JPH0576385A - キメラ抗体およびその用途 - Google Patents

キメラ抗体およびその用途

Info

Publication number
JPH0576385A
JPH0576385A JP3294464A JP29446491A JPH0576385A JP H0576385 A JPH0576385 A JP H0576385A JP 3294464 A JP3294464 A JP 3294464A JP 29446491 A JP29446491 A JP 29446491A JP H0576385 A JPH0576385 A JP H0576385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
human
ser
dna
chimeric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3294464A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Iwasa
進 岩佐
Hiroko Tada
宏子 多田
Takeshi Watanabe
武 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP3294464A priority Critical patent/JPH0576385A/ja
Priority to EP19910121591 priority patent/EP0491351A3/en
Priority to CA002057951A priority patent/CA2057951A1/en
Publication of JPH0576385A publication Critical patent/JPH0576385A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/46Hybrid immunoglobulins
    • C07K16/468Immunoglobulins having two or more different antigen binding sites, e.g. multifunctional antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】抗体のヒト・キメラ化により、免疫原性の小さ
い抗ヒトフィブリン、抗ウロキナーゼ類および抗ヒトフ
ィブリン/抗ウロキナーゼ類二重特異性キメラ・モノク
ローナル抗体を提供する。また該二重特異性キメラ抗体
にウロキナーゼ類を免疫結合させてなる血栓溶解蛋白複
合体を提供する。 【構成】抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域または/お
よび抗ウロキナーゼ類抗体軽鎖可変領域とヒト抗体軽鎖
定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗体、また
は/および、抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域または
/および抗ウロキナーゼ類抗体重鎖可変領域とヒト抗体
重鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗体。
該抗体の軽鎖または/および重鎖の可変または/および
定常領域をコードするDNAを含有するDNA。該抗体
を発現させうる真核細胞。該二重特異性抗体のウロキナ
ーゼ類認識部位にウロキナーゼ類を免疫結合させてなる
血栓溶解蛋白複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトフィブリン,ウロ
キナーゼ類およびヒトフィブリン/ウロキナーゼ類に特
異的なキメラ・モノクローナル抗体、該抗体をコードす
るデオキシリボ核酸、該抗体を産生する真核細胞および
該抗体を含有する血栓溶解蛋白複合体に関する。本明細
書においてアミノ酸およびペプチドはIUPAC−IU
B生化学命名委員会(CBN)で採用された略記法によ
り表示され、例えば下記の略号が使用される。なお、ア
ミノ酸などに関し光学異性体があり得る場合は、特に明
示しなければL体を示すものとする。 Gln:グルタミン残基 Asp:アスパラギン酸残基 Pro:プロリン残基 Tyr :チロシン残基 Val:バリン残基 Lys:リジン残基 Glu:グルタミン酸残基 Ala:アラニン残基 Asn:アスパラギン残基 Leu:ロイシン残基 Phe:フェニルアラニン残基 Gly:グリシン残基 His:ヒスチジン残基 Ser:セリン残基 Thr:スレオニン残基 Ile:イソロイシン残基 Trp:トリプトファン残基 Arg:アルギニン残基 Met:メチオニン残基 特にことわらない限り、配列の左から右への方向はアミ
ノ末端からカルボキシ末端への方向を示し、配列の両末
端の−は、結合手を示すものとする。本明細書において
デオキシリボ核酸(以下、DNAと略記することがあ
る)のポリマー、又はオリゴマーは下記の如き略号の配
列により表記し、 A:2’−デオキシアデニル酸残基 C:2’−デオキシシチジル酸残基 G:2’−デオキシグアニル酸残基 T:チミジル酸残基 特にことわらない限り、配列の左から右への方向は5’
から3’への方向を示すものとする。
【0002】
【従来の技術】ケーラーとミルスタインにより開発され
たハイブリドーマを用いるモノクローナル抗体(以下、
MoAbと略記することがある)の製造法は、単一の特異
性を示す抗体を大量かつ安定的に得られるという利点を
有しており、その技術は広範囲に応用されている[Koeh
ler, G., Milstein, C. :ネイチャー(Nature),25
,495(1975)]。特に最近では、各種抗原の
検出・精製あるいは診断薬の開発だけでなく、疾病の予
防薬や治療薬の創製においても大きく寄与しつつある。
しかし、予防薬、治療薬としてMoAbを用いる場合、ヒ
トにとって異種蛋白であるMoAb例えば、マウスMoAb
を投与することは、ヒト体内でのマウスMoAbに対する
抗体の産生による治療効果の低減あるいは重篤なアレル
ギー反応を誘起する危険性を伴う。したがって予防薬、
治療薬としては、ヒトMoAbを用いることがはるかに望
ましいが、一般にその作製技術はマウスのそれに比べて
著しく遅れており、実際の成功例も少ない。ヒトMoAb
はヒト−ヒト・ハイブリドーマ,マウス−ヒト・ヘテロハ
イブリドーマあるいはヒトリンパ球のエプスタインー・
バー・ウイルス(以下、EBVと略記することがある)
トランスホーマントなどにより産生されるが、後2者は
抗体産生能の安定性および増殖能に劣るため、前者のヒ
ト−ヒト・ハイブリドーマによる産生が望ましい。しか
し、一般にヒト−ヒト・ハイブリドーマ作成における融
合効率は非常に低く、このため医薬としてのヒトMoAb
の開発は著しく遅れている。
【0003】しかし、前述のようにモノクローナル抗体
の医薬への応用はその期待がきわめて大きく、特に癌に
対するミサイル療法や抗体ターゲティング化血栓溶解療
法への臨床応用については著しい進歩を遂げつつある
[R. K. Oldhamら:ジャーナル・オブ・バイオロジカル
・レスポンス・モディファイアーズ(J. Biol. Respons
eModifiers),,1(1983),E. S. Vittetaら:
サイエンス(Science), 19,644(198
3),E. Haberら:サイエンス(Science),243
51(1989),H. K. Goldら:サーキュレーション
(Circulation),77,670(1988)]。抗体
ターゲティング化血栓溶解療法においては、ストレプト
キナーゼ(以下、SKと略記することがある)、ウロキ
ナーゼ(以下、UKと略記することがある)、テイッシ
ュ・プラスミノーゲン・アクチベータ(以下、TPAと
略記することがある)、プロウロキナーゼ(以下、Pro
UKと略記す ることがある)などの血栓溶解に関わる
酵素やその前駆体などの血栓溶解蛋白を血栓部位、特に
血栓に含まれるフィブリンへ選択的に運搬する抗体を用
いる療法が検討されている[M. S. Rungeら:プロシー
ディングズ・オブ・ナショナル・ アカデミー・オブ・
サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.U
S A),84,7659(1989),C.Bodeら:ジ
ャーナル・オブ・バイオロ ジカル・ケミストリー(J.
Biol. Chem.),264,944(1989)]。また、
血栓溶解剤を保持しつつ、標的血栓部位のフィブリンに
特異的に結合可能な二重特異性抗体も開発された[T. K
urokawaら:バイオテクノロジー(Bio/Technology),
,1163(1989)、ヨーロッパ公開第3637
12号公報]。これらの抗体ターゲティング化血栓溶解
剤では、上記血栓溶解蛋白の副作用を軽減するために、
フイブリノーゲンには反応せず、フィブリンにのみ特異
的に結合する抗体が用いられている。[B. L. Pacella,
Jr.ら:モレキュラー・イムノロジー(Mole. Immuno
l.),20,521(1983),K. Y. Huiら:サイ
エンス(Science),222,1129(198
3)]。しかしこれらの抗フィブリン特異抗体や抗TP
A抗体,抗UK抗体などの抗血栓溶解蛋白抗体はマウス
型のものであり、ヒトに対する投与では、患者において
免疫応答を惹起するため、投与回数を重ねるにつれて抗
体の標的抗原に対するターゲティング効果が徐々に減少
し、循環系からの迅速なクリアランスに帰せられること
がある。
【0004】一方、最近の遺伝子組換え技術の進歩は、
ある動物種から導かれた抗体の可変領域と別の動物種か
ら導かれた抗体の定常領域とが結合しているキメラ抗体
の生産を可能とした[D. R. Shawら:ジャーナル・オブ
・イムノロジー(J. Immunol.),138,4534
(1987),L. K. Sunら:プロシーディングズ・オ
ブ・ ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),
,214(1987),M. S. Neubergerら:ネーチ
ャー(Nature),314,268(1985),S. L.
Morrisonら:プロシーディングズ・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA),81,6851(198
4)など]。二重特異 性抗体についても癌ターゲティ
ングに応用可能なマウス−ヒト・キメラ抗体の報告があ
る[特開平2−145187]。この技術を用いたキメ
ラ抗体としては、マウス抗体の可変領域とヒト抗体の定
常領域とを結合させたマウス−ヒト・キメラ抗体が多く
作製されている。かかるキメラ抗体は、その免疫原性の
多くを担うFc部分がヒト型であるため、ヒトへの投与
に際し有利に用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、予防薬
や治療薬としてMoAbを用いる場合、ヒトにとって異種
蛋白であるMoAb例えば、マウスMoAbを投与すること
は、ヒト体内でのマウスMoAbに対する抗体の産生によ
る治療効果の低減あるいは重篤なアレルギー反応を誘起
する危険性を伴う。したがって、ヒトMoAbを用いるこ
とがはるかに望ましいが、作製技術もマウスのそれに比
べて著しく遅れているため、医薬としてのヒトMoAbの
開発は著しく遅れている。このため、臨床応用可能な免
疫原性の低い抗体の利用が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる技術
的背景のもとに、血栓溶解蛋白のターゲティング化に用
いうる抗ヒトフィブリン特異抗体,抗UK抗体および抗
フィブリン/抗UK二重特異性抗体のキメラ化について
鋭意検討した。その結果、抗ヒトフィブリン特異抗体産
生ハイブリドーマおよび抗UK抗体産生ハイブリドーマ
よりそれぞれDNAあるいはRNAを抽出し、ヒトフィ
ブリンおよびUKとの結合に関与する抗体の可変領域を
コードする塩基配列を決定し、さらにヒト抗体の定常領
域をコードする塩基配列との組合せにより、ヒトフィブ
リンおよびUKと特異的に結合できるキメラ抗体、その
産生細胞、およびキメラ抗体をコードするDNAを作製
した。さらには、これら2種のキメラ抗体をコードする
遺伝子を動物細胞に移入し、二重特異性キメラ抗体産生
細胞を作製した。すなわち本発明は、 (1)式 A: -Thr Ser Ser Gln Ser Leu Leu AspSer Asp Gly L
ys Thr Tyr Leu Asn-,〔配列番号1〕 B: -Leu Val Ser Lys Leu Tyr Ser- 〔配列番号2〕
および C: -Trp Gln Gly Ile His Phe Pro Tyr-〔配列番号
3〕 で示されるポリペプチド鎖A,BおよびCの少なくとも
一つを含む抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域とヒト抗
体軽鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
体、 (2)上記抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域をコード
するDNAを含有するDNAおよび (3)上記(2)のDNAにヒト抗体軽鎖定常領域をコ
ードするDNAをさらに含有するDNAであり、また本
発明は、 (4)式 D: -Asn Tyr Asp Met Ser-〔配列番号4〕, E: -Ser Ile Ser Val Gly Gly Thr ThrTyr Tyr Pro A
sp Ser Met Lys Gly-〔配列番号5〕および F: -Gly Asn Phe Ala Asp Ala Met AspTyr-〔配列番
号6〕 で示されるポリペプチド鎖D,EおよびFの少なくとも
一つを含む抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域とヒト抗
体重鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
体、 (5)上記抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域をコード
するDNAを含有するDNAおよび (6)上記(5)のDNAにヒト抗体重鎖定常領域をコ
ードするDNAをさらに含有するDNAである。
【0007】また本発明は、 (7)式 G : -Ser Ala Ser Ser Ser Val Gly Tyr Met Tyr-
〔配列番号13〕, H : -Leu Thr Ser Asn Leu Ala Ser- 〔配列番号1
4〕および I : -Gln Gln Trp Ser Ser Asp Pro Pro Thr-〔配列
番号15〕 で示されるポリペプチド鎖G,HおよびIの少なくとも
一つを含むUK類認識抗体軽鎖可変領域とヒト抗体軽鎖
定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗体、 (8)上記UK類認識抗体軽鎖可変領域をコードするD
NAを含有するDNA、および (9)上記(8)のDNAにヒト抗体軽鎖定常領域をコ
ードするDNAをさらに含有するDNAであり、また本
発明は、 (10)式 J: -Ser Asp Tyr Ala Trp Asn-〔配列番号16〕, K: -Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn
Pro Ser Leu Lys Ser-〔配列番号17〕および L: -Leu Gly Asp Phe Asp Ala Gly AspTyr Phe Asp T
yr-〔配列番号18〕 で示されるポリペプチド鎖J,KおよびLの少なくとも
一つを含むUK類認識抗体重鎖可変領域とヒト抗体重鎖
定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗体、 (11)上記UK類認識抗体重鎖可変領域をコードする
DNAを含有するDNA,および (12)上記(11)のDNAにヒト抗体重鎖定常領域
をコードするDNAをさらに含有するDNAである。ま
た本発明は、 (13)ヒトフィブリンおよびUK類をそれぞれ特異的
に認識する2種の軽鎖および重鎖可変領域を含有し、さ
らに全ての軽鎖および重鎖定常領域がヒト抗体定常領域
を含有している二重特異性キメラモノクローナル抗体で
ある。 (14)さらに本発明は、ヒトフィブリンに結合するキ
メラ抗体フラグメントとウロキナーゼ類に結合するキメ
ラ抗体フラグメントを含有し、後者のキメラ抗体フラグ
メントにウロキナーゼ類を免疫結合させてなる血栓溶解
蛋白複合体である。 また本発明は、上記(1)、(4)、(7)、(10)
または(13)のキメラモノクローナル抗体を発現させ
うる真核細胞に関する。さらにまた本発明は、マウス−
ヒト・キメラ抗ヒトフィブリン特異抗体産生マウス骨髄
腫細胞トランスホーマントFIB1−HO1/X63、
マウス−ヒト・キメラ抗ヒトUK抗体産生マウスハイブ
リドーマトランスホーマントSU/S−9.21および
マウス−ヒト・キメラ抗ヒトフィブリン/抗UK類二重
特異性抗体産生マウスハイブリドーマトランスホーマン
トSUSF/S−8.4に関する。
【0008】本発明のキメラモノクローナル抗体におけ
る抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域としては、上記式
A,BおよびCで示されるポリペプチド鎖A,Bおよび
Cの少なくとも一つを含むものであればいずれでもよ
く、ヒトフィブリンに対する高い親和性および特異性を
示す抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域が好ましいが、
なかでもポリペプチド鎖A,BおよびCの二種以上、と
りわけポリペプチド鎖A,BおよびCの三種を、CDR
(complementaritydeterminig region:相補性決定領
域)として含有する抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域
が好ましく、さらに下記式(I)で示されるアミノ酸配
列を含むものが好ましい。 Asp Val Val Met Ala Gln Thr Pro Leu Thr Leu Ser Val Thr Ile Gly Gln Pro Ala Phe Ile Ser Cys Thr Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asp Ser Asp Gly Lys Thr Tyr Leu Asn Trp Leu Leu Gln Arg Pro Gly Gln Ser Pro Lys Arg Leu Ile Tyr Leu Val Ser Lys Leu Tyr Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ala Phe Thr Leu Lys Ile Asn Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Tyr Cys Trp Gln Gly Ile His Phe Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys (I)〔配列番号7〕
【0009】本発明のキメラモノクローナル抗体におけ
る抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域としては、上記式
D,EおよびFで示されるポリペプチド鎖D,Eおよび
Fの少なくとも一つを含むものであればいずれでもよ
く、ヒトフィブリンに対する高い新和性および特異性を
示す抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域が好ましいが、
なかでもポリペプチド鎖D,EおよびFの二種以上、と
りわけポリペプチド鎖D,EおよびFの三種を、CDR
として含有する抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域が好
ましく、さらに下記式(II)で示されるアミノ酸配列を
含むものが好ましい。 Asp Val Gln Leu Trp Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Lys Pro Gly Gly Ser Leu Lys Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr Asp Met Ser Trp Val Arg Gln Thr Pro Glu Arg Arg Leu Glu Trp Val Ala Ser Ile Ser Val Gly Gly Thr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Met Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Arg Asn Ile Leu Tyr Leu Gln Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys Gly Asn Phe Ala Asp Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser (II)〔配列番号8〕
【0010】本発明のキメラモノクローナル抗体として
は、上記抗ヒトフィブリン抗体軽鎖および重鎖可変領域
の少なくとも一つを含むキメラモノクローナル抗体が挙
げられ、なかでも上記抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領
域を含むキメラモノクローナル抗体が好ましく、さらに
上記抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域を含有するキメ
ラモノクローナル抗体が好ましい。本発明のキメラモノ
クローナル抗体における軽鎖および重鎖定常領域はヒト
抗体の軽鎖および重鎖定常領域であればいずれでもよ
く、例えばアミノ酸配列が公知のヒト抗体軽鎖および重
鎖定常領域をそれぞれ使用することができ、上記抗ヒト
フィブリン抗体軽鎖および重鎖可変領域と組み合わせる
ことにより、本発明のキメラモノクローナル抗体の軽鎖
および重鎖が得られる。本発明のキメラモノクローナル
抗体としては、かくして得られる軽鎖および重鎖の少く
とも一つを含み、かつヒトフィブリンに対する親和性お
よび特異性を示すものであればいずれのものでもよい
が、なかでも上述の軽鎖および重鎖の両者を含有するも
のが好ましい。本発明のキメラUK類認識抗体におい
て、UK類とは、一本鎖または二本鎖UK,低分子U
K,ProUKなどの総称であり、血栓溶解作用を示しか
つ抗体により認識可能なウロキナーゼの前駆体あるいは
誘導体等が含まれる。
【0011】本発明のキメラモノクローナル抗体におけ
る抗UK類認識抗体軽鎖可変領域としては、上記式G,
HおよびIで示されるポリペプチド鎖G,HおよびIの
少なくとも一つを含むものであればいずれでもよく、U
K類に対する高い親和性および特異性を示す抗UK類認
識抗体軽鎖可変領域が好ましいが、なかでもポリペプチ
ド鎖G,HおよびIの2種以上、とりわけポリペプチド
鎖G,HおよびIの3種を、CDRとして含有するUK
類認識抗体軽鎖可変領域が好ましく、さらに下記の(II
I)で示されるアミノ酸配列を含むものが好ましい。 Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ala Leu Met Ser Ala Val Pro Gly Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Gly Tyr Met Tyr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Arg Ser Ser Pro Lys Pro Trp Ile Ser Leu Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Met Glu Ala Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Ser Asp Pro Pro Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg(III) 〔配列番号19〕 本発明のキメラモノクローナル抗体におけるUK類認識
抗体重鎖可変領域としては、上記式J,KおよびLで示
されるポリペプチド鎖J,KおよびLの少なくとも一つ
を含むものであればいずれでもよく、UK類に対する高
い親和性および特異性を示すUK類認識抗体重鎖可変領
域が好ましいが、なかでもポリペプチド鎖J,Kおよび
Lの2種以上、とりわけポリペプチド鎖J,KおよびL
の3種を、CDRとして含有するUK類認識抗体重鎖可
変領域が好ましく、さらに下記の式(IV)で示されるア
ミノ酸配列を含むものが好ましい。 Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Cly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Gln Ser Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Thr Gly Tyr Ser Ile Thr Ser Asp Tyr Ala Trp Asn Trp Ile Arg Gln Phe Pro Gly Asn Lys Leu Glu Trp Met Gly Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser Arg Ile Ser Ile Thr Arg Asp Thr Ser Asn Asn Gln Phe Phe Leu Gln Leu Asn Ser Val Thr Ser Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys Ala Arg Leu Gly Asp Phe Asp Ala Gly Asp Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser Ala Ser (IV) 〔配列番号20〕
【0012】本発明の軽鎖および重鎖可変領域をコード
しているDNAは、これらのポリペプチドが真核細胞に
よって発現されるために必要なリーダーペプチドをコー
ドするDNAをも含有していることが好ましく、なかで
も可変軽鎖ポリペプチドのリーダーペプチドをコードす
るDNA配列としては、実質上、式: Met Met Ser Pro Ala Gln Phe Leu Phe Leu Leu Val Leu Trp Ile Arg Glu Thr ATG ATG AGT CCT GCC CAG TTC CTG TTT CTG TTA GTG CTC TGG ATT CGG GAA ACC Asn Gly AAC GGT(配列番号11の核酸の第153〜201番目
および第603〜613番目の塩基配列)で示されるD
NA配列と同一であることが好ましく、可変重鎖ポリペ
プチドの発現のためには、リーダーペプチドのDNA配
列としては、実質上、式: Met Asp Ser Arg Leu Asn Leu Val Phe Leu Val Leu Ile Leu Lys Gly Val Gln ATG GAC TCC AGG CTC AAT TTA GTT TTC CTT GTC CTT ATT TTA AAA GGT GTC CAG Cys TGT(配列番号12の核酸の第151〜196番目およ
び第314〜324番目の塩基配列)で示されるDNA
配列と同一であることが好ましい。ここに開示したリー
ダーペプチドのDNAは翻訳開始シグナル、すなわち、
機能的なポリペプチドの翻訳を開始するDNAをも含ん
でいる。しかしながらリーダーペプチドはフィブリンや
UK類との結合には関与しないので、特定の真核性リー
ダーペプチドの使用に限定されることはなく、他の真核
性リーダーペプチドをコードしているDNA配列をも本
発明の目的に使用できる。また本発明の軽鎖または重鎖
可変領域をコードするDNAを、例えば部位特異的突然
変異の誘発などにより改変し、実質上、本発明と同一の
キメラ抗体に翻訳されるならば、本発明の範囲内に含ま
れる。かかる操作により、ヒトフィブリンあるいは/お
よびUK類に対する親和性および特異性に好ましい変化
をもたらすキメラ抗体が得られることがある。
【0013】本発明の軽鎖および重鎖可変領域をコード
するDNAは、ヒトフィブリンあるいはUK類に対する
特異性を有するMoAbを産生するマウスハイブリドーマ
由来のゲノムDNAあるいはmRNAから調製されるこ
とが好ましい。特にマウスハイブリドーマとしては、そ
れぞれヒトフィブリンおよびUK類に対する高い特異性
と親和性とを有するマウスハイブリドーマFIB1−1
1(IFO No. 50174,FERM No. BP−2
081)およびUK1−3(IFO No. 50176,
FERM No. BP−2083)がそれぞれ好ましく用
いられる[T. Kurokawaら:バイオテクノロジー(Bio/
Technology),,1163(1989)]。しかしな
がら、DNA配列あるいは翻訳後の軽鎖および重鎖可変
領域のアミノ酸配列が実質上、本発明で開示した配列と
同等のものであれば、ウサギ、ヤギ、ウマ、ウシなどの
他の哺乳類種から得られたDNAあるいはmRNAを用
いることもできる。
【0014】本発明に用いるゲノムDNAは、通常用い
られる方法およびその他の様々な方法で取得し、クロー
ニングすることができる[L. G. Davisら編:ベーシッ
ク・メソッド・イン・モレキュラー・バイオロジー(Ba
sic Methods in Molecular Biology),エルスビアー
(Elsevier)発行、ニューヨーク(New York),198
6、およびJ. Federら:アメリカン・ジャーナル・オブ
・ヒューマン・ジェネテイックス(Am. J. Hum. Geneti
cs),37,635(1985)]。また本発明に用い
られるmRNAについても、通常用いられる公知の方法
で調製し、それを材料にしてcDNAを作製しクローニ
ングすることができる[J. Sambrookら編:モレキュラ
ー・クローニング−ラボラトリー・マニュアル−(Mole
cular Cloning−A Laboratory Manual−),コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・ブレス(Cold S
pring Harbor Laboratory Press)発行,ニューヨーク
(New York),1989]。例えば、公知の方法によ
り、ゲノムライブラリーから得ることができる。すなわ
ち、まずハイブリドーマ細胞のゲノムDNAを標準的な
方法で調製する。例えば、細胞にドデシル硫酸ナトリウ
ム(Sodium Dodecyl SulphateSDS)存在下でプロテ
ィナーゼKを作用させた後、フェノール抽出を行ない、
さらにDNase−free RNase A を作用させたのちフェノー
ル抽出することにより、ゲノムDNAが取得される[村
松正實編:ラボマニュアル遺伝子工学;丸善株式会社,
59頁(1988)]。次に目的とする可変部領域を含
むゲノムDNAは、標準的な方法、すなわち、制限エン
ドヌクレアーゼによりゲノムDNAを断片化して制限断
片とし、得られた断片を適当な組換えDNAクローニン
グベクターにクローニングし、放射性標識または酵素標
識プローブを用いて、本発明で開示したDNA配列の存
在に関してスクリーニングすることにより、単離され
る。ゲノムDNAから得られたDNAは一般的にポリペ
プチドをコードしていない介在配列をも含んでいるの
で、公知の方法を用いてDNAの欠失または置換を行い
改変する[W. Kramerら:ニュークレイック・アシッズ
・リサーチ(Nucleic Acids Res. ),12,9441
(1984)、およびT. A. Kvnkel:プロシーデイング
ズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.USA),
,488(1985)]。
【0015】本発明のキメラ抗体の軽鎖および重鎖可変
領域であるポリペプチドをコードしているDNAは、公
知の方法によりcDNAライブラリーから得ることもで
きる[H. Okayamaら:モレキュラー・アンド・セルラー
・バイオロジー(Mol. Cell. Biol.),,161(1
982)]。すなわち、ハイブリドーマ細胞のmRNA
を標準的な方法、例えば、細胞をチオシアン酸グアニジ
ンを含む溶液にホモゲナイズしたのち、セシウムトリフ
ルオロアセテート−EDTA液の密度勾配での超遠心分
離によりRNAペレットを取得し、さらにOligo−dTカ
ラムを用いてpoly(A)+−RNAを調製する。このpoly
(A)+−RNAを鋳型とし、オリゴ−dTプライマーまた
はランダムプライマーあるいは抗体遺伝子のDNA配列
に特異的なプライマーを用いた公知の方法によりファー
ストストランドcDNAが合成され、さらにこのファー
ストストランドcDNAを鋳型としてセカンドストラン
ドcDNAが合成される[村松正實編:ラボマニュアル
遺伝子工学;丸善株式会社,70頁,77頁(198
8)]。このような公知の方法で取得されたcDNAを
適当なクローニングベクターにクローニングし、得られ
たクローンを本明細書中に明示した可変領域をコードし
ているcDNAに関して適当なプローブでスクリーニン
グする。所望のクローンを単離したのち、基本的にはゲ
ノムDNAと同じ方法でcDNAを処理することができ
る。また、本発明のキメラ抗体の軽鎖および重鎖可変領
域をコードするDNAを、公知の方法によりポリメラー
ゼ チエイン リアクションで特異的に増幅することに
より取得することもできる[R. Orlandiら:Proc. Nat
l. Acad.Sci. USA,86,3833(1989)]。ま
たヒトフィブリンあるいはUK類に特異的な軽鎖および
重鎖可変領域をコードするDNAを常法により化学合成
することもできる[N. D. Shinaら:ニュークレイック
・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.),12
4359(1984)]。これらの合成DNAは、縮重
コドンで元のコドンが置換されていても、翻訳された時
に同じアミノ酸をコードしている限り、クローニングに
より得られたDNAと同一である必要はない。
【0016】本発明のキメラ抗体のヒト抗体軽鎖および
重鎖定常領域をコードしているDNAは、ゲノムDNA
およびcDNAからクローニングすることができる。ま
た化学的に合成することもできる。このようにして得ら
れた、ヒト抗体定常領域をコードしているDNAを使用
することにより、免疫原性のきわめて小さいキメラ軽鎖
および重鎖ポリペプチドが得られる。このような、ヒト
抗体定常領域ポリペプチドをコードするDNAは、ヒト
リンパ細胞、例えば末梢血リンパ細胞から採取すること
が好ましい。さらに、軽鎖定常領域をコードするDNA
としては、ヒト抗体κ鎖(カッパ鎖;以下、Cκと略記
することがある)DNAから得られたDNAが、また重
鎖定常領域をコードするDNAとしては、ヒト抗体γ鎖
DNAなかでもγ1鎖(以下、Cγ1と略記することがあ
る)DNAから得られたDNAが特に好ましく使用でき
る[P. A. Heiterら:セル(Cell),22,197(1
980)]。このようにして得られたDNA構築物は、
公知の方法に従い適当な組換えDNAクローニングベク
ターおよび組換えDNA発現ベクターに導入できる[Y.
Gluzman編:ユーカリテイック・バイラル・ベクター
(Eukaryotic Viral Vectors),コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリーズ(Cold Spring Harbor Lab
oratories)発行、ニューヨーク(New York),198
2、Y. Gluzman編:ユーカリテイック・トランスクリプ
ション(Eukaryotic Transcription)、コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリーズ(Cold Spring Harb
orLaboratories)発行、ニューヨーク(New Yor
k),1985およびヨーロッパ公開第380068号
公報]。
【0017】本発明においては、軽鎖および重鎖ポリペ
プチドをコードしているDNA構築物を発現ベクターの
一部として適当な真核宿主細胞に導入する。これら2種
の構築物は単一の真核細胞用発現ベクター上に同時に含
有させることができるが、別々の発現ベクター上に分け
て維持してもよい。しかしながら、キメラポリペプチド
の発現のためには、選択した真核宿主細胞内で機能的な
転写および翻訳調節配列を含有していることが必要であ
る。したがって、5’および3’非翻訳領域並びに介在
配列を含有し、真核宿主細胞内で機能する、プロモータ
ー、エンハンサー、および転写ターミネーター並びにポ
リアデニル化部位(以下、polyA部位と略記することが
ある)等のホモローガスな調節配列をすべて包含する大
きなDNA断片として構築されたキメラ遺伝子が好まし
く使用される。あるいは、ウイルス性プロモーター、エ
ンハンサー、転写ターミネーターおよびpolyA部位を含
有する周知のSV40およびHerpes TK(ヘルペスT
K)ウイルス配列などの様々なヘテロローガス(異種
の)調節領域と、キメラ軽鎖あるいは重鎖ポリペプチド
をコードするDNA構築物とを組換えて結合させてもよ
い。キメラ遺伝子構築物はまた、それらの要素が真核宿
主細胞内で機能的であり、該キメラ遺伝子と適切に融合
するかぎり、合成調節要素と結合させることもできる。
cDNAクローンまたは合成遺伝子も、ポリペプチドと
して発現されるために、ホモローガスまたはヘテロロー
ガス、いずれかの調節配列と結合させることができる。
多くの組換え発現ベクターが公知であり、それらを本発
明に適用することができるが、特にpSV2型ベクター
が好ましく用いられる。pSV2型ベクターはSV40
ゲノムの真核性転写単位を構成するセグメンントを含有
しており、哺乳類および他の真核宿主細胞の宿主細胞染
色体DNAに組み込むことにより、これらの細胞を形質
転換できる。SV40プロモーターによって挿入遺伝子
の転写が指令される様々なプラスミドpSV2型ベクタ
ー、たとえばプラスミドpSV2−gpt、pSV2−neo、
pSV2−dhfr、pSV2−β−グロビンなどが既に構築
されている[“ユーカリテイック・バイラル・ベクタ
ー”参照]。あるいは、ウシ乳頭腫ウイルスに基づく発
現ベクターおよびエプスタイン・バー・ウイルス(EB
V)発現ベクターのように染色体外で維持される発現ベ
クターも使用できる[“ユーカリテイック・バイラル・
ベクター”、およびD. Kioosis:エンボ(EMBO),
,355(1987)]。プロモーター・リーダーペ
プチド配列は各可変領域5’上流に存在しているが、こ
れらの配列はホモローガスな免疫グロブリン遺伝子だけ
でなく、ヘテロローガスな免疫グロブリン遺伝子の発現
にも用いられる。例えば、NL1株重鎖プロモーター・
リーダー配列にマウスハイブリドーマFIB1−11由
来重鎖可変領域とヒト抗体重鎖定常領域とを含むプラス
ミドpSV2−hFHをトランスフェクトしたマウス骨髄
腫細胞株X63.Ag8.653は高い発現レベルを示
す。ほとんど全てのゲノム性免疫グロブリン遺伝子はエ
ンハンサー配列を含んでいる。マウスあるいはヒト型の
免疫グロブリン・エンハンサーは免疫グロブリン・プロ
モーター配列との共存により高レベルの発現を達成でき
る。これらのエンハンサー配列は高発現レベルを変える
ことなく、発現ベクター上の種々の部位に移動すること
もできる。
【0018】本発明のキメラモノクローナル抗体を発現
させる宿主細胞として用いられる真核宿主細胞として
は、ハイブリドーマ、CHO(chinese hamster ovar
y)細胞、骨髄腫、形質細胞腫、リンパ腫細胞等が好ま
しい。しかしながら、哺乳類宿主細胞がキメラ遺伝子の
発現のための転写および翻訳DNA配列を認識し、リー
ダーペプチドをプロセッシングしてリーダー配列を切断
し、キメラタンパク質を分泌させ、キメラタンパク質の
翻訳後修飾(例、グリコシル化)が可能ならば、他の真
核宿主細胞も使用されうる。本発明の宿主細胞は、公知
のトランスフェクション法により形質転換できる。特に
電気穿孔法、プロトプラスト融合法、DEAE−デキス
トラン法、あるいはリン酸カルシウム沈澱法などが好ま
しく用いられる[F. Toneguzzo:モレキュラー・アンド
・セルラー・バイオロジー(Mol. Cell. Biol.),
703(1986),およびV. Oiら:プロシーデイン
グズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),80,825(1983)]。
【0019】本発明のキメラ抗体を発現させるために
は、例えば免疫グロブリン軽鎖および重鎖をそれぞれコ
ードする2種の組換え発現ベクターで宿主細胞を連続的
にトランスフェクトする方法が用いられる。例えば、宿
主細胞をまず本発明のキメラ軽鎖をコードするDNA構
築物でトランスフェクトし、次いでキメラ軽鎖ポリペプ
チドを発現する形質転換宿主細胞を酵素免疫測定法(以
下、EIAと略記することがある)を用いて選択する。
さらに、選択したキメラ軽鎖発現宿主細胞を、重鎖をコ
ードするDNA構築物好ましくは本発明のキメラ重鎖を
コードするDNA構築物でトランスフェクトし、キメラ
抗体を発現する宿主細胞を選定する。同様の方法で本発
明のキメラ重鎖を含有する抗体を得ることができる。ま
た、キメラ軽鎖および重鎖発現ベクターを同時に宿主細
胞に導入することもできる。さらに別法として、キメラ
軽鎖および重鎖をコードするDNA構築物相方を宿主細
胞のトランスフェクションに用いる単一の発現ベクター
上に結合させ、1回のトランスフェクションでキメラ抗
体を発現させることもできる。いずれの場合も、トラン
スフェクション後、公知の方法、例えばヒトフィブリン
やUK類に対する特異抗体を検出するEIAで、本発明
により開示されたキメラ軽鎖あるいはキメラ重鎖のいず
れかを検出することにより目的のキメラ抗体を産生する
宿主細胞を同定、育種できる。
【0020】本発明の二重特異性キメラ抗体を発現させ
るためには、例えば片方の特異抗体の免疫グロブリン軽
鎖および重鎖をコードする組換え発現ベクターともう一
方の特異抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコード
する組換え発現ベクターとを用いて、宿主細胞を連続的
にトランスフェクトする方法が用いられる。例えば片方
の特異抗体軽鎖および重鎖をコードするDNA構築物で
トランスフェクトし、次いでキメラ抗体を発現する形質
転換宿主細胞をEIAを用いて選択する。さらに、選択
したキメラ抗体発現細胞をもう一方の特異抗体軽鎖およ
び重鎖をコードするDNA構築物でトランスフェクト
し、目的の二重特異性抗体を発現する細胞を選択するこ
とにより、二重特異性抗体を得ることができる。また、
片方の特異抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコー
ドする組換え発現ベクターと、もう一方の特異抗体の免
疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードする組換え発現ベ
クターとを、同時に宿主細胞に導入することも可能であ
る。さらに別法として、片方の特異抗体を発現する形質
転換細胞と、もう一方の特異抗体を発現する形質転換細
胞とを、別々に取得したのち、この2種の形質転換細胞
を細胞融合することによっても、二重特異性キメラ抗体
を発現させることができる。いずれの場合も公知の方
法、例えばヒトフィブリンとUK類とを同時に認識する
二重特異性抗体を検出するEIAを用いることにより、
目的のキメラ二重特異性抗体を産生する宿主細胞を同
定、育種することができる。
【0021】上記した本発明のキメラ抗体産生細胞の培
養は通常、液体培地中、または動物の腹腔内(例えば、
マウス等哺乳動物の腹腔内)で公知の方法により実施で
きる。培養液および腹水中の抗体の精製については公知
の生化学的手法を組み合わせて用いることによりでき
る。例えば、細胞培養液もしくは腹水を遠心分離し、上
清を取り出し、塩析(通常は硫酸アンモニウムもしくは
硫酸ナトリウムを用いる)を実施する。得られたタンパ
ク沈殿物を適当な溶液に溶解し、透析後カラムクロマト
グラフィー(イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、プロ
テインAカラム、ヒドロキシアパタイトカラム、抗原結
合カラム等)に付し、目的とする抗体を分離精製するこ
とができる。以上のような分離精製操作により、例えば
1リットルの培養上清からタンパク重量比で90%以上
の純度のキメラ抗体を約1〜5mg得ることができる。
また、20mlの腹水液からは同様の抗体が3〜10mg得
られる。以上のようにして得られたキメラ抗体は蛋白質
として均一であり、蛋白分解酵素(ペプシン,パパイ
ン,ブロメライン,フィシンなど)処理などにより、ヒ
トフィブリンに対する結合能を保持するF(ab')2,Fab
断片などを得ることができ、これらは本発明のキメラ抗
体と同様の目的で用いることができる。
【0022】本発明のキメラ抗体は、インビボおよびイ
ンビトロの両方に使用できるが、特にインビボの使用に
おいてその特性が発揮できる。すなわち、ヒトにおいて
マウス抗体に比べてきわめて免疫原性が低いため、診断
および治療において人体へ安全に投与可能である。また
元のマウス抗体と比べて安定性が高く、血中半減期が長
いため本発明の治療目的に有利に用いられる。特に血栓
溶解療法においては、TPAやUKの血中半減期が短い
ため持続静脈投与法が採用されてきたが、かかるキメラ
抗体との組み合わせにおいては血中半減期の大幅な延長
が期待でき、bolus投与が可能となる。例えば抗ヒトフ
ィブリン抗体の場合、適当な放射性核種(例えば、111
In,123I,99mTcなど)と結合させ体内に投与するこ
とにより、血 管内に形成された血栓のイメージングが
可能となる。さらには、種々の血栓溶解作用を有する物
質(例えば、SK,UK,ProUK,TPA,トリプシ
ン,プラスミン,プロテインC,プロテインSなど)好
ましくはUK類と本発明のキメラ抗ヒトフィブリン抗体
とを結合させ、心筋梗塞、末梢動・静脈閉塞症、脳梗塞
などの血栓性疾患の予防および治療に使用できる。また
本発明のキメラUK類認識抗体と化学的に結合させてキ
メラ抗ヒトフィブリン/抗ヒトUK二重特異性抗体を作
製し、UKあるいはProUKなどのUK類との免疫複合
体として投与し、上記の心筋梗塞や脳梗塞などの血栓性
疾患の治療に使用できる。さらに、この目的のために
は、本発明のキメラ抗ヒトフィブリン/抗UK類二重特
異性モノクローナル抗体が上記の化学的に合成した二重
特異性抗体と同様に、UKあるいはProUKなどのUK
類との免疫複合体として血栓性疾患の治療に使用でき
る。これらのキメラ二重特異性抗体とUK類から作製さ
れる選択的な血栓溶解蛋白複合体を用いる血栓溶解治療
法においては、幾つかの方法が用いられる。例えば、
本発明のキメラ二重特異性抗体を予め血栓性疾患患者に
投与し、患者体内に形成された血栓に結合させるべく十
分な時間経過後にUK類を投与する、該キメラ二重特
異性抗体とUK類とを同時に血栓性疾患患者に投与す
る。あるいは予め該キメラ二重特異性抗体と血栓溶解
剤とを反応させ、未反応のUK類を分離後、得られた選
択的血栓溶解蛋白複合体を血栓性疾患患者に投与する、
などの方法が挙げられる。
【0023】本発明の血栓溶解剤あるいは血栓溶解蛋白
複合体は、必要により例えばメンブレインフィルター等
によるろ過、除菌操作の後に、それ自体あるいは適宜の
薬理学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤などと混
合し、注射剤などとして製剤化して投与し、例えば心筋
梗塞、末梢動・静脈閉塞症、網膜動・静脈閉塞症、脳梗
塞、肺塞栓症などの血栓・閉塞性疾患の治療に用いるこ
とが可能である。本発明の血栓溶解蛋白複合体の投与量
は、対象となる疾患、症状あるいは投与ルートなどによ
って異なるが、例えば心筋梗塞の成人患者に静脈内投与
する場合、キメラ二重特異性抗体として1日当り0.0
3〜1.5mg/kg好ましくは約0.06〜0.6mg/kg、
血栓溶解剤として1日当りUKでは約0.01〜0.5mg
/kg好ましくは約0.02〜0.2mg/kg、あるいはPro
UKでは約0.01〜1mg/kg、好ましくは約0.02〜
0.5mg/kgである。以上のような方法で、標的血栓部
位に対して特異的に結合可能であり、実質的に血中のフ
ィブリノーゲンと結合しない本発明のキメラ二重特異性
抗体と血栓溶解剤とを用いることにより、投与患者にお
ける免疫応答を大巾に減少し副作用を軽減しつつ、選択
的かつ効率的に血栓を溶解ないし除去することができ
る。
【0024】以下に参考例および実施例により本発明を
具体的に説明するが、これらが本発明の範囲を制限する
ものでないことはいうまでもない。本発明の実施にあた
り組み換えDNAの作製、組み換え体の動物細胞や微生
物などへの導入は特に断わらない限り下記の実験書に従
って実施した。 (1)T. Maniatis, E. F. Fritsch, J. Sambrook著,
「モレキュラー クローニング(Molecular Clonin
g)」,Cold Spring Harbor Laboratory刊(米国) (2)高木康敬編著「遺伝子操作実験法」講談社刊 なお、実施例で用いられている動物細胞は、以下の表に
示すように寄託が行なわれている。 ────────────────────────────────── (IFO) (FRI) 動 物 細 胞 IFO No. FERM No. ────────────────────────────────── マウス・ハイブリドーマ FIB1-11 50174 BP−2081 (1988.9.21) (1988.10.4) マウス・ハイブリドーマ UK1-3 50176 BP−2083 (1988.9.21) (1988.10.4) マウス・ミエローマ 50257 BP−3141 FIB1−HO1/X63 (1990.10.17) (1990.10.25) マウス・ハイブリット・ハイブリドーマ 50185 BP−2334 FU1−74 (1989.3.13) (1989.3.14) マウス・ハイブリドーマ SS/S-3 50351 BP−3635 (1991.10.23) (1991.10.29) マウス・ハイブリドーマ SU/S-9.21 50352 BP−3636 (1991.10.23) (1991.10.29) マウス・ハイブリドーマ SUSF/S-8.4 50353 BP−3637 (1991.10.23) (1991.10.29) ────────────────────────────────── IFO:財団法人発酵研究所(大阪) FRI:通商産業省微生物工業技術研究所
【0025】参考例1 抗フィブリン抗体測 定用EIA 3.3M尿素,0.01%エチレンジアミン四酢酸塩(以
下、EDTAと略記することがある)リン酸食塩緩衝液
(pH7.3;以下、PBSと略記することがある)に溶
解したヒトフィブリンモノマー溶液1mg/mlを、96穴
マイクロプレートに50μlずつ分注し4℃で一夜放置
後、2%カゼイン,0.01%チメロサール含有PBS
150μlを添加して感作プレートを作製した。次に抗
体産生細胞の培養上清50μlを上記のフィブリン感作
プレートに添加し室温で2時間反応させた。0.05%
Tween 20含有PBS(以下、PBS−TWと略記する
ことがある)でプレートを十分に洗浄後、ホースラッデ
ィシュペルオキシダーゼ(以下、HRPと略記すること
がある)標識したウサギ抗マウスIgG抗体もしくはヤ
ギ抗ヒトIgG抗体(いずれもフナコシ社販売)を添加
し、さらに室温で2時間反応させた。洗浄後、酵素基質
としてオルソフェニレンジアミンおよびH22を含有す
る0.1Mクエン酸緩衝液を各ウエルに加え、室温で酵
素反応を実施した。1N硫酸で反応停止後、マルチスキ
ャン(フロー社製)を用いて波長492nmで発色色素
量を測定した。
【0026】参考例2 マウス抗ヒトフィブ リンモノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマの作製 (1)免疫原の調製 公知の固相合成法によりペプチド合成機(アプライド・
システム,モデル430A型)を用いて作製されたヒト
フィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−Cys 3.
3mgを、予めN−(γ−マレイミドブチリルオキシサク
シミド)(以下、CMBSと略記することがある)でマ
レイミド化した牛血清アルブミン(以下、BSAと略記
することがある)(BSA1モル当り13モルのマレイ
ミド基を導入)12mg/2ml水溶液に加え30℃で1時
間反応させ、ヒトフィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−
11)−BSA複合体を得た。次いで生理食塩水で3回
透析後(3リットル×3)、凍結保存し免疫原として用
いた。 (2)免 疫 ペプチド−BSA複合体1mg/ml生理食塩水溶液に等量
のフロイント完全アジュバンドを加え、マウス(♀,n
=10:0.1mg/0.2ml/マウス)の背部および腹部
皮下への免疫を開始した。追加免疫は免疫原に等量のフ
ロイント不完全アジュバンドを加えて、2−3週毎に5
回接種し実施した。 (3)細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し、脾臓細胞懸濁液を常法
により調製した(約108個)。次いでマウス骨髄腫細
胞(P3U1)2×107個を添加し、ポリエチレング
リコール(以下、PEGと略記することがある)600
0を用いてケーラーとミルスタインの方法〔ネーチャー
(Nature),25 ,495(1975)〕に準じて細
胞融合に供した。融合終了後、細胞混液をヒポキサンチ
ン・アミノプテリンおよびチミジンを含む、いわゆるH
AT培地中に懸濁し、10日間培養した。以後は、親細
胞の選択が終了次第、HAT培地からアミノプテリンを
除いたHT培地に代え培養を続けた。
【0027】(4)ハイブリドーマの選択およびクロー
ニング 固相にヒトフィブリンモノマーを吸着させたマイクロプ
レートを用いる参考例1に記載のEIAを用いて、ヒト
フィブリノーゲン(5mg/ml)存在下でハイブリドーマ
培養上清の抗体価を測定した。融合10日から20日後
でハイブリドーマの出現を認め、かつヒトフィブリンに
特異結合する抗体がみられた。特に結合活性の強いハイ
ブリドーマについて、限界希釈法によるクローニングに
供した。クローン化したハイブリドーマの培養上清を同
様にEIAのスクリーニングに供し、ヒトフィブリン結
合能の強いものを選択した。これらの結果、高濃度ヒト
フィブリノーゲン存在下でヒトフィブリンに特異結合す
るMoAb産生マウスハイブリドーマ FIB1−11が
得られた。得られたハイブリドーマから産生される抗体
の免疫グロブリンクラスおよびサブクラスはIgG1(κ
鎖)であった。
【0028】参考例3 ヒトC kゲノム遺伝子のクロー
ニング ヒト形質芽細胞ARH77細胞(以下、ARH77と略
記することがある)より高分子DNAを調製し、そのE
coRI分解物をλgtWESλBファージベクターに挿入
することによりゲノムDNAライブラリーを作製した
[Y. Nishimuraら:キャンサー・リサーチ(Cancer Re
s.),47,999(1987)]。次いで、マウスC
k遺伝子をクロス・ハイブリダイゼーション・プローブ
として用いるプ ラーク・ハイブリダイゼーションによ
り、ヒトCkゲノム遺伝子を含むクローン を取得した。
【0029】参考例4 ヒトCγ 1ゲノム遺伝子のクロ
ーニング 上記参考例3に記載のARH77細胞由来の高分子DN
A EcoRI分解物を、λCharon 4Aファージベクタ
ーに挿入することによりゲノムDNAライブラリーを作
製した[A. Kudoら:ジーン(Gene),33,181
(1985)]。次いで、3.5kbのヒトJH遺伝子断片
をプローブとして用いるプラーク・ハイブリダイゼーシ
ョンにより約106個のファージをスクリーニングし、
その結果ヒトCγゲノム遺伝子を含むクローンを取得
した。
【0030】参考例5 NL−1株由来V Hゲノム遺伝
子のクローニング Common acute lymphocytic leukemia抗原(以下、CA
LLAと略記することがある)を認識するIgG2a(κ
鎖)抗体産生マウス・ハイブリドーマNL−1(以下、
NL−1と略記することがある)株[A. Kudoら:ジャ
ーナル・オブ・イム ノロジー(J. Immunol),13
,642(1985)]よりDNAを抽出し、これを
EcoRIで切断後、Charon 4Aベクターに挿入しゲノ
ムDNAライブラ リーを作製した。マウスJH4 EcoR
I−HindIII 1.5kb断片をプローブとし たプラーク
・ハイブリダイゼーションにより、このライブラリーを
スクリーニングした結果、それぞれ8.1kbおよび7.9
kbの挿入断片を持つファージ・クローンが取得された。
NL−1細胞の全RNAを用いたノーザン・ブロット解
析およびジデオキシ・チエイン・ターミネーション(di
deoxy chain termination)による塩基配列決定によ
り、この7.9kbの挿入断片がNL−1抗体分子の組換
え型重鎖遺伝子(VH遺伝子)を含むことを明らかにし
た。
【0031】参考例6 抗UK抗体測定用E IA 市販のUK(日本製薬製造販売)5μl/ml溶液を96
穴マイクロプレートに100μlずつ分注し4℃で一夜
放置後、2%カゼイン、0.01%チメロサール含有P
BS150μlを添加して感作プレートを作製した。上
記の液を除去しPBS−Twで洗浄後、被検培養上清1
00μlを添加し室温で2時間反応させた。以下、参考
例1に記載の方法で酵素反応を実施し抗体価を測定し
た。
【0032】参考例7 抗フィブリン−抗U K二重特異
性抗体測定用EIA 参考例6で作成したUK感作プレートに二重特異性抗体
含有検液を添加し、室温で2時間反応させた。PBS−
Twで洗浄後、ビオチン標識した参考例2−に記載の
ヒトフィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−BS
A複合体を添加し、さらに室温で2時間反応させた。次
にアビジン−HRP複合体を添加し室温で1時間反応
後、固相に結合したHRP活性を参考例1に示した方法
で測定した。
【0033】参考例8 フィブリン溶解反応 中和試験 UK溶液(最終濃度25ng/ml)に被検ハイブリドーマ
培養上清希釈液を添加し、37℃で1時間反応後反応混
液をフィブリン・アガロース・プレートの1ウエル当り
5μl注入した。37℃で2〜6時間後にフィブリンの
溶解斑(直径)を測定し、UKの酵素活性に対するハイ
ブリドーマ培養上清に含まれるMoAbの中和能を測定し
た。
【0034】参考例9 マウス抗UKモノク ローナル抗
体産生ハイブリドーマの作製 免 疫 UK(日本製薬製造販売)200μg/ml生理食塩水溶
液に等量のフロイント完全アジュバンドを添加し十分乳
濁後、BALB/cマウス(♀,20μg/0.2ml/マ
ウス)に腹腔および背部皮下投与し、2〜3週間隔で追
加免疫を実施した。3回の追加免疫後、10日で最大の
血清抗体価を示した個体について、UK抗原液(50μ
g/0.1ml生理食塩水/マウス)を静脈内投与した。細胞融合 参考例2−に記載の方法に従い細胞融合を実施した。ハイブリドーマの選択およびクローニング UK結合マイクロプレートを用いる参考例6に記載のE
IAでハイブリドーマをスクリーニングし、以下参考例
2−と同じ方法で抗UK MoAb産生ハイブリドーマ
を取得した。これらの中、参考例8に記載の方法におい
てフィブリン溶解能を損なうことなく特異結合する抗U
K MoAb産生ハイブリドーマとしてマウスハイブリド
ーマUK1−3が得られた。得られたハイブリドーマか
ら産生される抗体UK1−3の免疫グロブリンクラス、
サブクラスはオークターロニー法による測定で、IgG
1であった。
【0035】参考例10 抗UK−抗ヒトフィブリン二
重特異性を有するハイブリッドモノクローナル 抗体の製
細胞融合 参考例2で取得した抗ヒトフィブリン抗体産生ハイブリ
ドーマFIB1−11および参考例9で取得した抗UK
抗体産生ハイブリドーマUK1−3を、それぞれ0.5
μg/mlフルオレセイン・イソチオシアネート(FIT
C)および1.5μg/mlテトラメチル・ロダミン・イソ
シアネート(TRITC)含有イスコフ−ハムF・12
混合培地(以下IHと略記することがある)で37℃,
30分間インキュベートし、蛍光染色した。次いで、L
SM溶液(和光純薬工業K.K.販売)を添加し死細胞を除
去したのち、両ハイブリドーマを1:1の割合で混じ、
PEG6000を用いて参考例2−に記載の方法で細
胞融合した。37℃で2時間インキュベート後、フルオ
レセイン・アクティベイテッド・セルソータ(FAC
S)に供することによりフルオレセインおよびローダミ
ンで二重染色された細胞25000個を分取し、次にフ
ィーダーとしてマウス胸腺細胞を5×105個/ウエル
播種した96穴マイクロプレートに、上記の二重染色細
胞を10個/ウエルの割合で播種し培養した[ヨーロッ
パ公開第363712号公報参照]。ハイブリッド・ハイブリドーマの選択およびクローニ
融合後1−2週で細胞増殖のみられたウエルの培養上清
を、それぞれ参考例1,6および7に記載のEIAに供
し抗体活性を測定した。最大のハイブリッド抗体活性を
示したウエルについて限界希釈法によるクローニングを
実施し、目的の二重特異性抗体産生マウス・ハイブリッ
ド・ハイブリドーマFU1−74を取得した。ハイブリッド抗体の精製 公知の方法に従い腹水を取得し、さらに硫安塩析および
フィブリン結合カラムとUK結合カラムとを用いるイム
ノアフィニティークロマトにより約20mlの腹水から本
発明の抗UK−抗ヒトフィブリン二重特異性抗体FU1
−74約28mgを得た。
【0036】参考例11 ヒトIgG抗体測 定用EIA 市販のヤギ抗ヒトIgG(Fc フラグメント)抗体(カ
ッペル社)5μg/ml溶液を96穴マイクロプレートに
50μlずつ分注し、4℃で一夜放置後、2%カゼイ
ン,0.01%チメロサール含有PBS150μlを添加
して抗体感作プレートを作製した。PBS−Twでプレ
ート洗浄後、被検培養上清50μlを添加し室温で2時
間反応させた。以下、参考例1に記載の方法で酵素反応
を実施し抗体価を測定した。また、ヒトIgG標準品と
しては、市販のクロマト精製ヒトIgG(カッペル社)
を用いた。
【0037】実施例1 マウス−ヒト・キメ ラ抗ヒトフ
ィブリン抗体軽鎖発現用ベクターpS 2−hFKの作製 (1)ゲノムDNAのクローニング 参考例2で取得したマウス抗ヒトフィブリン特異抗体産
生ハイブリドーマFIB1−11より高分子ゲノムDN
Aを調製し制限酵素EcoRIで切断後、10−40%シ
ョ糖密度勾配遠心分離法に供した。12−20kbのDN
A断片を集めEMBL4ファージベクター(ストラータ
・ジーン製)に挿入し、ゲノムDNAライブラリーを作
製した[Y. Nishimuraら:キャンサー・リサーチ(Canc
er Res.),47,999(1987)]。次いで32
で標識したマウスJK4-5遺伝子断片(0.7kb AvaI−
PstI断片)をハイブリダイゼーション・プローブとし
て用いてスクリーニングし、陽性組換え体ファージ・ク
ローン3種を取得した。FIB1−11細胞の全RNA
を、これらクローンの挿入DNA断片をプローブとして
用いてノーザン・ブロット解析を実施することによりF
IB1−11細胞で発現されているVK遺伝子(以下、
FK遺伝子と略記することがある)をコードする 15k
bのEcoRI断片を含むファージクローンKE14を同
定した。 (2)塩基配列の決定 ファージクローンKE14をプラスミドベクターpUC
119にサブクローニングし、公知のジデオキシ・チエ
イン・ターミネーション(dideoxy chain terminatio
n)法で塩基配列を決定したところ、転写プロモーター
(オクタマー配列),リーダーペプチドおよびVK構造
遺伝子を含むDNA断片と判明した。また、VFKはサブ
グループIIに属するVK遺伝子(VKII)とJK2遺伝子と
の組換えにより 形成された機能的なVK遺伝子であっ
た。結果は〔図1〕,〔図2〕〔配列番号11〕に示さ
れた通りであった。 (3)発現用ベクターの構築 上記(1)に記載のファージクローンKE14に含まれ
る15kb挿入DNA断片よりVFKゲノム遺伝子を含む
2.6kb EcoRI−PstI断片を単離し、pUC119
のEcoRI−PstIサイトに挿入した。得られたプラス
ミドをEcoRIで切断しT4ポリメラーゼ(以下、T4 p
olと略記することがある)で末端平滑化したのち、Bam
HIリンカーを結合させ、さらにBamHI−HindIIIで
切断し2.6kb断片を単離した。また、ヒト形質芽細胞
株ARH77より単離されたヒトκ鎖定常領域ゲノム遺
伝子(以下、hCKと略記することがある)を含む2.5k
b EcoRI断片を、プラスミドベクターpBR322の
EcoRIサイトに挿入した。得られたプラスミドをEco
RIで部分切断して6.9kb断片を単離し、さらにBam
HIで切断して2.9kb断片を単離した。このDNA断
片をpSV2−neoベクターのEcoRI−BamHIサイト
に挿入することにより得られたプラスミドを、さらにH
indIII−BamHIで切断し5.3kbと2.4kbの断片をそ
れぞれ単離した。これら2種のDNA断片と、上記のV
FK遺伝子を含む2.6kb BamHI−HindIII断片とを結
合させ、VFK遺伝子とhCK遺伝子とが順次同方向に並ん
だプラスミドを得た。一方、ARH77より単離された
ヒトIgHエンハンサーを含むMluI−HpaI0.9kb断
片を、T4 polで平滑化しEcoRIリンカーを用いてpU
C119のEcoRIサイトに挿入した。得られたプラス
ミドをEcoRIで切断してエンハンサーを含む0.9kb
断片を単離し、T4 polで平滑化したのち、BamHIリ
ンカーを結合させた。このエンハンサー断片を前述のプ
ラスミド(hCK遺伝子とVFK遺伝子とを含むpSV2−ne
oベクター)のBamHIサイトに挿入することにより、
κ鎖発現用ベクターpSV2−hFKを構築した。構築図は
〔図3〕,〔図4〕に示された通りであった。
【0038】実施例2 マウス−ヒト・キメ ラ抗ヒトフ
ィブリン抗体重鎖発現用ベクターpS 2−hFHの作製 (1)cDNAのクローニング 参考例2に記載のFIB1−11細胞よりRNAを調製
し、さらにoligotex−dT30(タカラ酒造社製)で精
製してpoly(A)+−RNAを調製した。このpoly(A)+
RNA10μg、3’mVHプライマー20pmol、dNTP
各2μMジチオスレイトール(以下、DTTと略記する
ことがある)10mM、Tris−HCl(pH8.3)100
mM、MgCl2 10mM、KCl 140mMを含む反応液
50μlを70℃で10分処理した後、室温に戻した。
逆転写酵素46unitsを添加し42℃で1時間インキュ
ベートした。この反応液5μlと5’mVHプライマー2
5pmol、3’mVHプライマー25pmol、dNTP各25
0μM、Tris−HCl(pH8.8)67mM、MgCl2
0mM、(NH4)2 SO4 17mM、およびゼラチン20
0μg/mlとを含む反応液50μlに2unitsのTaqポリ
メラーゼを加え、流動パラフィンを上層した後、ポリメ
ラーゼ・チエイン・リアクション(以下、PCRと略記
することがある)を行った。温度サイクルは95℃で1
分,52℃で2分,72℃で2分をそれぞれ30サイク
ル反応させた。反応後サンプルを5%−ポリアクリルア
ミド電気泳動(以下、PAGEと略記することがある)
に供し、約330bpの増幅DNA断片を単離した。用い
たPCRプライマーの塩基配列であり、クローニング・
サイトとしてそれぞれPvuIIおよびBstEIIサイトが含
まれている。得られた結果は〔図5〕に示された通りで
あった。 5'mVH:5'-AGGTGCAGCTG(G/T)(G/T)G(G/C)AGTC(G/T)GG-3' 22-mer 〔配列番号9〕 3'mVH:5'-TGAGGAGACGGTGACCAGGGTCCCTTGGCCCCAG-3' 34-mer 〔配列番号10〕 (2)塩基配列の決定 上記(1)に記載のPCR法で取得したVH遺伝子を含
む約330bpのDNA断片を単離し、pUC119にサ
ブクローニングして塩基配列を調べたところ、サブグル
ープIIIに属するVH遺伝子(VHIII)とDSP2、遺伝子
H4遺伝子とより成る機能的なVH構造遺伝子であった
(以下、VFHと略記することがある)。また、FIB1
−11細胞の全RNAを用いたノーザン・ブロット解析
により、VFHがFIB1−11細胞で発現されている遺
伝子であることを確認した。結果は〔図6〕,〔図7〕
〔配列番号12〕に示された通りであった。
【0039】(3)発現用ベクターの構築 上記(1)に記載のPCR法で取得したVFH−cDNA
を用いてキメラH鎖を発現させるために、ヒトγ鎖定常
領域遺伝子hCγ1の他に真核生物における発現に必要な
プロモーター,リーダー,スプライシングシグナル配列
を付与した。すなわち、参考例5に記載のマウス・ハイ
ブリドーマNL−1由来のVHゲノム遺伝子を利用し、
NL−1細胞の産生する抗体H鎖ゲノム由来のプロモー
ター,リーダー,スプライシングシグナル配列と、FI
B1−11細胞由来のVHエキソンとを有するキメラV
FHゲノム遺伝子を作製した。まず、pUC119の2.8
kbPvuII断片とNL−1細胞由来VH遺伝子(以下、V
HNL1と略記することがある)を含む2.1kb EcoRV−
BglIIゲノムDNA断片とをEcoRIリンカーを介して
結合させた。次に、得られたプラスミドのVHNL1エキソ
ン部のPvuII−BstPI断片を除去し、上記のVFH−c
DNAの0.34kb PvuII−BstPI断片で置 換し
た。このプラスミドよりキメラVFHゲノム遺伝子を含む
2.1kb EcoRI断片を調製した。一方、ヒト形質芽細
胞ARH77より取得したヒトCγ1遺伝子とヒト重鎖
エンハンサーを含むEcoRI断片をMluIで切断し、T4
ポリメラーゼで末端平滑化した。この断片にEcoRIリ
ンカーを結合後、EcoRI−BamHIで切断し13kb断
片を取得し、この断片をpSV2−gptベクターのEcoR
I−BamHIサイトに挿入した。得られたプラスミドを
EcoRIで切断後、上記のキメラVFHゲノム遺伝子Eco
RI断片を挿入し、VFHとhCγ1とが同方向に結合した
ものを選び、キメラ重鎖発現用ベクターpSV2−hFH
を構築した。構築図は〔図8〕,〔図9〕に示す通りで
あった。
【0040】実施例3 キメラ抗ヒトフィブ リン抗体の
作製 (1)遺伝子の導入と形質転換細胞株の選択 実施例1および2でそれぞれ構築したベクターpSV2
hFKとpSV2−hFHとを、電気穿孔法を用いて同時にマ
ウス骨髄腫細胞株X63.Ag8.653へ導入した。す
なわち、細胞をPBSで1回洗浄後、1×10個/ml
の濃度でPBSに懸濁した。この懸濁液0.5mlにプラ
スミドDNA(pSV2−hFKとpSV2-hFH)各20μg
を添加し、ジーンパルサーTM(バイオ・ラッド社)を用
いて電気パルスを加えた。氷冷下10分放置後、10%
FCSを含む培地を加え培養した。形質転換細胞株はミ
コフェノール酸6.5μg/mlおよびジエネティシン(G
418)(シグマ社販売;以下G418と略記する)
1.0mg/ml含有培地を用いて選択した。 (2)キメラ抗体産生細胞のクローニング 上記選択培地中で増殖を示した13ウエルの培養上清を
参考例11のヒトIgG抗体測定用EIAに供したとこ
ろ1ウエルの培養上清中に、ヒト免疫グロブリン定常領
域を持つ抗体が検出された。また同時にこの培養上清を
参考例1に記載のHRP標識抗ヒトIgG抗体を用いる
EIAに供したところ、抗ヒトフィブリン抗体活性をも
示し、目的の抗フィブリン活性をもつキメラ抗体産生細
胞であることが判明した。そこで限界希釈法によるクロ
ーニングを実施し、クローン化された細胞の培養上清を
同様のEIAのスクリーニングに供して、ヒトフィブリ
ン結合能の強い抗体を安定的に産生するクローンマウス
−ヒトキメラ抗体産生細胞FIB1−HO1/X63を
取得した。 (3)キメラ抗体産生細胞の性状 FIB1−HO1/X63細胞を2×104個/mlの濃
度で播種し、経時的に増殖細胞数および培養上清中の抗
体量を測定した。抗体量は参考例11に記載のヤギ抗ヒ
トIgG抗体感作マイクロプレートを用いるEIAで測
定した。得られた結果は〔図10〕に示された通りであ
った。細胞の倍加時間は約1日(24時間),抗体産生
量は約2μg/mlであった。
【0041】(4)キメラ抗体の性状 FIB1−HO1/X63細胞の産生するキメラ抗体
を、参考例2に記載のマウス・ハイブリドーマFIB1
−11の産生する抗ヒトフィブリンマウス抗体と比較し
た。すなわち、両抗体(最終濃度50ng/ml)を種々の
濃度の参考例2−(1)に記載のペプチド−BSA複合
体と室温で1時間反応させ、次いでこれらの反応混液を
参考例1に記載のEIAに供した。得られた結果は〔図
11〕に示された通りであった。抗フィブリン抗体のフ
ィブリン・モノマー感作プレートへの結合を50%阻止
するために必要なペプチド−BSA複合体濃度は、キメ
ラ抗体FIB1−HO1/X63で3.2ng/ml、マウ
ス抗体FIB1−11で4.6ng/mlであった。これら
の結果から、キメラ抗体は元のマウス抗体とほぼ同等の
フィブリン親和性を有することが判明した。 (5)キメラ抗体の精製 予め鉱油0.5mlを腹腔内投与したハイブリッド・ヌー
ドマウス(Jcl:AF−nu)に107個/マウスのキメ
ラ抗体産生細胞FIB1−HO1/X63を腹腔内接種
した。約10〜20日後に貯溜がみられた腹水を20ml
採取し、さらに50%飽和硫酸アンモニウムで塩析して
IgG画分を得た。次いで20mM PBS(pH7.5)
で透析後、フィブリン結合セルロファインカラムに供
し、pH2.9の0.2Mグリシン・塩酸緩衝液で溶出し
た。酸溶出画分をPBSで透析することにより、マウス
−ヒト・キメラ抗フィブリン特異抗体を得た。腹水10
mlより約12mgのマウス−ヒト・キメラ抗フィブリン特
異抗体を取得した。
【0042】実施例4 マウス−ヒト・キ メラ抗ヒトフ
ィブリン抗体cDNA発現用ベクター pTB1387)
の作製 (1)マウス−ヒト・キメラ抗 体軽鎖cDNAの取得 実施例3で得られたキメラ抗フィブリン抗体産生形質転
換細胞FIB1−HO1/X63より、First TruckTM
mRNA Isolation Kit (In Vitrogen社)を用いてpoly
(A)+ −RNAを調製した。このpoly(A)+ −RNAを鋳
型として、Oligo-dT(ファルマシア社)プライマーを
第一鎖cDNA合成用プライマーに、3’Eκプライマ
ーと5’CκプライマーとをPCR用プライマーに用
い、ヒトCκcDNAをクローニングした。すなわち、p
oly(A)+ −RNA1μgとOligo−dTプライマー10pM
とを含む11μlの反応液を、 70℃で10分間処理し
たのち、室温に戻した。この反応液にTris−HCl(p
H8.3)、MgCl2、KCl、DTT、および4種のdN
TPをそれぞれ最終濃度100mM、10mM、140m
M、10mM、0.5mMとなるように加え、最終液量を
20μlとし、さらに逆転写酵素[MMTV−RT(Mol
oney Murin T Cell Leukemia Virus RNase Reverse Tra
nscrittase)200u/μl、BRL社]1μlを添加し
45℃で1時間インキュベートした。この反応液4μl
と、5’Cκプライマー25pmol、3’Eκプライマー
25pmol、dNTP各200μM、Tris−HCl(pH
8.3)10mM、MgCl2 1.5mM、KCl 50mM
およびゼラチン0.01%とを含む反応液50μlに、さ
らに2unitsのTaq DNAポリメラーゼ(シータス・キ
ット)を加え流動パラフィンを上層した後、PCRを実
施した。温度サイクルは95℃で1分、52℃で2分、
72℃で3分を各々30サイクル反応させた。反応後サ
ンプルを5%−PAGEに供して約0.33kbの増幅D
NA断片を単離し、さらにSmaIで切断したプラスミド
pUC119(タカラ酒造)と結合させることによりC
κ cDNAを含むベクターpTB1394を取得した。
上記と同様の手法を用いて、第一鎖合成用プライマーと
して3’Eκプライマーを、PCR用プライマーとして
5’Lκプライマーと3’Cκプライマーとを用いるこ
とにより、抗フィブリンVκ cDNAC3’末端にBcl
Iサイトを有するもの(以下、Vκvと略記することが
ある)を増幅した。また、第一鎖合成用プライマーとし
て3’Eκプライマーを、PCR用プライマーとして
5’mVκプライマーと3’mVκプライマーとを用いる
ことにより、抗フィブリンVκ cDNA(3’末端にB
glIIサイトを有するもの;以下、Vκ−FIBと略記す
ることがある)を増幅した。さらに、第一鎖合成用プラ
イマーとして3’Cκプライマーを、PCR用プライマ
ーとして5’Sκプライマーと3’Lκプライマーとを
用いることにより、リーダー配列cDNA(以下、Lκ
と略記することがある)を増幅した。各々の増幅遺伝子
断片(Lκ:0.07kb,Vκv:0.35kb,Vκ−F
IB:0.35kb)を単離したのち、SmaIで切断したp
UC119に結合させることにより、それぞれLκ、V
κvおよびVκ−FIBを含むプラスミドpTB139
1,pTB1392およびpTB1393を取得した。得
られたcDNA断片の塩基配列を確認後、Lκ、Vκお
よびCκを順方向に連結することにより、キメラκ鎖c
DNA全長を含むプラスミドpTB1427を取得した
〔図12〕,〔図13〕。
【0043】すなわち、pTB1391を制限酵素Pst
IとMluIとで消化後、Lκ cDNAを含む0.1kbの
DNA断片を単離した。同様にpTB1392をSplI
とMluIとで消化後、Vκv cDNAを含む0.35kbの
DNA断片を単離した。一方、Cκ cDNAを含むpT
B1394をSplIとPstIとで切断後、先に調製した
0.07kb PstI−MluI断片と0.35kb SplI−M
luI断片とを加え、同時に結合することにより、キメラ
抗体κ鎖open reading frame 全長(Lκ,Vκ,Cκ
が正しい方向で連結されたもの:以下、Igkvと略記す
ることがある)を含むプラスミドpTB1427を取得
した。ここで用いたVκv cDNAは、PCRで増幅し
たVκ cDNA遺伝子をクローニングするための制限酵
素部位としてBclI サイトを含んでいるが、このサイ
トを導入したために1アミノ酸の置換(Glu 130→Val
130)を生じている。そこで、このアミノ酸の置換を修
正するために以下の操作を実施した。すなわち、pUC
119をPvuIIで切断後、pEcoRIリンカー(GGAATTC
C,タカラ酒造)を連結し、さらにEcoRIで切断後、
2.8kbの断片を単離した。このDNA断片と、pTB1
427より単離したIgkv cDNAを含む0.73kb Ec
oRI断片とを結合することにより、pTB1405プラ
スミドを構築した。pTB1405プラスミドをBclI
とPvuIIとで切断後、pTB1393より単離したVκ
−FIB cDNAを含む0.33kb PvuII−BglII断
片を結合することにより、元のVal 130→Glu 130に修
正されたキメラκ鎖cDNA遺伝子(Igk−FIB)を
含むプラスミドpTB1410を取得した。
【0044】pTB1427に含まれるキメラκ鎖cDN
Aの全塩基配列を〔図14〕,〔図15〕に示す。ま
た、本実験に用いたプライマーの塩基配列を下記する。 5'SK 5'-AGAATTCCGCC ATG ATG AGT CCT GCC CAG TTC CTG-3'〔配列番号28] 3'LK 5'-C ACG CGT TTC CCG AAT CCA GAG CAC TAA-3' 〔配列番号27〕 5'LK 5'-A ACG CGT GGT GAT ATT CAG CTG GCC CAG ACT CCA CTFC ACT-3' 〔配列番号26〕 3'CK 5'-C CGT ACG TTT GAT CAC CAG CTT GGT CCC CCC TCC GAA-3' 〔配列番号25〕 5'CK 5'-A CGT ACG GTG GCT GCA CCA TCT GTC T-3' 〔配列番号24〕 3'EK 5'-AGAATT CTA ACA CTC TCC GCG GTT GAA GCT CTT TGT GAC-3' 〔配列番号23〕 3'mVK. 5'-G TTA GAT CTC CAG CTT GGT CCC-3' 〔配列番号40〕
【化1】 (2)マウス−ヒト・キメラ抗体重鎖cDNAの取得 上記(1)と同様の手法を用いて、マウス−ヒト・キメ
ラ抗ヒトフィブリン重鎖cDNA open reading frame
全長を含むプラスミドpTB1373を取得した。すな
わち、上記(1)で調製したFIB1−HO1/X63
細胞のpoly(A)+−RNAを鋳型とし、Oligo−dTプライ
マーを第一鎖cDNA合成用プライマーに、5'C2Hプ
ライマーと3'EHプライマーとをPCR用プライマー
に用いて、ヒトγ1鎖CH2−CH3ドメインをコードするcD
NA(以下、CH2CH3と略記することがある)を増幅し
た。同様に第一鎖cDNA合成用プライマーとして各々
3'EH,3'C2Hおよび3'C1Hプライマーを、P
CR用プライマーとして5'C1Hと3'C2H、5'L
Hと3'C1Hおよび5'SHと3'LHの組合わせを用
いることにより、ヒトγ1鎖CH1ドメインをコードす
るcDNA(以下、CH1と略記することがある)、抗フ
ィブリン抗体VH cDNA(以下、VH−FIBと略記す
ることがある)およびリーダーペプチド cDNA(以
下、LHと略記することがある)を増幅した。各々の増幅
遺伝子断片(LH:0.08kb,VH−FIB:0.35k
b,CH1:0.33kb,CH2CH3:0.67kb)を
単離後、SmaIで切断したpUC119に結合させるこ
とにより、各々LH,VH−FIB,CH1あるいはCH
2CH3を含むプラスミドpTB1386,pTB138
9,pTB1388およびpTB1390を取得した。得
られたcDNA断片の塩基配列を確認後、LH,VH,C
H1およびCH2CH3を順方向に連結した〔図1
6〕,〔図17〕。
【0045】すなわち、pTB1388を制限酵素Hin
d IIIとXhoIとで消化後、CH1を含む0.33kbのD
NA断片を単離した。一方、VH−FIB1を含むプラ
スミドpTB1389をHind IIIとXhoIとで消化後、
先に調製した0.33kbのCH1断片と結合することに
より、VH−FIB1とCH1 cDNAが正方向に連結
したプラスミドpTB1371を得た。同様にこのpTB
1371を制限酵素EcoRIとSpeIとで消化後、プラ
スミドpTB1386より単離されたLH cDNAをコー
ドする0.08kbのEcoRI−SpeI断片と結合するこ
とにより、LH,VH−FIB1とCH1 cDNAとが正
方向に連結したプラスミドpTB1372を得た。さら
に、このpTB1372プラスミドよりLH,VHおよび
CH1 cDNAを含む0.74kbのEcoRI−PmaCI
断片を、またpTB1390プラスミドよりCH2CH
3 cDNAを含む0.67kbのEcoRI−PmaCI断片
を単離し、これら2つの断片を同時にpUC119のEc
oRI消化物と結合することにより、キメラH鎖遺伝子
全長(LH,VH,CH1,CH2CH3:以下、IgH
−FIBと略記することがある)をコードするpTB1
373を取得した。pTB1373に含まれるキメラH
鎖cDNAの全塩基配列を〔図18〕,〔図19〕,
〔図20〕および〔図21〕に示す。また、用いたプラ
イマーの塩基配列を下記する。 5'SH 5'-TGAATTCCACC ATG GAC TCC AGG CTC AAT-3' 〔配列番号36〕 3'LH 5'-CAC TAG TTG CAC CTC ACA GTC GAC ACC TTT TAA AAT AAG-3' 〔配列番号35〕 5'LH 5'-CAA CTA GTG GAG TCG GGG GGA GGC TTA GTG-3' 〔配列番号34〕 3'C1H 5'-ACT CGA GAC GGT GAC CAG GGT CCC TT-3' 〔配列番号33〕 5'C1H 5'-TC TCG AGT GCT AGC ACC AAG GGC CCA TCG GTC TTC-3' 〔配列番号32〕 3'C2H 5'-GCA CGT GTG AGT TTT GTC ACA AGA T-3' 〔配列番号31〕 5'C2H 5'-AC ACG TGT CCA CCG TGC CCG GCG CCT GAA CTC CTG GGG-3' 〔配列番号29〕 3'EH 5'-CGAATTCA TTT ACC CGG GGA CAG GGA GAG GCT-3' 〔配列番号30〕
【0046】(3)マウス−ヒト・キメラ抗ヒトフィブ
リン抗体cDNA発現用ベクターpTB1387の構築 上記(1)および(2)で構築したpTB1373およ
びpTB1410からそれぞれIgH−FIBを含む1.
4kbのEcoRI断片およびIgK−FIBを含む0.73
kb EcoRI断片を単離し、EcoRIで切断した動物細
胞発現用ベクターpCDL−SRα296と結合させる
ことにより各々キメラ抗体H鎖発現用ベクターpTB1
374およびキメラ抗体κ鎖発現用ベクターpTB14
11を構築した〔図22〕。なお本実験で用いたpCD
L−SRα296は、cDNAを動物細胞を発現させる
ために作製されたベクターであり、SRαプロモーター
(SV40初期プロモーター、SV40複製起点、HT
LV(I)LTRの部分(RおよびU5の一部)および
SV40後期領域イントロンより成る)およびSV40
後期poly A付加シグナル(poly Aと略記することがあ
る)を有している。このSRαプロモーターとpoly A
の間に存在するEcoRI部位に挿入することによりcD
NAを効率よく発現させることができる[Takabe ら:
モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Mol.
Cell. Biol.)Vol.8,p466−472(198
8)]。次にマウス−ヒト・キメラH鎖とマウス−ヒト
・キメラκ鎖および動物細胞選択マーカー遺伝子(Eco
−gpt)を同時に発現できるベクターpTB1387を構
築した〔図23〕,〔図24〕および〔図25〕。すな
わち、pHSG396(タカラ酒造)を制限酵素HindII
I−SacIで切断し、T4 ポリメラーゼ で末端平滑化
後、マルチクローニングサイトを含む0.06kbのDN
A断片を単離した。pCU118(タカラ酒造)をPvuI
Iで切断し2.8kbの断片を単離後、上記のマルチクロー
ニングサイトを含む0.06kb断片と結合することによ
りpTB1379を構築した。一方、pMAM(クローン
テック社)をBamHIで切断しT4ポリメラーゼで末端
平滑化後、pClaIリンカー(CATCGATG:タカラ酒造)
を連結し、さらにClaIで切断後、E.coli gpt を含む
2.25kbの断片を単離した。この2.25kb E.coli gp
t 断片を、ClaIで切断したpTB1379と結合する
ことにより、E.coli gpt を含むプラスミドpTB137
5を取得した。
【0047】次にpTB1411をSalI−ScaIで切
断しT4 ポリメラーゼ で末端平滑化後、SRαプロモ
ーター・IgK−FIB・poly A部位を含む2.4kbの
断片を単離した。このDNA断片をpTB1375をXh
oIで切断し、T4ポリメラーゼ で末端平滑化した断片
と結合させることにより、pTB1425を構築した。
さらに、pTB1374をまずScaIで切断し、SalI
で部分分解後、T4ポリメラーゼで末端平滑化してSR
αプロモーター・IgH−FIB・poly A部位を含む
3.01kbのDNA断片を単離した。このDNA断片と
上記pTB1425をXbaIで切断しT4ポリメラーゼ
で末端平滑化した断片とを結合することにより、IgK
−FIB,IgH−FIBおよびE.coli gptを同時に発
現しうるベクターpTB1387を取得した。 (4)マウス−ヒト・キメラ抗ヒトフィブリン抗体の作
上記(3)で構築したpTB1387を、電気穿孔法を
用いてマウス・ハイブリドーマSP2/0細胞へ導入し
た。形質転換細胞株はミコフェノール酸6.5μg/ml含
有培地を用いて選択した。増殖を示した31ウエルの培
養上清を参考例1に記載の抗フィブリン−キメラ抗体測
定用EIAに供した結果、7ウエルに抗フィブリン活性
が検出された。このようにして取得されたキメラ抗フィ
ブリン抗体産生形質転換細胞株(SS/S−3)は15
0ng/mlの抗体を産生した。
【0048】実施例5 マウス−ヒト・キメ ラ抗UK抗
体発現用ベクターの構築 (1)クローニング用ベクターの構築 PCRで増幅した抗体VH遺伝子およびVK遺伝子をクロ
ーニングするためのベクターpTB1420およびpTB
1423を構築した〔図26〕,〔図27〕および。
〔図28〕 まず、実施例4で作成したpTB1374をSalI−Xh
oIで切断しT4ポリメラーゼで末端平滑化後、転写タ
ーミネーターとpolyA部位とを含む0.48kbのDNA
断片を単離した。このDNA断片と実施例4で作成した
pTB1379をXbaI−BamHIで消化後、T4ポリメ
ラーゼで末端平滑化して得られる2.9kb断片とを結合
することにより、pTB1415を構築した。次に、pT
B1374をClaI−XhoIで切断しT4ポリメラーゼ
で末端平滑化後、得られる0.64kbと0.17kbのDN
A断片を回収した。一方でpTB1415をXhoIで切
断し、T4ポリメラーゼで末端平滑化したのち、先に調
製した0.64kbおよび0.17kbのDNA断片を同時に
結合させ、0.64kb断片および0.17kb断片がpoly
A部位に対して正しい方向に並んだプラスミドpTB1
417を得た。pTB1417においては、SRαプロ
モーター内部とpoly A部位上流に存在したXhoI部位
が消去されている(以下、SRα'−プロモーターと称
する)。次に、実施例4で構築したpTB1373およ
びpTB1427をEcoRIで切断し、それぞれ1.4kb
のIgH−FIBを含むEcoRI断片および0.7kbのI
gkvを含むEcoRI断片を単離した。pTB1417をS
alIで切断しT4ポリメラーゼで切断後、pEcoRIリ
ンカー(GGAATTCC:タカラ酒造)を結合した。さらにE
coRIで切断して得られる断片と、先に調製した1.4k
bのIgH−FIBのEcoRI断片あるいは0.7kbのIg
kv EcoRI断片とを各々プロモーターに対して順方向
に結合することにより、VH遺伝子クローニング用ベク
ターpTB1420およびVK遺伝子クローニング用ベク
ターpTB1421を構築した。VK遺伝子クローニング
用ベクターとしては、さらにpTB1421をHindIII
−ClaIで切断し、T4 ポリメラーゼで末端平滑化
後、pXbaIリンカー(CTCTAGAG:タカラ酒造)を結合
させた。次にXbaIで切断後、SRα'−プロモーター
・Igkv・poly A部位を含む2kbの断片を単離した。こ
の2kb断片をpTB1375のXbaI部位に挿入するこ
とによりpTB1423を得た。
【0049】(2)抗UK抗体軽鎖可変部領域cDNA
の取得 参考例9で得られたマウス抗UK抗体産生ハイブリドー
マUK1−3細胞より、First TruckTM mRNA Isolat
ion Kit (In Vitrogen社)を用いてpoly(A)+−RNAを
調製した。このpoly(A)+ −RNAを鋳型として、mCκ
プライマーを第一鎖cDNA合成用プライマーに、実施
例4−(1)に記載の3'mVκプライマーと5'mVκプラ
イマーとをPCR用プライマーに用いることにより、実
施例4と同様の手法を用いて、抗UK抗体VK cDNA
(以下、VKUKと略記することがある)を増幅した。こ
の増幅断片を制限酵素PvuII−BglIIで切断後、上記
(1)で作製したpTB1423ベクターの6.6kb Pv
uII−BclI断片と結合することにより、抗UK抗体VK
cDNAを含むプラスミドpTB1456を取得した。p
TB1456にコードされるcDNAの塩基配列を決定
したところ、機能的なVK遺伝子であることが確認され
た。〔図29〕〔配列番号22〕にその塩基配列を示
す。また、用いたプライマーの塩基配列を下記する。 mCγ1 5'−CAGGGGCCAGTGGATAGAC−3'〔配列番号4
3〕
【0050】(3)抗UK抗体可変部重鎖領域cDNA
の取得 上記(2)で調製したUK1−3細胞poly(A)+−RN
Aを鋳型とし、mCγ1プライマーを第一鎖cDNA合成
用プライマーに、3'mVH 2プライマーと5'mVHiプライ
マーとをPCR用プライマーに用いることにより、実施
例4−(1)と同様の手法で抗UK抗体VH cDNA
(以下、VHUKと略記することがある)を増幅した。
約0.36kbの増幅VHUK断片を単離後、このDNA断
片40pgを鋳型とし、VH01プライマーとJH01プラ
イマーとを用いたPCRを行ない、約0.37kbの増幅
HUK断片を単離した。このDNA断片をSalI−Nh
eIで切断後、pTB1420の6.6kb SalI−NheI
断片と結合することによりVHUKを含むプラスミドpT
B1455を取得した。pTB1455にコードされるc
DNAの塩基配列を決定したところ、機能的なVH遺伝
子であることが確認された〔図30〕〔配列番号2
1〕。また、上記(2)で取得されたpTB1456とp
TB1455とをDEAE−デキストラン法(DEAE
−dextran法)[Nigel Whittleら:Protein Engineerin
g, Vol.1 No.6,499−505(1987)]を用
いてCOS細胞に同時に導入した。すなわち、COS細
胞を5%FCSを含むダルベッコ・モディファイド・イ
ーグル培地(以下、DMEMと略すことがある)に懸濁
し、直径6cmの組織培養用ディシュに6×105個とな
るように播種した。37℃で一晩培養後、培地を交換
し、2時間培養後プラスミドDNA(pTB1456とp
TB1455)各1μgを含む10mg/ml DEAE−デ
キストラン(ファルマシア社製)溶液100μlと10
0mMクロロキン溶液2μlとを滴下し、37℃でさらに
2〜4時間培養した。培養液を除去し、10%ジメチル
スルホキシド(以下、DMSOと略すことがある)を含
むPBS 2mlを加え2分間室温で放置後PBSで細胞
を洗浄し、5%FCSを含むDMEM培地2mlを加え3
7℃で培養した。3日後の培養上清を参考例6に記載の
HRP標識抗ヒトIgG抗体を用いるキメラ抗UK抗体
測定用EIAに供したところ、抗UK抗体活性を示し、
pTB1455とpTB1456とがそれぞれ目的の抗U
K活性を有するVHおよびVK遺伝子を含んでいることが
判明した。用いたプライマーの塩基配列を下記した。 mCK-1 5'-CATTTTGTCGTTCACTGCCATC-3' 〔配列番号44〕 5'mVHi 5'-AT GTG CAA CTA GTG GAG TCG GG-3' 〔配列番号37〕 3'mVH2 5'-ATTAACT CGA GAC GGT GAC CGT GGT CCC TTG GCC CCA-3' 〔配列番号38〕 VH01. 5'-TC GTC GAC TGT GAG GTG CAA CTA GTG GAG-3' 〔配列番号41〕 JH01. 5'-TC GCT AGC ACT CGA GAC GGT GAC CG-3' 〔配列番号42〕
【0051】(4)マウス−ヒト・キメラ抗UK抗体発
現用ベクター (pTB1458)の構 プラスミドpMAM−neo(クローンテック社)をBamH
Iで切断しT4ポリメラーゼで末端平滑化後、ネオマイ
シン耐性遺伝子を含む2.7kbのDNA断片を単離し
た。この2.7kb断片と上記(3)で取得したpTB14
55をHindIIIで切断後、T4ポリメラーゼで末端平滑
化して得られるDNA断片とを結合することにより、p
TB1457を構築した。次に、上記(2)で取得した
pTB1456をXbaIで切断しT4ポリメラーゼで末
端平滑化後、キメラκ鎖cDNAを含む2.0kbの断片を
単離した。この2.0kb断片と、pTB1457をClaI
で消化後T4ポリメラーゼで末端平滑化して得られるD
NA断片とを結合することにより、pTB1458を取
得した。pTB1458はキメラ抗ヒトUK重鎖、キメ
ラ抗ヒトUK軽鎖およびネオマイシン耐性遺伝子を同時
に発現しうるベクターである。以上の操作は〔図31〕
に示した通りである。 (5)マウス−ヒト・キメラ抗ヒトUK抗体の作製 上記(4)で構築したpTB1458を電気穿孔法を用
いてマウス・ハイブリドーマSP2/0細胞へ導入し
た。形質転換体はG418 1mg/ml含有培地を用いて
選択した。増殖を示した72ウエルの培養上清を、参考
例6に記載のHRP標識抗ヒトIgG抗体を用いるキメ
ラ抗UK抗体測定用EIAに供したところ、全ウエルに
抗UK抗体活性が検出され、目的のキメラ抗UK抗体産
生細胞であることが判明した。そこで限界希釈法による
クローニングを実施し、クローン化された細胞の培養上
清を同様のEIAのスクリーニングに供して、ヒトUK
結合能の強い抗体を安定的に産生するマウス−ヒト・キ
メラ抗体産生細胞クローンSU/S−9.21を取得し
た。 (6)キメラ抗体産生細胞の性状 SU/S−9.21細胞を1×105個/mlの濃度で播種
し、経時的に培養上清中の抗体量を測定した。抗体量は
ヤギ抗ヒトIgG抗体感作マイクロプレートを用いるE
IAで測定した。得られた結果は〔図32〕に示される
通りであった。抗体産生量は約18μg/mlであった。
【0052】実施例6 マウス−ヒト・キメ ラ抗ヒトフ
ィブリン−抗ヒトUK二重特異性抗体の作製(1) (1)遺伝子の導入と形質転換細胞株の選択 実施例5で構築したベクターpTB1458を、実施例
4で取得したマウス−ヒト・キメラ抗フィブリン抗体産
生形質転換細胞株SS/S−3へ電気穿孔法を用いて導
入した。新たな形質転換細胞株はミコフェノール酸6.
5μg/mlおよびG418 1.0mg/ml含有培地を用い
て選択した。上記培地中で増殖を示した48ウエルの培
養上清を、参考例7に記載の抗フィブリン−抗UK二重
特異性抗体測定用EIAに供したところ、17ウエルに
二重特異性抗体活性が検出された。そこで二重特異性抗
体活性の強いウエルについて限界希釈法によるクローニ
ングを実施し、クローン化された細胞の培養上清を同様
のEIAのスクリーニングに供して、二重特異性抗体を
安定的に産生するマウス−ヒト・キメラ二重特異性抗体
産生細胞クローンSUSF/S−8.4を取得した。 (2)キメラ二重特異性抗体産生細胞の性状 SUSF/S−8.4細胞を1×106個/mlの濃度で播
種し、24時間後の培養上清中の二重特異性抗体活性を
参考例7に記載のEIAで測定した。得られた結果を
〔図33〕に示した。
【0053】実施例7 マウス−ヒト・キメ ラ抗ヒトフ
ィブリン−抗UK二重特異性抗体の作製(2) (1)キメラ抗フィブリン抗体のマレイミド化 実施例3−(5)で取得したキメラ抗フィブリン抗体F
IB1−HO1/X6310mgを5mM酢酸緩衝液(pH
5.0)2mlに溶解後、2倍モルのN−(ε−マレイミ
ドカプロイロキシ)スクシミドエステルのジメチルホル
ムアミド溶液50μlを添加し30℃で20分間反応さ
せた。反応混液を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で
平衡化したセファデックスG−25カラムに供し結合試
薬を除去した。 (2)キメラ抗UK抗体スルフヒドリル化 実施例5−(5)で取得したキメラ抗UK抗体産生細胞
SU/S−9.21を実施例3−(5)に記載の方法に
従い腹水化した。得られた精製抗体10mgを2mlの0.
05M PBS(pH7.3)に溶解後、2倍モルのSP
DPメタノール溶液50μlを添加した。30℃で30
分間反応後、0.1M DTT水溶液50μlを添加し還
元後、(1)に記載のセファデックスG−25カラムに
供して過剰の試薬を除去した。 (3)キメラ二重特異性抗体の作製 (1)で得たマレイミド化抗フィブリン抗体8mgに、
(2)で作製したスルフヒドリル化抗UK抗体8mgを氷
冷下撹拌しながらゆっくりと添加し、一夜反応させた。
反応混液をセファクリルS−200カラムに供し、未反
応の抗体を化学結合二重特異性抗体から分離除去した結
果、約7mgのキメラ抗ヒト・フィブリン抗UK二重特異
性抗体を取得した。 (4)二重特異性抗体の結合能 (3)で作製した二重特異性抗体を参考例3に記載のE
IAに供したところ、実施例6−(2)記載のキメラ二
重特異性抗体と同様にヒト・フィブリンおよびProUK
の両者に強い結合能を示した。
【0054】実施例8 ProUKフィブリン溶解能の増
強(1) 公知の方法[D. Collenら:スロンボーシス・アンド・
ヘモスターシス(Thromb.Haemostasis).45,225
(1981)]に従い、血漿凝塊溶解試験(plasma clo
t lysis assay)を実施した。すなわち、一定量のPro
UK(最終濃度250ng/ml)に実施例6−(1)で取
得したキメラ二重特異性抗体産生細胞SUSF/S−
8.4を実施例3−(5)に記載の方法に従い腹水化
後、培養して得られたキメラ二重特異性抗体を種々の濃
度で添加し、室温で20分間反応させた。このProUK
−抗体混液にヒト血漿を添加し、次いでヒトトロンビン
を最終濃度1.0U/mlとなるように加えて血漿を凝固
させた。溶解度分析計(Euglobulin lysis analyzer
“ELT-6"Mebanix Co.)を用いて血漿の濁度を経時的に
観察し、溶解に要する時間を測定した。得られた結果は
〔図34〕に示した通りであった。ProUKへのキメラ
二重特異性抗体SUSF/S−8.4(●)の添加によ
り血漿溶解能は増強され、モル比1:1でほぼプラトー
となった。このProUKの溶解能増強効果は元のマウス
二重特異性抗体FU1−74(○)とほぼ同等の強い活
性を示した。
【0055】実施例9 ProUKフィブリン溶解能の増
強(2) (1)125I標識プラズマ塊の作製 市販の125I標識ヒトフィブリノーゲン(10μg/10
μl:室町化学工業販売)をヒト血漿600μlに加えた
のち、ウシトロンビン(1U/100μl)を添加し迅
速に撹拌した。10%Tween80で処理したカテーテル
に吸い上げ室温で1 分間放置後、さらに37℃で30
分間インキュベートした。得られたプラズマ塊を生理食
塩水を入れたシャーレに押し出し、メスで1cm間隔に切
断し、各切片の放射活性をγ−カウンターで測定した。 (2)ハムスター肺動脈塞栓モデル実験 ハムスター(体重80−100g)にペントバルビター
ル(6mg/0.3ml)を腹腔内投与後、大腿静脈に採血
用カテーテルを挿入した。次に(1)で作製した125
標識プラズマ塊をカテーテルに吸い上げ頚静脈から注入
後、サンプル投与用カテーテルを挿入した。頚静脈から
NaI(0.2mg/0.1ml)とヘパリン(100U/0.
1ml)とを投与後、さらにProUKもしくはProUKに
2倍モルの キメラ二重特異性抗体を添加した免疫複合
体350μlを投与した。室温で90 分間放置後採血
(1ml)し、さらに胸部を開き、右肺、左肺および心臓
を摘出し、それぞれの臓器の放射活性をγ−カウンター
で測定した。投与した全放射活性量に対する3つの臓器
における残存放射活性量の割合から、プラズマ塊の溶解
率を測定した。得られた結果は〔図35〕に示した通り
であった。
【0056】
【配列表】
配列番号(SEQ ID NO):1 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):16 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列: Thr Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asp Ser Asp Gly Lys Thr Tyr Leu Asn 1 5 10 15
【0057】配列番号(SEQ ID NO):2 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):7 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11
【0058】配列番号(SEQ ID NO):3 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):8 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11
【0059】配列番号(SEQ ID NO):4 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):5 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acidトポロジ -(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11
【0060】配列番号(SEQ ID NO):5 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):16 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列: Ser Ile Ser Val Gly Gly Thr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Met Lys Gly 1 5 10 15
【0061】配列番号(SEQ ID NO):6 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):9 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11
【0062】配列番号(SEQ ID NO):7 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):112 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):protein 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列: Asp Val Val Met Ala Gln Thr Pro Leu Thr Leu Ser Val Thr Ile Gly 1 5 10 15 Gln Pro Ala Phe Ile Ser Cys Thr Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asp Ser 20 25 30 Asp Gly Lys Thr Tyr Leu Asn Trp Leu Leu Gln Arg Pro Gly Gln Ser 35 40 45 Pro Lys Arg Leu Ile Tyr Leu Val Ser Lys Leu Tyr Ser Gly Val Pro 50 55 60 Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ala Phe Thr Leu Lys Ile 65 70 75 80 Asn Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Tyr Cys Trp Gln Gly 85 90 95 Ile His Phe Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys 100 105 110
【0063】配列番号(SEQ ID NO):8 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):115 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):protein 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列: Asp Val Gln Leu Trp Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Lys Pro Gly Gly 1 5 10 15 Ser Leu Lys Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr 20 25 30 Asp Met Ser Trp Val Arg Gln Thr Pro Glu Arg Arg Leu Glu Trp Val 35 40 45 Ala Ser Ile Ser Val Gly Gly Thr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Met Lys 50 55 60 Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Arg Asn Ile Leu Tyr Leu 65 70 75 80 Gln Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys Gly 85 90 95 Asn Phe Ala Asp Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr 100 105 110 Val Ser Ser 115
【0064】配列番号(SEQ ID NO):9 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):22 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: AGGTGCAGCT GKKGSAGTCK GG 22
【0065】配列番号(SEQ ID NO):10 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):34 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: TGAGGAGACG GTGACCAGGG TCCCTTGGCC CCAG 34
【0066】配列番号(SEQ ID NO):11 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):973 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):double トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):Genomic
DNA 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列の特徴(FEATURE)1..152 S intron 1202..602 S intron 2951..973 S intron 3153..613 S sig peptide614..949 S mat peptide 配列: GCCCACATAA CTGCCCCTTC TTTGTATACT GTTATACTGT CCAGAACATT TGCATATTGT 60 TCCCTGGGAA ATCTTTGCCC TGTTGGCCTG AGATAAAACC TCAAGTGTCC TCTTGCCTCC 120 ACTGATCACT CTCCTATGTT CATTTCCTCA AA ATG ATG AGT CCT GCC CAG TTC CTG 176 Met Met Ser Pro Ala Gln Phe Leu -20 -15 TTT CTG TTA GTG CTC TGG ATT CGG GGTAAGGAGT TCTGGAATGG GAGGGATGAG 230 Phe Leu Leu Val Leu Trp Ile Arg -IO -5 AATGGGGATG GAGGGTGATC TCTGGATGCC TATGTGTGCT GTTTATTTGT GGTGGGGCAG 290 GTCATATCTT CTAGGATGTG AGGTTTTGTT ACATCCTAAT GAGATATTCC AGATGGAACA 350 GTAGGTGTAC TGAGATCAAT ATTCTGACAT AGATTGGATG GAGTGGTGTA GACTCTGATG 410 ATTAGAGCCT TCAACATTTG TTTCATGACA AAATATTTGA TATATAATAT TTTTAAATCT 470 GAAAAACTGG TAGGATCTTA CTTGAAGGAA TACCATTTTC GAGTAAGATT TCAAGAAGAT 530 TTTCAAGTAG ATTTCACAAA GGTTACTCAG GACCTTTGCA CATGATTTTC CACTATTCTA 590 TTGTCATTTC AG AA ACC AAC GGT GAT GTT GTG ATG GCC CAG ACT CCA CTC 640 Glu Thr Asn Gly Asp Val Val Met Ala Gln Thr Pro Leu 1 5 ACT TTG TCG GTT ACC ATT GGA CAA CCA GCC TTC ATC TCT TGC ACG TCA 688 Thr Leu Ser Val Thr Ile Gly Gln Pro Ala Phe Ile Ser Cys Thr Ser 10 15 20 25 AGT CAG AGC CTC TTA GAT AGT GAT GGA AAG ACA TAT TTG AAT TGG TTG 736 Ser Gln Ser Leu Leu Asp Ser Asp Gly Lys Thr Tyr Leu Asn Trp Leu 30 35 40 TTA CAG AGG CCA GGC CAG TCT CCA AAG CGC CTA ATC TAT CTG GTG TCT 784 Leu Gln Arg Pro Gly Gln Ser Pro Lys Arg Leu Ile Tyr Leu Val Ser 45 50 55 AAA CTG TAC TCT GGA GTC CCT GAC AGG TTC ACT GGC AGT GGA TCA GGG 832 Lys Leu Tyr Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly 60 65 70 ACA GCT TTC ACA CTG AAA ATC AAC AGA GTG GAG GCT GAG GAT TTG GGA 880 Thr Ala Phe Thr Leu Lys Ile Asn Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly 75 80 85 GTT TAT TAT TGC TGG CAA GGT ATA CAT TTT CCG TAC ACG TTC GGA GGG 928 Val Tyr Tyr Cys Trp Gln Gly Ile His Phe Pro Tyr Thr Phe Gly Gly 90 95 100 105 GGG ACC AAG CTG GAA ATA AAA CGTAAGTAGT CTTCTCAACT CTTG 973 Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys 110
【0067】配列番号(SEQ ID NO):12 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):684 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):double トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):Other nucleic acid(cDN
A to mRNA + Genomic DNA) 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):FIB1-11 配列の特徴(FEATURE)1..150 S intron 1197..313 S intron 2670..684 S intron 3151..324 S sig peptide325..669 S mat peptide 配列 GCATGCTATA GAGGAAGATA TGCAAATAAT TCTTCTCTGA GTTCATATAA ACCAGCCCTG 60 CCCCGAGTCT GTAGCTCTGA CAGAGGAGCC AAGCCCTGGA TTCCCAGGTC CTCACATTCA 120 GTGATCAGCA CTGAACACAG ACCACTCACC ATG GAC TCC AGG CTC AAT TTA GTT 174 Met Asp Ser Arg Leu Asn Leu Val -15 TTC CTT GTC CTT ATT TTA AAA GGTAATTTGT AGAGATGAGT TTCTGCCTGT 225 Phe Leu Val Leu Ile Leu Lys -10 -5 TGTGTGCCCA AGGGAAATAG AAACATTGTT TGTTTCATTA TTTTATTTTG TTAGTAACAG 285 TTTTCTGACC AGCATTCTCT GTTTGCAG GT GTC CAG TGT GAT GTG CAG CTG TGG 339 Gly Val Gln Cys Asp Val Gln Leu Trp 1 5 GAG TCG GGG GGA GGC TTA GTG AAG CCT GGA GGG TCC CTG AAA CTC TCC 387 Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Lys Pro Gly Gly Ser Leu Lys Leu Ser 10 15 20 TGT GCA GCC TCT GGA TTC ACT TTC AGT AAC TAT GAC ATG TCT TGG GTT 435 Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr Asp Met Ser Trp Val 25 30 35 CGC CAG ACT CCA GAG AGG AGG CTG GAG TGG GTC GCA TCC ATT AGT GTT 483 Arg Gln Thr Pro Glu Arg Arg Leu Glu Trp Val Ala Ser Ile Ser Val 40 45 50 GGT GGT ACC ACC TAC TAT CCA GAC AGT ATG AAG GGC CGA TTC ACC ATC 531 Gly Gly Thr Thr Tyr Tyr Pro Asp Ser Met Lys Gly Arg Phe Thr Ile 55 60 65 TCC AGA GAT AAT GCC AGG AAC ATC CTG TAT CTG CAA TTG AGC AGT CTG 579 Ser Arg Asp Asn Ala Arg Asn Ile Leu Tyr Leu Gln Leu Ser Ser Leu 70 75 80 85 AGG TCT GAA GAC ACG GCC ATG TAT TAC TGT GGT AAC TTC GCG GAT GCT 627 Arg Ser Glu Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys Gly Asn Phe Ala Asp Ala 90 95 100 ATG GAC TAC TGG GGC CAA GGG ACC CTG GTC ACC GTC TCC TCA GGTAAGCTGG 679 Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser 105 110 115 CTTTT 684
【0068】配列番号(SEQ ID NO):13 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):10 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3
【0069】配列番号(SEQ ID NO):14 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):7 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3
【0070】配列番号(SEQ ID NO):15 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):9 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3
【0071】配列番号(SEQ ID NO):16 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):6 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3
【0072】配列番号(SEQ ID NO):17 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):16 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3 配列: Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser 1 5 10 15
【0073】配列番号(SEQ ID NO):18 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):12 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):peptide 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3
【0074】配列番号(SEQ ID NO):19 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):107 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):protein 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3 配列: Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ala Leu Met Ser Ala Val Pro Gly 1 5 10 15 Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Gly Tyr Met 20 25 30 Tyr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Arg Ser Ser Pro Lys Pro Trp Ile Ser 35 40 45 Leu Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser 50 55 60 Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Met Glu Ala Glu 65 70 75 80 Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Ser Asp Pro Pro Thr 85 90 95 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg 100 105
【0075】配列番号(SEQ ID NO):20 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):123 配列の型(SEQUENCE TYPE):amino acid トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):protein 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3 配列: Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Gln 1 5 10 15 Ser Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Thr Gly Tyr Ser Ile Thr Ser Asp 20 25 30 Tyr Ala Trp Asn Trp Ile Arg Gln Phe Pro Gly Asn Lys Leu Glu Trp 35 40 45 Met Gly Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn Pro Ser Leu 50 55 60 Lys Ser Arg Ile Ser Ile Thr Arg Asp Thr Ser Asn Asn Gln Phe Phe 65 70 75 80 Leu Gln Leu Asn Ser Val Thr Ser Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys 85 90 95 Ala Arg Leu Gly Asp Phe Asp Ala Gly Asp Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly 100 105 110 Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser Ala Ser 115 120
【0076】配列番号(SEQ ID NO):21 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):378 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):double トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):cDNA 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3 配列の特徴(FEATURE)1..9 S sig peptide10..378 S mat peptide 配列: GTC GAC TGT GAG GTG CAA CTA GTG GAG TCG GGA CCT GGC CTG GTG AAA 48 Val Asp Cys Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys 1 5 10 15 CCT TCT CAG TCT CTG TCC CTC ACC TGC ACT GTC ACT GGC TAC TCA ATC 96 Pro Ser Gln Ser Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Thr Gly Tyr Ser Ile 20 25 30 ACC AGT GAT TAT GCC TGG AAC TGG ATC CGG CAG TTT CCA GGA AAC AAA 144 Thr Ser Asp Tyr Ala Trp Asn Trp Ile Arg Gln Phe Pro Gly Asn Lys 35 40 45 CTG GAG TGG ATG GGC TAC ATA AAC TAC AGT GGT ACC ACT AGT TAC AAC 192 Leu Glu Trp Met Gly Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn 50 55 60 CCA TCT CTC AAA AGT CGA ATC TCT ATC ACT CGA GAC ACA TCC AAT AAC 240 Pro Ser Leu Lys Ser Arg Ile Ser Ile Thr Arg Asp Thr Ser Asn Asn 65 70 75 80 CAG TTC TTC CTG CAG TTG AAT TCT GTG ACT TCT GAG GAC ACT GCC ACA 288 Gln Phe Phe Leu Gln Leu Asn Ser Val Thr Ser Glu Asp Thr Ala Thr 85 90 95 TAT TAC TGT GCA AGA TTG GGT GAT TTC GAC GCG GGT GAC TAC TTT GAC 336 Tyr Tyr Cys Ala Arg Leu Gly Asp Phe Asp Ala Gly Asp Tyr Phe Asp 100 105 110 TAC TGG GGC CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC TCG AGT GCT AGC 378 Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser Ala Ser 115 120 125
【0077】配列番号(SEQ ID NO):22 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):321 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):double トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):cDNA 起源(ORIGINAL SOURCE) 生物名(ORGANISM):BALB/c mouse 組織の種類(TISSUE TYPE):spleen 細胞の種類(CELL TYPE):B cell hybridoma セルライン(CELL LINE):UK1-3 配列の特徴(FEATURE)1..321 S mat peptide 配列: GAT ATT CAG CTG ACA CAG TCT CCA GCA
CTC ATG TCT GCA GTT CCA GGG 48 Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ala
Leu Met Ser Ala Val Pro Gly 1 5
10 15 GAG AAG GTC ACC ATG ACC TGC AGT GCC
AGC TCA AGT GTA GGT TAC ATG 96 Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Ser Ala
Ser Ser Ser Val Gly Tyr Met 20 25
30 TAT TGG TAT CAG CAG AAG CCA AGA TCC
TCC CCC AAG CCC TGG ATT TCT 144 Tyr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Arg Ser
Ser Pro Lys Pro Trp Ile Ser 35 40
45 CTC ACA TCC AAC CTG GCT TCT GGA GTC
CCT GCT CGC TTC AGT GGC AGT 192 Leu Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val
Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser 50 55
60 GGG TCT GGG ACC TCT TAC TCT CTC ACC
ATC AGC AGC ATG GAG GCT GAA 240 Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr
Ile Ser Ser Met Glu Ala Glu 65 70
75 80 GAT GCT GCC ACT TAT TAC TGC CAG CAG
TGG AGT AGT GAC CCA CCC ACG 288 Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln
Trp Ser Ser Asp Pro Pro Thr 85
90 95 TTC GGA GGG GGG ACC AAG CTG GAG ATC
AAA CGT 321 Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile
Lys Arg 100 105
【0078】配列番号(SEQ ID NO):23 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):39 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジ−(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: AGAATTCTAA CACTCTCCGC GGTTGAAGCT CTTTGTGAC 39
【0079】配列番号(SEQ ID NO):24 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):26 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: ACGTACGGTG GCTGCACCAT CTGTCT 26
【0080】配列番号(SEQ ID NO):25 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):37 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CCGTACGTTT GATCACCAGC TTGGTCCCCC CTCCGAA 37
【0081】配列番号(SEQ ID NO):26 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):40 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: AACGCGTGGT GATATTCAGC TGGCCCAGAC TCCACTCACT 40
【0082】配列番号(SEQ ID NO):27 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):28 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CACGCGTTTC CCGAATCCAG AGCACTAA 28
【0083】配列番号(SEQ ID NO):28 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):35 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: AGAATTCCGC CATGATGAGT CCTGCCCAGT TCCTG 35
【0084】配列番号(SEQ ID NO):29 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):38 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: ACACGTGTCC ACCGTGCCCG GCGCCTGAAC TCCTGGGG 38
【0085】配列番号(SEQ ID NO):30 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):32 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CGAATTCATT TACCCGGGGA CAGGGAGAGG CT 32
【0086】配列番号(SEQ ID NO):31 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):35 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: GCACGTGTGA GTTTTGTCAC AAGAT 25
【0087】配列番号(SEQ ID NO):32 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):35 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nu
cleicacid(synthetic DNA) 配列: TCTCGAGTGC TAGCACCAAG GGCCCATCGG TCTTC 35
【0088】配列番号(SEQ ID NO):33 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):26 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: ACTCGAGACG GTGACCAGGG TCCCTT 26
【0089】配列番号(SEQ ID NO):34 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):30 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CAACTAGTGG AGTCGGGGGG AGGCTTAGTG 30
【0090】配列番号(SEQ ID NO):35 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):39 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CACTAGTTGC ACCTCACAGT CGACACCTTT TAAAATAAG 39
【0091】配列番号(SEQ ID NO):36 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):29 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: TGAATTCCAC CATGGACTCC AGGCTCAAT 29
【0092】配列番号(SEQ ID NO):37 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):22 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: ATGTGCAACT AGTGGAGTCS GG 22
【0093】配列番号(SEQ ID NO):38 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):37 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: ATTAACTCGA GACGGTGACC GTGGTCCCTT GGC
CCCA 37
【0094】配列番号(SEQ ID NO):39 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):24 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: GACATTCAGC TGACMCAGWC TCCA 24
【0095】配列番号(SEQ ID NO):40 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):22 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: GTTAGATCTC CAGCTTGGTC CC 22
【0096】配列番号(SEQ ID NO):41 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):29 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: TCGTCGACTG TGAGGTGCAA CTAGTGGAG 29
【0097】配列番号(SEQ ID NO):42 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):25 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: TCGCTAGCAC TCGAGACGGT GACCG 25
【0098】配列番号(SEQ ID NO):43 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):19 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CAGGGGCCAG TGGATAGAC 19
【0099】配列番号(SEQ ID NO):44 配列の長さ(SEQUENCE LENGTH):22 配列の型(SEQUENCE TYPE):nucleic acid 鎖の数(STRANDEDNESS):single トポロジー(TOPOLOGY):linear 配列の種類(MOLECULE TYPE):other nucleic acid(sy
nthetic DNA) 配列: CATTTTGTCG TTCACTGCCA TC 22
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−(1)で作製したVFKゲノム遺伝子
の塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。リーダー配列
(Leader)の位置を示し、転写プロモーター(オクタマ
ー配列)を四角で囲った。
【図2】実施例1−(1)で作製したVFKゲノム遺伝子
の塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図1〕の続き)を示
す。さらに、フレームワーク領域(FR)、相補性決定
領域(CDR)および推定されるVKII遺伝子とJK2
伝子の組換え位置を示す。
【図3】実施例1−(3)で構築したマウス−ヒト・キ
メラ抗体軽鎖発現用ベクター(pSV2−hFK)の構造を
示す。さらに、抗体遺伝子エキソン部は□で示す。
【図4】実施例1−(3)で構築したマウス−ヒト・キ
メラ抗体軽鎖発現用ベクター(pSV2−hFK)の構造
(〔図3〕の続き)を示す。さらに、抗体遺伝子エキソ
ン部は□で示す。
【図5】実施例2−(1)で取得した増幅cDNA断片
(レーンF)のPAGEを示す。レーンMは分子量マー
カー(pBR322/HinfI)を示す。
【図6】実施例2−(1)で作製したキメラVFHゲノム
遺伝子の塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。リーダー
配列(Leader)の位置を示し、転写プロモーター(オク
タマー配列)を四角で囲った。
【図7】実施例2−(1)で作製したキメラVFHゲノム
遺伝子の塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図6〕の続
き)を示す。さらに、フレームワーク領域(FR)、相
補性決定領域(CDR)およびVHNL1とVFH−cDNA
との組換え位置とVHIII−DSP2−JH4遺伝子組換えの
推定位置を示す。また、PCRプライマーに由来する配
列を下線で示す。
【図8】実施例2−(3)で構築したマウス−ヒト・キ
メラ抗体重鎖発現用ベクター(pSV2−hFH)の構造
を示す。さらに、抗体遺伝子エキソン部は□で示す。ま
た、PCRで得られたVFH−cDNA部はVFHで示
す。
【図9】実施例2−(3)で構築したマウス−ヒト・キ
メラ抗体重発現用ベクター(pSV2-hFH)の構造
(〔図8〕の続き)を示す。さらに、抗体遺伝子エキソ
ン部は□で示す。また、PCRで得られたVFH−cDN
A部はVFHで示す。
【図10】実施例3−(2)で取得したマウス−ヒト・
キメラ抗体産生細胞FIB1−HO1/X63の増殖能
(●)および抗体産生能(○)を示す。
【図11】実施例3−(4)に記載のキメラ抗体FIB
1−HO1/X63(○)とマウス抗体FIB1−11
(●)のフィブリン・モノマー感作マイクロプレートへ
の結合に対する、参考例2−(1)に記載のペプチド−
BSA複合体の結合阻害を示す。
【図12】実施例4−(1)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリンκ鎖cDNAをコードするプラ
スミドpTB1410の構築図を示す。
【化2】
【図13】実施例4−(1)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリンκ鎖cDNAをコードするプラ
スミドpTB1410の構築図(〔図12〕の続き)を
示す。
【化3】
【図14】実施例4−(1)で作製したキメラκ鎖cD
NA(Igkv)の塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。
さらにリーダー配列(Leader)および可変部領域
(VK)を示す。
【図15】実施例4−(1)で作製したキメラκ鎖cD
NA(Igkv)の塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図1
4〕の続き)を示す。さらに可変部領域(VK)および
定常部領域(CK)を示す。
【図16】実施例4−(2)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリン重鎖cDNAをコードするプラ
スミドpTB1373の構築図を示す。
【化4】
【図17】実施例4−(2)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリン重鎖cDNAをコードするプラ
スミドpTB1373の構築図(〔図16〕の続き)を
示す。
【化5】
【図18】実施例4−(2)で作製したキメラH鎖cD
NAの塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。さらにリー
ダー配列(Leader)および可変部領域(VH)を示す。
【図19】実施例4−(2)で作製したキメラH鎖cD
NAの塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図18〕の続
き)を示す。さらに可変部領域(VH)および定常部領
域(CH1,ヒンジ,CH2)を示す。
【図20】実施例4−(2)で作製したキメラH鎖cD
NAの塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図19〕の続
き)を示す。さらに定常部領域(CH2,CH3)を示
す。
【図21】実施例4−(2)で作製したキメラH鎖cD
NAの塩基配列と推定アミノ酸配列(〔図20〕の続
き)を示す。
【図22】実施例4−(3)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリンκ鎖発現用ベクター(pTB1
411)およびH鎖発現用ベクター(pTB1374)
の構築図を示す。pcDL−SRα296由来のSRα−
プロモーター(SRα)を
【化6】
【図23】実施例4−(3)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリン抗体cDNA発現用ベクター(p
TB1387)の構築図を示す。
【化7】
【図24】実施例4−(3)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリン抗体cDNA発現用ベクター(p
TB1387)の構築図(〔図23〕の続き)を示す。
【化8】
【図25】実施例4−(3)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗ヒトフィブリン抗体cDNA発現用ベクター(p
TB1387)の構築図(〔図24〕の続き)を示す。
【化9】
【図26】実施例5−(1)で作製した抗体VH cDN
Aクローニング用ベクターpTB1420および抗体VK
cDNAクローニング用ベクターpTB1423の構築
図を示す。
【化10】
【図27】実施例5−(1)で作製した抗体VH cDN
Aクローニング用ベクターpTB14,20および抗体
K cDNAクローニング用ベクターpTB1423の構
築図(〔図26〕の続き)を示す。
【化11】
【図28】実施例5−(1)で作製した抗体VH cDN
Aクローニング用ベクターpTB1420および抗体VK
cDNAクローニング用ベクターpTB1423の構築
図(〔図27〕の続き)を示す。
【化12】
【図29】実施例5−(2)で得られた抗UK抗体VK
cDNAの塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。また、
相補性決定領域(CDR)の推定位置を示し、PCRプ
ライマーに由来する配列を下線で示す。
【図30】実施例5−(3)で得られた抗UK抗体VH
cDNAの塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。また相
補性決定領域(CDR)の推定位置を示し、PCRプラ
イマーに由来する配列を下線で示す。
【図31】実施例5−(4)で作製したマウス−ヒト・
キメラ抗UK抗体発現用ベクター(pTB1458)の
構築図を示す。SRα′−プロモーターとpoly Aシグ
ナル
【化13】
【図32】実施例5−(6)で取得したマウス−ヒト・
キメラ抗UK抗体産生細胞SU/S−9.21の抗体産
生能を示す。
【図33】実施例6−(1)で取得したキメラ二重特異
性抗体産生細胞SUSF/S−8.4の二重特異性抗体
産生能を示す。
【図34】実施例6−(1)に記載のキメラ二重特異性
抗体SUSF/S−8.4をin vitro 血漿凝塊溶解試験
に供した結果を表す。縦軸はProUK単剤(抗体非存在
下)の溶解能を1とした時のProUK/抗体複合体の溶
解能を表す。
【図35】実施例6−(1)に記載のキメラ二重特異性
抗体SUSF/S−8.4をProUKと結合させ、in vi
tro ハムスター肺動脈塞栓モデル実験に供した時の結果
を表す。ProUK単剤投与の結果との比較を示す。
【符号の説明】
E :EcoRI サイト H :HindIII サイト B :BamHI サイト M :MluI サイト Hp :HpaI サイト P :PstI サイト hCK :ヒト κ鎖 C領域遺伝子(エキソン) VFK :FIB1−11 κ鎖 V領域遺伝子エキ
ソン L :〔図3〕および〔図4〕においてFIB1
−11 κ鎖 リーダー配列遺伝子エキソンを、〔図
8〕および〔図9〕においてNL−1 H鎖 リーダー
ペプチドエキソンをそれぞれ示す。 ● :〔図3〕および〔図4〕においてFIB1
−11 κ プロモーターを、〔図8〕および〔図9〕
においてNL−1細胞 H鎖 プロモーターをそれぞれ
示す。 En :ヒト IgG H鎖 エンハンサー hCγ1 :ヒト γ鎖 定常領域エキソン VHNL−1:NL−1 H鎖 V領域エキソン VFH :FIB1−11 H鎖 V領域cDNA EV :EcoRV サイト Bg :BglII サイト Bs :BstPI サイト Pv :PvuII サイト Bc :BclI サイト Ps :PstI サイト Spl :SplI サイト Pm :PmacI サイト Sp :SpeI サイト Xh :XhoI サイト C :ClaI サイト Sac :SacI サイト Sca :ScaI サイト S :SalI サイト Spe :SpeI サイト Xb :XbaI サイト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】実施例9 ProUKフィブリン溶解能の増
強(2) (1)125I標識プラズマ塊の作製 市販の125I標識ヒトフィブリノーゲン(10μg/10
μl:室町化学工業販売)をヒト血漿600μlに加えた
のち、ウシトロンビン(1U/100μl)を添加し迅
速に撹拌した。10%Tween80で処理したカテーテル
に吸い上げ室温で1 分間放置後、さらに37℃で30
分間インキュベートした。得られたプラズマ塊を生理食
塩水を入れたシャーレに押し出し、メスで1cm間隔に切
断し、各切片の放射活性をγ−カウンターで測定した。 (2)ハムスター肺動脈塞栓モデル実験 ハムスター(体重80−100g)にペントバルビター
ル(6mg/0.3ml)を腹腔内投与後、大腿静脈に採血
用カテーテルを挿入した。次に(1)で作製した125
標識プラズマ塊をカテーテルに吸い上げ頚静脈から注入
後、サンプル投与用カテーテルを挿入した。頚静脈から
NaI(0.2mg/0.1ml)とヘパリン(100U/0.
1ml)とを投与後、さらにProUKもしくはProUKに
2倍モルの キメラ二重特異性抗体を添加した免疫複合
体350μlを投与した。室温で90 分間放置後採血
(1ml)し、さらに胸部を開き、右肺、左肺および心臓
を摘出し、それぞれの臓器の放射活性をγ−カウンター
で測定した。投与した全放射活性量に対する3つの臓器
における残存放射活性量の割合から、プラズマ塊の溶解
率を測定した。得られた結果は〔図35〕に示した通り
であった。図中(●)はPr oUKと二重特異性抗体SU
SF/S−8.4との1:2複合体投与を、(○)はP
roUK単独投与を 示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39/395 N 8413−4C M 8413−4C C07K 15/28 7731−4H C12N 5/10 9/72 7823−4B 15/13 15/62 // C12N 5/20 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91) 8828−4B C12N 15/00 C

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 A : -Thr Ser Ser Gln Ser Leu Leu Asp Ser Asp Gly
    Lys Thr Tyr Leu Asn-, B : -Leu Val Ser Lys Leu Tyr Ser- および C : -Trp Gln Gly Ile His Phe Pro Tyr- で示されるポリペプチド鎖A,BおよびCの少なくとも
    一つを含む抗ヒトフィブリン抗体軽鎖可変領域とヒト抗
    体軽鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の抗ヒトフィブリン抗体軽鎖
    可変領域をコードするDNAを含有するDNA。
  3. 【請求項3】請求項1記載のヒト抗体軽鎖定常領域をコ
    ードするDNAをさらに含有する請求項2記載のDN
    A。
  4. 【請求項4】式 D: -Asn Tyr Asp Met Ser-, E: -Ser Ile Ser Val Gly Gly Thr ThrTyr Tyr Pro A
    sp Ser Met Lys Gly-および F: -Gly Asn Phe Ala Asp Ala Met AspTyr- で示されるポリペプチド鎖D,EおよびFの少なくとも
    一つを含む抗ヒトフィブリン抗体重鎖可変領域とヒト抗
    体重鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
    体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の抗ヒトフィブリン抗体重鎖
    可変領域をコードするDNAを含有するDNA。
  6. 【請求項6】請求項4記載のヒト抗体重鎖定常領域をコ
    ードするDNAをさらに含有する請求項5記載のDN
    A。
  7. 【請求項7】抗ヒトフィブリン抗体可変領域をコードす
    るDNAがマウスハイブリドーマ由来のDNAである請
    求項2、3、5または6記載のDNA。
  8. 【請求項8】マウスハイブリドーマがマウスハイブリド
    ーマFIB1−11である請求項7記載のDNA。
  9. 【請求項9】請求項5もしくは6記載のDNAをさらに
    含有する請求項2もしくは3記載のDNA。
  10. 【請求項10】請求項2もしくは3記載のDNAを保持
    することを特徴とする、キメラモノクローナル抗体を発
    現させうる真核細胞。
  11. 【請求項11】請求項5もしくは6記載のDNAを保持
    することを特徴とするキメラモノクローナル抗体を発現
    させうる真核細胞。
  12. 【請求項12】請求項9記載のDNAを保持することを
    特徴とする請求項10記載の真核細胞。
  13. 【請求項13】キメラモノクローナル抗体を発現させう
    る真核細胞がマウス−ヒトキメラ抗ヒトフィブリン特異
    抗体産生マウス骨髄腫細胞FIB1−HO1/X63で
    ある請求項12記載の真核細胞。
  14. 【請求項14】請求項4記載の抗ヒトフィブリン抗体重
    鎖可変領域を含有することを特徴とする請求項1記載の
    キメラモノクローナル抗体。
  15. 【請求項15】キメラモノクローナル抗体がマウス−ヒ
    トキメラ抗ヒトフィブリン特異抗体である請求項1、4
    または14記載の抗体。
  16. 【請求項16】式 G : -Ser Ala Ser Ser Ser Val Gly Tyr Met Tyr-, H : -Leu Thr Ser Asn Leu Ala Ser- および I : -Gln Gln Trp Ser Ser Asp Pro Pro Thr- で示されるポリペプチド鎖G,HおよびIの少なくとも
    一つを含むウロキナーゼ類認識抗体軽鎖可変領域とヒト
    抗体軽鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
    体。
  17. 【請求項17】請求項16記載のウロキナーゼ類認識抗
    体軽鎖可変領域をコードするDNAを含有するDNA。
  18. 【請求項18】請求項16記載のヒト抗体軽鎖定常領域
    をコードするDNAをさらに含有する請求項17記載の
    DNA。
  19. 【請求項19】式 J: -Ser Asp Tyr Ala Trp Asn-, K: -Tyr Ile Asn Tyr Ser Gly Thr Thr Ser Tyr Asn
    Pro Ser Leu Lys Ser-および L: -Leu Gly Asp Phe Asp Ala Gly AspTyr Phe Asp T
    yr- で示されるポリペプチド鎖J,KおよびLの少なくとも
    一つを含むウロキナーゼ類認識抗体重鎖可変領域とヒト
    抗体重鎖定常領域とを含有するキメラモノクローナル抗
    体。
  20. 【請求項20】請求項19記載のウロキナーゼ類認識抗
    体重鎖可変領域をコードするDNAを含有するDNA。
  21. 【請求項21】請求項19記載のヒト抗体重鎖定常領域
    をコードするDNAをさらに含有する請求項20記載の
    DNA。
  22. 【請求項22】ウロキナーゼ類認識抗体可変領域をコー
    ドするDNAがマウスハイブリドーマ由来のDNAであ
    る請求項17、18、20または21記載のDNA。
  23. 【請求項23】マウスハイブリドーマがマウスハイブリ
    ドーマUK1−3である請求項22記載のDNA。
  24. 【請求項24】請求項20もしくは21記載のDNAを
    さらに含有する請求項17もしくは18記載のDNA。
  25. 【請求項25】請求項17もしくは18記載のDNAを
    保持することを特徴とする、キメラモノクローナル抗体
    を発現させうる真核細胞。
  26. 【請求項26】請求項20もしくは21記載のDNAを
    保持することを特徴とするキメラモノクローナル抗体を
    発現させうる真核細胞。
  27. 【請求項27】請求項24記載のDNAを保持すること
    を特徴とする請求項25記載の真核細胞。
  28. 【請求項28】キメラモノクローナル抗体を発現させう
    る真核細胞がマウス−ヒトキメラウロキナーゼ類認識抗
    体産生マウス骨髄腫細胞SU/S−9.21である請求
    項27記載の真核細胞。
  29. 【請求項29】請求項19記載のウロキナーゼ類認識抗
    体重鎖可変領域を含有することを特徴とする請求項16
    記載のキメラモノクローナル抗体。
  30. 【請求項30】キメラモノクローナル抗体がマウス−ヒ
    ト・キメラウロキナーゼ類認識抗体である請求項16、
    19または29記載の抗体。
  31. 【請求項31】ヒトフィブリンを特異的に認識する可変
    領域とウロキナーゼ類を特異的に認識する可変領域とを
    含有し、かつヒト抗体定常領域を含有している二重特異
    性キメラモノクローナル抗体。
  32. 【請求項32】請求項1記載のポリペプチド鎖A,Bお
    よびCの少なくとも1つを含む抗ヒトフィブリン抗体軽
    鎖可変領域を含有する請求項31記載の二重特異性キメ
    ラモノクローナル抗体。
  33. 【請求項33】請求項4記載のポリペプチド鎖D,Eお
    よびFの少なくとも1つを含む抗ヒトフィブリン抗体重
    鎖可変領域をさらに含有する請求項32記載の二重特異
    性キメラモノクローナル抗体。
  34. 【請求項34】請求項16記載のポリペプチド鎖G,H
    およびIの少なくとも1つを含むウロキナーゼ類認識抗
    体軽鎖可変領域を含有する請求項31記載の二重特異性
    キメラモノクローナル抗体。
  35. 【請求項35】請求項19記載のポリペプチド鎖J,K
    およびLの少なくとも1つを含むウロキナーゼ類認識抗
    体重鎖可変領域をさらに含有する請求項34記載の二重
    特異性キメラモノクローナル抗体。
  36. 【請求項36】請求項9記載のDNAおよび請求項24
    記載のDNAを保持することを特徴とする二重特異性キ
    メラモノクローナル抗体を発現させうる真核細胞。
  37. 【請求項37】二重特異性キメラモノクローナル抗体を
    発現させうる真核細胞がマウス−ヒト・キメラ抗体ヒト
    フィブリン/抗ウロキナーゼ類二重特異性抗体産生マウ
    スハイブリドーマSUSF/S−8.4である請求項3
    3記載の真核細胞。
  38. 【請求項38】ヒトフィブリンに結合するキメラ抗体フ
    ラグメントとウロキナーゼ類に結合するキメラ抗体フラ
    グメントとを含有し、後者のキメラ抗体フラグメントに
    ウロキナーゼ類を結合させてなる血栓溶解蛋白複合体。
  39. 【請求項39】ヒトフィブリンに結合するキメラモノク
    ローナル抗体とウロキナーゼ類に結合するキメラモノク
    ローナル抗体とを共有結合させて得られる蛋白複合体
    に、ウロキナーゼ類を免疫結合させてなる請求項38記
    載の血栓溶解蛋白複合体。
  40. 【請求項40】請求項1または4記載のキメラモノクロ
    ーナル抗体に請求項16または19記載のキメラモノク
    ローナル抗体とを共有結合させて得られる蛋白複合体
    に、ウロキナーゼ類を免疫結合させてなる請求項39記
    載の血栓溶解蛋白複合体。
  41. 【請求項41】請求項14記載のキメラモノクローナル
    抗体に請求項29記載のキメラモノクローナル抗体とを
    共有結合させて得られる蛋白複合体に、ウロキナーゼ類
    を免疫結合させてなる請求項39記載の血栓溶解蛋白複
    合体。
  42. 【請求項42】ヒトフィブリンを特異的に認識する可変
    領域とウロキナーゼ類を特異的に認識する可変領域とを
    含有し、かつヒト抗体定常領域を含有している二重特異
    性キメラモノクローナル抗体にウロキナーゼ類を免疫結
    合させてなる請求項38記載の血栓溶解蛋白複合体。
JP3294464A 1990-12-18 1991-11-11 キメラ抗体およびその用途 Withdrawn JPH0576385A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3294464A JPH0576385A (ja) 1990-12-18 1991-11-11 キメラ抗体およびその用途
EP19910121591 EP0491351A3 (en) 1990-12-18 1991-12-17 Chimeric antibodies and their use
CA002057951A CA2057951A1 (en) 1990-12-18 1991-12-18 Chimeric antibodies and their use

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-413829 1990-12-18
JP41382990 1990-12-18
JP3294464A JPH0576385A (ja) 1990-12-18 1991-11-11 キメラ抗体およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0576385A true JPH0576385A (ja) 1993-03-30

Family

ID=26559843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3294464A Withdrawn JPH0576385A (ja) 1990-12-18 1991-11-11 キメラ抗体およびその用途

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0491351A3 (ja)
JP (1) JPH0576385A (ja)
CA (1) CA2057951A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158973A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 独立行政法人国立がん研究センター 新規な抗フィブリン抗体

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5665570A (en) * 1994-02-10 1997-09-09 Takeda Chemical Industries, Ltd. Antibody-encoding recombinant DNA and its use
CN1102660C (zh) * 1997-04-08 2003-03-05 中国医学科学院血液学研究所 抗人纤维蛋白单克隆抗体重链和轻链可变区基因及其应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3177776B2 (ja) * 1988-09-27 2001-06-18 武田薬品工業株式会社 ハイブリッドモノクローナル抗体,抗体産生ポリドーマおよび抗体含有薬剤
KR900702017A (ko) * 1988-06-03 1990-12-05 존 로버트 버쉬 혼성 단백질(bybrid proteins)
EP0355068A3 (en) * 1988-08-19 1991-09-04 The General Hospital Corporation Recombinant hybrid immunoglobulin molecules and their use
IL89491A0 (en) * 1988-11-17 1989-09-10 Hybritech Inc Bifunctional chimeric antibodies

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158973A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 独立行政法人国立がん研究センター 新規な抗フィブリン抗体

Also Published As

Publication number Publication date
EP0491351A2 (en) 1992-06-24
EP0491351A3 (en) 1993-03-17
CA2057951A1 (en) 1992-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5888773A (en) Method of producing single-chain Fv molecules
AU675929B2 (en) Biosynthetic binding protein for cancer marker
JP4439914B2 (ja) 血液凝固を阻害する抗体及びその使用方法
JPH09512705A (ja) E−セレクチンに対する抗体
JPH02500950A (ja) 組換えハイブリッド免疫グロブリン分子及び使用方法
JPH0348699A (ja) 二特異性およびオリゴ特異性の一価およびオリゴ価リセプター、それらの調整および使用
WO1997001580A1 (en) Multispecific and multivalent antigen-binding polypeptide molecules
JPH06502762A (ja) フレームワーク変異抗体およびそれらの調製物
JPH02295487A (ja) キメラモノクローナル抗体の産生のための発現系
US20130034552A1 (en) Temperature sensitive conjugate compositions, and uses related thereto
JP2009504136A (ja) 慢性リンパ性白血病治療のためのcd52に対するモノクローナル抗体産生のための組み換え法
EP0418316B1 (en) Platelet-specific chimeric immunoglobulin
US20090286721A1 (en) Targeted plasminogen activator fusion proteins as thromobolytic agents
US11629198B2 (en) Fusion proteins and antibodies targeting human red blood cell antigens
JPH05304992A (ja) ハイブリッド・モノクローナル抗体および抗体含有薬剤
JP3504963B2 (ja) 抗ヒト高親和性IgE受容体モノクローナル抗体に係るアミノ酸配列をコードするDNA断片
KR100240159B1 (ko) 당단백질 gpiib/iiia와 반응성인 사람화된 면역글로불린
JPH0630788A (ja) ヒトインターロイキン−1に対する組換え抗体
JPH0576385A (ja) キメラ抗体およびその用途
JP7010491B2 (ja) ヒト化抗rage抗体
JPH05199888A (ja) 組換えハイブリッド免疫グロブリン分子およびその使用方法
JPH10155489A (ja) 組換え抗体及びそれをコードする核酸
JP2002523381A (ja) Epcrを使用する大きい血管の内皮への分子標的化
JPH09191886A (ja) ヒト高親和性IgE受容体に対するヒト型化抗体、半キメラ抗体およびキメラ抗体
EP0513778A2 (en) Hybrid monoclonal antibodies and compositions containing them

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990204