JPH05304992A - ハイブリッド・モノクローナル抗体および抗体含有薬剤 - Google Patents

ハイブリッド・モノクローナル抗体および抗体含有薬剤

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JPH05304992A
JPH05304992A JP4158301A JP15830192A JPH05304992A JP H05304992 A JPH05304992 A JP H05304992A JP 4158301 A JP4158301 A JP 4158301A JP 15830192 A JP15830192 A JP 15830192A JP H05304992 A JPH05304992 A JP H05304992A
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JP
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tpa
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leu
gly
ser
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JP4158301A
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English (en)
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Susumu Iwasa
進 岩佐
Tomofumi Kurokawa
智文 黒川
Yukio Toyoda
幸生 豊田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】血栓溶解剤としての組織プラスミノーゲンアク
チベーター(tPA)の血中半減期を延長及びtPAム
テインの血栓への選択性の低下を改善し、またこれら血
栓溶解剤の副作用を抑える。 【構成】二重特異性の一方が血栓に対し、他方がF、E
およびK1ドメインを欠失してなるtPA、例えばtP
A−6’に対する二重特異性モノクローナル抗体、およ
び該二重特異性モノクローナル抗体に、F、EおよびK
1ドメインを欠失してなるtPAムテインを免疫結合さ
せてなる血栓溶解剤。 【効果】血栓溶解能、血栓への選択性が増し、一方、フ
ィブリノーゲンに対する反応性も少ないのでフィブリノ
ーゲン分解能が高まるといった副作用もない血栓溶解剤
が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二重特異性を有するハ
イブリッド・モノクローナル抗体(以下、MoAbと略
記することがある)に関する。さらに詳しくは、二重特
異性の一方が血栓に対するものであり、他方がF、Eお
よびK1ドメインを欠失してなるtPAムテインに対す
るものである二重特異性モノクローナル抗体(以下、b
sMoAbと略記することがある)に関する。本発明は
また、上記のbsMoAbに、F、EおよびK1ドメイ
ンを欠失してなるtPAムテインを免疫結合させてなる
血栓溶解剤に関する。
【0002】
【従来の技術】心筋梗塞、動脈塞栓症あるいは脳梗塞な
どの血栓性患者には広く血栓溶解療法が用いられ、スト
レプトキナーゼ(以下、SKと略記することがある)や
ウロキナーゼ(以下、UKと略記することがある)など
が臨床応用されている。最近では、血栓への選択性が高
く、従って出血傾向の副作用を軽減すると云われている
ティッシュ・プラスミノーゲン・アクチベータ(以下、
tPAと略記することがある)やプロウロキナーゼ(以
下、ProUKと略記することがある)が登場し、上記
のSKやUKに代わろうとしている。さらに、より効率
の高い、かつ血栓選択性に優れた血栓溶解剤として修飾
型tPAなども開発されてきた。また一方で、抗体ター
ゲティングを利用した血栓溶解剤も登場し[C.Bodeら:
サイエンス(Science), 229, 765 (1985);M. S. Runge
ら:プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・サイエンス ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA), 84, 7659 (1987) ;T. Kurokawaら:バイオテ
クノロジー(Bio/Technology), 7, 1163 (1989):ヨー
ロッパ特許出願第0363712公開公報参照〕、血栓を形成
するフィブリンや活性化血小板に高い親和性を有する抗
体を利用して、血栓溶解作用物質単独に比べて数倍から
数十倍効率の高い血栓溶解剤も作製されるようになっ
た。特に血栓と血栓溶解作用物質との両者に免疫結合で
きるbsMoAbは、抗体活性および血栓溶解活性の低
下を伴わない、きわめて効率的な血栓溶解剤を提供して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、新しい
世代の血栓溶解剤として登場したtPAなどについて
も、半減期が非常に短いためその多量を長時間にわたっ
て投与しなければならないという制約があり、このため
出血傾向の副作用をしばしば伴うことが報告されてい
る。このため半減期を延長させるべく、あるいは血中に
存在するインヒビターによる阻害を受けないタイプのt
PAムテインが作製された。しかし、このようなtPA
ムテインは一般的に元の非修飾型tPAに比べてフィブ
リン親和能が小さいため血栓への選択性が低下したり、
あるいは酵素活性そのものが低下することが分ってい
る。また抗体ターゲティング化血栓溶解剤については血
栓溶解作用物質の血栓溶解能を増強させるだけでなく、
その血中半減期をも延長させる効果を有しているが、同
時に血栓溶解剤のもつ副作用[フィブリノーゲン分解能
およびα2−アンチプラスミン(以下、α2−APと略記
することがある)消費能]を増大させることはある程度
避けられないことが分かっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のt
PAムテインで見られた血栓親和能の低下や、あるいは
抗体ターゲティング化血栓溶解剤で見られた副作用の増
大という問題点を解決するため種々の検討を重ね、tP
AムテインをbsMoAbに免疫結合させ、血栓へのタ
ーゲティングを実施することにより、血中半減期の延
長、血栓親和能の増大、さらには副作用の軽減をもたら
し得ることを見出した。すなわち、本発明は二重特異性
の一方が血栓に対するものであり、他方がF、Eおよび
1ドメインを欠失するtPAムテインに対するもので
あるbsMoAbであり、さらにはこのbsMoAbに
該tPAムテインを免疫結合させてなる血栓溶解剤を提
供するものである。本発明の二重特異性抗体は、血栓が
フィブリンあるいは活性化血小板であるものに結合でき
るものであり、また該抗体は少なくとも可変領域を含有
し、かつ重鎖定常領域ドメイン2および3を欠失したも
のであることができる。
【0005】tPAムテインについて説明すると、tP
Aは図1に示すようにFINGER(F),EGF
(E),KRINGLE1(K1),KRINGLE2
(K2)およびPROTEASE(P)部分から構成さ
れている。上記tPAムテインとしてはE,F,K1部
分が欠失した後述の参考例16に記載のtPA−1や、
その内のP部分のR298299がE298299に置換された
後述の参考例19に記載のtPA−6’等が挙げられ
る。また抗体分子は図2に示すように、抗原との結合に
関わる可変(V)領域と、抗原結合には関与しないが、
他の生物学的機能、例えば補体との結合あるいは抗体レ
セプターとの結合に関与する定常(C)領域とがある。
抗原結合に関わる機能のみを必要とする場合には可変領
域のみで構成される分子で十分であり、最近の遺伝子組
換え型抗体の中にはこのような分子も作製されている。
古くから採用されている方法は、抗体分子をパパインあ
るいはペプシンのような消化酵素を用いて限定的な部分
加水分解処理に供し、図2に示した個所でペプチドを切
断し重(H)鎖定常領域ドメイン2および3(以下それ
ぞれCH2およびCH3と略記することがある)を欠失し
たFabあるいはFab’を作製する方法である。この
ようにして得られた抗体断片は幾つかの抗体機能を失う
が、少なくとも抗原結合能はほぼ100%保持されてい
るのが通例であり、本発明においてもこのような断片を
用いることができる。
【0006】本発明で用いられる、tPAムテインとし
て、F、E、K1の全ドメインを欠失し、K2、プロテ
アーゼ(P)の両ドメインからなるtPAムテイン(ア
ミノ酸残基番号174-527、ただし174〜179の一部ないし
は全部のアミノ酸残基を欠失してもよい)、および該t
PAムテインの更なるムテインが挙げられる(以下、両
者をあわせてFEK1欠失tPAムテインと略記するこ
とがある)。また、この更なるムテインとしては、本
来、元のペプチドあるいは蛋白質のアミノ酸配列が変異
したものが挙げられ、したがって該変異としては、構成
アミノ酸の欠損、他のアミノ酸への置換が挙げられる。
該構成アミノ酸の欠損としては、FEK1欠失tPAム
テイン構成アミノ酸の少なくとも1個が欠損しているも
のが挙げられる。該他のアミノ酸への置換としては、F
EKl欠失tPAムテイン構成アミノ酸の少なくとも1
個が別のアミノ酸で置換されているものが挙げられる。
少なくとも1個の構成アミノ酸が欠損しているFEK1
欠失tPAムテインにおいて欠損している構成アミノ酸
の数としては、FEK1欠失tPAムテインの有する特
徴を失わない限り何個でもよい。該欠損している構成ア
ミノ酸の例としては、tPAのアミノ酸残基番号296か
ら302のアミノ酸残基などが挙げられる。
【0007】少なくとも1個の構成アミノ酸が別のアミ
ノ酸で置換されているFEK1欠失tPAムテインにお
いて置換されるアミノ酸の数としては、FEK1欠失t
PAムテインの特徴を失わない限り何個でもよい。置換
されるアミノ酸部位としては、アミノ酸残基番号296か
ら304の間のアミノ酸残基の一部ないし全部を別のアミ
ノ酸残基に置換してなるものや、アミノ酸残基番号296
から302の領域の一部ないし全部を欠失させ、かつアミ
ノ酸残基番号296から304の領域の一部のアミノ酸残基を
別のアミノ酸残基に置換してなるものがその例として挙
げられる。置換される前の構成アミノ酸の例としては、
例えばシステイン、アスパラギン酸、アルギニンなどが
挙げられる。置換される前の構成アミノ酸がシステイン
である場合には、置換されたアミノ酸としては、たとえ
ば中性アミノ酸が好ましい。該中性アミノ酸の具体例と
しては、たとえば、グリシン、バリン、アラニン、ロイ
シン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒ
スチジン、トリプトファン、セリン、スレオニン、メチ
オニンなどが挙げられる。特に、セリン、スレオニンが
好ましい。
【0008】置換される前の構成アミノ酸がシステイン
以外のものである場合には、置換された別のアミノ酸と
しては、たとえば、アミノ酸の親水性、疎水性あるいは
電荷の点で、置換される前のアミノ酸とは異なる性質を
もつものを選ぶ。具体的には置換される前のアミノ酸が
アスパラギン酸の場合には、置換されたあとのアミノ酸
としてアスパラギン、スレオニン、バリン、フェニルア
ラニン、アルギニンなどが挙げられるが、特にアスパラ
ギン、アルギニンが好ましい。置換される前のアミノ酸
がアルギニンの場合には置換されたあとのアミノ酸とし
てグルタミン、グルタミン酸、スレオニン、ロイシン、
フェニルアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸が挙
げられるが、特にグルタミン酸あるいはヒスチジンが好
ましい。置換される前のアミノ酸がグルタミン酸の場合
には、置換された後のアミノ酸としてチロシンが好まし
い。本発明のムテインは、上記した欠損、置換が組み合
わさったものでもよい。
【0009】本発明のムテインを製造するためには、従
来の組換えDNA技術に加え、特定部位指向性変異誘発
技術(Site-directed mutagenesis)が採用される。該
技術は周知であり、アール・エフ・レイサー(Lather,
R. F.)及びジェイ・ピー・レコック(Lecoq, J. P.)、
ジェネティック・エンジニアリング(Genetic Engineer
ing)、アカデミックプレス社(1983年)第31-50頁、に
示されている。オリゴヌクレオチドに指示された変異誘
発はエム・スミス(Smith, M.)及びエス・ギラム(Gillam,
S.)、ジェネティック・エンジニアリング:原理と方
法、プレナムプレス社(1981年)3巻 1-32頁に示されて
いる。
【0010】本発明のムテインをコードする構造遺伝子
を製造するためには、たとえば、(1)tPAの構造遺
伝子の1本鎖からなる1本鎖DNAを突然変異オリゴヌ
クレオチドプライマーと雑種形成させる、(2)DNA
ポリメラーゼによりプライマーを伸長させ、突然変異性
ヘテロ二量体(heteroduplex)を形成させる、及び
(3)この突然変異性ヘテロ二量体を複製する、といっ
た方法がある。
【0011】本発明で用いられる抗フィブリン抗体産生
ハイブリドーマの作製にあたっては、該ハイブリドーマ
がフィブリンに特異的で実質的にフィブリノーゲンと結
合しないMoAbを産生するものであればいずれのもので
もよい。例えばかかるフィブリン特異抗体は、フィブリ
ノーゲンが分解されて生ずるフィブリンの、α鎖N末端
フラグメントペプチドあるいはβ鎖N末端フラグメント
ペプチドを免疫原として用いることにより作製される
〔K. Y. Huiら:サイエンス(Science), 222, 1129(198
3);特開昭63−93800号公報〕。また、フィブリ
ンは哺乳動物のものであればいずれでもよいが、好まし
くはヒト・フィブリンが挙げられ、とりわけヒト・フィ
ブリンのβ鎖N末端部に相当するペプチドが用いられ
る。これにキャリア蛋白を結合させて、動物(例、ウサ
ギ、ラット、マウス、モルモットなど)を免疫し抗体産
生細胞を得る。次いで免疫動物より採取したこれらの抗
体産生細胞、例えば脾臓細胞やリンパ節細胞などを骨髄
腫細胞と融合し、得られるハイブリドーマの中から実質
的にフィブリノーゲンに反応せずフィブリンに特異的に
結合する抗体産生細胞をスクリーニングする。上記のヒ
ト・フィブリンβ鎖N末端ペプチドとして、次のごとき
アミノ酸配列を有するものが特に好ましく用いられる。 H-Gly-His-Arg-Pro-Leu-Asp-Lys-R-Cys-OH 〔式中、RはLys-Arg-Glu-Gluで示されるペプチド又はそ
の一部を示す〕〔配列番号1〕。C末端のCysはキャリ
ア蛋白との化学結合用のリンカー部に用いられる。すな
わちキャリア蛋白を予め、例えばN−(γ−マレイミド
ブチリルオキシサクシニミド)(以下、GMBSと略記
することがある)でマレイミド化あるいはN−サクシニ
ミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート
(以下、SPDPと略記することがある)でジチオピリ
ジル化することにより、上記ペプチドのC末端CysのS
H基を介してキャリア蛋白に化学結合させることが可能
である。
【0012】さらにフィブリン特異性を確実なものとす
るために、T. Hamaokaらが報告したD−グルタミン酸と
D−リジンの共重合体(以下、D−GLと略記すること
がある)を用いて、フィブリン抗原免疫動物にフィブリ
ノーゲン寛容状態を惹起させ、フィブリン特異抗体産生
細胞をより高頻度で得る方法も好ましく用いられる。
〔T. Hamaokaら:ジャーナル・オブ・エクスプリメンタ
ル・メディシン(J. Exp. Med.〕,139, 1446(1974);
K. Tateishi ら:ジャーナル・オブ・イムノロジカル・
メソッズ(J. Immunol. Methods), 47, 249 (1981)〕。
この方法では、免疫原として例えば上記のヒト・フィブ
リンβ鎖N末端ペプチドにキャリア蛋白を結合させたも
のが、寛容原として例えば次のごときアミノ酸配列を有
するペプチドにD−GLを結合させたものが用いられ
る。 H−Phe−Phe−Ser−Ala−Arg−Gly
−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−
R−OH 〔式中RはLys−Arg−Glu−Gluで示される
ペプチド又はその一部を示す〕〔配列番号2〕。
【0013】また本発明で用いられる抗活性化血小板M
oAb産生ハイブリドーマの作製にあたっては、該ハイブ
リドーマが活性化血小板に特異的でかつ実質的に非刺激
血小板と結合しないMoAbを産生するものであれば、い
ずれのものでもよい。例えばかかる活性化血小板特異M
oAbはトロンビンで活性化された血小板(好ましくはヒ
ト血小板)を免疫原として用いることにより作製される
〔C. L. Bermanら:ジャーナル・オブ・クリニカル・イ
ンベスティゲーション(J. Clin. Invest.),78, 130
(1986);N. Akamatsuら:スロンボーシス・アンド・ヘ
モスターシス(Thromb. Haemostasis), 62, 250 (198
9)〕。また、用いる血小板は哺乳動物のものであればい
ずれでもよいが、好ましくはヒト血小板が挙げられる。
この活性化血小板を動物(例、ウサギ、ラット、マウ
ス、モルモットなど)に免疫し抗体産生細胞を得、次い
で免疫動物より採取したこれらの抗体産生細胞、例えば
脾臓細胞やリンパ節細胞などを骨髄腫細胞と融合する。
得られるハイブリドーマの中から実質的に非刺激血小板
に反応せず活性化血小板に特異的に結合する抗体産生細
胞をスクリーニングすることによって、目的とする抗活
性化血小板MoAb産生ハイブリドーマを取得することが
できる。さらにまた本発明における抗tPAムテインM
oAb産生ハイブリドーマの作製については、前述したt
PAムテイン、あるいは元の非修飾型のtPAそのもの
を常法に従い動物に免疫し、得られる抗体産生細胞を骨
髄腫細胞などと融合させる方法が用いられる。動物を免
疫し、得られる抗体産生細胞を骨髄腫細胞などと融合さ
せ、抗体産生ハイブリドーマを得る方法については、抗
フィブリン抗体産生ハイブリドーマあるいは抗活性化血
小板抗体産生ハイブリドーマを得る方法と同様な操作が
用いられる。
【0014】免疫動物としては、例えばウサギ、ラッ
ト、マウス、モルモットなどが用いられるが、MoAb製
造の場合にはマウスが特に好ましく用いられる。接種方
法としては、通常実施される方法に従えばよく、例えば
活性化血小板に特異的な抗体を作製する場合にはマウス
に1回108〜1010個、好ましくは0.5〜2×109
個の洗浄ヒト血小板を生理食塩水、ヘペス緩衝液あるい
はリン酸食塩緩衝液(以下、PBSと略記することがあ
る)に懸濁して、トロンビンで活性化後腹腔内に10〜
14日毎に3〜8回接種する方法がとられる。ヒトフィ
ブリンやtPAムテインに特異的な抗体を作製する場合
には、マウスに1回1〜100μg、好ましくは10〜
25μgの抗原蛋白質を等容量(0.1ml)の生理食塩水
およびフロイントの完全アジュバンドで乳化して、背
部、腹部の皮下あるいは腹腔内に2〜3週毎に3〜6回
接種する方法がとられる。これらの免疫動物、例えばマ
ウスから抗体価の高い個体を選び、最終免疫3〜5日後
に脾臓およびあるいはリンパ節を採取し、それらに含ま
れる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させる。融合操作
は既知の方法に従い実施でき、融合促進剤としてはポリ
エチレングリコール(以下、PEGと略記することがあ
る)やセンダイ・ウィルスなどが挙げられるが、好まし
くはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としてはNS−
1、P3U1、SP2/0など、特にNS−1やP3U
1が好ましく用いられる。例えば脾臓細胞と骨髄腫細胞
との好ましい比率は1:1〜10:1で、これに分子量
1,000〜9,000のPEGが10〜80%の濃度
で添加され、20〜37℃、好ましくは30〜37℃で
3〜10分インキュベートするのが良い。
【0015】抗フィブリン抗体産生ハイブリドーマのス
クリーニングには種々の方法が使用できる。例えば、マ
イクロプレートにフィブリノーゲンを吸着させたのち、
トロンビンを作用させフィブリノーゲンをフィブリンに
変換する。次いで過剰のフィブリノーゲン存在下でハイ
ブリドーマ培養上清をフィブリン固定マイクロプレート
に添加し、プレートに結合した抗フィブリン特異抗体を
検出する酵素免疫測定法(以下、EIAと略記すること
がある)により培養上清中の抗体価を測定する。HAT
(ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン)添加培
地で選別、育種された抗体活性陽性のハイブリドーマは
直ちにクローニングに供されるが、通常これは限界希釈
法などで容易に実施される。クローン化されたハイブリ
ドーマ培養上清の抗体価を上記の方法で測定し、安定的
に力価の高い抗体を産生するハイブリドーマを選択し、
目的とするモノクローナルな抗フィブリン特異抗体産生
ハイブリドーマを取得することができる。以上のような
製造法に従って、作製した抗フィブリン抗体産生ハイブ
リドーマの例として、後述の参考例8および実施例1に
示したFIB1−11,FIB2−11およびFTB2
−133が挙げられる。抗活性化血小板MoAb産生ハイ
ブリドーマのスクリーニングについても種々の方法が使
用できる。例えば、マイクロプレートに非刺激血小板あ
るいはトロンビン活性化血小板を結合させ、1%ホルマ
リンで固定化して固相抗原として使用する。これにハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、プレートに結合した抗活
性化血小板抗体を酵素標識第2抗体で検出するEIAに
より培養上清中の抗体価を測定し、非刺激および活性化
血小板との結合の差の大きなものを選択する。例えば、
HAT添加培地で選別、育種された抗体活性陽性のハイ
ブリドーマは直ちにクローニングに供されるが、通常こ
れは限界希釈法などで容易に実施される。クローン化さ
れたハイブリドーマ培養上清の抗体価を上記の方法で測
定し、安定的に力価の高い抗体を産生するハイブリドー
マを選択し、目的とするモノクローナルな抗活性化血小
板特異抗体産生ハイブリドーマを取得することができ
る。以上のような製造法に従って作製した抗活性化血小
板MoAb産生ハイブリドーマの例として、後述の参考例
9に示したマウス・ハイブリドーマ2T60が挙げられ
る。
【0016】またtPAムテインに対するMoAbを産生
するハイブリドーマのスクリーニングは、tPAムテイ
ンあるいは非修飾型tPAを吸着させたマイクロプレー
トを用いるEIAで簡便に実施できる。クローニングも
上記した常法に従って実施し、目的の抗tPAムテイン
MoAb産生ハイブリドーマを取得できる。以上のような
製造法に従って作製した抗tPAムテインMoAb産生ハ
イブリドーマの例として、後述の参考例10に示したマ
ウス・ハイブリドーマTPA1−41が挙げられる。
【0017】本発明の二重特異性を有するハイブリッド
MoAbを産生するポリドーマの作製には幾つかの手法が
あり〔例、新本洋士ら:蛋白質・核酸・酵素,33, 217
(1988)など〕、いずれの方法を用いてもよいが例え
ば、上記のHAT抵抗性の抗tPAムテイン抗体産生
ハイブリドーマを、5−ブロモデオキシウリジン(以
下、BrdUと略記することがある)添加の培養液に段階
的に馴化させ、チミジンキナーゼ欠損株をクローン化し
HAT感受性とする。同様にHAT抵抗性の抗フィブリ
ンあるいは抗活性化血小板特異抗体産生ハイブリドーマ
を8−アザグアニン(以下、AZGと略記することがあ
る)耐性とし、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボ
シルトランスフェラーゼ欠損株をクローン化しHAT感
受性とする。次いで常法に従い両者を融合して得られる
テトラオーマをHAT添加培地で選別後、血栓およびt
PAムテインの両者に結合能を有するハイブリッドMo
Abを分泌するテトラオーマをクローン化する、抗フ
ィブリンあるいは抗活性化血小板特異抗体産生ハイブリ
ドーマをフルオレセイン・イソチオシアネート(以下、
FITCと略記することがある)で標識し、もう一方の
抗tPAムテイン抗体産生ハイブリドーマをテトラメチ
ル・ロダミン・イソチオシアネート(以下、TRITC
と略記することがある)で標識後、常法に従い両者を融
合する。得られた細胞懸濁液をフルオレセイン・アクテ
ィベイティッド・セルソーター(以下、FACSと略記
することがある)に供し、FITCの緑色およびTRI
TCの赤色の蛍光を同時に有するテトラオーマを選別・
クローン化するなどの方法が挙げられる。また両親株の
マーカーを全く逆にして使用し、テトラオーマを選別・
クローン化することも可能である、tPAムテインを
免疫したマウスより脾臓細胞を採取し、一方でHAT感
受性とした抗フィブリンあるいは抗活性化血小板MoAb
産生ハイブリドーマとこの脾臓細胞とを融合させ、HA
T添加培地で選別しトリオーマを作成する。次いで血栓
およびtPAムテインの両者に結合能を有するハイブリ
ッドMoAbを分泌するトリオーマをクローン化する、な
どの方法がある。
【0018】これらの操作における細胞融合に当っては
センダイウイルス、PEGなどの融合促進剤やあるいは
電気刺激などの方法が用いられる。好ましくはPEGが
用いられ、以下にその一例を挙げるが、もちろんこの方
法に限定されるものではない。すなわち、分子量約1,
000〜9,000、濃度約10〜80%等のPEGが
用いられ、処理時間は約0.5〜30分であるが、好ま
しい条件の一例として、約35〜55%のPEG6,0
00を約4〜10分間、37℃で細胞と接触させ、効率
よく融合させることができる。ポリドーマの選択は、上
記のHAT添加培地などで実施できるが、このため8−
AZG、6−チオグアニン(6−TG)あるいは5−B
rdUなどの薬剤馴化法により、それぞれの薬物耐性株が
取得される。また新しいマーカーの融合細胞への導入に
より、種々の選択培地が用いられる。このような例とし
て、ネオマイシンやハイグロマイシンB添加培地などが
挙げられる〔B. Sugdenら:モレキュラー・アンド・セル
ラー・バイオロジー(Mol. Cell. Biol.), 5, 410 (198
5)〕。さらに前記したように、異った蛍光色素で標識し
たハイブリドーマを融合し、FACSで二重標識された
ハイブリッド・ハイブリドーマをソーティングする方法
もある〔L. Karawajewら:ジャーナル・オブ・イムノロ
ジカル・メソッズ(J.Immunol. Methods). 96, 265 (19
87)〕。
【0019】ハイブリッド抗体産生ポリドーマのスクリ
ーニングには種々の方法が使用できる。例えば、前述
した抗フィブリンあるいは抗活性化血小板特異抗体産生
ハイブリドーマと抗tPAムテイン抗体産生ハイブリド
ーマのスクリーニングのためのEIA併用、フィブリ
ン結合あるいは活性化血小板結合マイクロプレートに被
検培養上清を添加し、次にHRP標識したtPAムテイ
ンもしくは非修飾型tPAを加えて二重特異性を有する
ハイブリッド抗体検出のためのEIA;あるいは抗フィ
ブリンあるいは抗活性化血小板特異抗体と異なるサブク
ラスに属するtPAムテインに対する抗体を用いる場合
は、フィブリン結合あるいは活性化血小板結合マイク
ロプレートに被検培養上清を添加し、次にHRP標識し
た該抗マウスIgGサブクラス特異抗体を加えて二重特異
性抗体を検出するEIA、およびこれらの変法などを適
宜組み合せて用いることができる。ハイブリッド抗体活
性陽性のポリドーマは直ちにクローニングに供される
が、これは通常限界希釈法などで容易に実施される。ク
ローン化されたポリドーマの培養上清については、上記
の方法でその抗体価を測定し、安定的に力価の高い抗体
を産生するポリドーマを選択することにより、目的とす
るモノクローナルなハイブリッド抗体産生ポリドーマを
取得することができる。
【0020】上記した本発明のポリドーマの培養は通
常、液体培地中、または動物の腹腔内(例えば、マウス
等哺乳動物の腹腔内)で公知の方法により実施できる。
培養液および腹水中の抗体の精製については公知の生化
学的手法を組み合わせて用いることによりできる。例え
ば、細胞培養液もしくは腹水を遠心分離し、上清を取り
出し、塩析(通常は硫酸アンモニウムもしくは硫酸ナト
リウムを用いる)を実施する。得られたタンパク沈殿物
を適当な溶液に溶解し、透析後カラムクロマトグラフィ
ー(イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、プロテインA
カラム、ヒドロキンアパタイトカラム、ABxカラム、
疎水担体カラムあるいは抗原結合カラム等)に付し、目
的とする抗体を分離精製することができる。以上のよう
な分離精製操作により、例えば1リットルの培養上清か
らタンパク重量比で90%以上の純度のハイブリッドM
oAbを約1〜5mg得ることができる。また、20mlの腹
水液からは同様の抗体が3〜10mg得られる。以上のよ
うな製造法に従って作製した抗フィブリン−抗tPAム
テイン二重特異性抗体産生テトラオーマの例として実施
例3に示したFT2−14がトリオーマの例として実施
例2に示したTAF1−42、TAF1−79およびT
AF1−228が挙げられる。本発明の二重特異性抗体
がマウス抗体由来のものである場合には、該蛋白質の超
可変領域以外の領域、例えば定常領域あるいはフレーム
・ワーク領域を、遺伝子操作技術によりヒト抗体由来の
ものに変換し〔Z. Steplewskiら:プロシーディングズ・
オブ・ナショナル・アカデミー・サイエンス ユーエスエ
ー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA), 85, 4852 (1988);
L. Riechmannら:ネーチャー(Nature), 332,323 (198
8)〕、マウス−ヒト・キメラ型あるいはヒューマナイズ
した抗体を作製することもできる。かかるヒト型化抗体
はヒトへの投与に際し、抗原性が小さいため有利に用い
られる。
【0021】本発明の二重特異性抗体を作製するには、
上記のハイブリッド・ハイブリドーマ法が望ましいが、
以下のような化学結合法も用いられる。2種のMoAbを
化学的に結合させるために、抗体分子中に存在している
置換基、例えばアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基またはスルフヒドリル基などを利用することができ
る。例えば、(1)一方の抗体の反応性アミノ基と他方
の反応性カルボキシル基とを水溶性カルボジイミド試薬
〔例、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2
−モルホリノエチル)−カルボジイミド−p−トルエン
スルホネートなど〕を用いて水性溶媒中で脱水縮合させ
る、(2)一方の抗体の反応性アミノ基をN−ヒドロキ
シスクシミドの活性エステル〔例、p−マレイミドメチ
ルシクロヘキサン−1−カルボキシル−N−ヒドロキシ
スクシミドエステル、N−(ε−マレイミドカプロイロ
キシ)スクシミドエステルあるいはGMBSなど〕と反
応させマレイミド化したのち、i)他方の抗体をジチオ
スレイトール(DTT)で還元した抗体、あるいはii)
他方の抗体にN−スクシミジル−3−(2−ピリジルジ
チオ)プロピオネート(SPDP)でスルフヒドリル基
を導入した抗体、あるいはiii)他方の抗体をペプシン
処理後還元して得られるFab'画分のスルフヒドリル基
とチオエーテル結合させる、(3)2種の抗体双方の反
応性アミノ基をスクシンジアルデヒドやグルタルアルデ
ヒドなどのジアルデヒド試薬を用いて結合させる、
(4)2種の抗体をDTTで還元あるいはSPDPでス
ルフヒドリル基を導入し、再酸化によりヘテロダイマー
を作製する、(5)2種の抗体をいずれもペプシン処理
後還元し、Fab'としたのち再酸化しFab'ヘテロダイマ
ーを作製する、などの方法がある。またこれらの方法を
種々組み合わせて、2種の抗体活性をできるだけ損なわ
ずに効率良く目的のヘテロダイメリックな二重特異性抗
体を作製する報告があり〔M. J. Glennieら:ジャーナル
・オブ・イムノロジー(J.Immunol.), 139, 2367 (198
7):北川常広:有機合成化学、42, 283 (1984)〕、本発明
の二重特異性MoAbの作製に利用できる。
【0022】以上のような結合反応終了後、二重特異性
抗体結合物はセファデックスG100もしくはG20
0、セファロース6Bもしくは4B、ウルトロゲルAc
A44もしくは34、セファクリルS200などのゲル
ろ過クロマトグラフィーにより精製・分取できる。ある
いは抗原結合カラムを用いるアフィニティークロマトグ
ラフィーを組み合わせることにより選択的な分取も可能
である。
【0023】以上のようにして得られた二重特異性を有
するハイブリッドMoAbは蛋白質として均一であり、蛋
白分解酵素(ペプシン、パパインなど)処理などによ
り、活性化血小板あるいはフィブリンおよびtPAムテ
インに対する結合能を保持するF(ab')2断片などを得る
ことができる。本発明の二重特異性MoAbあるいはtP
Aムテインと該二重特異性MoAbとから作製される選択
的な血栓溶解蛋白複合体を用いる血栓溶解治療法におい
ては、幾つかの方法が用いられる。例えば、本発明の
二重特異性MoAbを予め血栓性疾患患者に投与し、患者
体内に形成された血栓に結合させるベく十分な時間経過
後に、tPAムテインを投与する、該二重特異性Mo
AbとtPAムテインとを同時に血栓性疾患患者に投与
する。あるいは予め該二重特異性MoAbとtPAムテ
インとを反応させ、たとえば免疫結合させ、未反応のt
PAムテインを分離後、得られた選択的血栓溶解蛋白複
合体、好ましくは該bSMoAbとtPAムテインの比
率が1:1であるような選択的血栓溶解蛋白複合体を、
血栓性疾患患者に投与するなどの方法が挙げられる。
【0024】本発明の二重特異性MoAbあるいはさらに
tPAムテインを免疫結合させてなる血栓溶解剤は、必
要により例えばメンブレインフィルター等によるろ過除
菌操作の後に、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容
され得る担体、賦形剤、希釈剤などと混合し、注射剤な
どとして製剤化して、哺乳動物(例、マウス、ラット、
ネコ,イヌ,ブタ,ウシ,サル、ヒトなど)に投与し、
例えば心筋梗塞、末梢動・静脈閉塞症、網膜動・静脈閉
塞症、脳梗塞、肺塞栓症などの血栓・閉塞性疾患の治療
に用いることが可能である。本発明の血栓溶解剤の投与
量は、対象となる疾患、症状あるいは投与ルートなどに
よって異なるが、例えば心筋梗塞の成人患者に静脈内投
与する場合、二重特異性MoAbとして1日当り約0.0
2〜1mg/kg好ましくは約0.04〜0.4mg/kg、t
PAムテインでは一般的には約0.001〜0.5mg/
kg、好ましくは約0.002〜0.1mg/kg、中でも約
0.004〜0.04mg/kgが好ましい。
【0025】
【作用】以上のような方法で、標的血栓部位に対して特
異的に結合可能であり、実質的にフィブリノーゲンや非
刺激血小板と結合しない本発明の二重特異性MoAbとt
PAムテインとを用いることにより、副作用を伴うこと
なく選択的かつ効率的に血栓を溶解、除去できる。
【0026】本発明明細書および図面において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commis
ion on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例
を下記する。また、アミノ酸に関し光学異性体がありう
る場合は、特に明示しなければL−体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 Tdr :チミジン EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly(G):グリシン Ala(A):アラニン Val(V):バリン Leu(L):ロイシン Ile(I):イソロイシン Ser(S):セリン Thr(T):スレオニン Cys(C):システイン Met(M):メチオニン Glu(E):グルタミン酸 Asp(D):アスパラギン酸 Lys(K):リジン Arg(R):アルギニン His(H):ヒスチジン Phe(F):フェニルアラニン Tyr(Y):チロシン Trp(W):トリプトファン Pro(P):プロリン Asn(N):アスパラギン Gln(Q):グルタミン。
【0027】
【実施例】以下に参考例および実施例により本発明を具
体的に説明するが、これらが本発明の範囲を制限するも
のでないことは言うまでもない。なお、参考例および実
施例で用いられている動物細胞および微生物は、以下の
表に示すように寄託が行なわれている。
(IFO) (FRI) 動物細胞および微生物名 IFO No. FERM No. マウスハイブリドーマ 50174 BP-2081 FIB 1−11 (1988.9.21) (1988.10.4) マウスハイブリドーマ 50175 BP-2082 FIB 2−11 (1988.9.21) (1988.10.4) マウスハイブリドーマ 50178 BP-2085 TPA 1−41 (1988.9.21) (1988.10.4) マウスハイブリドーマ 50211 BP-2623 2T60 (1989.9.27) (1989.10.4) マウスハイブリドーマ 50332 BP-3455 FTB 2−133 (1991.6.7) (1991.6.18) マウスハイブリッド・ハイブリドーマ 50180 BP−2158 (テトラオーマ)FT2−14 (1988.11.8) (1988.11.25) マウスハイブリッド・ハイブリドーマ 50333 BP-3456 (トリオーマ)TAF 1−42 (1991.6.7) (1991.6.18) マウスハイブリッド・ハイブリドーマ 50334 BP-3457 (トリオーマ)TAF 1−79 (1991.6.7) (1991.6.18) マウスハイブリッド・ハイブリドーマ 50335 BP-3458 (トリオーマ)TAF 1−228 (1991.6.7) (1991.6.18) Escherichia coli MM294(DE3)/pLysS, pTB1133 IFO 15031 FERM BP-2882 (1990.4.17) (1990.5.1) Escherichia coli MM294(DE3)/pLysS, pTB1277 IFO 15116 FERM BP-3199 (1990.12.6) (1990.12.1 3) IFO:財団法人発酵研究所(大阪市淀川区十三本町2丁目
17番85号) FRI:通商産業省微生物工業技術研究所(茨城県つくば市
東1丁目1番3号)
【0028】
【参考例1】 抗フィブリン抗体測定用EIA 3.3M尿素、0.01% EDTA含有リン酸食塩緩衝
液(PBS,pH7.3)に溶解したヒト・フィブリン・
モノマー溶液1mg/mlを、96穴マイクロプレートに5
0μlずつ分注し4℃で一夜放置後、2%カゼイン、
0.01%チメロサール含有PBS150μlを添加し
て感作プレートを作製した。次に100単位/mlヘパリ
ン、3mMフェニルメチルスルホニルフルオリド含有P
BSに溶解したヒト・フィブリノーゲン溶液10mg/ml
を、等量の被検ハイブリドーマ培養上清と混じ、室温で
30分間反応後、その100μlを上記のフィブリン感
作プレートに添加し室温で2時間反応させた。0.05
% Tween20含有PBS(PBS−Tw)でプレートを
十分に洗浄後、ホースラッディッシュ・ペルオキシダー
ゼ(HRP)標識ウサギ抗マウスIgG抗体を添加し、さ
らに室温で2時間反応させた。洗浄後、酵素基質として
オルソフェニレンジアミンおよびH22を含有する0.
1Mクエン酸緩衝液を各ウェルに加え、室温で酵素反応
を実施した。1N硫酸で反応停止後、マルチスキャン
(フロー社製)を用いて波長492nmで発色色素量を測
定した。
【0029】
【参考例2】 抗血小板抗体測定用EIA 固定化血小板の作製 クエン酸採血したヒト新鮮血から遠心分離法により多血
小板血漿を取得し、ADP分解酵素を含むタイロード−
ヘペス緩衝液(pH6.5)で洗浄した。この洗浄血小
板を2×107個/ウエルでマイクロプレートに播き、
トロンビン(0.2ユニット/ml)で活性化したのち遠
心した。次いで2%ホルマリンで固定化後、5%牛血清
アルブミン(以下、BSAと略記することがある)含有
PBSでブロッキングして活性化血小板プレートを作製
した。非刺激血小板プレートは上記の操作中、トロンビ
ン活性化操作を省略して作製した。 EIA操作法 ハイブリドーマ培養上清100μlを血小板プレートに
添加し、室温で3時間反応後PBS−Twで洗浄、HR
P標識ウサギ抗マウスIgG抗体を添加し、さらに室温で
2時間反応させた。洗浄後、固相に結合したHRP活性
を参考例1に示した方法で測定した。
【0030】
【参考例3】 抗tPA抗体測定用EIA 市販の1本鎖tPA(中央科学工業K.K.販売)5μ
g/ml溶液を96穴マイクロプレートに100μlずつ分
注し4℃で一夜放置後、2%カゼイン、0.01%チメ
ロサール含有PBS150μlを添加して感作プレート
を作製した。上記の液を除去しPBS−Twで洗浄後、
被検ハイブリドーマ培養上清100μlを添加し室温で
2時間反応させた。以下、参考例1に記載の方法で酵素
反応を実施し抗体価を測定した。
【0031】
【参考例4】 抗tPAムテイン抗体測定用EIA 参考例3に記載のtPAの代りに参考例19に記載のt
PA−6’を使用し、tPA−6’感作プレートを作製
後、同様の方法で抗tPAムテイン抗体価を測定した。
【0032】
【参考例5】 抗ヒト・フィブリノーゲン抗体測定用E
IA 参考例3に記載のtPAの代りに市販のヒト・フィブリ
ノーゲン(和光純薬販売)を使用し、ヒト・フィブリノ
ーゲン感作プレートを作製後、同様の方法で抗ヒト・フ
ィブリノーゲン抗体活性を測定した。
【0033】
【参考例6】 抗フィブリン−抗tPAムテイン・ハイ
ブリッド抗体測定用EIA 参考例4で作成したtPA−6’感作プレートにハイブ
リッド抗体含有検液を添加し、室温で2時間反応させ
た。PBS−Twで洗浄後、ビオチン標識した参考例8
−に記載のヒト・フィブリンβ鎖N末端ペプチド(1
−11)−BSA複合体を添加し、さらに室温で2時間
反応させた。次にアビジン−HRP複合体を添加し室温
で1時間反応後、固相に結合したHRP活性を参考例1
に示した方法で測定した。
【0034】
【参考例7】 フィブリン溶解反応中和試験 tPA溶液(最終濃度20ng/ml)に被検ハイブリドー
マ培養上清希釈液を添加し、37℃で1時間反応後反応
混液をフィブリン・アガロース・プレートの1ウェル当
り5μl注入した。37℃で2〜6時間後にフィブリン
の溶解斑(直径)を測定し、tPAの酵素活性に対する
ハイブリドーマ培養上清に含まれるMoAbの中和能を測
定した。
【0035】
【参考例8】 マウス抗ヒトフィブリン・モノクロナー
ル抗体産生ハイブリドーマの作製 免疫原の調製 公知の固相合成法によりペプチド合成機(アプライド・
システム、モデル430A型)を用いて作製された次式
のヒト・フィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−
Cys 3.3mgを、予めGMBSでマレイミド化したBS
A(BSA1モル当り13モルのマレイミド基を導入)
12mg/2ml水溶液に加え30℃で1時間反応させ、ヒ
ト・フィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−11)−BS
A複合体を得た。次いで生理食塩水で3回透析後(3リ
ットル×3)、凍結保存し免疫原として用いた。 H-Gly-His-Arg-Pro-Leu-Asp-Lys-Lys-Arg-Glu-Glu-Cys-
OH (12-mer, 配列番号1) 免疫 ペプチド−BSA複合体1mg/ml生理食塩水溶液に等量
のフロイント完全アジュバンドを加え、マウス(♀,n
=10:0.1mg/0.2ml/マウス)の背部および腹
部皮下への免疫を開始した。追加免疫は免疫原に等量の
フロイント不完全アジュバンドを加えて、2−3週毎に
5回接種し実施した。 細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し、脾臓細胞懸濁液を常法
により調製した(約108個)。次いでマウス骨髄腫細
胞(P3U1)2×107個を添加し、PEG6000
を用いてケーラーとミルスタインの方法〔ネーチャー
(Nature). 256,495 (1975)〕に準じて細胞融合に供し
た。融合終了後、細胞混液をHAT培地中に懸濁し、1
0日間培養した。以後は、親細胞の選択が終了次第、H
AT培地からアミノプテリンを除いたHT培地に代え培
養を続けた。
【0036】ハイブリドーマの選択およびクローニン
グ 固相にヒト・フィブリノーゲンおよびヒト・フィブリン
・モノマーを吸着させたマイクロプレートを用いる参考
例5および1に記載のEIAでハイブリドーマ培養上清
の抗体価を測定した。融合10日から20日後でハイブ
リドーマの出現を認め、かつヒト・フィブリンに特異結
合する抗体がみられた。特に結合活性の強いハイブリド
ーマについて、限界希釈法によるクローニングに供し
た。クローン化したハイブリドーマの培養上清を同様に
EIAのスクリーニングに供し、ヒト・フィブリン結合
能の強いものを選択した。これらの結果、高濃度ヒト・
フィブリノーゲン存在下でフィブリンに特異結合するM
oAb産生マウスハイブリドーマFIB1−11およびF
IB2−11が得られた。これらから得られたMoAb
FIB1−11およびFIB2−11の免疫グロブリ
ン・クラス、サブクラスはオークターロニー法による測
定で、いずれもIgG1(κ鎖)であった。
【0037】
【参考例9】 マウス抗活性化血小板抗体産生ハイブリ
ドーマの作製 免疫 クエン酸採血で得たヒト新鮮血より遠心分離法で洗浄血
小板を取得した。血小板約109個にトロンビン0.1
単位/mlを添加し、37℃で5分間インキュベートした
のち、BALB/cマウスの腹腔内に(n=10;約1
9ケ/1ml/マウス)注射した。2週毎に6−8回
免疫した。 細胞融合 参考例8−に記載のマウス骨髄腫細胞P3U1の代わ
りにNS−1を用いて、以下全く同様の方法で細胞融合
を実施した。 ハイブリドーマの選択およびクローニング 血小板結合マイクロプレートを用いる参考例2に記載の
EIAでハイブリドーマをスクリーニングし、以下参考
例8−と同じ要領で抗活性化血小板MoAb産生ハイブ
リドーマを取得した。これらの結果、ヒトおよびウサギ
活性化血小板に特異的に結合するMoAb産生ハイブリド
ーマ2T60が得られた。抗体2T60の免疫グロブリ
ン・クラス、サブクラスはオークターロニー法による測
定で、IgG1(κ鎖)であった。
【0038】
【参考例10】 マウス抗tPAムテイン・モノクロー
ナル抗体産生ハイブリドーマの作製 免疫 tPA200μg/ml生理食塩水溶液に等量のフロイン
ト完全アジュバンドを添加し十分乳濁後、BALB/c
マウス(♀,20μg/0.2ml/マウス)に腹腔およ
び背部皮下投与し、2〜3週間隔で追加免疫を実施し
た。3回の追加免疫後、10日で最大の血清抗体価を示
した個体について、tPA抗原液(50μg/0.1ml
生理食塩水/マウス)を静脈内投与した。 細胞融合 参考例8−に記載の方法に従い、細胞融合を実施し
た。 ハイブリドーマの選択およびクローニング tPAムテイン結合マイクロプレートを用いる参考例4
に記載のEIAでハイブリドーマをスクリーニングし、
以下参考例8−と同じ方法でtPAムテイン結合活性
を有する抗tPA MoAb産生ハイブリドーマを取得し
た。これらの中、参考例7に記載のフィブリン溶解反応
中和試験で中和能を示さず、かつtPAおよびtPAム
テインに特異結合する抗tPA MoAbを産生するハイ
ブリドーマとしてマウスハイブリドーマTPA1−41
を得た。抗体TPA1−41の免疫グロブリン・クラ
ス、サブクラスはオークターロニー法による測定でIgG2
b(κ鎖)であった。
【0039】
【参考例11】 ヒトtPAをコードする遺伝子を含む
プラスミドの構築 (1)cDNA含有プラスミドの単離: ヒト包皮由来初代培養細胞mRNAより合成したcDN
AをpCDベクター〔Okayamaら、モレキュラー・セル
・バイオロジー(Molecular Cel1 Biology), 3,280 (19
83) 参照〕に組み込んで作成した大腸菌x1776を宿主と
したcDNAライブラリーを大阪大学微生物病研究所の
岡山博士より分与を受けた。このcDNAライブラリー
よりアルカリ法(Birnboim. H. C. & Doly. J.,ヌクレ
イック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Researc
h), 1, 1513 (1979)〕でプラスミドDNAを抽出し、こ
のDNAを大腸菌DH1に感染させ、約2×106個のclo
neよりなる大腸菌DH1を宿主としたcDNAライブラ
リーを作成した。
【0040】上記大腸菌DH1を用いたcDNAライブ
ラリーをニトロセルロースフィルター(ミリポア社、H
ATFフィルター)上に約5×104 clone/フィルターと
なるように10枚まき、このフィルターをマスターフィル
ターとしている各2枚ずつを1組としたレプリカフィル
ター計20枚を作成した。このレプリカフィルター上の大
腸菌を0.5N NaOH溶液で溶かし、露出変性したプラ
スミドDNAをフィルター上に固定した〔Grunstein,
M. & Hogness, D. S.,プロシージングス オブナショナ
ル アカデミー オブ サイエンス( Proc. Natl. Acad.
Sci. USA)72,3961 (1975)〕。
【0041】一方、D. Pennicaらにより報告されている
〔ネイチャー(Nature) 301, 214(1983)〕ヒトtPA
のアミノ酸配列をもとにしてアミノ酸No.248-260(Asn-A
rg-Arg-Leu-Thr-Trp-Glu-Tyr-Cys-Asp-Val-Pro-Ser)
(配列番号3), アミノ酸No.489-501(Arg-Met-Thr-Leu
-Val-Gly-Ile-Ile-Ser-Trp-Gly-Leu-Gly)(配列番号
4)およびアミノ酸No.516-527-stop(Asn-Tyr-Leu-Asp-
Trp-Ile-Arg-Asp-Asn-Met-Arg-Pro-Stop)(配列番号
5)をもとにこれらのアミノ酸配列に対応する塩基配列
を有するオリゴヌクレオチド各々 AAC CGC AGG CTG ACG
TGG GAG TAC TGT GATGTG CCC TCC (配列番号6); CG
C ATG ACT TTG GTG GGC ATC ATC AGC TGG GGCCTG GGC
(配列番号7); AAC TAC CTA GAC TGG ATT CGT GAC AA
C ATG CGA CCGTGA(配列番号8)を化学合成した。この
オリゴヌクレオチドに対してT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼ(宝酒造製)を用いて50μlの反応液〔オリゴヌク
レオチド0.1μg,50mM Tris-HCl pH8.0, 10mM MgCl
2,10mMメルカプトエタノール、50μCiγ−32P AT
P(>5000Ci/mmole), 3ユニット T4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ〕中で37℃1時間反応させ、オリゴヌクレオ
チドの5’末端を32Pで標識した。上記方法で標識した
オリゴヌクレオチド二種をプローブとして、別々に、D
NAを固定したレプリカフィルターに会合させた。会合
反応は10μCiのプローブを含む5×SSPE〔180mM
NaCl,10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4),
1mM EDTA〕,5×Denhardt's,0.1%SDS,100μg
/ml変性サケ精子DNA溶液10ml中で、35℃16時間
行い、反応後フィルターを5×SSC〔0.15M NaCl,0.
015M クエン酸ナトリウム緩衝液〕0.1%SDS溶液で室
温で30分ずつ3回さらに45℃30分ずつ2回洗浄した〔T.
Maniatisら、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)Cold Spring Harbor Laboratory,p. 309(1
982)〕。
【0042】洗浄したフィルターよりラジオオートグラ
ムをとり、三種類のプローブの全部に対して反応する菌
株を一組2枚のレプリカフィルターのラジオオートグラ
ムを重ね合わせることにより探した。この方法により5
×105 個のコロニーより三種類のプローブに対して反応
する1株〔Escherichia coli K12 DH1/TPA13〕を得た。
この菌株よりプラスミドDNA(pTPA13)をアルカリ法
〔ヌクレイック アシッズ リサーチ(Nucleic Acids Re
search),1,1513(1979)〕によって抽出精製し、cD
NAの長さを検討したところ2.3kbであることが明らか
になった。しかし、このcDNA鎖長ではN末端側まで
コードしていないことがわかった。
【0043】(2)ヒトtPA cDNAを含むファー
ジの単離 λgt10をベクターとしたヒトニューロブラストー
マ、cDNAライブラリー(クローンテック社)を大腸
菌C600、HflAを宿主として、軟寒天プレート上
に、約1×105クローンずつ、10枚まき、これを、ニト
ロセルロースフィルター(ミリポア社、HATFフィル
ター)上に移した後、0.5N NaOH溶液でとかし露出
変性したファージDNAをフィルター上に乾燥固定し
た。〔Maniatisら、「モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)」Cold Spring HarborLaboratory, p3
20, 1982〕。一方参考例11の(1)で得られたプラス
ミドpTPA13を制限酵素EcoRIおよびNarIで
切断して得られる0.3KbのDNA断片をニックトラン
スレーション法(Mainatisら、同上p109)により32P標
識し、プローブとした。標識したプローブと、DNAを
固定したフィルターを、標識プローブを含む、5×SS
PE(0.9M NaCl 50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4),
5mM EDTA), 50%ホルムアミド、5×Denhardt's,0.1%
SDS, 100μg/ml変性サケ精子DNA溶液10ml中で
42℃、16時間、会合反応を行い、反応後フィルターを2
×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナ
トリウム), 0.1% SDS溶液中で室温で30分ずつ2回、1
×SSC、0.1%SDS溶液中で68℃で30分ずつ2回洗浄し
た。洗浄したフィルターを乾燥させた後、ラジオオート
グラムをとり、プローブと反応するクローンを検索し
た。この方法により得られたクローンλTPA7よりDa
visらの方法〔Davisら、「アドバンスト・バクテリアル・
ジェネティクス(Advanced Bacterial Genetics)」, Cold
Spring Harbor Laboratory( 1980)〕 によりファージ
DNAを抽出し、数種の制限酵素を用いて検討した結
果、クローンλTPA7はpTPA13で欠けているヒ
トtPAのN末端側をコードするcDNAを有すること
がわかった。以上の結果、得られたpTPA13および
λTPA7のcDNA部分を組み合わせることにより、
ヒトtPAのコード領域全体をカバーすることができ
た。また得られたcDNA部分の塩基配列をジデオキシ
ヌクレチオド合成鎖停止法〔Messingら、「ヌクレイック
・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)」9, 30
9, (1981)〕によって決定した。報告されている塩基配
列と比較した結果、アミノ酸No.129(Arg)をコードする
塩基配列(No.552-554)CGGがTGGにかわっており、
コードされるアミノ酸がArg→Trpに置き換ってい
ることがわかった(図3)(配列番号9)。
【0044】(3)動物細胞発現用プラスミドの構築 上記したλTPA7をEcoRIで切断し、0.8kbのD
NA断片を得た。一方プラスミドpTB652〔サイエン
ス(Science) 236 : 1116-1120,( 1987)〕をEco
RIで切断して得たアンピシリン耐性遺伝子、 MuL
V−LTRおよびSV40プロモーターを含む断片(約4.2
kb)を調製し、両者をligationしてプラスミドpλTP
A7E0.8を構築した。このpλTPA7E0.8をNar
IおよびClaIで消化して得た2.1kbのDNA断片と
プラスミドpTPA13をNarIおよびClaIで消化
して調製したtPA cDNAを含む断片をligateし、
プラスミドpTB920を構築した(図4)。次にpTB92
0をBamHIで消化して得た2.7kbのDNA断片を、p
TB399〔セル ストラクチャー アンド ファンクション
(Cell Structure and Function) 12 : 208-217, 198
7〕のBamHI部位に挿入してpTB926を構築した。
このプラスミドをClaIで消化して4.0kbの断片を調
製し、pTB348(Cell Structure and Function 12 :
205-217, 1987)のClaI部位に組み込んでプラスミ
ドpTB927を構築した(図5)。
【0045】
【参考例12】 ヒトtPA cDNAの動物細胞での
発現 サルCOS−7細胞〔「セル(Cell)」, 27, 279-288 (198
1)〕を5%胎児牛血清を含むDMEM培地で単層培養
(ファルコン径60mmプラスチックディッシュ)した後、
同培地で培地交換した。交換の4時間後に公知の方法
〔Grahamら、「ヴィロロジー(Virology)」, 52, 456 (1
973)〕に従いディシュ1枚当りプラスミドpTB920ま
たはpTB927のDNA10μgを含むカルシウムホスフ
ェートゲルを調製し細胞に添加し、pTB920感染細胞
またはpTB927感染細胞をそれぞれ得た。さらにその
4時間後グリセロール処理して5%胎児牛血清を含む培
地で上記pTB920感染COS−7細胞またはTB927感
染COS−7細胞の培養を続けた。70〜72時間後に培養
上清を集め、上清中のtPA量を参考例3に記載のEI
A法により測定したところ200μg〜400μg/mlのt
PAが検出され、上記cDNAが正しくヒトtPAをコ
ードしていることが確められた。
【0046】
【参考例13】 ムテインをコードする塩基配列を有す
る組換えDNAの製造 参考例11に記載のプラスミドpTB927をBgl IIで消
化して2.1kbのDNA断片を得、これをさらにApaLIお
よびBstYIで消化して1.3kbの断片を得た。このDNA
の両端をklenowフラグメントを用いた反応により平滑化
した後、プラスミドpUC118のSmaI部位に組み込みプラ
スミドpTB1127を構築し、合成オリゴヌクレオチドを
使用する特定部位指向性変異誘発の鋳型として用いた。
特定部位指向性変異はOligonucleotide-directed in vi
tro Mutagenesis System (アマシャム社)と合成オリゴ
マーを用いて行った。用いた合成オリゴマーの配列を下
に示す。 5'-ACTGTTTCCCTCAGACATATGAGGGGTGCTGCAGAA-3' (36mer)(配列番号10) この合成オリゴマーを用いることにより、C173はMに
置換されると同時にNdelの認識部位が導入された、
ヒトtPA cDNAを構築することができた(図6)。
即ち、tPAのアミノ酸番号1〜173までのFEK1
ドメインの欠失したtPAムテインが得られた。このよ
うにして得られたtPAムテイン、tPA−1の塩基配
列およびそれから推測されるアミノ酸配列を図7(配列
番号11)に示す。このムテインとtPAとの違いを示
すと以下のようである。 上記のようにして得られたプラスミドをpTB1128とし
た(図8)。
【0047】
【参考例14】 ヒトtPAのムテインをコードする遺
伝子による大腸菌の形質転換 (1)ヒトtPAのムテイン発現用プラスミドpTB11
33の構築 前記参考例13で得られたpTB1128をNdeIおよびBam
HIで切断し、各々約1.1kbのDNA断片を得た。この断
片をプラスミドpET3c〔Srudier, F. W. (Brookhav
en National Labs. U.S.A.) より分与をうけた〕のNd
eI−BamHI部位に挿入して、プラスミドpTB11
33を構築した(図8)。 (2)形質転換 次に大腸菌MM294株に、T7ファージのRNAポリメ
ラーゼ遺伝子を組み込んだλファージDE3〔Studier,
F. W. ら、ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジ
ー(J. Mol. Biol.), 189 :113-130 (1986)〕を溶原化
させ、さらにT7ファージのリゾチーム遺伝子をもつプ
ラスミドpLysS〔Studier, F. W. ら、ジャーナル オブ
モレキュラー バイオロジー(J. Mol. Biol.),189: 113
-130 (1986)〕を導入し、大腸菌MM294(DE3)/pLysS株を
作製した。この大腸菌株にpTB1133を導入し、大腸菌
MM294(DE3)/pLysS,pTB1133をつくった。この菌株は
ヒトtPAムテインtPA−1を産出するように作製さ
れていた。
【0048】
【参考例15】 tPA−1発現大腸菌の培養 参考例14で得た大腸菌MM294 (DE3)/pLysS, PTB113
3を、200ml容技付き三角フラスコ内の1%バクトトリ
プトン(ディフコラボラトリーズ、アメリカ)、0.5%バ
クトイーストエキス(ディフコラボラトリーズ、アメリ
カ)、0.5%NaCl、100μg/mlアンピシリンナト
リウムおよび10μg/mlクロラムフェニコールを含む
液体培地40mlに接種して37℃にて一晩振盪培養した。
この培養液10mlを1,000ml容三角フラスコ内の1%
バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、0.5%
NaCl、100μg/mlアンピシリンナトリウムおよ
び10μg/mlクロラムフェニコールを含む上記液体培
地200mlに添加しては37℃にて4時間、ついでイソプロ
ピル-β-D-チオガラクトピラノシド(和光純薬工業株式
会社)0.1mMを添加してさらに4時間振盪培養して培養
液を得た。この培養液を遠心分離し、菌体を集め−80℃
で凍結して保存した。
【0049】
【参考例16】 tPA−1蛋白質の抽出、賦活化およ
び精製 抽出、賦活化 参考例15で得たtPA−1発現大腸菌凍結菌体を50mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)50mlに懸濁した。懸濁
液を超音波処理(2A×2分間、2回)にかけ、溶菌液
を得た後18,900×gで20分間遠心分離して沈澱物を得
た。この沈澱物を10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)50
mlで洗浄して、18,900×gで20分間遠心分離して沈澱
物を得た。さらにこの沈澱物を0.25%(v/v)トライト
ンX−100を含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で洗浄
して、18,900×gで20分間遠心分離して沈澱物を得た。
この沈澱物に抽出用緩衝液(7M塩酸グアニジン−0.1
M KH2PO4(pH7.5)−5mM 2−メルカプトエタ
ノール)25mlを加えて4℃にて一晩撹拌した。この
抽出液を18,900×gで20分間遠心分離して抽出上清25
mlを得た。抽出上清25mlを7M塩酸グアニジン−
0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)−5mM 2−メ
ルカプトエタノールに対して透析した後、脱気した賦活
化用緩衝液〔2.5M尿素−50mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.75)−10mM NaCl−5mM EDTA−10mMリシン−
0.5mM還元型グルタチオン−0.3mM酸化型グルタチオン〕
1,250mlに加えて撹拌した後、15℃において保温し
た。
【0050】精製 賦活化されたtPA−1溶液の各々1,250mlを50mMト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)−0.01%Tween80に対して透
析した。透析内液を18,900×gで20分間遠心分離して透
析上清を得た。この透析上清を50mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)で平衡化したQAEトヨパール550C(東ソ
ー社)カラム(カラム容量70ml)に負荷して蛋白質を
吸着させ、次に同緩衝液でカラムを洗浄した後0〜1.0
M NaClの直線濃度勾配溶出法(溶出緩衝液容量600
ml)にてtPA−1を溶出した。活性画分を0.5M N
aCl−50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)−0.01% Tw
een80で平衡化したベンザミジンセファロース6B(ファ
ルマシア社、スウェーデン)カラム(カラム容量20m
l)に負荷して活性型tPA−1を吸着させ、次に同緩
衝液でカラムを洗浄した後0.2Mアルギニン−0.5M N
aCl−50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)−0.01%Twe
en80で活性型tPA−1を溶出した。以上の精製操作に
より、SDS−PAGEで単一バンドを示すtPA−1
標品を得た。すなわち、分子量は還元条件下で39,5
00、非還元条件下で35,000であった。
【0051】
【参考例17】 ムテイン(tPA−6')をコードする
塩基配列を有する組換えDNAの製造 参考例13に記載のプラスミドpTB1128を合成オリゴ
ヌクレオチドを使用する特定部位指向性変異誘発の鋳型
として用いた。特定部位指向性変異はOligonucleotide-
directed in vitro Mutagenesis System (アマシャム
社)と合成オリゴマーを用いて行った。用いた合成オリ
ゴマーの配列は下に示すとおりである。 5'−GGGCGACTCTTCGTGCTTGGCAA
A−3' (24mer)(配列番号12) この合成オリゴマーを用いることにより、R298'299
298'299に置換されると同時にMboIIの認識部位が
導入されたFEK1ドメイン欠失ヒトtPA cDNA
を構築することができた(図9)。この合成オリゴマーを
用いて得られたtPAムテイン、tPA−6’の塩基配
列およびそれから推測されるアミノ酸配列を図10(配
列番号13)に示す。このムテインとtPAとの違いを
示すと以下のようである。 この合成オリゴマーを用いた結果得られたプラスミドを
pTB1038とした。
【0052】
【参考例18】 ヒトtPAのムテイン(tPA−6’)
をコードする遺伝子による大腸菌の形質転換 (1)ヒトtPAのムテイン発現用プラスミドpTB12
77の構築 前記参考例17で得られたpTB1038をNdeIおよびBam
HIで切断し、約1.1kbのDNA断片を得た。この断片を
プラスミドpET3c〔Srudier, F. W. (Brookhaven N
ational Labs. U.S.A.) より分与をうけた〕のNdeI
−BamHI部位に挿入して、プラスミドpTB1277を
構築した(図9)。 (2)形質転換 次に参考例14で示した大腸菌MM294(DE3)/pLysS株にp
TB1277を導入し、大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pTB127
7をつくった。これらの菌株はヒトtPAムテインtP
A−6'を産出するように作製されていた。
【0053】
【参考例19】 tPA−6’蛋白質の抽出、賦活化お
よび精製 抽出 参考例18で得た大腸菌MM294(DE3)/plysS,pTB12
77を参考例15で示した培養条件下に培養し、tPA
−6’発現大腸菌体を得た。このtPA−6’発現大腸
菌菌体20gを50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)0.2リットル
に懸濁した。懸濁液を超音波処理(2A×2分間,2
回)にかけ、次いで18,900×gで20分間遠心分離して沈
殿物を得た。この沈殿物を0.5%(v/v)トライトンX
-100を含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)0.2リットルで
洗浄して、18,900×gで20分間遠心分離して沈殿物を得
た。さらにこの沈殿物を50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
0.2リットルで洗浄して、18,900×gで20分間遠心分離し
て沈殿物を得た。この沈殿物に抽出用緩衝液(7M塩酸グ
アニジン−0.1M KH2PO4(pH7.5)−0.1M2-メルカプトエ
タノール)0.1リットルを加えて4℃で一晩撹拌した。こ
の抽出液を18,900×gで20分間遠心分離して抽出上清0.1
リットルを得た。 賦活化 賦活化用緩衝液〔2.5M尿素 50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
75)-10mM NaCl 5mM EDTA- 10mMリシン 0.5mM還元型
グルタチオン〕20リットルに、抽出上清0.1リットルを
加えて15℃で1時間撹拌した後、酸化型グルタチオンを
最終濃度0.3mMになるように加えて15℃で保温した。 精製 賦活化されたtPA−6’溶液を限外濾過法により2リ
ットルに濃縮し、次に50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5) 0.
01%Tween80に対して透析した後、18,900×gで20分間遠
心分離して透析上清2リットルを得た。この透析上清を
50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化したQAEトヨ
パール550C(東ソー社)カラム(カラム容量150ml)に負荷
して蛋白質を吸着させ、次に同一緩衝液0.3リットルで
カラムを洗浄した後0〜1.0M NaClの直線勾配溶出
法(溶出緩衝液容量1,200ml)を用いてtPA−6’を溶
出した。活性画分0.2リットルを集め、50mMトリス塩酸
緩衝液(pH8.5)-0.01%Tween80に対して透析した。この
透析内液0.2リットルを同一緩衝液で平衡化したリシン
セファロース4B(ファルマシア社、スウエーデン)カラム
(カラム容量40ml)に負荷してtPA−6’を吸着させ
た。0.5M NaCl-50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)-0.01%T
ween80 80mlでカラムを洗浄した後、0.2Mアルギニン−
0.5M NaCl−50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)-0.01%Twee
n80 でtPA−6’を溶出した。以上の精製操作によ
り、SDS−PAGEで単一バンドを示すtPA−6’
標品38mgを得た。すなわち、分子量は還元条件下で39,0
00であり、非還元条件下では33,000であった。この値は
一次構造より推定される理論値(tPA-6'=39,561)によく
一致した。
【0054】
【参考例20】 抗活性化血小板−tPAムテイン・ハ
イブリッド抗体測定用EIA 参考例2で作製した抗活性化血小板感作プレートに被検
ハイブリドーマ培養上清を添加し、室温で2時間反応さ
せた。次いでPBS−Twで洗浄後ビオチン標識したt
PAを添加し、さらに室温で2時間反応させた。次ぎに
アビジン−HRP複合体を添加し室温で1時間反応後、
固相に結合したHRP活性を参考例1に示した方法で測
定した。
【0055】
【実施例1】 マウス抗ヒトフィブリン特異抗体産生ハ
イブリドーマの作製 免疫原および寛容原の調製 公知の固相合成法によりペプチド合成機(アプライド・
システム社、モデル430A型)を用いて次式に示す
A,B2種のペプチドを合成した。 A: H-Gly-His-Arg-Pro-Leu-Asp-
Lys-Cys-OH (8−mer,配列番号14) B:H-Phe-Phe-Ser-Ala-Arg-Gly-His-Arg-Pro-Leu-Asp-
Lys-OH (12−mer,配列番号15) ペプチドAはヒトフィブリンβ鎖N末端ペプチド(1−
7)−Cysに相当し、ペプチドBは上記フィブリンβ
鎖N末端ペプチド(1−7)をC端側に含む12個のア
ミノ酸からなるフィブリノーゲンβ鎖部分ペプチドであ
る。予めメタ−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ
・スクシンイミドエステル(以下、MBSと略記するこ
とがある)を用いてマレイミド化したキーホール・リン
ペット・ヘモシアニン(以下、KLHと略記することが
ある)にペプチドAを添加し、KLH 1モル当りペプ
チドA 7分子が結合した(ペプチドA)7−KLH複合
体を調製した。ペプチドBはMBSでマレイミド化した
のち、一方でS−アセチル・メルカプト・無水コハク酸
とヒドロキシル・アミンとで連続処理することによりス
ルフヒドリル基を導入したD−GL〔D−グルタミン酸
とD−リジンとの共重合体:分子量34,300,D−
Glu:D−Lys=60:40(ピアース・ケミカル
ズ社製)〕に添加し、D−GL1分子当りペプチドB4
分子が結合した(ペプチドB)4−D−GL複合体を調
製した。
【0056】免疫法 免疫原として(ペプチドA)7−KLH複合体を、寛容
原として(ペプチドB)4−D−GL複合体を用いる免
疫法を採用した。まず初回免疫5日前および3日前にB
ALB/cマウス(♀;n=10)に寛容原1mg/生
理食塩水溶液400μl/マウスを腹腔内投与した。次
いで免疫原の生理食塩水溶液に等量のフロイント不完全
アジュバントを添加し十分乳濁後、40μg/0.2ml
/マウスを腹腔および背部皮下投与した。2〜4回目の
追加免疫は、いずれも免疫原をフロイント不完全アジュ
バントに乳濁し初回と同量を皮下投与したが、それぞれ
の追加免疫5日前および3日前には必らず寛容原500
μg/生理食塩水溶液200μl/マウスを腹腔内投与
した。4回免疫後10日で最大の血清抗体価を示した個
体について、免疫原(50μg/0.2ml/マウス)を
静脈内投与した。 細胞融合 参考例8−に記載の方法に従い、細胞融合を実施し
た。 ハイブリドーマの選択およびクローニング フィブリノーゲンおよびフィブリン・モノマー結合プレ
ートを用いる参考例5および1に記載のEIAでハイブ
リドーマをスクリーニングし、以下、参考例8−と同
じ要領で抗ヒトフィブリン特異抗体産生ハイブリドーマ
FTB2−133を取得した。得られた結果は図11に
示した通りであった。該図においてはフィブリノーゲン
に対する反応性(○:参考例5に記載のEIA)および
フィブリンに対する反応性(●:参考例1に記載のEI
A)を示している。
【0057】抗ヒトフィブリン特異抗体産生ハイブリド
ーマFTB2−133はフィブリンにのみ結合能を示
し、フィブリノーゲンにはほとんど反応しなかった。F
TB2−133抗体の免疫グロブリンクラス、サブクラ
スはオークターロニー法による測定でIgG1(κ鎖)
であった。
【0058】HAT感受性株の取得 で得られたHAT抵抗性のFTB2−133細胞株
を、まず1μM濃度の8−AZG添加培地で培養し、次
いで順次8−AZG濃度を2〜5倍づつ上昇させ、培養
を続けた。100μMの8−AZGに耐性となった細胞
株についてHAT感受性および抗ヒトフィブリン特異抗
体産生性を測定し、目的の細胞株を選定した。得られた
細胞株は元のHAT抵抗性株と同等の抗体産生性を有
し、かつHAT添加培地で100%死滅した。
【0059】
【実施例2】 マウス抗フィブリン−抗tPAムテイン
bsMoAbの製造(1) 免疫 参考例16で作製したtPA−1 100μg/ml生
理食塩水溶液を用いて、参考例8−と同じ要領でマウ
スを免疫した。 細胞融合 最終免疫後3日で脾臓を摘出し、脾臓細胞懸濁液を常法
により調製した(約108個)。次いで参考例1−で
取得したHAT感受性の抗ヒトフィブリン抗体産生ハイ
ブリドーマFTB2−133 2×107個を添加し、
参考例8−に示した要領で細胞融合およびHAT選択
を実施した。 ハイブリッド・ハイブリドーマの選択およびクローニ
ング tPA結合マイクロプレートを用いる参考例3に記載の
EIAおよび抗フィブリン−抗tPAムテインbsMo
Ab活性を測定する参考例6に記載のEIAを用いてハ
イブリッド・ハイブリドーマをスクリーニングし、以下
参考例8−と同じ方法により抗フィブリン−抗tPA
ムテインbsMoAb産生トリオーマTAF 1−4
2,TAF 1−79およびTAF 1−228を取得し
た。それぞれのトリオーマ培養上清をEIAに供した結
果を表1に示す。
【0060】
【表1】 トリオーマ 吸光度(492nm) 抗tPA抗体活性1 二重特異性抗体活性2 TAF 1−42 1.476 1.467 TAF 1−79 1.475 1.419 TAF 1−228 1.451 0.658 コントロール3 0.051 0.199 1)参考例3参照。 2)参考例6参照。 3)FIB 1−11抗体産生ハイブリドーマ(参考例
8−参照)の培養上清を使用。 3種のbsMoAb TAF1−42,1−79および
1−228はオークターロニー法による測定の結果いず
れもIgG1(κ鎖)であった。
【0061】ハイブリッド抗体の精製 予め0.5ml鉱油を腹腔内投与したBALB/cマウス
1群5匹に5×106個/マウスのbsMoAb産生ト
リオーマTAF 1−42、TAF 1−79およびTA
F 1−228をそれぞれ腹腔内接種した。約10〜1
5日後に腹水の貯溜が見られた。抗体の精製は常法によ
り、45−50%飽和硫酸アンモニウムで分画後、参考
例8−に記載のヒト・フィブリンβ鎖N末端ペプチド
(1−11)−Cysを結合したセルロファイン・カラ
ムに供し、アフィニティークロマトグラフィーで抗フィ
ブリン抗体活性を有するIgG画分を取得した。次いで
ヒドロキシ・アパタイト・カラムを用いる高速液体クロ
マトグラフィーによりbsMoAbを分離、精製した。
こうして腹水各5mlからbsMoAb TAF 1−4
2、TAF 1−79およびTAF 1−228がそれぞ
れ12mg、4mg、30mg得られた。得られた結果
を図12に示す。矢印で示したピークが、参考例6に記
載のEIAでbsMoAb活性陽性を示したIgG画分
であった。
【0062】
【実施例3】 マウス抗フィブリン−抗tPAムテイン
bsMoAbの製造(2)細胞融合 参考例8−で取得した抗ヒトフィブリン抗体産生ハイ
ブリドーマFIB1−11および参考例10−で取得
した抗tPA抗体産生ハイブリドーマTPA1−41
を、それぞれ0.5μg/ml FITCおよび1.5μ
g/ml TRITC含有イスコフーハムF・12混合培
地で37℃、30分間インキュベートし、蛍光染色し
た。次いで、LSM溶液(和光純薬工業K.K.販売)を添
加し死細胞を除去したのち、両ハイブリドーマを1:1
の割合で混じ、PEG6000を用いて参考例8−に
記載の方法で細胞融合した。37℃で2時間インキュベ
ート後、FACSに供することによりフルオレセインお
よびローダミン二重染色された細胞25,000個を分
取し、次にフィーダーとしてマウス胸腺細胞を5×10
5個/ウエル播種した96穴マイクロプレートに、上記
の二重染色細胞を10個/ウエルの割合で播種し培養し
た。 ハイブリッド・ハイブリドーマの選択およびクローニ
ング 融合後1−2週で細胞増殖のみられたウエルの培養上清
を、それぞれ参考例1、3および6に記載のEIAに供
し抗体活性を測定した。高いハイブリッド抗体活性を示
したウエルについて限界希釈法によるクローニングを実
施し、目的の二重特異性抗体産生マウス・ハイブリッド
・ハイブリドーマ(テトラオーマ)FT2−14を取得
した。
【0063】ハイブリッド抗体の精製 予め0.5ml鉱油を腹腔内投与したBALB/cマウス
6匹に5×106個/マウスのマウスハイブリッド・ハ
イブリドーマFT2−14を腹腔内接種した。約10〜
20日後に腹水の貯溜が認められたのでそれを採取し、
45−50%飽和硫酸アンモニウムで塩析してIgG画
分を得た。次いで20mM PBSで平衡化したフィブリ
ン結合セルロファイン・カラムに供し、0.2Mグリシ
ン・塩酸緩衝液(pH 2.9)で溶出した。得られた蛋
白画分を1N NaOHで中和後、10mMリン酸カリウ
ム緩衝液(pH 6.8)で透析し、同じ緩衝液で平衡化
したヒドロキシアパタイト・カラムを用いる高速液体ク
ロマトグラフィーに供した。リン酸カリウム緩衝液(pH
6.8)10mMから210mMの塩濃度勾配溶出法を用
いて二重特異性ハイブリッド抗体FT2−14を精製し
た。約50mlの腹水液から47mgの精製抗体FT2−1
4を取得した。得られた精製bsMoAb FT2−1
4を、参考例6に記載の抗フィブリン−抗tPAムテイ
ン・ハイブリッド抗体測定用EIAの供した結果を図1
4に示す。ヒトフィブリンおよびtPA−6’の相方に
強い結合活性を有することが明らかとなった。
【0064】F(ab’)2の精製 得られた精製抗体FT2−14を20mM酢酸緩衝液(pH
3.5)に溶解し、ペプシン不溶化カラム(5mgペプ
シン/2.5mlセルロファイン・ゲル)に供した。37
℃において3ml/時間の流速でゆっくりと溶出し、ペプ
シン消化物を得た。1N NaOHでpH 7.5に調整
後プロテインA・カラムに供し、PBS(pH 7.5)
で溶出する蛋白画分を分取した。さらにフィブリン結合
カラムに供し、PBSでカラムを溶出・洗浄後、pH
2.5のグリシン−塩酸緩衝液でフィブリン結合活性を
有するF(ab’)2画分を溶離した。約40mgのFT2
−14(全IgG分子)から4.3mgのFT2−14
F(ab’)2画分を取得した。 二重特異性抗体活性 で得られたF(ab’)2画分を参考例6に記載のE
IAに供し二重特異性抗体活性を測定した。得られた結
果は図14に示した通りであった。図中、抗フィブリン
・抗tPAムテインbsMoAb FT2−14(●)
およびそのF(ab’)2画分(○)に関する結果を示
す。FT2−14 F(ab’)2画分はIgG全分子
と同様にフィブリンおよびtPAムテインの両者に強い
結合能を示した。
【0065】
【実施例4】免疫複合体液の調製 一定量のtPA(最終濃度0.1μg/ml)および参
考例19に記載のtPA−6’(最終濃度0.5μg/
ml)に種々の濃度の実施例2で得られたマウス抗フィ
ブリン−抗tPAムテインbsMoAbを添加し、室温
で20分間免疫反応させて免疫複合体液を調製した。
【0066】
【実施例5】 フィブリン溶解能の増強効果 公知の方法〔D. Collenら:スロンボーシス・アンド・
ヘモスターシス(Thromb. Haemostasis). 45, 225 (198
1)〕に従い、血漿凝塊溶解試験(plasma clot lysis as
say)を実施した。すなわち、実施例4で得られた免疫
複合体にヒト血漿を添加し、次いでヒト・トロンビンを
最終濃度1.0単位/mlとなるように加えて凝固させ
た。溶解度分析計(Euglobulin lysis analyzer "ELT-
6" MebanixCo.)を用いて血漿の濁度を経時的に観察
し、溶解に要する時間を測定した。非修飾型tPAに対
しては3種のbsMoAb(TAF 1−42,TAF
1−79およびTAF 1−228)はいずれもフィブ
リン溶解能の増強効果を示さなかった。tPA−6’に
対しては2種のbsMoAb(TAF 1−42および
TAF 1−79)が増強効果を示さなかったが、TA
F 1−228は図13に示したようにtPA−6’の
線溶活性として用量依存的に最大5倍以上の増強効果を
示した。図中、縦軸は非修飾tPA単剤(●)もしくは
tPAムテインtPA−6’単剤(○)の溶解能を10
0%とした時の、それぞれtPA/抗体複合体(●)も
しくはtPA−6’/抗体複合体(○)の溶解能を表
す。
【0067】
【実施例6】 マウス抗活性化血小板−tPAムテイン
・bsMoAbの製造単特異性抗体の精製 参考例9および10にそれぞれ記載の抗活性化血小板抗
体産生ハイブリドーマ2T60および抗tPAムテイン
抗体産生ハイブリドーマTPA1−41を用いて、実施
例2−に記載の方法に従い腹水化し、さらに精製して
IgG抗体画分を得た。F(ab’)2の調製 上記で調製した2種の抗体IgG画分をそれぞれ公知
の方法[M.Marianiら:モレキュラー・イムノロジー(M
ol.Immunol.),28,69(1991)]に供し、フィシン
(シグマ社販売)を用いてトリス・塩酸緩衝液中(pH
7.0)で分解した。L−システイン(和光純薬販売)
を添加し(最終濃度1mM)反応を活性化したのち、3
7℃で4時間インキュベートした。100mM N−エ
チルマレイミドの添加で反応停止後、得られた抗体フラ
グメント溶液をPBS(pH 7.4)で透析した。そ
れぞれの抗体溶液を同じPBSで平衡化したプロテイン
Aカラム(2.6×4.7cm)に供し、素通リ画分を
分取した。さらに、TSKゲル(東洋ソーダ製造)を用
いるゲル濾過カラム・クロマトグラフィーに供してF
(ab’)2画分を調製した。ヘテロダイメリックF(ab’)2の調製 上記で調製した2T60抗体由来のF(ab’)2
DTTで還元後、o−フェニレンジマレイミドを用いる
公知の方法[M.J.Glennieら:ジャーナル・オブ・イム
ノロジー(J.Immunol.),139,2367(1987)]に従っ
て2T60 Fab’画分のスルフヒドリル基をマレイ
ミド化した。一方上記で調製したTPA1−41抗体
由来のF(ab’)2を同様にDTTで還元後、セファ
デックスG25ゲル濾過カラム・クロマトグラフィーを
用いて過剰のDTTを分離ないし除去し、上記のマレイ
ミド化2T60 Fab’にモル比1:1で添加し、チ
オエーテル結合により2種の異なった特異性を有する抗
体Fab’をヘテロダイメリックに結合させた。得られ
る反応混合物をウルトロ・ゲルAcA44カラム(LK
B社販売)を用いるゲル濾過カラム・クロマトグラフィ
ーに供し、ヘテロダイメリックF(ab’)2を精製分
取した。両単特異性抗体精製IgG標品10mgより目
的の二重特異性F(ab’)2を抗体約11mgを得
た。二重特異性抗体活性 で調製したヘテロダイメリックF(ab’)2画分を
参考例20に記載のEIAに供し抗活性化血小板−抗t
PAムテイン二重特異性抗体活性を測定した。得られた
結果は図15に示した通りであった。
【0068】
【発明の効果】本発明のハイブリッドbsMoAbは、
tPAムテインの血栓溶解能を損なうことなく該tPA
ムテインと結合し、かつ血栓への親和性、選択性を大幅
に増大することが可能である。従ってハイブリッドMo
AbとtPAムテインとの1:1免疫複合体を作製する
ことにより、選択的かつ効率的な血栓の溶解、除去が可
能となる。
【0069】
【0070】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端フラグメント
【0071】配列番号:2 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Phe Phe Ser Ala Arg Gly His Arg Pro Leu Asp Lys Lys Arg Glu Glu 1 5 10 15。
【0072】配列番号:3 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Asn Arg Arg Leu Thr Trp Glu Tyr Cys Asp Val Pro Ser 1 5 10。
【0073】配列番号:4 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Arg-Met-Thr-Leu-Val-Gly-Ile-Ile-Ser-Trp-Gly-Leu-Gly 1 5 10。
【0074】配列番号:5 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント-stop
【0075】配列番号:6 配列の長さ:39 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAC CGC AGG CTG ACG TGG GAG TAC TGT GAT GTG CCC TCC 39。
【0076】配列番号:7 配列の長さ:39 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGC ATG ACT TTG GTG GGC ATC ATC AGC TGG GGC CTG GGC 39。
【0077】配列番号:8 配列の長さ:39 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAC TAC CTA GAC TGG ATT CGT GAC AAC ATG CGA CCG TGA 39。
【0078】配列番号:9 配列の長さ:1800 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 ヒト包皮由来初代培養細胞 配列の特徴 存在位置:552..554 特徴を決定した方法:E 配列 AAAACCTCTG CGAGGAAAGG GAAGGAGCAA GCC
GTGAATT TAAGGGACGC TGTGAAGCAA 60 TC ATG GAT GCA ATG AAG AGA GGG CTC TGC TGT GTG CTG CTG CTG TGT 107 Met Asp Ala Met Lys Arg Gly Leu Cys Cys Val Leu Leu Leu Cys -35 -30 -25 GGA GCA GTC TTC GTT TCG CCC AGC CAG GAA ATC CAT GCC CGA TTC AGA 155 Gly Ala Val Phe Val Ser Pro Ser Gln Glu Ile His Ala Arg Phe Arg -20 -15 -10 -5 AGA GGA GCC AGA TCT TAC CAA GTG ATC TGC AGA GAT GAA AAA ACG CAG 203 Arg Gly Ala Arg Ser Tyr Gln Val Ile Cys Arg Asp Glu Lys Thr Gln 1 5 10 ATG ATA TAC CAG CAA CAT CAG TCA TGG CTG CGC CCT GTG CTC AGA AGC 251 Met Ile Tyr Gln Gln His Gln Ser Trp Leu Arg Pro Val Leu Arg Ser 15 20 25 AAC CGG GTG GAA TAT TGC TGG TGC AAC AGT GGC AGG GCA CAG TGC CAC 299 Asn Arg Val Glu Tyr Cys Trp Cys Asn Ser Gly Arg Ala Gln Cys His 30 35 40 TCA GTG CCT GTC AAA AGT TGC AGC GAG CCA AGG TGT TTC AAC GGG GGC 347 Ser Val Pro Val Lys Ser Cys Ser Glu Pro Arg Cys Phe Asn Gly Gly 45 50 55 60 ACC TGC CAG CAG GCC CTG TAC TTC TCA GAT TTC GTG TGC CAG TGC CCC 395 Thr Cys Gln Gln Ala Leu Tyr Phe Ser Asp Phe Val Cys Gln Cys Pro 65 70 75 GAA GGA TTT GCT GGG AAG TGC TGT GAA ATA GAT ACC AGG GCC ACG TGC 443 Glu Gly Phe Ala Gly Lys Cys Cys Glu Ile Asp Thr Arg Ala Thr Cys 80 85 90 TAC GAG GAC CAG GGC ATC AGC TAC AGG GGC ACG TGG AGC ACA GCG GAG 491 Tyr Glu Asp Gln Gly Ile Ser Tyr Arg Gly Thr Trp Ser Thr Ala Glu 95 100 105 AGT GGC GCC GAG TGC ACC AAC TGG AAC AGC AGC GCG TTG GCC CAG AAG 539 Ser Gly Ala Glu Cys Thr Asn Trp Asn Ser Ser Ala Leu Ala Gln Lys 110 115 120 CCC TAC AGT GGG TGG AGG CCA GAC GCC ATC AGG CTG GGC CTG GGG AAC 587 Pro Tyr Ser Gly Trp Arg Pro Asp Ala Ile Arg Leu Gly Leu Gly Asn 125 130 135 140 CAC AAC TAC TGC AGA AAC CCA GAT CGA GAC TCA AAG CCC TGG TGC TAC 635 His Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp Arg Asp Ser Lys Pro Trp Cys Tyr 145 150 155 GTC TTT AAG GCG GGG AAG TAC AGC TCA GAG TTC TGC AGC ACC CCT GCC 683 Val Phe Lys Ala Gly Lys Tyr Ser Ser Glu Phe Cys Ser Thr Pro Ala 160 165 170 TGC TCT GAG GGA AAC AGT GAC TGC TAC TTT GGG AAT GGG TCA GCC TAC 731 Cys Ser Glu Gly Asn Ser Asp Cys Tyr Phe Gly Asn Gly Ser Ala Tyr 175 180 185 CGT GGC ACG CAC AGC CTC ACC GAG TCG GGT GCC TCC TGC CTC CCG TGG 779 Arg Gly Thr His Ser Leu Thr Glu Ser Gly Ala Ser Cys Leu Pro Trp 190 195 200 AAT TCC ATG ATC CTG ATA GGC AAG GTT TAC ACA GCA CAG AAC CCC AGT 827 Asn Ser Met Ile Leu Ile Gly Lys Val Tyr Thr Ala Gln Asn Pro Ser 205 210 215 220 GCC CAG GCA CTG GGC CTG GGC AAA CAT AAT TAC TGC CGG AAT CCT GAT 875 Ala Gln Ala Leu Gly Leu Gly Lys His Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp 225 230 235 GGG GAT GCC AAG CCC TGG TGC CAC GTG CTG AAG AAC CGC AGG CTG ACG 923 Gly Asp Ala Lys Pro Trp Cys His Val Leu Lys Asn Arg Arg Leu Thr 240 245 250 TGG GAG TAC TGT GAT GTG CCC TCC TGC TCC ACC TGC GGC CTG AGA CAG 971 Trp Glu Tyr Cys Asp Val Pro Ser Cys Ser Thr Cys Gly Leu Arg Gln 255 260 265 TAC AGC CAG CCT CAG TTT CGC ATC AAA GGA GGG CTC TTC GCC GAC ATC 1019 Tyr Ser Gln Pro Gln Phe Arg Ile Lys Gly Gly Leu Phe Ala Asp Ile 270 275 280 GCC TCC CAC CCC TGG CAG GCT GCC ATC TTT GCC AAG CAC AGG AGG TCG 1067 Ala Ser His Pro Trp Gln Ala Ala Ile Phe Ala Lys His Arg Arg Ser 285 290 295 300 CCC GGA GAG CGG TTC CTG TGC GGG GGC ATA CTC ATC AGC TCC TGC TGG 1115 Pro Gly Glu Arg Phe Leu Cys Gly Gly Ile Leu Ile Ser Ser Cys Trp 305 310 315 ATT CTC TCT GCC GCC CAC TGC TTC CAG GAG AGG TTT CCG CCC CAC CAC 1163 Ile Leu Ser Ala Ala His Cys Phe Gln Glu Arg Phe Pro Pro His His 320 325 330 CTG ACG GTG ATC TTG GGC AGA ACA TAC CGG GTG GTC CCT GGC GAG GAG 1211 Leu Thr Val Ile Leu Gly Arg Thr Tyr Arg Val Val Pro Gly Glu Glu 335 340 345 GAG CAG AAA TTT GAA GTC GAA AAA TAC ATT GTC CAT AAG GAA TTC GAT 1259 Glu Gln Lys Phe Glu Val Glu Lys Tyr Ile Val His Lys Glu Phe Asp 350 355 360 GAT GAC ACT TAC GAC AAT GAC ATT GCG CTG CTG CAG CTG AAA TCG GAT 1307 Asp Asp Thr Tyr Asp Asn Asp Ile Ala Leu Leu Gln Leu Lys Ser Asp 365 370 375 380 TCG TCC CGC TGT GCC CAG GAG AGC AGC GTG GTC CGC ACT GTG TGC CTT 1355 Ser Ser Arg Cys Ala Gln Glu Ser Ser Val Val Arg Thr Val Cys Leu 385 390 395 CCC CCG GAG GAC CTG CAG CTG CCG GAC TGG ACG GAG TGT GAG CTC TCC 1403 Pro Pro Glu Asp Leu Gln Leu Pro Asp Trp Thr Glu Cys Glu Leu Ser 400 405 410 GGC TAC GGC AAG CAT GAG GCC TTG TCT CCT TTC TAT TCG GAG CGG CTG 1451 Gly Tyr Gly Lys His Glu Ala Leu Ser Pro Phe Tyr Ser Glu Arg Leu 415 420 425 AAG GAG GCT CAT GTC AGA CTG TAC CCA TCC AGC CGC TGC ACA TCA CAA 1499 Lys Glu Ala His Val Arg Leu Tyr Pro Ser Ser Arg Cys Thr Ser Gln 430 435 440 CAT TTA CTT AAC AGA ACA GTC ACC GAC AAC ATG CTG TGT GCT GGA GAC 1547 His Leu Leu Asn Arg Thr Val Thr Asp Asn Met Leu Cys Ala Gly Asp 445 450 455 460 ACT CGG AGC GGC GGG CCC CAG GCA AAC TTG CAC GAC GCC TGC CAG GGC 1595 Thr Arg Ser Gly Gly Pro Gln Ala Asn Leu His Asp Ala Cys Gln Gly 465 470 475 GAT TCG GGA GGC CCC CTG GTG TGT CTG AAC GAT GGC CGC ATG ACT TTG 1643 Asp Ser Gly Gly Pro Leu Val Cys Leu Asn Asp Gly Arg Met Thr Leu 480 485 490 GTG GGC ATC ATC AGC TGG GGC CTG GGC TGT GGA CAG AAG GAT GTC CCG 1691 Val Gly Ile Ile Ser Trp Gly Leu Gly Cys Gly Gln Lys Asp Val Pro 495 500 505 GGT GTG TAC ACC AAG GTT ACC AAC TAC CTA GAC TGG ATT CGT GAC AAC 1739 Gly Val Tyr Thr Lys Val Thr Asn Tyr Leu Asp Trp Ile Arg Asp Asn 510 515 520 ATG CGA CCG TGACCAGGAA CACCCGACTC CTCAAAAGCA AATGAGATCC 1788 Met Arg Pro 525 527 CGCCTCTTCT TC 1800。
【0079】配列番号:10 配列の長さ:36 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTGTTTCCC TCAGACATAT GAGGGGTGCT GCAGAA 36。
【0080】配列番号:11 配列の長さ:1068 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列番号7を修飾 配列の特徴 存在位置:1〜173までのアミノ酸欠損 特徴を決定した方法:P 配列 ATG TCT GAG GGA AAC AGT GAC TGC TAC TTT GGG AAT GGG TCA GCC TAC 48 Met Ser Glu Gly Asn Ser Asp Cys Tyr Phe Gly Asn Gly Ser Ala Tyr 1 5 10 15 CGT GGC ACG CAC AGC CTC ACC GAG TCG GGT GCC TCC TGC CTC CCG TGG 96 Arg Gly Thr His Ser Leu Thr Glu Ser Gly Ala Ser Cys Leu Pro Trp 20 25 30 AAT TCC ATG ATC CTG ATA GGC AAG GTT TAC ACA GCA CAG AAC CCC AGT 144 Asn Ser Met Ile Leu Ile Gly Lys Val Tyr Thr Ala Gln Asn Pro Ser 35 40 45 GCC CAG GCA CTG GGC CTG GGC AAA CAT AAT TAC TGC CGG AAT CCT GAT 192 Ala Gln Ala Leu Gly Leu Gly Lys His Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp 50 55 60 GGG GAT GCC AAG CCC TGG TGC CAC GTG CTG AAG AAC CGC AGG CTG ACG 240 Gly Asp Ala Lys Pro Trp Cys His Val Leu Lys Asn Arg Arg Leu Thr 65 70 75 80 TGG GAG TAC TGT GAT GTG CCC TCC TGC TCC ACC TGC GGC CTG AGA CAG 288 Trp Glu Tyr Cys Asp Val Pro Ser Cys Ser Thr Cys Gly Leu Arg Gln 85 90 95 TAC AGC CAG CCT CAG TTT CGC ATC AAA GGA GGG CTC TTC GCC GAC ATC 336 Tyr Ser Gln Pro Gln Phe Arg Ile Lys Gly Gly Leu Phe Ala Asp Ile 100 105 110 GCC TCC CAC CCC TGG CAG GCT GCC ATC TTT GCC AAG CAC AGG AGG TCG 384 Ala Ser His Pro Trp Gln Ala Ala Ile Phe Ala Lys His Arg Arg Ser 115 120 125 CCC GGA GAG CGG TTC CTG TGC GGG GGC ATA CTC ATC AGC TCC TGC TGG 432 Pro Gly Glu Arg Phe Leu Cys Gly Gly Ile Leu Ile Ser Ser Cys Trp 130 135 140 ATT CTC TCT GCC GCC CAC TGC TTC CAG GAG AGG TTT CCG CCC CAC CAC 480 Ile Leu Ser Ala Ala His Cys Phe Gln Glu Arg Phe Pro Pro His His 145 150 155 160 CTG ACG GTG ATC TTG GGC AGA ACA TAC CGG GTG GTC CCT GGC GAG GAG 528 Leu Thr Val Ile Leu Gly Arg Thr Tyr Arg Val Val Pro Gly Glu Glu 165 170 175 GAG CAG AAA TTT GAA GTC GAA AAA TAC ATT GTC CAT AAG GAA TTC GAT 576 Glu Gln Lys Phe Glu Val Glu Lys Tyr Ile Val His Lys Glu Phe Asp 180 185 190 GAT GAC ACT TAC GAC AAT GAC ATT GCG CTG CTG CAG CTG AAA TCG GAT 624 Asp Asp Thr Tyr Asp Asn Asp Ile Ala Leu Leu Gln Leu Lys Ser Asp 195 200 205 TCG TCC CGC TGT GCC CAG GAG AGC AGC GTG GTC CGC ACT GTG TGC CTT 672 Ser Ser Arg Cys Ala Gln Glu Ser Ser Val Val Arg Thr Val Cys Leu 210 215 220 CCC CCG GAG GAC CTG CAG CTG CCG GAC TGG ACG GAG TGT GAG CTC TCC 720 Pro Pro Glu Asp Leu Gln Leu Pro Asp Trp Thr Glu Cys Glu Leu Ser 225 230 235 240 GGC TAC GGC AAG CAT GAG GCC TTG TCT CCT TTC TAT TCG GAG CGG CTG 768 Gly Tyr Gly Lys His Glu Ala Leu Ser Pro Phe Tyr Ser Glu Arg Leu 245 250 255 AAG GAG GCT CAT GTC AGA CTG TAC CCA TCC AGC CGC TGC ACA TCA CAA 816 Lys Glu Ala His Val Arg Leu Tyr Pro Ser Ser Arg Cys Thr Ser Gln 260 265 270 CAT TTA CTT AAC AGA ACA GTC ACC GAC AAC ATG CTG TGT GCT GGA GAC 864 His Leu Leu Asn Arg Thr Val Thr Asp Asn Met Leu Cys Ala Gly Asp 275 280 285 ACT CGG AGC GGC GGG CCC CAG GCA AAC TTG CAC GAC GCC TGC CAG GGC 912 Thr Arg Ser Gly Gly Pro Gln Ala Asn Leu His Asp Ala Cys Gln Gly 290 295 300 GAT TCG GGA GGC CCC CTG GTG TGT CTG AAC GAT GGC CGC ATG ACT TTG 960 Asp Ser Gly Gly Pro Leu Val Cys Leu Asn Asp Gly Arg Met Thr Leu 305 310 315 320 GTG GGC ATC ATC AGC TGG GGC CTG GGC TGT GGA CAG AAG GAT GTC CCG 1008 Val Gly Ile Ile Ser Trp Gly Leu Gly Cys Gly Gln Lys Asp Val Pro 325 330 335 GGT GTG TAC ACC AAG GTT ACC AAC TAC CTA GAC TGG ATT CGT GAC AAC 1056 Gly Val Tyr Thr Lys Val Thr Asn Tyr Leu Asp Trp Ile Arg Asp Asn 340 345 350 ATG CGA CCG TGA 1068 Met Arg Pro 355。
【0081】配列番号:12 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGCGACTCT TCGTGCTTGG CAAA 24。
【0082】配列番号:13 配列の長さ:1068 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列番号9を修飾 配列の特徴 存在位置:1〜173までのアミノ酸欠損、298及び299位
アミノ酸置換 特徴を決定した方法:P 配列 ATG TCT GAG GGA AAC AGT GAC TGC TAC TTT GGG AAT GGG TCA GCC TAC 48 Met Ser Glu Gly Asn Ser Asp Cys Tyr Phe Gly Asn Gly Ser Ala Tyr 1 5 10 15 CGT GGC ACG CAC AGC CTC ACC GAG TCG GGT GCC TCC TGC CTC CCG TGG 96 Arg Gly Thr His Ser Leu Thr Glu Ser Gly Ala Ser Cys Leu Pro Trp 20 25 30 AAT TCC ATG ATC CTG ATA GGC AAG GTT TAC ACA GCA CAG AAC CCC AGT 144 Asn Ser Met Ile Leu Ile Gly Lys Val Tyr Thr Ala Gln Asn Pro Ser 35 40 45 GCC CAG GCA CTG GGC CTG GGC AAA CAT AAT TAC TGC CGG AAT CCT GAT 192 Ala Gln Ala Leu Gly Leu Gly Lys His Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp 50 55 60 GGG GAT GCC AAG CCC TGG TGC CAC GTG CTG AAG AAC CGC AGG CTG ACG 240 Gly Asp Ala Lys Pro Trp Cys His Val Leu Lys Asn Arg Arg Leu Thr 65 70 75 80 TGG GAG TAC TGT GAT GTG CCC TCC TGC TCC ACC TGC GGC CTG AGA CAG 288 Trp Glu Tyr Cys Asp Val Pro Ser Cys Ser Thr Cys Gly Leu Arg Gln 85 90 95 TAC AGC CAG CCT CAG TTT CGC ATC AAA GGA GGG CTC TTC GCC GAC ATC 336 Tyr Ser Gln Pro Gln Phe Arg Ile Lys Gly Gly Leu Phe Ala Asp Ile 100 105 110 GCC TCC CAC CCC TGG CAG GCT GCC ATC TTT GCC AAG CAC GAA GAG TCG 384 Ala Ser His Pro Trp Gln Ala Ala Ile Phe Ala Lys His Glu Glu Ser 115 120 125 CCC GGA GAG CGG TTC CTG TGC GGG GGC ATA CTC ATC AGC TCC TGC TGG 432 Pro Gly Glu Arg Phe Leu Cys Gly Gly Ile Leu Ile Ser Ser Cys Trp 130 135 140 ATT CTC TCT GCC GCC CAC TGC TTC CAG GAG AGG TTT CCG CCC CAC CAC 480 Ile Leu Ser Ala Ala His Cys Phe Gln Glu Arg Phe Pro Pro His His 145 150 155 160 CTG ACG GTG ATC TTG GGC AGA ACA TAC CGG GTG GTC CCT GGC GAG GAG 528 Leu Thr Val Ile Leu Gly Arg Thr Tyr Arg Val Val Pro Gly Glu Glu 165 170 175 GAG CAG AAA TTT GAA GTC GAA AAA TAC ATT GTC CAT AAG GAA TTC GAT 576 Glu Gln Lys Phe Glu Val Glu Lys Tyr Ile Val His Lys Glu Phe Asp 180 185 190 GAT GAC ACT TAC GAC AAT GAC ATT GCG CTG CTG CAG CTG AAA TCG GAT 624 Asp Asp Thr Tyr Asp Asn Asp Ile Ala Leu Leu Gln Leu Lys Ser Asp 195 200 205 TCG TCC CGC TGT GCC CAG GAG AGC AGC GTG GTC CGC ACT GTG TGC CTT 672 Ser Ser Arg Cys Ala Gln Glu Ser Ser Val Val Arg Thr Val Cys Leu 210 215 220 CCC CCG GAG GAC CTG CAG CTG CCG GAC TGG ACG GAG TGT GAG CTC TCC 720 Pro Pro Glu Asp Leu Gln Leu Pro Asp Trp Thr Glu Cys Glu Leu Ser 225 230 235 240 GGC TAC GGC AAG CAT GAG GCC TTG TCT CCT TTC TAT TCG GAG CGG CTG 768 Gly Tyr Gly Lys His Glu Ala Leu Ser Pro Phe Tyr Ser Glu Arg Leu 245 250 255 AAG GAG GCT CAT GTC AGA CTG TAC CCA TCC AGC CGC TGC ACA TCA CAA 816 Lys Glu Ala His Val Arg Leu Tyr Pro Ser Ser Arg Cys Thr Ser Gln 260 265 270 CAT TTA CTT AAC AGA ACA GTC ACC GAC AAC ATG CTG TGT GCT GGA GAC 864 His Leu Leu Asn Arg Thr Val Thr Asp Asn Met Leu Cys Ala Gly Asp 275 280 285 ACT CGG AGC GGC GGG CCC CAG GCA AAC TTG CAC GAC GCC TGC CAG GGC 912 Thr Arg Ser Gly Gly Pro Gln Ala Asn Leu His Asp Ala Cys Gln Gly 290 295 300 GAT TCG GGA GGC CCC CTG GTG TGT CTG AAC GAT GGC CGC ATG ACT TTG 960 Asp Ser Gly Gly Pro Leu Val Cys Leu Asn Asp Gly Arg Met Thr Leu 305 310 315 320 GTG GGC ATC ATC AGC TGG GGC CTG GGC TGT GGA CAG AAG GAT GTC CCG 1008 Val Gly Ile Ile Ser Trp Gly Leu Gly Cys Gly Gln Lys Asp Val Pro 325 330 335 GGT GTG TAC ACC AAG GTT ACC AAC TAC CTA GAC TGG ATT CGT GAC AAC 1056 Gly Val Tyr Thr Lys Val Thr Asn Tyr Leu Asp Trp Ile Arg Asp Asn 340 345 350 ATG CGA CCG TGA 1068 Met Arg Pro 355。
【0083】配列番号:14 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端フラグメント
【0084】配列番号:15 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:中間部フラグメント
【図面の簡単な説明】
【図1】tPAおよびtPAムテインの構造を示す模式
図である。
【図2】IgGの構造を示す模式図である。
【図3】参考例1で得られたヒトtPA cDNAの塩
基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列である。
【図4】プラスミドpTB920の構築図である。
【図5】プラスミドpTB927の構築図である。
【図6】ヒトtPAムテインtPA−1を得るに当って
行われた特定部位変異の模式図である。
【図7】ヒトtPAムテインtPA−1の塩基配列およ
びそれから推定されるアミノ酸配列である。
【図8】プラスミドpTB1128および1133の構
築図である。
【図9】プラスミドpTB1038および1277の構
築図である。
【図10】ヒトtPAムテインtPA−6’の塩基配列
およびそれから推定されるアミノ酸配列である。
【図11】実施例1で得られた抗ヒト・フィブリン特異
抗体FTB2−133の抗体希釈曲線を表わす。フィブ
リノーゲンに対する反応性(○:参考例5に記載のEI
A)およびフィブリンに対する反応性(●:参考例1に
記載のEIA)を示す。
【図12】実施例2−(4)に記載の抗フィブリン・抗
tPAムテインbsMoAb(TAF1−42,TAF
1−79およびTAF1−228)の精製結果を表す。
すなわち、bsMoAbを含有する腹水液より塩析処理
でIgG画分を取得し、さらにフィブリンβ鎖N末端ペ
プチド結合カラムで精製したのち、ヒドロキシ・アパタ
イト・カラムに供した結果を示す。クロマト・パターン
は溶出液の280nmでの吸光度で示し、矢印は参考例
6に記載のEIAでbsMoAb活性陽性のピークを示
す。
【図13】実施例2−に記載の抗フィブリン・抗tP
AムテインbsMoAb TAF1−228をin v
itro血漿凝塊溶解試験に供した時の結果を表す。縦
軸は非修飾tPA単剤(●)もしくはtPAムテインt
PA−6’単剤(○)の溶解能を100%とした時の、
それぞれtPA/抗体複合体(●)もしくはtPA−
6’/抗体複合体(○)の溶解能を表す(実施例5参
照)。
【図14】実施例3に記載の抗フィブリン・抗tPAム
テインbsMoAb FT2−14(●)およびそのF
(ab’)2画分(○)を、参考例6に記載のEIAで
測定した結果を表す。
【図15】実施例6−に記載の抗活性化血小板−抗t
PAムテイン二重特異性抗体F(ab’)2の活性を参
考例20に記載のEIAで測定した結果を表す(実施例
6−参照)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39/395 ACB P 9284−4C // C12N 5/20 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二重特異性の一方が血栓に対するものであ
    り、他方がフィンガー(F)ドメイン、成長因子(E)
    ドメインおよびクリングル(K)1ドメインを欠失して
    なる組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)ム
    テインに対するものである二重特異性抗体。
  2. 【請求項2】血栓がフィブリンである請求項1記載の二
    重特異性抗体。
  3. 【請求項3】血栓が活性化血小板である請求項1記載の
    二重特異性抗体。
  4. 【請求項4】少なくとも可変領域を含有し、かつ重鎖定
    常領域ドメイン2および3を欠失する請求項1記載の二
    重特異性抗体。
  5. 【請求項5】二重特異性抗体がF(ab’)2である請
    求項4記載の二重特異性抗体。
  6. 【請求項6】請求項1記載の二重特異性抗体に、F、E
    およびK1ドメインを欠失してなるtPAムテインを、
    免疫結合させてなる血栓溶解剤。
  7. 【請求項7】tPAムテインがアミノ酸残基番号296か
    ら302の領域の一部ないし全部を欠失してなるものであ
    る、請求項6記載の血栓溶解剤。
  8. 【請求項8】tPAムテインがアミノ酸残基番号296か
    ら304の間のアミノ酸残基の一部ないし全部を別のアミ
    ノ酸残基に置換してなるものである、請求項6記載の血
    栓溶解剤。
  9. 【請求項9】tPAムテインがアミノ酸残基番号296か
    ら302の領域の一部ないし全部を欠失させ、かつアミノ
    酸残基番号296から304の領域の一部のアミノ酸残基を別
    のアミノ酸残基に置換してなるものである、請求項7記
    載の血栓溶解剤。
JP4158301A 1991-06-20 1992-06-17 ハイブリッド・モノクローナル抗体および抗体含有薬剤 Withdrawn JPH05304992A (ja)

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