反面ぼかしにくい、
伸びが悪いという欠点が顕在化する。逆に10μよ
り大きくなると、ざらつき感が現われ、粉飛びも
目立つてくる。また、球状ナイロンパウダーの配合量は、化粧
量全体に対して５〜20重量％の範囲である。５重
量％より少ない配合量では、目的とする諸効果が
出ず、20重量％を越えると、化粧料の皮膚への塗
布時の色味が乗らない、または白つぽさが目立つ
という欠点を生じてくる。本発明で液状油分とは、処方中の全油性成分の
混合状態下において常温で液状もしくは流動性を
呈する油性成分の混合物ということとする。即
ち、最終的な油性成分の混合物が液状もしくは流
動性を保つならば処方中に半固体又は固体脂が配
合されていても構わない。本発明に適用される液状油分としては例えばス
クワラン、流動パラフイン、オレイルアルコー
ル、ラノリンアルコール、液状ラノリン、ヒマシ
油、ヘキサデシルアルコール、ミリスチン酸オク
チルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、オレ
イン酸オクチルドデシル、２−エチルヘキサン酸
セチル、２−エチルヘキサン酸トリグリセライ
ド、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン酸イソ
プロピル、シリコーン油などの液体脂、、あるい
は前記液体脂と半固体又は固体脂、例えばラノリ
ン、ミツロウ、固型パラフイン、マイクロクリス
タリンワツクス、鯨ロウ、セレシン、カルナバワ
ツクス、キヤンデリラワツクス、オゾケライト等
との混合液状油分が挙げられる。但し、液体脂と半固体又は固体脂との混合液状
油分を用いる場合には、特に固体脂については、
多量に配合した時に使用感等に対し悪影響を与え
る場合があるのでなるべく使用量を控えることが
好ましい。そして、液状油分の配合量としては、化粧料全
体に対して10〜35重量％好ましくは15〜30重量％
の範囲が選択される。10重量％より少ない量の時
は、粉体成分による吸油性のため見かけ上の油分
量が少なくなり、肌への密着性の改善が余り期待
できず、反対に35重量％を越えると、ベタツキ感
を生じたり、製造時、粉体成分が油分でコーテイ
ング混合される際に凝集を引き起し、良質な化粧
料が得られなくなる。尚、付言するなら、水溶性基剤例えばグリセリ
ン、プロピレングリコール、１，３−ブチレング
リコール等や香料についても液状油分と合わせて
35重量％以下の範囲内でならば使用可能である。更に、化粧料中に配合される球状ナイロンパウ
ダーと液状油分との重量比率は、0.6≦（球状ナイ
ロンパウダー／液状油分）≦１であることが必要
である。球状ナイロンパウダーの配合量が液状油
分の配合量より多くなると、球状ナイロンパウダ
ーの吸油性が高いため、得られた化粧料の肌への
密着性が不足し、また粉飛びも大きくなる。逆に液状油分に対する球状ナイロンパウダーの
配合比率の0.6未満では、球状ナイロンパウダー
による吸油効果が、十分に発揮されず、ベタツキ
感やぼかしにくさが感じられる。次に、本発明に適用される化粧料用粉体または
顔料としては、一般に化粧料として使用される粉
体・顔料は全て使用可能であり、例えばタルク、
セリサイト、カオリン、ケイ酸マグネシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸等
の体質顔料、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔
料、ベンガラ、酸化鉄、酸化クロム、群青等の無
機顔料、タール色素等の有機顔料、雲母チタン、
その他ポリエチレン粉末等が例示され、球状ナイ
ロンパウダー、液状油分の配合量に応じて45〜85
重量％の範囲で添加される。以上の如く、本発明では前述の各種原料を目的
に応じて選択し種々のプレス状固型粉末化粧料を
製造することが可能である。例えば、固型状粉末
アイカラー、固型状粉末チークカラー、固型状粉
末フアンデーシヨンの場合には、球状ナイロンパ
ウダーと化粧料用粉体及び／または顔料を混合、
粉砕後、液状油分で粉体または顔料の表面をコー
テイングし、中皿もしくは容器へ充填プレスして
固型状の製品を得る。ここで、本発明の特徴について述べるならば、
一定の平均粒子径範囲を有する球状ナイロンパウ
ダーと液状油分とを特定配合範囲下で併用するこ
とにより、球状ナイロンパウダーの持つ吸油特性
と液状油分との結合に由来する粉体結着効果が増
強され、その結果として、場合によつては相反す
る因子となる皮膚への密着性と使用感（ぼかしや
すさ、延展性）とを両立させ得ること、更に少量
の油分の使用によるオイルゲル状ではない剤型に
も拘わらず、成型性、耐流通強度を向上させ、且
つ使用時にも粉飛びを生じないプレス状固型粉末
化粧料を得たことである。以下、本発明を実施例及び比較例によつて詳細
に説明する。当然のことながら、本発明はこれに
より限定されるものではない。実施例１〜２、比較例１〜７、ケーキアイカラ
ー球状ナイロンパウダー、化粧料用粉体及び／ま
たは顔料、更に液状油分を表−１に示す配合組成
及び量で配合し、ケーキアイカラーを調整した。
次に得られたケーキアイカラーについて、以下に
示した方法に従つて評価を行ない、その結果を表
−１に示した。尚、表−１中の各成分の数字は重
量部である。（評価方法） Γ 塗布時の粉飛び；塗布する時に肌以外へ飛ん
でしまう粉の量を評価。 ○：ほとんどない △：少しある ×：割合ある Γ 肌への密着性；塗布した時の肌へ付着した粉
の状態を評価。 ○：均一に粉がついており手でふれてもほとん
ど粉が落ちない状態。 △：やや不均一に粉がついており、手でふれる
と一部、落ちてしまう状態。 ×：不均一に粉がついており、手でふれると、
落ちてしまう状態。 Γ 延展性；肌に塗布する時の抵抗感を評価。 ○：抵抗感がなく、塗布出きる。 △：やや抵抗感がある。 ×：割合抵抗感がある。 Γ ぼかしやすさ；一担肌に塗布した後、さらに
薄く、広く塗布できるかを評価。 ○：均一に薄く、広い面積に拡げられる。 △：やや不均一になつたり、あまり広い面積に
塗布できない。 ×：不均一にしか塗布出きないか、または広い
面積に塗布できない。 Γ ベタツキ感；塗布部位に手の掌を軽くあて、
べとべとする感じを評価。 ○：べとべとする感じはない。 △：ややべとべとする。 ×：べとべとする。 Γ 成型性；金属中皿にて圧縮成型を行ない、エ
アー混入、油分のしみ出し、粉のしまり具
合を評価。 ○：エアー混入、油分のしみ出しもなく、粉も
充分しまつている。 △：少量のエアー混入、油分のしみ出しがあつ
たり、粉のしまり具合がやや悪い。 ×：割合の量のエアー混入や油分のしみ出しが
あつたり、粉のしまり具合が悪い。 Γ 耐衝撃性；成型物を容器に入れ、各10個を60
cmの高さからコンクリート床に落下させ
て、ワレ、ヒビ、カケの状態を評価。 ○：10個ともワレ、ヒビ、カケが認められな
い。 △：10個中、５個以下にワレ、ヒビ、カケが認
められる。 ×：10個中、６個以上にワレ、ヒビ、カケが認
められる。表−１から明らかな様に、一定の粒子径範囲を
有する球状ナイロンパウダーと化粧料用粉体及
び／または顔料と液状油分とを一定の割合及び比
率下に配合して得られた本発明に係るケーキアイ
カラー（実施例１及び２）は、その使用性、感触
面及び製品強度面のいずれの評価においても非常
に良好な結果が得られた。これに対して、球状ナ
イロンパウダーの替りに従来の無機粉体や金属石
ケンを用いたケーキアイカラー（比較例１と２）
は、使用性（延展性、ぼかしやすさ）に劣り、ま
た球状ナイロンパウダーを類似の樹脂粉体（ポリ
エチレン、アクリル）に置き換えた場合（比較例
３と４）でも、使用性（粉飛び、密着性）や強度
面（成型性、耐衝撃性）で満足な結果は得られな
かつた。更に、球状ナイロンパウダーを用いた時
でも、その配合範囲及び比率又は平均粒子径範囲
を逸脱（比較例５〜９）すると、使用性、感触
面、及び強度面で悪化の一途をたどり、目的とす
る良質なプレス状固型粉末化粧料は得られないこ
とが示された。

【表】

【表】実施例３チークカラー (A) 雲母チタン 18.0 球状ナイロンパウダー（10μ） 15.0 セリサイト 46.45 ベンガラ 3.0 黄酸化鉄 2.0 酸化防止剤 0.05 (B) 香料 0.5 スクワラン 8.0 ミリスチン酸イソプロピル 7.0 （方法） (A)をヘンシエルミキサーで混合し、取り出し
後、粉砕機で粉砕し、これをヘンシエルミキサー
に投入し、これに(B)を混合し、再びこれを粉砕く
し、金型でプレス成型した。実施例４ケーキフアンデーシヨン (A) タルク 16.95 セリサイト 20.0 カオリン 5.0 球状ナイロンパウダー（5μ） 20.0 酸化チタン 5.0 ベンガラ 1.0 黄酸化鉄 1.0 黒酸化鉄 0.5 雲母チタン 10.0 酸化防止剤 0.05 (B) スクワラン 0.5 香料 0.5 （方法）実施例３と同様にして行なつた。

Claims

【特許請求の範囲】

１平均粒子径５〜10μの球状ナイロンパウダー
５〜20重量％、化粧料用粉体及び／または顔料45
〜85重量％、更に液状油分20〜35重量％よりな
り、且つ液状油分との配合比率が0.6≦（球状ナイ
ロンパウダー／液状油分）≦１であることを特徴
とするプレス状固型粉末化粧料。