JPH10155489A - 組換え抗体及びそれをコードする核酸 - Google Patents

組換え抗体及びそれをコードする核酸

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JPH10155489A
JPH10155489A JP8331647A JP33164796A JPH10155489A JP H10155489 A JPH10155489 A JP H10155489A JP 8331647 A JP8331647 A JP 8331647A JP 33164796 A JP33164796 A JP 33164796A JP H10155489 A JPH10155489 A JP H10155489A
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JP
Japan
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antibody
cdr
ser
val
chain
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JP8331647A
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English (en)
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Koichi Miyamura
耕一 宮村
Mitsuharu Ono
満春 大野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Asahi Kasei Medical Co Ltd
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Asahi Medical Co Ltd
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 H鎖及びL鎖の可変領域の CDRのアミノ酸配
列が、新規な抗ヒトCD34抗体、このアミノ酸配列をコー
ドする核酸、この核酸を遺伝子として遺伝子組換え法で
抗体を生産する方法、及び抗体と担体からなる医薬組成
物。 【解決手段】 配列表配列番号3に示されるアミノ酸配
列をコードする核酸。この核酸を遺伝子として用いて遺
伝子組換え手続でヒトCD34抗原に結合する抗ヒトCD34抗
体を生産する方法及び得られた抗体。この抗体は、血
液、細胞懸濁液等から効率よく、造血未分化細胞を分離
することができ、毒素を結合させて慢性骨髄性白血病等
の治療に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な遺伝子組換
え抗体、特に抗ヒトCD34抗体、そのアミノ酸配列をコー
ドする核酸、該抗体の生産方法及び該抗体を含有する医
薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ヒトCD34は、造血未分化細胞の細胞
表面抗原として報告され、そのヒトCD34分子を認識する
抗体(以下、抗ヒトCD34抗体という) の産生細胞として
抗 MY10 抗体産生ハイブリドーマが知られている (米国
特許第 4965204号明細書、及びJ.Immunology 誌、 133
巻、 157頁、1984年)。その後、抗ヒト CD34 抗体は多
数報告され、また、骨髄移植などの医療分野において造
血未分化細胞の分離などへの応用が図られている。こう
した医療に向けた応用を有効に活用するため抗ヒト CD3
4 抗体を大量に生産する必要が生じてきている。
【0003】通常の抗体は大小2種類のポリペプチドか
らなり、その大きい方のサブユニットを「H鎖」とい
い、小さい方のサブユニットを「L鎖」という。また、
それぞれのペプチドは、N末端側に存在して抗原結合部
位を形成する「可変領域」(または「V領域」)と、抗
体のクラス別に一定の「定常領域」(または「Fc」)
とからなっている。可変領域は、更に、特に抗原結合部
位の形成に密接に関係している相補性決定領域「CDR 」
と、その間に介在する枠組領域「フレームワーク」に分
けられる。CDR には、H鎖とL鎖のそれぞれについて、
N末端側から「CDR-1 」「CDR-2 」「CDR-3 」と呼ばれ
る3つの領域が存在することが知られている。図1に I
gGの構造模式図を示す。
【0004】CD34抗原は、血液の未分化細胞上に発現す
る未分化細胞の抗原マーカーとして知られている。この
抗原マーカーを利用し、未分化細胞を分離する試みが報
告されてきている (S.Saeland ら、Blood 誌第72巻第15
80頁 (1988年) など)。さらに、抗 CD34 抗体と、ビオ
チンやアビジン、または磁気ビーズとの組み合わせなど
を利用し、未分化細胞を、分化した細胞群および癌細胞
から分離する医療機器の開発が行われつつある (Dreger
ら、ExpHematol誌第23巻第 147頁 (1995年))。
【0005】造血未分化細胞とは、特定の刺激により増
殖可能な細胞であり、赤血球、単球、顆粒球、リンパ
球、マクロファージなどの成熟した細胞群を1種類以上
に分化しうる細胞を示している。特に、半固形培地にて
適当な増殖因子存在下で培養した場合、コロニーを形成
する未分化な血液細胞及び、全ての系列への分化能と自
己増殖能を有する造血幹細胞を含む。その細胞は、骨髄
や臍帯血に豊富に含まれている。また、その細胞は、末
梢血中にも含まれるが、顆粒球コロニー形成因子(G-CS
F) などのサイトカインを投与することで、末梢血中に
誘導することもできる。また、これらの細胞を培養する
ことにより、造血未分化細胞を対外で増殖させる技術も
報告されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】抗体は、一般に抗原と
の結合性が強く、かつ特異性が高いことが知られ、医療
への利用が期待されている。しかし、医療への応用に際
し、抗体の大量生産方法と、その製造に掛かる費用が問
題となっている。この問題を解決する方法として、抗体
遺伝子を利用した組換え抗体の作成により、無血清生産
におけるヒトマウスキメラ抗体生産量の向上、生産費用
の低減を可能とした。生体内に存在する通常の抗体は、
抗原特異的な可変領域塩基配列及び定常領域遺伝子の2
つが必要である。定常領域遺伝子には少数のクラスが知
られるが、H鎖L鎖の可変領域塩基配列は極めて多様性
が高く、目的とする可変領域塩基配列の取得は非常に労
力を要する。しかしながら、本発明者らは、遺伝子増幅
(PCR)やフローサイトメーターによる結合実験を駆使す
ることにより、ハイブリドーマ中の複数の抗体遺伝子の
中から目的とするヒト CD34 抗原に対する遺伝子を取得
するのに成功した。その遺伝子を組み換えてヒトマウス
キメラ抗体、1本鎖抗体を大量に生産することを可能に
した。
【0007】すなわち、本発明の課題は、可変領域のH
鎖及びL鎖が特定のアミノ酸配列をコードする新規な核
酸及びこの核酸を遺伝子として用いて遺伝子組換え手法
によって得られるヒトCD34抗原と結合する新規な抗ヒト
CD34抗体及びその生産方法を提供することにある。さら
に本発明の課題は、これらの抗体と医薬的に許容される
担体とよりなる新規な医薬組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、抗
体の(1) H鎖可変領域及び/又は(2) L鎖可変領域のCD
R-1, CDR-2及びCDR-3 が次のアミノ酸配列をコードする
核酸に関する。
【0009】(1) H鎖可変領域のCDR-1, CDR-2及びCDR-
3 のアミノ酸配列; CDR-1 ; SHGVH CDR-2 ; VIWGAGRTDYNAAFIS CDR-3 ; NRYESYFDY 上記は、アミノ酸を1文字略字で表したものであるが、
これを3文字略字で示すと次のとおりになる(以下、3
文字略字で示す。) CDR-1 ; Ser-His-Gly-Val-His CDR-2 ; Val-Ile-Trp-Gly-Ala-Gly-Arg-Thr-Asp-Tyr-As
n-Ala-Ala-Phe-Ile-Ser CDR-3 ; Asn-Arg-Tyr-Glu-Ser-Tyr-Phe-Asp-Tyr
【0010】(2) L鎖可変領域のCDR-1, CDR-2及びCDR-
3 のアミノ酸配列; CDR-1 ; RSSQNLVHSNGNTYLH, CDR-2 ; KVSNRSFGVPDRF, CDR-3 ; SQSTHVPLT 上記は、アミノ酸を1文字略字で表したものであるが、
これを3文字略字で示すと次のとおりになる(以下、3
文字略字で示す。) CDR-1 ; Arg-Ser-Ser-Gln-Asn-Leu-Val-His-Ser-Asn-Gl
y-Asn-Thr-Tyr-Leu-His CDR-2 ; Lys-Val-Ser-Asn-Arg-Ser-Phe-Gly-Val-Pro-As
p-Arg-Phe CDR-3 ; Ser-Gln-Ser-Thr-His-Val-Pro-Leu-Thr
【0011】また、本発明は、抗体のH鎖可変領域が配
列表配列番号1のアミノ酸3〜117位に記載された配列
あるいはそれと実質的に同じ機能のアミノ酸配列を含
み、かつL鎖可変領域が配列表配列番号2のアミノ酸3
〜113 位に記載された配列あるいはそれと実質的に同じ
機能のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする核
酸に関する。
【0012】さらに、本発明は、H鎖可変領域あるいは
L鎖可変領域の CDR-1,CDR-2 及びCDR-3 が次のアミノ
酸配列である抗体をコードする核酸に関する。すなわ
ち、本発明は、H鎖可変領域の CDR-1,CDR-2 及びCDR-
3 が次のアミノ酸配列である抗体をコードする核酸に関
する。 CDR-1 ; Ser-His-Gly-Val-His CDR-2 ; Val-Ile-Trp-Gly-Ala-Gly-Arg-Thr-Asp-Tyr-As
p-Ala-Ala-Phe-Ile-Ser CDR-3 ; Asn- Arg-Tyr-Glu-Ser-Tyr-Phe-Asp-Tyr
【0013】また本発明は、L鎖可変領域のCDR-1,CDR-
2 及び CDR-3が次のアミノ酸配列である抗体をコードす
る核酸に関する。 CDR-1 ; Arg-Ser-Ser-Gln-Asn-Leu-Val-His-Ser-Asn-G
ly-Asn-Thr-Tyr-Leu-His CDR-2 ; Lys-Val-Ser-Asn-Arg-Ser-Phe-Gly-Val-Pro-A
sp-Arg-Phe CDR-3 ; Ser-Gln-Ser-Thr-His-Val-Pro-Leu-Thr
【0014】また本発明は、次の(A) 〜(C) の性質を有
する抗体をコードする核酸に関する。 (A) H鎖可変領域が配列表配列番号1のアミノ酸3〜11
7 位に記載された配列あるいはそれと実質的に同じ機能
のアミノ酸配列を含む、(B) L鎖可変領域が配列表配列
番号2のアミノ酸3〜113 位に記載される配列あるいは
それと実質的に同じ機能のアミノ酸配列を含む、(C) ヒ
トCD34抗原に結合する。
【0015】さらに、本発明は、前記核酸を用いて遺伝
子組換え手法によって産生され、ヒトCD34抗原に結合す
る性質をもつ組換え抗体に関する。本発明における組換
え抗体は、そのFc領域がヒト型であっても、また一本鎖
抗体であってもよい。また、本発明は、前記核酸を用い
て遺伝子組換え手法でヒトCD34抗原に結合する性質をも
つ組換え抗体を製造する方法に関する。またさらに、本
発明は、これらの組換え抗体と医薬的に許容される担体
とからなる医薬組成物に関する。
【0016】抗 MY10 抗体のH鎖の可変部位の遺伝子配
列及びそれがコードするアミノ酸配列を、配列表配列番
号1に示す。配列表配列番号1のアミノ酸1から30位は
フレームワーク1を、31から35位は CDR-1を、36から49
位はフレームワーク2を、50から65位は CDR-2を、66か
ら97位はクレームワーク3 を、98から106 位は CDR-3
を、107 から117 位はフレームワーク4をそれぞれ示
す。また、抗MY10抗体のL鎖の可変部位の遺伝子配列及
びそれがコードするアミノ酸配列を、配列表配列番号2
に示す。配列表配列番号2の1から23位はフレームワー
ク1を、24から39位は CDR-1を、40から54位はフレーム
ワーク2を、55から61位は CDR-2を、62から93位はフレ
ームワーク3を、94から102 位は CDR-3を、103 から11
3 位はフレームワーク4をそれぞれ示す。
【0017】本発明でいう「抗体」とは、通常生体内に
存在する形の抗体の他に、抗体のH鎖もしくはL鎖の可
変領域もしくはその組み合わせで形成される抗原結合部
位を少なくとも1つ含む分子を含む。例えば、H鎖の可
変領域のみ含むペプチド、1組のH鎖とL鎖からなる F
ab、2組のH鎖断片とL鎖からなる(Fab')2、H鎖断片
とL鎖が同一ペプチド上に直列に結合した1本鎖抗体
「ScFv」なども含まれる。本発明でいう「ヒト CD34 抗
原」とは、Civin らにより報告(米国特許第 4965204号
明細書、及び J.Immunology 誌第 133巻第 157頁 (1984
年))されている抗原をいう。この抗原は、血液の未分化
細胞上に発現する造血未分化細胞の抗原マーカーとして
知られている。
【0018】本発明でいう「実質的に同じ機能」とは、
抗原分子上のエピトープ、抗原との結合力が実質上同じ
であることをいう。可変領域のフレームワークや定常領
域におけるアミノ酸置換があったとしても、しばしば本
質的に同じ性能の抗体を生成することが知られている。
抗体の抗原特異性と抗原への結合の強さが、主にCDRの
アミノ酸配列によって決定されることはマウス抗体のヒ
ト化で示されている (Gussow, D. and Seemann, G., M
ethods in Enzymology, 203:99 21(1991); Glaser, S.
M. et al., J.Immunology 149:2607-2614(1992))。
【0019】さらに、組換え抗体の産生方法として、例
えば、COS7細胞により抗体を分泌発現するには、種々の
ベクターが使用可能であり、 (Whittle, N. and Adai
r, J.et al.(1987), Protein Eng., 1(6), 499-505.;S
utter, K.D.and Feys, V. et al.(1992), Gene 113,22
3-30.)、例えばヒト抗体の発現プラスミド(pG1) を利用
し、ヒト・マウスキメラ抗ヒト CD34 抗体を発現し得る
プラスミド pG1My10を作成し、これをCOS7細胞へ遺伝子
導入し、ヒト抗 CD34 抗体の生産を行う。ここで言う、
ヒト・マウスキメラ抗体とは、可変領域がハイブリドー
マ由来のマウス遺伝子配列であり、定常領域がヒト由来
の遺伝子配列から構成される遺伝子によって生産された
抗体を示す。発現プラスミドpG-1は、国際公開公表番号
WO95/15393号公報に記載の pSEプラスミドのヒト Cγ1
の配列に付加されている膜通過ドメイン(TM)を除去し
て、通常の抗体の様に生体内に分泌されるように改良し
たプラスミドである。その作成の詳細は、参考例として
記してある。つまり、ヒト定常領域をコードする遺伝子
配列を有しており、マウス可変領域遺伝子をつなぐこと
により、ヒトマウスキメラ抗体を発現しうるプラスミド
である。
【0020】COS7細胞は、通常10%ウシ胎児血清加 Dul
becco's Modified Eagle's Medium (DMEM 培地)を用
い、5%CO2 存在下37℃で培養する。COS7細胞への遺伝
子導入法や遺伝子導入後の細胞の育種生産法は、バイオ
マニュアルシリーズ4「遺伝子導入と発現・解析法」;
横田 祟、新井 賢一 羊土社(1994)等の実験書に記載
されている。COS7細胞への遺伝子導入法は、電気穿孔法
の他、DEAEデキストラン法 (Bebbington, C.R.(199
1); METHODS: A Companion to Methods in Enzymology,
2(2), 136-45.) であっても良い。
【0021】本発明の実施例によれば、発現プラスミド
pG1 に組み込まれた定常領域遺伝子が Cγ1 であるた
め、各クローンは IgG1 として発現する。抗体の生産時
には、血清由来のウシ抗体の混入を避けるために、無血
清のDMEM培地によって培養することが望ましい。こうし
て培養上清中に分泌された抗 CD34 抗体は、例えばプロ
テインAやプロテインGを用いる一般的な IgG抗体の精
製法によって容易に精製することができる。工業生産の
場合の宿主としては CHO細胞、ミエローマSp2/0細胞が
よく知られている (Xiang,J. et al.(1990) Mol.Immu
n., 27, 809; Bebbington, C.R. et al.(1992) Bio/te
chnology,10,169; Larrick,J.W. and Wallace, E.F. et
al.(1992)Imunol. Rev.130,69-85.; Deyev,S.M.andLie
ber, A. et al.(1994) Appl.Biochem. Biotechnol.47(2
-3),143-54.)。例えば CHO細胞では、MTX 等の薬剤によ
り生産性の高いクローンを選択する方法も報告されてお
り (Bebbington, C.R. (1991) METHODS: A Companion t
o Methods in Enzymology, 2(2),136-45.)、安定な高生
産株が取得できれば、その株を組換え抗ヒト CD34 抗体
の工業的生産に利用できる。
【0022】また、本発明の1本鎖抗体は、pCANTAB5E
プラスミド(ファルマシア社)を利用することにより調
製し得る。H鎖及びL鎖に結合するリンカーは、本プラ
スミドに含まれるが、本配列に限定されずに利用するこ
とができる。ハイブリドーマから1本鎖抗体を単離する
方法は、Recombinant Phage Antibody System キット
(ファルマシア社)などを利用することが可能な場合も
あるが、本発明のようにスクリーニングに必要なヒト C
D34 抗原が無い場合、キットを有効に使用できず多くの
工夫を要する。
【0023】抗体の形状として、生産された抗体分子を
そのまま利用することも可能であるが、各種プロテアー
ゼ処理により得られる抗原結合部位を含む断片である F
ab、F(ab')2 、 Fv あるいは Fd なども適用することが
できる。これらの断片については、「抗体工学入門」第
20〜22頁 (平成6年1月25日地人書館発行金光ら著)な
どに説明がされている。その他にも本発明をヒト体内の
血液を体外循環に応用する場合には抗体が血液中に遊離
した際の副作用、抗原性などを考慮して可変領域以外の
部分をヒト型抗体にするようなキメラ抗体を用いること
も有用である。これら抗体の作製方法は特に限定される
ものではないが、高純度に精製されたものを用いなけれ
ばならない。モノクロナール抗体の生産方法は、通常行
なわれているハイブリドーマをマウスの腹腔で増殖させ
腹水から生産された抗体を回収する方法、もしくは、無
血清培地による培養上清から得る方法でよい。断片ペプ
チドの場合には抗体分子の酵素処理により得ることがで
きるが、遺伝子工学的な手法により細菌,酵母などに産
生させることも可能である。これらの方法により得たモ
ノクローナル抗体、モノクローナル抗体由来抗体断片、
ペプチド等を組み合わせることにより、より強固な結合
性を生じる。
【0024】さらに本発明の遺伝子によって生産させた
抗体に毒素を結合させ、慢性骨髄性白血病などの患者に
投与し、急増した CD34 陽性白血病細胞を低減させるこ
とができる。また、こうした修飾抗体は、体外に取り出
した患者の骨髄液、もしくはアフェレーシスにより回収
した患者の末梢血白血球懸濁液にも利用することができ
る。また、他の抗体由来の可変領域の遺伝子を組み合わ
せることにより、バイスペシフィック抗体、マルチスペ
シフィック抗体の生産も可能となる。マルチスペシフィ
ックとは、異なる抗原もしくはエピトープを認識する抗
原結合部位を少なくとも2種類以上有する抗体を示す。
中でもバイスペシフィックとは、異なる抗原もしくはエ
ピトープを認識する抗原結合部位を2種類以上有する抗
体を示す。例えば、通常の抗体の一方の抗原結合部位が
CD34 抗原を認識し、もう一方の抗原結合部位をリンパ
球抗原CD3 等に対するバイスペシフィック化したもの
で、CD34 陽性白血病細胞にリンパ球をより強く認識さ
せ抗白血病効果を誘導することができる。CD3 以外に
も、汎リンパ球マーカー、例えば CD2, CD4, CD5, CD6,
CD7などが利用することができる。これらを組み合わせ
て IgMとして発現させれば、バイスペシフィック、マル
チスペシフィックの抗体を作成し得る。こうした生産時
にバイスペシフィック化する以外に、モノクローナル抗
体を生産、精製し、その後に抗体同士を結合させ、バイ
スペシフィック化、マルチスペシフィック化することが
できる。
【0025】これらは、異なる抗原に対してのみなら
ず、同一分子内の異なるエピトープ、例えば異なる抗 C
D34 抗体を組み合わせることも可能である。抗 CD34 抗
体は、いくつか報告されている。例えば抗 HPCA-2 抗体
(ベクトンデッキンソン社)、抗HPCA-1抗体(ベクトン
デッキンソン社)、4A1(ニチレイ社)、B1.3C 5 (Katz
ら,Leuk. Res.誌、9巻、191 頁、1985年)、12.8、11
5.2 (Andrewsら、Blood誌、67巻、842 頁、1986年)、I
CH3 (Wattら、Leuka emia誌、1巻、417 頁、1987
年)、Tuk3(Unchanska-Zieglerら,Tissue A ntigens
、33巻、230 頁、1989年)、QBEND10 (Fina ら、 Bloo
d、75巻、2417頁、1990年)、CD34 (Ab-1)(Oncogene S
ciences社)、Immu-133 (Barrandeら、Hybridoma 誌、1
2巻、203 頁、1993年)などが知られ、これらの抗体遺
伝子を単離し、生産に用いることができる。
【0026】1本鎖抗体のアミノ酸配列は、配列表配列
番号3に示した。それをコードする核酸配列の例をアミ
ノ酸配列と共に示した。配列表配列番号3のアミノ酸配
列の1から29位は大腸菌からの分泌用シグナルを含む配
列を、30から 146位はH鎖の可変領域を、 147から 164
位はリンカーを、 165から 274位はL鎖の可変領域を、
275 から292 位までは E-tagを含む配列をそれぞれ示
す。pCANTAB5E プラスミド(ファルマシア社)は、リン
カーとしてH鎖及びL鎖の一部を含む配列、つまり 140
から169 位が用意されており、本発明ではその配列を利
用して上記配列を作成することができる。
【0027】1本鎖抗体の場合においても、毒素を結合
させうる。また、生産時でのバイスペシフィック化、マ
ルチスペシフィック化が可能であり、1ペプチド内に複
数の抗原認識部位の組み合わせのH鎖及びL鎖を繰り返
して並べることにより生産させることができる。また、
生産、精製後に結合させることもできる。H鎖及びL鎖
の組み合わせによらず、H鎖のみもしくはL鎖のみのペ
プチドを利用することもできる。こうした抗体種の選択
は、利用する用途により行うことができ、結合強度、抗
原性等で選択し得る。
【0028】さらにまた本発明は、上記記載の本発明の
モノクローナル抗体と医薬的に許容しうる担体とからな
る医薬組成物を提供する。例えば医薬的に許容しうる成
分組成の担体や安定化剤など、人体への投与に際し、該
抗体の活性を保持させるために使用される物質とともに
医薬用組成物中に含まれていてもよい。このような担体
や安定剤としては、ヒト血清アルブミン、ゼラチン等を
例示することができる。医薬的に許容しうるとは、悪
心、目眩、吐き気等投与に伴う望ましくない副作用、頻
回投与時の製剤に対する免疫応答などが起きないことを
意味する。また、医薬的に許容しうる適当な溶剤や希釈
剤、安定化剤とともに溶解された液状の医薬用組成物で
もよい。さらに上記の医薬組成物に加えて生体内におけ
る濃度調節を目的とするミクロスフィアー、リポゾーム
等の徐放移植体を含む医薬用組成物であってもよい。本
発明において非経口(注射)する場合は、キメラ抗体及
びScFvで10μg 〜1mg/体重kg程度が適当である。ま
た、体外で細胞を処理する場合は、 0.1μg 〜1mg/ml程
度が適当である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の参考例及び実施例
を説明するが、これらは本発明を具体例に説明するもの
であって、本発明を限定するものではない。
【参考例】pG1 プラスミドの調製を行った。膜結合型ヒ
ト抗体の発現ベクター pSE (国際公開公表番号 WO95/15
393 号公報) の膜貫通領域(TM)を除去し、ヒト抗体を分
泌発現可能なベクターを作製した。まず発現ベクターpS
E を制限酵素 SalI で消化後、切断末端を平滑化した。
この反応は、DNA Blunting Kit (宝酒造社)を用い、
添付のプロトコールに従って操作した。以上の処理を行
った発現ベクター pSEを制限酵素 ApaI で消化後、0.7
%アガロースゲルにて電気泳動し、 Cγ1 遺伝子及び膜
貫通領域(TM)を含む遺伝子領域が欠失したpSE ベクター
DNAを抽出精製した。この反応は GeneCleanII Kit(フ
ナコシ社)を用い、添付のプロトコールに従って操作し
た。抽出した pSEベクターの制限酵素切断末端は、ウシ
アルカリフォスファターゼ(宝酒造社)により、自己環
化が起きないよう処理した。次に、ヒト Cγ1 遺伝子の
全長が組み込まれたプラスミドDNA pUCCG1 を制限酵素
KpnI(宝酒造社)で消化し、切断末端を平滑末端化した
後、制限酵素 ApaI で消化した。この反応物を 0.7%ア
ガロースゲルにて電気泳動し、 Cγ1 遺伝子の全長を含
む DNA断片を抽出精製した。この DNA断片と、先の処理
を行った発現ベクターpSE とをライゲーションキットVe
r.2 (宝酒造社)を用いて連結し、連結反応産物を大腸
菌 DH5株へ導入した。出現したコロニーから数個を選ん
で培養し、常法に従ってプラスミド DNAを抽出精製し
た。発現ベクターpSE に存在する適当な制限酵素を用い
てこれらプラスミドの切断パターンを調べ、予想された
パターンに一致したものを選び出した。以上の操作によ
って得られたプラスミドを pG1とした。図2に pG1プラ
スミドの概略図を示した。
【0030】
【実施例1】抗体遺伝子を単離するためハイブリドーマ
Anti-My-10 (ATCC HB-8483)を、10%牛胎児血清(Flow
社)を添加したRPMI-1640 培地(Gibco社)で培養した。
あらかじめハイブリドーマは、限外希釈法で、クローン
を分離し、培養上清を測定しKG-Ia 細胞(ATCC CCL-246.
1)(CD34 抗原陽性急性骨髄白血病細胞で造血未分化細胞
の形態、性状を示す。) への結合性の高いクローンを選
択した。この細胞6x107 から全 RNAを AGPC 法(Chomczy
nski,P.and Sacchi, N.(1987)Single-step method of
RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-PhOH
-chloroform extraction.Anal.Biochem.162,156-159.)
で分離した。さらに、分離した RNAからmRNAを QuickPr
ep mRNA Purification Kit(ファルマシア社)を使用
し単離した。得られた mRNA を鋳型として、1st strand
cDNA を合成した。これは、cDNASynthesis Kit (フ
ァルマシア社)を使用し、添付の説明書に従い行った。
その後、PCR 法により、目的の遺伝子の増幅を行った。
プライマーは、マウス抗体遺伝子 cDNA が合成しうる配
列候補を Sequences of Proteins of Immunological In
terest, 5th edition, 1991(USA NIH 発行)に掲載さ
れたマウス抗体可変領域の遺伝子配列を参考にして複数
合成し、それらプライマーを組み合わせた PCR法を行っ
た。
【0031】H鎖の取得に関し核酸配列 (5' GTCCCAGGA
TCCTCTGAAGCAGTCAGGCCC3')及び (5'ACAGTGGGCCCGTCGTTT
TGGCTGAGGAGA3') を、L鎖の取得に関し (5'TGTGCCCTCG
AGGTGACTCAA ACTCCACTCTC3')及び (5'ATGGATACTAGTGGTG
CAGCATCAGCCC3') の配列を持つプライマーから遺伝子が
増幅された。増幅された遺伝子断片は、TA cloningkit
(インビトロジェン社)を使用し、クローニングした。
これら得られた遺伝子のH鎖及びL鎖の可変領域塩基配
列を決定した。塩基配列の決定はcDNAシークエンサー
Ver.1.2.0, Model373 A(Applied Biosystems社)を用
い、メーカーのプロトコールに従って行った。
【0032】標識反応は、H鎖はSer-Glu-Gln-His-Cys
(すなわち、1文字略字で示すと、SEQHC)(5'CTCTTGGAGG
AGGGTGCCAG3')を、κ鎖はSer-Glu-Gln-Leu-Cys(すなわ
ち、1文字略字で示すと、SEQLC)(5 'CCAGATTTCAACTGCTC
ATCAGA3')をプライマーとして、PRISM Ready Reactio
n DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencing Kit (Appl
ied Biosystems社)を用い、方法は添付のプロトコー
ルに従った。
【0033】染色は、ABI社のラベリングキットを利
用した。その結果、H鎖のプライマーから得られた遺伝
子断片を配列表配列番号1、L鎖のプライマーから得ら
れた遺伝子断片を配列表の配列番号2に示した。
【0034】
【実施例2】実施例1で得られた抗 CD34 抗体のH鎖及
びL鎖可変領域塩基配列を含む遺伝子断片を pG1プラス
ミド (約7kb)へ組み込み、抗 CD34 抗体を発現可能なプ
ラスミドを作製した。クローンのプラスミド DNAのL鎖
を制限酵素XhoI (宝酒造社)及びSpeI (宝酒造社)で消
化後、0.7 %アガロース電気泳動ゲルにて展開し、L鎖
可変領域塩基配列を含む DNA断片を切り出し抽出した。
アガロースゲルからのDNA断片の抽出には、GeneCleanII
Kit (フナコシ社)を用い、添付のプロトコールに従
って操作を行った。次に、ベクターpG1 を制限酵素XhoI
及びSpeIで消化後、0.7 %アガロースゲルにて同様に切
り出し抽出したものと連結した。次にクローンのプラス
ミド DNAのH鎖可変領域塩基配列を含む DNA断片を制限
酵素ApaI(宝酒造社)及び BamHI(宝酒造社)で切り出
し抽出した。アガロース電気泳動ゲルからの DNA断片の
抽出には、GeneCleanII Kit (フナコシ社)を用い、添
付のプロトコールに従って操作を行った。次に、上記で
H鎖可変領域塩基配列を含む DNA断片が挿入されたベク
ター pG1を制限酵素 ApaI 及び BamHIで消化後、0.7 %
アガロース電気泳動ゲルから同様に切り出し抽出したも
のと連結し、連結反応物を大腸菌JM109 株へ導入した。
この連結反応には、ライゲーションキットver.2 (宝酒
造社)を用いた。形質転換した大腸菌をアンピシリン含
有LBプレートに蒔いて一晩培養し、出現したコロニー
の中から数個を選び、常法に従ってプラスミド DNAを抽
出精製した。これらを組み込みに用いた制限酵素 XhoI
及び ApaI にて消化し、H鎖及びL鎖可変領域塩基配列
を含む断片が挿入されたものを選び出した。以上の方法
にて得られた分泌型抗体発現プラスミドを pG1MY10 (約
7.7kb)とした。
【0035】
【実施例3】実施例2にて得られた分泌型抗体発現プラ
スミドpGIMY 10を、DEAEデキストラン法(Beb-bing
ton,C.R.(1991); METHODS:A Compa-nion to Methods
inEnzymology, 2(2),136-145.)にてそれぞれ COS7 細胞
へ導入した。 COS7 細胞を10%ウシ胎児血清(FCS) 加 D
ulbecco's Modified Eagle's Medium(DMEM)にて、遺
伝子組み込みの4日前に直径100mm のディッシュあたり
約 6.1x105Cells/10mlとなるよう蒔き直し、培養した。
4日後、まず上清を除き、PBS(-)にて細胞を静かに洗浄
して、4ml の10% FCS加 Dulbecco's Modified Eagl
e's Medium (DMEM) を加え、次いで DEAE デキストラ
ン/分泌型抗体発現プラスミド混合液を細胞へ均一にふ
りかけて、37℃で4時間インキュベ−トした。この混合
液は 20mg/mlのDEAEデキストラン(ファルマシア社 Co
de No.170350-01,Lot.PF97323)水溶液と、分泌型抗体プ
ラスミドをTBS(-)(20mM Tris ・ HCl (pH7.4), 0.15M Na
Cl) により0.17μg/μl とした溶液を2:1(v/v) で混
合したものであり、ディッシュあたり 180μl を添加し
た。インキュベーション後、上清を捨て、10%ジメチル
スルフォキシド(DMSO)添加 PBS(-) 5ml を加えて1分静
置した。次いで上清を捨て、PBS(-)で洗浄後、 100μM
クロロキン(Sigma No-6628)入りの2%FCS添加 DME
M 7ml を加え、37℃で3時間インキュベートした。その
後、上清を捨て、PBS(-)で洗浄して、10% FCS 加 DME
M10ml を加え、培養した。翌日、P BS(-) 及び DMEM に
てFCS 加 DMEM をよく除去した後、無血清の DMEM 10ml
を加え、生産を開始した。
【0036】生産開始から3日後培養上清を回収し、以
後約2週間生産を続けた。得られた培養上清を集め、プ
ロテインGセファロースカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、これをヒトマウスキメラ抗 CD34 抗体の精製
標品とした。精製標品の CD34 抗原への結合は次の方法
により確認した。1.5ml チューブに培養細胞 KG1a を1x
106 個調製し、細胞懸濁液(2% FCS添加 PBS(-))で2回
洗浄した。洗浄した細胞に細胞懸濁液を50μl 添加し懸
濁した。これに精製標品を1μg 加え、氷中で30分間静
置した。その後さらに細胞懸濁液で3回洗浄を行った
後、細胞懸濁液を50μl 添加し懸濁した。これに FITC
標識ヤギ抗ヒトIgG(Fc)抗体(1/20 希釈 Immunotec
社)を1μg 加え氷中で30分間静置した。その後さらに
細胞懸濁液で3回洗浄を行った後、細胞懸濁液を 300μ
l 添加し懸濁した。以上の処理を行った細胞にフローサ
イトメーター(ベクトンディッキンソン社)でレーザー
光を照射することにより細胞上に結合した抗体量を蛍光
にて測定した。対照として、精製標品の代わりにミエロ
ーマ由来ヒトIgG 抗体を1μg 加え、同様の操作で細胞
を処理した。図3に、精製標品の CD34 抗原への結合を
示した。図3(1) は通常のマウス抗原を使用した場合、
(2) は本精製標品を使用した場合であり、ネガティブコ
ントロールである白ピークに対し、それぞれの抗体が結
合することにより黒ピークの移動が認められた。この結
果、抗 CD34 抗体 pG1MY10由来の精製標品は CD34 抗原
への結合活性を保持していることが確認され、実施例1
記載の特徴を有するヒトマウスキメラ抗体には CD34 抗
原に対する結合活性があることが実証された。また、本
精製標品によって、CD34陽性細胞を検出しうることを確
認した。
【0037】
【実施例4】抗体遺伝子をScFv抗体産生用ベクター
に組み込むため、実施例2で得た遺伝子を制限酵素配列
を含むプライマーを使用し、PCR法で増幅させた。H
鎖用プライマーの核酸配列は、(5'GCGGCCCAGCCGGCCATGG
CCCAGGTGCAGCTGAAGCAGTCAG3') 及び (5'AGACGGTGACCGTG
GTGCCTTGGCCCC3')、L鎖用プライマーの核酸配列は、
(5'TCGAGCTCACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCT 3')、及び(5'CA
CCTGCGGCCGCCCGTTTCAGCTC 3 ') を使用した。PCR条
件はGeneAmp PCR Reagent Kit with AmpliTaq DNA
Polymerase(宝酒造社)を用い、94℃1分、55℃1
分、72℃ 2分を1サイクルとして、30サイクル行った。
PCR装置は、型名 DNA Thermal Cycler480 (パーキ
ンエルマー社)を使用した。この増幅した遺伝子をH鎖
は制限酵素SfiI (東洋紡社)及び BstPI (宝酒造社)で
消化し、L鎖は制限酵素SacI (宝酒造社)及び NotI(宝
酒造社)で消化した後、1.5 %アガロースゲルにて電気
泳動し各々の DNA断片を切り出し抽出した。アガロース
ゲルからの DNA断片の抽出には、Gene CleanII Kit (
フナコシ社)を用いて行った。
【0038】ScFv抗体を産生するベクターは、抗 CD34
抗体遺伝子を導入する前にあらかじめ任意の抗体遺伝子
を産生するプラスミドの作成を行った。Recombinant P
hageAntibody Systemキット(ファルマシア社)を用い
て、 抗体を産生するハイブリドーマの任意の遺伝子を
組み込んだ。そのベクターの作成方法は、このキットに
添付された説明書に従った。この任意の抗体遺伝子を含
むプラスミドを、制限酵素SacI (宝酒造社)及びNotI
(宝酒造社)で消化後 0.8%アガロースゲルにて電気泳
動し、L鎖領域が欠失したベクター DNA断片を抽出精製
した。この DNA断片と、先に調製した抗 CD34抗体のL
鎖遺伝子を連結してL鎖遺伝子を組み入れた。次に、L
鎖が入れ替わったプラスミドを制限酵素SfiI (東洋紡
社)及び、BstPI(宝酒造社)で消化後0.8%アガロース
ゲルにて電気泳動し、H鎖領域が欠失したベクターDN
A断片を抽出精製した。この DNA断片と、先に調製した
抗 CD34 抗体のH鎖遺伝子を連結してH鎖遺伝子を組み
入れた。各々のライゲーションは、ライゲーションVer.
2 キット(宝酒造社)を使用した。またアガロースゲル
からの DNA断片の抽出には、Gene CleanII Kit (フナ
コシ社)を用い行った。以上の操作によって得られたプ
ラスミドを大腸菌HB2151 (ファルマシア社)へ導入し
た。形質転換した大腸菌をアンピシリン含有2% Gluco
se加 2xYT プレートに蒔いて一晩培養し、出現したコロ
ニーの中から数個を選び、常法に従ってプラスミドDN
Aを抽出精製した。適当な制限酵素を用いてこれらプラ
スミドの切断パターンを調べ、予想されたパターンに一
致したものを選び出した。以上の操作によって得られ
た、抗 CD34抗体の配列を有す ScFv 抗体を発現するプ
ラスミドを pCANMY10 とした。
【0039】上記プラスミドでトランスフォームした大
腸菌を2%グルコース添加 100μg/mlアンピシリン添加
SB培地(3.5%バクトトリプトン、2%バクトイースト
エキストラクト、0.5 % NaCl)にて培養した。翌日この
一部を10倍量の上記培地に加え、1時間培養した後上清
を除き、1mM のIPTG、100 μg/mlアンピシリン添加SB
培地の等量に換えて、さらに3時間培養した後、菌体を
RPAS PurificationModule(ファルマシア社)のプロト
コールに従って処理することにより、ペリプラズム中の
抗体を回収した。得られた抗体粗画分を Etag 抗体カラ
ム(ファルマシア社)で精製した。このカラムによる精
製は添付のプロトコールに従い、付属の試薬を利用して
行った。以上の操作により ScFv 抗体精製標品を得た。
【0040】
【実施例5】実施例4にて得た抗 CD34 ScFv抗体精製標
品を使用し、ヒト CD34 抗原の検出を行った。1x107
のKGー1a 細胞を0.05% Triton X100 (ナカライテスク
社)を含む1mlのPBS(-)で氷上10分間処理して、細胞膜
からのタンパク質抽出を行った。使用したKG-1a 細胞
は、10%牛胎児血清を含むRPMI-1640 培地で培養した。
抽出液10μl をメルカプトエタノール存在下で、3分間
沸騰処理した。この液をSDS ポリアクリルアミド電気泳
動ゲル(ACI 社)を使用し展開した。この電気泳動は、
ゲルに添付の説明書に記載の条件で行った。泳動後ゲル
中のタンパク質をPVDF膜(BioRad社)にトランスファー
した。トランスファーは、25mMトリス 192mMグリシン
バッファー及びElectrohoresis power Supply-EPS 60
0 装置(ファルマシア社)を使用し、100V、1時間でト
ランスファーした。フィルターは室温で10%スキムミル
ク入りPBS(-)にて1時間ブロッキングした。このフィル
ターは、0.05% Tween-20 を含むPBS(-)で洗浄後、15μ
g/mlの一本鎖抗体で1時間反応させた。次に、このフィ
ルターを洗浄後、2次抗体として抗E−tag抗体(フ
ァルマシア社)を 5μg/mlで1時間反応させた。さら
に、洗浄後、3次抗体として、パーオキシダーゼ標識抗
マウスFc抗体を 5μg/mlで1時間反応させた。このフ
ィルターを洗浄後、1次抗体の結合した電気泳動のバン
ドは、ECL液(アマシャム社)で発光させ、高感度フ
ィルム(Hyperfilm-ECL:アマシャム社)で検出した。そ
の結果、ポジティブコントロールと同様約120Kダルトン
の位置に CD34 分子のバンドが検出された。ポジティブ
コントロールは、抗 HPCA-1 抗体(ベクトンディッキン
ソン社)を1次抗体、パーオキシダーゼ標識抗マウスF
c抗体を2次抗体としたフィルターを同様に発色させ
た。また、ネガティブコントロールとして1次抗体であ
る1本鎖抗体のみを除いて、同様な処理を行った。120K
ダルトンのバンドは、検出できなかった。従って、抗 C
D34 一本鎖抗体は、CD34分子を検出しうることを確認し
た。
【0041】
【実施例6】安定なヒトマウスキメラ抗 CD34 抗体含有
製剤を製造した。実施例3で得たヒトマウスキメラ抗体
をゲルろ過により100mM 塩化ナトリウムを含む20mMりん
酸緩衝液、pH7.4(PBS)に無菌的に置換し、そのヒトマウ
スキメラ抗体 1mgとヒト血清アルブミン20mgをPBS に混
合し2 mlとし、ガラスバイアル瓶に無菌的に注入し密栓
した。
【0042】
【実施例7】安定な1本鎖抗CD34抗体含有製剤を製造し
た。実施例4で得た1本鎖抗体をゲルろ過により100mM
塩化ナトリウムを含む20mMりん酸緩衝液、pH7.4(PBS)に
無菌的に置換し、その1本鎖抗体 500μg とヒト血清ア
ルブミン200mg を PBSに混合し2 mlとし、ガラスバイア
ル瓶に無菌的に注入し密栓した。
【0043】
【発明の効果】本発明の抗CD34抗体遺伝子は、効率的に
抗CD34抗体を生産することを可能とし、種々の形態の薬
剤組成物 (治療用型剤) を提供することができる。本発
明によれば、人体投与に際して安全性が高い抗ヒトCD34
抗原を認識する抗体を大量に調製することを可能とし、
造血未分化細胞の分離用リガンド、白血病用抗体製剤が
提供可能となる。また、本発明で生産した抗体を利用
し、造血未分化細胞の分離を行うことができる。本発明
で生産した抗体により、体外において血液細胞懸濁液か
らあるいは体外循環により血液から効率よく造血未分化
細胞を分離することが可能となり、分離した細胞は種々
の疾患の治療に用いることができる。本発明における細
胞懸濁液には、前述したような最近報告されつつある造
血未分化細胞を含む種々の細胞懸濁液が造血未分化細胞
を分離する材料となり得る。さらに、本発明のヒトマウ
スキメラ抗体によれば、医薬品として利用した場合、ヒ
ト体内での抗原性がマウスs 抗体にくらべ極度に低下し
ており、より安全性が向上している。通常の抗体をペプ
シンなどのプロテアーゼで分解したF(ab') 2化した場合
でもヒトFcを利用した断片は、マウスのものにくらべ安
全性が高い。また、医療機器への応用に際しても、リガ
ンドとして利用されている抗体がプロテアーゼ等の分解
を受け微量に遊離してくる可能性があるが、そうした分
解産物に関してもヒト化されたものは、安全性が高いと
いえる。またさらに、本発明の1本鎖抗体によれば、低
分子化することにより抗原性を低下させ得る効果が期待
される。抗体をパパインなどのプロテアーゼ処理しFab
化した抗体は、マウスの定常領域を依然として含むが、
1本鎖抗体はそれらを除いたものであり、抗原性を非常
に低くすることができ得る。
【0044】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:351 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA, 起源 生物名:マウス 株名:anti−My−10 配列 CAG GTG CAG CTG AAG CAG TCA GGA CCT GGC CTA GTG CAG CCC TCA CAG 48 Gln Val Gln Leu Lys Gln Ser Gly Pro Gly Leu Val Gln Pro Ser Gln 5 10 15 AGC CTG TCC TTC ATC TGC ACA GTC TCT GGT TTC TCA TTA ACT AGT CAT 96 Ser Leu Ser Phe Ile Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Ser His 20 25 30 GGT GTA CAC TGG GTT CGC CAG TCT CCA GGA AAG GGT CTG GAG TGG CTG 144 Gly Val His Trp Val Arg Gln Ser Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu 35 40 45 GGA GTG ATA TGG GGT GCT GGA AGG ACA GAC TAT AAT GCA GCT TTC ATA 192 Gly Val Ile Trp Gly Ala Gly Arg Thr Asp Tyr Asn Ala Ala Phe Ile 50 55 60 TCC AGA CTG AGC ATC AGC AGG GAC ATT TCC AAG AGC CAA GTT TTC TTT 240 Ser Arg Leu Ser Ile Ser Arg Asp Ile Ser Lys Ser Gln Val Phe Phe 65 70 75 80 AAG ATG AAC AGT CTG CAA GTT GAT GAC ACA GCC ATA TAT TAC TGT GCC 288 Lys Met Asn Ser Leu Gln Val Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala 85 90 95 AGA AAT AGG TAC GAG AGC TAC TTT GAC TAC TGG GGC CAA GGC ACC ACT 336 Arg Asn Arg Tyr Glu Ser Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr 100 105 110 TCC CTC ACA GTC TCC 351 Leu Thr Val Ser Ser 115
【0045】配列番号:2 配列の長さ:339 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 株名:anti−My−10 配列 GAT GTT GTG ATG ACC CAA ACT CCA CTC TCC CTG CCT GTC AGT CTT GGA 48 Asp Val Val Met Thr Gln Thr Pro Leu Ser Leu Pro Val Ser Leu Gly 5 10 15 GAT CAG GCC TCC ATC TCT TGC AGA TCT AGT CAG AAC CTT GTA CAC AGT 96 Asp Gln Ala Ser Ile Ser Cys Arg Ser Ser Gln Asn Leu Val His Ser 20 25 30 AAT GGA AAT ACC TAT TTA CAT TGG TAC CTG CAG AAG CCA GGC CAG TCT 144 Asn Gly Asn Thr Tyr Leu His Trp Tyr Leu Gln Lys Pro Gly Gln Ser 35 40 45 CCA AAT CTC CTG ATC TAC AAA GTT TCC AAC CGA TTT TCT GGG GTC CCA 192 Pro Asn Leu Leu Ile Tyr Lys Val Ser Asn Arg Phe Ser Gly Val Pro 50 55 60 GAC AGG TTC AGT GGC AGT GGA TCA GGG ACA GAA TTC ACA CTC AAG ATC 240 Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Glu Phe Thr Leu Lys Ile 65 70 75 80 AGC AGA GTG GAG GCT GAG GAT CTG GGA GTT TAT TTC TGC TCT CAA AGT 288 Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Phe Cys Ser Gln Ser 85 90 95 ACA CAT GTT CCG CTC ACG TTC GGT GCT GGG ACC AAG GTG GAG CTG AAA 336 Thr His Val Pro Leu Thr Phe Gly Ala Gly Thr Lys Val Glu Leu Lys 100 105 110 CGG 339 Arg
【0046】配列番号:3 配列の長さ:879 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 株名:anti−My−10 配列 TTT TTT TTG GAG ATT TTC AAC GTG AAA AAA TTA TTA TTC GCA ATT CCT 48 Phe Phe Leu Glu Ile Phe Asn Val Lys Lys Leu Leu Phe Ala Ile Pro 5 10 15 TTA GTT GTT CCT TTC TAT GCG GCC CAG CCG GCC ATG GCC CAG GTG AAG 96 Leu Val Val Pro Phe Tyr Ala Ala Gln Pro Ala Met Ala Gln Val Lys 20 25 30 CTG CAG CAG TCT GGA CCT GGC CTA GTG CAG CCC TCA CAG AGC CTG TCC 144 Leu Gln Gln Ser Gly Pro Gly Leu Val Gln Pro Ser Gln Ser Leu Ser 35 40 45 TTC ATC TGC ACA GTC TCT GGT TTC TCA TTA ACT AGT CAT GGT GTA CAC 192 Phe Ile Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Ser His Gly Val His 50 55 60 TGG GTT CGC CAG TCT CCA GGA AAG GGT CTG GAG TGG CTG GGA GTG ATA 240 Trp Val Arg Gln Ser Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu Gly Val Ile 65 70 75 80 TGG GGT GCT GGA AGG ACA GAC TAT AAT GCA GCT TTC ATA TCC AGA CTG 288 Trp Gly Ala Gly Arg Thr Asp Tyr Asn Ala Ala Phe Ile Ser Arg Leu 85 90 95 AGC ATC AGC AGG GAC ATT TCC AAG AGC CAA GTT TTC TTT AAG ATG AAC 336 Ser Ile Ser Arg Asp Ile Ser Lys Ser Gln Val Phe Phe Lys Met Asn 100 105 110 AGT CTG CAA GTT GAT GAC ACA GCC ATA TAT TAC TGT GCC AGA AAT AGG 384 Ser Leu Gln Val Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Arg Asn Arg 115 120 125 TAC GAG AGC TAC TTT GAC TAC TGG GGC CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC 432 Tyr Glu Ser Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val 130 135 140 TCC TCA GGT GGA GGC GGT TCA GGC GGA GGT GGC TCT GGC GGT GGC GGA 480 Ser Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly 145 150 155 160 TCG GAC ATC GAG CTC ACT CAG TCT CCA CTC TCC CTG CCT GTC AGT CTT 528 Ser Asp Ile Glu Leu Thr Gln Ser Pro Leu Ser Leu Pro Val Ser Leu 165 170 175 GGA GAT CAG GCC TCC ATC TCT TGC AGA TCT AGT CAG AAC CTT GTA CAC 576 Gly Asp Gln Ala Ser Ile Ser Cys Arg Ser Ser Gln Asn Leu Val His 180 185 190 AGT AAT GGA AAT ACC TAT TTA CAT TGG TAC CTG CAG AAG CCA GGC CAG 624 Ser Asn Gly Asn Thr Tyr Leu His Trp Tyr Leu Gln Lys Pro Gly Gln 195 200 205 TCT CCA AAT CTC CTG ATC TAC AAA GTT TCC AAC CGA TTT TCT GGG GTC 672 Ser Pro Asn Leu Leu Ile Tyr Lys Val Ser Asn Arg Phe Ser Gly Val 210 215 220 CCA GAC AGG TTC AGT GGC AGT GGA TCA GGG ACA GAA TTC ACA CTC AAG 720 Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Glu Phe Thr Leu Lys 225 230 235 240 ATC AGC AGA GTG GAG GCT GAG GAT CTG GGA GTT TAT TTC TGC TCT CAA 768 Ile Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Phe Cys Ser Gln 245 250 255 AGT ACA CAT GTT CCG CTC ACG TTC GGT GCT GGG ACC AAG GTG GAG CTG 816 Ser Thr His Val Pro Leu Thr Phe Gly Ala Gly Thr Lys Val Glu Leu 260 265 270 AAA CGG GCG GCC GCA GGT GCG CCG GTG CCG TAT CCG GAT CCG CTG GAA 864 Lys Arg Ala Ala Ala Gly Ala Pro Val Pro Tyr Pro Asp Pro Leu Glu 275 280 285 CCG CGT GCC GCA TAG 879 Pro Arg Ala Ala * 290
【図面の簡単な説明】
【図1】IgG の構造を模式的に示す。
【図2】pG1 プラスミドの概略図を示す。
【図3】本発明のキメラ抗体の KG-Ia細胞への結合性を
示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】さらに、本発明は、H鎖可変領域あるいは
L鎖可変領域のCDR−1,CDR−2及びCDR−3
が次のアミノ酸配列である抗体をコードする核酸に関す
る。すなわち、本発明は、H鎖可変領域のCDR−1,
CDR−2及びCDR−3が次のアミノ酸配列である抗
体をコードする核酸に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:351 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA, 起源 生物名:マウス 株名:anti−My−10 配列 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】配列番号:3 配列の長さ:879 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:マウス 株名:anti−My−10 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/02 C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体のH鎖可変領域の CDR-1,CDR-2 及
    びCDR-3 が次のアミノ酸配列をコードする核酸。 CDR-1 ; Ser-His-Gly-Val-His CDR-2 ; Val-Ile-Trp-Gly-Ala-Gly-Arg-Thr-Asp-Tyr-As
    p-Ala-Ala-Phe-Ile-Ser CDR-3 ; Asn- Arg-Tyr-Glu-Ser-Tyr-Phe-Asp-Tyr
  2. 【請求項2】 抗体のL鎖可変領域のCDR-1,CDR-2 及び
    CDR-3が次のアミノ酸配列をコードする核酸。 CDR-1 ; Arg-Ser-Ser-Gln-Asn-Leu-Val-His-Ser-Asn-G
    ly-Asn-Thr-Tyr-Leu-His CDR-2 ; Lys-Val-Ser-Asn-Arg-Ser-Phe-Gly-Val-Pro-A
    sp-Arg-Phe CDR-3 ; Ser-Gln-Ser-Thr-His-Val-Pro-Leu-Thr
  3. 【請求項3】 抗体の(A) H鎖可変領域が配列表配列番
    号1のアミノ酸3〜117 位に記載された配列あるいはそ
    れと実質的に同じ機能のアミノ酸配列を含み、(B) L鎖
    可変領域が配列表配列番号2のアミノ酸3〜113 位に記
    載される配列あるいはそれと実質的に同じ機能のアミノ
    酸配列を含むアミノ酸配列をコードする核酸。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸を
    用い、遺伝子組換え手法によってヒトCD34抗原に結合す
    る抗体を生産することを特徴とする組換え抗体の生産方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸を
    用い、遺伝子組換え手法によって得ることのできるヒト
    CD34抗原に結合する組換え抗体。
  6. 【請求項6】 Fc領域がヒト型である請求項5記載の
    組換え抗体。
  7. 【請求項7】 一本鎖抗体である請求項5または6記載
    の組換え抗体。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の組換え
    抗体と医薬的に許容し得る担体とからなる医薬組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999061629A1 (fr) * 1998-05-25 1999-12-02 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Dispositif pour la separation cellulaire et procede de separation
US7238777B2 (en) 2001-10-16 2007-07-03 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Agents for adsorption and bridging for adenovirus
US7872110B2 (en) 2003-01-15 2011-01-18 United Biomedical, Inc. Deimmunized monoclonal antibodies for protection against HIV exposure and treatment of HIV infection
US11180555B2 (en) 2014-09-16 2021-11-23 Ubi Us Holdings, Llc. Antibodies directed against CD4 for the treatment and functional cure of HIV
US11292839B2 (en) 2016-08-13 2022-04-05 Ubi Us Holdings, Llc Treatment and sustained virologic remission of HIV infection by antibodies to CD4 in HAART stabilized patients

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